JP3395219B2 - 窒素酸化物の除去方法 - Google Patents
窒素酸化物の除去方法Info
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ボイラー,自動車エン
ジン等から排出される窒素酸化物を含有する酸素過剰の
排ガスを触媒を用いて処理する方法に関し、更に詳細に
は、耐久性の非常に優れた触媒を用いて窒素酸化物を除
去する方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】ボイラー,自動車エンジン等から排出さ
れる排ガス中の窒素酸化物を除去する方法として、触媒
の存在下でアンモニアを用いる選択的接触還元法、ま
た、排ガスを触媒に通し、未燃焼の一酸化炭素及び炭化
水素により還元する非選択的接触還元法等が実用化され
ている。 【0003】特開昭60−125250号公報には、還
元剤非共存下で窒素酸化物を直接接触分解できる触媒と
して銅イオン交換したゼオライトが提案されている。 【0004】また、ディーゼルエンジン,低燃費化を目
的とした希薄燃焼エンジンの排ガス浄化用に、酸素過剰
下でも、未燃焼の一酸化炭素,炭化水素等の還元成分に
より窒素酸化物を選択的に還元できる触媒として、卑金
属をゼオライト等に含有させた触媒が提案されている
(特開昭63−100919号公報)。 【0005】しかしながら、これらの提案されている触
媒は、特に高温での耐久性に問題があり、実用化される
に至っていない。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、アン
モニア等の還元剤を使用することなく、自動車等の内燃
機関から排出される、特に酸素過剰の排ガスを、効率良
く浄化し、且つ、水蒸気の存在する高温での耐久性に優
れる排ガス浄化用触媒を用いて排ガスを浄化する方法を
提供するものである。 【0007】 【課題を解決する為の手段】本発明者等は、上記課題に
ついて鋭意検討した結果、ゼオライトをアルキルクロロ
シランで気相処理した触媒を用いることにより、高温で
使用された後も効率良く排ガス浄化ができることを見出
し、本発明を完成するに至った。 【0008】すなわち本発明は、アルキルクロロシラン
蒸気で処理された、SiO2/Al2O3モル比が少なく
とも15以上であるゼオライトと、一種以上の活性金属
とからなる触媒を用いて、窒素酸化物及び炭化水素を含
有する酸素過剰の排ガスから窒素酸化物を除去する方法
を提供するものである。 【0009】これらのアルキルクロロシラン蒸気でゼオ
ライトを気相処理することにより触媒の耐久性が向上す
る理由は明らかではないが、ゼオライト構造中には少量
の格子欠陥(ヒドロキシネスト)が存在すると言われて
おり、これらのアルキルクロロシラン蒸気処理により格
子欠陥が除去され、触媒の耐久性が向上したと推定され
る。 【0010】以下、本発明をより詳細に説明する。 【0011】本発明で用いられる触媒は、アルキルクロ
ロシラン蒸気で処理された、SiO2/Al2O3モル比
が少なくとも15であるゼオライトと、一種以上の活性
金属とからなる。 【0012】本発明において用いられる原料ゼオライト
のSiO2/Al2O3モル比は、アルキルクロロシラン
蒸気で処理した後に15以上であれば良く、15以上の
ものが使用される。また、SiO2/Al2O3モル比は
その上限が限定されるものではない。SiO2/Al2O
3モル比が15未満であると、十分な耐久性が得られな
い。 【0013】また、ゼオライトの種類は特に限定されな
いが、例えば、モルデナイト,フェリエライト,ZSM
−5,ZSM−8,ZSM−11,ZSM−12,ZS
M−20,ZSM−35等のゼオライトが使用できる
が、その中でもZSM−5が好適に用いられる。またこ
れらのゼオライトの製造方法は限定されるものではな
い。またゼオライトY,ゼオライトL等のゼオライトを
脱アルミニウムしたものであっても良い。 【0014】原料ゼオライトは、合成品あるいはそのか
焼品等が用いられるが、原料ゼオライト中のNa等のイ
オンをアンモニウム塩あるいは鉱酸等で処理し、H型あ
るいはアンモニウム型として用いることもできる。更に
は、K,Cs,Ba等でイオン交換して用いることもで
きる。アルキルクロロシラン蒸気処理により、ゼオライ
ト骨格中のAlとSiとの置換が一部起る可能性もある
が、置換を防止する為には、アンモニウム型,H型以外
の金属型ゼオライトを用いれば良い。 【0015】原料ゼオライトは、アルキルクロロシラン
蒸気で処理され、且つ、一種以上の活性金属が導入され
る。 【0016】アルキルクロロシラン蒸気処理および活性
金属導入の順序は特に制限されず、原料ゼオライトをア
ルキルクロロシラン蒸気処理した後、活性金属を導入し
ても良く、また、活性金属導入後アルキルクロロシラン
蒸気処理することもできる。本発明で用い得るアルキル
