JPH06126183A - 排ガス浄化用触媒、この触媒の製造方法及びこの触媒を使用した排ガスの浄化方法 - Google Patents

排ガス浄化用触媒、この触媒の製造方法及びこの触媒を使用した排ガスの浄化方法

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JPH06126183A
JPH06126183A JP4274229A JP27422992A JPH06126183A JP H06126183 A JPH06126183 A JP H06126183A JP 4274229 A JP4274229 A JP 4274229A JP 27422992 A JP27422992 A JP 27422992A JP H06126183 A JPH06126183 A JP H06126183A
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exhaust gas
catalyst
copper
concentration
purifying
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JP4274229A
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English (en)
Inventor
Yasuhide Kano
保英 狩野
Masato Kurihara
正人 栗原
Yoshimi Kawashima
義実 河島
Toshiaki Hayasaka
俊明 早坂
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Idemitsu Kosan Co Ltd
Original Assignee
Idemitsu Kosan Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 排ガス中の酸素が高濃度であり、かつ低温で
あっても高効率で窒素酸化物を無害なガスに浄化でき、
しかも耐久性の高い排ガス浄化用触媒、この触媒の製造
方法及びこの触媒を使用した排ガスの浄化方法を提供す
る。 【構成】 本発明の触媒は、ペンタシル型の結晶性銅含
有アルミノケイ酸塩よりなる触媒前駆体が、銅を更に担
持して構成されたものである。前記ペンタシル型の結晶
性銅含有アルミノケイ酸塩は、MFI構造を有し、SiO2
/Al2O3 (モル比)が10以上のものである。また、排ガ
スの浄化は、この触媒を使用し、酸化雰囲気中、反応温
度 200〜800 ℃、THC濃度(メタン換算濃度)/NOX
濃度0.5 〜200の炭化水素の存在下で行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ガソリン自動車、ディ
ーゼル自動車等の移動式内燃機関、コージェネレーショ
ン等の定置式内燃機関、ボイラー等の各種工業炉等から
排出される窒素酸化物を無害なガスに分解する排ガス浄
化用触媒、この触媒の製造方法及びこの触媒を使用した
排ガスの浄化方法に関する。
【0002】
【背景技術及び発明が解決しようとする課題】一般に自
動車、定置式の内燃機関及び各種工業炉からの排ガスに
は、NO、NO2で代表される多量の窒素酸化物(NOX )が
含まれている。これらのNOX は光化学スモッグの原因と
なるばかりではなく、人体にとって呼吸器系障害を引き
起こすと言われている。これらのNOX を低減する方法に
ついては、ガソリン自動車のように、排ガス中の酸素量
が少ない場合は、一酸化炭素、炭化水素等の還元剤でNO
X を還元除去する、いわゆる三元触媒方式の排ガス処理
が確立されている。
【0003】一方、ボイラー等の大型定置式排出源のよ
うに、ガス中に多量の酸素が含まれる場合は、アンモニ
アを外部から添加してNOX 量を低減する選択的NOX 還元
法が稼働しており、ある程度の効果をあげている。しか
し、前者の方法は酸素濃度の極めて低いガソリンエンジ
ンからの排ガスにのみ適用可能であり、また後者の方法
はアンモニアを用いるため、小型定置式排出源や移動式
排出源に使用することは、取り扱い上、困難である。
【0004】そこで、アンモニア以外の還元剤として、
水素、一酸化炭素又は各種炭化水素等を使用する方法が
種々検討されているが、その多くは排ガス中の酸素が完
