JP3440468B2 - 炊飯器 - Google Patents

炊飯器

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JP3440468B2
JP3440468B2 JP2001342030A JP2001342030A JP3440468B2 JP 3440468 B2 JP3440468 B2 JP 3440468B2 JP 2001342030 A JP2001342030 A JP 2001342030A JP 2001342030 A JP2001342030 A JP 2001342030A JP 3440468 B2 JP3440468 B2 JP 3440468B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、炊飯量が多いときの加
熱むらを無くし、炊飯量が少ないときの焦げの低減とふ
きこぼれの防止を図った炊飯器に関し、特に電源電圧が
変動した場合でも、炊飯量の検出精度にばらつきが生じ
ないようにした炊飯器に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、この種の炊飯器は、米と水とを
収容する鍋の外面に、鍋の温度を検出する温度検出手段
としての温度センサを当接状態に設け、この温度センサ
からの温度情報に基づき炊飯量の検出を行っている。こ
うした温度センサを用いた炊飯量の検出方法としては、
所定の2点間の温度を経過する時間を計測する方法、
所定時間の温度上昇度を測定する方法、加熱中に所
定温度に達したら一時的に加熱を中止し、加熱停止後に
所定の温度に到達するまでの時間を計測する方法、所
定の温度になったら所定時間加熱を停止し、加熱を停止
している間の温度差を測定する方法、所定時間加熱し
た後、所定時間加熱を停止し、加熱停止中の温度低下度
を測定する方法、などが各々知られており、いずれの方
法も、鍋と温度センサとの熱的結合性が良好であること
が、精度のよい炊飯量の検出ができる条件となってい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、炊飯量
の検出精度は、鍋と温度センサとの熱結合性に依存する
が、実際の炊飯器の場合、構造上鍋加熱手段である炊飯
ヒータと温度センサとの位置が比較的近くにあり、焦げ
の発生を抑制する点では有利ではあるものの、温度セン
サが炊飯ヒータの熱影響を受けて高めの検出温度とな
り、炊飯量検出の精度を悪化させる要因となっている。
また、電源電圧は通常AC100Vが基準となっている
が、ばらつきやすく各家庭毎により異なり、しかも、室
内配線の状況や他の機器との併用による電源電圧の低下
などもばらつきの原因となっている。この場合、電源電
圧が低ければ、温度センサが受ける炊飯ヒータからの熱
影響は少なくなり、逆に電源電圧が高ければ、炊飯ヒー
タからの熱影響は大きくなって、炊飯量の検出精度が一
層悪くなる。そして、電源電圧のばらつきなどにより炊
飯量を誤判定すると、炊飯量に応じた適正な加熱が行わ
れなくなり、加熱不足により炊きむらを生じたり、ある
いは、加熱過多によりご飯の焦げが強くなったり、ふき
こぼれを生じたりする問題が発生する。
【0004】また、炊飯ヒータの通電中は、常に鍋セン
サが炊飯ヒータからの影響を受けて、実際の鍋温度より
も高めの温度を検出する。この炊飯ヒータからの熱影響
は、炊飯量および電源電圧により左右されるため、仮に
沸騰継続時に120℃の固定温度でむらしに移行する炊
き上げ検知を行なうと、熱影響が強い場合には、実際の
鍋温度は低いため完全にドライアップしていない状態で
早切れとなり、逆に熱影響が弱い場合には、実際の鍋温
度が鍋センサの検出値に近くなり、予めある程度の熱影
響を考慮して設定した120℃の炊き上げ温度が高すぎ
て焦げが強くなる欠点がある。
【0005】こうした問題を解決するために、従来は、
鍋センサで検出した鍋温度が所定の温度勾配に鈍化した
とき、または、鍋温度が沸騰温度よりも高い所定温度に
なったとき、または、加熱開始時から所定時間が経過し
たときを沸騰検知条件とし、この沸騰を検知した時点の
鍋温度を基準温度に設定して、その後の沸騰継続で鍋温
度が基準温度よりも所定温度例えば5℃以上に達した
ら、炊き上げ検知を行なう方法が知られている。これ
は、鍋センサが受ける熱影響の程度を考慮して、炊き上
げ温度が可変設定されるという利点がある。
【0006】しかし、沸騰検知後の沸騰継続時に加熱量
が低下し、鍋センサが受ける熱影響が少なくなった場合
には、鍋センサは時間の経過にしたがって検出温度が実
際の鍋温度に近付いて低くなる。この状態で炊き上げ動
作を行った場合には、鍋センサへの熱影響が強い時点で
設定した高めの基準温度に基づいて、炊き上げ温度が決
まるので、加熱量を減じた炊き上げ時の実際の鍋温度が
高くなり、焦げが強くなる欠点がある。この鍋センサの
検出温度と実際の鍋温度との温度差のばらつきは、電源
電圧の変動によって左右されることは言うまでもない。
【0007】そこで本発明は上記問題点に鑑み、電源電
