JP2014018752A - ゼオライト金属塩複合体及びその製造方法 - Google Patents

ゼオライト金属塩複合体及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】触媒活性の高い触媒として利用可能な新規物質及びその製造方法を提供する。
【解決手段】新規物質は、ZSM−5構造のゼオライトの骨格に、少なくとも、鉄、コバルト、ニッケル、マンガン、銅及びセリウムからなる群より選ばれるいずれかの金属原子が含まれることを特徴とするゼオライト金属塩複合体である。つまり、Fe−O−Si,Co−O−Si,Ni−O−Si、Mn−O−Si、Cu−O−Si,Ce−O−Siのようないずれかの結合をゼオライトの骨格の中に有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、触媒用途に利用可能な新規物質であるゼオライト金属塩複合体及びその製造方法に関する。
触媒は様々な応用分野を有するが、その1つに、窒素酸化物(NOx)を窒素と酸素とに分解する用途が挙げられる。例えば内燃機関内で生成された窒素酸化物は、当該窒素酸化物を含むガスが大気に放出される前に触媒により分解され処理される。
触媒活性の高い触媒としてゼオライトが知られていているが、ゼオライトは天然由来のものに加えて用途に応じて人工的に合成されている(特許文献1、2参照)。
特にZSM−5構造を有するゼオライトは、高機能なゼオライト金属塩複合体として著名であり、炭化水素の炭化水素異性化、アルキル化および接触分解のような化学反応を有効に促進する触媒機能を有することで知られている。
また、ゼオライトは自動車などの排気ガス中の、炭化水素や窒素酸化物の吸着剤として研究が行われている(特許文献3、4を参照)。
しかし、触媒には、より一層高い触媒特性が求められており、ゼオライトに触媒活性物質、例えば白金などの金属を担持させることが行われている(特許文献3、4を参照)がその性能はまだ十分ではない。
特開2008−6436号公報 特開2009−256163号公報 特開2007−275877号公報 特開2007−76990号公報
本発明は、触媒活性の高い触媒として利用可能な新規物質及びその製造方法を提供することを目的とする。
上記課題は、以下に示す本発明によって達成される。即ち、本発明の新規物質は、ZSM−5構造のゼオライトの骨格に、少なくとも、鉄、コバルト、ニッケル、マンガン、銅及びセリウムからなる群より選ばれるいずれかの金属原子が含まれることを特徴とするゼオライト金属塩複合体である。つまり、Fe−O−Si,Co−O−Si,Ni−O−Si、Mn−O−Si、Cu−O−Si,Ce−O−Siのようないずれかの結合をゼオライトの骨格の中に有することを特徴とする。
また本発明のゼオライト金属塩複合体においては、前記骨格に、前記金属原子として鉄、銅及びセリウムからなる群より選ばれる少なくとも2種の金属原子が含まれていることが好ましい。つまり、Fe−O−Si,Ce−O−Si,Cu−O−Siから選ばれる2種の結合をゼオライトの骨格の中に有することが好ましい。
また、本発明の新規物質の製造方法は、テンプレート剤と、シリカ源と、アルミナ源と、鉄、コバルト、ニッケル、マンガン、銅及びセリウムからなる群より選ばれるいずれかの金属原子を含む化合物と、水とを混合して混合液を調製し、加熱処理を行うことを特徴とするゼオライト金属塩複合体の製造方法である。
本発明のゼオライト金属塩複合体の製造方法においては、前記加熱処理が、密閉容器内で第1の加熱処理を行い、その後、酸素含有雰囲気下で第2の加熱処理を行う2段階の加熱処理であることが好ましい。
本発明のゼオライト金属塩複合体は、もともと触媒活性が高いZSM−5構造のゼオライトの骨格に鉄、コバルト、ニッケル、マンガン、銅及びセリウムからなる群より選ばれるいずれかの金属原子が含まれた複合塩である。この複合塩では、ゼオライト本来の構成原子を異質の金属原子で置き換えて、ゼオライトの骨格中に金属原子を点在させることで、当該金属原子の存在に基づくと推測される特異な性質が発現する。特に、上記に列挙された金属原子が前記骨格に取り込まれた本発明のゼオライト金属塩複合体は、高い触媒活性を有する触媒として有用である。とりわけ、前記骨格に、前記金属原子として鉄及びセリウムが含まれていることで、極めて高い触媒活性を有するゼオライト金属塩複合体を提供することができる。
上記の優れた特性を有する本発明のゼオライト金属塩複合体は、本発明のゼオライト金属塩複合体の製造方法、すなわちテンプレート剤と、シリカ源と、アルミナ源と、鉄、コバルト、ニッケル、マンガン、銅及びセリウムからなる群より選ばれるいずれかの金属原子を含む化合物と、水とを混合して混合液を調製し、加熱処理することによって製造することができる。特に、前記加熱処理として密閉容器内で第1の加熱処理を行い、その後、酸素含有雰囲気下で第2の加熱処理を行う2段階の加熱処理を施すことで、短時間で安定した構造の本発明のゼオライト金属塩複合体を高効率で製造することができる。
空孔を有するZSM−5構造のゼオライトの模式構造図である。 市販ZSM-5のX線回折パターン(XRD)である。 実施例1のFe型人工ゼオライトのX線回折パターン(XRD)である。 実施例2のFe型人工ゼオライトのX線回折パターン(XRD)である。 実施例3のFe型人工ゼオライトのX線回折パターン(XRD)である。 実施例4のCu型人工ゼオライトのX線回折パターン(XRD)である。 実施例5のFe・Ce型人工ゼオライトのX線回折パターン(XRD)である。 実施例6のCu・Ce型人工ゼオライトのX線回折パターン(XRD)である。 試料の触媒能力を測定する装置の構成図である。 各試料の温度に伴うNox削減率の測定結果である。