全に消費された後に始めて窒素酸化物の除去が可能とな
る非選択的接触還元法であるという難点を有している。
従来、このような難点も解決できる新規な選択的接触還
元法(酸素共存下においても、選択的に窒素酸化物を還
元除去する方法)として、次のような方法が提案されて
いるが、いずれも充分に満足すべき結果は得られていな
い。
【0005】即ち、特開平2-149317号公報によれば、
水素型のモルデナイト又はクリノプチロライトからなる
触媒、又はCu、Cr、Mn、Fe、Ni等の金属を担持した水
素型のモルデナイト又はクリノプチルライトからなる触
媒を使用し、各種燃料を燃焼させた際に生じる酸素を含
有する排煙を、有機化合物の共存下でこれらの触媒と接
触させて排煙中の窒素酸化物を除去する方法が提案され
ている。この方法によれば、反応温度300 〜600 ℃、ガ
ス空間速度(GHSV)1200 h-1の条件で脱硝率30〜60%を得
ているが、実用化条件に近い、GHSVの高い条件下での脱
硝効果については不明である。また、触媒活性の経時変
化についての記載がなく、触媒の寿命について不明であ
る。
【0006】また、特開平1-130735号公報によれば、遷
移金属(Cu、Co、Ni、Fe、Mg、Mn等)でイオン交換した
ゼオライトを耐火性担体上に担持させた触媒を使用し、
酸化雰囲気においても窒素酸化物を浄化できる方法が提
案されている。この方法は、ガソリンエンジンの排ガス
を、空燃比がリーン側においても窒素酸化物を高効率で
浄化する方法であり、排ガス中の酸素濃度は高くても約
3%である。従って、ガソリンエンジンにおいても空燃
比が更に高いリーン条件、或いはディーゼルエンジンの
排ガスのように、酸素濃度が5〜10%であっても同様に
窒素酸化物を選択的に還元脱硝できるかどうか不明であ
る。実施例においても、酸素濃度の増加と共に、NoX
去率が著しく低下する傾向を示している。また、耐久性
に関しても不明である。
【0007】特開昭63-283727 号公報によれば、SiO2/A
l2O3比が15以上の疎水性ゼオライトにCu、V、Mn、Fe、
Cr等の金属を担持させた触媒を用い、一酸化炭素及び1
種又は2種以上の炭化水素の存在下で、内燃機関の酸素
を含む排ガス中の窒素酸化物を減少させる方法が提案さ
れている。この方法では、銅以外の金属が担持されたゼ
オライト触媒を使用した場合には、脱硝率が4〜26%と
低くなる。一方、銅ゼオライト触媒を使用した場合に
は、比較的高い活性が得られるが、耐久性に関して不明
である。実施例の排ガス中の酸素濃度は、 1.6%であ
り、例えばガソリンエンジンにおける空燃比の高いリー
ン条件での排ガスやディーゼルエンジンの排ガスのよう
に、酸素濃度が高い場合であっても同様に窒素酸化物を
選択的に還元脱硝できるかどうか不明である。
【0008】特開昭63-100919 号公報によれば、銅をア
ルミナ、シリカ、ゼオライト等の多孔質担体に担持させ
た触媒を使用し、炭化水素の存在下で酸素を含む排ガス
中の窒素酸化物を除去する方法が提案されている。この
方法では、脱硝率が10〜25%であり、高い脱硝活性は得
られない。また、実施例の排ガス中の酸素濃度は、 2.1
%であり、酸素濃度がより高い場合であっても同様に窒
素酸化物を選択的に還元脱硝できるかどうか不明であ
る。更に、耐久性に関しても不明である。
【0009】特開平2-265649 号公報によれば、銅原子
をシリケート骨格中に置換固溶した構造を有する結晶性
の銅シリケート触媒を使用し、炭化水素の存在下で窒素
酸化物を含有する酸化性排ガスをこの触媒と接触させて
排ガス中の窒素酸化物を除去する方法が提案されてい
る。この方法では、耐久試験後のモデルガスによる評価
及び実エンジンの排ガスによる評価における脱硝活性は
未だ充分なものとはいえない。そこで、本発明は、排ガ
ス中の酸素が高濃度であり、かつ低温であっても高効率
で窒素酸化物を無害なガスに浄化でき、しかも耐久性の
高い排ガス浄化用触媒、この触媒の製造方法及びこの触
媒を使用した排ガスの浄化方法を提供することを目的と
する。
【0010】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明に係る排
ガス浄化用触媒は、排ガス中の窒素酸化物(NOX )を酸
化雰囲気中、炭化水素の存在下で還元除去する触媒であ
って、水熱合成時に銅を添加して合成されたペンタシル
