JP3450502B2 - テレビジョン放送用音声多重変調装置 - Google Patents

テレビジョン放送用音声多重変調装置

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JP3450502B2
JP3450502B2 JP07405695A JP7405695A JP3450502B2 JP 3450502 B2 JP3450502 B2 JP 3450502B2 JP 07405695 A JP07405695 A JP 07405695A JP 7405695 A JP7405695 A JP 7405695A JP 3450502 B2 JP3450502 B2 JP 3450502B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、テレビジョン放送に
おける音声多重信号を生成するテレビジョン放送用音声
多重変調装置に係り、特にその音声信号をデジタル処理
するようにしたものの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】周知のように、首記の如き従来のテレビ
ジョン放送用音声多重変調装置は、図2に示すように構
成され、音声信号をアナログ処理している。すなわち、
図2において、符号11,12は入力端子であり、例え
ば二か国語放送であれば主及び副チャンネルに対応する
アナログ音声信号がそれぞれ供給され、ステレオ放送で
あればL(左)及びR(右)チャンネルに対応するアナ
ログ音声信号がそれぞれ供給される。
【0003】これら入力端子11,12に供給されたア
ナログ音声信号は、それぞれプリエンファシス回路1
3,14に供給されて周波数特性を制御された後、マト
リクス回路15に供給される。このマトリクス回路15
は、入力された2種類の音声信号に対して加算処理及び
減算処理を施している。
【0004】このうち、加算処理によって得られた音声
信号は、遅延回路16に供給されて所定時間遅延された
後、加算回路17に供給される。また、減算処理によっ
て得られた音声信号は、VCO(Voltage Control Osci
llator)18に供給されて後述するFM(Frequency Mo
dulation)変調処理が施された後、BPF(Band Pass
Filter)19により帯域制限されて上記加算回路17に
供給される。
【0005】一方、図2において、符号20は映像信号
の供給される入力端子である。この入力端子20に供給
された映像信号は、同期分離回路21に供給されて水平
同期信号が分離される。この同期分離回路21で分離さ
れた水平同期信号は、2つの分周回路22,23に供給
されて、それぞれ所定の分周比で分周される。このう
ち、分周回路22で分周された水平同期信号は、位相比
較回路24の一方の入力端に供給される。
【0006】この位相比較回路24の他方の入力端に
は、上記VCO18のFM変調出力を分周回路25によ
り所定の分周比で分周した信号が供給されている。この
位相比較回路24では、入力された両信号を位相比較
し、その位相差に対応した位相誤差信号を発生してい
る。そして、この位相比較回路24から出力される位相
誤差信号が、LPF(Low Pass Filter )26に供給さ
れて直流電圧レベルに変換され、VCO18に制御電圧
として印加される。
【0007】すなわち、VCO18,位相比較回路2
4,LPF26及び分周回路22,25は、VCO18
の発振出力を水平同期信号に位相同期させるためのPL
L(Phase Locked Loop )回路27を構成している。そ
して、このVCO18は、その位相同期状態における発
振出力を音声信号副搬送波として、マトリクス回路15
の減算処理によって得られた音声信号をFM変調するこ
とになる。
【0008】また、上記分周回路23で分周された水平
同期信号は、位相比較回路28の一方の入力端に供給さ
れる。この位相比較回路28の他方の入力端には、VC
O29の発振出力を分周回路30により所定の分周比で
分周した信号が供給されている。この位相比較回路28
では、入力された両信号を位相比較し、その位相差に対
応した位相誤差信号を発生している。そして、この位相
比較回路28から出力される位相誤差信号が、LPF3
1に供給されて直流電圧レベルに変換され、VCO29
に制御電圧として印加される。
【0009】すなわち、VCO29,位相比較回路2
8,LPF31及び分周回路23,30は、VCO29
の発振出力を水平同期信号に位相同期させるためのPL
L回路32を構成している。そして、このVCO29の
発振出力は、振幅変調回路33に供給される。この振幅
変調回路33には、基準発振回路34から出力される、