圧の変動に左右されることなく、炊飯量に応じた適正な
加熱を行なうことのできる炊飯器を提供することをその
目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明の炊飯器
は、米と水とを収容する鍋と、この鍋を加熱する加熱手
段と、前記鍋の温度を検出する温度検出手段と、前記加
熱手段にて前記鍋を加熱した後に、前記温度検出手段が
検出した鍋温度が所定の温度勾配になったときに、前記
加熱手段による前記鍋への加熱量を低減する加熱量低減
手段と、前記加熱量低減手段にて加熱量を低減した時点
の鍋温度、または加熱量を低減した後に所定時間が経過
した時点の鍋温度のどちらか低い鍋温度を基準温度と
し、この基準温度に対して鍋温度が所定温度上昇したら
むらしを行なう炊き上げ手段とを備えたものである。
【0009】また、請求項2の発明の炊飯器は、米と水
とを収容する鍋と、この鍋を加熱する加熱手段と、前記
鍋の温度を検出する温度検出手段と、前記加熱手段にて
前記鍋を加熱した後に、前記温度検出手段が検出した鍋
温度が沸騰温度よりも高い所定温度になったときに、前
記加熱手段による前記鍋への加熱量を低減する加熱量低
減手段と、前記加熱量低減手段にて加熱量を低減した時
点の鍋温度、または加熱量を低減した後に所定時間が経
過した時点の鍋温度のどちらか低い鍋温度を基準温度と
し、この基準温度に対して鍋温度が所定温度上昇したら
むらしを行なう炊き上げ手段とを備えたものである。
【0010】また、請求項3の発明の炊飯器は、米と水
とを収容する鍋と、この鍋を加熱する加熱手段と、前記
鍋の温度を検出する温度検出手段と、加熱開始から所定
時間が経過したときに、前記加熱手段による前記鍋への
加熱量を低減する加熱量低減手段と、前記加熱量低減手
段にて加熱量を低減した時点の鍋温度、または加熱量を
低減した後に所定時間が経過した時点の鍋温度のどちら
か低い鍋温度を基準温度とし、この基準温度に対して鍋
温度が所定温度上昇したらむらしを行なう炊き上げ手段
とを備えたものである。
【0011】
【作用】請求項1の発明の炊飯器により、温度検出手段
が検出した鍋温度が所定の温度勾配に鈍化したら沸騰検
知を終了し、加熱量低減手段により加熱量を減少した状
態で、所定時間を経過した後の温度検出手段で検出した
鍋温度が、加熱量を低減した時点で設定した基準温度よ
りも低くなっていたならば、実際の鍋温度に近い温度検
出手段からの鍋温度を基準温度として、炊き上げを行な
う。この場合、実際の鍋温度に近い基準温度で、むらし
に移行する条件となる炊き上げ温度が設定されるため、
電源電圧の変動があっても、炊飯量に応じた適正な加熱
を行える。
【0012】また、請求項2の発明の炊飯器により、温
度検出手段が検出した鍋温度が沸騰温度よりも高い所定
温度になったら沸騰検知を終了し、加熱量低減手段によ
り加熱量を減少した状態で、所定時間を経過した後の温
度検出手段で検出した鍋温度が、加熱量を低減した時点
で設定した基準温度よりも低くなっていたならば、実際
の鍋温度に近い温度検出手段からの鍋温度を基準温度と
して、炊き上げを行なう。この場合、実際の鍋温度に近
い基準温度で、むらしに移行する条件となる炊き上げ温
度が設定されるため、電源電圧の変動があっても、炊飯
量に応じた適正な加熱を行える。
【0013】また、請求項3の発明の炊飯器により、加
熱開始から所定時間が経過したら沸騰検知を終了し、加
熱量低減手段により加熱量を減少した状態で、所定時間
を経過した後の温度検出手段で検出した鍋温度が、加熱
量を低減した時点で設定した基準温度よりも低くなって
いたならば、実際の鍋温度に近い温度検出手段からの鍋
温度を基準温度として、炊き上げを行なう。この場合、
実際の鍋温度に近い基準温度で、むらしに移行する条件
となる炊き上げ温度が設定されるため、電源電圧の変動
があっても、炊飯量に応じた適正な加熱を行える。
【0014】
【実施例】以下、本発明の炊飯器の一実施例について、
図面を参照しながら説明する。炊飯器の構造を示す断面
図である図1において、1は炊飯器本体で、この炊飯器
本体1は、その外郭を形成するプラスチック製の外枠2
および底板3と、外枠2内に設けられた鍋収容部をなす
内枠4とを備えている。外枠2は、上下面を開口した筒
状で、その下面開口を覆って底板3が固定されている。
一方、内枠4は、赤外線の反射率が高いアルミニウム材
料などの金属材料からなり、上面を開口した有底筒状に
形成されている。また、外枠2の上部には内向き鍔部5
が形成されており、この内向き鍔部5に内枠スペーサ6
を介して前記内枠4の上部に形成されたフランジ部7が
固定されている。8は鍋で、この鍋8は、アルミニウム
材料を主体にして上面を開口した有底筒状に形成されて
おり、被炊飯物である米および水が内部に収容されるも
のである。また、鍋8は、内枠4内に着脱自在に収容さ
れるものであるが、収容状態で、鍋8の上部に形成され
たフランジ部9が内枠スペーサ6上に載り、鍋8の外面
と内枠4の内面との間に空間部10ができるようになって
いる。
【0015】鍋8は、製造上、アルミダイカスト成形や
アルミ溶湯鍛造法により所定の形状に成形し、この成形
