JP2002010911A - 炊飯器 - Google Patents

炊飯器

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JP2002010911A JP2000194616A JP2000194616A JP2002010911A JP 2002010911 A JP2002010911 A JP 2002010911A JP 2000194616 A JP2000194616 A JP 2000194616A JP 2000194616 A JP2000194616 A JP 2000194616A JP 2002010911 A JP2002010911 A JP 2002010911A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 鍋内に米及び水を加える際に、米量に対する
水量の割合が変動しても、常においしいご飯を炊き上げ
ることができる炊飯器を提案するにある。 【解決手段】 炊飯器たる誘導加熱式の電気炊飯器1
は、加熱調節部17、炊飯量推定部18及び水量比率判
定部19からなる制御手段17、加熱手段たる加熱コイ
ル6、温度検出手段たる鍋底センサ5及び蓋センサ15
で構成されている。水量比率判定部19において、鍋内
の被炊飯物全体が均一に沸騰状態となる時点から、鍋の
温度が急激に上昇するドライアップ開始の時点までの判
定時間を検出し、この判定時間が、被炊飯物の米量に対
する水量の割合に応じて変化することを利用して、被炊
飯物の水量比率を推定し、加熱調節部17において、こ
の推定された該水量の割合に応じて、炊き上げ行程及び
むらし行程での加熱量を調節し、炊き上がり時のご飯の
含水率を常に一定にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、制御手段で加熱量
を制御することにより被炊飯物を炊飯する炊飯器に関す
る。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】ご飯のおいしさを測る
指標の一つとして、ご飯の食感(硬さ)がある。この食
感は、炊きあがり時のご飯の含水率が目安とされてお
り、含水率が58〜59%程度のときが標準(おいし
い)とされ、57%程度になると堅く感じられ、60%
程度になると軟らかく感じられることが分かっている。
従来より一般的に使用される炊飯器において、この含水
率は、鍋内に加える被炊飯物としての米と水の量の割合
で決定される。
【0003】ところで、一般的な炊飯器において、鍋内
に加える米及び水の量の調節の方法は、まず、鍋内に所
定量の米を入れ、鍋の内壁に米量に応じて記された水位
線に合わせて水を入れるようにして行われる。そして、
該炊飯器では、鍋内に米に対して適正量(標準水量)の
水が加えられていることを前提として、所定のひたし行
程、炊飯行程及びむらし行程が実行され、おいしいご飯
が炊き上がるようになっている。
【0004】ところが、上記のようにして鍋内に米及び
水を入れる方法では、米量に対する水量の割合は略標準
水量にすることができるようにはなっているものの、若
干の水量の差が生じることがある。例えば、水位線には
幅があり、この水位線の上限に合わせた場合と下限に合
わせた場合とでは、水量に若干の差が生じてしまう。5
合炊きの炊飯器の中には、水位線の上限或いは下限に合
わせて水を加えた場合に、1リットルの水量に対して、
約70ミリリットルの水量の差が生じてしまうものもあ
る。そして、この若干の水量差が、炊きあがり時のご飯
の含水率の差となって現れ、食感に大きな違いを生じて
しまうという問題があった。そのため、食感が常に安定
したご飯を得ることは困難であった。
【0005】本発明は上述の事情に鑑みてなされたもの
であり、従ってその目的は、鍋内に米及び水を加える際
に、米量に対する水量の割合が変動しても、常においし
いご飯を炊き上げることができる炊飯器を提案するにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1の炊飯器は、鍋
内の米及び水からなる被炊飯物を加熱する加熱手段と、
前記鍋の温度を検出する温度検出手段と、この温度検出
手段で検出された鍋の温度に基づいて前記加熱手段の加
熱量を制御する制御手段とを具備し、前記制御手段によ
り、ひたし行程と、加熱行程、沸騰行程及び炊き上げ行
程からなる炊飯行程と、及び、むらし行程とを実行する
炊飯器において、前記制御手段は、前記沸騰行程におい
て設定された期間若しくは前記沸騰行程から炊き上げ行
程に渡って設定された期間を判定時間として検出し、こ
の検出された判定時間と炊飯量に応じて設定された基準
判定時間とを比較して、この比較結果に基づいて前記加
熱手段による前記炊き上げ行程及び前記むらし行程の一
方若しくは双方の加熱量を制御することを特徴とする。
【0007】このような構成によれば、前記沸騰行程に
おいて設定された期間若しくは前記沸騰行程から炊き上
げ行程に渡って設定された期間が、被炊飯物内の米量と
水量との割合に応じて変化することを利用して、判定時
間と基準判定時間とを比較することにより、被炊飯物の
米量と水量との割合が推定できるので、この推定された
米量と水量との割合に基づいて、例えば、水量の割合が
多い場合には加熱量を増加させて被炊飯物の余分な水分
を飛ばしたり、水量の割合が少ない場合には加熱量を抑
