JP3450441B2 - 排ガス浄化用モノリス触媒の製造方法およびモノリス触媒、ならびに排ガス中の窒素酸化物の除去方法 - Google Patents

排ガス浄化用モノリス触媒の製造方法およびモノリス触媒、ならびに排ガス中の窒素酸化物の除去方法

Info

Publication number
JP3450441B2
JP3450441B2 JP16063994A JP16063994A JP3450441B2 JP 3450441 B2 JP3450441 B2 JP 3450441B2 JP 16063994 A JP16063994 A JP 16063994A JP 16063994 A JP16063994 A JP 16063994A JP 3450441 B2 JP3450441 B2 JP 3450441B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
catalyst
exhaust gas
metal
carrier
monolith
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP16063994A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH081007A (ja
Inventor
孝浩 菊池
幹郎 熊谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hino Motors Ltd
Isuzu Motors Ltd
UD Trucks Corp
Mitsubishi Fuso Truck and Bus Corp
Original Assignee
Hino Motors Ltd
Isuzu Motors Ltd
UD Trucks Corp
Mitsubishi Fuso Truck and Bus Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hino Motors Ltd, Isuzu Motors Ltd, UD Trucks Corp, Mitsubishi Fuso Truck and Bus Corp filed Critical Hino Motors Ltd
Priority to JP16063994A priority Critical patent/JP3450441B2/ja
Publication of JPH081007A publication Critical patent/JPH081007A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3450441B2 publication Critical patent/JP3450441B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Exhaust Gas Treatment By Means Of Catalyst (AREA)
  • Catalysts (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、排ガス浄化用モノリス
触媒の製造方法およびモノリス触媒に関し、さらにはこ
の触媒を用いた燃焼排ガス中の窒素酸化物の除去方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来の排ガス中の窒素酸化物の除去方法
として、ガソリンエンジンの排ガスに対しては、空気/
燃料比の調節により酸素濃度を制御し、三元触媒を用い
る方法が汎用されている(船曳、山田「自動車触媒」実
用触媒の学理的基礎研究会 要旨集、触媒学会P15〜
20、1989)。しかしながら、上記方法では、酸素
過剰雰囲気下では無効であり、空燃比がリーン側となる
酸素過剰雰囲気下、あるいはディーゼル自動車排ガス下
では使用できない。
【0003】このような事情から、過剰な酸素を含む排
ガスを、金属を担持してもよい水素化改質ゼオライト触
媒や、金属を担持してもよいγ−アルミナまたはシリカ
・アルミナ触媒と、有機化合物の共存下で接触させる窒
素酸化物の除去方法などが提案されている(特開平2−
149317号、同3−181321号、同4−156
922号等)。
【0004】ところで、触媒の実用化に際し、高空間速
度、低圧力損失などの条件を満たし効率的利用を図るた
めに、触媒のモノリス化が必要となる。モノリス化は、
一般に、モノリス型の担体に触媒を担持させることによ
って行われており、触媒の担持にはウォッシュコート法
が採用されている。すなわち、担持物のスラリー中にモ
ノリス型の担体を浸漬して担持物を担体に付着させ、担
体上に担持層を形成する方法である。
【0005】一般に、ウォッシュコート法で、特に、酸
素過剰な排ガスに有効なゼオライトなどを担持させる場
合、担持層が剥離しやすかったり、均一で触媒層として
の機能を十分果すような厚みの担持層の形成が困難にな
りやすかったりする。また、担体の孔が閉塞しやすく、
ガスの拡散が不十分となりやすい。
【0006】これらの点を改善するものとして、例えば
特開平4−224109号には、ゼオライトを含有する
スラリーの粘度を調整し、耐剥離性の高い均一な厚い担
持層を形成する方法が開示されている。また、特開平1
−135542号には、ゼオライトを担持層に用い、三
種の孔径の異なる細孔を形成し、ガスの拡散を十分に行
えるようにしたものが開示されている。
【0007】ウォッシュコート法では、上記のように、
種々の改善が試みられているにもかかわらず、特にゼオ
ライトを担持させる場合、担体との親和性が小さいため
担体表面に均一に担持させるのに限界があり、気相反応
中に担体から剥離しやすいという欠点も十分には解消さ
れていない。また、均一な担持層の形成が困難であるこ
とから、担持層形成に際し、担体の孔の閉塞も生じやす
く、これにより触媒機能を十分発現できないという問題
もある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、第一
に、モノリス型の担体表面に均一で適度な厚みを有する
ゼオライト等の触媒活性をもつ微粒子の担持層を形成す
ることができ、かつ担体と担持層との付着を強固にする
ことができるとともに、担体の孔の閉塞を防止すること
ができる、新規な排ガス浄化用モノリス触媒の製造方法
を提供することにある。
【0009】第二に、上記製造方法により、耐久性およ
び触媒機能に優れた排ガス浄化用モノリス触媒を提供す
ることにある。
【0010】第三に、上記触媒を用いて、酸素過剰雰囲
気下においても窒素酸化物を有効に除去できる排ガス中
の窒素酸化物の除去方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
(1)〜(6)の本発明により達成される。 (1) モノリス型の担体表面に担持層を形成する排ガ
ス浄化用モノリス触媒の製造方法において、前記担持層
が金属酸化物および触媒活性をもつ微粒子を含有し、触
媒金属を担持させたものであり、前記触媒金属を予め前
記微粒子に担持させ、前記触媒金属を担持させた前記微
粒子を分散し、かつ前記金属酸化物の原料化合物を溶解
した水スラリーを調製し、前記水スラリー中に前記担体
を浸漬し、前記スラリーに尿素を添加して加熱するか、