後、内面にはPTFE樹脂やPFA樹脂からなる弗素樹
脂コーティングを施し、また、外面にはシリコーン樹脂
系の樹脂コーティングを施して形成される。この鍋8の
最大炊飯量と最小炊飯量との水面高さに位置する間の外
側面8aは、最小炊飯量の水面高さに位置する部位が小
さな直径になるように、10〜30゜の傾斜角度を有す
る傾斜した曲面形状に形成される。また、外側面8aの
凸状の曲面形状の曲率半径は、110mm程度に形成され
る。一方、鍋8の外側面8aに対向する内枠4の内枠内
面は、鍋8の外側面8aの傾斜曲面よりも小さい傾斜具
合とし、鍋8の下方に向かうに従って傾斜度の差が大き
くなる傾斜面にて形成してある。その傾斜角度は、5〜
20゜である。
【0016】前記内枠4の底面中央部には、上方へ膨出
した膨出部11が形成され、この膨出部11の上面部には開
口部12が形成される。また、内枠4の内底面周辺部に
は、前記鍋8を輻射加熱する加熱手段たるシーズヒータ
などの炊飯ヒータ16が設けられている。炊飯ヒータ16
は、ヒータ台17により内枠4に対して離隔した状態に設
けられる。なお、図示の炊飯ヒータ16は、1重の環状に
なっているが、2重の環状あるいは螺旋状のものであっ
てもよい。また、内枠4の内底面上には、膨出部11と炊
飯ヒータ16との間に位置して鋼板製のプレートサポート
18が固定されており、このプレートサポート18により下
から支えられて、熱伝導性に優れたアルミニウム材料か
らなるヒータプレート19が設けられている。このヒータ
プレート19は、炊飯ヒータ16の上方に位置しており、炊
飯ヒータ16に離隔した状態になっている。そして、ヒー
タプレート19の外周と内枠4の内側面との間には隙間20
が形成されており、この隙間20を介して、前記空間部10
内で炊飯ヒータ16の輻射熱が鍋8の側面部に供給される
ようになっている。鍋8は、ヒータプレート19に載置し
た状態で内枠4に収容されるが、鍋8の外底面は、中央
部が上方へやや盛り上がった形状になっていて、線状で
円周状の最底部が周辺部にあり、この最底部がヒータプ
レート19の上面に線状に接触する。この接触部21は、炊
飯ヒータ16の直上の位置を避け、環状の炊飯ヒータ16よ
りも内側に位置させてある。
【0017】なお、前述のように、ヒータプレート19は
アルミニウム材料からなるが、製造に際しては、所定の
形状にプレス成形した後、表面をアルマイト処理し、さ
らに、酸化ニッケルなどを含有した処理液により2次ア
ルマイトを行ない、黒色に着色した耐熱性の優れた表面
コーティングを施して形成される。
【0018】前記内枠4の外側面上部には、この内枠4
の保温用のコードヒータなどからなる胴ヒータ26が設け
られる。また、27は鍋8の外面温度を検出する温度検出
手段たる鍋センサであり、これは、スプリング28を介し
て上下動自在にかつ上方へ付勢して設けられる。鍋セン
サ27は、内枠4の開口部12を介してヒータプレート19の
上方まで突出し、鍋8の外底面に弾発的に接触するもの
である。そして、鍋センサ27は、鍋8の外面温度を検出
するための負温度サーミスタなどからなる感熱素子を内
蔵している。29は内枠4の下側に設けられたユニットケ
ースホルダであり、このユニットケースホルダ29の下側
すなわち内枠4と反対側には、ユニットケース30により
電源基板31が取り付けられている。この電源基板31は、
前記炊飯ヒータ16の電源回路などを形成するもので、鍋
スイッチ32も備えている。この鍋スイッチ32のオン・オ
フ用レバー33は、ユニットケース30に軸着されたスイッ
チレバー34を介して鍋センサ27に連動されている。そし
て、内枠4内に鍋8が収容されると、この鍋8により押
されて鍋センサ27が下降し、鍋8が取り出されると、ス
プリング28により押されて鍋センサ27が上昇するが、こ
の鍋センサ29の上下動に連動して、鍋スイッチ32がオ
ン,オフし、鍋8の有無が検出されるようになってい
る。さらに、前記底板3の下外側には、電源コードを巻
き取るコードリール35が設けられる。
【0019】一方、内枠4の前方に立ち上がったユニッ
トケースホルダ29の前方の位置には、制御基板36が設け
られる。この制御基板36は、外枠2の前面に取り付けら
れた操作パネル37に支持されており、LED表示器38、
LCD表示器39および操作スイッチ40などを備えてい
る。
【0020】41は炊飯器本体1の上面開口を開閉する蓋
体で、この蓋体41は、左右方向のヒンジ軸42により前記
外枠2の上部後側に回動自在に支持されるとともに、ヒ
ンジ軸42に設けられたヒンジスプリング43により開く方
向へ付勢されている。このヒンジスプリング43に抗し
て、蓋体41は、クランプ装置44により閉じた状態に保持
される。蓋体41は、外蓋46と、この外蓋46の下側に固定
された裏板47と、この裏板47の下側に固定されたアルミ
ニウム部材からなる放熱板48と、この放熱板48の下側に
内蓋ホルダ49を介して着脱自在に係止された内蓋50とか
らなっている。内蓋50は、アルミニウム部材からなり、
前記鍋8の上面開口を開閉自在に塞ぐものである。ま
