JP3440703B2 - 熱硬化型生分解性重合体の製造方法 - Google Patents
熱硬化型生分解性重合体の製造方法Info
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Description
生物などによる生分解可能な高分子化合物からなる熱硬
化型生分解性樹脂組成物に係り、とくに各種印刷イン
キ、磁気インキ等に用いられるバインダーや、コーティ
ング剤、ハードコート剤、フィルムなどの各種用途に有
用な熱硬化型生分解性組成物から溶剤を乾燥除去し、熱
硬化させて得られた熱硬化型生分解性重合体およびその
製造方法に関する。
いる廃棄物のうち、その多くをプラスチック製品を占め
ており、とくに半永久的に分解しない特性からきわめて
処理困難な素材として指摘されている。このような社会
的なニーズから、特開昭57−150393号公報、特
開昭59−220192号公報、特開平5−10573
6号公報、特開平5−148352公報、特開平5−1
79016号公報などに示されるような、土中の微生物
などによって自然分解可能な生分解性プラスチック(樹
脂)が開発されており、例えば英国・ゼネカ社の微生物
ポリエステル系のバイオポール(商品名)、昭和高分子
株式会社の脂肪族ポリエステル系のビオノーレ(商品
名)、さらには株式会社島津製作所のポリ乳酸などを原
料とする脂肪族ポリエステル系のラクティー(商品
名)、イタリア・ノバモント社のでんぷんと変性PVA
とを混合したマタービー(商品名)または米国エコスタ
ー社のノボン(商品名)やデグラスター(商品名)など
が商品化されている。
ように脂肪族ポリエステル系の生分解性プラスチック
(以降、脂肪族ポリエステルとする)は、商品化されて
いるが、これまでの脂肪族ポリエステルは一般的にハロ
ゲン系などの特殊な溶剤系以外のトルエン、キシレン、
メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンに代表さ
れるケトン系及び芳香族系などの汎用性の溶媒には不溶
であり、また熱による溶融成型可能な熱可塑性樹脂であ
るため、射出成形などの溶融成形による成型加工の用途
に用いられるなど、その利用が限定されていた。
ルは、適当な汎用性の溶剤に溶解させ、これを各種基材
に塗布できるという新しい用途開発が期待されていた
が、塗布できるというメリットがある反面、熱可塑性で
あるため、形成された塗布膜が樹脂を溶解させた溶剤を
はじめ、その他の溶剤に対する耐性、すなわち耐溶剤性
がないという問題を有している。
どの各種印刷インキに用いる樹脂バインダー、クレジッ
トカード・キャッシュカード・定期券・プリペイドカー
ドなどの磁気記録部を構成する磁性インキに用いられる
樹脂バインダー、各種表面加工コーティングなどの溶液
塗工に用いられる樹脂バインダー等の用途では、従来、
溶液塗工後に樹脂を光硬化や熱硬化により耐溶剤性、耐
磨耗性、耐スクラッチ性、引っ張り強度などの各表面の
耐性を付与することが行なわれており、現在、このよう
なバインダー用途のポリエステル樹脂は、例えば溶剤溶
解性を得るために芳香族系を含むユニットを共重合させ
て製造されているが、これらの樹脂は当然のことながら
生分解性を全く有さないものであるため、上記のように
硬化皮膜、熱硬化成型物などを必要とする用途には脂肪
族ポリエステル系の生分解性プラスチックを利用するこ
とができない問題を有していた。
に関する研究は種々行なわれているが、三次元熱硬化物
に関して生分解性を示したとする報告は、ほとんど無
く、一般的には熱硬化性樹脂は非生分解性とされている
ことから、環境関連商品の開発が進められる中で、熱硬
化型の生分解性樹脂の開発が望まれていた。
は、ポリブチレンサクシネートに代表されるようにホモ
ポリマーでは弾性率が大きく、伸度がポリエチレンなど
の汎用性樹脂に比べて非常に小さい、すなわち硬くて脆