または前記水スラリーを加熱することにより前記金属酸
化物の原料化合物を加水分解して金属酸化物を生成させ
て前記担持層を形成する排ガス浄化用モノリス触媒の製
造方法。 (2) さらに、前記触媒金属を、前記水スラリー中に
添加して、加水分解と同時に担持させる方法、および前
記加水分解後に前記触媒金属を担持させる方法のなかの
少なくとも1つの方法により担持させる上記(1)の排
ガス浄化用モノリス触媒の製造方法。 (3) 前記担持層における金属酸化物に対する前記微
粒子の重量比、前記微粒子/金属酸化物が5以下となる
ようにする上記(1)または(2)の排ガス浄化用モノ
リス触媒の製造方法。 (4) 前記微粒子がゼオライトである上記(1)〜
(3)のいずれかの排ガス浄化用モノリス触媒の製造方
法。 (5) 上記(1)〜(4)のいずれかの排ガス浄化用
モノリス触媒の製造方法によって得られた排ガス浄化用
モノリス触媒。 (6) 上記(5)の排ガス浄化用モノリス触媒を用
い、燃料の燃焼により生じる酸素過剰な排ガスを、有機
化合物の存在下で、前記触媒と接触させ、前記排ガス中
の窒素酸化物を除去する排ガス中の窒素酸化物の除去方
法。
【0012】
【具体的構成】以下、本発明の具体的構成について詳細
に説明する。
【0013】本発明の排ガス浄化用モノリス触媒は、モ
ノリス型の担体表面に金属酸化物およびゼオライト等の
触媒活性をもつ微粒子を含有する担持層を形成し、この
担持層に触媒金属を担持させたものである。
【0014】この場合の担持層は、ゼオライト等の触媒
活性をもつ微粒子の存在下に金属酸化物の原料化合物を
加水分解して金属酸化物を生成させて形成したものであ
る。
【0015】このように加水分解による方法を用いるこ
とにより、従来の、ゼオライトや金属酸化物を含有する
スラリー中に担体を浸漬してウォッシュコートにより担
持層を形成する場合に比べ、担持層の担体に対する付着
が強固になり、かつスラリー濃度を低くして均一で適度
な厚みを有する担持層の形成が可能になる。また、担体
の孔の閉塞を防止することができる。本発明でこのよう
な効果が得られるのは、ウォッシュコート法ではスラリ
ー中に金属酸化物を含有させているので、担持層内で金
属酸化物粒子として存在していると考えられるのに対
し、本発明では加水分解反応という化学反応を経るため
連続層に近い形で金属酸化物が存在しているためと考え
られる。
【0016】従って、このようにして得られた触媒は、
触媒としての機能が十分であり、耐久性に優れる。この
ような触媒は、酸素過剰な排ガス中の窒素酸化物を除去
する際の脱硝触媒として用いることが好ましい。
【0017】本発明において、担持層の形成は、触媒活
性をもつ微粒子として、例えばゼオライトの存在下に、
金属酸化物の原料化合物(以下、「原料化合物」ともい
う。)を加水分解することにより行う。本発明では、触
媒活性をもつ微粒子としてゼオライトを用いることが好
ましいので、以下ゼオライトを中心にして説明する。
【0018】具体的には、まず、原料化合物とゼオライ
トとを含有させた水スラリーを調製する。このとき、原
料化合物は水スラリー中で水溶液状態となっており、こ
のなかにゼオライトが分散された状態となっている。こ
の水スラリーの調製に際し、原料化合物、ゼオライトの
添加順序に特に制限はなく、水にこれらのものを同時に
添加することも、原料化合物の水溶液を調製してからゼ
オライトを添加することもできる。
【0019】水スラリー中における原料化合物の含有量
は10〜500g/l 、さらには10〜300g/l とする
ことが好ましい。
【0020】ゼオライトの含有量は1〜150g/l 、さ
らには30〜80g/l とすることが好ましい。
【0021】なお、原料化合物、ゼオライトの各々にお
いて、2種以上を用いるときは上記量を合計量とする。
上記の含有量は、加水分解後における加水分解生成物と
ゼオライトとの合計量に換算して50〜75g/ lとなる
ように設定したものである。
【0022】水スラリーの組成を上記のようにすること
によって、形成される担持層の性状を向上させることが
でき、本発明の効果が向上する。
【0023】次に、上記の水スラリー中にモノリス型の
担体を浸漬し、原料化合物の加水分解を行う。加水分解
は、尿素を用いて加熱するか、あるいは加熱するかによ
って行う。
【0024】尿素を用いる方法では、水スラリー中に尿
素を添加し、加熱により尿素を分解し、アンモニアを発
生させ、中和加水分解を行う。このときの尿素の添加量
は、用いる原料化合物によっても異なるが、好ましくは
原料化合物に対して2倍当量〜20倍当量とすればよ
い。尿素分解は、尿素を添加した水スラリーを加熱する
ことによって行えばよく、加熱は水スラリーの温度が9
0〜100℃程度となるように行えばよい。
【0025】また、熱によってのみ加水分解が進行する
原料化合物では、水スラリーを加熱すればよく、水スラ
リーの温度が60〜100℃程度となるように加熱すれ
ばよい。
【0026】上記の加水分解反応は、3〜18時間程度
で終了することから、水スラリーを上記温度に上記時間
保持すればよい。また、この反応中においては攪拌する
ことが好ましい。これにより、加水分解反応が均一に進
行する。
【0027】その後、ゼオライトと金属酸化物とを含有
する担持層が形成された担体を、水スラリー中から引き
上げ、100〜200℃の温度で3〜20時間乾燥す
る。
【0028】担持層に担持させる触媒金属(「活性金
属」ともいう。)の担持は、i)予めゼオライトに触媒
金属を担持させておく方法を用い、このi)の方法と、
ii)水スラリー中に触媒金属を含有させて、加水分解と
同時に触媒金属を担持させる方法、あるいは iii)加水
分解後、触媒金属を担持させる方法と併用することもで
きる。
【0029】まず、上記の3つの方法を個別に説明す
る。
【0030】i)予めゼオライトに触媒金属を担持させ
ておく方法 公知の方法でゼオライトをH型とした後、触媒金属を担
持させる。H型のゼオライトを得る方法には、例えば、
特開平2−149317号、特開平3−181321号
公報等に記載されているように、鉱酸でくり返し洗って
処理する直接法と、ゼオライト中の陽イオンをNH4 +
有水で処理することによりNH4 +で置換した後、加熱焼
成してアンモニアガスを除去することにより水素化する
間接法とがあり、いずれの方法を用いてもよいが、本発
明では、通常、直接法による。鉱酸としては1〜18規
定程度の塩酸等を用い、20〜100℃で0.5〜10
0時間程度処理すればよい。
【0031】触媒金属を担持する方法としては、上記公
報等に記載されているように、上記のH型のゼオライト
を触媒金属の化合物の水溶液に投入して攪拌する方法が
通常用いられる。触媒金属の化合物の水溶液の濃度は
0.01〜10M程度とし、処理時間は0.5〜5時間
程度、処理温度は20〜100℃程度とする。また、こ
のような処理における水溶液とゼオライトとの比(液固
比)は、体積比で、水溶液/ゼオライトが1〜10とな
るようにすればよい。このような処理の後、濾過し、1
00〜200℃で3〜20時間程度乾燥する。このよう
にして、触媒金属が担持したゼオライトが得られる。
【0032】また、場合によっては、触媒金属の担持法
として、上記公報等に記載されるように、触媒金属の化
合物の水溶液と接触後NH4 +含有水と接触させ、その後
加熱脱アンモニアする方法やNH4 +置換後直ちに触媒金