クロロシランはゼオライト細孔内に入れば良く、アルキ
ル基としてはメチル基,エチル基,ブチル基,プロピル
基等が使用でき、アルキルトリクロロシラン,ジアルキ
ルジクロロシラン,トリアルキルクロロシランが用いら
れる。また、ZSM−5,フェリエライト等の細孔径の
小さいゼオライトを処理する場合には、分子径の小さい
トリメチルクロロシラン,トリエチルクロロシラン等を
用いることが望ましい。 【0017】アルキルクロロシラン蒸気処理の条件は特
に限定されず、アルキルクロロシランを含むガスを、原
料ゼオライトあるいは一種以上の活性金属を含有するゼ
オライトと接触させ、気相で処理を行えば良い。水溶液
中での処理では、アルキルクロロシランが分解し酸化物
等に変化する為、格子欠陥へSiは挿入されず、また、
アルキルクロロシランの分解により発生するHClによ
りゼオライト骨格中のAlの脱離(脱Al)が起り好ま
しくない。 【0018】処理ガス中のアルキルクロロシラン濃度は
特に限定されないが、操作性の点から希釈ガスでアルキ
ルクロロシラン濃度1〜50%に希釈して用いることが
好ましい。希釈ガスとしては、アルキルクロロシランが
安定に存在するガスであれば良く、N2,He等が用い
られる。希釈ガス中にH2Oが含まれていると、アルキ
ルクロロシランが酸化物等に変化する為、処理ガス中の
H2Oはできるだけ少なくすることが望ましい。 【0019】アルキルクロロシラン蒸気処理の温度は特
に限定されないが、アルキルクロロシランが気体として
安定に存在すれば良く、また高温ではゼオライトが崩壊
する危険性がある為、室温〜800℃の温度が好まし
い。 【0020】アルキルクロロシラン蒸気処理の方法は特
に限定されないが、アルキルクロロシラン含有ガスを充
填した密閉容器中でゼオライトを処理、あるいは、ゼオ
ライトを充填した層にアルキルクロロシラン含有ガスを
流通させる等の方法が用いられる。アルキルクロロシラ
ン含有ガスを流通させる場合の空間速度は10〜100
00hr-1程度で良い。また、処理時間は、10分〜3
0時間の時間で良い。 【0021】また、アルキルクロロシラン蒸気処理する
際、ゼオライト中に吸着しているH2Oを除去する為
に、真空下あるいは不活性ガス雰囲気下300〜800
℃で前処理を行うことが好ましい。 【0022】アルキルクロロシラン蒸気処理したゼオラ
イトは、ゼオライト表面等に吸着しているアルキルクロ
ロシランを除去する為に、100℃〜800℃の温度、
真空下あるいは不活性ガス雰囲気下あるいは空気で熱処
理しても良い。 【0023】アルキルクロロシラン蒸気処理したゼオラ
イトのSiO2/Al2O3モル比は15以上であること
が必須である。SiO2/Al2O3モル比が15未満で
あると十分な高温での耐久性が得られない。また、その
上限は特に限定されないが、十分な触媒活性を有する為
には200以下であることが好ましい。 【0024】アルキルクロロシラン蒸気で処理すると、
Siが格子欠陥に取り込まれる為、若干のSiO2/A
l2O3モル比の上昇が起る。 【0025】本発明で用いられる触媒は、一種以上の活
性金属が導入される。活性金属としては通常排ガス浄化
に使用される金属であれば良く、例えば、Cu,Ag,
Au等のIb族、Fe,Co,Ni,Ru,Rh,P
d,Pt等のVIII族、Cr,Mo等のVIa族、あ
るいは、Mn等のVIIa族が用いられる。特に好まし
くはCuあるいはCoである。 【0026】活性金属の導入方法は特に限定されず、含
浸担持法,蒸発乾固法,イオン交換法等の手法を用いる
ことができる。活性金属はゼオライト表面に担持された
状態でも高活性を示すが、ゼオライトのイオン交換サイ
トに存在する場合に、より高活性,高耐久性となる為
に、イオン交換法で活性金属を導入することが好まし
い。 【0027】イオン交換は、原料ゼオライトあるいはア
ルキルクロロシラン蒸気処理されたゼオライトを、活性
金属の塩を含む水溶液中に混合し、攪拌、洗浄して行わ
れる。 【0028】活性金属の塩としては、活性金属の塩化
物,硝酸塩,硫酸塩,酢酸塩等の塩が好適に用いられ
る。また、活性金属のアンミン錯塩等も好適に用い得
る。 【0029】イオン交換の際の活性金属の添加量,濃
度,交換温度,時間等は特に限定されず、一般的に行わ
れている方法で良い。活性金属の添加量は、十分な活
性,耐久性を持たせる為には、原料ゼオライトあるいは
アルキルクロロシラン蒸気処理されたゼオライト中のA
lに対し、0.5〜20倍当量が好ましい。また、イオ
ン交換のスラリ−濃度は、通常行われる5〜50%が好
ましい。また、イオン交換温度,時間は、十分な活性,
耐久性を持たせる為に、室温〜100℃の温度、5分〜
3日の時間であることが好ましい。また、必要に応じ
て、イオン交換操作を繰り返し行うこともできる。 【0030】以上の様にして、本発明で用いられる排ガ
ス浄化触媒を調製することができる。 【0031】本発明で用いられる活性金属を導入した排