型の結晶性銅含有アルミノケイ酸塩よりなる触媒前駆体
が、銅を更に担持して構成されたことを特徴とする。前
記酸化雰囲気とは、排ガス中に含まれる一酸化炭素、水
素、炭化水素及び本処理で必要により添加される炭化水
素の還元性物質を完全に酸化して H2OとCO2に変換する
のに必要な酸素量よりも過剰な量の酸素が含まれている
状態である。
【0011】前記ペンタシル型の結晶性銅含有アルミノ
ケイ酸塩とは、ゼオライトであって、構成基本単位が酸
素5員環のものである。例えば、フェリエリイト、モル
デナイト、ZSM−5、ZSM−11等が該当する。ペン
タシル型の結晶性銅含有アルミノケイ酸塩以外のゼオラ
イトでは、耐水熱性が比較的低いため、銅担持後の耐久
性が低くなる虞れがある。このようなペンタシル型の結
晶性銅含有アルミノケイ酸塩の中でも、SiO2/Al2O
3 (モル比)が10以上のものが好ましい。
【0012】SiO2/Al2O3 が10未満のものの場合、耐水
熱性が比較的低いため、銅担持後の耐久性が低くなる虞
れがある。また、上記ペンタシル型の結晶性銅含有アル
ミノケイ酸塩のうち、MFI又はMEL構造を有するも
のが好ましい。このMFI構造とは、ZSM−5と類似
の構造を指し、例えばZSM−8、ゼータ1、ゼータ
3、Nu−4、Nu−5、TZ−1、TPZ−1等の構
造が該当する。また、MEL構造とは、ZSM−11と類
似の構造を指す。
【0013】前記結晶性銅含有アルミノケイ酸塩中の銅
の含有量は、同じく結晶性銅含有アルミノケイ酸塩中の
Alとの割合〔CuO/Al2O3 (モル比)〕で表した場合、
0.1〜3.0 、好ましくは0.25〜2.0 とする。そして、前
記結晶性銅含有アルミノケイ酸塩が後工程で更に担持さ
れる銅の量は、同じく触媒中のAlとの割合〔CuO/Al2O
3 (モル比)〕で表した場合、0.5〜2.5 、好ましくは
1.0 〜2.0 とする。
【0014】前記触媒の形状は任意であり、例えばペレ
ット状、板状、柱状、格子状とすることができる。ま
た、コージェライト、ムライト又はアルミナ等の格子状
の担体及び金網等の基材上に触媒が被覆されたものとし
てもよい。本発明に係る触媒は、モルデナイトを種結晶
として使用し、銅源をアルミノケイ酸塩合成時に添加し
てペンタシル型の結晶性銅含有アルミノケイ酸塩を水熱
合成した後、触媒前駆体であるこの結晶性銅含有アルミ
ノケイ酸塩に銅を更に担持させて調製することができ
る。前記種結晶となるモルデナイトは、下記の格子面間
隔(d値)を持つものが好ましい。
【0015】
【表2】
【0016】前記結晶性銅含有アルミノケイ酸塩よりな
る触媒前駆体を合成する際に添加する銅源としては、可
溶性の塩を用いることができる。このような可溶性の塩
として、例えば硝酸塩、ハロゲン化合物、炭酸塩、有機
酸塩、銅アンミン錯体等がある。なお、この銅源の添加
時期は、合成開始時から結晶化開始に到るまでの間に、
一時に添加してもよく、又は時間をおいて順次添加する
ようにしてもよい。
【0017】前記触媒前駆体に銅を更に担持させる方法
としては、具体的には例えばイオン交換法、含浸法、物
理的混合法により行うことができる。この際の銅源とし
ては、可溶性の塩を用いることができる。このようなも
のとして、例えば硝酸塩、ハロゲン化合物、炭酸塩、有
機酸塩、銅アンミン錯体等がある。また、物理的混合法
により、銅を担持させる場合には、上記可溶性の塩に加
えて、酸化物、水酸化物を用いることもできる。
【0018】このような本発明に係る触媒は、ゼオライ
ト合成後に銅イオン交換によって得られた単なる銅担持
ゼオライトとは構造的に異なるものになっていると推定
される。即ち、ゼオライト合成時に銅を添加することに
より、得られた結晶性銅含有アルミノケイ酸塩中の銅
は、ゼオライト構造中に後工程での銅担持処理では担持
できないレベルの高分散状態で存在しているものと考え
られる。そして、この高分散状態で存在している銅自体
が、凝集しにくいことに加えて、このような銅が存在す
ることにより、後工程で担持される銅の凝集も抑制され
て、触媒の耐久性が向上するものと考えられる。
【0019】また、本発明に係る排ガスの浄化方法は、
酸化雰囲気中、THC濃度/NOX 濃度が0.5 〜 200の炭
化水素の存在下で、排ガスを本発明に係る触媒と接触さ
せて、排ガス中の窒素酸化物を N2 と H2O 、CO2に還元
除去することを特徴とする。前記THC(total hydroca