属の化合物の水溶液と接触させる方法を用いることがで
きる。
【0033】ii)加水分解と同時に触媒金属を担持させ
る方法 前記水スラリー中に触媒金属の化合物を含有させればよ
い。水スラリー調製の際、例えば、金属酸化物の原料化
合物と同時に添加して水溶液とするなどすればよく、触
媒金属の化合物の添加順序には特に制限はない。水スラ
リーにおける触媒金属の化合物の添加量は、金属酸化物
の原料化合物に対する金属原子の原子比で1/10以
下、通常1/10〜1/1000とすればよい。
【0034】iii)加水分解後に触媒金属を担持させる方
法 触媒金属の化合物の水溶液に、前記のように担持層を形
成した担体を添加するなどして接触させる。担体を添加
した後は攪拌することが好ましい。添加するものは、担
持層を形成して前記のように乾燥した後のものであって
も、乾燥前のものであってもよいが、通常乾燥後のもの
とする。上記水溶液における触媒金属の化合物の濃度は
0.1〜10M程度とし、20〜100℃の温度で0.
5〜20時間程度処理すればよい。
【0035】次に、i)〜 iii) の方法を併用する場合
について述べる。
【0036】iv)上記i)とii)との併用 担持させる触媒金属の全量の10〜90wt% 程度を上記
i)の方法により担持させ、残部を上記ii)の方法によ
り担持させる。具体的には、上記i)、ii)の方法に準
じ、用いる水溶液や水スラリー中の触媒金属の化合物の
量等を調整するなどして行えばよい。
【0037】v)上記ii)と iii) との併用(参考例) 担持させる触媒金属の全量の10〜90wt% 程度を上記
ii)の方法により担持させ、残部を上記 iii) の方法に
より担持させる。具体的には、上記ii)、 iii) の方法
に準じ、用いる水スラリーや水溶液中の触媒金属の化合
物の量等を調整するなどして行えばよい。
【0038】vi)上記i)と iii) との併用 担持させる触媒金属の全量の10〜90wt% 程度を上記
i)の方法により担持させ、残部を上記 iii) の方法に
より担持させる。具体的には、上記i)、 iii) の方法
に準じ、用いる水溶液中の触媒金属の化合物の量等を調
整するなどして行えばよい。
【0039】vii) 上記i)とii)と iii) との併用 担持させる触媒金属の全量の10〜90wt% 程度を上記
i)の方法により担持させ、10〜90wt% 程度を上記
ii)の方法により担持させ、残部を上記 iii)の方法に
より担持させる。具体的には、上記i)、ii)、 iii)
の方法に準じ、用いる水溶液や水スラリー中の触媒金属
の化合物の量等を調整するなどして行えばよい。
【0040】触媒金属の担持はi)を必須とすれば上記
のいずれによってもよいが、2つの方法を併用する方が
好ましく、特にiv)のような併用が好ましい。
【0041】なお、触媒金属を2種以上用いるときは、
合計量を上記範囲とすればよい。
【0042】以上のように、担持層を形成し、触媒金属
を担持させた後、必要に応じ焼成する。焼成するとき
は、空気等の酸化性雰囲気あるいは窒素ガスやAr等の
希ガスなどの不活性雰囲気で、300〜600℃の温度
で、常圧下、1〜5時間程度行う。
【0043】本発明におけるモノリス触媒とは、反応管
と触媒固定床を一体化したモノリス型の担体に担持され
た触媒をいい、ハニカム触媒が一般的である。このもの
は圧損失を小さくでき、大きな空間速度とできて有利で
ある。
【0044】本発明に用いるモノリス型の担体は、平行
に貫通した多数の小孔を有する構造であり、排ガスの流
れ方向に伸びる多数の小孔を有する、いわゆるハニカム
構造が一般に用いられている。また、三次元網目構造の
一体成形構造であってもよい。担体の形状は、適用する
排気系の設置場所に応じて選択すればよく、通常円柱
状、四角柱状等とすればよい。大きさも、目的・用途に
応じて選択すればよい。
【0045】孔の形は、六角形、四角形、三角形、円形
など種々のものであってよく、孔の大きさは、1個当り
の面積にして0.01〜1cm2 程度のものとすればよ
い。孔数は担体1cm2 当り15〜125個程度(1in2
当りに換算して100〜800個程度)である。
【0046】担体の材質としては、特に制限はないが、
コージェライト、シリカ、シリコンカーバイド、シリコ
ンナイトライド、ムライト、ジルコン、アルミナ、アル
ミニウムチタネートのセラミックスなどが挙げられる。
また、各種金属からなるメタルハニカムと称されるもの
であってもよい。
【0047】本発明におけるゼオライトは、沸石とも称
されるものであり、M2/n O・Al23 ・xSiO2
・yH2 O(M=Na、K、Ca、Ba、nは価数、x
=2〜10、y=2〜7)の一般式で表わされ、(A
l,Si)O4 四面体が頂点を共有してつくる三次元網
目構造中の空孔にアルカリ・アルカリ土類金属、水分子
の入った構造を有する。
【0048】本発明において用いるゼオライトには特に
制限はなく、モルデナイト、クリノプチロライトなどの
天然ゼオライトであっても、Y型、L型、オフレタイト
・エリオナイト混晶型、モルデナイト型、フェリエライ
ト型、ZSM−5型、ZSM−11型などの合成ゼオラ
イトであってもよい。これらのなかから1種以上を適宜
選択して用いればよい。
【0049】ゼオライトの粒径には特に制限はなく、通
常1次粒子として1〜1000μm程度であり、前記の
水スラリーを調製する段階で必要に応じ粉砕してもよ
い。
【0050】なお、ゼオライトにおけるSi/Al比
(原子比)は5以上、特に10〜1000が好ましい。
【0051】本発明において、触媒活性をもつ微粒子と
してはゼオライトが好ましいが、このほか、γ−アルミ
ナ、シリカ・アルミナ、酸化ニオブ等を用いることがで
きる。これらのものの粒径もゼオライトと同様に1〜1
000μm である。
【0052】本発明において、ゼオライトとともに担持
層を形成する金属酸化物としては、2(2A)族元素と
してMg、3(3A)族元素としてLa、4(4A)族
元素としてTi、Zr、5(5A)族元素としてNb、
12(2B)族元素としてZn、13(3B)族元素と
してAl、14(4B)族元素としてSn、などの酸化
物が挙げられる。具体的には、マグネシア、アルミナ、
チタニア、ジルコニア、酸化ニオブ、酸化スズ、酸化ラ
ンタン、酸化亜鉛等である。なかでも、アルミナ、チタ
ニア、ジルコニア等が好ましい。
【0053】担持層に含有される金属酸化物の金属種
は、通常1種のみであるが、場合によっては2種以上で
あってもよい。
【0054】本発明では、前記のように、金属酸化物を
金属酸化物の原料化合物の加水分解によって生成させて
いるが、このときの原料化合物としては、対応する金属
酸化物の金属に応じて、その金属の硝酸塩、硫酸塩、塩
化物等のハロゲン化物、酢酸塩、シュウ酸塩などのよう
な金属塩、さらには金属アルコキシドや錯塩、有機金属
化合物などであってもよい。具体的には、Al(NO
33 、La(NO33 、ZrOCl2 、Zr(NO
34 、Zn(NO32 、SnCl2 等が挙げられ
る。
【0055】上記の金属酸化物のなかで、チタニア等で
あるときは、金属アルコキシド(例えばチタンテトライ
ソプロポキシド)をアルコール(例えば上記例ではイソ
プロピルアルコール)中で加水分解しチタンの水酸化物
(チタン含水酸化物)を得たのち、硝酸等によりチタン
硝酸塩に変換して加水分解に使用してもよい。こうして