いという特性を有しており、成型材料に用いるには機械
的強度が不足している。
ルは、ホモポリマーの組成ではプラスチック製品として
の実用的な物性を満足しないため、生分解性を損なうこ
となく、この実用的な物性を備えた脂肪族ポリエステル
が求められ、とくに各種用途に適する物性に改良可能な
生分解性樹脂の開発が望まれていた。
維、印刷インキ等などの各種用途に用いることが可能で
あって、製品実用上の十分な物性を示し、かつ生分解性
を示す脂肪族ポリエステルを主成分とする熱硬化型生分
解性重合体及びその製造方法を提供することを目的とす
る。
成するためになされたものであり、請求項1に記載の発
明は、1.少なくともポリヘキサメチレンサクシネートと、前
記ポリヘキサメチレンサクシネート に対して下記一般式
(1)に示すイソシアネート化合物1.5〜40重量%
とからなる樹脂組成物を溶媒に溶解・混合し、2. 前記溶媒を乾燥除去した後、3.前記樹脂組成物を 加熱により熱硬化させる、ことを
特徴とする、生分解性と耐溶剤性を有する熱硬化型生分
解性重合体の製造方法である。
り、R1、R2、R3は水素原子又はアルキル基を表
す。)
化型生分解性重合体の製造方法において、一般式(1)
中のlとmとnの和が6以下であることを特徴とするも
のである。
化型生分解性重合体の製造方法において、一般式(1)
のイソシアネート化合物のNCO基のモル量と脂肪族ポ
リエステルのH基のモル量の比が0.4〜1.5の範囲
にあることを特徴とするものである。
本発明は、ポリヘキサメチレンサクシネートと、所定量
のイソシアネート化合物とを溶媒に溶解・混合したもの
から、溶媒を乾燥除去し、これを加熱により熱硬化する
ことで、生分解性と耐溶剤性を有する熱硬化型生分解性
重合体を製造する方法である。すなわち、脂肪族ポリエ
ステルであるポリヘキサメチレンサクシネートの生分解
性を損なうことなく、熱硬化性を付与された三次元構造
形成能を有する生分解性樹脂組成物であり、熱硬化後は
汎用性溶媒に対する耐溶剤性を備えてなるものであり、
フィルムや、これをバインダーとして、例えば印刷用イ
ンキ、またコーティング剤、ハードコート剤などの各種
印刷、コーティングの用途に用いることができる。な
お、ここでは生分解性を有する脂肪族ポリエステルと、
所定量のイソシアネート化合物とを溶媒に溶解・混合し
た熱硬化型生分解性樹脂組成物を印刷手段又はコーティ
ング手段により基材に塗工し、皮膜を形成した後、溶剤
を乾燥除去し、適切の温度で加熱し硬化させ熱硬化型生
分解性重合体である硬化皮膜を得た例としている。
してなるもので、この硬化状態は、加熱により脂肪族ポ
リエステルがイソシアネート化合物とともに架橋状態と
なり、いわゆる三次元構造を構成するものである。
膨潤はするが、基本的にはいずれの溶媒にも不溶であ
る。
肪族ポリエステルとしては、次の組成物を挙げることが
できる。
リエステルであれば、とくに制限されるものではなく、
例えばポリプロピレンサクシネート、ポリプロピレンア
ジペート、ポリプロピレンピメレート、ポリプロピレン
ズベレート、ポリプロピレンアゼレート、ポリプロピレ
ンマロネート、ポリプロピレンジエチルグルタレート、
ポリエチレンサクシネート、ポリエチレンアジペート、
ポリエチレンピメレート、ポリエチレンズベレート、ポ
リエチレンアゼレート、ポリエチレンマロネート、ポリ
エチレンジエチルグルタレート、ポリブチレンサクシネ
ート、ポリブチレンアジペート、ポリブチレンピメレー
ト、ポリブチレンズベレート、ポリブチレンアゼレー
ト、ポリブチレンマロネート、ポリブチレンジエチルグ
ルタレート、ポリヘキサメチレンサクシネート、ポリヘ
キサメチレンアジペート、ポリヘキサメチレンピメレー
ト、ポリヘキサメチレンズベレート、ポリヘキサメチレ
ンアゼレート、ポリヘキサメチレンマロネート、ポリヘ