以下、本発明のゼオライト金属塩複合体及びその製造方法について、詳細に説明する。
[ゼオライト金属塩複合体]
ゼオライトは、ケイ素(Si)とアルミニウム(Al)が酸素を介して結合した骨格構造を取る。この骨格構造中では、アルミニウム(+3価)とケイ素(+4価)が酸素(−2価)を共有する形で、Al-1−O−Siのように配置される。アルミニウムの周りは−1価となるのでこの負電荷を補償するために骨格中にNa+イオンのような陽イオンが入る。この陽イオンは他の金属イオン(H+、K+、Ca2+・・など)でもよい。この陽イオンを選ぶことでゼオライトに機能性を持たせることができる。
図1にZSM−5構造のゼオライトの模式構造図を示す。ZSM−5構造の骨格はSi−O−Al−O−Siの結合が三次元的に組み合わされることにより様々な形態の立体構造を作り、酸素環員数10、入口径5〜6Åで一次元連結の細孔構造を有している。この骨格中には分子レベルの細孔が開き、水などの分子を骨格中に取り込むことが可能になり、当該微細孔に基づく触媒作用を有する。
本発明のゼオライト金属塩複合体は、ZSM−5構造のゼオライトの骨格に、少なくとも、鉄、コバルト、ニッケル、マンガン、銅及びセリウムからなる群より選ばれるいずれかの金属原子が含まれることを特徴とするゼオライト金属塩複合体である。つまり、前記金属原子がゼオライトの骨格にペンダント状に結合しているのではなくゼオライトの骨格に取り込まれている。従って、本発明のゼオライト金属塩複合体はFe−O−Si,Co−O−Si,Ni−O−Si、Mn−O−Si、Cu−O−Si、Ce−O−Siのようないずれかの結合をゼオライトの骨格の中に有し、前記金属原子はゼオライトの骨格の一部を成す状態で組み込まれている。
また、本発明のゼオライト金属塩複合体においては、前記骨格に、前記金属原子として鉄、銅及びセリウムからなる群より選ばれる少なくとも2種の金属原子が含まれていることが好ましい。つまり、Fe−O−Si,Cu−O−Si,Ce−O−Siから選ばれる少なくとも2種の結合をゼオライトの骨格の中に有することが好ましい。
アルミニウム以外のこれら金属の含有割合としては、全金属Me(アルミニウムを除く、以下同様。)の合計に対するケイ素Siのモル比(Si/Me)として、5〜20 の範囲内であることが好ましく、10 〜15の範囲内であることがより好ましい。
また、アルミニウム以外のこれら金属の個々の好ましい含有割合としては、各金属原子に対するケイ素Siのモル比として、鉄のみが含まれる場合(Si/Fe)には7〜15の範囲内であることが好ましく、コバルトのみが含まれる場合(Si/Co)には7〜15の範囲内であることが好ましく、ニッケルのみが含まれる場合(Si/Ni)には7〜15の範囲内であることが好ましく、マンガンのみが含まれる場合(Si/Mn)には7〜15の範囲内であることが好ましく、銅のみが含まれる場合(Si/Cu)には20〜30の範囲内であることが好ましい。
本明細書においては、本発明の如く原材料に予め上記の金属原子を含む金属化合物を入れておきゼオライトの骨格に所望の金属原子を組み込むことを先付けと称する。また、出来あがったゼオライトに所望の金属などを担持させることを後付けと称する。
この複合塩では、ゼオライト本来の酸素原子に結合する構成原子を先付けで異質の金属原子で置き換えて、ゼオライトの骨格中に金属原子を点在させることで、当該金属原子の存在に基づくと推測される特異な性質を発現させる。なお、出来あがった本発明のゼオライト金属塩複合体に後付けで金属等の助触媒を担持させることも可能である。
[ゼオライト金属塩複合体の製造方法]
一方、本発明のゼオライト金属塩複合体の製造方法においては、テンプレート剤と、シリカ源と、アルミナ源と、鉄、コバルト、ニッケル、マンガン、銅及びセリウムからなる群より選ばれるいずれかの金属原子を含む化合物と水と、を原料として用いる。
(金属原子を含む金属化合物)
本発明において用いられている金属原子を含む金属化合物として製造過程での熱処理(2段階の熱処理を施す場合には、第1の熱処理)で分解されて金属原子を放出するものが好ましい。すなわち共有結合などの解離エネルギーの高い結合を含む化合物は好ましく無い。
ZSM−5の骨格に含まれる鉄原子の供給源としての鉄化合物としては、例えば、塩化鉄を用いることができる。
ZSM−5の骨格に含まれる銅原子の供給源としての銅化合物としては、例えば、硫酸銅を用いることができる。
ZSM−5の骨格に含まれるセリウム原子の供給源としてのセリウム化合物としては、例えば、酢酸セリウムを用いることができる。
アルミニウム以外のこれら金属の供給源の配合割合としては、全金属Meの合計に対するケイ素Siのモル比(Si/Me)として、5〜20の範囲内であることが好ましく、10 〜15の範囲内であることがより好ましい。
また、アルミニウム以外のこれら金属の個々の好ましい含有割合としては、各金属原子に対するケイ素Siのモル比として、鉄のみが含まれる場合(Si/Fe)には7〜15の範囲内であることが好ましく、コバルトのみが含まれる場合(Si/Co)には7〜15の範囲内であることが好ましく、ニッケルのみが含まれる場合(Si/Ni)には7〜15の範囲内であることが好ましく、マンガンのみが含まれる場合(Si/Mn)には7〜15の範囲内であることが好ましく、銅のみが含まれる場合(Si/Cu)には20〜30の範囲内であることが好ましい。