得られたチタン硝酸塩やTi(SO42 、TiCl4
等のチタン化合物では、尿素を用いなくても加熱のみに
よって加水分解反応が進行する。
【0056】前記のように、ゼオライトの存在下に、金
属化合物の原料化合物を加水分解して形成した担持層に
おけるゼオライトと金属酸化物との比には特に制限はな
いが、ゼオライト/金属酸化物が重量比で5以下、特に
1〜3であることが好ましい。
【0057】この比を好ましい範囲とすることによっ
て、ゼオライトがモノリス型の担体に安定に担持される
ことになり、触媒機能が向上する。この比があまりに大
きくなると酸化物による付着効果が低下し、触媒機能が
低下する。なお、この比は、他の触媒活性をもつ微粒子
においても同様である。
【0058】本発明に用いる触媒金属としては、遷移金
属元素および16(6B)族の金属元素が挙げられる。
具体的には、3(3A)族元素としてLa、Ce、5
(5A)族元素としてV、6(6A)族元素としてC
r、Mo、W、7(7A)族元素としてMn、Re、8
(8)族としてFe、Ru、9(8)族としてCo、R
h、Ir、10(8)族としてNi、Pd、Pt、11
(1B)族としてCu、Ag、Au、16(6B)族と
してSe、Te、等である。
【0059】これらの触媒金属は1種のみを用いても2
種以上を併用してもよい。
【0060】なかでも、Co、Cu、Ni、Ag等が好
ましい。なお、La、Te、Se等はCo等との併用に
おいて使用することが好ましい。
【0061】前記のように、水溶液あるいは水スラリー
に触媒金属の化合物を含有させて、触媒金属の担持層へ
の担持を行うが、このとき用いる触媒金属の化合物は、
上記金属の硝酸塩、塩化物、アンモニウム塩や錯塩など
であってよい。具体的には、Co(NO32 、AgN
3 、Cu(NO32 、Ni(NO32 等の硝酸
塩、Co(CH3 COO) 2、塩化パラジウム、塩化ロ
ジウム、塩化白金酸、メタバナジン酸アンモニウム、V
OCl3 、モリブデン酸アンモニウムなどを挙げること
ができる。
【0062】このように触媒金属を担持させた後の担持
層において、触媒金属は、金属ないし金属酸化物として
ゼオライト中に存在していると考えられる。
【0063】また、加水分解によって生成した担持層中
の金属酸化物は、ゼオライトと担体とを付着させる機能
を果たしていると考えられる。そして、加水分解による
ものであるため、金属酸化物は、担持層内に均一に存在
し、また担体表面にも均一に粒子状態というよりはむし
ろ連続層として存在し、担持層と担体との付着を強固な
ものにしていると考えられる。また、担持層の厚みも均
一である。
【0064】従って、本発明では担持させる金属酸化物
の100%を加水分解によって得ることが好ましいが、
場合によっては加水分解後アルミナゾル等の酸化物を後
添加するなどしてもよく、加水分解と酸化物添加とを併
用してもよい。
【0065】ゼオライトの担体1cm2 当りの担持量は
0.0005〜0.2g 程度であり、金属酸化物の担体
1cm2 当りの担持量は0.0005〜0.2g 程度であ
る。
【0066】担持量は、担持前後の重量変化によって求
めることができる。
【0067】なお、触媒金属の担持は、前記のような湿
式処理によるものに限定されず、加水分解して担持層を
形成した後、スパッタや熱CVDなどの気相メッキ法に
よって行ってもよい。具体的には公知の方法によればよ
い。
【0068】このようにして得られた本発明の触媒は、
還元剤としての有機化合物の共存下で、窒素酸化物を含
む燃焼排ガスと接触させることにより、たとえ排ガスが
過剰の酸素を含有していても窒素酸化物を選択的に除去
することができる。
【0069】還元剤として用いる有機化合物は、炭化水
素類、アルコール、ケトン、エーテル等であり、なかで
もプロパン、軽油、ガソリン、重油などの燃料等が有効
である。
【0070】特に、燃料そのものを還元剤として用いる
ときには、特に自動車用エンジン等においてきわめて有
利となる。このような場合、燃料の一部を熱分解や接触
分解により分解して低分子量成分を得、これを還元剤と
して用いる方法も有効である。この方法については、本
出願人による特願平3−293719号に記載されてい
る。
【0071】なお、ディーゼルエンジンの場合、燃焼排
ガスは、NOX ;700〜1500ppm 程度、O2 ;1
0〜20vol%程度、SO2 ;50〜200ppm 程度、H
2 O;5〜15vol%程度を含んでいる。
【0072】また、リーン側でのガソリンエンジンの場
合、NOX ;3000〜5000ppm 程度、O2 ;0.
5〜3vol%程度、H2 O;10〜15vol%程度を含む。
【0073】還元剤は、排ガス中のNOX 量に対し、重
量比で1〜5倍、特に1〜3.5倍程度添加することが
好ましい。
【0074】このように、本発明の触媒は、O2 ;0.
5vol%以上、NOX ;5000ppm程度以下、H2 O;
5〜15vol%の排ガスに用いて有効である。
【0075】なお、本発明の触媒は、排ガスとの接触温
度、すなわち排ガス温度が300〜600℃であり、排
ガスの空間速度が5000〜50000hr-1であるよう
な条件で用いることが好ましい。
【0076】
【実施例】以下、本発明を、比較例とともに示す実施例
によって具体的に説明する。
【0077】実施例1 担持するゼオライトは、Si/Al=15のナトリウム
型モルデナイトを、2規定の塩酸で2時間、90℃で処
理しH型にした。このとき液固比は3(体積比)であ
る。このゼオライトをイオン交換水で繰り返し洗浄濾過
し、濾液が中性になるまで洗浄した。その後120℃で
一晩乾燥後、0.2mol/l のCo(NO32 水溶液で
2時間、90℃で処理した。このとき液固比は3(体積
比)である。その後濾過し120℃で1晩乾燥し、活性
金属であるCoをあらかじめ担持させた。
【0078】金属酸化物原料としてAl(NO33
使用した。水400ccにCoモルデナイト20g を添加
し、Al(NO33 73.5g 、Co(NO32
g を溶解し、ここにコージェライト製のモノリス担体を
浸漬した。
【0079】使用したモノリス担体は市販品であり、直
径36mm×高さ40mmの円柱でセル数300セル/in2
のものである。すなわち、孔数が担体1in2 当り300
であり、孔の形状は正方形であり、大きさは1個当りの
面積で表わして0.0144cm2 程度であり、いわゆる
ハニカム構造のものである。
【0080】溶液を攪拌しながら、尿素を50g 添加
し、溶液を約95℃に保った。3〜18時間程度で均一
に加水分解し、担体に触媒成分を担持した。
【0081】このようにして担持層を形成した担体を溶
液中から引き上げ、これを120℃で一晩(16時間程
度)乾燥しモノリス触媒を得た。なお担持された触媒成
分は8g であった。また、モルデナイト/アルミナ(重
量比)は2であった。担体1cm2 当りの担持量は7.7
mg/cm2(モルデナイト:5.1mg/cm2、アルミナ:2.
6mg/cm2)であった。得られた触媒は500℃で2時間
窒素雰囲気下で処理後に使用した。
【0082】実施例2 実施例1において、モノリス担体をコージェライト製か
らシリカ製に変更する以外は同様にしてモノリス触媒を
得た。使用したモノリス担体は市販品であり、直径36
mm×高さ40mmの円柱でセル数350セル/in2である。