キサメチレンジエチルグルタレート、ポリジエチレンサ
クシネート、ポリジエチレンアジペート、ポリジエチレ
ンピメレート、ポリジエチレンズベレート、ポリジエチ
レンアゼレート、ポリジエチレンマロネート、ポリジエ
チレンジエチルグルタレート、ポリトリエチレンサクシ
ネート、ポリトリエチレンアジペート、ポリトリエチレ
ンピメレート、ポリトリエチレンズベレート、ポリトリ
エチレンアゼレート、ポリトリエチレンマロネート、ポ
リトリエチレンジエチルグルタレート、ポリカプロラク
トン、ポリ乳酸、ポリヒドロキシアルカノエートなどが
挙げられる。なかでもポリヘキサメチレンサクシネート
(PHMS)が好ましい。
アネート化合物は、硬化後も重合体が生分解性を維持で
きるものであれば、基本的には構造や官能数は問わない
で用いることができるが、現状のイソシアネート化合物
のほとんどのものは、少量添加しただけで、重合体の生
分解性が著しく低下し、非生分解性重合体となるか、得
られた重合体は十分な生分解性を有するとは言えないも
のである。そこで、下記一般式(1)の構造を有するイ
ソシアネート化合物を生分解性を有する脂肪族ポリエス
テルの硬化剤として用いたところ、熱硬化により得られ
た重合体は生分解性を示した。
り、R1、R2、R3は水素原子又はアルキル基を表
す。)。
ート化合物は、例えばエチレンジイソシアネート、プロ
ピレンジイソシアネート、ブチレンジイソシアネート、
ペンタメチレンジイソシアネート、ブチレンジイソシア
ネート、メチルペンタジイソシアネート、ヘキサメチレ
ンジイソシアネート、オクタメチレンジイソシアネー
ト、ノナメチレンジイソシアネート、デカメチレンジイ
ソシアネート、ウンデカメチレンジイソシアネート、ド
デカメチレンジイソシアネートなどを挙げることができ
る。本発明に用いるイソシアネート化合物は、その生分
解の速度がNCO基間の長さに依存しており、NCO基
間が短いほど良好である。とくに一般式(1)の式中の
l+m+nが6以下であるときが、高い生分解性を示す
ものである。
ポリエステルに対するイソシアネート化合物の添加量
は、1.5〜40重量%の範囲にあることが望ましく、
添加量が1.5重量%より少ない場合にはイソシアネー
ト化合物が脂肪族ポリエステルと反応しても三次元構造
の硬化物(重合体)を形成せず、溶剤に可溶であった
り、高温で流動性を示す熱可塑性樹脂となり、また40
重量%より多い場合には生分解性が著しく低下するもの
である。そして効率よく脂肪族ポリエステルを硬化させ
るには、生分解性を有する脂肪族ポリエステル樹脂のO
H基のモル等量と、硬化剤であるイソシアナート化合物
のNCO基のモル等量の比を調整すればよく、NCO基
/OH基が0.4〜1.5の範囲にあるときが、とくに
良好な硬化皮膜が得られる。さらに0.4より小さいと
十分な硬化物が得られず、1.5より大きいと硬化物は
目的とする物性に優れず、生分解性も著しく低下するも
のである。なお、イソシアネート化合物の添加量は、生
分解性を有する脂肪族ポリエステルの種類によっても変
化するため、上述のNCO基/OH基比が0.4より小
さい、すなわち生分解性を有する脂肪族ポリエステルに
対して1.5重量%より多く添加した場合でも、硬化す
ることがあり、必ずしも上述の範囲に含まれない例も存
在する。
ソシアネート化合物の混合物を溶解する溶媒しては、例
としては酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルエチルケト
ン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、トル
エン、キシレン、エチルアセテート、ブチルアセテー
ト、ブチルカルビトール、エチルセロソルブ、ブチルセ
ロソルブなどの溶剤が挙げられる。
テルと、イソシアネート化合物の熱硬化反応は、触媒が
なくても進行するが、硬化反応をさらに促進させること