ガス浄化用触媒のSiO2/Al2O3モル比は、活性金
属導入前後で実質的に変化しない。また、排ガス浄化用
触媒の結晶構造もアルキルクロロシラン蒸気処理前後及
び活性金属導入前後で本質的に異なるものではない。 【0032】本発明で用いられる排ガス浄化用触媒は、
粘土鉱物等のバインダーと混合し成形して使用すること
もできる。また、予め原料ゼオライトあるいはアルキル
クロロシラン蒸気処理したゼオライトを成形し、その成
形体をアルキルクロロシラン蒸気処理あるいは活性金属
を導入させることもできる。ゼオライトを成形する際に
用いられるバインダーとしては、カオリン,アタパルガ
イト,モンモリロナイト,ベントナイト,アロフェン,
セピオライト等の粘土鉱物である。あるいは、バインダ
ーを用いずに成形体を直接合成したバインダレスゼオラ
イト成形体であっても良い。また、コージェライト製あ
るいは金属製のハニカム状基材に本発明で用いられる排
ガス浄化用触媒をウォッシュコートして用いることもで
きる。 【0033】この様にして調製された排ガス浄化触媒
は、窒素酸化物及び炭化水素を含む酸素過剰の排ガスと
接触させ、窒素酸化物除去を行う。本発明で用いられる
排ガスは、窒素酸化物及び炭化水素を含み酸素過剰であ
ることが必須であるが、一酸化炭素,水素,アンモニア
等が含まれている場合にも有効である。酸素過剰の排ガ
スとは、排ガス中に含まれる一酸化炭素,炭化水素,水
素を完全に酸化するのに必要な酸素量よりも過剰な酸素
が含まれていることを示す。例えば、自動車等の内燃機
関から排出される排ガスの場合には、空燃費が大きい状
態(リーン領域)である。 【0034】窒素酸化物を除去する際の空間速度,温度
等は特に限定されないが、空間速度100〜50000
0hr-1、温度200〜800℃であることが好まし
い。 【0035】 【実施例】以下、実施例において本発明を更に詳細に説
明する。しかし、本発明はこれら実施例のみに限定され
るものではない。 【0036】実施例1 特公昭46−10064号公報実施例1に従ってZSM
−5型ゼオライトを調製した。得られたZSM−5型ゼ
オライトは、無水ベ−スの酸化物のモル比で表して次の
組成を有していた。 【0037】0.5Na2O,Al2O3,33SiO2 このZSM−5型ゼオライト;50gを、CsCl;3
7.8gを含む水溶液500ccに添加し、60℃にて
20時間攪拌した後、洗浄し、Csイオン交換操作を行
った。この操作を2回繰返した後、乾燥してCs型ZS
M−5を得た。得られたCs型ZSM−5;10gを、
反応管に充填し、He流通下、500℃で1時間前処理
を行い、ゼオライトに吸着しているH2Oを除去した。
次いで、トリメチルクロロシランを5%含有するHeガ
ス;60cc/minを、室温で1時間ゼオライト層に
流通させた。その後、He流通下で550℃、3時間焼
成した。処理したゼオライトのSiO2/Al2O3モル
比は34であった。 【0038】トリメチルクロロシラン蒸気処理したゼオ
ライトを、0.1mol/リットル酢酸銅水溶液45c
cに添加し、アンモニア水によりpH=10.5に調整
し、室温で20時間攪拌した後、洗浄し、Cuイオン交
換操作を行った。この操作を2回繰返した後、乾燥して
触媒1を得た。化学分析の結果、その組成は無水ベース
における酸化物のモル比で表わして次の組成を有してい
た。 【0039】0.95CuO,0.22Cs2O,Al2
O3,34SiO2 実施例2 Csイオン交換の代わりにアンモニウムイオン交換を行
ったこと以外は実施例1と同様に行い、触媒2を調製し
た。アンモニウムイオン交換は、ZSM−5型ゼオライ
ト;50gを、NH4Cl;5gを含む水溶液500c
cに添加し、60℃にて20時間攪拌した後、洗浄し、
この操作を2回繰返した後、乾燥して行った。 【0040】トリメチルクロロシラン蒸気処理したゼオ
ライトのSiO2/Al2O3モル比は34であった。 【0041】また、Cuイオン交換後の触媒2は、無水
ベースにおける酸化物のモル比で表わして次の組成を有
していた。 【0042】1.04CuO,Al2O3,34SiO2 実施例3 実施例1と同様にしてZSM−5型ゼオライトを調製し
た。得られたZSM−5型ゼオライトは、無水ベ−スの
酸化物のモル比で表して次の組成を有していた。 【0043】0.5Na2O,Al2O3,33SiO2 このZSM−5型ゼオライト;10gを、0.1mol
/リットル酢酸銅水溶液45ccに添加し、アンモニア
水によりpH=10.5に調整し、室温で20時間攪拌
した後、洗浄し、Cuイオン交換操作を行った。この操
作を2回繰返した。 【0044】得られたCu型ZSM−5を、反応管に充
填し、He流通下、500℃で1時間前処理を行い、ゼ
オライトに吸着しているH2Oを除去した。次いで、ト
リメチルクロロシランを5%含有するHeガス;60c
c/minを、室温で1時間ゼオライト層に流通させ