孔の形状は直角二等辺三角形で、孔の大きさは1個当り
の面積で表わして0.0125cm2 程度のハニカム構造
のものである。なお、担持された触媒成分は9g であっ
た。またモルデナイト/アルミナ(重量比)=2であっ
た。担体1cm2 当りの担持量は、モルデナイトが5.7
mg/cm2、アルミナが2.8mg/cm2であった。得られた触
媒は500℃で2時間窒素雰囲気下で処理後に使用し
た。
【0083】実施例3 実施例2において、同様にして得たCoモルデナイト2
0g 、Al(NO33 29.4g 、Co(NO32
2.9g とするほかは同様にしてモノリス触媒を得た。
なお担持された触媒成分は10g であった。また、モル
デナイト/アルミナ(重量比)は5であった。担体1cm
2 当りの担持量はモルデナイトが7.9mg/cm2、アルミ
ナが1.6mg/cm2であった。得られた触媒は500℃で
2時間窒素雰囲気下で処理して使用した。
【0084】実施例4 金属酸化物原料としてチタン硝酸塩水溶液、活性金属と
してCo(NO32を使用した。ゼオライトは、実施
例1と同様の方法であらかじめCoを担持したモルデナ
イトを使用した。チタン硝酸塩水溶液は次のようにして
得た。チタンテトライソプロポキサイド(TTIP
O)、35g を36ccのイソプロピルアルコル(IP
A)に溶解した。ここに水280ccを添加し、TTIP
O加水分解しチタン含水酸化物を得た。ここに50ccの
濃硝酸を添加し、チタン含水酸化物を溶解しチタン硝酸
塩水溶液を得た。この水溶液のチタン硝酸塩の濃度は
0.3mol/l 程度である。この溶液に、Co(NO3
2 7g を溶解し、その後は実施例2と同様にして、モノ
リス触媒を得た。なお担持された触媒成分は3g であっ
た。また、モルデナイト/チタニア(重量比)は2であ
った。担体1cm2 当りの担持量はモルデナイトが、1.
9mg/cm2、チタニアが1.0mg/cm2であった。得られた
触媒は500℃で2時間窒素雰囲気下で処理後に使用し
た。
【0085】実施例5 担持するゼオライトの種類をカリウム型フェリエライト
(Si/Al=17)に変更した。このカリウム型フェ
リエライトを実施例1と同様の方法でH型にし、以下実
施例2と同様の方法でモノリス触媒を得た。なお、担持
された触媒成分は15g であった。またモルデナイト/
アルミナ(重量比)=2であった。担体1cm2 当りの担
持量は、モルデナイトが9.5mg/cm2、アルミナは4.
7mg/cm2であった。得られた触媒は500℃で2時間窒
素雰囲気下で処理後に使用した。
【0086】実施例6 担持するゼオライトの種類を、市販のH型モルデナイト
(Si/Al=15)に変更し、ゼオライトに担持する
活性金属種を銀に変更した。まずH型モルデナイトを
0.2mol/l のAg(NO32 水溶液で2時間、90
℃で処理した。このとき液固比は3(体積比)である。
その後濾過し120℃で1晩乾燥し、活性金属であるA
gをあらかじめ担持した。金属酸化物原料としてAl
(NO3373.5g 、Ag(NO32 4g を溶解
し、その後は実施例2と同様にしてモノリス触媒を得
た。なお担持された触媒成分は17g であった。またモ
ルデナイト/アルミナ(重量比)=2であった。担体1
cm2 当りの担持量は、モルデナイトが10.7mg/cm2
アルミナは5.4mg/cm2であった。得られた触媒は50
0℃で2時間窒素雰囲気下で処理後に使用した。
【0087】実施例7 担持するゼオライトの種類を、市販のH型モルデナイト
(Si/Al=15)に変更し、ゼオライトに担持する
活性金属種をニッケルに変更した。まずH型モルデナイ
トを0.2mol/l のNi(NO32 水溶液で2時間、
90℃で処理した。このとき液固比は3(体積比)であ
る。その後濾過し120℃で1晩乾燥し、活性金属であ
るNiをあらかじめ担持した。金属酸化物原料としてA
l(NO33 を使用した。水400ccにNiモルデナ
イト20g を添加し、Al(NO32 73.5g 、N
i(NO32 7g を溶解し、その後は実施例2と同様
にしてモノリス触媒を得た。なお担持された触媒成分は
18g であった。またモルデナイト/アルミナ(重量
比)=2であった。担体1cm2 当りの担持量は、モルデ
ナイトが11.4mg/cm2、アルミナは5.7mg/cm2であ
った。得られた触媒は500℃で2時間窒素雰囲気下で
処理後に使用した。
【0088】実施例8 担持するゼオライトの種類を、市販のH型モルデナイト
(Si/Al=15)に変更し、ゼオライトに担持する
活性金属種を銅に変更した。まずH型モルデナイトを
0.2mol/l のCu(NO32 水溶液で2時間、90
℃で処理した。このとき液固比は3(体積比)である。
その後濾過し120℃で1晩乾燥し、活性金属であるC
uをあらかじめ担持した。金属酸化物原料としてAl
(NO33を使用した。水400ccにCuモルデナイ
ト20g を添加し、Al(NO3273.5g 、Cu
(NO32 6g を溶解し、その後は実施例2と同様に
してモノリス触媒を得た。なお担持された触媒成分は2
1g であった。またモルデナイト/アルミナ(重量比)
=2であった。担体1cm2 当りの担持量は、モルデナイ
トが13.3mg/cm2、アルミナは6.6mg/cm2であっ
た。得られた触媒は500℃で2時間窒素雰囲気下で処
理後に使用した。
【0089】実施例9 実施例1と同様の方法でゼオライトにCoを担持したも
のを使用した。金属酸化物原料としてAl(NO33
を使用した。水400ccにCoモルデナイト20g を添
加し、Al(NO33 73.5g を溶解したが、実施
例1とは異なりこの溶液にはCo(NO32 を添加し
なかった。その後は実施例2と同様にしてモノリス触媒
を得た。なお担持された触媒成分は6g であった。また
モルデナイト/アルミナ(重量比)=2であった。担体
1cm2 当りの担持量は、モルデナイトが3.8mg/cm2
アルミナは1.9mg/cm2であった。得られた触媒は50
0℃で2時間窒素雰囲気下で処理後に使用した。
【0090】実施例10 担持する固体触媒をゼオライトからγ−アルミナに変更
した以外は実施例2と同様に行った。γ−アルミナはあ
らかじめ0.1mol/l のCo(NO32 水溶液で30
分、室温で処理した。このとき液固比は3(体積比)で
ある。その後濾過し120℃で1晩乾燥した。このγ−
アルミナを粉砕しパウダーとして使用した。なお担持さ
れた触媒成分は15g であった。また担体1cm2 当りの
担持量は、14.2mg/cm2であった。得られた触媒は5
00℃で2時間窒素雰囲気下で処理後に使用した。
【0091】実施例11 担持する固体触媒をゼオライトからγ−アルミナに変更
した以外は実施例9と同様に行った。γ−アルミナへの
Co担持は実施例10と同様の方法で行った。なお担持
された触媒成分は16g であった。また担体1cm2 当り
の担持量は、15.2mg/cm2であった。得られた触媒は
500℃で2時間窒素雰囲気下で処理後に使用した。
【0092】実施例12 担持する固体触媒をゼオライトから酸化ニオブに変更し
た。酸化ニオブはあらかじめ0.1mol/l のCo(NO
32 水溶液で90℃で2時間処理した。このとき液固
比は3(体積比)である。その後濾過し120℃で1晩
乾燥した。金属酸化物原料としてAl(NO33 を使
用した。水400ccに酸化ニオブ20gを添加し、Al