本発明のゼオライト金属塩複合体においては、ZSM−5構造のゼオライトの骨格に、少なくとも、鉄、コバルト、ニッケル、マンガン、銅及びセリウムからなる群より選ばれるいずれかの金属原子が含まれるように合成する。つまり、Fe−O−Si,Co−O−Si,Ni−O−Si、Mn−O−Si、Cu−O−Si、Ce−O−Siのようないずれかの結合をゼオライトの骨格の中に有する。この複合塩では、ゼオライト本来の構成原子を異質の金属原子で置き換えて、ゼオライトの骨格中に金属原子を点在させることで、当該金属原子の存在に基づくと推測される特異な性質が発現する。
また、本発明のゼオライト金属塩複合体においては、前記骨格に、前記金属原子として鉄、銅及びセリウムからなる群より選ばれる少なくとも2種の金属原子が含まれているように合成することが好ましい。つまり、Fe−O−Si,Cu−O−Si,Ce−O−Siから選ばれる少なくとも2種の結合をゼオライトの骨格の中に有することが好ましい。
(シリカ源、アルミナ源)
ZSM−5構造のゼオライトの合成において、シリカ源としてはケイ酸ソーダ、シリカゾル、シリカゲル、シリカ微粉、アルミナ源としてはアルミン酸ソーダ、アルミナゾル、アルミナゲル、アルミナ微粉末等、等を用いることができる。また、産業廃棄物の活用としては、シリカ源としては、廃碍子、廃光ファイバ、あるいは、スート法などによる光ファイバ製造過程で発生する微細な二酸化ケイ素粉末廃棄物(白色スート)や、光ファイバへの延伸工程で発生する端材(石英ガラス不利用物)などの産業廃棄物を用いても良い。これら廃棄物を有効利用することができ、また、同時に、原料コストを低く抑えることができるとともに、これら産業廃棄物の有効で理想的な新規な処理方法となる
これらは適当な大きさ、例えば、粒径が0.1μm以上0.1mm以下程度になるように粉砕、破砕等の手段により調整して用いることが、ゼオライト金属塩複合体の生成反応速度が高くなるので好ましい。
光ファイバを用いる場合には、通常は光ファイバが充分に細いので、取り扱いが容易で、かつ、圧力容器へ収納できる程度に切断すれば良い。また、光ファイバの表面に保護樹脂が塗布されている場合があるが、この樹脂層は通常は非常に薄いので除去することなく使用することができる。
碍子を原料として用いる場合、碍子中に含有されるアルミニウム含有量が多い場合には
碍子はシリカ源としてのみならず、アルミナ源としても機能し、この場合も本発明に含まれる。このとき、用いる碍子中のアルミニウム含有量が多い場合には、例えば、廃光ファイバ、あるいは、スート法などによる光ファイバ製造過程で発生する微細な二酸化ケイ素粉末廃棄物(白色スート)や、光ファイバへの延伸工程で発生する端材(石英ガラス不利用物)などのアルミニウム含有率の低いものをシリカ源として併用し、原料中のアルミニウム原子の数を1としたときの、原料中のケイ素の原子の数(この比をケイバン比とも云う)を調製する。
原料においてアルミナ源としては上記のように適当量アルミニウム成分を含む廃棄碍子を用いることが、産業廃棄物の有効利用の点で好ましいが、碍子以外に、石炭灰、廃陶石粉砕物、陶器粉砕物、磁器粉砕物、アルミドロス、廃金属アルミニウム等を用いることができ、これらも例えば、粒径が0.1μm以上0.1mm以下程度となるように粉砕、破砕等の手段により調整して用いることがゼオライト金属塩複合体の生成反応速度が高くなるので好ましい。
本発明における原料中のアルミニウム原子の数を1とした時の、原料中のケイ素の原子の数、すなわちケイバン比は7.5以上であることが望ましい。このようにすることにより、従来のゼオライト金属塩複合体の製造方法よりも、迅速で、かつ、粒径の大きいゼオライト金属塩複合体を得ることができる。さらに望ましいケイバン比は5000以上である。
(テンプレート剤)
本発明における原料において、テンプレート剤はゼオライト金属塩複合体の細孔の形状・大きさを決定する重要な働きをする。すなわち、ゼオライト金属塩複合体の、主としてケイ素・酸素四面体構造、及び、アルミニウム・酸素四面体構造からなる立体骨格はこのテンプレート剤を囲むようにして形成される。従ってテンプレート剤の形状・大きさの選択は重要である。
ここで、本発明では、テンプレート剤としては、第四アンモニウム塩、ないし、第四アンモニウム塩状の立体構造を形成する化合物の組合せを用いる。このようなものとして下記のA〜Cがある。
A:下記化学式(1)で示される化合物で、式中R1〜R4はアルキル基、Xはハロゲン化物イオンまたは水酸化物イオン
Figure 2014018752
と、下記化学式(2)で示される化合物で、式中R5〜R7はアルキル基、
Figure 2014018752
と、化学式R8X(式中R8はアルキル基、Xはハロゲン化物イオンまたは水酸化物イオン)で示される化合物、及び、化学式R14COR15で示される化合物(式中R14及びR15はアルキル基)の組合せ。
B:化学式R9NHR10(式中R9およびR10はアルキル基)で示される化合物、化学式R11X(式中R11はアルキル基、Xはハロゲン化物イオンまたは水酸化物イオン)で示される化合物、及び、化学式R14COR15で示される化合物(式中R14及びR15はアルキル基)の組合せ。