た、放熱板48の外周部と裏板47との間には、蓋体41を閉
じた時の鍋8のフランジ部9上に密着するシールパッキ
ング51が設けられる。なお、外蓋46と裏板47との間に
は、断熱材52が設けられる。蓋体41の下面を形成する放
熱板48の裏面には、放熱板48を加熱するコードヒータな
どからなる蓋ヒータ53が設けられる。この蓋ヒータ53
は、電気的に前記胴ヒータ26と並列回路をなしている。
さらに、蓋体41には蒸気孔54が設けられている。
【0021】次に、炊飯器の主な回路構成を図2に基づ
き説明する。61は電源基板31に搭載されたマイクロコン
ピュータ(以下、マイコンと称する。)であり、これは
周知のように、演算処理機能を有するCPU62と、記憶
手段に相当するROMやRAMなどのメモリ63と、タイ
マたる計時手段64とを備えて構成される。また、CPU
62の入力ポートおよび出力ポートには、各々入力回路6
5,66と、出力回路67,68が接続される。入力回路65に
は鍋センサ27からの温度データが入力される一方、入力
回路66には鍋スイッチ32からの鍋検出信号が入力され
る。また、出力回路67には、炊飯ヒータ16を通断電する
駆動回路69が接続されるとともに、出力回路68には、胴
ヒータ26および蓋ヒータ53を同時に通断電する駆動回路
70が接続される。マイコン61のCPU62は、操作スイッ
チ40からの操作信号と、鍋センサ27からの温度データ
と、鍋スイッチ32からの鍋検出信号と、計時手段64から
の計時データなどに基づき、予めメモリ63に記憶した制
御シーケンスにしたがって、炊飯ヒータ16および胴ヒー
タ26と蓋ヒータ53とからなる保温ヒータをオン,オフ駆
動制御し、所定の加熱パターンにて炊飯加熱を行なうよ
うにしている。
【0022】図3は、マイコン62のメモリ63に記憶され
る制御シーケンスの機能構成を示すものである。同図に
おいて、81は鍋センサ27からの温度データに基づき、炊
飯ヒータ16,胴ヒータ26および蓋ヒータ53を通断電制御
しつつ、炊飯初期加熱からむらしに至る炊飯動作を行な
う炊飯制御手段である。この炊飯制御手段81は、米の吸
水作用を促進させるために、炊飯開始後の所定時間炊飯
初期加熱動作を行なう炊飯初期加熱制御手段82と、炊飯
初期加熱終了後に鍋8を強加熱する沸騰加熱制御手段83
と、沸騰加熱終了後に鍋8に対する加熱量を低減して引
続き加熱を行なう加熱量低減手段たる沸騰継続制御手段
84と、炊き上げ検知終了後に所定時間鍋8を沸騰時の温
度に維持してむらしを行なう炊き上げ手段に相当するむ
らし制御手段85とにより構成される。
【0023】炊飯初期加熱制御手段82は、炊飯初期に炊
飯ヒータ16を所定時間通電して鍋8を加熱し、その後、
炊飯ヒータ16を所定時間断電して鍋8への加熱を停止さ
せるものである。また、この炊飯初期加熱制御手段82
は、炊飯初期加熱制御手段82による炊飯初期加熱動作中
に鍋8に収容される米量すなわち炊飯量を設定する炊飯
量設定手段86を備えている。炊飯量設定手段86は、炊飯
初期加熱動作の開始時における動作開始時温度と、炊飯
初期加熱動作中の最高温度と、炊飯初期加熱動作の終了
時における動作終了時温度とを鍋センサ27から各々検出
し、最高温度と動作終了時温度との温度差と、動作開始
時温度と動作終了時温度との温度差とに基づき、米量を
例えば多い,中間,少ないの3段階に確定するものであ
る。
【0024】前記炊飯量設定手段86で確定した米量は、
炊飯初期加熱動作以降に処理実行される沸騰継続制御手
段84などの炊飯加熱制御に反映される。すなわち、沸騰
継続制御手段84は、炊飯量設定手段86で確定した米量が
少ないほど、鍋8に対する加熱量を少なく設定し、逆に
炊飯量設定手段86で確定した米量が多いほど、鍋8に対
する加熱量を多く設定して、この設定された加熱量に見
合う炊飯加熱制御を行なう。また、沸騰継続制御手段84
は、次の条件のいずれか1つを満たすと、沸騰加熱制御
手段83に代わって、それまでよりも鍋8への加熱量を低
減した炊飯加熱制御を行なうものである。その条件と
は、鍋センサ27で検出した鍋温度が炊飯量に応じて設定
された所定の温度勾配に鈍化したとき、または、鍋セン
サ27で検出した鍋温度が沸騰温度よりも高い所定温度に
なったとき、または、加熱開始時から所定時間が経過し
たときである。
【0025】一方、沸騰継続制御手段84は、むらしに移
行する温度条件となる炊き上げ温度の基準温度を設定す
る炊き上げ温度設定手段87を備えている。この炊き上げ
温度設定手段87の特徴的な点は、沸騰継続制御手段84に
より加熱量を低減した動作開始時点における第1の鍋温
度と、沸騰継続制御手段84により加熱量を低減した後、
所定時間が経過した時点における第2の鍋温度とを鍋セ
ンサ27から各々検出し、どちらか低い第1の鍋温度ある
いは第2の鍋温度を基準温度として設定することにあ
る。そして、鍋センサ27で検出した鍋温度が、基準温度
よりも所定温度上昇して炊き上げ温度に達すると、沸騰
継続制御手段84に代わりむらし制御手段85によりむらし
を行なうになっている。
【0026】次に、上記構成の炊飯器に関し、その作用