音声のモノラル/ステレオの識別を行なうための制御信
号が供給されている。
【0010】この振幅変調回路33は、VCO29の発
振出力を制御信号副搬送波として、基準発振回路34か
ら出力される制御信号に振幅変調処理を施している。そ
して、この振幅変調回路33から出力される制御信号
は、上記加算回路17に供給されている。
【0011】ここで、上記加算回路17は、マトリクス
回路15の加算処理によって得られた信号を、遅延回路
16で所定時間遅延した信号と、マトリクス回路15の
減算処理によって得られた信号を、VCO18でFM変
調しBPF19で帯域制限した信号と、振幅変調回路3
3で振幅変調された制御信号とを多重化することによっ
て音声多重信号を生成し、出力端子35から出力してい
る。
【0012】ところで、上記のようなテレビジョン放送
用音声多重変調装置を、デジタル処理に変えようとした
場合、アナログ音声信号をデジタル化するためのサンプ
リングクロックの周波数としては、扱う音声周波数帯域
の上限周波数の2倍以上であれば、任意の周波数を選定
することができる。そして、一般的には、例えば32k
Hz,44.1kHzまたは48kHz等の周波数が多
く用いられている。
【0013】しかしながら、テレビジョン放送における
音声多重放送では、マトリクス回路15の減算処理によ
って得られた信号をVCO18でFM変調するための音
声信号副搬送波の周波数は、映像信号の水平同期周波数
の2倍と規定され、音声のモノラル/ステレオの識別を
行なう制御信号を振幅変調するための制御信号副搬送波
の周波数は、映像信号の水平同期周波数の3.5倍と規
定されている。
【0014】このため、上記サンプリングクロックの周
波数を任意の周波数として設定した場合、上述した規定
を満たすような音声信号副搬送波及び制御信号副搬送波
を生成することが非常に困難になるので、PLL回路2
7,32に相当する部分の構成が複雑化して経済的にも
不利になるという問題が生じることになる。また、サン
プリングクロックと音声信号副搬送波とが非同期となる
ので、両者の差の周波数のビート等による妨害が発生し
易いという不都合も生じる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、従来の
アナログ処理によるテレビジョン放送用音声多重変調装
置を、そのまま単純にデジタル処理に置き換えると、構
成が複雑化して経済的な不利を招くとともに、性能的に
も劣化し易くなるという問題を有している。
【0016】そこで、この発明は上記事情を考慮してな
されたもので、簡易な構成でしかも高性能なデジタル処
理を行なうことができる極めて良好なテレビジョン放送
用音声多重変調装置を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】この発明に係るテレビジ
ョン放送用音声多重変調装置は、デジタル化された第1
及び第2の音声信号に対して加算処理及び減算処理を施
すマトリクス手段と、このマトリクス手段の減算出力に
対して音声信号副搬送波の中心周波数を設定してFM変
調処理を施す変調手段と、この変調手段の出力とマトリ
クス手段の加算出力とを多重化する多重化手段と、第1
及び第2の音声信号が付加される映像信号の同期信号ま
たはカラーバースト信号に同期するクロックを生成する
クロック生成手段とを備え、クロック生成手段で生成さ
れたクロックに基づいて変調手段を駆動させるように構
成したものである。
【0018】
【作用】上記のような構成によれば、映像信号の同期信
号またはカラーバースト信号に同期するクロックに基づ
いて変調手段を駆動させるようにしたので、FM変調の
ための音声信号副搬送波を、簡易な構成で容易に生成す
ることができようになるる。また、クロックの周波数と
音声信号副搬送波の周波数とが完全に同期するので、ビ
ート等による妨害が発生せず高性能なデジタル処理を行
なうことができるようになる。
【0019】
【実施例】以下、この発明の一実施例について図面を参
照して詳細に説明する。すなわち、図1(a)におい
て、符号36,37は入力端子であり、例えば二か国語
放送であれば主及び副チャンネルに対応するアナログ音
声信号がそれぞれ供給され、ステレオ放送であればL及
びRチャンネルに対応するアナログ音声信号がそれぞれ
供給される。
【0020】これら入力端子36,37に供給されたア
ナログ音声信号は、それぞれA/D(Analogue/Digita
l )変換回路38,39に供給され所定周波数のサンプ
リングクロックに基づいてデジタル音声信号に変換され
た後、プリエンファシス回路40,41により周波数特
性を制御されて、マトリクス回路42に供給される。こ
のマトリクス回路42は、入力された2種類のデジタル
音声信号に対して加算処理及び減算処理を施している。
