JP3448167B2 - ポリイミド樹脂コーティング被膜及び塗膜の形成方法並びにポリイミド樹脂塗料の製造方法 - Google Patents

ポリイミド樹脂コーティング被膜及び塗膜の形成方法並びにポリイミド樹脂塗料の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は高耐熱性及び高耐食
性を有する付加型ポリイミド樹脂の原料組成物又はプレ
ポリマー含有組成物を利用したコーティング被膜及び塗
膜の形成方法並びにポリイミド樹脂塗料の製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】ポリイミド樹脂は優れた耐熱性を有する
こと、無機及び有機の強酸、弱酸、強アルカリ、弱アル
カリ等に優れた耐食性を有することなどから、各種繊維
強化樹脂複合材料(FRP)用マトリクス樹脂をはじめ
コーティング材や塗料など様々な分野で広く使用されて
いる。しかし、一般的にポリイミドは高温状態において
も流動性が悪いという成形上の欠点がある。
【0003】繊維強化樹脂複合材料用のマトリクス樹脂
として使用されるポリイミドは、樹脂含浸後に最終的な
工程で樹脂を架橋、硬化させる付加反応型のポリイミド
が一般的である。かかるポリイミドの代表的な例として
はPMR−15〔ティ・ティセラフィニ;ジャーナル
オブ アプライド ポリマー サイエンス,16,90
5(1972)〕を例示することができる。PMR−1
5は末端封止剤が5−ノルボルネン−2,3−ジカルボ
ン酸無水物(通称ナジック酸無水物)で主鎖がベンゾフ
ェノンテトラカルボン酸無水物とジアミノジフェニルメ
タンの縮合によって構成されているポリイミドで、硬化
過程最終段階の反応が、両末端のナジック酸の開環付加
反応によって進行するため、反応に伴って揮発分が生成
しないといわれていることから、繊維強化複合材料用マ
トリクス樹脂として広く使用されている。しかし、PM
R−15はポストキュアと呼ばれる、樹脂硬化以後に行
われる耐熱性を高めるために300℃以上の温度で熱処
理する後工程において、末端封止剤部分の熱分解により
発生するシクロペンタジエンによってFRP板の層間で
剥離が発生するという問題により、成形性や複合材料物
性が低下するという問題を有している。また、PMR−
15には末端封止剤にナジック酸無水物を使用している
ため、プレキュア温度を290℃以下に低下することが
できないという問題も有しており、かかる点も成形を難
しいものとしている。
【0004】一般に大型の繊維強化複合材料の成形に
は、プレキュア時に高温高圧を可能とするいわゆるオー
トクレーブが使用されているが、かかる成形法ではオー
トクレーブ内での均一加圧を可能とするいわゆる真空バ
ギングのためのバッグフィルム、シーラント、パッキン
など有機質の成形用副資材を使用する。そのためプレキ
ュア温度が高くなると、これらの副資材を特殊な耐熱樹
脂で作る必要が起こり、そのためのコストアップや、高
温成形に起因する大きな熱残留歪みによる物性低下な
ど、ポリイミドの成形には困難な問題点が多く、そのた
めプレキュア温度の低下が重要な課題となっている。
【0005】また、繊維強化樹脂複合材料を構造部材等
に使用する際、乾燥状態の強度だけでなく、湿潤状態で
の強度が大変重要であり、特に航空宇宙機器分野の構造
部材として繊維強化樹脂複合材料を使用する際湿潤状態
での強度が重要視されるが、一般的に樹脂材料は湿潤状
態で強度が落ちる傾向にあり、湿潤状態での強度向上が
繊維強化樹脂複合材料の重要な課題とされている。
【0006】さらに、ポリイミド樹脂は前記のように
酸、アルカリに対して優れた耐食性を有し、耐食性を要
求される様々な分野で広く使用されているが、例えばメ
ッキ等の分野において発生するルイス酸塩基説で定義さ
れているルイス酸、ルイス塩基、特に溶融アルミニウム
塩(Al3+,Cl- )などの非水系ルイス酸、ルイス塩
基に対しては充分な耐食性を示さないという問題があ
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記従来技術
における問題点に鑑み、硬化温度が低く成形性に優れ、
ポストキュア時に熱分解生成物による揮発分の発生の恐
れがなく、高耐熱性でルイス酸やルイス塩基に対しても
優れた耐食性を有し、しかも吸湿状態での強度に優れた
成形物あるいは繊維強化樹脂複合材料が得られるポリイ
ミド樹脂原料組成物又はそのプレポリマー含有組成物を
用いたコーティング被膜及び塗膜の形成方法並びにポリ
イミド樹脂塗料の製造方法を提供しようとするものであ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記課題を
解決すべく繊維強化樹脂複合材料に用いた場合、ポスト
キュア時の熱分解生成物による揮発分が無く、且つプレ
キュア時の樹脂硬化温度が220℃程度で従来技術より
低温であるため優れた成形性を有する、高耐熱性及び高
耐食性を有し且つ硬化温度が低い付加型ポリイミド組成
物及び成形物及び樹脂硬化方法、さらに前述の特性に加
えて特に吸湿状態での強度に優れるという特性を合わせ
持つ付加型ポリイミド樹脂原料組成物及び成形物、樹脂
硬化方法並びにこれらの付加型ポリイミドを用いたコー
ティング材や塗料、繊維強化複合材の製造方法等につい
て鋭意研究した結果、本発明に到達した。
【0009】すなわち本発明は次の(1)ないし(
の構成を有するものである。 ()テトラカルボン酸無水物及び/又はテトラカルボ
ン酸ジエステル化合物、ジアミン化合物並びにエキソ−
3,6−エポキシ−1,2,3,6−テトラヒドロフタ
ル酸無水物及び/又はエキソ−3,6−エポキシ−1,
2,3,6−テトラヒドロフタル酸モノエステル化合物
からなる高耐熱性、高耐食性付加型ポリイミド樹脂原料
組成物を溶剤に溶解させた状態、又はこのポリイミド樹
脂原料組成物の溶液を反応させてポリアミド酸プレポリ
マーの溶液とした段階、又はこのポリアミド酸プレポリ
マーの溶液をさらに反応させてポリイミドプレポリマー
の溶液とした段階、若しくはこれらのうちの2種以上の
混合物の状態でコーティング材とし、基材上に塗布して
硬化させることを特徴とするポリイミド樹脂コーティン
グ被膜の形成方法。
【0010】()前記ジアミン化合物がジアミノジフ
ェニルメタンである前記()のポリイミド樹脂コーテ
ィング被膜の形成方法。 ()コーティング材を塗布した被膜を最高温度が20
0〜350℃となるような温度で硬化させることを特徴
とする前記()又は()のポリイミド樹脂コーティ
ング被膜の形成方法。
【0011】()テトラカルボン酸無水物及び/又は
テトラカルボン酸ジエステル化合物、ジアミン化合物並