制させて被炊飯物の余計な水分を飛ばさないようにし
て、加熱手段を制御することにより、炊き上がり時のご
飯の含水率を調節することができる。従って、鍋内に米
及び水を加える際に、米量に対する水量の割合が変動し
ても、常においしいご飯を炊くことができる。
【0008】請求項2の炊飯器は、鍋内の米及び水から
なる被炊飯物を加熱する加熱手段と、前記鍋の温度を検
出する温度検出手段と、この温度検出手段で検出された
鍋の温度に基づいて前記加熱手段の加熱量を制御する制
御手段とを具備し、前記制御手段により、ひたし行程
と、加熱行程、沸騰行程及び炊き上げ行程からなる炊飯
行程と、及び、むらし行程とを実行する炊飯器におい
て、前記制御手段は、前記沸騰行程における鍋内の被炊
飯物全体が均一に沸騰状態となる時点から鍋の温度が急
激に上昇するドライアップ開始の時点までの期間を判定
時間として検出し、この検出された判定時間と炊飯量に
応じて設定された基準判定時間とを比較して、この比較
結果に基づいて前記加熱手段による前記炊き上げ行程及
び前記むらし行程の一方若しくは双方の加熱量を制御す
ることを特徴とする。このような構成によれば、鍋内の
被炊飯物全体が均一に沸騰状態となる時点から、鍋の温
度が急激に上昇するドライアップ開始の時点までの時間
が被炊飯物の米量と水量との割合に応じて顕著に変化す
ることを利用して、被炊飯物の米量と水量の割合を正確
に推定することができる。
【0009】請求項3の炊飯器は、鍋内の米及び水から
なる被炊飯物を加熱する加熱手段と、前記鍋の温度を検
出する温度検出手段と、この温度検出手段で検出された
鍋の温度に基づいて前記加熱手段の加熱量を制御する制
御手段とを具備し、前記制御手段により、ひたし行程
と、加熱行程、沸騰行程及び炊き上げ行程からなる炊飯
行程と、及び、むらし行程とを実行する炊飯器におい
て、前記制御手段は、前記沸騰行程における鍋内の被炊
飯物全体が均一に沸騰状態となる時点から、前記炊き上
げ行程における鍋の温度が急激に上昇するドライアップ
開始の時点までの期間を判定時間として検出し、この検
出された判定時間と炊飯量に応じて設定された基準判定
時間とを比較して、この比較結果に基づいて前記加熱手
段による前記炊き上げ行程及び前記むらし行程の一方若
しくは双方の加熱量を制御することを特徴とする。この
ような構成によれば、設定温度をドライアップ開始時点
よりも十分大きな値に設定することにより、温度変化が
急峻なところで設定温度を検出することができるので、
判定時間の検出精度を上げることができる。
【0010】請求項4の炊飯器は、鍋内の米及び水から
なる被炊飯物を加熱する加熱手段と、前記鍋の温度を検
出する温度検出手段と、この温度検出手段で検出された
鍋の温度に基づいて前記加熱手段の加熱量を制御する制
御手段とを具備し、前記制御手段により、ひたし行程
と、加熱行程、沸騰行程及び炊き上げ行程からなる炊飯
行程と、及び、むらし行程とを実行する炊飯器におい
て、前記制御手段は、前記沸騰行程における鍋内の被炊
飯物が沸騰を開始する時点から鍋の温度が急激に上昇す
るドライアップ開始の時点までの期間を判定時間として
検出し、この検出された判定時間と炊飯量に応じて設定
された基準判定時間とを比較して、この比較結果に基づ
いて前記加熱手段による前記炊き上げ行程及び前記むら
し行程の一方若しくは双方の加熱量を制御することを特
徴とする。このような構成によれば、鍋内の被炊飯物全
体が均一に沸騰状態となる時点よりも、鍋内部の被炊飯
物が沸騰を開始する時点のほうが、鍋の温度変化が急峻
なので、鍋内部の被炊飯物が沸騰を開始する時点を精度
良く検出することができ、従って、判定時間の検出精度
を上げることができる。
【0011】請求項5の炊飯器は、鍋内の米及び水から
なる被炊飯物を加熱する加熱手段と、前記鍋の温度を検
出する温度検出手段と、この温度検出手段で検出された
鍋の温度に基づいて前記加熱手段の加熱量を制御する制
御手段とを具備し、前記制御手段により、ひたし行程
と、加熱行程、沸騰行程及び炊き上げ行程からなる炊飯
行程と、及び、むらし行程とを実行する炊飯器におい
て、前記制御手段は、前記沸騰行程における鍋内の被炊
飯物全体が均一に沸騰状態となる時点から、前記炊き上
げ行程における鍋の温度が設定温度に達する時点までの
期間を判定時間として検出し、この検出された判定時間
と炊飯量に応じて設定された基準判定時間とを比較し
て、この比較結果に基づいて前記加熱手段による前記炊
き上げ行程及び前記むらし行程の一方若しくは双方の加
熱量を制御することを特徴とする。このような構成によ
れば、鍋内部の被炊飯物が沸騰を開始した時点、及び炊
き上げ行程において鍋の温度が設定温度に達する時点共
に検出精度を上げることができるので、判定時間の検出
精度をより一層上げることができる。
【0012】請求項6の炊飯器は、制御手段は、ひたし
行程において、鍋を一定時間加熱後に所定期間が経過す
る迄の鍋の温度変化に基づいて、炊飯量を推定すること
を特徴とする。このような構成によれば、鍋を放熱させ
た場合の鍋の温度が炊飯量に応じて変化することを利用
して、この放熱時の鍋の温度変化を検出することによ
り、炊飯量を精度良く推定することができる。
【0013】請求項7の炊飯器は、制御手段は、加熱行
程における所定期間の鍋の温度変化に基づいて、炊飯量
を推定することを特徴とする。このような構成によれ
ば、鍋を一定の加熱量で加熱した場合の鍋の温度が炊飯