rbon) 濃度とは、炭化水素をメタンに換算した場合の濃
度である。
【0020】具体的な反応条件は、炭化水素の濃度に関
して、THC濃度/NOX 濃度で表した場合、0.5 〜200
とし、好ましくは1〜100 とする。例えば、NOX 濃度が
100ppm の場合、THC濃度は50〜20,000ppm である。
炭化水素の存在量が前記下限より低い場合には、脱硝性
能が発現せず、また前記上限より高い場合には、脱硝率
は高くなるが、システム全体の経済性の低下や炭化水素
の燃焼熱による触媒層の異常発熱のため好ましくない。
【0021】前記炭化水素は、排ガス中に残留する炭化
水素でもよいが、脱硝反応を生じさせるのに必要な量よ
り不足している場合、又は排ガス中に炭化水素が全く含
まれていない場合には、外部から炭化水素を添加するの
がよい。このために添加する炭化水素の種類には特に限
定がなく、例えばメタン、LPG、ガソリン、軽油、灯
油、A重油等である。
【0022】触媒反応温度については、 200〜800 ℃、
好ましくは 300〜600 ℃とする。通常、温度が高い程脱
硝率が高くなるが、 800℃を越えると触媒の劣化が起こ
って好ましくなく、また200 ℃より低いと脱硝率が低く
なる。ガス空間速度(GHSV)については、通常 2,000〜20
0,000h-1、好ましくは5,000〜100,000h-1とする。GHSV
が、2,000h-1より遅い場合には、脱硝率は高いが、触媒
使用量が多くなり、また200,000h-1より速い場合には、
脱硝率が低くなる。
【0023】本発明の浄化方法で対象とする排ガスは、
NOX 及び酸素を含む排ガスであり、例えばリーンバーン
(希薄燃焼)方式のガソリン自動車、ディーゼル自動車
等の移動式内燃機関、コージェネレーション等の定置式
内燃機関、ボイラー、各種工業炉等から排出される排ガ
ス等が挙げられる。
【0024】
【実施例】実施例1 先ず、硫酸アルミニウム13.5g、硫酸(97%)14.5g、
硫酸銅−水和物 4.36g、水 330gよりなる溶液(溶液
Iとする)、水ガラス(SiO2 28.4%、Na2O 9.5 %) 2
11g、水 200gよりなる溶液(溶液IIとする)及び塩化
ナトリウム 39.5g、水92gよりなる溶液(溶液III と
する)を用意した。次に、溶液IとIIを同時に溶液III
中に徐々に滴下しながら混合した。この反応混合物を硫
酸でpH9.6 に調整した後、種結晶としてモルデナイト
〔SiO2/Al2O3 =20(モル比)〕 0.5gを添加した。
【0025】次に、この反応混合物を1リットル容量の
オートクレーブ中に入れ、自己圧力下170 ℃、300rpmで
攪拌しながら20時間放置した。冷却後、この反応混合物
を濾過し、沈澱物を過剰の純水で充分洗浄した。この
後、 120℃で20時間乾燥させることにより、ZSM−5
構造(MFI構造)の銅含有アルミノシリケートゼオラ
イトを合成した。この後、この銅含有アルミノシリケー
トゼオライトを空気気流中 500℃で4時間焼成して触媒
前駆体を得た。
【0026】次に、この触媒前駆体を 0.2mol/l 酢酸銅
水溶液中で6時間処理して銅イオン交換を行った。引き
続き、濾過及び水洗の後、更に 500℃で2時間焼成する
ことにより、銅を担持した銅含有アルミノシリケートゼ
オライト触媒を調製した。次に、この触媒について、下
記のように初期活性及びスチーミング(水熱)処理後の
活性を評価した。
【0027】即ち、初期活性の評価については、先ず、
この触媒をステンレス製反応管に2cc充填した後、処理
ガスとしてモデルガスを、 400℃に保たれた前記反応管
内にGHSV=80,000h-1で導入した。このモデルガスの組成
は、NOX : 500ppm、O2: 4.5%、LPG: 833ppm(TH
C濃度として約2500ppm )である。従って、THC濃度
/NOX 濃度は5である。
【0028】次に、この反応管の出口からのガスを化学
発光式分析計に導入し、NOX 濃度を測定した。触媒反応
後のモデルガスのNOX 除去率は、反応管導入前後のモデ
ルガスのNOX 濃度を比較することにより算出した。ま
た、前記反応管の温度を 500℃に変えた場合について
も、上記と同様にしてNOX 除去率を求めた。その結果を
下記の表3に示す。
【0029】スチーミング処理後の活性の評価について
は、先ず、スチーミング処理として、本実施例で調製し