びにエキソ−3,6−エポキシ−1,2,3,6−テト
ラヒドロフタル酸無水物及び/又はエキソ−3,6−エ
ポキシ−1,2,3,6−テトラヒドロフタル酸モノエ
ステル化合物からなる高耐熱性、高耐食性付加型ポリイ
ミド樹脂原料組成物を溶剤に溶解させた状態、又はこの
ポリイミド樹脂原料組成物の溶液を反応させてポリアミ
ド酸プレポリマーの溶液とした段階、又はこのポリアミ
ド酸プレポリマーの溶液をさらに反応させてポリイミド
プレポリマーの溶液とした段階、若しくはこれらのうち
の2種以上の混合物の状態で顔料を添加、混合すること
を特徴とするポリイミド樹脂塗料の製造方法。 ()前記ジアミン化合物がジアミノジフェニルメタン
である前記()のポリイミド樹脂塗料の製造方法。 ()前記()又は()のポリイミド樹脂塗料を塗
布した後、最高温度が200〜350℃となるような温
度で硬化させることを特徴とするポリイミド樹脂塗装被
膜の形成方法。
【0012】本発明におけるテトラカルボン酸無水物
はテトラカルボン酸ジエステル化合物としては次の化学
式(A)で表されるものが使用できる。
【化1】 式(A)中、R1 は水素又は炭素数1ないし8の1価の
有機基であり、その内部に−O−、−S−、−SO−、
−SO2 −、−(CO)−を単独もしくは複数同時に含
んでも良く、その水素原子の一部又は全部がハロゲン原
子又は低級アルキル基で置換されていても良い。また、
Xは炭素環式環状構造及び/又は複素環式環状構造を有
する炭素数3ないし30の4価の有機基であり、内部に
−O−、−S−、−SO−、−SO2 −、−(CO)
−、−CH2 −を単独もしくは複数同時に含んでも良
く、その水素原子の一部又は全部がハロゲン原子又は低
級アルキル基で置換されていても良い。
【0013】具体的にはR1 としては、水素;メチル
基、エチル基、プロピル基、ブチル基などの直鎖低分子
アルキル基;イソプロピル基、第2ブチル基、第3ブチ
ル基、イソアミル基、ネオペンチル基、2−エチルヘキ
シル基などの分岐低分子アルキル基;フェニル基に代表
される芳香族基;複素環基などが挙げられ、また、それ
らの水素原子の一部又は全部がフッ素、塩素、臭素、沃
素などのハロゲン原子又は低級アルキル基で置換されて
いてもよい。
【0014】また、Xとしては炭素環式環状構造及び/
又は複素環式環状構造を有する炭素数3ないし30の4
価の有機基であればよいが、好ましい例としては式(X
1)で表される1,2,4,5−又は1,2,3,4−
置換体などのベンゼンの4置換体、式(X2)で表され
る3,4,3′,4′−又は3,5,3′,5′−置換
体などのジフェニルメタンの4置換体、式(X3)で表
される3,4,3′,4′−又は3,5,3′,5′−
置換体などのジフェニルサルファイドの4置換体、式
(X4)で表される3,4,3′,4′−又は3,5,
3′,5′−置換体などのジフェニルスルホキシドの4
置換体、式(X5)で表される3,4,3′,4′−又
は3,5,3′,5′−置換体などのジフェニルスルフ
ォンの4置換体、式(X6)で表される3,4,3′,
4′−又は3,5,3′,5′−置換体などのジフェニ
ルエーテルの4置換体、式(X7)で表される3,4,
3′,4′−又は3,5,3′,5′−置換体などのベ
ンゾフェノンの4置換体などを挙げることができる。ま
た、この他にもナフチレン基、アントラセニル基、ビフ
ェニル基などの炭素環式有機基4置換体;ピリジン基、
カルバゾール基等の複素環式有機基4置換体などが挙げ
られ、それらの水素原子の一部又は全部がフッ素、塩
素、臭素、沃素などのハロゲン原子又は低級アルキル基
で置換されている形も挙げられる。中でも前記式(X
2)〜式(X7)で表される有機基の3,4,3′,
4′−置換体が好ましい。
【0015】
【化2】
【0016】本発明におけるジアミン化合物としては次
の式(B)で表されるものが使用できる。
【化3】 式(B)中、Yは炭素数1ないし30の2価の有機基で
あり、内部に炭素環式環状構造及び/又は複素環式環状
構造、−O−、−S−、−SO−、−SO2 −、−(C
O)−、−CH2 −を単独もしくは複数同時に含んでい
てもよく、その水素原子の一部又は全部がハロゲン原子
又は低級アルキル基で置換されていてもよい。
【0017】Yの具体例としてはメチレン基、エチレン
基、プロピレン基、ブチレン基などの直鎖アルキレン
基;1,2−プロピレン基、2−メチル−1,2プロピ
レン基などの側鎖を持った分岐アルキル基;フェニレン
基、トルイレン基などの芳香族アルキレン基;ナフチレ
ン基、アントラセニル基、ビフェニル基などの炭素多環
式有機基2置換体;ピリジン基、ヒドラジン基、カルバ
ール基などの複素環式有機基2置換体;−O−で表され
るエーテル基、−S−で表されるサルファド基、−SO
−で表されるスルホキシド基、−SO2 −で表されるス
ルフォニル基、−(CO)−で表されるカルボニル基、
−CH2 −で表されるメチレン基などを単独もしくは2
種類以上含む置換基が挙げられ、また、それらの水素原
子の一部又は全部がフッ素、塩素、臭素、沃素などのハ
ロゲン原子又は低級アルキル基で置換されていてもよ
い。
【0018】また、本発明に係るポリイミド樹脂におい
て、末端封止剤として使用されるエキソ−3,6−エポ
キシ−1,2,3,6−テトラヒドロフタル酸無水物又
はエキソ−3,6−エポキシ−1,2,3,6−テトラ
ヒドロフタル酸モノエステル化合物は次の式(C)で表
されるものである。
【化4】 式(C)中、R2 は水素又は炭素数1ないし8の1価の
有機基であり、その内部に−O−、−S−、−SO−、
−SO2 −、−(CO)−を単独もしくは複数同時に含
んでもよく、その水素原子の一部又は全部がハロゲン原
子又は低級アルキル基で置換されていてもよい。
【0019】そして前記の式(A)、(B)及び(C)
の化合物から合成されるプレポリマーは、まず最初の過
程で式(D)で表されるポリアミド酸プレポリマーとな
り、さらに反応が進んで式(E)で表されるポリイミド
プレポリマーとなる。
【化5】 式(D)及び式(E)中、nは重合度を表し、n≦5、
のぞましくはn=1.5ないし3.5の範囲である。ま
た、R1 及びR2 はそれぞれ前記と同じ基を表す。nは
この範囲内で小さい方が架橋密度が増加し、耐熱性が向
上するが、架橋密度の増加は樹脂を堅く脆くするので、
用途に応じて適宜設定する。
【0020】本発明者らは、PMR−15のポストキュ
ア時の揮発分(シクロペンタジエン)発生が末端封止剤
部分の熱分解によることと、付加反応型ポリイミドプレ
ポリマーのプレキュア温度は末端封止剤の開環付加反応
開始温度によって決まることに着目して、ポリイミドの
優れた耐熱性を低下させることなく、且つポストキュア