により、硬化温度の低下、硬化時間の短縮が可能となる
ことがあるので、組み合わせる脂肪族ポリエステル、イ
ソシアネート化合物の種類など場合に応じて触媒を用い
ることができる。このような触媒の例としては、トリエ
チルアミン、トリエチレンジアミン、オクトエ酸スズ、
ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズ2−エチルヘ
キソエート、2−エチレンヘキソエート亜鉛、o−フェ
ノールフェネートナトリウム、カリウムオレエート、テ
トラ(2−エチルヘキシル)チタネート、2−エチルヘ
キソエート第二鉄、2−エチルヘキソエートコバルト、
ナフテン酸亜鉛、三酸化アンチモンなどが挙げられる。
リエステルを含む樹脂組成物を熱硬化させる加熱温度
は、通常50〜70℃程度の温度で行なうことが多い
が、温度が高いほど反応が速くなるので短時間で硬化さ
せることができ、この範囲に限定されることはない。
以下のように実施することができる。所定量脂肪族ポリ
エステルを適当な溶媒、例えばメチルエチルケトンに溶
解させ混合し、次にこの混合物に所定量のイソシアネー
ト化合物を添加し、十分混合する。このとき、硬化時間
を早めるために触媒として、例えば二ラウリル酸ジブチ
ルスズを少量添加することも可能である。こうして得ら
れた熱硬化型生分解性樹脂組成物から溶剤を乾燥除去
し、適切の温度で加熱し硬化させることにより本発明の
熱硬化型生分解性重合体が得られる。このようにして得
られた熱硬化型生分解性重合体は、用途に応じて樹脂組
成物を印刷手段又はコーティング手段により基材などに
塗膜として形成し、樹脂組成物から溶剤を乾燥除去し、
適切の温度で加熱し硬化させるようにしてもよい。
脂組成物は、例えばインキのバインダーとして、顔料又
は染料、各種添加剤とともに混合し調合したインキをP
ET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムに塗布す
ると、この塗膜は強度、耐溶剤性に優れるものである。
また他にはフィルム、成型品、繊維、印刷インキ等に使
用される樹脂バインダーなどの各種用途に用いることが
可能であり、その際に補強剤、無機或いは有機フィラ
ー、着色剤、各種安定剤、滑剤ワックス類など公知の添
加剤を必要に応じて用いることも可能である。
細に説明する。 <実施例1> 生分解性を有するポリエステル樹脂としてポリヘキサメ
チレンサクシネート(PHMS,分子量:5000,O
H価:約110KOHmm/g)を450重量部と、硬
化剤としてヘキサメチレンジイソシアネート(HMD
I)47重量部、さらに触媒としてジブチルスズアセテ
ートをメチルエチルケトンに溶解させて、テフロンシャ
ーレ上に塗布し、約70℃のオーブンにて、約2時間、
乾燥、熱硬化を行ない、膜厚約50μmの熱硬化フィル
ムを作製した。この熱硬化フィルムをメチルエチルケト
ンおよびトルエンなどの溶剤への溶解性の試験として、
溶剤を染み込ませた綿棒を用いた擦り試験を100回程
度繰り返したところ、全く溶解することがなく、完全に
三次元構造に硬化していることがわかった。
酵素法により試験した。この熱硬化フィルムの100m
gを試料とし、リパーゼ酵素(Rhizopus de
lemer生化学工業社製)を用いて、pH7の中性燐
酸緩衝液中で、30℃、20時間反応させた。反応後、
分解して緩衝液中に溶けだした炭素の量を全有機炭素計
(TOC測定器)を用いて測定し、理論分解量との比較
から分解率を算出した。この結果から熱硬化フィルムは
20時間で約15.5%分解しており、生分解性を有す
ることが判明した。その結果を表1に示す。さらに土中
埋め込みにより生分解性試験を行ない、実際の生分解性
についても試験を行なったところ、約6か月経過した時
点で完全に分解消失していた。
刷株式会社総合研究所内)、深さ約10cmに埋設し、