(NO33 73.5g 、Co(NO32 1.5g を
溶解し、その後は実施例2と同様にしてモノリス触媒を
得た。なお担持された触媒成分は9g であった。また酸
化ニオブ/アルミナ(重量比)=4であった。担体1cm
2当りの担持量は、酸化ニオブが6.8mg/cm2、アルミ
ナは1.7mg/cm2であった。
【0093】実施例13 担持する固体触媒をゼオライトから酸化ニオブに変更し
た。酸化ニオブはあらかじめ0.3mol/l のCo(CH
3 COO)2 水溶液で90℃で2時間処理した。このと
き液固比は3(体積比)である。その後濾過し120℃
で1晩乾燥した。金属酸化物原料としてAl(NO3
3 を使用した。水400ccに酸化ニオブ20g を添加
し、Al(NO33 73.5g 、Co(CH3 CO
O)2 1.3g を溶解し、その後は実施例2と同様にし
てモノリス触媒を得た。なお担持された触媒成分は15
g であった。また酸化ニオブ/アルミナ(重量比)=4
であった。担体1cm2 当りの担持量は、酸化ニオブが1
1.4mg/cm2、アルミナは2.8mg/cm2であった。
【0094】比較例1 実施例1で使用したものと同じCoモルデナイトを使用
し、アルミナゾル(平均粒径1μm 程度)をバインダー
にしてウォッシュコート法により触媒を調製した。スラ
リー濃度は実施例1と同じになるように、Coモルデナ
イト20g とアルミナゾル10g を水400ccに分散
し、ここにCo(NO32 7.1g を添加したスラリ
ーを用い、ウォッシュコートを行った。使用したハニカ
ムは実施例1と同タイプのコージェライト製のモノリス
担体である。担持された触媒成分は3g であった。担体
1cm2 当りの担持量は3.3mg/cm2であった。得られた
触媒は500℃で2時間窒素雰囲気下で処理後に使用し
た。
【0095】比較例2 比較例1に対し約13倍のスラリー濃度になるようなス
ラリーでウォッシュコートを行った。実施例1で使用し
たものと同じCoモルデナイト60g 、アルミナゾル3
0g を水90ccに分散し、ここにCo(NO32
1.3g を添加したスラリーでウォッシュコートを行っ
た。このスラリーにおけるCoモルデナイト、アルミナ
ゾル、Co(NO32 の重量比は比較例1と同じであ
る。しかしスラリーが分散せず、ウォッシュコートは行
えなかった。
【0096】比較例3 添加する水の量を120ccにした以外は比較例2と同じ
に行った。この時のスラリー濃度は比較例1の10倍で
ある。担持された触媒成分は1g であった。得られた触
媒は500℃で2時間窒素雰囲気下で処理後に使用し
た。
【0097】比較例4 実施例1で用いたCo型モルデナイト150g 、シリカ
ゲル(平均粒径1μm程度)142g とアルミナゾル8g
を水300ccに分散し、pHを約4に調整するためAl
(NO33 を10g 添加したスラリーを用い、ウォッ
シュコート法によりハニカムに担持した。使用したハニ
カムは実施例2と同タイプのシリカ製のモノリス担体で
ある。担持された触媒成分は10g であった。担体1cm
2 当りの担持量は、9.5mg/cm2であった。得られた触
媒は500℃で2時間窒素雰囲気下で処理後に使用し
た。
【0098】比較例5 比較例4で使用したものと同じCoモルデナイト、シリ
カゲル、アルミナゾルをそれぞれ50g 、47g 、3g
を水50ccに分散し、ここにCo(NO327.4g
を添加したスラリーを用い、ウォッシュコート法により
ハニカムに担持した。使用したハニカムは実施例2と同
タイプのシリカ製のモノリス担体である。担持された触
媒成分は14g であった。担体1cm2 当りの担持量は、
13.3mg/cm2であった。しかし空孔が目詰まりを起こ
し使用できなかった。
【0099】なお、上記において使用したゼオライト、
γ−アルミナ、酸化ニオブの各々の粒径は1〜1000
μm であった。
【0100】実施例14 実施例1および比較例1、3で得られたモノリス触媒に
ついて下記のような脱硝試験を行った。
【0101】脱硝試験はディーゼルエンジンの排ガスを
使用し、空間速度SV=20000/hr 、還元剤はプロ
パンを使用し、排ガス中のNOx (NO換算)の重量の
3倍投入して行った。このときの排ガスの組成は、NO
x ;約1100ppm 、O2 ;約8vol%、SOx ;約15
ppm 、H2 O;約7vol%である。また排ガスの温度は表
1に示すとおりであり、このような条件下での脱硝率を
求めた。結果を表1に示す。
【0102】
【表1】
【0103】表1より本発明の効果は明らかである。
【0104】本発明に比べ、ウォッシュコート法では、
スラリー濃度を同一条件としても担持量が少なくなる。
また、ウォッシュコート法では、担持層を多くしようと
してスラリー濃度を高くしても濃度上昇に伴って必ずし
も担持量が多くならない。また、ウォッシュコート法で
は、スラリー濃度を高くするとスラリー調製が不可能に
なったり、モノリス触媒の空孔が目づまりを起こして使
用できなくなったりする。本発明で担持量を多くできる
のは、本発明が加水分解反応を経るため、ウォッシュコ
ート法に比べ均一な担持層の形成が容易になるためと考
えられる。このように均一な担持層が形成される結果、
触媒活性も向上すると考えられる。
【0105】なお、実施例2〜13のモノリス触媒を用
いて、上記と同様に脱硝試験を行ったところ、実施例1
と同様の良好な結果が得られた。これに対し、使用可能
な比較例4のモノリス触媒は比較例3程度の低い触媒活
性しか示さなかった。また、上記において、還元剤を軽
油、あるいはこうした燃料のほか、n−ヘプタンやn−
ドデカンにかえても同様の傾向を示した。
【0106】実施例15 実施例1および比較例1で得られたモノリス触媒につい
て下記のような付着性試験を行った。試験はモノリス触
媒全体にセロハンテープを巻き、セロハンテープを外し
た時に剥離した触媒量で比較した。結果を表2に示す。
【0107】
【表2】
【0108】表2より、本発明の効果は明らかである。
【0109】なお、実施例2〜13のモノリス触媒につ
いても同様の付着性試験を行ったところ、実施例1と同
等の結果を示した。これに対し、比較例3〜5のモノリ
ス触媒では比較例1と同等で、いずれも付着性に劣るも
のであった。
【0110】
【発明の効果】本発明によれば、金属塩等の水溶液中で
の均一な加水分解という化学反応を経ることにより、通
常のウォッシュコート法に比べはるかに低いスラリー濃
度で、担体表面に触媒成分を均一にかつ強固に担持した
触媒を提供することができる。また燃料であるプロパン
や軽油を還元剤に使用することが可能である。
フロントページの続き (73)特許権者 303002158 三菱ふそうトラック・バス株式会社 東京都港区港南二丁目16番4号 (74)上記1名の代理人 100082865 弁理士 石井 陽一 (72)発明者 菊池 孝浩 千葉県柏市高田1201 財団法人 産業創 造研究所 柏研究所内 (72)発明者 熊谷 幹郎 千葉県柏市高田1201 財団法人 産業創 造研究所 柏研究所内 (56)参考文献 特開 平5−168948(JP,A) 特開 平5−168949(JP,A) 特開 平5−49935(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01J 21/00 - 38/74 B01D 53/86,53/94

