JP3075019B2 - 熱収縮性ポリエステル系チューブの製造方法 - Google Patents

熱収縮性ポリエステル系チューブの製造方法

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JP3075019B2 JP05138520A JP13852093A JP3075019B2 JP 3075019 B2 JP3075019 B2 JP 3075019B2 JP 05138520 A JP05138520 A JP 05138520A JP 13852093 A JP13852093 A JP 13852093A JP 3075019 B2 JP3075019 B2 JP 3075019B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリエステル系フィル
ム(シートを含む、以下同じ)を材料にしてチューブ状
体を製造する方法に関し、詳細には容器、瓶(プラスチ
ックボトルも含む)、缶、棒状物(パイプ、棒、木材、
各種棒状物体)等(以下容器と略す)の被覆用として特
に、これ等のキャップ、肩部、胴部等の一部又は全面を
被覆し、表示、保護、結束、商品価値向上等を目的とし
て用いられるチューブ状材料を製造する方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来上記用途にはポリ塩化ビニル、ポリ
スチレン、ポリエチレン、塩酸ゴム等から形成されたフ
ィルムを用い、これをチューブ状体にしてから前記容器
にかぶせて熱収縮させていた。ポリ塩化ビニルやポリス
チレンを用いてチューブ状体を製造する場合には、溶剤
をフィルムに塗布して接合することが多く、超音波シー
ルを用いる場合もある。又ポリエチレンを材料とする場
合は、溶断シール法やインパルスシール法も用いられ
る。これに対してポリエステル系チューブでは超音波シ
ールが検討され始めている程度である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながらこれらの
従来技術には、以下述べる様な問題点がある。 (a)産業廃棄物の問題 近年プラスチックボトルの使用量が急激に伸長してい
る。このボトルの回収を考えた場合、特にポリエステル
ボトルの被覆に塩化ビニルやポリスチレン等の異種フィ
ルムが使用されていると回収再利用に付すことができな
いという等問題がある。又焼却する場合にも高熱を発し
て処理設備に悪影響を与えるという問題や、塩素ガスに
よる腐食の問題が提起されている。 (b)耐熱性の不足 前記従来フィルムはいずれも高温のボイル処理やレトル
ト処理に耐えることができず、殺菌処理には不適当なフ
ィルムである。例えばレトルト処理を行うと、前記従来
フィルムは処理中に破壊、破裂し、全ての機能が失なわ
れる。これに対しポリエステル系フィルムは、例えば代
表的なポリエチレンテレフタレートフィルムは耐熱性を
有するという面で期待されるが、その接着部分について
も優れた耐熱性を示すチューブは未だに開発されていな
い。例えばポリエチレンテレフタレートフィルムを超音
波シールすると一応の接合はできる。しかしながらボイ
ル処理やレトルト処理を行うと、超音波シール部が熱劣
化及び結晶化して脆くなり、容器類を包装すると該シー
ル部より衝撃破壊してしまう。
【0004】(c)印刷性 ハーフトーン印刷によるピンホールの発生、広範囲各種
インクとの接着性等に関し、上記従来フィルムはそれぞ
れ固有の欠点を有する。例えばポリ塩化ビニルではゲル
状物によるインクピンホールが発生し易く、長尺フィル
ムの途中にピンホールが存在すると、連続的なチューブ
加工においてこれを自動ラベリングマシンに供給した場
合ピンホールを持ったまま製品化されてしまう。その為
最終的に全品検査を行わなければならず、その労力と抜
取りによる再加工等により、実稼動率が著しく低下す
る。このピンホール欠陥を印刷終了後の段階で検査して
除去しようとすれば、カット後再び連続フィルム状に戻
す為の接着テープによる接合が必要になる。その為継ぎ
目が入り、その部分及び前後は継ぎ目の影響によって不
良品となり、工程中に欠陥包装体を取り除かなければな
らない。更に高精度の印刷では、印刷後にフィルムの収
縮による印刷ピッチの減少(経時収縮)を生じ、しかも
流通温度条件下で絶えず変化するという管理の難しさに