た。その後、He流通下で550℃、3時間焼成し、触
媒3を得た。化学分析の結果、その組成は無水ベースに
おける酸化物のモル比で表わして次の組成を有してい
た。 【0045】1.04CuO,Al2O3,34SiO2 実施例4 トリメチルクロロシランの代わりにジメチルジクロロシ
ランを用いたこと以外は、実施例1と同様に行い、触媒
4を調製した。 【0046】ジメチルジクロロシラン蒸気処理したゼオ
ライトのSiO2/Al2O3モル比は34であった。 【0047】また、Cuイオン交換後の触媒4は、無水
ベースにおける酸化物のモル比で表わして次の組成を有
していた。 【0048】0.91CuO,0.25Cs2O,Al2
O3,34SiO2 実施例5 トリメチルクロロシランの代わりにメチルトリクロロシ
ランを用いたこと以外は、実施例1と同様に行い、触媒
5を調製した。 【0049】メチルトリクロロシラン蒸気処理したゼオ
ライトのSiO2/Al2O3モル比は34であった。 【0050】また、Cuイオン交換後の触媒5は、無水
ベースにおける酸化物のモル比で表わして次の組成を有
していた。 【0051】0.90CuO,0.24Cs2O,Al2
O3,34SiO2 実施例6 Cuイオン交換の代わりにCoイオン交換を行ったこと
以外は、実施例1と同様に行い、触媒6を調製した。C
oイオン交換は以下のように行った。 【0052】トリメチルクロロシラン蒸気処理したゼオ
ライトを、0.27mol/リットルの酢酸Co(I
I)水溶液90ccに添加し、60℃で20時間攪拌し
た後、洗浄し、Coイオン交換を行った。この操作を2
回繰り返した後、乾燥して触媒6を得た。 【0053】触媒6は、無水ベースにおける酸化物のモ
ル比で表わして次の組成を有していた。 【0054】1.4CoO,0.20Cs2O,Al2O
3,34SiO2 実施例7 実施例1〜6で得られた触媒1〜6を用いて耐久性評価
を行った。 【0055】各触媒をプレス成形した後粉砕して12〜
20メッシュに整粒した。その2ccを常圧固定床流通
式反応管に充填し、リーンバーンエンジンの排ガスを模
擬したガス(表1)を空間速度120,000/hrで
流した。800℃で5時間の耐久処理を行なった後、各
温度での定常浄化活性を測定した。定常浄化活性は、各
温度で1時間保持した後のNO浄化率とした。 【0056】得られた結果を表2に示す。 【0057】 【表1】 【0058】 【表2】 【0059】比較例1 実施例1において、トリメチルクロロシラン蒸気処理を
行わなかったこと以外は実施例1と同様にして、Cu型
ZSM−5(比較触媒1)を得た。化学分析の結果、そ
の組成は無水ベースにおける酸化物のモル比で表わして
次の組成を有していた。 【0060】1.03CuO,0.22Cs2O,Al2
O3,33SiO2 比較例2 トリメチルクロロシラン蒸気処理の代わりにトリメチル
クロロシラン液相処理を行ったこと以外は実施例1と同
様にして、比較触媒2を調製した。トリメチルクロロシ
ラン液相処理は以下のように行った。 【0061】Cs型ZSM−5;10gを、トリメチル
クロロシラン;0.5gを含有する水溶液;100gに
混合し、60℃で20時間攪拌後、洗浄した。 【0062】トリメチルクロロシラン液相処理したゼオ
ライトのSiO2/Al2O3モル比は36であった。 【0063】また、Cuイオン交換後の比較触媒2は、
無水ベースにおける酸化物のモル比で表わして次の組成
を有していた。 【0064】0.67CuO,0.09Cs2O,Al2
O3,36SiO2 比較例3 比較例1及び2で得られた比較触媒1及び2を用いて、
実施例7と同様にして触媒耐久性評価を行った。得られ
た結果を表3に示す。 【0065】 【表3】 【0066】 【発明の効果】表2及び表3より明らかなように、本発
明の方法によれば、触媒が高温で使用された後にも、効
率良く窒素酸化物を除去することができる。
ジン等から排出される窒素酸化物を含有する酸素過剰の
排ガスを触媒を用いて処理する方法に関し、更に詳細に
は、耐久性の非常に優れた触媒を用いて窒素酸化物を除
去する方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】ボイラー,自動車エンジン等から排出さ
れる排ガス中の窒素酸化物を除去する方法として、触媒
の存在下でアンモニアを用いる選択的接触還元法、ま
た、排ガスを触媒に通し、未燃焼の一酸化炭素及び炭化
水素により還元する非選択的接触還元法等が実用化され
ている。 【0003】特開昭60−125250号公報には、還
元剤非共存下で窒素酸化物を直接接触分解できる触媒と
して銅イオン交換したゼオライトが提案されている。 【0004】また、ディーゼルエンジン,低燃費化を目
的とした希薄燃焼エンジンの排ガス浄化用に、酸素過剰
下でも、未燃焼の一酸化炭素,炭化水素等の還元成分に
より窒素酸化物を選択的に還元できる触媒として、卑金