時において熱分解生成物が発生せず、且つ220℃程度
の低温で開環付反応を開始する化合物について鋭意研究
した結果、エキソ−3,6−エポキシ−1,2,3,6
−テトラヒドロフタル酸無水物が末端封止剤として優れ
ていることを見出し、前記式(A)、(B)及び(C)
に示される化合物よりなる組成物と溶剤を用いて高耐熱
性繊維強化樹脂複合材料、コーティング材料、塗料に利
用できる付加型ポリイミドプレポリマーが得られること
を見出した。
【0021】さらに、末端封止剤としてエキソ−3,6
−エポキシ−1,2,3,6−テトラヒドロフタル酸無
水物を使用することにより、ポリイミド樹脂の耐食性も
改善され、ルイス酸、ルイス塩基、特に溶融金属塩など
の非水系ルイス酸、ルイス塩基に対しても高い耐食性を
示すことがわかった。
【0022】また、吸湿状態で高強度を発揮する化合物
について鋭意研究した結果、前述の組成においてジアミ
ン化合物(B)がジアミノジフェニルメタンである場
合、つまりテトラカルボン酸無水物及び/又はテトラカ
ルボン酸ジエステル化合物、ジアミノジフェニルメタ
ン、エキソ−3,6−エポキシ−1,2,3,6−テト
ラヒドロフタル酸無水物及び/又はエキソ−3,6−エ
ポキシ−1,2,3,6−テトラヒドロフタル酸モノエ
ステル化合物からなる組成物である場合に、前記特長に
加えて吸湿状態での強度が優れたものが得られることを
見出し、かかる組成物と溶剤を用いて高耐熱性で且つ吸
湿状態でも高強度を発揮する繊維強化複合材料を成形で
きる付加型ポリイミドプレポリマー含有組成物を得た。
【0023】本発明において用いられる式(A)、
(B)及び,(C)に示される化合物からなる組成物あ
るいは式(D)又は(E)に示されるプレポリマーを溶
解する溶剤、あるいはコーティング材や塗料とする場合
の溶剤としては、例えばメタノール、エタノール、プロ
パノールなどの炭化水素系アルコール類;ジメチルスル
ホキシド、ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピ
ロリドンなどの極性物質;トルエン、キシレン、ベンゼ
ン等の芳香族系炭化水素類;メチルセロソルブ、エチル
セロソルブ、セロソルブアセテートなどのセルソルブ系
炭化水素類;メチルエチルケトン、アセトン、シクロヘ
キサノン、メチルイソブチルケトン等のケトン系炭化水
素類;メチレンクロライド、エチレンクロライド、テト
ラクロロエタン、トリクロロエチレン、トリクロロエタ
ン等の塩素系炭化水素類;テトラヒドロフラン、ジオキ
サン等のフラン系炭化水素類など、あるいはこれらの混
合物が挙げられるが、式(A)の化合物を構成する分
子、特にR1 ,R2 で表されるエステル部分と親和性の
良い系統を選び、重合度nによって、溶剤を選択するの
が望ましい。
【0024】本発明においてポリイミド樹脂原料組成
物、ポリアミド酸プレポリマー含有組成物、ポリイミド
プレポリマー含有組成物を塗料とする際に添加する顔料
としては酸化チタン、酸化鉄(III)、炭化珪素など
が使用できる。また、顔料の添加量は体積分率で30〜
60%程度とするのが好ましい。
【0025】本発明に係る付加型ポリイミド組成物から
なる成形品、特に高耐熱性、高耐食性及び低温での易成
形性を発現させた良好な繊維強化樹脂複合材、コーティ
ング被膜、塗膜を得るためには、本樹脂組成物の特長を
つかんだ樹脂硬化方法が重要である。よってPMR−1
5を比較例に取りながら本発明に係る樹脂(以下、単に
本発明樹脂とも記載する)の特長を説明し、後にこの硬
化方法に関して繊維強化樹脂複合材の成形法を例に挙げ
説明する。ただし、記載される硬化温度等は繊維強化樹
脂複合材の成形に限るものではない。
【0026】まず本発明樹脂の硬化反応の特長である
が、室温から温度を上げて硬化を開始させると、最初の
反応過程であるアミド化反応においては両樹脂とも反応
温度領域に大きな差はなく約200℃までには反応が終
了する。ただし、この際、本発明樹脂においては一部末
端封止剤が分解し、フランが揮発分として発生するが、
PMR−15においては末端封止剤の分解による揮発分
はほとんど発生しない。
【0027】次に付加反応の開始温度であるが、本発明
樹脂では約200℃以上で末端封止剤の部分の付加反応
が開始するが、一方、PMR−15の付加反応開始温度
は約280℃とかなり高温である。さらに本発明樹脂で
は付加反応時に末端封止剤の分解による揮発分はほとん
ど発生しないのに対し、PMR−15は付加反応時に末
端封止剤が分解しシクロペンタジエンが発生する。この
ことから本発明樹脂とPMR−15では揮発分の発生時
期と付加反応温度が異なっていることが明らかである。
この違いにより本発明樹脂は低温で硬化させることがで
き、かつ硬化前に揮発分が発生するだけで、硬化時には
揮発分が発生しないため成形品にボイド、クラック、剥
離等が発生しないという特長を持ち、成形が容易である
のに対し、PMR−15においては高温硬化と硬化時の
揮発分発生によりボイド、クラック、剥離等が発生し易
いため成形が困難となる。
【0028】よって例えば本発明樹脂を用いて繊維強化
樹脂複合材を成形する場合又は塗料、接着剤、基盤及び
封止材等の電子部品、ワニス、耐食コーティング膜等を
成形する場合、前述の本発明樹脂の特長を考慮してまず
成形に使用した溶媒と発生副生成物と末端封止剤の一部
の熱分解による揮発分(フラン)を200℃以下で揮発
させ、しかる後に繊維強化複合材であれば200℃ない
し300℃例えば220℃にてプレキュアを行い、ま
た、その他の成形品であれば200℃ないし300℃で
硬化させる。その後、熱応力ないし歪みの開放と付加反
応の促進、耐熱性向上のため、260℃(ただしプレキ
ュアの温度以上、その他の成形品であれば硬化温度以
上)ないし380℃例えば350℃にてポストキュア
(後硬化)を行う。もちろんこの際、熱分解性揮発分に
よるボイド、クラック、剥離等は発生しない。一方、P
MR−15を用いて繊維強化複合材を成形する場合、ま
ず成形に使用した溶剤と反応副生成物を200℃以下で
揮発させ、しかる後に270℃ないし320℃例えば2
90℃にてプレキュアを行い、その後熱応力ないし歪み
の開放と耐熱性向上のため、プレキュアの温度以上ない
し380℃例えば350℃にてポストキュアを行う。し
かしこのポストキュアの際、末端封止剤の一部が熱分解
して揮発分(シクロペンタジエン)が発生するため、ボ
イド、クラック、剥離等が発生しやすい。また、本発
脂をコーティング被膜の形成、塗料の形での塗膜形成
に用いる場合には樹脂が硬化する下限の温度である20
0℃以上から硬化が飽和する最高温度の350℃までの
温度範囲で、使用条件に応じて選択した温度で加熱硬化