C:化学式NH212で示される化合物(式中R12 はアルキル基)、化学式R13X(式中R13はアルキル基、Xはハロゲン化物イオンまたは水酸化物イオン)で示される化合物、及び、化学式R14COR15で示される化合物(式中R14及びR15はアルキル基)の組合せ。
ここで、得られるゼオライト金属塩複合体の、主としてケイ素・酸素四面体構造、及び、アルミニウム・酸素四面体構造からなる立体骨格に欠陥が生じないよう、第四アンモニウム塩、ないし、第四アンモニウム塩状の立体構造を形成する化合物の組合せは正四面体構造を形成するものとなることが望ましい。
そのため、上記テンプレート剤として、上記組合せAを用いる場合にはR5〜R8がすべておなじアルキル基であることが望ましく、また、得られるゼオライト金属塩複合体の触媒機能が高くなるために、このようなアルキル基の炭素数としては2以上5以下であることが望ましい。なお、化学式(2)で示される化合物と化学式R8Xで示される化合物との配合比は1:2ないしその近傍とすることが望ましい。
同様に、上記テンプレート剤として、上記組合せBを用いる場合には、R9〜R11が同じアルキル基であることが望ましく、またこれらアルキル基の炭素数は2以上5以下であることが望ましい。
さらに、上記テンプレート剤として、上記組合せCを用いる場合には、R12とR13とが同じアルキル基であることが望ましく、またこれらアルキル基の炭素数は2以上5以下であることが望ましい。なお、化学式NH212で示される化合物と化学式R13Xで示される化合物との配合比は1:3ないしその近傍とすることが望ましい。
本発明においてテンプレート剤は通常、上記のA〜Cの内、いずれか1つ(1つの組合せ)を用いるが、これらを2つ以上組み合わせて用いても良い。
これらテンプレート剤は配合物中原料におけるケイ素重量を1としたときに対して、通常、0.1以上0.5以下となるように配合する。配合量が0.1未満であると反応が遅延して収率が低くなりやすく、0.5超であると有機化合物どうしの反応、つまり副反応が起こり、テンプレート剤が有効に用いられずに無駄となり、あるいは、ゼオライト金属塩複合体生成反応を阻害する可能性もある。好ましい範囲は0.15以上0.45以下である。
本発明のゼオライト金属塩複合体の製造方法では、組合せA〜Cでは、化学式R14COR15で示される化合物(式中R14及びR15はアルキル基)、いわゆるケトン類の配合を行う。
ここでR14及びR15は同じものであることが好ましく、さらに、組合せA〜Cで併用するアミンのアルキル基と同じものであることがより好ましい。
これらケトン類は配合物中原料におけるケイ素重量を1としたときに対して、通常、0.01以上5以下となるように配合する。配合量が0.01未満であると反応が遅延して収率が低くなりやすく、5超であると有機化合物どうしの反応、つまり副反応が起こり、原料が無駄となり、あるいは、ゼオライト金属塩複合体生成反応を阻害する可能性もある。
(その他の原材料)
本発明のゼオライト金属塩複合体の製造方法では、原料に水を配合する。水は配合物中原料におけるケイ素重量を1としたときに対して、通常、2以上50以下となるように配合する。配合量が2未満であると反応物のスラリー化が困難となり反応を進行させることが困難となり、50超であるとスラリー濃度が低すぎて反応速度が低くなりやすい。
本発明の原料には、水酸化ナトリウムを添加する。水酸化ナトリウムにより原料中のシリカ源からケイ素成分を取り出し、ケイ素・酸素四面体構造、及び、アルミニウム・酸素四面体構造からなる立体骨格を形成させる反応を可能とする。水酸化ナトリウムの添加量としては原料におけるケイ素重量を1としたときに対して、通常、0.01以上1以下となるように配合する。添加量が0.01未満であると反応速度が低下して実用的でなくなり、一方、1超であると所望の生成物が得られなくなったり、収率が低下する。好ましい範囲としては0.02以上0.5以下である。
また、必要に応じて塩化ナトリウムを添加しても良い。その添加量としては原料におけるケイ素重量を1としたときに対して、0.005以上2以下となるように配合する。添加量が0.005以下であると反応速度が低下して実用的でなくなる場合があり、2超であると所望の生成物が得られなくなったり、収率が低下する場合もある。好ましい範囲は0.05以上0.5以下である
上記に説明した、テンプレート剤と、シリカ源と、アルミナ源と、鉄、コバルト、ニッケル、マンガン、銅及びセリウムからなる群より選ばれるいずれかの金属原子を含む化合物と、水とを混合して混合液を調製し、加熱処理を行って、ゼオライト金属塩複合体の、主としてケイ素・酸素四面体構造、及び、アルミニウム・酸素四面体構造からなるZSM−5の立体骨格を形成することができる。
(加熱方法)
本発明のゼオライト金属塩複合体の製造方法は、上記に説明したテンプレート剤と、含ケイ素無機化合物と、含アルミニウム無機化合物と、鉄、コバルト、ニッケル、マンガン、銅及びセリウムからなる群より選ばれるいずれかの金属原子を含む化合物と、水とを混合して混合液を調製し、水熱処理である加熱処理を行う。
加熱処理は100℃以上250℃以下の温度で行うことが好ましい。100℃未満であると熱処理時間が長くなって実用的でなくなる。一方250℃を超えると、装置にかかるコストが大きくなりすぎる。より好ましい処理温度は140℃以上180℃以下である。