【0021】このうち、加算処理によって得られた音声
信号は、インターポレータ43に供給されて、上記サン
プリングクロックの整数倍にクロック周波数を高められ
た後、遅延回路44により所定時間遅延されて、加算回
路45に供給される。また、減算処理によって得られた
音声信号は、インターポレータ46に供給されて上記サ
ンプリングクロックの整数倍にクロック周波数を高めら
れた後、加算回路47のに供給されて、中心周波数制御
回路48から出力される中心周波数制御信号と加算され
る。
【0022】この加算回路47の出力は、アキュムレー
タ49に供給されて位相信号に変換された後、位相振幅
変換回路50により振幅信号に変換される。なお、位相
振幅変換回路50としては、例えば入力された位相信号
を振幅信号に変換するための変換テーブルを半導体メモ
リに記憶させておくような構成でも実現することができ
る。そして、上記位相振幅変換回路50から出力された
振幅信号は、BPF51に供給されて帯域制限された
後、上記加算回路45に供給される。
【0023】また、上記加算回路45には、カウンタ5
2の計数値をアドレスとして、メモリ53に記憶された
データが読み出されて供給される。このメモリ53に記
憶されたデータは、音声のモノラル/ステレオの識別を
行なうための制御信号を、所定周波数の制御信号搬送波
で振幅変調したものに対応している。
【0024】このようにして、上記遅延回路44,BP
F51及びメモリ52から出力される各信号は、加算回
路45により多重化されることにより音声多重信号が生
成される。そして、この加算回路45から出力された音
声多重信号は、D/A(Digital /Analogue)変換回路
54に供給されてアナログ音声多重信号に変換され、出
力端子55から取り出される。
【0025】次に、図1(a)に示した各ブロックを駆
動するための動作クロックの生成回路について説明す
る。すなわち、図1(b)において、符号56は映像信
号の供給される入力端子である。この入力端子56に供
給された映像信号は、同期分離回路57に供給されて水
平同期信号同期が分離される。この同期分離回路57で
分離された水平同期信号は、分周回路58に供給されて
所定の分周比で分周された後、位相比較回路59の一方
の入力端に供給される。
【0026】この位相比較回路59の他方の入力端に
は、VCO60の出力クロックを分周回路61により、
上記分周回路58の出力と同じ周波数になるように分周
した信号が供給されている。この位相比較回路59で
は、入力された両信号を位相比較し、その位相差に対応
した位相誤差信号を発生している。そして、この位相比
較回路59から出力される位相誤差信号が、LPF62
に供給されて直流電圧レベルに変換され、VCO60に
制御電圧として印加される。
【0027】すなわち、VCO60,位相比較回路5
9,LPF62及び分周回路58,61は、VCO60
の出力クロックを水平同期信号に位相同期させるための
PLL回路63を構成している。そして、このPLL回
路63から出力されるクロックが、出力端子64を介し
て取り出され、図1(a)に示した各ブロックに動作ク
ロックとして供給される。
【0028】したがって、上記実施例のような構成によ
れば、マトリクス回路42の減算処理によって得られた
音声信号をFM変調するための回路を、加算回路47,
中心周波数制御回路48,アキュムレータ49及び位相
振幅変換回路50よりなるDDS(Direct Digital Syn
thesize )で構成するようにし、これらを水平同期信号
に位相同期したクロックで駆動させるようにしたので、
水平同期信号に位相同期したFM変調のための音声信号
副搬送波を、簡易な構成で容易に生成することができ
る。
【0029】また、音声のモノラル/ステレオの識別を
行なうための制御信号を発生する回路を、メモリ52及
びカウンタ53で構成するようにし、これらを水平同期
信号に位相同期したクロックで駆動させるようにしたの
で、水平同期信号に位相同期した振幅変調のための制御
信号副搬送波を、簡易な構成で容易に生成することがで
きる。さらに、クロックの周波数と音声信号副搬送波の
周波数とが完全に同期するので、ビート等による妨害が
発生せず高性能なデジタル処理を行なうことができるよ
うになる。
【0030】ここで、上記PLL回路63から出力され
るクロックの周波数を、水平同期信号の周波数の整数倍
に設定した場合には、音声信号副搬送波及び制御信号副
搬送波とクロックとの周波数比が簡単な整数比となり、
位相が一致する周期が短くなるので、制御信号を記憶す
るメモリ52の容量を少なくすることができる。
【0031】また、上記実施例では、ハードウェアによ
って全ての機能を実現する場合を示したが、これは、例