させる。すなわち、この温度範囲内で、低温で予め硬化
させておき使用時の温度で更に硬化させてもよい場合に
は低い温度で、予め高い温度で硬化させておくのが使用
条件として有利な場合には高い温度で加熱するのが好ま
しい。
【0029】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施の形態について
説明するが、プレポリマーの形態は成形品の形状や成形
方法等によって任意に選択することができる。すなわ
ち、ポリイミド単独もしくはチョップドファイバーなど
を充填して成形品を作る場合などは、ポリイミドプレポ
リマーの状態で使用するのが望ましい。しかし、繊維強
化樹脂複合材料用のマトリクス樹脂として使用する場合
には、ポリイミドプレポリマーの状態で含浸させること
もできるが、強化繊維への樹脂の含浸性の点からは、ポ
リイミドプレポリマーの前駆体であるポリアミド酸プレ
ポリマーの状態で使用する方がより有利であり、同様に
コーティング材として使用する場合や顔料を混ぜて塗料
として用いる場合にもこの状態で使用する方が有利であ
る。さらに含浸性の点では、原料モノマーのうち一般式
(A)の無水物と一般式(C)の末端封止剤であるエキ
ソ−3,6−エポキシ−1,2,3,6−テトラヒドロ
フタル酸無水物をモノエステル化し、これらと一般式
(B)の化合物を例えばアルコール等の低沸点溶媒に溶
解させてモノマーの状態で繊維に含浸させ、必要に応じ
て繊維上でポリアミド酸プレポリマー、場合によっては
さらにポリイミドプレポリマーに転化させて成形用中間
素材を作る方法又はポリアミド酸プレポリマーをアルコ
ール等の低沸点溶媒に溶解させてかかる溶液を繊維に含
浸させて成形用中間素材を作る方法が極めて有効であ
る。
【0030】なお、反応条件によっては原料モノマー、
ポリアミド酸プレポリマー、ポリイミドプレポリマー等
が共存した状態で得られるが、このような反応混合物の
状態あるいはこれらを適宜配合した混合物の形で使用す
ることもできる。
【0031】プリプレグの重合方法、プレポリマーの状
態(すなわちモノマーの状態か、アミド酸の状態か、イ
ミドの状態か)の選択は中間素材の成形方法や中間素材
に対する要求仕様に合わせて任意に選択することが可能
である。本発明の実施にあたっては、これらの方法に関
して特に制限されるものではない。
【0032】また、本発明に係るポリイミド樹脂を用い
た繊維強化樹脂複合材は、強化繊維として炭素繊維、ガ
ラス繊維、各種有機繊維など通常の繊維強化樹脂複合材
料の強化繊維として使用されているものはいずれの繊維
も使用することができるし、繊維の形態も一方向に揃え
たもの及び織物及び編み物などいかなる形態のものであ
っても差し支えない。さらに炭素繊維とガラス繊維ある
いは炭素繊維とこれらのハイブリットでも良く、特に制
限されるものではない。
【0033】上記のような付加型ポリイミド樹脂原料組
成物、プレポリマー含有組成物、成形物及びかかる樹脂
硬化方法は、繊維強化樹脂複合材料に限るものではな
く、高耐熱性で高耐食性の樹脂、特に高温でかつ吸湿状
態での強度を必要とする高耐熱性、高耐食性樹脂、接着
剤、塗料用樹脂成分、基板や封止材等の電子部品、絶縁
ワニス、耐食構造材料、耐食コーティング膜等にも有用
なものである。
【0034】
【実施例】以下、本発明樹脂の原料組成物、プレポリマ
ー含有組成物を繊維強化樹脂複合材料に適用した参考例
及び比較例とコーティング材及び塗料に適用した実施例
を示し、本発明をさらに具体的に説明する。 (参考例1) 1リットルフラスコに、ベンゾフェノンテトラカルボン
酸二無水物50.00gとメタノール69.89gを投
入し、90℃に保持したウォーターバス中で還流しなが
ら攪拌した。攪拌開始後10分で固体は消失し、3時間
後に室温まで温度を下げて、ベンゾフェノンテトラカル
ボン酸ジメチルエステル(A1)の50wt%メタノー
ル溶液を得た(工程I)。
【0035】同様に1リットルフラスコに、エキソ−
3,6−エポキシ−1,2,3,6−テトラヒドロフタ
ル酸無水物24.00gとメタノール33.26gを投
入し、90℃に保持したウォーターバス中で還流しなが
ら攪拌した。攪拌開始後90分で固体は消失し、3時間
後に室温まで温度を下げて、エキソ−3,6−エポキシ
−1,2,3,6−テトラヒドロフタル酸モノメチルエ
ステル(C1)の50wt%メタノール溶液を得た(工
程II)。
【0036】式(B)のジアミン化合物としてジアミノ
ジフェニルメタン(B1)を使用し、(A1):(B
1):(C1)のモル比が2.087:3.087:
2.000となるようA1の50wt%メタノール溶液
88.86g、B1の化合物33.73g、C1の50
wt%メタノール溶液43.68g及びメタノール3
3.73gを配合し、プリプレグ用付加型ポリイミド樹
脂原料組成物50wt%メタール溶液を調製した(工程
III)。
【0037】レジンコンテントが35wt%となるよう
に前記工程IIIで得たプリプレグ用付加型ポリイミド
樹脂原料組成物50wt%メタノール溶液を180×1
50mmの Fiberite 社製W−2447(炭素繊維:He
rcules AS−4(1.8g/cm3 )クロス材)に均
一になるよう滴下し、常温で24時間乾燥させ、溶媒メ
タノール分を揮発させて、残存溶媒1%以下のプリプレ
グとした(工程IV)。
【0038】このようにして作製したプリプレグを6プ
ライ全て0°方向で積み重ねホットプレスを用いてプレ
キュア成形した。成形時の積層板挿入状態を図1に示
す。成形時の条件は次のとおりである。すなわち、50
℃から199℃までを昇温速度0.5℃/minで昇温
した。199℃で10分間温度を保持し、このとき昇圧
速度1.4kgf/(cm2 ・min)で圧力が14k
gf/cm2 になるまで昇圧した。圧力を14kgf/
cm2 に保持し、温度を199℃からプレキュア温度2
18℃まで昇温速度1℃/minで昇温し、さらにプレ
キュア温度218℃で90分保持した。その後、自然放
冷して温度が60℃になった時点で減圧して0kgf/
cm2 とし、温度が室温になった時点で積層板を取り出
した(工程V)。プレキュア成形時の昇温パターンモデ
ルを図2に、成形条件を他の参考例のものと併せて表1
に示す。
【0039】
【表1】
【0040】プレキュアの終了した積層板をオーブンに
いれポストキュアを行った。ポストキュアは無拘束の状
態で行い、まず室温から110℃までを昇温速度1℃/
minで昇温し110℃で3時間温度を保持、その後1
10℃から267℃までを昇温速度0.25℃/min
で昇温し267℃で1時間温度保持した後267℃から
347℃までを昇温速度0.1℃/minで昇温し、3