量に応じて変化することを利用して、この加熱時の鍋の
温度変化を検出することにより、炊飯量を精度良く推定
することができる。
【0014】請求項8の炊飯器は、制御手段は、ひたし
行程において、鍋を一定時間加熱後に所定期間が経過す
る迄の鍋の温度変化、及び、加熱行程における所定期間
の鍋の温度変化に基づいて、炊飯量を推定することを特
徴とする。このような構成によれば、炊飯量の推定精度
をより一層上げることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】[一実施の形態]以下、本発明の
一実施例について、図面を参照して説明する。まず図2
は、炊飯器たる誘導加熱式の電気炊飯器1の縦断面図を
示すものである。蒲鉾状の筒型に形成された耐熱プラス
チック製の本体2の外枠2aの内部には、上面に鍋型に
窪んだ開口部3を有する同材質の内枠2bが形成されて
いる。この内枠2bには、内枠2bの開口部に沿うよう
にして形成された鋼板製の鍋4が収容されている。この
鍋4は、米及び水からなる被炊飯物を入れるためのもの
であり、この鍋4の内壁には、図示はしないが、米量に
応じて適正量(以下、標準水量と称す)の水を入れるた
めの水位線が記されている。また、本体2の内枠2b底
面の中央部には、鍋4の底面の外側の温度を検出するた
めの温度検出手段たる鍋底センサ5が埋設されている。
そして、本体2の内枠2b底面から底面近傍の側壁面に
かけてには、鍋4を加熱するための加熱手段たる複数の
加熱コイル6が埋設されている。
【0016】本体2の外枠2aの平面状の側壁部の上面
には、外蓋7を装着するための取付部材8が形成されて
いる。外蓋7は、耐熱プラスチック製であり、本体2の
上面を塞ぐような蒲鉾状に形成されている。この外蓋7
の平面状の側壁部側の底面にも、取付部材9が形成され
ており、本体2及び外蓋7双方の取付部材8及び9がシ
ャフト10で接続されることにより、外蓋7が本体2に
対して開閉可能に取り付けられている。この本体2と外
蓋7とは、本体2側に設けられた図示しないフックボタ
ンと、外蓋7側に設けられた図示しないクランプ部とで
ラッチ機構が形成されており、フックボタンを押すこと
により、外蓋7の開閉を行うようになっている。
【0017】円形状に形成された内蓋11の中央部に
は、パッキン12が装着されており、パッキン12の中
央部には、円形状の小さな開口部(図示せず)が形成さ
れている。そして、外蓋7の底面中央部に装着された先
端部に凸部を有する円筒型の調圧用部材13が、このパ
ッキン12の開口部に挿入されるようにして、内蓋11
が外蓋7に取り付けられている。この内蓋11は、外蓋
7を閉じたときに、鍋4を密閉し、鍋4内部の温度を外
部と断熱するためのものである。また、調圧部材13
は、炊飯行程中等に、鍋4内部の空気が膨張して圧力が
所定値以上になると、鍋4内部の蒸気を外部に放出する
ようになっており、放出された蒸気は、外蓋7と内蓋1
1の間を通って、外蓋7に設けられた調圧口14から外
部に放出される。また、外蓋7の底面の中央部近傍に
は、内蓋11の上面側の温度を検出するための温度検出
手段たる蓋センサ15が埋設されている。
【0018】本体2内部には、図1に示すように、制御
手段16が内蔵されている。この制御手段16は、マイ
クロコンピューター(以下、単にマイコンと称す)を主
体とした回路から構成されており、このマイコンに書き
込まれたソフトウェアに基づいて、炊飯の全行程の制御
が行われる。また、制御手段16は、加熱コイル6、鍋
底センサ5及び蓋センサ15等と接続されている。尚、
図2に示すように、外蓋7の上面には、図示しない操作
用の表示パネルや複数のスイッチが装着されており、こ
れら表示パネル、スイッチ及び蓋センサ15に接続され
た図示しない信号線は、外蓋7と本体2との双方の取付
部材8及び9部分から本体2内部に引き込まれ、制御手
段16に接続されている。
【0019】制御手段16の主な機能は、図1に示すよ
うに、加熱調節部17、炊飯量推定部18、及び水量比
率判定部19とからなる機能ブロックで構成されてい
る。以下、夫々の機能ブロックの機能について説明す
る。 (加熱調節部17)加熱コイル6に印加する電力量(以
下、総加熱量と称す)の制御を行う。詳しくは、総電力
量として、電力の大きさ(以下、加熱量と称す)及びこ
の電力を印加するオンオフタイミング(以下、加熱タイ
ミングと称す)の制御を行う。 (炊飯量推定部18)詳細は後述するが、ひたし行程及
び加熱行程において、鍋底センサ5で検出される温度の
変化量に基づいて、米量及び水量の総量である炊飯量の
推定を行う。
【0020】(水量比率判定部19)詳細は後述する
が、沸騰行程において設定される期間としての鍋4内の
被炊飯物全体が均一に沸騰状態となる時点から鍋4の温
度が急激に上昇するドライアップ開始の時点までの期間
を判定時間として設定し、この判定時間を検出する。ま
た、炊飯量推定部18で推定された炊飯量に基づいて、
被炊飯物が米に対して標準水量の水が加えられたもので
あると仮定して、鍋4内の被炊飯物全体が均一に沸騰状
態となる時点から、鍋4の温度が急激に上昇するドライ
アップ開始の時点までの期間を基準判定時間として設定
する。そして、これら判定時間と基準判定時間とを比較
することにより、被炊飯物の米量に対する水量の割合
(以下、水量比率と称す)の判定を行う。
【0021】<作用説明>次に、この電気炊飯器1の作