を説明する。先ず、炊飯初期加熱時における動作を、図
4のグラフおよび図5のフローチャートに基づき詳述す
る。なお、図4の上段のグラフは、鍋センサ27の温度デ
ータを示し、以下、炊飯ヒータ16の通断電パターンと、
胴ヒータ26および蓋ヒータ53の通断電パターンを順に示
している。
【0027】予め米と水とを鍋8に収容した状態で、操
作スイッチ40により炊飯動作を選択すると、炊飯制御手
段81が起動し、炊飯初期加熱制御手段82による炊飯初期
加熱動作が開始する。先ず、ステップS1において、炊
飯量設定手段86は炊飯初期加熱動作の開始時における動
作開始時温度T1を鍋センサ27から検出し記憶する。続
くステップS2およびステップS3において、炊飯初期
加熱制御手段82は炊飯ヒータ16を所定時間すなわち20
0秒オンした後、ステップS4およびステップS6にお
いて、炊飯ヒータ16を340秒オフする。この炊飯ヒー
タ16の通断電加熱パターンは、最小炊飯量時にAC11
0Vの電源電圧が供給された場合、つまり、鍋センサ27
の温度上昇が最も大きくなると想定される場合に、鍋セ
ンサ27からの鍋温度が米の糊化開始温度である60℃を
越えない条件で任意に設定する。なお、胴ヒータ26およ
び蓋ヒータ53は、炊飯初期加熱動作中オフしたままとな
っている。
【0028】前記ステップS4の手順以降、炊飯量設定
手段86は炊飯初期加熱動作中の最高温度T2と(ステッ
プS5)、炊飯初期加熱動作の終了時における動作終了
時温度T3を(ステップS7)、鍋センサ27から各々検
出し記憶する。そして、ステップS8において、炊飯量
設定手段86は、図5に示す最高温度T2と動作終了時温
度T3との温度差ΔAと、動作開始時温度T1と動作終
了時温度T3との温度差ΔBとにより、鍋8に収容され
ている米量を確定する。本実施例の場合、この米量を確
定する条件は、下記の表にて示される。
【0029】
【表1】
【0030】すなわち、温度差ΔAが0〜5℃の範囲で
あれば米量は少ないとし、以下、温度差ΔAが5〜15
℃であれば米量は中間、温度差ΔAが15℃以上であれ
ば米量は多いとする。また、温度差ΔBが0〜30℃の
範囲であれば米量は多いとし、温度差ΔBが30℃を超
えていれば米量は少ないとする。この温度差ΔAと温度
差ΔBとの結果により、温度差ΔAで米量が少なく、温
度差ΔBで米量が少ないとした場合には、米量は少ない
量であると確定する。また、温度差ΔAで米量が少な
く、温度差ΔBで米量が多いとした場合、または、温度
差ΔAで米量が中間、温度差ΔBで米量が少ないとした
場合、または、温度差ΔAで米量が多い、温度差ΔBで
米量が少ないとした場合、米量は中間量であると確定す
る。さらに、温度差ΔAで米量が中間、温度差ΔBで米
量が多いとした場合、または、温度差ΔAで米量が多
い、温度差ΔBで米量が多いとした場合、米量は多い量
であると確定する。この温度差ΔAと温度差ΔBの組み
合わせ条件、および、米量の分割範囲などは、本実施例
に限ることなく任意に設定してよい。こうして、炊飯量
設定手段86による米量すなわち炊飯量の判定が終了する
と、炊飯初期加熱制御手段82による炊飯初期加熱動作は
終了し、次の沸騰加熱制御手段83による沸騰加熱が行な
われる。
【0031】次に、沸騰加熱以降の動作を、図6のグラ
フおよび図7のフローチャートに基づき詳述する。図6
は、前述の図4と同様に、鍋センサ27の温度データと、
炊飯ヒータ16の通断電パターンと、胴ヒータ26および蓋
ヒータ53の通断電パターンが順に示されている。
【0032】炊飯を開始すると、ステップS11にて炊
飯初期加熱動作を行ない、その後、沸騰加熱制御手段83
による沸騰加熱を行なうことは(ステップS12)、上
述の通りである。沸騰加熱制御手段83は、炊飯ヒータ16
を連続通電して、鍋8内の米と水とを急速に加熱する。
同時に、胴ヒータ26および蓋ヒータ53も、87.5%の
通電率で通断電制御される。その後、ステップS13に
おいて、沸騰加熱を開始してから30分を経過するか、
または、ステップS14において、鍋センサ27で検出し
た鍋温度Tが沸騰温度よりも高い110℃以上になる
か、または、ステップS15において、この鍋温度Tが
所定の温度勾配に鈍化したならば、ステップS16にて
沸騰加熱を終了する。なお、前記ステップS16の温度
勾配は、炊飯量設定手段86で確定した米量に応じて異な
っている。すなわち、米量を少ない量に確定した場合に
は、120秒間に鍋温度Tの温度上昇が5℃以下に鈍化
したら、沸騰加熱を終了する。また、米量を中間量に確
定した場合には240秒間、さらに、米量を多い量に確
定した場合には400秒間に、鍋温度Tの温度上昇が5
℃以下に鈍化したら、沸騰加熱を終了する。
【0033】上記沸騰加熱が終了すると、次に、沸騰継
続制御手段84による沸騰継続が行なわれる(ステップS
18)。沸騰継続制御手段84は、炊飯量設定手段86で確
定した米量に応じて、炊飯ヒータ16の通電率を50〜8
3%に低減して、引き続き鍋8への加熱を行なう。具体
的には、米量を少ない量に確定した場合、オン30秒/