47℃で12時間温度保持、その後自然放冷にて室温ま
で温度を下げてサンプルを取り出し、繊維強化複合材を
得た(工程VI)。ポストキュア時の昇温パターンモデ
ルを図3に、ポストキュア条件を他の参考例のものと併
せて表1に示す。
【0041】(参考例2)参考 例1の工程IIIと同様にしてA1、B1及びC1
を含むプリプレグ用付加型ポリイミド樹脂原料組成物5
0wt%メタノール溶液を調製し、これを90℃に保持
したウォーターバス中で還流しながら5時間攪拌してポ
リアミド酸プレポリマー及びポリイミドプレポリマーの
メタノール溶液(ポリアミド酸プレポリマーとポリイミ
ドプレポリマーの混合溶液)とした。
【0042】プリプレグ用付加型ポリイミド樹脂原料組
成物50wt%メタノール溶液のかわりにポリアミド酸
プレポリマー及びポリイミドプレポリマーのメタノール
溶液を用いた他は参考例1の工程IVと同様の方法でプ
リプレグを作製し、これを8プライ全て0°方向で積み
重ねホットプレスを用いてプレキュア成形した(図1参
照)。成形は50℃から210℃までを昇温速度0.5
℃/minで昇温した。210℃で10分間温度を保持
し、このとき昇圧速度1.4kgf/(cm2・mi
n)で圧力が14kgf/cm2 になるまで昇圧した。
圧力を14kgf/cm2 に保持し、温度を210℃か
らプレキュア温度290℃までを昇温速度1℃/min
で昇温し、さらにプレキュア温度290℃で60分間保
持した。その後自然放冷して温度が60℃になった時点
で減圧して0kgf/cm2 にし、温度が室温になった
時点で積層板を取り出した。プレキュア成形時の昇温パ
ターンモデルを図2に、成形条件を表1に示す。
【0043】次にプレキュアの終了した積層板をオーブ
ンにいれポストキュアを行った。ポストキュアは無拘束
の状態で行い、まず室温から110℃までを昇温速度1
℃/minで昇温し110℃で3時間温度を保持、その
後110℃から210℃までを昇温速度0.25℃/m
inで昇温し210℃で1時間温度保持、その後210
℃から350℃までを昇温速度0.1℃/minで昇温
し350℃で12時間温度保持、その後自然放冷にて室
温まで温度を下げてサンプルを取り出し、繊維強化複合
材を得た。ポストキュア時の昇温パターンモデルを図3
に、ポストキュア条件を表1に示す。
【0044】(参考例3)参考 例1の工程I,IIと同様の方法でA1の50wt
%メタノール溶液とC1の50wt%メタノール溶液を
得た。式(B)のジアミン化合物として2,6−ジアミ
ノピリジン(B2)を使用し、(A1):(B2):
(C1)のモル比が2.087:3.087:2.00
0となるようA1の50wt%メタノール溶液88.8
6g、B2の化合物18.56g、C1の50wt%メ
タノール溶液43.68g及びメタノール18.56g
を配合し、プリプレグ用付加型ポリイミド樹脂原料組成
物50wt%メタノール溶液を調製し、これを90℃に
保持したウォーターバス中で還流しながら5時間攪拌し
てポリアミド酸プレポリマー及びポリイミドプレポリマ
ーのメタノール溶液とした。参考例2と同様にポリアミ
ド酸プレポリマー及びポリイミドプレポリマーのメタノ
ール溶液を用いてプリプレグを作製し、参考例2と同様
の方法及び昇温パターンで、表1の条件で成形しプレキ
ュアを終了した積層板を得た。さらに、参考例2と同様
の昇温パターンで繊維強化樹脂複合材を得た。
【0045】(参考例4)参考 例1の工程I、IIと同様の方法でA1の50wt
%メタノール溶液とC1の50wt%メタノール溶液を
得た。式(B)のジアミン化合物として1,5−ナフタ
レンジアミン(B3)を使用し、(A1):(B3):
(C1)のモル比が2.087:3.087:2.00
0となるようA1の50wt%メタノール溶液88.8
6g、B3の化合物26.91g、C1の50wt%メ
タノール溶液43.68g及びメタノール26.91g
を配合し、プリプレグ用付加型ポリイミド樹脂原料組成
物50wt%メタノール溶液を調製し、これを90℃に
保持したウォーターバス中で還流しながら5時間攪拌し
てポリアミド酸プレポリマー及びポリイミドプレポリマ
ーのメタノール溶液とした。参考例2と同様にポリアミ
ド酸プレポリマー及びポリイミドプレポリマーのメタノ
ール溶液を用いてプリプレグを作製し、成形についても
参考例2と同様の方法及び昇温パターンで表1の条件に
より実施し、プレキュアを終了した積層板を得た。さら
に、参考例2と同様の昇温パターンで表1の条件により
繊維強化樹脂複合材を得た。
【0046】(参考例5) 1リットルフラスコにベンゾフェノンテトラカルボン酸
二無水物420.00gとメタノール503.52gを
投入し、参考例1の工程Iと同様の方法でA1の50w
t%メタノール溶液を得た。同様に1リットルフラスコ
に、エキソ−3,6−エポキシ−1,2,3,6−テト
ラヒドロフタル酸無水物200.00gとメタノール2
38.57gを投入し、参考例1と同様の方法でC1の
50wt%メタノール溶液を得た。(A1):(B
1):(C1)のモル比が2.087:3.087:
2.000となるようA1の50wt%メタノール溶液
888.59g、B1の化合物337.29g、C1の
50wt%メタノール溶液436.82g及びメタノー
ル337.29gを配合し、プリプレグ用付加型ポリイ
ミド樹脂原料組成物50wt%メタール溶液を調製し、
これを90℃に保持したウォーターバス中で還流しなが
ら5時間攪拌してポリアミド酸プレポリマー及びポリイ
ミドプレポリマーのメタノール溶液とした。
【0047】参考例2と同様にポリアミド酸プレポリマ
ー及びポリイミドプレポリマーのメタノール溶液を用い
て300×300mmのプリプレグを作製し、これを等
方性になるように0°と±45°と90°の方向に50
プライ積み重ねホットプレスを用いてプレキュアを成形
した。成形時の積層板挿入状態を図1に示す。成形は5
0℃から210℃までを昇温速度0.5℃/minで昇
温した。210℃で60分間温度を保持し、さらに10
分間温度を保持したまま昇圧速度1.4kgf/(cm
2 ・min)で圧力が14kgf/cm2 になるまで昇
圧した。圧力を14kgf/cm2 に保持し、温度を加
圧温度210℃からプレキュア温度290℃までを昇温
速度1℃/minで昇温し、さらにプレキュア温度29
0℃で60分間保持した。その後、自然放冷して温度が
60℃になった時点で減圧して圧力を0kgf/cm2
にし、温度が室温になった時点で積層板を取り出した。
プレキュア条件を表1に示す。
【0048】次にプレキュアを行った積層板をオーブン
もいれポストキュアした。ポストキュアは無拘束の状態