用について、図3乃至図6をも参照して説明する。この
電気炊飯器1は、鍋4に所定量の米を入れ、鍋4内壁に
記された水位線に合わせて米量に応じた水量の水を入
れ、炊飯開始のスイッチを押すことにより、炊飯の全行
程が自動的に行われるようになっている。炊飯の全行程
は、ひたし行程と、加熱行程、沸騰行程及び炊き上げ行
程からなる炊飯行程と、むらし行程とで構成されてい
る。以下、図3を参照しながら、各行程における作用の
詳細について説明する。尚、図3は、米に対して標準水
量の水が加えられた被炊飯物の炊飯の全行程における加
熱量及び加熱タイミングを合わせた総加熱量のタイムチ
ャートと、このときに鍋底センサ5及び蓋センサ15で
検出される温度変化との関係を示すものである。また、
参考として、鍋底4aの内部の温度変化の様子も示して
ある。
【0022】(ひたし行程)ひたし行程は、米及び水か
らなる被炊飯物を弱めに加熱して米に水分を吸収させる
行程である。A−B間では、制御手段16において、炊
飯の全行程を行うための初期設定が行われ、B点におい
て、鍋底センサ5により鍋底4aの温度の検出が行われ
る。そして、この検出された温度に基づいて、被炊飯物
の初期水温が推定され、この推定された初期水温が所定
の温度範囲に入っているかの判定が行われる。そして、
所定の温度範囲に入っていると判定された場合には、鍋
4内部には被炊飯物が入っており、高温ひたしではない
(鍋内4aに高温の湯を加えることにより鍋底4aの温
度が所定温度例えば75℃を超えている)との判定が為
され、次の行程に移行する。所定の温度範囲に入ってい
ないと判定された場合には、表示部にてアラームが表示
され、炊飯は中止される。
【0023】B−C間では、加熱調節部17において、
加熱量及び加熱タイミングが、所定の加熱量(例えば6
00W)及び所定の加熱タイミング(例えばオンを5秒
としオフを10秒とする加熱間隔)に設定されており、
これらの加熱量及び加熱タイミングで鍋4への加熱が断
続的に行われる。このB−C間の時間は、所定時間(例
えば10分間)に設定されている。このB−C間では、
鍋底センサ5により鍋底4aの温度の検出が行われてお
り、加熱調節部17では、この検出された鍋底4aの温
度が、常に所定温度(例えば75℃)以下に維持される
ような加熱制御が行われる。具体的には、この加熱制御
は、鍋底4aの温度が75℃を超えた場合には、鍋4へ
の加熱を中止し、鍋底4aの温度が所定温度(例えば6
5℃)以下になるまで鍋4を放熱し、鍋底4aの温度が
65℃以下になった時点で鍋4への加熱を再開するよう
にして行われる。このようにして10分が経過すると、
次の行程に移行する。
【0024】C−D間では、加熱調節部17により鍋4
への加熱が所定時間(例えば3分間)だけ中止され、そ
れと共に、鍋4は放熱を開始する。このときの鍋4は、
鍋4内部の炊飯量に応じた熱容量を有するものであるの
で、鍋底4aの温度は、炊飯量に応じて変化するものと
なる。そして、この鍋底4aの温度変化は、鍋底センサ
5により検出が行われ、3分が経過した時点で、炊飯量
推定部18において、検出された鍋底4aの温度変化に
基づいて、炊飯量の推定が行われる。そして、次の行程
に移行する。
【0025】D−E間では、加熱調節部17において、
推定された炊飯量に応じた加熱量の設定が行われ、前記
B−C間と同様にして、鍋底4aの温度が、常に所定温
度(例えば75℃)以下に維持されるように鍋4への加
熱制御が行われる。そして、次の行程に移行する。E−
F間では、加熱調節部17において、鍋4への加熱が中
止され、ひたし行程の全行程(A−F間)の通算時間が
所定時間(例えば20分間)になるような時間調節が行
われる。これにより、ひたし行程は完了したと判定さ
れ、炊飯行程に移行する。
【0026】(炊飯行程)炊飯行程は、被炊飯物を加熱
沸騰させて熱と水分の作用により米内のデンプンを糊化
させる行程であり、加熱行程、沸騰行程及び炊き上げ行
程で構成されている。 (加熱行程)F−G間では、加熱調節部17において、
加熱量が所定の加熱量(例えば1.1kW)に設定され
ており、この加熱量で鍋4への加熱が連続的に行われ
る。このF−G間は、所定時間(例えば1分間)に設定
されている。これにより被炊飯物が急速に加熱され、鍋
4の温度は上昇する。そして、次の行程に移行する。
【0027】G−H間では、加熱調節部17において、
前記C−D間で推定された炊飯量に基づいて加熱量が再
設定される。図3に例示された被炊飯物は、米に対して
標準水量の水が加えられたものであり、所定加熱量とし
て、例えば1kWが設定されており、この設定された加
熱量で鍋4への加熱が連続的に行われる。これにより更
に鍋4の温度は上昇する。
【0028】また、このG−H間では、鍋底センサ5及
び蓋センサ15により鍋底4及び内蓋11の温度の検出
が行われており、加熱調節部17では、鍋底センサ5で
検出された温度が所定温度(例えば85℃)に達し、蓋
センサ15で検出された温度が所定温度(例えば80
℃)に達した時点で、鍋4内部の被炊飯物の一部が沸騰
を開始したと判定される。そして、炊飯量推定部18に
おいて、鍋底センサ5により検出された鍋底4aの温度
変化、及び前記C−D間にて推定された炊飯量に基づい
て、炊飯量の推定が再び行われ、より精度の高い炊飯量
が推定される。そして、水量比率判定部19では、この
推定された炊飯量が、米に対して標準水量の水が加えら