オフ30秒の50%の通電率で炊飯ヒータ16を通断電制
御する。また、米量を中間量に確定した場合、オン40
秒/オフ20秒の67%の通電率で炊飯ヒータ27を通断
電制御する。さらに、米量を多い量に確定した場合、オ
ン50秒/オフ10秒の83%の通電率で炊飯ヒータ16
を通断電制御する。なお、胴ヒータ26および蓋ヒータ53
の通電率は、沸騰加熱時と変わらず87.5%である。
【0034】また、沸騰継続の動作開始時には、炊き上
げ温度設定手段87により、第1の鍋温度を鍋センサ27よ
り検出し、仮の基準温度STとして記憶する(ステップ
S17)。また、炊き上げ温度設定手段87は、ステップ
S19にて沸騰継続動作が4分経過すると、次のステッ
プS20において、この時点における鍋センサ27からの
鍋温度Tと、前記第1の鍋温度STとを比較する。そし
て、現時点の鍋温度Tすなわち第2の鍋温度Tが第1の
鍋温度ST未満であれば、この第2の鍋温度Tを基準温
度STとして再設定する(ステップS21)。これに対
して、第2の鍋温度Tが第1の鍋温度ST以上であれ
ば、そのままこの第1の鍋温度STを基準温度STとし
て設定する。
【0035】その後、鍋8内が次第にドライアップ状態
となり、鍋センサ27からの鍋温度Tが基準温度STより
も所定温度すなわち5℃以上上昇すると(ステップS2
2)、沸騰継続制御手段84による沸騰継続は終了し、次
のステップS23により、むらし制御手段85によるむら
しが15分間行なわれる。このむらしは、鍋センサ27か
らの鍋温度が所定温度に保たれるように、炊飯ヒータ16
を通断電制御する。また、むらし時における胴ヒータ26
および蓋ヒータ53の通電率は75%となる。15分のむ
らしが終了すると(ステップS24)、炊飯制御手段81
による一連の炊飯動作は終了し、胴ヒータ26および蓋ヒ
ータ53の通断電制御により、鍋8内のご飯を所定の保温
温度、すなわちこの場合には70℃に保つ保温動作がス
テップS25により行なわれる。
【0036】本実施例の炊飯器は、所定の沸騰検知を終
了し、沸騰継続制御手段84により加熱量を減少した状態
で、所定時間を経過した後の鍋センサ27で検出した鍋温
度Tが、加熱量を低減した時点で設定した基準温度ST
よりも低くなっていたならば、実際の鍋温度に近い鍋セ
ンサ27からの鍋温度Tを基準温度STとして、炊き上げ
を行なうようにしている。この場合、沸騰検知に至るま
での沸騰加熱の状態に応じて、実際の鍋温度に近い基準
温度STで、むらしに移行する条件となる炊き上げ温度
が設定されるため、電源電圧の変動により加熱過多にな
ることはなく、また、加熱不足なく炊き上げを行なうこ
とができ、焦げつきの防止を行なうことができる。つま
り、電源電圧の変動に左右されることなく、精度よくむ
らしに移行するタイミングを設定することができ、炊飯
量に応じた適正な加熱を行なうことが可能となる。
【0037】なお、本実施例では、沸騰継続を開始して
から4分経過した時点で、再度基準温度STを設定する
ように構成しているが、この時間は所望により任意に設
定してよい。
【0038】また本実施例では、炊飯初期加熱動作時に
おける鍋8への加熱量が、最小炊飯量において米が糊化
を開始する60℃を超えない鍋温度になるように設定さ
れている。したがって、炊飯量が多くなると、鍋センサ
27で検出される鍋8の最高温度T2は低くなる。また、
炊飯ヒータ16は鍋8の外底部に設けているため、炊飯量
が多くなると鍋8内の水位位置が高くなり、上部は水温
が上昇しにくくなる。このため、炊飯量が多い場合に
は、鍋8内の全体が一様な温度状態になるまでに時間が
かかり、鍋8の底部の水温は、熱が上部に移動して時間
の経過とともに低くなってくる。
【0039】つまり、炊飯量が少ない場合には、鍋8内
の水位位置が低くなるため、鍋8内の水温むらが殆ど生
じず、鍋8全体が早く一様な温度状態になる。しかも、
炊飯量が多いときに比べて被加熱量が多くなるので、結
果的に、所定時間(200秒)の加熱で鍋8内の水温は
十分高くなり、その後の所定時間(340秒)の加熱停
止中の温度低下すなわち温度差ΔAは少なくなる傾向に
なる。これに対して、炊飯量が多い場合には、炊飯量が
少ないときに比べて被加熱量が少なく、鍋8全体が一様
な温度状態になるまでに時間がかかり、しかも、時間が
経過すると鍋8の底部の水温が低くなることから、所定
時間の加熱停止中の温度低下すなわち温度差ΔAは多く
なる傾向になる。したがって、炊飯量が少ない場合に
は、加熱停止中に速やかに鍋8内が一様な温度状態にな
るので、温度差ΔA自体は少ないものの、この温度差Δ
Aによる炊飯量の判定精度はよく、電源電圧が多少変動
しても誤りなく炊飯量を少量と判定することができる。
【0040】この点に関し、炊飯量が多くなると、鍋8
内が一様な温度状態になるまでに時間がかかり、炊飯量
の判定精度にばらつきを生じる。また、炊飯量が多い場
合には、被加熱物である鍋8全体の熱容量が大きくな
り、鍋8は温まりにくくなるため、炊飯ヒータ16から鍋
センサ27が受ける熱影響は炊飯量が少ないときに比べて
強くなる。このため、電源電圧の変動により鍋8への加