この加熱反応時間としては、予め検討して決定するが、例えば、140℃での処理では、通常10時間以上20時間以下であり、一般に、温度が低いときには長くし、温度が高ければ、短くする。
本発明のゼオライト金属塩複合体の製造方法においては、前記水熱処理である加熱処理が密閉容器内で第1の加熱処理であり、その後、酸素含有雰囲気下で第2の加熱処理を行う2段階の加熱処理であることが好ましい。以下にその詳細を説明する。
前述の原料を密閉容器(反応容器)内に入れ、液相での水熱処理である第1の加熱処理をすることによりゼオライト金属塩複合体の立体骨格を形成することができる。第1の加熱処理は100℃以上250℃以下の温度で行うことが好ましい。100℃未満であると熱処理時間が長くなって実用的でなくなる。一方、250℃を超えると、装置にかかるコストが大きくなりすぎる。より好ましい処理温度は140℃以上180℃以下である。
この加熱反応時間としては、予め検討して決定するが、例えば、140℃での処理では、通常10時間以上20時間以下であり、一般に、温度が低いときには長くし、温度が高ければ、短くする。
熱処理終了後、通常は冷却後に、反応容器から反応物を取り出し、必要に応じて水、アルコール等などで適宜洗浄後、乾燥したのち、酸素含有雰囲気下で第2の加熱処理を行う。
固相での焼成処理である第2の加熱処理では、第1の加熱処理で形成されたゼオライト金属塩複合体の立体骨格内のテンプレート剤を雰囲気中の酸素(例えば空気中の酸素ガス)により酸化除去する。このとき、例えば500℃以上で行う。上記骨格は耐熱性が高いが、コスト的な要因により、通常は600℃以下で行う。このような酸化処理により、ゼオライト金属塩複合体が得られる。
(ゼオライト金属塩複合体の構造確認方法)
本発明のゼオライト金属塩複合体の様子を確認するために(イ)X線回折(XRD)による本発明に係る新規物質がゼオライト構造を成していることの確認を行う。また、(ロ)蛍光X線(XRF)による金属原子の結合エネルギーを調べることでゼオライト構造の骨格にMe−O−Si構造が組み込まれていることの確認を行う。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。以下の実施例では各金属原子を含むZSM−5構造を持つゼオライトの詳細な製造法を説明する。本発明のゼオライト金属複合体の製造に用いられる各金属化合物は、ゼオライトの合成時に添加されて金属原子が先付けでゼオライトの骨格構造に取り込まれているので、ゼオライトに金属などを後付けする一般的な担持とは異なり、金属原子がいわば予備ドーピングされた状態になっている。
(実施例1)Fe型人工ゼオライト
光ファイバ製造中に産出される二酸化ケイ素の微紛(白色スート)を原料とし、Si/Alのモル比を120、及び、Si/Feのモル比を10とした。また、テトラプロピルアンモニウムブロマイドをテンプレート剤に使用した。具体的には二酸化ケイ素の粉末を7kg、テトラプロピルアンモニウムブロマイドを3kg、水酸化ナトリウムを0.45kg、アルミン酸ナトリウムを0.063kg(Si/Alのモル比:120)、塩化鉄を0.857kg(Si/Feのモル比:10)用い、73kgの水で共に溶解してアルカリ溶液を調製した。得られたアルカリ溶液を加圧(反応)容器に充填し、110〜180℃の熱処理温度の範囲を134時間で増加させた。
容器の内部圧を大気圧より最大0.8Mpa高くした。熱処理後、アルカリ溶液を濾過及び乾燥して中間物質を得た。テンプレート剤はこの中間物質に尚も存在している。中間物質を空気中で乾燥させる熱処理を施して、7.2kgのゼオライト金属塩複合体が得られた。
得られたFe型人工ゼオライトのゼオライト金属塩複合体をX線回折(XRD)で分析した。図3に得られたFe型人工ゼオライトの回折パターンを示す、また、比較のため、図2に市販品のZSM−5構造のゼオライト(東ソー製 HSZ−840NHA、モル比(SiO2/Al23)40、以下「市販ZSM−5」と称する。)の回折パターンを示す。図2及び図3を比較すると、本実施例のゼオライト金属塩複合体のパターンが、市販ZSM−5のパターンと殆ど一致していることがわかる。従って、本発明の方法によって、Feが存するZSM−5の骨格構造を有する新材料が得られていることが確認された。
次に、上記の合成方法で得られたFe型人工ゼオライトのゼオライト金属塩複合体の成分を蛍光X線(XRF)で分析した。市販品の場合、0.0205%であるのに比べ、本実施例のゼオライト金属塩複合体では2.17wt%のFeが測定された。この結果から、本発明の方法によれば、高機能ゼオライト金属塩複合体として知られているZSM−5型のFe型人工ゼオライトを得ることができることがわかる。得られた新材料はFeが含まれた状態でZSM−5の骨格構造を有していることが確認された。
(実施例2)
実施例1に比べ、二酸化ケイ素/酸化アルミニウムのモル比を実施例1に対し120から360に、温度を180から160℃に、反応時間を134から30時間に変更した。二酸化ケイ素/Feのモル比は10である。
具体的には、二酸化ケイ素の粉末を3.7kg、テトラプロピルアンモニウムブロマイドを1.34kg、水酸化ナトリウムを0.25kg、アルミン酸ナトリウムを0.12kg(Si/Alのモル比:120)、塩化鉄を2.8kg(Si/Feのモル比:10)用い、51kgの水で共に溶解してアルカリ溶液を形成する。アルカリ溶液を加圧(反応)容器に充填し、熱処理温度を110〜160℃の範囲を30時間で増加させる。容器の内部圧を大気圧より最大0.8Mpa高くする。中間物質を空気中で乾燥させる熱処理を施すと、3.7kgの固体酸触媒が得られた。