れたものであるとの仮定に基づいて、後述する沸騰継続
動作に要する時間が推定され、この時間が基準判定時間
として設定される。
【0029】(沸騰行程)沸騰行程は、鍋4内部の被炊
飯物が沸騰を開始した時点から、鍋4の温度が急激に上
昇するドライアップ開始の時点までの行程である。ここ
で、沸騰行程を2つに分けて、鍋4内部の被炊飯物が沸
騰を開始した時点から鍋4内部の被炊飯物全体が均一に
沸騰状態となる時点までを初期沸騰動作と呼び、鍋4内
部の被炊飯物全体が均一に沸騰状態となる時点から鍋4
の温度が急激に上昇するドライアップ開始の時点までを
沸騰継続動作と呼ぶこととする。
【0030】(初期沸騰動作)H−I間では、加熱調節
部17において、加熱量が、加熱行程(G−H間)で設
定された加熱量よりも若干小さな値(例えば600W)
に設定され、この加熱量で鍋4への加熱が連続的に行わ
れる。このとき、鍋4内部の被炊飯物は、部分的な沸騰
が徐々に広がり、やがて被炊飯物全体が均一に沸騰する
状態まで変化する。そして、このH−I間では、鍋底セ
ンサ5及び蓋センサ15により鍋底4a及び内蓋11の
温度の検出が行われており、水量比率判定部19では、
鍋底センサ5で検出された温度が所定温度(例えば85
℃)に達し、蓋センサ15で検出された温度が所定温度
(例えば84℃)に達し、且つ、内蓋11の温度変化率
が所定温度変化率(例えば1分当たり2℃以下)になっ
た時点で、鍋4内部の被炊飯物全体が均一に沸騰状態に
なったと判定し、次の行程に移行する。
【0031】(沸騰継続動作)I−J間では、加熱調節
部17において、加熱量及び加熱タイミングが所定の加
熱量(例えば800W)、及び所定の加熱タイミング
(例えばオンを15秒としオフを15秒とする加熱間
隔)に設定されており、これらの加熱量及び加熱タイミ
ングで鍋4への加熱が断続的に行われる。この期間の鍋
4内部では、被炊飯物の沸騰状態が継続することによ
り、水分の米への吸収と蒸発が進行し、鍋4内部の水分
が減少していく状態となる。そして、鍋4内部の水分の
米への吸収と蒸発が十分進行した時点で、鍋4の温度が
急激に上昇を開始する状態、所謂ドライアップが開始さ
れる。このI−J間では、鍋底センサ5により鍋底4a
の温度の検出が行われており、水量比率判定部19で
は、鍋底センサ5で検出された温度が所定温度(例えば
103℃)に達した時点で、ドライアップが開始したと
判定される。
【0032】そして、水量比率判定部19では、鍋4内
部の被炊飯物全体が均一に沸騰状態となった時点から、
鍋4の温度が急激に上昇するドライアップ開始の時点ま
での時間が判定時間として設定され、この判定時間の検
出が行われる。この判定時間は、水量比率に応じて顕著
に変化することが発明者により実験的に見出されてお
り、例えば、被炊飯物に標準水量の水が加えられた場合
の水量比率を基準水量比率と定義すると、判定された水
量比率が基準水量比率よりも大きい場合には、判定時間
は基準判定時間よりも長くなり、同様にして、判定され
た水量比率が基準水量比率よりも小さい場合には、判定
時間は基準判定時間よりも短くなることが分かってい
る。
【0033】そこで、J点では、水量比率判定部19に
おいて、判定時間と基準判定時間とを比較することによ
り、被炊飯物の水量比率の推定が行われる。そして、加
熱調節部17において、この推定された水量比率に基づ
いて、炊き上がり時のご飯の含水率が常に一定になるよ
うに、後述する炊き上げ行程(J−K間)及びむらし行
程(L−M間)での鍋4への加熱量及び加熱タイミング
を合わせた総加熱量の設定が行われる。この設定の際の
前記両行程の加熱比率は、推定された水量比率の大きさ
に応じて調節されるようになっており、例えば、水量比
率が非常に大きい場合には、前記両行程の加熱量を大き
くしたり、水量比率が非常に小さい場合には、前記両行
程で加熱を行わないようにした設定が行われる。
【0034】また、炊き上げ行程(J−K間)は、鍋底
4aの温度が所定温度になった時点で完了するようにな
っており、この所定温度は、推定された水量比率に応じ
て設定される。むらし行程(L−M間)は、所定時間を
経過した時点で完了するようになっており、この所定時
間も、推定された水量比率に応じて設定される。
【0035】(炊き上げ行程)炊き上げ行程は、鍋4の
温度が急激に上昇するドライアップ開始の時点から、鍋
の温度が設定温度に達する時点までの行程である。J−
K間では、加熱調節部17において、J点で設定された
総加熱量に基づいて、被炊飯物の余分な水分を蒸発させ
るための鍋4への加熱制御が行われる。また、鍋底セン
サ5により鍋底4aの温度の検出が行われ、この検出さ
れた温度が所定温度に達した時点で、炊き上げ行程が完
了したと判定される。そして、次の行程へ移行する。
【0036】図3に例示された被炊飯物は、米に対して
標準水量の水が加えられたものであり、加熱量及び加熱
タイミングは、所定の加熱量(例えば900W)、及び
所定の加熱タイミング(例えばオンを15秒としオフを
5秒とする加熱間隔)として設定されている。そして、
これらの加熱量及び加熱タイミングで鍋4への加熱が断
続的に行われる。また、炊き上げ行程を完了する温度
は、設定温度として所定温度(例えば113℃)が設定
されており、鍋底4aの温度が113℃に達した時点で
炊き上げ行程を完了し、次の行程に移行する。
【0037】(むらし行程)K−L間では、鍋底センサ