熱量が変わると、さらに炊飯量の判定精度のばらつきは
大きくなる。したがって、炊飯量が中間量あるいは多い
量になると、温度差ΔAによる炊飯量の判定精度は、電
源電圧の変動が加わると一層悪化する。
【0041】ところで、炊飯初期加熱動作の開始時は、
炊飯ヒータ16が未だ発熱していないため、鍋センサ27は
炊飯ヒータ16の熱影響を殆ど受けない。また、炊飯初期
加熱動作の終了時は、加熱を停止してから所定時間が経
過しているので、この場合も鍋センサ27は炊飯ヒータ16
の熱影響を殆ど受けない状態にある。これは、前記図4
に示す動作開始時温度T1と動作終了時温度T3との温
度差ΔBが、炊飯ヒータ16からの熱影響を殆ど受けずに
検出できることを意味する。したがって、この温度差Δ
Bは、一定時間(200秒)の加熱量に応じた鍋センサ
27の温度上昇を精度よく検出でき、被加熱量が大きい炊
飯量の多い場合には、温度差ΔBが少なく、逆に、被加
熱量が小さい炊飯量の少ない場合には、温度差ΔBが多
くなる傾向から炊飯量を検出できる。しかし、鍋8に加
えた加熱量が直接温度差ΔBに影響を及ぼすため、電源
電圧の変動により加熱量が変化した場合には、炊飯量が
少ない程、温度差ΔBは影響を大きく受けることにな
る。
【0042】その理由を具体的に説明するために、一例
として、AC100Vの電源電圧で350Wの消費電力
を有する炊飯ヒータ16により、鍋8内の被炊飯物を加熱
する場合を考える。炊飯初期加熱動作時における電力量
は、電源電圧に応じた消費電力×時間(200秒:一
定)で表される。したがって、AC100Vの電源電圧
における電力量は19.4W・hとなり、上限のAC1
10Vの電源電圧における電力量は約23.6W・hと
なる。
【0043】次いで、炊飯量1グラム当りの電力量すな
わち被熱量を、全体の炊飯量の差異に応じて各電源電圧
毎に算出する。これは、電力量÷炊飯量で計算される。
【0044】先ず、炊飯量が0.5合の場合、鍋8内の
負荷すなわち被炊飯量は、米75グラム,水160グラ
ムの合計235グラムとなる。したがって、単純に計算
すると、AC100Vの電源電圧における被熱量は、
0.0825W・h/gとなり、AC110Vの電源電
圧における被熱量は、0.1004W・h/gとなる。
一方、炊飯量が3合の場合、鍋8内の負荷すなわち被炊
飯量は、米450グラム,水645グラムの合計109
5グラムとなる。したがって、AC100Vの電源電圧
における被熱量は、0.01717W・h/gとなり、
AC110Vの電源電圧における被熱量は、0.021
55W・h/gとなる。この場合、電源電圧の変動に伴
う被熱量の変化比率は、炊飯量に拘らず1.27倍とな
っているが、電源電圧の変動に伴う被熱量の差は、炊飯
量が0.5合の場合0.0179W・h/gであるのに
対し、炊飯量が3合の場合0.003833W・h/g
となり、炊飯量が少ない場合ほど、電源電圧の変動の影
響を強く受けることになる。つまり温度差ΔBによる炊
飯量の判定精度は、炊飯量が少量である場合ほど、電源
電圧の変動により悪化する。
【0045】本実施例では、こうした炊飯初期加熱動作
時における炊飯量の判定精度の違いに着目し、温度差Δ
Aによって炊飯量が少ないときの検出を精度よく行な
い、温度差ΔBによって炊飯量が多いときの検出を精度
よく行ない、温度差ΔAおよび温度差ΔAで炊飯量を確
定できない場合には中間量にするなどして、電源電圧が
変動しても炊飯量設定手段86により炊飯量の検出を精度
よく行なうようにしている。すなわち、温度差ΔAによ
る炊飯量の判定精度は、炊飯量が少ない場合ほど電源電
圧の変動によるばらつきが少なく、温度差ΔBによる炊
飯量の判定精度は、炊飯量が多い場合ほど電源電圧の変
動によるばらつきが少ないことから、この双方の特長を
利用することによって、電源電圧に左右されることなく
炊飯量の検出を精度よく行なうことが可能となる。しか
も、炊飯量設定手段86により炊飯量の検出が誤りなく行
われるので、炊飯量設定手段86で確定した米量が少ない
場合ほど、炊飯初期加熱動作以降の沸騰継続時における
鍋8に対する加熱量を少なく設定して炊飯加熱を行なえ
ば、電源電圧の変動があっても、加熱不足により炊きむ
らを生じたり、あるいは、加熱過多によりご飯の焦げが
強くなったり、ふきこぼれを生じたりする問題を一掃し
て、炊飯量に応じた適正な加熱を行なうことができる。
【0046】本発明は上記実施例に限定されるものでは
なく、本発明の要旨の範囲内において種々の変形実施が
可能である。
【0047】
【発明の効果】請求項1の発明の炊飯器は、米と水とを
収容する鍋と、この鍋を加熱する加熱手段と、前記鍋の
温度を検出する温度検出手段と、前記加熱手段にて前記
鍋を加熱した後に、前記温度検出手段が検出した鍋温度
が所定の温度勾配になったときに、前記加熱手段による
前記鍋への加熱量を低減する加熱量低減手段と、前記加
熱量低減手段にて加熱量を低減した時点の鍋温度、また
は加熱量を低減した後に所定時間が経過した時点の鍋温
度のどちらか低い鍋温度を基準温度とし、この基準温度
に対して鍋温度が所定温度上昇したらむらしを行なう炊