約6か月経過後のフィルムの状態を観察する、土中埋め
込みによる生分解性試験を行った。
してポリヘキサメチレンサクシネート(PHMS)、硬
化剤としてヘキサメチレンジイソシアネート(HMD
I)を、表1に示すように配合(ポリエステル樹脂の分
子量:5000〜18000、OH価:110〜13、
ポリエステル樹脂の添加量450重量部、イソシアネー
トの添加量:7〜102、NCO基/OH基:0.62
〜1.38、イソシアネートの添加重量%:1.6〜2
2.7%)し、さらに触媒としてジブチルスズアセテー
トをメチルエチルケトンに溶解させて、テフロンシャー
レ上に塗布し、約70℃のオーブンにて、約2時間、乾
燥、熱硬化を行ない、膜厚約50μmの熱硬化フィルム
を作製した。得られたフィルムを実施例1と同様にメチ
ルエチルケトンおよびトルエンへの溶解性を試験したと
ころ、不溶性を示した。また実施例1と同様に生分解性
を酵素法による試験を行ない、理論分解量との比較から
分解率を算出した。その結果を表1に示す。さらに土中
埋め込み生分解性試験を実施したところ、これら実施例
2〜11の各フィルムは約6か月経過した時点で完全に
分解消失していた。
してポリヘキサメチレンサクシネート(PHMS,分子
量:5000,OH価:約110KOHmm/g,45
0重量部)と、硬化剤として1,4ブタンジイソシアネ
ート(添加量:39〜74重量部、NCO基/OH基:
0.63〜1.20、イソシアネートの添加重量%:
8.7〜16.5%)、さらに触媒としてジブチルスズ
アセテートをメチルエチルケトンにそれぞれ溶解させ
て、テフロンシャーレ上に塗布し、約70℃のオーブン
にて、約2時間、乾燥、熱硬化を行ない、膜厚約50μ
mの熱硬化フィルムを作製した。得られたフィルムを実
施例1と同様にメチルエチルケトンおよびトルエンへの
溶解性を試験したところ、不溶性を示した。また実施例
1と同様に生分解性を酵素法による試験を行ない、理論
分解量との比較から分解率を算出した。その結果を表1
に示す。さらに土中埋め込み生分解性試験を実施したと
ころ、これら実施例12〜15の各フィルムは約6か月
経過した時点で完全に分解消失していた。
してポリヘキサメチレンサクシネート(PHMS,分子
量:5000,OH価:約110KOHmm/g,45
0重量部)と、硬化剤として3メチルペンタジイソシア
ネート(添加量:59,77重量部、NCO基/OH
基:0.80,1.04、イソシアネートの添加重量
%:7.1,5.0%)、さらに触媒としてジブチルス
ズアセテートをメチルエチルケトンにそれぞれ溶解させ
て、テフロンシャーレ上に塗布し、約70℃のオーブン
にて、約2時間、乾燥、熱硬化を行ない、膜厚約50μ
mの熱硬化フィルムを作製した。得られたフィルムを実
施例1と同様にメチルエチルケトンおよびトルエンへの
溶解性を試験したところ、不溶性を示した。また実施例
1と同様に生分解性を酵素法による試験を行ない、理論
分解量との比較から分解率を算出した。その結果を表1
に示す。さらに土中埋め込み生分解性試験を実施したと
ころ、これら実施例16、17の各フィルムは約6か月
経過した時点で完全に分解消失していた。
比較検証する。 <比較例1〜6> 表1に示すように実施例1と同様に生分解性を有するポ
リエステル樹脂としてポリヘキサメチレンサクシネート
(PHMS,分子量:5000,OH価:約110KO
Hmm/g,450重量部)、硬化剤としてデュラネー
ト24A−100(商品名:旭化成工業社製、添加量:
34〜192、NCO基/OH基:0.80,1.0
4、イソシアネートの添加重量%:7.6〜42.5
%)、さらに触媒としてジブチルスズアセテートをメチ
ルエチルケトンにそれぞれ溶解させて、テフロンシャー
レ上に塗布し、約70℃のオーブンにて、約2時間、乾
燥、熱硬化を行ない、膜厚約50μmの熱硬化フィルム
を作製した。得られたフィルムを実施例1と同様に生分