で行い、まず室温から110℃までを昇温速度1℃/m
inで昇温し110℃で3時間温度を保持、その後11
0℃から210℃までを昇温速度0.25℃/minで
昇温し210℃で1時間温度保持、その後210℃から
350℃までを昇温速度0.1℃/minで昇温し35
0℃で12時間温度保持、その後自然放冷にて室温まで
温度を下げてサンプルを取り出し、厚肉の繊維強化樹脂
複合材を得た。ポストキュア時の昇温パターンを図3
に、ポストキュア条件を表1に示す。
【0049】(実施例参考 例1の工程IIIと同様にしてA1、B1及びC1
を含む付加型ポリイミド樹脂原料組成物50wt%メタ
ノール溶液を調製し、これを90℃に保持したウォータ
ーバス中で還流しながら5時間攪拌してポリアミド酸プ
レポリマー及びポリイミドプレポリマーのメタノール溶
液(ポリアミド酸プレポリマーとポリイミドプレポリマ
ーの混合溶液)とした。この溶液をステンレス板にコー
ティングし、常温で24時間乾燥させて溶媒のメタノー
ルを揮発させた(残存溶媒1%以下)。次いでコーティ
ング被膜を形成させたステンレス板を加熱し、コーティ
ング被膜を硬化させた。加熱条件は50℃から210℃
までを0.5℃/minの昇温速度で昇温し、210℃
から267℃までを0.25℃/minの昇温速度で昇
温し267℃で1時間温度保持、その後267℃から3
50℃までを昇温速度0.1℃/minで昇温し350
℃で12時間温度保持、その後自然放冷にて室温まで温
度を下げてサンプルを取り出し、被膜の厚み30μmの
コーティング被膜の試料を得た。
【0050】(実施例) 実施例と同様に操作してポリアミド酸プレポリマー及
びポリイミドプレポリマーのメタノール溶液(ポリアミ
ド酸プレポリマーとポリイミドプレポリマーの混合溶
液)を得た。この50wt%メタノール溶液100gに
顔料としてルチル型酸化チタン(1600メッシュ)を
30体積%になるよう調製して添加、混合した後、ステ
ンレス板に塗布し、常温で24時間乾燥させて溶媒のメ
タノールを揮発させた(残存溶媒1%以下)。次いで塗
装被膜を形成させたステンレス板を加熱し、塗装被膜を
硬化させた。加熱条件は50℃から210℃までを0.
5℃/minの昇温速度で昇温し、210℃から267
℃までを0.25℃/minの昇温速度で昇温し267
℃で1時間温度保持、その後267℃から350℃まで
を昇温速度0.1℃/minで昇温し350℃で12時
間温度保持、その後自然放冷にて室温まで温度を下げて
サンプルを取り出し、被膜の厚み30μmの塗装被膜の
試料を得た。
【0051】実施例のコーティング被膜及び実施例
の塗装被膜はいずれも良好な密着性を示し(2mm平方
の碁盤目100個によるテープ剥離試験で100/10
0、すなわち剥離なし)、ガラス転移温度も360℃以
上で良好な耐熱性を有していた。
【0052】(比較例1)参考 例1の工程IないしVと同様の方法でプレキュアの
終了した積層板を得た。プレキュアの終了した積層板を
オーブンにいれポストキュアを行った。ポストキュアは
無拘束の状態で行い、まず室温から110℃までを昇温
速度1℃/minで昇温し110℃にいたったら3時間
温度を保持、その後110℃から203℃までを昇温速
度0.25℃/minで昇温し203℃にいたったら1
時間温度保持、その後203℃から243℃までを昇温
速度0.1℃/minで昇温し243℃にいたったら1
2時間温度保持、その後自然放冷にて室温まで温度を下
げてサンプルを取り出し、繊維強化複合材を得た(図
3、表1参照)。
【0053】(比較例2:PMR−15)参考 例1の工程Iと同様の方法にてA1の50wt%メ
タノール溶液を得た。同様に1リットルフラスコに、5
−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物24.0
0gとメタノール33.37gを投入し、90℃に保持
したウォーターバス中で還流しながら攪拌した。攪拌開
始後90分で固体は消失し、3時間後に室温まで温度を
下げて、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸モノ
メチルエステルの50wt%メタノール溶液を得た。P
MR−15の組成であるA1:B1:5−ノルボルネン
−2,3−ジカルボン酸モノメチルエステルのモル比が
2.087:3.087:2.000となるようA1の
50wt%メタノール溶液89.05g、B1の化合物
33.80g、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン
酸モノメチルエステルの50wt%メタノール溶液4
3.34g及びメタノール33.80gを配合し、PM
R−15原料組成物50wt%メタノール溶液を調製し
た。ポリイミド組成物の溶液としてPMR−15原料組
成物50wt%メタノール溶液を用いる他は参考例1と
同様にしてプリプレグを作製し、成形についても参考
1と同様の方法にて行いプレキュアを終了し積層板を得
た(図2、表1参照)。参考例1と同様にして繊維強化
複合材を得た(図3、表1参照)。
【0054】(比較例3:PMR−15) 比較例2と同様の方法にてPMR−15原料組成物50
wt%メタノール溶液を調製し、これを90℃に保持し
たウォーターバス中で還流しながら5時間攪拌してポリ
アミド酸プレポリマー及びポリイミドプレポリマーのメ
タノール溶液とした。参考例2と同様にポリアミド酸プ
レポリマー及びポリイミドプレポリマーのメタノール溶
液を用いてプリプレグを作製した。このプリプレグ8プ
ライを全て0°方向で積み重ねホットプレスを用いてプ
レキュアを成形した(図1参照)。成形は50℃から2
45℃までを昇温速度0.5℃/minで昇温した。2
45℃にいたったら10分間温度を保持し、このとき昇
圧速度1.4kgf/(cm2・min)で圧力が14
kgf/cm2 になるまで昇圧した。圧力が14kgf
/cm2 にいたったらこれを保持し、温度を245℃か
らプレキュア温度290℃までを昇温速度1℃/min
で昇温し、さらにプレキュア温度290℃にいたったら
これを60分間保持した。その後、自然放冷して温度が
60℃にいたった時点で減圧して圧力を0kgf/cm
2 にし、温度が室温にいたったら積層板を取り出した
(図2、表1参照)。
【0055】プレキュアを終了した積層板をオーブンに
いれポストキュアを行った。ポストキュアは無拘束の状
態で行い、まず室温から110℃までを昇温速度1℃/
minで昇温し110℃にいたったら3時間温度を保
持、その後110℃から267℃までを昇温速度0.2
5℃/minで昇温し267℃にいたったら1時間温度
保持、その後267℃から350℃までを昇温速度0.