遭遇する。従ってポリ塩化ビニル収縮フィルム等では保
冷車や低温倉庫等が必要となる。 d)クレーズの発生 ポリスチレンではクレーズが発生し易く、商品外観上問
題であり、薬品によるクレーズも生じやすい。 e)容器類のラベル破壊 前記溶断シールや超音波シールでは、容器類の落下衝撃
等によって、該シール部が破壊の引き金になり易く、保
護性に欠ける。
【0005】f)白濁化 高温接合したものでは折角配向しておいたフィルムが未
配向状態に戻り、後加工、例えば加熱殺菌等で白化す
る。 g)接合部の加工速度と接合強度 ポリエステル系重合体のチューブ加工では既に超音波加
工が実用化され、試験的には接着剤を用いて接合するこ
とも検討されている。しかるに超音波加工シールによっ
て十分なシール強度を得ようとすれば極めて低速度しか
接合できず、生産性が低くなってチューブ加工費用がか
さむ。又超音波シール加工は発振子のギャップ調節によ
って敏感に作動し、接合部強度のばらつきを招き、また
基材を変形させて損傷するので脆化破損の原因となって
いる。一方接着剤による接合は一見常識的であるが、一
般のラミネートやコーティングによる接合と異なり、フ
ィルムの弾性に基づく反発作用により、接合部が離れ易
いという問題がある。これを防止するには瞬間的に高い
タックカを生じる接着剤を用いなければならず、又そう
した場合、塗布作業性が低くなる。万一うまく接合でき
たとしても、後工程の加熱殺菌処理で接着剤が加熱軟化
するのでフィルムの収縮応力によって接合部にずりを生
じ、接合がギザギザの状態になり、且つ接着剤がはみ出
したような状態となり、その部分だけが元のフィルム面
と異なった外観を与え、商品価値上問題がある。
【0006】(h)溶剤接着における問題 上記(b)、(g),(e)の問題を解決するためには
溶剤及び膨潤剤(以下溶剤という)を使用するのが有効
な手段であるが、以下の問題点がある。 (1)接合部の接合強度 接合に使用される溶剤及び基材フィルムの特性により接
合強度は決定されるが基材フィルムに対して適切な溶剤
を用いてない場合接合力不足によるはがれ、あるいは溶
剤により基材フィルムの形態が犯される問題が生じる。 (2)溶剤の衛生性 接合に使用される溶剤が人体へ強い毒性を持つ場合、加
工作業者の健康及び加工場周辺の環境に悪い影響を与え
る可能性があるので工業生産に用いるには好ましくな
い。本発明は上記の様な従来技術の欠点を克服する為に
なされたものであって、具体的には接合部についてもフ
ィルム基材部分と同程度の熱収縮特性を発揮し、且つ該
接合部が加熱変形のない状態で接合される様なポリエス
テル系チューブを提供することを目的とするものであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明のポリエステル系
チューブは、密度1.30〜1.35の熱収縮性ポリス
テルフィルムを1,3ジオキソランあるいは1,3ジオ
キソランと相溶する有機溶剤との混合液にて接合するこ
とを特徴とするものである。プラスチックボトルの出現
を契機に産業廃棄物問題が大きく取り上げられ、これを
回避することの必要上から回収性の検討が行われ、又焼
却時の塩素ガスや煙害等の回避が重要視されてきた中
で、ポリエステル系チューブが着目されつつある。又包
装の自動化、高速化、ライフの延長等の要望に答え得る
様なもの、即ち高速作業性に耐え得る剛性を有し、又加
熱殺菌に耐え得る様なチューブが検討されているが、特
に熱収縮性チューブで上記要望に答えるものは未だに完
成されていない。
【0008】更に近年、印刷効果、表示の見やすさ、P
R効果等から高級印刷の傾向が強く、一般的傾向として
寸法安定性のあるフィルムが要求されている。これは熱
収縮性においても同様であり、加熱収縮特性を有してお
りながら、一方では自然流通過程において寸法安定性を
発揮することが必要なのである。これらの要望を満足す
るものとしてポリエステル系チューブが開発されるに至
ったが、残念ながらチューブ化加工においては色々な難
題に遭遇している。ポリエステル系チューブであって
も、ポリエステルフィルムを素材とし、これに従来の超
音波シール法や接着剤接合法を適用して製造することが
一応可能ではあるが、前記の如く加工速度が低速で且つ
ばらつきが大きく、更に接合部が破壊の引き金となるだ
けでなく、熱収縮時に接合部と基材部が同じ収縮性を示