5により鍋底4aの温度の検出が行われ、加熱調節部1
7において、検出された鍋底4aの温度に基づいて、鍋
底4aの温度が所定の温度範囲に維持されるように加熱
量及び加熱タイミングが制御される。このK−L間は、
所定時間(例えば6分間)に設定されている。そして、
次の行程に移行する。L−M間では、加熱調節部17に
おいて、炊き上げ行程と同様にして、J点で設定された
総加熱量に基づいて、被炊飯物の余分な水分を蒸発させ
るための鍋4への加熱制御が行われる。また、L−M間
の経過時間が、J点で設定された所定時間に達した時点
でL−M間の行程が完了したと判定され、次の行程へ移
行する。
【0038】図3に例示された被炊飯物は、米に対して
標準水量の水が加えられたものであり、加熱量及び加熱
タイミングは、所定の加熱量(例えば750W)、及び
所定の加熱タイミング(例えばオンを10秒としオフを
15秒とする加熱間隔)として設定されている。そし
て、これらの加熱量及び加熱タイミングで鍋4への加熱
が断続的に行われる。また、このL−M間は、所定時間
(例えば1分30秒)に設定されており、1分30秒を
経過した時点で、次の行程に移行する。
【0039】M−N間では、前記K−L間と同様にし
て、鍋底センサ5により鍋底4aの温度の検出が行わ
れ、加熱調節部17において、検出された鍋底4aの温
度に基づいて、鍋底4aの温度が所定の温度範囲に維持
されるように総加熱量が制御される。そして、むらし行
程(K−N間)の総時間が所定時間(例えば14分間)
を経過した時点でむらし行程が完了したと判定されて、
鍋4への加熱が停止される。また、これにより炊飯の全
行程が完了し、表示部にてご飯が炊きあがったことを通
知する表示が為される。そして、詳細な説明は省略する
が、ご飯が冷めないように鍋内4aの温度を所定温度に
保つ保温行程に移行する。
【0040】以下、水量比率判定部19において推定さ
れた水量比率が基準水量比率より大きい場合又は小さい
場合の加熱制御について、図4及び図5を参照して説明
する。
【0041】図4は、米量が3合の被炊飯物において、
水量が標準水量よりも例えば35gだけ多い場合の炊飯
の全行程を示すものであり、この場合には、J点におい
て、水量比率判定部19により水量比率は基準水量比率
よりも若干大きいと判定される。そして、この水量比率
であれば、むらし行程(L−M間)で行われる加熱制御
の加熱量のみを増加させる方向で再設定することによ
り、鍋4内部の被炊飯物の余分な水分を蒸発させられる
と判定される。従って、炊き上げ行程(J−K間)での
総加熱量、及び該行程(J−K間)を完了する際の鍋底
4aの所定温度は、水量比率が基準水量比率の場合のも
のと同等に設定される。また、むらし行程(L−M間)
での総加熱量、及び該行程(L−M間)の所定時間は、
加熱を増加させる方向で再設定され、所定の加熱量(例
えば800W)、所定の加熱タイミング(例えばオンを
10秒としオフを5秒とする加熱間隔)、及び所定時間
(例えば7分30秒)のように設定される。
【0042】同様にして、図5は、米量が3合の被炊飯
物において、水量が標準水量よりも例えば35gだけ少
ない場合の炊飯の全行程を示すものであり、この場合に
は、J点において、水量比率判定部19により水量比率
は標準よりも小さいと判定される。そして、この水量比
率であれば、炊き上げ行程(J−K間)で行われる加熱
制御の加熱量を減少させる方向で再設定し、むらし行程
での加熱制御は行わないようにすることにより、鍋4内
部の被炊飯物の余分な水分を蒸発させられると判定され
る。従って、炊き上げ行程(J−K間)での総加熱量、
及び該行程(J−K間)を完了する際の鍋底4aの所定
温度は、加熱を減少させる方向で再設定され、所定の加
熱量(例えば800W)、所定の加熱タイミング(例え
ばオンを10秒としオフを5秒とする加熱間隔)、及び
所定温度(例えば108℃)のように設定される。ま
た、むらし行程では、鍋4への一時的な加熱は行わず、
加熱量が所定の加熱量(例えば700W)に再設定され
て、鍋底4aの温度が所定の温度範囲に維持されるよう
な制御が行われる。
【0043】次に、図6を参照して、本実施例の電気炊
飯器1で3合、4合及び5合の米を炊く場合に、夫々の
米量に対する水量を標準水量、標準水量よりも35gだ
け多い水量、及び標準水量よりも35gだけ少ない水量
にして炊飯した場合の炊き上がり時のご飯の含水率及び
食感について説明する。尚、比較のために従来の電気炊
飯器で炊飯した場合のものも示してある。この図より、
従来の電気炊飯器では、水量比率が変わると炊き上がり
時のご飯の含水率及び食感も変わってしまっているが、
本実施例の電気炊飯器1では、鍋内に米及び水を加える
際に、水量比率が変動しても、炊き上がり時のご飯の含
水率及び食感は常に一定に保たれていることがわかる。
【0044】このように本実施例では、推定された炊飯
量に基づいて、被炊飯物の水量が米量に対して標準水量
である場合の沸騰継続動作の所要時間を基準判定時間と
して設定し、この沸騰継続動作の実所要時間を判定時間
として検出するようにした。そして、沸騰継続動作の所
要時間が被炊飯物の米量と水量との割合に応じて変化す
ることを利用して、これら基準判定時間と判定時間とを
比較し、この比較結果に基づいて、被炊飯物の米量に対
する水量の比率(水量比率)を判定し、この水量比率に
応じて、炊き上げ行程及びむらし行程の一方若しくは双