属をゼオライト等に含有させた触媒が提案されている
(特開昭63−100919号公報)。 【0005】しかしながら、これらの提案されている触
媒は、特に高温での耐久性に問題があり、実用化される
に至っていない。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、アン
モニア等の還元剤を使用することなく、自動車等の内燃
機関から排出される、特に酸素過剰の排ガスを、効率良
く浄化し、且つ、水蒸気の存在する高温での耐久性に優
れる排ガス浄化用触媒を用いて排ガスを浄化する方法を
提供するものである。 【0007】 【課題を解決する為の手段】本発明者等は、上記課題に
ついて鋭意検討した結果、ゼオライトをアルキルクロロ
シランで気相処理した触媒を用いることにより、高温で
使用された後も効率良く排ガス浄化ができることを見出
し、本発明を完成するに至った。 【0008】すなわち本発明は、アルキルクロロシラン
蒸気で処理された、SiO2/Al2O3モル比が少なく
とも15以上であるゼオライトと、一種以上の活性金属
とからなる触媒を用いて、窒素酸化物及び炭化水素を含
有する酸素過剰の排ガスから窒素酸化物を除去する方法
を提供するものである。 【0009】これらのアルキルクロロシラン蒸気でゼオ
ライトを気相処理することにより触媒の耐久性が向上す
る理由は明らかではないが、ゼオライト構造中には少量
の格子欠陥(ヒドロキシネスト)が存在すると言われて
おり、これらのアルキルクロロシラン蒸気処理により格
子欠陥が除去され、触媒の耐久性が向上したと推定され
る。 【0010】以下、本発明をより詳細に説明する。 【0011】本発明で用いられる触媒は、アルキルクロ
ロシラン蒸気で処理された、SiO2/Al2O3モル比
が少なくとも15であるゼオライトと、一種以上の活性
金属とからなる。 【0012】本発明において用いられる原料ゼオライト
のSiO2/Al2O3モル比は、アルキルクロロシラン
蒸気で処理した後に15以上であれば良く、15以上の
ものが使用される。また、SiO2/Al2O3モル比は
その上限が限定されるものではない。SiO2/Al2O
3モル比が15未満であると、十分な耐久性が得られな
い。 【0013】また、ゼオライトの種類は特に限定されな
いが、例えば、モルデナイト,フェリエライト,ZSM
−5,ZSM−8,ZSM−11,ZSM−12,ZS
M−20,ZSM−35等のゼオライトが使用できる
が、その中でもZSM−5が好適に用いられる。またこ
れらのゼオライトの製造方法は限定されるものではな
い。またゼオライトY,ゼオライトL等のゼオライトを
脱アルミニウムしたものであっても良い。 【0014】原料ゼオライトは、合成品あるいはそのか
焼品等が用いられるが、原料ゼオライト中のNa等のイ
オンをアンモニウム塩あるいは鉱酸等で処理し、H型あ
るいはアンモニウム型として用いることもできる。更に
は、K,Cs,Ba等でイオン交換して用いることもで
きる。アルキルクロロシラン蒸気処理により、ゼオライ
ト骨格中のAlとSiとの置換が一部起る可能性もある
が、置換を防止する為には、アンモニウム型,H型以外
の金属型ゼオライトを用いれば良い。 【0015】原料ゼオライトは、アルキルクロロシラン
蒸気で処理され、且つ、一種以上の活性金属が導入され
る。 【0016】アルキルクロロシラン蒸気処理および活性
金属導入の順序は特に制限されず、原料ゼオライトをア
ルキルクロロシラン蒸気処理した後、活性金属を導入し
ても良く、また、活性金属導入後アルキルクロロシラン
蒸気処理することもできる。本発明で用い得るアルキル
クロロシランはゼオライト細孔内に入れば良く、アルキ
ル基としてはメチル基,エチル基,ブチル基,プロピル
基等が使用でき、アルキルトリクロロシラン,ジアルキ
ルジクロロシラン,トリアルキルクロロシランが用いら
れる。また、ZSM−5,フェリエライト等の細孔径の
小さいゼオライトを処理する場合には、分子径の小さい
トリメチルクロロシラン,トリエチルクロロシラン等を
用いることが望ましい。 【0017】アルキルクロロシラン蒸気処理の条件は特
に限定されず、アルキルクロロシランを含むガスを、原
料ゼオライトあるいは一種以上の活性金属を含有するゼ
オライトと接触させ、気相で処理を行えば良い。水溶液
中での処理では、アルキルクロロシランが分解し酸化物
等に変化する為、格子欠陥へSiは挿入されず、また、
アルキルクロロシランの分解により発生するHClによ
りゼオライト骨格中のAlの脱離(脱Al)が起り好ま
しくない。 【0018】処理ガス中のアルキルクロロシラン濃度は
特に限定されないが、操作性の点から希釈ガスでアルキ
ルクロロシラン濃度1〜50%に希釈して用いることが
好ましい。希釈ガスとしては、アルキルクロロシランが
安定に存在するガスであれば良く、N2,He等が用い
られる。希釈ガス中にH2Oが含まれていると、アルキ