1℃/minで昇温し350℃にいたったら12時間温
度保持、その後自然放冷にて室温まで温度を下げてサン
プルを取り出し、繊維強化複合材を得た(図3、表1参
照)。
【0056】(比較例4)参考 例1の工程Iと同様の方法にてA1の50wt%メ
タノール溶液を得た。同様に1リットルフラスコに、マ
レイン酸無水物24.00gとメタノール39.68g
を投入し、90℃に保持したウォーターバス中で還流し
ながら攪拌した。攪拌開始後30分で固体は消失し、3
時間後に室温まで温度を下げて、マレイン酸モノメチル
エステルの50wt%メタノール溶液を得た。A1:B
1:マレイン酸モノメチルエステルのモル比が2.08
7:3.087:2.000となるようA1の50wt
%メタノール溶液89.05g、B1の化合物33.8
0g、マレイン酸モノメチルエステルの50wt%メタ
ノール溶液28.49g及びメタノール33.80gを
配合し、ポリイミド原料組成物50wt%メタノール溶
液を調製した。この溶液を90℃に保持したウォーター
バス中で還流しながら5時間攪拌してポリアミド酸プレ
ポリマー及びポリイミドプレポリマーのメタノール溶液
とした。参考例2と同様にポリアミド酸プレポリマー及
びポリイミドプレポリマーのメタノール溶液を用いてプ
リプレグを作製した。このプリプレグ8プライを全て0
°方向で積み重ねホットプレスを用いてプレキュアを成
形した(図1参照)。成形は50℃から210℃までを
昇温速度0.5℃/minで昇温した。210℃にいた
ったら10分間温度を保持し、このとき昇圧速度1.4
kgf/(cm2・min)で圧力が14kgf/cm
2 になるまで昇圧した。圧力が14kgf/cm2 にい
たったらこれを保持し、温度を210℃からプレキュア
温度250℃までを昇温速度1℃/minで昇温し、さ
らにプレキュア温度250℃にいたったらこれを60分
間保持した。その後、自然放冷して温度が60℃にいた
った時点で減圧して圧力を0kgf/cm2 にし、温度
が室温にいたったら積層板を取り出した(図2、表1参
照)。
【0057】プレキュアを終了した積層板をオーブンに
いれポストキュアを行った。ポストキュアは無拘束の状
態で行い、まず室温から110℃までを昇温速度1℃/
minで昇温し110℃にいたったら3時間温度を保
持、その後110℃から267℃までを昇温速度0.2
5℃/minで昇温し267℃にいたったら1時間温度
保持、その後267℃から300℃までを昇温速度0.
1℃/minで昇温し300℃にいたったら12時間温
度保持、その後自然放冷にて室温まで温度を下げてサン
プルを取り出し、繊維強化複合材を得た(図3、表1参
照)。
【0058】(実施例参考 例1〜4及び比較例3〜4で得られた繊維強化複合
材の試料、実施例で得たコーティング被膜の試料、実
施例で得た塗装被膜の試料を使用して耐食性評価試験
を行った。試験方法は各試料をそれぞれ金属Al3+、配
位子Cl- の環境(環境1)、金属Ag+ 、配位子Cl
- の環境(環境2)、金属Ag+ 、配位子CN- の環境
(環境3)、金属Hg+ 、配位子Br- の環境(環境
4)の環境(溶融塩の状態)に浸漬し、試料の状態の変
化を観察した。結果を表5に示す。なお、耐食性は浸漬
前の状態を保持できる期間によって評価し、表5におい
て◎は1か月以上状態保持、○は約1か月状態保持、△
は数日間状態保持、×は数時間状態保持できたことを示
す。
【0059】以上の実施例、参考例、比較例の結果から
次のことがいえる。 (1)易成形性(成形温度) 易成形性(成形温度)の評価としては参考例1と比較例
1又は比較例2の結果を比較すると明らかであり、その
結果を表2に示す。参考例1と比較例1では260℃を
境にポストキュア温度が異なっている。本発明樹脂は付
加反応温度領域が広範囲である特長を持つが、動的粘弾
性特性試験の結果、比較例1ではガラス転移温度を示す
tanδのピークが2つ存在(図4参照)していること
から、樹脂の硬化が完全な状態にないことを示してい
る。よって本発明樹脂の硬化に際しては温度と時間の制
御が重要であることがこれらの比較から明らかである。
参考例1と比較例2(PMR−15)との比較から、比
較例2(PMR−15)に本発明樹脂と同様の成形温度
(ポストキュア温度)を適用しても良好な成形品を得ら
れないことがわかる。この結果により、本発明樹脂の低
温硬化性(約70℃硬化温度低減)が明らかである。
【0060】
【表2】
【0061】(2)耐熱性と耐熱温度 耐熱性については、一般的に樹脂の耐熱性を表す指標の
一つにガラス転移温度があるが、このガラス転移温度を
動的粘弾性測定の貯蔵弾性率(G′)と複素弾性率の関
係より表されるtanδのピーク温度から求め表2に示
す。なお、参考例1と比較例1についてポストキュア温
度と貯蔵弾性率(G′)及びtanδとの関係を図5に
示す。表2から、参考例1ないし参考例5は従来技術の
代表である比較例3に示されるPMR−15と同程度以
上であることが明らかであり、例えば参考例3及び参考
例4においては比較例3に示されるPMR−15と比較
して約50℃もガラス転移温度が高いという結果を得て
いる。耐熱強度についはガラス転移温度が同程度である
参考例2と比較例3について行った。層間剪断強度試験
の結果を図5と表3に、圧縮強度試験の結果を表4に示
す。この結果は従来技術の代表である比較例3に示され
るPMR−15より耐熱強度が高いことを示しており、
例えば層間剪断強度において乾燥状態で比較例3の約
1.21倍以上の強度を示す結果となった。
【0062】
【表3】
【0063】
【表4】
【0064】(3)吸湿状態における強度 評価結果として層間剪断強度試験の結果を図5と表3
に、圧縮強度試験の結果を表4に示す。従来技術の代表
である比較例3に示されるPMR−15では乾燥状態と
比較して吸湿状態では強度が同程度かやや低下するのに
対し、高耐熱性で且つ吸湿状態で高強度を発揮する参考
例2に示される本発明樹脂は乾燥状態でも比較例3より