方の総加熱量を制御して、被炊飯物の余分な水分を蒸発
させ、炊き上がり時のご飯の含水率が水量比率に依らず
常に一定になるようにした。
【0045】このような構成によれば、沸騰継続動作の
所要時間は、水量比率に応じて変化することを利用し
て、沸騰継続動作の実所要時間を検出することにより、
被炊飯物の水量比率を推定することができる。そして、
この推定された水量比率に基づいて、例えば、水量比率
が大きい場合には加熱量を増加させて被炊飯物の余分な
水分を飛ばしたり、水量比率が小さい場合には加熱量を
抑制させて被炊飯物の余計な水分を飛ばさないようにす
るなど、加熱調節部17にて鍋4への加熱制御を行うこ
とにより、炊き上がり時のご飯の含水率を常に一定にす
ることができる。従って、鍋内に米及び水を加える際
に、水量比率が変動しても、いつもおいしいご飯を炊く
ことができる。
【0046】また、ひたし行程において鍋4を放熱させ
た場合や、加熱行程において鍋4を一定の加熱量で加熱
した場合の鍋4の温度は、鍋4内部の炊飯量に応じて変
化するので、これらの行程において鍋4の温度変化を検
出することにより、鍋4内部の炊飯量を高精度で推定す
ることができる。
【0047】[他の実施の形態]本発明は、次のような
変形も可能である。尚、以下の説明において、図1及び
図2と同様な部分については説明を省略し、また、各行
程を示す符号は、一実施例で示したものと同様であると
する。 <実施の形態A>判定時間は、水量比率判定部19に
て、沸騰行程から炊き上げ行程に渡って設定される期間
としての沸騰行程における鍋4内部の被炊飯物全体が均
一に沸騰状態となる時点から炊き上げ行程における鍋4
の温度が設定温度に達する時点までの期間が設定され
る。
【0048】この場合の沸騰継続動作(I−J間)中の
鍋への加熱制御は、一実施例と同様にして行われ、この
加熱制御が炊き上げ行程(J−K間)にも継続される。
そして、このI−K間では、鍋底センサ5により鍋底4
aの温度の検出が行われ、加熱調節部17では、この鍋
底4aの温度が設定温度に達した時点で炊き上げ行程が
完了したと判定され、むらし行程に移行する。そして、
被炊飯物の余計な水分を蒸発させるための鍋4への加熱
制御は、むらし行程のL−M間のみで行われる。このよ
うな構成によれば、設定温度をドライアップ開始時点よ
りも十分大きな値に設定することにより、温度変化が急
峻なところで設定温度を検出することができるので、判
定時間の検出精度を上げることができる。
【0049】<実施の形態B>判定時間は、水量比率判
定部19にて、沸騰行程において設定される期間として
の鍋4内部の被炊飯物が沸騰を開始した時点から鍋4の
温度が急激に上昇するドライアップ開始の時点までの期
間が設定される。この場合の初期沸騰動作(のH−I
間)及び沸騰継続動作(I−J間)中の鍋4への加熱制
御は、一実施例と同様にして行われる。また、被炊飯物
の余計な水分を蒸発させるための鍋4への加熱制御も、
一実施例と同様にして、炊き上げ行程(J−K間)及び
むらし行程(L−M間)で行われる。
【0050】このような構成によれば、鍋4内部の被炊
飯物全体が均一に沸騰状態となる時点よりも、鍋4内部
の被炊飯物が沸騰を開始する時点のほうが、鍋4の温度
変化が急峻なので、鍋4内部の被炊飯物が沸騰を開始す
る時点を精度良く検出することができ、従って、判定時
間の検出精度を上げることができる。
【0051】<実施の形態C>判定時間は、水量比率判
定部19にて、沸騰行程から炊き上げ行程に渡って設定
される期間としての鍋4内部の被炊飯物が沸騰を開始す
る時点から炊き上げ行程における鍋4の温度が設定温度
に達する時点までの期間として設定される。この場合の
初期沸騰動作(H−I間)及び沸騰継続動作(I−J
間)中の鍋4への加熱制御は、一実施例と同様にして行
われる。また、沸騰継続動作(I−J間)中の鍋4への
加熱制御が炊き上げ行程(J−K間)にも継続される。
そして、このI−K間では、鍋底センサ5により鍋底4
aの温度の検出が行われ、加熱調節部17では、この鍋
底4aの温度が設定温度に達した時点で炊き上げ行程が
完了したと判定され、むらし行程に移行する。そして、
被炊飯物の余計な水分を蒸発させるための鍋4への加熱
制御は、むらし行程のL−M間のみで行われる。
【0052】このような構成によれば、鍋4内部の被炊
飯物が沸騰を開始した時点、及び炊き上げ行程において
鍋4の温度が設定温度に達する時点共に検出精度を上げ
ることができるので、判定時間の検出精度をより一層上
げることができる。
【0053】尚、本発明は、上記し、且つ図面に示す実
施例にのみ限定されるものではなく、次のような変形、
拡張が可能である。本実施例では、ひたし行程において
鍋を放熱させた場合、及び加熱行程において鍋を一定の
加熱量で加熱した場合の双方の鍋の温度変化に基づい
て、鍋内の炊飯量を推定するようにしたが、どちらか一
方の鍋の温度変化のみに基づいて、鍋内の炊飯量を推定
するようにしてもよい。また、本実施例では、炊飯量を
制御手段で推定するようにしたが、これに限定されるも
のではなく、例えば、炊飯開始時に、ボタン等で設定す
るようにしてもよい。
【0054】本実施例では、基準判定時間は、推定され
た炊飯量に応じて設定するようにしたが、米に対して標
準水量の水が加えられた被炊飯物であれば、沸騰継続動
作の所要時間は、その炊飯量にほとんど依存しない一定
時間と見なすこともできるので、基準判定時間は所定の