ルクロロシランが酸化物等に変化する為、処理ガス中の
H2Oはできるだけ少なくすることが望ましい。 【0019】アルキルクロロシラン蒸気処理の温度は特
に限定されないが、アルキルクロロシランが気体として
安定に存在すれば良く、また高温ではゼオライトが崩壊
する危険性がある為、室温〜800℃の温度が好まし
い。 【0020】アルキルクロロシラン蒸気処理の方法は特
に限定されないが、アルキルクロロシラン含有ガスを充
填した密閉容器中でゼオライトを処理、あるいは、ゼオ
ライトを充填した層にアルキルクロロシラン含有ガスを
流通させる等の方法が用いられる。アルキルクロロシラ
ン含有ガスを流通させる場合の空間速度は10〜100
00hr-1程度で良い。また、処理時間は、10分〜3
0時間の時間で良い。 【0021】また、アルキルクロロシラン蒸気処理する
際、ゼオライト中に吸着しているH2Oを除去する為
に、真空下あるいは不活性ガス雰囲気下300〜800
℃で前処理を行うことが好ましい。 【0022】アルキルクロロシラン蒸気処理したゼオラ
イトは、ゼオライト表面等に吸着しているアルキルクロ
ロシランを除去する為に、100℃〜800℃の温度、
真空下あるいは不活性ガス雰囲気下あるいは空気で熱処
理しても良い。 【0023】アルキルクロロシラン蒸気処理したゼオラ
イトのSiO2/Al2O3モル比は15以上であること
が必須である。SiO2/Al2O3モル比が15未満で
あると十分な高温での耐久性が得られない。また、その
上限は特に限定されないが、十分な触媒活性を有する為
には200以下であることが好ましい。 【0024】アルキルクロロシラン蒸気で処理すると、
Siが格子欠陥に取り込まれる為、若干のSiO2/A
l2O3モル比の上昇が起る。 【0025】本発明で用いられる触媒は、一種以上の活
性金属が導入される。活性金属としては通常排ガス浄化
に使用される金属であれば良く、例えば、Cu,Ag,
Au等のIb族、Fe,Co,Ni,Ru,Rh,P
d,Pt等のVIII族、Cr,Mo等のVIa族、あ
るいは、Mn等のVIIa族が用いられる。特に好まし
くはCuあるいはCoである。 【0026】活性金属の導入方法は特に限定されず、含
浸担持法,蒸発乾固法,イオン交換法等の手法を用いる
ことができる。活性金属はゼオライト表面に担持された
状態でも高活性を示すが、ゼオライトのイオン交換サイ
トに存在する場合に、より高活性,高耐久性となる為
に、イオン交換法で活性金属を導入することが好まし
い。 【0027】イオン交換は、原料ゼオライトあるいはア
ルキルクロロシラン蒸気処理されたゼオライトを、活性
金属の塩を含む水溶液中に混合し、攪拌、洗浄して行わ
れる。 【0028】活性金属の塩としては、活性金属の塩化
物,硝酸塩,硫酸塩,酢酸塩等の塩が好適に用いられ
る。また、活性金属のアンミン錯塩等も好適に用い得
る。 【0029】イオン交換の際の活性金属の添加量,濃
度,交換温度,時間等は特に限定されず、一般的に行わ
れている方法で良い。活性金属の添加量は、十分な活
性,耐久性を持たせる為には、原料ゼオライトあるいは
アルキルクロロシラン蒸気処理されたゼオライト中のA
lに対し、0.5〜20倍当量が好ましい。また、イオ
ン交換のスラリ−濃度は、通常行われる5〜50%が好
ましい。また、イオン交換温度,時間は、十分な活性,
耐久性を持たせる為に、室温〜100℃の温度、5分〜
3日の時間であることが好ましい。また、必要に応じ
て、イオン交換操作を繰り返し行うこともできる。 【0030】以上の様にして、本発明で用いられる排ガ
ス浄化触媒を調製することができる。 【0031】本発明で用いられる活性金属を導入した排
ガス浄化用触媒のSiO2/Al2O3モル比は、活性金
属導入前後で実質的に変化しない。また、排ガス浄化用
触媒の結晶構造もアルキルクロロシラン蒸気処理前後及
び活性金属導入前後で本質的に異なるものではない。 【0032】本発明で用いられる排ガス浄化用触媒は、
粘土鉱物等のバインダーと混合し成形して使用すること
もできる。また、予め原料ゼオライトあるいはアルキル
クロロシラン蒸気処理したゼオライトを成形し、その成
形体をアルキルクロロシラン蒸気処理あるいは活性金属
を導入させることもできる。ゼオライトを成形する際に
用いられるバインダーとしては、カオリン,アタパルガ
イト,モンモリロナイト,ベントナイト,アロフェン,
セピオライト等の粘土鉱物である。あるいは、バインダ
ーを用いずに成形体を直接合成したバインダレスゼオラ
イト成形体であっても良い。また、コージェライト製あ
るいは金属製のハニカム状基材に本発明で用いられる排
ガス浄化用触媒をウォッシュコートして用いることもで
きる。 【0033】この様にして調製された排ガス浄化触媒
は、窒素酸化物及び炭化水素を含む酸素過剰の排ガスと
接触させ、窒素酸化物除去を行う。本発明で用いられる
排ガスは、窒素酸化物及び炭化水素を含み酸素過剰であ