えばDSP(Digital Signal Processor)等を用いるこ
とによりソフトウェアで実現することもできる。さら
に、入力端子36,37に供給される音声信号がデジタ
ル化されている場合には、A/D変換回路38,39に
代えて、インターポレータとデシメータとを組み合わせ
たサンプルレートコンバータを挿入することで対処する
ことができる。
【0032】ここで、上記実施例では、映像信号の水平
同期信号に同期したクロックを用いるようにしたが、こ
のクロックとしては、例えば映像信号のカラーバースト
信号に同期させるようにしたものを用いても、同様の効
果を得ることができる。なお、この発明は上記実施例に
限定されるものではなく、この外その要旨を逸脱しない
範囲で種々変形して実施することができる。
【0033】
【発明の効果】以上詳述したようにこの発明によれば、
簡易な構成でしかも高性能なデジタル処理を行なうこと
ができる極めて良好なテレビジョン放送用音声多重変調
装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係るテレビジョン放送用音声多重変
調装置の一実施例を示すブロック構成図。
【図2】従来のテレビジョン放送用音声多重変調装置を
示すブロック構成図。
【符号の説明】
11,12…入力端子、13,14…プリエンファシス
回路、15…マトリクス回路、16…遅延回路、17…
加算回路、18…VCO、19…BPF、20…入力端
子、21…同期分離回路、22,23…分周回路、24
…位相比較回路、25…分周回路、26…LPF、27
…PLL回路、28…位相比較回路、29…VCO、3
0…分周回路、31…LPF、32…PLL回路、33
…振幅変調回路、34…基準発振回路、35…出力端
子、36,37…入力端子、38,39…A/D変換回
路、40,41…プリエンファシス回路、42…マトリ
クス回路、43…インターポレータ、44…遅延回路、
45…加算回路、46…インターポレータ、47…加算
回路、48…中心周波数制御回路、49…アキュムレー
タ、50…位相振幅変換回路、51…BPF、52…メ
モリ、53…カウンタ、54…D/A変換回路、55…
出力端子、56…入力端子、57…同期分離回路、58
…分周回路、59…位相比較回路、60…VCO、61
…分周回路、62…LPF、63…PLL回路、64…
出力端子。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04N 5/38 - 5/455 H04N 5/60 102 H04N 7/08

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 デジタル化された第1及び第2の音声信
    号に対して加算処理及び減算処理を施すマトリクス手段
    と、このマトリクス手段の減算出力に対して音声信号副
    搬送波の中心周波数を設定してFM変調処理を施す変調
    手段と、この変調手段の出力と前記マトリクス手段の加
    算出力とを多重化する多重化手段と、前記第1及び第2
    の音声信号が付加される映像信号の同期信号またはカラ
    ーバースト信号に同期するクロックを生成するクロック
    生成手段とを具備し、前記クロック生成手段で生成され
    たクロックに基づいて前記変調手段を駆動させるように
    構成してなることを特徴とするテレビジョン放送用音声
    多重変調装置。
  2. 【請求項2】 前記多重化手段は、前記クロック生成手
    段で生成されたクロックに基づいて駆動されるカウンタ
    の計数値によってメモリから読み出される、所定の制御
    信号副搬送波で振幅変調が施された制御信号を、前記マ
    トリクス手段及び前記変調手段の出力とともに多重化す
    ることを特徴とする請求項1記載のテレビジョン放送用
    音声多重変調装置。
  3. 【請求項3】 前記クロック生成手段は、前記映像信号
    から分離された水平同期信号と電圧制御発振回路から出
    力されるクロックとを位相比較し、その位相誤差に基づ
    いて前記電圧制御発振回路の発振周波数を制御するPL
    L回路であることを特徴とする請求項1記載のテレビジ
    ョン放送用音声多重変調装置。
  4. 【請求項4】 前記変調手段は、前記マトリクス手段の
    減算出力に中心周波数制御信号を加算する加算手段と、
    この加算手段の出力を位相信号に変換するアキュムレー
    タと、このアキュムレータの出力を振幅信号に変換する
    位相振幅変換手段とを具備してなることを特徴とする請
    求項1記載のテレビジョン放送用音声多重変調装置。
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