き上げ手段とを備えたものであり、電源電圧の変動に左
右されることなく、炊飯量に応じた適正な加熱を行なう
ことが可能となる。
【0048】また、請求項2の発明の炊飯器は、米と水
とを収容する鍋と、この鍋を加熱する加熱手段と、前記
鍋の温度を検出する温度検出手段と、前記加熱手段にて
前記鍋を加熱した後に、前記温度検出手段が検出した鍋
温度が沸騰温度よりも高い所定温度になったときに、前
記加熱手段による前記鍋への加熱量を低減する加熱量低
減手段と、前記加熱量低減手段にて加熱量を低減した時
点の鍋温度、または加熱量を低減した後に所定時間が経
過した時点の鍋温度のどちらか低い鍋温度を基準温度と
し、この基準温度に対して鍋温度が所定温度上昇したら
むらしを行なう炊き上げ手段とを備えたものであり、電
源電圧の変動に左右されることなく、炊飯量に応じた適
正な加熱を行なうことが可能となる。
【0049】また、請求項3の発明の炊飯器は、米と水
とを収容する鍋と、この鍋を加熱する加熱手段と、前記
鍋の温度を検出する温度検出手段と、加熱開始から所定
時間が経過したときに、前記加熱手段による前記鍋への
加熱量を低減する加熱量低減手段と、前記加熱量低減手
段にて加熱量を低減した時点の鍋温度、または加熱量を
低減した後に所定時間が経過した時点の鍋温度のどちら
か低い鍋温度を基準温度とし、この基準温度に対して鍋
温度が所定温度上昇したらむらしを行なう炊き上げ手段
とを備えたものであり、電源電圧の変動に左右されるこ
となく、炊飯量に応じた適正な加熱を行なうことが可能
となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す全体断面図である。
【図2】同上電気的構成を示すブロック図である。
【図3】同上制御シーケンスの処理手順を示すブロック
図である。
【図4】同上炊飯初期加熱時における鍋センサの温度変
化および各ヒータの通断電制御を示すグラフである。
【図5】同上炊飯初期加熱時の処理手順を示すフローチ
ャートである。
【図6】同上炊飯時における鍋センサの温度変化および
各ヒータの通断電制御を示すグラフである。
【図7】同上炊飯時における処理手順を示すフローチャ
ートである。
【符号の説明】
8 鍋 16 炊飯ヒータ(加熱手段) 27 鍋センサ(温度検出手段) 84 沸騰継続制御手段(加熱量低減手段) 85 むらし制御手段(炊き上げ手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−84510(JP,A) 特開 平6−277143(JP,A) 特開 平7−31538(JP,A) 特開 昭62−26035(JP,A) 実開 昭64−40326(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A47J 27/00 109

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 米と水とを収容する鍋と、この鍋を加熱
    する加熱手段と、前記鍋の温度を検出する温度検出手段
    と、前記加熱手段にて前記鍋を加熱した後に、前記温度
    検出手段が検出した鍋温度が所定の温度勾配になったと
    きに、前記加熱手段による前記鍋への加熱量を低減する
    加熱量低減手段と、前記加熱量低減手段にて加熱量を低
    減した時点の鍋温度、または加熱量を低減した後に所定
    時間が経過した時点の鍋温度のどちらか低い鍋温度を基
    準温度とし、この基準温度に対して鍋温度が所定温度上
    昇したらむらしを行なう炊き上げ手段とを備えたことを
    特徴とする炊飯器。
  2. 【請求項2】 米と水とを収容する鍋と、この鍋を加熱
    する加熱手段と、前記鍋の温度を検出する温度検出手段
    と、前記加熱手段にて前記鍋を加熱した後に、前記温度
    検出手段が検出した鍋温度が沸騰温度よりも高い所定温
    度になったときに、前記加熱手段による前記鍋への加熱
    量を低減する加熱量低減手段と、前記加熱量低減手段に
    て加熱量を低減した時点の鍋温度、または加熱量を低減
    した後に所定時間が経過した時点の鍋温度のどちらか低
    い鍋温度を基準温度とし、この基準温度に対して鍋温度
    が所定温度上昇したらむらしを行なう炊き上げ手段とを
    備えたことを特徴とする炊飯器。
  3. 【請求項3】 米と水とを収容する鍋と、この鍋を加熱
    する加熱手段と、前記鍋の温度を検出する温度検出手段
    と、加熱開始から所定時間が経過したときに、前記加熱
    手段による前記鍋への加熱量を低減する加熱量低減手段
    と、前記加熱量低減手段にて加熱量を低減した時点の鍋
    温度、または加熱量を低減した後に所定時間が経過した
    時点の鍋温度のどちらか低い鍋温度を基準温度とし、こ
    の基準温度に対して鍋温度が所定温度上昇したらむらし
    を行なう炊き上げ手段とを備えたことを特徴とする炊飯
    器。
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