ることが必須であるが、一酸化炭素,水素,アンモニア
等が含まれている場合にも有効である。酸素過剰の排ガ
スとは、排ガス中に含まれる一酸化炭素,炭化水素,水
素を完全に酸化するのに必要な酸素量よりも過剰な酸素
が含まれていることを示す。例えば、自動車等の内燃機
関から排出される排ガスの場合には、空燃費が大きい状
態(リーン領域)である。 【0034】窒素酸化物を除去する際の空間速度,温度
等は特に限定されないが、空間速度100〜50000
0hr-1、温度200〜800℃であることが好まし
い。 【0035】 【実施例】以下、実施例において本発明を更に詳細に説
明する。しかし、本発明はこれら実施例のみに限定され
るものではない。 【0036】実施例1 特公昭46−10064号公報実施例1に従ってZSM
−5型ゼオライトを調製した。得られたZSM−5型ゼ
オライトは、無水ベ−スの酸化物のモル比で表して次の
組成を有していた。 【0037】0.5Na2O,Al2O3,33SiO2 このZSM−5型ゼオライト;50gを、CsCl;3
7.8gを含む水溶液500ccに添加し、60℃にて
20時間攪拌した後、洗浄し、Csイオン交換操作を行
った。この操作を2回繰返した後、乾燥してCs型ZS
M−5を得た。得られたCs型ZSM−5;10gを、
反応管に充填し、He流通下、500℃で1時間前処理
を行い、ゼオライトに吸着しているH2Oを除去した。
次いで、トリメチルクロロシランを5%含有するHeガ
ス;60cc/minを、室温で1時間ゼオライト層に
流通させた。その後、He流通下で550℃、3時間焼
成した。処理したゼオライトのSiO2/Al2O3モル
比は34であった。 【0038】トリメチルクロロシラン蒸気処理したゼオ
ライトを、0.1mol/リットル酢酸銅水溶液45c
cに添加し、アンモニア水によりpH=10.5に調整
し、室温で20時間攪拌した後、洗浄し、Cuイオン交
換操作を行った。この操作を2回繰返した後、乾燥して
触媒1を得た。化学分析の結果、その組成は無水ベース
における酸化物のモル比で表わして次の組成を有してい
た。 【0039】0.95CuO,0.22Cs2O,Al2
O3,34SiO2 実施例2 Csイオン交換の代わりにアンモニウムイオン交換を行
ったこと以外は実施例1と同様に行い、触媒2を調製し
た。アンモニウムイオン交換は、ZSM−5型ゼオライ
ト;50gを、NH4Cl;5gを含む水溶液500c
cに添加し、60℃にて20時間攪拌した後、洗浄し、
この操作を2回繰返した後、乾燥して行った。 【0040】トリメチルクロロシラン蒸気処理したゼオ
ライトのSiO2/Al2O3モル比は34であった。 【0041】また、Cuイオン交換後の触媒2は、無水
ベースにおける酸化物のモル比で表わして次の組成を有
していた。 【0042】1.04CuO,Al2O3,34SiO2 実施例3 実施例1と同様にしてZSM−5型ゼオライトを調製し
た。得られたZSM−5型ゼオライトは、無水ベ−スの
酸化物のモル比で表して次の組成を有していた。 【0043】0.5Na2O,Al2O3,33SiO2 このZSM−5型ゼオライト;10gを、0.1mol
/リットル酢酸銅水溶液45ccに添加し、アンモニア
水によりpH=10.5に調整し、室温で20時間攪拌
した後、洗浄し、Cuイオン交換操作を行った。この操
作を2回繰返した。 【0044】得られたCu型ZSM−5を、反応管に充
填し、He流通下、500℃で1時間前処理を行い、ゼ
オライトに吸着しているH2Oを除去した。次いで、ト
リメチルクロロシランを5%含有するHeガス;60c
c/minを、室温で1時間ゼオライト層に流通させ
た。その後、He流通下で550℃、3時間焼成し、触
媒3を得た。化学分析の結果、その組成は無水ベースに
おける酸化物のモル比で表わして次の組成を有してい
た。 【0045】1.04CuO,Al2O3,34SiO2 実施例4 トリメチルクロロシランの代わりにジメチルジクロロシ
ランを用いたこと以外は、実施例1と同様に行い、触媒
4を調製した。 【0046】ジメチルジクロロシラン蒸気処理したゼオ
ライトのSiO2/Al2O3モル比は34であった。 【0047】また、Cuイオン交換後の触媒4は、無水
ベースにおける酸化物のモル比で表わして次の組成を有
していた。 【0048】0.91CuO,0.25Cs2O,Al2
O3,34SiO2 実施例5 トリメチルクロロシランの代わりにメチルトリクロロシ
ランを用いたこと以外は、実施例1と同様に行い、触媒
5を調製した。 【0049】メチルトリクロロシラン蒸気処理したゼオ
ライトのSiO2/Al2O3モル比は34であった。 【0050】また、Cuイオン交換後の触媒5は、無水
ベースにおける酸化物のモル比で表わして次の組成を有
していた。 【0051】0.90CuO,0.24Cs2O,Al2
O3,34SiO2 実施例6 Cuイオン交換の代わりにCoイオン交換を行ったこと