た触媒を水10%、酸素 4.5%、GHSV=80,000h-1、温度 6
50℃の雰囲気下に8時間保持した。次に、冷えた触媒を
上記初期活性の評価の場合と同様に、ステンレス製反応
管に充填した後、処理ガスとして前記モデルガスを400
℃に保たれた反応管内に導入し、その後上記初期活性の
評価の場合と同様にNOX 除去率を算出した。また、前記
反応管の温度を 500℃に変えた場合についても、上記と
同様にしてNOX 除去率を求めた。その結果を下記の表3
に示す。
【0030】実施例2 実施例1と同様に調製した反応混合物を1リットル容量
のオートクレーブ中に入れ、自己圧力下170 ℃、300rpm
で攪拌しながら20時間放置した。冷却後、 1.6mol/l 硝
酸アンモニウム水溶液で6時間処理し、引き続き反応混
合物に濾過及び水洗を行った。この後、 120℃で20時間
乾燥させることにより、ZSM−5構造の銅含有アルミ
ノシリケートゼオライトを合成した。
【0031】次に、この触媒前駆体を 0.2mol/l 酢酸銅
水溶液中で6時間処理して銅イオン交換を行った。引き
続き、濾過及び水洗の後、更に 500℃で2時間焼成する
ことにより、銅を担持した銅含有アルミノシリケートゼ
オライト触媒を調製した。本実施例に係る触媒について
も、実施例1と同様にして初期活性及びスチーミング処
理後の活性を評価した。それらの結果を下記の表3に示
す。
【0032】実施例3 実施例1と同様に調製した反応混合物のpHを硫酸によ
り 9.6に調整した後、種結晶として前記表2の格子面間
隔(d)を有する大結晶モルデナイト 0.5gを添加し
た。この後、本反応混合物をオートクレーブ中に入れ、
実施例1と同様の条件下で攪拌しながら20時間放置し
た。冷却後、実施例2と同様に、硝酸アンモニウム処理
により銅含有アルミノシリケートゼオライトを合成し
た。
【0033】次に、この触媒前駆体に銅イオン交換を行
って銅を担持した銅含有アルミノシリケートゼオライト
触媒を調製した。本実施例に係る触媒についても、実施
例1と同様にして初期活性及びスチーミング処理後の活
性を評価した。それらの結果を下記の表3に示す。
【0034】実施例4 先ず、硫酸アルミニウム13.5g、硫酸(97%)11.0g、
酢酸銅−水和物 4.36g、水 330gよりなる溶液(溶液
Iとする)、水ガラス(SiO2 28.4%、Na2O 9.5 %) 2
11g、水 200gよりなる溶液(溶液IIとする)及び塩化
ナトリウム 39.5g、水92gよりなる溶液(溶液III と
する)を用意した。
【0035】次に、溶液IとIIを同時に溶液III 中に徐
々に滴下しながら混合した。この反応混合物を硫酸でp
H10.5に調整した後、種結晶として前記表2の格子面間
隔(d値)を有する大結晶モルデナイト 0.5gを添加し
た。この後、本反応混合物をオートクレーブ中に入れ、
実施例1と同様の条件下で攪拌しながら20時間放置し
た。冷却後、実施例2と同様に、硝酸アンモニウム処理
により銅含有アルミノシリケートゼオライトを得た。
【0036】次に、実施例2と同様に、この触媒前駆体
に銅イオン交換を行って銅を担持した銅含有アルミノシ
リケートゼオライト触媒を調製した。本実施例に係る触
媒についても、実施例1と同様にして初期活性及びスチ
ーミング処理後の活性を評価した。それらの結果を下記
の表3に示す。
【0037】比較例1 実施例1において、溶液Iに酢酸銅−水和物を添加しな
いでアルミノシリケートゼオライトを合成した後、この
触媒前駆体に銅イオン交換を行って銅を担持したアルミ
ノシリケートゼオライト触媒を調製した。本比較例に係
る触媒についても、実施例1と同様にして初期活性及び
スチーミング処理後の活性を評価した。それらの結果を
下記の表3に示す。
【0038】比較例2 実施例1において、触媒前駆体として調製した銅含有ア
ルミノシリケートゼオライトについて、実施例1と同様
にして初期活性及びスチーミング処理後の活性を評価し
た。それらの結果を下記の表3に示す。
【0039】比較例3 実施例2において、触媒前駆体として調製した銅含有ア
ルミノシリケートゼオライトについて、実施例1と同様
にして初期活性及びスチーミング処理後の活性を評価し
た。それらの結果を下記の表3に示す。
【0040】
【表3】
【0041】表3より、実施例1〜4によれば、ペンタ
シル型の結晶性銅含有アルミノケイ酸塩よりなる触媒前