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 モノリス型の担体表面に担持層を形成す
    る排ガス浄化用モノリス触媒の製造方法において、 前記担持層が金属酸化物および触媒活性をもつ微粒子を
    含有し、触媒金属を担持させたものであり、 前記触媒金属を予め前記微粒子に担持させ、前記触媒金
    属を担持させた前記微粒子を分散し、かつ前記金属酸化
    物の原料化合物を溶解した水スラリーを調製し、前記水
    スラリー中に前記担体を浸漬し、前記スラリーに尿素を
    添加して加熱するか、または前記水スラリーを加熱する
    ことにより前記金属酸化物の原料化合物を加水分解して
    金属酸化物を生成させて前記担持層を形成する排ガス浄
    化用モノリス触媒の製造方法。
  2. 【請求項2】 さらに、前記触媒金属を、前記水スラリ
    ー中に添加して、加水分解と同時に担持させる方法、お
    よび前記加水分解後に前記触媒金属を担持させる方法の
    なかの少なくとも1つの方法により担持させる請求項1
    の排ガス浄化用モノリス触媒の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記担持層における金属酸化物に対する
    前記微粒子の重量比、前記微粒子/金属酸化物が5以下
    となるようにする請求項1または2の排ガス浄化用モノ
    リス触媒の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記微粒子がゼオライトである請求項1
    〜3のいずれかの排ガス浄化用モノリス触媒の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかの排ガス浄化用
    モノリス触媒の製造方法によって得られた排ガス浄化用
    モノリス触媒。
  6. 【請求項6】 請求項5の排ガス浄化用モノリス触媒を
    用い、燃料の燃焼により生じる酸素過剰な排ガスを、有
    機化合物の存在下で、前記触媒と接触させ、前記排ガス
    中の窒素酸化物を除去する排ガス中の窒素酸化物の除去
    方法。
JP16063994A 1994-06-20 1994-06-20 排ガス浄化用モノリス触媒の製造方法およびモノリス触媒、ならびに排ガス中の窒素酸化物の除去方法 Expired - Lifetime JP3450441B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP16063994A JP3450441B2 (ja) 1994-06-20 1994-06-20 排ガス浄化用モノリス触媒の製造方法およびモノリス触媒、ならびに排ガス中の窒素酸化物の除去方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP16063994A JP3450441B2 (ja) 1994-06-20 1994-06-20 排ガス浄化用モノリス触媒の製造方法およびモノリス触媒、ならびに排ガス中の窒素酸化物の除去方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH081007A JPH081007A (ja) 1996-01-09
JP3450441B2 true JP3450441B2 (ja) 2003-09-22