さず、収縮後に収縮班やしわを生じてしまうので熱収縮
性チューブとして実用上問題である。この他チューブを
加熱収縮して被覆した後で加熱殺菌した時に接合部が剥
離したり、軟化によるずれを生じることも多く、商品外
観上問題となる。そこで基材フィルム以外に如何なる接
着剤も使用せずに、溶剤を用いて基材フィルム同士を接
着する方法が有効な手段となるが基材フィルムに対して
不適切な溶剤を用いた場合実用上必要な接合強度が得ら
れず、加熱収縮時に接合部が剥離したり、溶剤により基
材フィルムが犯され破壊の引き金になるなどの問題を生
じる。本発明では密度の規定された特定の熱収縮性ポリ
エステルフィルムに対して特定の溶剤を用いて基材フィ
ルムを接着したチューブを提供し、上述の全ての問題を
解決したのである。
【0009】上記のような特性を得る為の手段として、
密度が1.30から1.35の熱収縮性ポリエステルフ
ィルムを1,3ジオキソランあるいは1,3ジオキソラ
ンと相溶する有機溶剤との混合液で接合することが必要
である。基材の熱収縮性ポリエステルフィルムの組成物
としてポリエチレンテレフタレート単位を65〜92モ
ル%含む様な共重合体或いはその混合物を選択すること
が推奨される。この様なポリエステルの一例としてはテ
レフタル酸、イソフタル酸、アジピン酸、オルソフタル
酸、セバシン酸、ナフタレンジカルボン酸等の2塩基酸
から選ばれる1種以上とエチレングリコール、ブタンジ
オール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメ
タノール等のジオール類から選ばれる1種以上によって
製造されるポリエステル重合体が例示され、より具体的
にはポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフ
タレート、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレー
ト、ポリエチレンα,β−ビス(2−クロル又は2−メ
トキシフェノキシ)エタン4,4’−ジカルボン酸オシ
レート等が非限定的に例示される。これらのポリエステ
ルに透明性を害しない範囲でポリエステル/ポリエーテ
ルブロック共重合体を混合することもできる。
【0010】本発明で使用される溶剤は1,3ジオキソ
ランあるいは1,3ジオキソランと相溶する有機溶剤と
の混合液であることが必要である。混合する有機溶剤と
しては、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、エーテル
類、ケトン類、エステル類、アルコール類が用いられる
が、人体へ強い毒性をもつハロゲン化炭化水素、特に塩
素系のものは好ましくない。本発明のチューブを採用す
ることによる作用効果を上記問題点との対比によって明
らかにするならば下記のように整理することができる。 (a)産業廃棄物の問題については、塩素ガスが発生せ
ず、且つ最近急速に出回っているポリエステルボトルと
同系統のチューブを使用することによって回収作業も一
段と容易になる。本発明はポリエステル系フィルムを使
用することによって本問題を解決した。 (b)耐熱性不足の問題については、ポリエステル系フ
ィルムの優れた耐熱性を利用することによって解決し、
レトルト処理の如き高温熱水処理すら可能なチューブを
提供することに成功した。特にその接合部の耐高温性は
基材部分に比べ全く見劣りしないものとなった。これら
の作用は接着剤を用いずに基材自体で接着することによ
ってはじめて達成される。
【0011】(c) 印刷性については、ピンホールの
原因となるゲルの発生を防止する必要がある為、熱安定
性にすぐれたポリエステル系重合体を使用した。優れた
表面平滑性を得る為には多くの添加剤を使用しないこと
が推奨される。チューブに求められる諸特性に関して
は、各種添加剤で調節するということをせず、ポリエス
テル系重合体を構成する酸成分及びアルコール成分を変
化させ、分子構造的に変化させることによって調節する
ことが望ましく、具体的には芳香族ジカルボン酸残基3
0〜90モル%を占める共重合ポリエステルフィルムが
望ましい。尚印刷後の印刷ピッチの経時収縮というトラ
ブルを防止する為には、ガラス転移温度が35℃以上の
ポリエステル系重合体を使用することが特に推奨され
る。更に好ましくは45℃以上のガラス転移温度を有す
る重合体が一層有用である。ガラス転移温度が35℃未