得られた固体酸触媒をX線回折(XRD)で分析した。図4は回折パターンを示し、図2は市販ZSM−5の回折パターンを示す。図4及び図2を比較すると、本発明の固体酸触媒のパターンが、市販ZSM−5のパターンに殆ど一致する。従って、本発明の方法は、Fe化合物が存するZSM−5のフレームワーク構造を有する新材料の合成を提供する。
また、得られた固体酸触媒の成分を蛍光X線(XRF)で分析した。本発明の固体酸触媒では2.24wt%のFeが測定され、市販品の場合よりも多い。本発明の方法は、高機能固体酸触媒として知られているZSM−5型の新規人工ゼオライトの製造を提供する。新材料はFe化合物が存した状態でZSM−5のフレームワーク構造を有している。
(実施例3)
実施例2にくらべ、二酸化ケイ素/酸化アルミニウムのモル比を、360から50に、温度を160から180℃に、反応時間を30から29時間に変更した。
具体的な材料として、二酸化ケイ素の粉末を3.7kg、テトラプロピルアンモニウムブロマイドを1.5kg、水酸化ナトリウムを0.3kg、アルミン酸ナトリウムを0.152kg(Si/Alのモル比:50)、塩化鉄を0.857kg(Si/Feのモル比:10)用い、50kgの水で共に溶解してアルカリ溶液を形成する。アルカリ溶液を加圧(反応)容器に充填し、熱処理の温度を110〜180℃の範囲を29時間で増加させる。容器の内部圧を大気圧より最大0.8Mpa高くする。中間物質を空気中で乾燥させる熱処理を施すと、3.7kgの固体酸触媒が得られた。
得られた固体酸触媒をX線回折(XRD)で分析した。図5は回折パターンを示し、図2は市販ZSM−5の回折パターンを示す。図5及び図2を比較すると、本発明の固体酸触媒のパターンが、市販ZSM−5のパターンに殆ど一致する。従って、本発明の方法は、Fe化合物が存するZSM−5のフレームワーク構造を有する新材料の合成を提供する。
得られた固体酸触媒の成分を蛍光X線(XRF)で分析した。表4は本発明の蛍光X線分析を示し、表2は市販ZSM−5の蛍光X線分析を示す。本発明の固体酸触媒では2wt%のFeが測定され、市販品の場合、0.0205%であった。
本発明の方法は、高機能固体酸触媒として知られているZSM−5型の新規人工ゼオライトの製造を提供する。新材料はFe化合物が存した状態でZSM−5のフレームワーク構造を有している。
(実施例4)Cu型人工ゼオライト
金属化合物をFeからCuに変更し、二酸化ケイ素/酸化アルミニウムのモル比を150から110に、Si/Cuのモル比を11とした。
テトラプロピルアンモニウムブロマイドをテンプレート剤として使用している。二酸化ケイ素の粉末を3.7kg、テトラプロピルアンモニウムブロマイドを0.561kg、水酸化ナトリウムを0.2235kg、アルミン酸ナトリウムを0.069kg(Si/Alのモル比:110)、酢酸銅を0.871kg(Si/Cuのモル比:11)、用い42.5kgの水で共に溶解してアルカリ溶液を調製した。得られたアルカリ溶液を加圧(反応)容器に充填し、反応温度160℃、反応時間29時間の条件で熱処理した。容器の内部圧を大気圧より最大0.8Mpa高くした。第1の熱処理後、アルカリ溶液を濾過及び乾燥して中間物質を得る。テンプレート剤はこの中間物質に尚も存在している。中間物質を空気中で乾燥させる熱処理を施して、3.7kgのゼオライト金属塩複合体が得られた。
得られたCu型人工ゼオライトのゼオライト金属塩複合体をX線回折(XRD)で分析した。図6はCu型人工ゼオライトの回折パターンを示し、図2は既述の市販のZSM−5の回折パターンを示す。図6及び図2を比較すると、本実施例のゼオライト金属塩複合体のパターンが、市販ZSM−5のパターンと殆ど一致している。従って、本発明の方法によって、Cuが存するZSM−5の骨格構造を有する新材料が得られていることが確認された。
得られたCu型人工ゼオライトのゼオライト金属塩複合体の成分を蛍光X線(XRF)で分析した。本実施例のゼオライト金属塩複合体では1.7wt%のCuが測定された。
この結果から、本発明の方法によれば、高機能ゼオライト金属塩複合体として知られているZSM−5型のCu型人工ゼオライトを得ることができることがわかる。得られた新材料は、Cuが存した状態でZSM−5の骨格構造を有していることが確認された。
(実施例5)Fe・Ce型人工ゼオライト
実施例1、2の単体金属を複合物(Fe、Ce)に変更した。二酸化ケイ素/酸化アルミニウムのモル比(Si/Al)を150から120に、Si/Feを22、Si/Ceを7.7、Si/(Fe+Ce)を5.7とした。
二酸化ケイ素の粉末を3.7kg、テトラプロピルアンモニウムブロマイドを1.5kg、水酸化ナトリウムを0.25kg、アルミン酸ナトリウムを0.063kg(Si/Alのモル比:120)、塩化鉄を0.389kg(Si/Feのモル比:22)、2.17kg(Si/Ceのモル比:7.7)を用い、50kgの水で共に溶解してアルカリ溶液を調製した。得られたアルカリ溶液を加圧(反応)容器に充填し熱処理温度を110〜180℃の範囲を29時間で増加させた。容器の内部圧を大気圧より最大0.8Mpa高くした。そのほかは実施例1と同様に操作することで、3kgのゼオライト金属塩複合体が得られた。