高強度であるが、例えば吸湿状態の層間剪断強度におい
ては強度が低下するどころか室温で乾燥状態の層間剪断
強度と比較して約1.12倍もの強度増加を示し、明ら
かに比較例3のPMR−15と大きく異なる特長を示
す。
【0065】(4)厚肉成形性参考 例5の結果より、本発明の樹脂は50プライの成形
にてボイド、クラック、層間剥離等の問題が無く極めて
良好な成形性を示した。
【0066】(5)耐食性 実施例の結果は表5に示すとおりであり、この結果か
ら本発明樹脂が通常の酸、アルカリだけでなく、溶融金
属塩のようなルイス酸、ルイス塩基に対しても良好な耐
食性を有することがわかる。
【0067】
【表5】
【0068】
【発明の効果】本発明によれば次のような効果がある。 (1)本発明に係るポリイミド樹脂は、従来のポリイミ
ド樹脂に比較して低温度での硬化が可能で成形性も優れ
ている。 (2)本発明に係るポリイミド樹脂は高い耐熱強度を有
し、特に吸湿状態で高い強度を示す。 (3)本発明に係るポリイミド樹脂は高い耐食性、特に
ルイス酸、ルイス塩基、中でも溶融金属塩のような非水
系ルイス酸、ルイス塩基に対して優れた耐食性を有して
いる。 (4)本発明に係るポリイミド樹脂原料組成物、プレポ
リマー含有組成物を使用すればプレキュア、ポストキュ
アの間に揮発分の発生がないので、ボイド、クラック、
層間剥離等の問題を生じること無く厚肉の成形品、繊維
強化樹脂複合材料を得ることができる。 (5)本発明に係るポリイミド樹脂原料組成物、プレポ
リマー含有組成物は前記ポリイミド樹脂の特性を備えた
コーティング被膜の形成に有効であり、塗料の形態で使
用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】成形時の積層板挿入状態を示す図。
【図2】プレキュア成形条件(昇温パターンモデル)を
示す説明図。
【図3】ポストキュア条件(昇温パターン)を示す説明
図。
【図4】ポストキュア温度とG′及びtanδの関係を
示すグラフ。
【図5】温度・湿潤状態と層間剪断強度の関係を示すグ
ラフ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C08L 79:08 C08L 79:08 (72)発明者 阪口 幸造 愛知県名古屋市中村区岩塚町字高道1番 地 三菱重工業株式会社 名古屋研究所 内 (72)発明者 林 俊一 愛知県名古屋市中村区岩塚町字高道1番 地 三菱重工業株式会社 名古屋研究所 内 (72)発明者 野田 整 愛知県名古屋市港区大江町10番地 三菱 重工業株式会社 名古屋航空宇宙システ ム製作所内 (56)参考文献 特開 昭60−223825(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 73/00 - 73/26 C09D 179/00 - 179/08 CAPLUS(STN) REGISTRY(STN)

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 テトラカルボン酸無水物及び/又はテト
    ラカルボン酸ジエステル化合物、ジアミン化合物並びに
    エキソ−3,6−エポキシ−1,2,3,6−テトラヒ
    ドロフタル酸無水物及び/又はエキソ−3,6−エポキ
    シ−1,2,3,6−テトラヒドロフタル酸モノエステ
    ル化合物からなる高耐熱性、高耐食性付加型ポリイミド
    樹脂原料組成物を溶剤に溶解させた状態、又はこのポリ
    イミド樹脂原料組成物の溶液を反応させてポリアミド酸
    プレポリマーの溶液とした段階、又はこのポリアミド酸
    プレポリマーの溶液をさらに反応させてポリイミドプレ
    ポリマーの溶液とした段階、若しくはこれらのうちの2
    種以上の混合物の状態でコーティング材として基材上に
    塗布して硬化させることを特徴とするポリイミド樹脂コ
    ーティング被膜の形成方法。
  2. 【請求項2】 前記ジアミン化合物がジアミノジフェニ
    ルメタンである請求項1に記載のポリイミド樹脂コーテ
    ィング被膜の形成方法。
  3. 【請求項3】 コーティング材を塗布した被膜を最高温
    度が200℃〜350℃となるような温度で硬化させる
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載のポリイミド樹
    脂コーティング被膜の形成方法。
  4. 【請求項4】 テトラカルボン酸無水物及び/又はテト
    ラカルボン酸ジエステル化合物、ジアミン化合物並びに
    エキソ−3,6−エポキシ−1,2,3,6−テトラヒ
    ドロフタル酸無水物及び/又はエキソ−3,6−エポキ
    シ−1,2,3,6−テトラヒドロフタル酸モノエステ
    ル化合物からなる高耐熱性、高耐食性付加型ポリイミド
    樹脂原料組成物を溶剤に溶解させた状態、又はこのポリ
    イミド樹脂原料組成物の溶液を反応させてポリアミド酸
    プレポリマーの溶液とした段階、又はこのポリアミド酸
    プレポリマーの溶液をさらに反応させてポリイミドプレ
    ポリマーの溶液とした段階、若しくはこれらのうちの2
    種以上の混合物の状態で顔料を添加、混合することを特
    徴とするポリイミド樹脂塗料の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記ジアミン化合物がジアミノジフェニ
    ルメタンである請求 項4に記載のポリイミド樹脂塗料の
    製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項4又は5に記載のポリイミド樹脂
    塗料を塗布した後、最高温度が200℃〜350℃とな
    るような温度で硬化させることを特徴とするポリイミド
    樹脂塗装被膜の形成方法。
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