Family

ID=15719285

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP16063994A Expired - Lifetime JP3450441B2 (ja) 1994-06-20 1994-06-20 排ガス浄化用モノリス触媒の製造方法およびモノリス触媒、ならびに排ガス中の窒素酸化物の除去方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3450441B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000237602A (ja) * 1998-12-21 2000-09-05 Denso Corp 内燃機関の排気ガス用浄化触媒
JP4644605B2 (ja) * 2006-01-04 2011-03-02 エヌ・イーケムキャット株式会社 脱硝触媒組成物、一体構造型脱硝触媒、及びそれを用いた脱硝方法
CN114682250B (zh) * 2020-12-29 2023-09-05 国家能源投资集团有限责任公司 陶瓷纤维滤管催化剂及其分步制备方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH081007A (ja) 1996-01-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN107051574B (zh) 用于选择性氨氧化的双金属催化剂
KR100210538B1 (ko) 배기가스 정화용 촉매 및 그 제조방법
GB2248194A (en) Catalyst for cleaning exhaust gases
JP2773428B2 (ja) 排気ガス浄化方法
JP4989545B2 (ja) 窒素酸化物接触還元用触媒
JP3450441B2 (ja) 排ガス浄化用モノリス触媒の製造方法およびモノリス触媒、ならびに排ガス中の窒素酸化物の除去方法
JP3219480B2 (ja) 排気ガス処理方法及び触媒
JP3287873B2 (ja) 排気ガス浄化用触媒
JP3513934B2 (ja) 排気ガス浄化用触媒及びその製造方法
JPH1199319A (ja) 排ガス浄化方法
JP3506392B2 (ja) 還元剤として炭化水素のみを用いた排気ガス浄化用触媒
JPH081016A (ja) 排ガス浄化用モノリス触媒の製造方法およびモノリス触媒、ならびに排ガス中の窒素酸化物の除去方法
JP3387417B2 (ja) 排ガス浄化用触媒及びその製造方法
JP4106762B2 (ja) 排気ガス浄化用触媒装置及び浄化方法
JP3427422B2 (ja) 排気ガス浄化用触媒及びその製造方法
JP4822374B2 (ja) 排ガス浄化用触媒の製造方法
JP7295188B2 (ja) 排ガス浄化触媒装置
JPH05317725A (ja) 排ガス処理触媒及び排ガス処理方法
JPH11253759A (ja) 排ガス浄化方法
JP3330623B2 (ja) 排気ガス浄化用触媒
JP3295992B2 (ja) 排気ガス浄化用触媒
JP3395219B2 (ja) 窒素酸化物の除去方法
JPH08150335A (ja) 排ガス浄化用触媒及びその製造方法
JP2000093803A (ja) 排気ガス浄化用触媒及び排気ガス浄化方法
JPH1157411A (ja) 排ガス浄化方法

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20030610

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R371 Transfer withdrawn

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R371

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

R371 Transfer withdrawn

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R371

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20070711

Year of fee payment: 4

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080711

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090711

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100711

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100711

Year of fee payment: 7

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100711

Year of fee payment: 7

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110711

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110711

Year of fee payment: 8

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110711

Year of fee payment: 8

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120711

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130711

Year of fee payment: 10

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term