得られたFe・Ce型人工ゼオライトのゼオライト金属塩複合体をX線回折(XRD)で分析した。図7はFe・Ce型人工ゼオライトのX線回折パターンを示し、図2は既述の市販ZSM−5の回折パターンを示す。図7及び図2を比較すると、本実施例のゼオライト金属塩複合体のパターンが、市販ZSM−5のパターンと殆ど一致している。従って、本発明の方法によって、FeとCeが骨格に含まれるZSM−5の骨格構造を有するFe・Ce型人工ゼオライトが得られていることが確認された。
得られたFe・Ce型人工ゼオライトのゼオライト金属塩複合体の成分を蛍光X線(XRF)で分析した。本実施例のゼオライト金属塩複合体では7.6wt%のFe及び4.2wt%のCeが測定された。
この結果から、本発明の方法によれば、高機能ゼオライト金属塩複合体として知られているZSM−5型のFe・Ce型人工ゼオライトを得ることができることがわかる。得られた新材料は、FeとCeが存した状態でZSM−5の骨格構造を有していることが確認された。
(実施例6)Cu・Ce型人工ゼオライト
実施例3の金属の化合物をFeとCeからCuとCeに変更した。二酸化ケイ素と酸化アルミニウムのモル比を120から220に、SiとCuのモル比(Si/Cu)を27に、Si/(Cu+Ce)のモル比を6とした。
二酸化ケイ素の粉末を3.7kg、テトラプロピルアンモニウムブロマイドを1.7kg、水酸化ナトリウムを0.25kg、アルミン酸ナトリウムを0.035Kg(Si/Alのモル比:220)、酢酸銅を0.355Kg(Si/Cuのモル比:27)、酢酸セリウムを2.174Kg(Si/Ceのモル比:7.7)を用い、50kgの水で共に溶解してアルカリ溶液を形成した。アルカリ溶液を加圧(反応)容器に充填し、反応温度160℃、反応時間53時間の条件で熱処理した。容器の内部圧を大気圧より最大0.8Mpa高くした。そのほかは実施例1と同様に操作することで、2.97kgのゼオライト金属塩複合体が得られた。
得られたCu・Ce型人工ゼオライトのゼオライト金属塩複合体をX線回折(XRD)で分析した。図8はCu・Ce型人工ゼオライトの回折パターンを示し、図2は既述の市販ZSM−5の回折パターンを示す。図8及び図2を比較すると、本実施例のゼオライト金属塩複合体のパターンが、市販ZSM−5のパターンと殆ど一致している。従って、本発明の方法によって、CuとCeが存するZSM−5の骨格構造を有する新材料が得られていることが確認された。
得られたCu・Ce型人工ゼオライトのゼオライト金属塩複合体の成分を蛍光X線(XRF)で分析した。本実施例のゼオライト金属塩複合体では8.9wt%のCu及び4,2wt%のCeが測定された。
この結果から、本発明の方法によれば、高機能ゼオライト金属塩複合体として知られているZSM−5型のCu・Ce型人工ゼオライトが得ることができることがわかる。得られた新材料は、CuとCeが存した状態でZSM−5の骨格構造を有していることが確認された。
(詳細な構造確認試験)
次に、上記の実施例で得られたゼオライト金属塩複合体に含まれる金属についてのさらに詳細な検討結果を述べる。ZSM−5の骨構造に実施例1はFeの単体、実施例4はCuの単体、実施例5はFeとCeの複合物、実施例6はCuとCeの複合物が含まれるが、以下の確認試験では実施例1で得られたFe型のゼオライト金属塩複合体について確認した。
上記の実施例1で得られたFe型人工ゼオライト構造のゼオライト金属塩複合体のFeの化学的形態を選択溶解法で分析した。ZSM−5のフレームワークは、Si又はAlがFeで置換されている。即ち、本実施例のZSM−5骨格構造を有する新材料にはFe化合物が存在している。
Fe型人工ゼオライトのZSM−5(実施例1のFe化合物)の場合、Feは本体に吸収されているだけでなく、人工ゼオライトの結晶構造に組込まれている。選択溶解分析は、特定の試薬(例、クエン酸ナトリウム)に対する物質成分の異なる溶解を利用している。
(a)原子吸光分析
実施例1のFe型人工ゼオライト構造のゼオライト金属塩複合体を試薬のクエン酸ナトリウム溶液に浸漬し、骨格構造からFeを溶液に溶解させた。遠心分離機で溶液から浮遊物と残留物を分離し、浮遊物を原子吸光分析で定量的に分析して、溶解したFe(mg/l)を測定した。
(b)蛍光X線(XRF)による測定
溶液から分離した残留物を乾燥してXRFで分析しFe(wt%)を測定した。
なお、上記試薬:クエン酸ナトリウム溶液は、下記計算に基づいて濃度が0.3(mol/L)になるように調製した。
クエン酸ナトリウムの分子量は294なので、0.3mol/Lのクエン酸ナトリウムの水溶液200mlの溶液には、200ml×294g/mol×0.3mol/L=17.64g(約18g)となり約18gが含まれる。
構造確認試験の操作は、具体的には以下に示すようにして行った。0.3mol/Lのクエン酸ナトリウムの水溶液200mlを、500mlのガラスのフラスコに注ぎ、実施例1のFe型人工ゼオライト構造のゼオライト金属塩複合体を2g加え、100℃で3時間の熱処理をした。熱処理中、0.3mol/Lのクエン酸ナトリウムの水溶液を1時間毎に取り替え濃度を維持した。
3時間の熱処理の終了後に残った処理液(処理時間3h)と、途中1時間毎に取り替えた処理液(処理時間1h及び2h)について、それぞれ、遠心分離機(3500rpm/10min)で溶液から残留物と浮遊物を分離した。得られた浮遊物について、(a)原子吸光分析でFe(mg/l)を測定した。また、得られた残留物について、150℃で乾燥させた上で、(b)XRFでFe(wt%)を測定した。