満のものでは自然流通過程で印刷ピッチが変化するの
で、保冷車輸送や低温倉庫保管を要する等、品質管理の
わずらわしさが生じる。
【0012】(d) クレーズの発生に関しては、ポリ
エステル系重合体は元々クレーズが発生しないという特
徴を有している。 (e) 容器類の落下や輸送中の衝撃力による破壊現象
については、チューブ状体の接合部から生じないよう
に、またフィルムに本質的なダメージを与えないように
検討を加えた。これは接着剤を用いず溶剤を用いて接合
されることにより達成され、熱的損傷や機械的損傷がな
く、しかも接合力の強いチューブが得られた。これらの
チューブをフィルム端部の接合によって製造するに当た
っては基材フィルムとして密度1.30〜1.35の熱
収縮性ポリエステルフィルムを1.3ジオキソランまた
は1.3ジオキソランと相溶する有機溶剤との混合液で
接着することが必要である。チューブにおける接合部は
可能な限り細い接合幅のものから50mm以上に及ぶ広
幅のものであってもよく、勿論容器類の大きさに応じて
適宜定められるものであるが、通常の種類では1〜5m
m幅が標準である。又接合部は一本の線状に接合された
ものでもよいが、2本以上に渡って複数の線状接合が形
成されたものでも良い。これらの接合部はフィルム基材
にほとんど損傷を与えないものであるから、ポリエステ
ル系重合体の特性をそのまま保持しており、耐衝撃性や
耐破瓶性等の保護特性を有するに止まらず熱収縮による
配向度の低下、又その後の熱処理による白化現象や脆化
現象を見ることもない。これは熱収縮性チューブにとっ
て重要な基本特性を満たしていることを意味する。
【0013】(f) 白濁化は接合部を加熱し、未配向
させることにより生じるものであるから単なる溶剤接合
手段を採用した本発明では加熱を行わないので、ポリエ
ステル系重合体にみられる加熱白化現象を防止すること
ができた。即ち基材の変質を防止することに成功したの
である。 (g) 接合部の加工速度は、本発明ではポリエステル
系フィルムを丸めてチューブ状体を得るに際し、接合面
の少なくとも片面に1,3ジオキソランまたは1,3ジ
オキソランと相溶する有機溶剤との混合液を塗布し、接
合することにより、高速度化することができ、且つ強固
な接合強度を得ることに成功した。 (h)(1) 接合に使用される溶剤及び基材フィルムの特
性により接合強度は決定されるが基材フィルムに対して
適切な溶剤を用いていない場合接合力不足によるはが
れ、あるいは溶剤により基材フィルムの形態が犯される
問題が生じる。本発明者は密度1.30〜1.35のポ
リエステル系フィルムが1,3ジオキソランあるいは
1,3ジオキソランと相溶する有機溶剤との混合液によ
って強固に接着されることを見出した。本発明で使用さ
れる熱収縮性ポリエステルフィルムは密度1.30〜
1.35の範囲にあることが必要である。密度1.30
未満のポリエステル系フィルムでは1,3ジオキソラン
あるいは,1,3ジオキソランと相溶する有機溶剤との
混合液によって基材フィルムが犯され破壊の引き金にな
り、また外観が悪くなり商品価値を失う問題を生じる。
又1.35を越えると1,3ジオキソランあるいは,
1,3ジオキソランと相溶する有機溶剤との混合液では
接合力不足によるはがれを生じる。 (2) 接合に使用される溶剤が人体へ強い毒性を持つ場
合、例えば塩素系溶剤を使用する場合は加工作業者の健
康及び加工場周辺の環境に悪い影響を与える可能性があ
るので工業生産に用いるには好ましくない。本発明では
1.3ジオキソランあるいは1,3ジオキソランと相溶
する有機溶剤を使用することによりこの問題を解決し
た。
【0014】実施例 以下、実施例により本発明を説明するが、下記実施例は
本発明を制限するものではない。尚、実施例で用いた測
定方法は次の通りである。 密度 硝酸カルシウム溶液より作成した密度勾配管にて30℃
にて測定した。 接合強度 チューブ状体を加工時の流れ方向と直交方向に15mm
幅にカットしてサンプルをとり、接合部分を上記方向に
引っ張り試験器(東洋ボールドウイン社製STM−T)
で引っ張り接合部分を剥離するのに必要な応力を測定
し、接合強度とした。 破瓶テスト 300mlシングルサービス瓶を用い、肩部までチュー
ブがかかるようにチューブの長さを定め、瓶に水を充填
し、75cmの高さから落下させるJIS規格に準拠し
た方法でテストした。