以外は、実施例1と同様に行い、触媒6を調製した。C
oイオン交換は以下のように行った。 【0052】トリメチルクロロシラン蒸気処理したゼオ
ライトを、0.27mol/リットルの酢酸Co(I
I)水溶液90ccに添加し、60℃で20時間攪拌し
た後、洗浄し、Coイオン交換を行った。この操作を2
回繰り返した後、乾燥して触媒6を得た。 【0053】触媒6は、無水ベースにおける酸化物のモ
ル比で表わして次の組成を有していた。 【0054】1.4CoO,0.20Cs2O,Al2O
3,34SiO2 実施例7 実施例1〜6で得られた触媒1〜6を用いて耐久性評価
を行った。 【0055】各触媒をプレス成形した後粉砕して12〜
20メッシュに整粒した。その2ccを常圧固定床流通
式反応管に充填し、リーンバーンエンジンの排ガスを模
擬したガス(表1)を空間速度120,000/hrで
流した。800℃で5時間の耐久処理を行なった後、各
温度での定常浄化活性を測定した。定常浄化活性は、各
温度で1時間保持した後のNO浄化率とした。 【0056】得られた結果を表2に示す。 【0057】 【表1】 【0058】 【表2】 【0059】比較例1 実施例1において、トリメチルクロロシラン蒸気処理を
行わなかったこと以外は実施例1と同様にして、Cu型
ZSM−5(比較触媒1)を得た。化学分析の結果、そ
の組成は無水ベースにおける酸化物のモル比で表わして
次の組成を有していた。 【0060】1.03CuO,0.22Cs2O,Al2
O3,33SiO2 比較例2 トリメチルクロロシラン蒸気処理の代わりにトリメチル
クロロシラン液相処理を行ったこと以外は実施例1と同
様にして、比較触媒2を調製した。トリメチルクロロシ
ラン液相処理は以下のように行った。 【0061】Cs型ZSM−5;10gを、トリメチル
クロロシラン;0.5gを含有する水溶液;100gに
混合し、60℃で20時間攪拌後、洗浄した。 【0062】トリメチルクロロシラン液相処理したゼオ
ライトのSiO2/Al2O3モル比は36であった。 【0063】また、Cuイオン交換後の比較触媒2は、
無水ベースにおける酸化物のモル比で表わして次の組成
を有していた。 【0064】0.67CuO,0.09Cs2O,Al2
O3,36SiO2 比較例3 比較例1及び2で得られた比較触媒1及び2を用いて、
実施例7と同様にして触媒耐久性評価を行った。得られ
た結果を表3に示す。 【0065】 【表3】 【0066】 【発明の効果】表2及び表3より明らかなように、本発
明の方法によれば、触媒が高温で使用された後にも、効
率良く窒素酸化物を除去することができる。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(56)参考文献 特開 昭63−158129(JP,A)
特開 平6−63409(JP,A)
特開 昭58−36917(JP,A)
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
B01D 53/86
B01J 21/00 - 37/36
C01B 39/02
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】アルキルクロロシラン蒸気で処理された、
SiO2/Al2O3モル比が少なくとも15以上である
ゼオライトと、一種以上の活性金属とからなる触媒を用
いて、窒素酸化物及び炭化水素を含有する酸素過剰の排
ガスから窒素酸化物を除去する方法。
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EP93119443A EP0600483A1 (en) | 1992-12-03 | 1993-12-02 | Process for removing nitrogen oxides from oxygen rich exhaust gas |
US08/160,843 US5449504A (en) | 1992-12-03 | 1993-12-03 | Process for removing nitrogen oxides from oxygen rich exhaust gas |
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CN101879678B (zh) * | 2010-06-22 | 2011-12-14 | 孙仲辉 | 一种汽车仪表指针自动生产设备 |
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1992
- 1992-12-03 JP JP32446392A patent/JP3395219B2/ja not_active Expired - Fee Related
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