以上のようにして得られた分析結果を下記表1及び表2に示す。
1)浮遊物に溶解したFeの量
Figure 2014018752
2)Fe型人工ゼオライトの結晶構造でのFeの測定量
Figure 2014018752
表1と表2とを対比すると、処理時間の経過に伴い、浮遊物に融解したFeの量が増加し、Fe型人工ゼオライトに含まれるFeの量が減っていることから、結論として人工ゼオライトの金属(例、Fe)は、本体に吸収されているだけでなく、人工ゼオライトの結晶構造にも組み込まれていることが言える。
(触媒としての性能確認試験)
図9を用いて触媒の評価方法について説明する。触媒は高温で使用されるので、温度を可変できる電気炉中に触媒を装填した反応管を入れ評価用のガスを流入させ、触媒通過後のガス成分を分析することで、触媒の性能を評価する。
(評価装置)
図9にモデル的に示す評価装置は、円筒状の電気炉1の中空部に石英製の反応管2(内径:21mm)が挿入されている。反応管2の内部には反応管2を通過するガスがまんべんなく評価対象のゼオライト金属塩複合体Aに接触するようにサンプルを構成する。具体的には、ゼオライト金属塩複合体A空間密度が200g/Lとなるよう、直径21mm、長さ20mmの(嵩体積:7mL)金属製の、一辺が25.4mmの正方形中に300セルが形成されるセル密度(300cpsi)の円筒形ハニカム形状体の壁面に添着させて作製されたサンプル3が設置されている。また、この評価装置ではサンプル3付近の温度が、熱電対4により測定可能となっている。
反応管3には、上方から水蒸気供給ラインと、2つ標準ガス供給ラインとが接続されている。水蒸気供給ラインには、水用ポンプ7と水蒸発器8とを介して水供給ラインが接続されており、必要に応じて反応管3に水蒸気を供給することができるようになっている。一方、2つの標準ガス供給ライン(排気ガス浄化性能評価用ガスラインA、B)はそれぞれマスフローコントローラー5及び6を介して、各種標準ガスをそれぞれ所定の流量で反応管3に供給することができるようになっている。
サンプル3を通過したガスは、クーラー9で冷却されベント(排気)されるが、その一部がサンプリングされ、分析計10で必要な項目について分析される。
(評価方法)
評価は次のようにして行った。上記サンプル3を200℃前後の温度から毎分10℃の昇温速度で550℃付近まで昇温させながら、窒素(N2)をベースとして体積比で、一酸化窒素(NO)を250ppm、二酸化炭素(CO2)を6.5%、酸素(O2)を10%、アンモニア(NH3)を225ppm(アンモニアの一酸化窒素に対するモル比は0.9である)、及び、水蒸気(H2O)を10%、残りは組成を安定させるためのN2からなる自動車のガソリンエンジンの排気ガスを想定したガスを、上記の反応管2に、0.174m3/h(標準状態、すなわち1気圧、0℃換算)(サンプル体積Vに対してSV=25000h-1)の流速で供給した。このとき、反応管出口ガスの一酸化窒素濃度を測定し、反応管入り口側のその一酸化窒素の濃度(100%とする)と比較し、一酸化窒素濃度の減少率をNOx削減率として調べた。
標準ガスは、マスフローでその量を調整されて反応管へ流入させる。また、H2Oは、水ポンプからの水を蒸発器で水蒸気に変換してガス化した後に反応管へ流入させる。
サンプルである触媒はその中へ差し込まれた熱電対4により温度を計測され、電気炉を制御することで、所定の温度に触媒を維持して測定を行う。
触媒の性能試験は、約90分の昇温と冷却の繰り返しをしながら測定を行う。尚、測定データは、初期データである。測定結果を図10に示す。
図10を見ると、実施例1〜3及び5の鉄による金属塩複合体は500℃を超える高温域でもその特性が低下しないことが分かる。また、実施例6の銅とセリウムによる金属塩複合体は350℃付近に良好な特性を示す温度域を有する。さらに、実施例4の銅による金属塩複合体は、他の金属塩複合体に比べNOx削減率が低い。総合的に見て、本願発明に係るゼオライト金属塩複合体はNoxの削減について有効であることが分かった。
1 電気炉
2 反応管
3 サンプル
4 熱電対
5 マスフロー
6 マスフロー
7 水ポンプ
8 蒸発器
9 クーラー
10 分析計

Claims (4)

  1. ZSM−5構造のゼオライトの骨格に、少なくとも、鉄、コバルト、ニッケル、マンガン、銅及びセリウムからなる群より選ばれるいずれかの金属原子が含まれることを特徴とするゼオライト金属塩複合体。
  2. 前記骨格に、鉄、銅及びセリウムからなる群より選ばれる少なくとも2種の金属原子が含まれることを特徴とする請求項1に記載のゼオライト金属塩複合体。
  3. テンプレート剤と、含ケイ素無機化合物と、含アルミニウム無機化合物と、鉄、コバルト、ニッケル、マンガン、銅及びセリウムからなる群より選ばれるいずれかの金属原子を含む化合物と、水とを混合して混合液を調製し、加熱処理を行うことを特徴とするゼオライト金属塩複合体の製造方法。
  4. 前記加熱処理が、密閉容器内で第1の加熱処理を行い、その後、酸素含有雰囲気下で第2の加熱処理を行う2段階の加熱処理であることを特徴とする請求項3に記載のゼオライト金属塩複合体の製造方法。
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