解性を酵素法による試験を行ない、理論分解量との比較
から分解率を算出したところ、表1に示すように、全く
分解されず、生分解性を有していないことが判明した。
さらに土中埋め込み生分解性試験を実施したところ、こ
れら比較例1〜6の各フィルムは約6か月経過した時点
でも分解されることなく残っていた。
リエステル樹脂としてポリヘキサメチレンサクシネート
(PHMS,分子量:5000,OH価:約110KO
Hmm/g,450重量部)、硬化剤としてデュラネー
トD−201(商品名:旭化成工業社製、添加量:19
2〜284、NCO基/OH基:0.81〜1.21、
イソシアネートの添加重量%:42.5〜63.1
%)、さらに触媒としてジブチルスズアセテートをメチ
ルエチルケトンにそれぞれ溶解させて、テフロンシャー
レ上に塗布し、約70℃のオーブンにて、約2時間、乾
燥、熱硬化を行ない、膜厚約50μmの熱硬化フィルム
を作製した。得られたフィルムを実施例1と同様にメチ
ルエチルケトンおよびトルエンへの溶解性を試験したと
ころ、不溶性を示した。また実施例1と同様に生分解性
を酵素法による試験を行ない、理論分解量との比較から
分解率を算出したところ、表1に示すように、酵素分解
率は0.1〜1.0%であり、ほとんど分解されず、生
分解性が極めて低いことが判明した。さらに土中埋め込
み生分解性試験を実施したところ、これら比較例7〜9
の各フィルムは約6か月経過した時点でもほとんど分解
されることなく残っていた。
脂肪族ポリエステルであるポリヘキサメチレンサクシネ
ートと、所定量のイソシアネート化合物とを溶媒に溶解
・混合して得られた樹脂組成物から溶媒を乾燥除去し、
これを、加熱により熱硬化することで得られる、生分解
性を有する熱硬化型生分解性重合体の製造方法であり、
脂肪族ポリエステルを含む樹脂組成物の熱硬化後の熱硬
化物(重合体)が生分解性とともに柔軟性、靱性、耐溶
剤性などの各種物性を有する。とくに耐溶剤性を有する
ことから、この熱硬化型生分解性樹脂組成物をバインダ
ーとして、例えば印刷用インキ、またコーティング剤、
ハードコート剤などの各種印刷、コーティングの用途に
用いることができる。さらにフィルム、成形加工品、ボ
トル、繊維等などの各種用途に用いることも可能であ
り、製品実用上の十分な物性を示し、かつ生分解性を示
す熱硬化型生分解性重合体を提供することができる。
は、脂肪族ポリエステルをイソシアネートで硬化させる
ことにより、容易に製造することができる。
Claims (3)
- 【請求項1】1.少なくともポリヘキサメチレンサクシ
ネートと、前記ポリヘキサメチレンサクシネートに対し
て下記一般式(1)に示すイソシアネート化合物1.5
〜40重量%とからなる樹脂組成物を溶媒に溶解、混合
し、2. 前記溶媒を乾燥除去した後、3.前記樹脂組成物を 加熱により熱硬化させる、ことを特徴とする、生分解性と耐溶剤性を有する熱硬化
型生分解性重合体の製造方法。 【化1】 (式中、l,m,nは0以上の整数であり、R1、R2、
R3は水素原子又はアルキル基を表す。) - 【請求項2】前記一般式(1)中のlとmとnの和が6
以下であることを特徴とする請求項1に記載の熱硬化型
生分解性重合体の製造方法。 - 【請求項3】前記一般式(1)のイソシアネート化合物
のNCO基のモル量と前記ポリヘキサメチレンサクシネ
ートのOH基のモル量の比が0.4〜1.5の範囲にあ
ることを特徴とする請求項1に記載の熱硬化型生分解性
重合体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP19345496A JP3440703B2 (ja) | 1996-07-23 | 1996-07-23 | 熱硬化型生分解性重合体の製造方法 |
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