駆体が銅を更に担持して構成された触媒であるため、ス
チーミング処理後においても触媒活性の低下が余り見ら
れず、優れた耐久性を持っていることがわかる。また、
触媒反応温度を 500℃から 400℃に下げても触媒活性の
大きな低下が見られず、低温であっても高効率で窒素酸
化物を除去できる。
【0042】一方、比較例1によれば、銅を担持してい
ても、アルミノシリケートゼオライト自体が銅を含有し
ていない触媒であるため、実施例1と比べて、スチーミ
ング処理後において触媒活性の低下が大きく、耐久性が
低いことがわかる。比較例2によれば、銅含有アルミノ
シリケートゼオライトであり、銅を更に担持した触媒で
はないため、初期活性もスチーミング活性も著しく低
い。比較例3によれば、銅含有アルミノシリケートゼオ
ライト自体であり、プロトン型のゼオライトとなってい
るが、銅を更に担持した触媒ではないため、触媒反応温
度を 500℃から 400℃に下げると触媒活性の大きな低下
が見られ、またスチーミング処理による触媒活性の低下
が大きく、耐久性が低い。
【0043】
【発明の効果】本発明によれば、低温においても触媒活
性が高く、かつ耐久性があって長寿命の排ガス浄化用触
媒が得られる。また、本触媒を使用した排ガスの浄化方
法によって、排ガス中の酸素が高濃度であっても、窒素
酸化物を高効率で還元除去できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 早坂 俊明 千葉県袖ケ浦市上泉1280番地 出光興産株 式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 排ガス中の窒素酸化物(NOX )を酸化雰
    囲気中、炭化水素の存在下で還元除去する触媒であっ
    て、水熱合成時に銅を添加して合成されたペンタシル型
    の結晶性銅含有アルミノケイ酸塩よりなる触媒前駆体
    が、銅を更に担持して構成されたことを特徴とする排ガ
    ス浄化用触媒。
  2. 【請求項2】 前記ペンタシル型の結晶性銅含有アルミ
    ノケイ酸塩は、そのSiO2 /Al2O3 (モル比)が10以上
    であることを特徴とする請求項第1項記載の排ガス浄化
    用触媒。
  3. 【請求項3】 前記ペンタシル型の結晶性銅含有アルミ
    ノケイ酸塩は、MFI構造を有することを特徴とする請
    求項第1項又は第2項記載の排ガス浄化用触媒。
  4. 【請求項4】 モルデナイトを種結晶として使用し、銅
    を添加してペンタシル型の結晶性銅含有アルミノケイ酸
    塩よりなる触媒前駆体を水熱合成した後、この触媒前駆
    体に銅を更に担持させたことを特徴とする請求項第1項
    〜第3項のいずれか1項に記載の排ガス浄化用触媒の製
    造方法。
  5. 【請求項5】 ペンタシル型の結晶性銅含有アルミノケ
    イ酸塩を合成する際に使用する前記モルデナイトが下記
    の格子面間隔(d値)を持つものであることを特徴とす
    る請求項第4項記載の排ガス浄化用触媒の製造方法。 【表1】
  6. 【請求項6】 酸化雰囲気中、THC濃度/NOX 濃度が
    0.5 〜 200の炭化水素の存在下で、排ガスを請求項第1
    項〜第3項のいずれか1項に記載の触媒と接触させて、
    前記排ガス中の窒素酸化物を還元除去することを特徴と
    する排ガスの浄化方法。
  7. 【請求項7】 反応温度 200〜800 ℃、かつTHC濃度
    /NOX 濃度1〜 100の炭化水素の存在下で排ガス中の窒
    素酸化物を還元除去することを特徴とする請求項第6項
    記載の排ガスの浄化方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014018752A (ja) * 2012-07-19 2014-02-03 Zeolite Artificial Corp ゼオライト金属塩複合体及びその製造方法
US9919297B2 (en) 2013-08-05 2018-03-20 Mitsubishi Chemical Corporation Zeolite, and production method and use therefor

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