【0015】実施例1 組成がテレフタル酸/イソフタル酸/セバシン酸//エ
チレングリコール/ジエチレングリコール=83/14
/3//97/3(モル比)よりなる密度1.32の熱
収縮性ポリエステル系フィルムをチューブ状成形装置に
かけ、フィルムの一面に1,3ジオキソランを塗布し、
直ちに(乾燥しない間に)フィルムを重ね合わせてチュ
ーブ状体に加工した。加工速度は80m/分であった。
該チューブをシングルサービス瓶にかぶせて、100℃
の温度下で5秒間熱収縮させ、次いで110℃、30分
間殺菌熱処理をした。一方本発明フィルムに汎用ドライ
ラミネート用接着剤(東洋モートン社製)を用いてチュ
ーブの接着テストをした(比較例1)。更に塩化ビニル
(比較例2)、ポリスチレン(比較例3)を用いて同じ
ようにテストした。結果を表1に示す。表1の如く本発
明チューブは常態での外観や強度は勿論のこと各熱履歴
による変化もなく、基材部分と同一の特性を有し、一体
に接合していることを示した。
【0016】実施例2 組成がテレフタル酸/イソフタル酸//エチレングリコ
ール/ジエチレングリコール=87/13//98/2
よりなる密度1.34の熱収縮性ポリエステル系フィル
ムをチューブ状成形装置にかけ、フィルムの一面に1,
3ジオキソランとテトラヒドロフランを9:1の重量比
で混合した混合液を塗布し、直ちに(乾燥しない間に)
フィルムを重ね合わせチューブ状体に加工した。加工速
度は80m/分であった。更に組成がテレフタル酸/イ
ソフタル酸/セバシン酸//エチレングリコール/ジエ
チレングリコール/ネオペンチルグリコール= 83/
14/3//70/3/27(モル比)よりなる密度
1.29の熱収縮性ポリエステル系フィルム(比較例
4)、組成がテレフタル酸/イソフタル酸//エチレン
グリコール/ジエチレングリコール=95/5//98
/2よりなる密度1.36の熱収縮性ポリエステル系フ
ィルム(比較例5)を同一の方法で加工して同様にテス
トした。又、実施例2と同一のフィルムに テトラヒド
ロフランを塗布し直ちに(乾燥しない間に)フィルムを
重ね合わせチューブ状体に、加工速度80m/分で加工
した(比較例6)。結果を表2に示す。第2表の如く密
度1.30未満のフィルムではフィルムが塗布された溶
剤によって犯されて接合強度の不足及び外観上の不良を
起こす(比較例4)。又、密度1.35を越えるフィル
ムではフィルムの接着が得られない(比較例5)。更に
不適切な溶剤を用いた場合にも接着が得られない(比較
例6)。
【0017】
【発明の効果】本発明は以上のように構成されているの
で、ボトル等の被覆包装においては美麗且つ強固な包装
状態を得ることが可能となり、又チューブの耐熱性、耐
衝撃性も良好であり、且つフィルム同士の接合部につい
ては、加工速度も接合強度も良好でありしかも使用する
溶剤の衛生性も問題なく工業生産性に優れたものとなっ
た。
【0018】
【表1】
【0019】
【表2】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C08L 67:02 (72)発明者 奥村 慎一郎 愛知県犬山市大字木津前畑344番地 東 洋紡績株式会社 犬山工場内 (56)参考文献 特開 昭62−121732(JP,A) 特開 昭62−92826(JP,A) 特開 平5−194758(JP,A) 特開 平4−300924(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08J 5/00 - 5/12 B29C 65/48 - 65/54 B29C 61/02 - 61/10 C09J 5/00 CA(STN)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 密度が1.30から1.35の熱収縮性
    ポリエステルフィルムを1,3ジオキソランあるいは
    1,3ジオキソランと相溶する有機溶剤との混合液にて
    接合することを特徴とする熱収縮ポリエステル系チュ
    ーブの製造方法。
JP05138520A 1993-06-10 1993-06-10 熱収縮性ポリエステル系チューブの製造方法 Expired - Lifetime JP3075019B2 (ja)

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