一定時間として設定してもよい。本実施例では、誘導加
熱式の電気炊飯器に適用したが、これに限定されるもの
ではなく、例えばヒーター加熱式の電気炊飯器やガス加
熱式の炊飯器でもよく、要は制御手段で加熱制御を行う
炊飯器全般に適用できる。
【0055】本実施例では、炊きあげ行程及びむらし行
程の一方若しくは双方の加熱制御を行う際に、推定され
た水量比率に応じて、加熱量及び加熱タイミングを変え
るような加熱制御を行ったが、この加熱制御は、加熱量
を一定にして加熱タイミングだけを変えるようにした
り、又は、加熱タイミングを一定にして加熱量だけを変
えるようにしてもよい。更に、加熱タイミングは連続的
にオンさせて加熱量だけを変えるようにしてもよい。要
は、鍋への加熱制御により、鍋内の被炊飯物の余分な水
分を蒸発させて、炊きあがり時のご飯の含水率が常に一
定になればよい。
【0056】
【発明の効果】以上の記述で明らかなように、本発明の
炊飯器は、鍋内の被炊飯物全体が均一に沸騰状態となる
時点から、鍋の温度が急激に上昇するドライアップ開始
の時点までの所要時間は、被炊飯物の米量に対する水量
の割合(水量比率)に応じて変化することを利用して、
この所要時間を検出することにより、水量比率を推定す
ることができるので、この推定された水量比率に応じ
て、炊き上げ行程及びむらし行程での加熱量を調節する
ことにより、炊き上がり時のご飯の含水率を常に一定に
することができ、従って、鍋内に米及び水を加える際に
水量比率が変動しても、いつもおいしいご飯を炊くこと
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す炊飯器のブロック図
【図2】炊飯器の構成を示す縦断面図
【図3】水量が標準水量の場合の炊飯の全行程を示す図
【図4】水量が標準水量より多い場合の炊飯の全行程を
示す図
【図5】水量が標準水量より少ない場合の炊飯の全行程
を示す図
【図6】水量比率の異なる炊飯毎の米の含水率及び食感
を示す図
【符号の説明】
図面中、1は誘導加熱式の電気炊飯器(炊飯器)、4は
鍋、5は鍋底センサ(温度検出手段)、6は加熱コイル
(加熱手段)、15は蓋センサ(温度検出手段)、16
は制御手段、17は加熱調節部、18は炊飯領水底部、
19は水量比率判定部を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 坪井 心 愛知県瀬戸市穴田町991番地 株式会社東 芝愛知工場内 Fターム(参考) 4B055 AA03 BA66 BA68 CC03 CD02 DB14 GA05 GB06 GC12 GD03

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鍋内の米及び水からなる被炊飯物を加熱
    する加熱手段と、前記鍋の温度を検出する温度検出手段
    と、この温度検出手段で検出された鍋の温度に基づいて
    前記加熱手段の加熱量を制御する制御手段とを具備し、
    前記制御手段により、ひたし行程と、加熱行程、沸騰行
    程及び炊き上げ行程からなる炊飯行程と、及び、むらし
    行程とを実行する炊飯器において、 前記制御手段は、前記沸騰行程において設定された期間
    若しくは前記沸騰行程から炊き上げ行程に渡って設定さ
    れた期間を判定時間として検出し、この検出された判定
    時間と炊飯量に応じて設定された基準判定時間とを比較
    して、この比較結果に基づいて前記加熱手段による前記
    炊き上げ行程及び前記むらし行程の一方若しくは双方の
    加熱量を制御することを特徴とする炊飯器。
  2. 【請求項2】 鍋内の米及び水からなる被炊飯物を加熱
    する加熱手段と、前記鍋の温度を検出する温度検出手段
    と、この温度検出手段で検出された鍋の温度に基づいて
    前記加熱手段の加熱量を制御する制御手段とを具備し、
    前記制御手段により、ひたし行程と、加熱行程、沸騰行
    程及び炊き上げ行程からなる炊飯行程と、及び、むらし
    行程とを実行する炊飯器において、 前記制御手段は、前記沸騰行程における鍋内の被炊飯物
    全体が均一に沸騰状態となる時点から鍋の温度が急激に
    上昇するドライアップ開始の時点までの期間を判定時間
    として検出し、この検出された判定時間と炊飯量に応じ
    て設定された基準判定時間とを比較して、この比較結果
    に基づいて前記加熱手段による前記炊き上げ行程及び前
    記むらし行程の一方若しくは双方の加熱量を制御するこ
    とを特徴とする炊飯器。
  3. 【請求項3】 鍋内の米及び水からなる被炊飯物を加熱
    する加熱手段と、前記鍋の温度を検出する温度検出手段
    と、この温度検出手段で検出された鍋の温度に基づいて
    前記加熱手段の加熱量を制御する制御手段とを具備し、
    前記制御手段により、ひたし行程と、加熱行程、沸騰行
    程及び炊き上げ行程からなる炊飯行程と、及び、むらし
    行程とを実行する炊飯器において、 前記制御手段は、前記沸騰行程における鍋内の被炊飯物
    全体が均一に沸騰状態となる時点から、前記炊き上げ行
    程における鍋の温度が急激に上昇するドライアップ開始
    の時点までの期間を判定時間として検出し、この検出さ
    れた判定時間と炊飯量に応じて設定された基準判定時間
    とを比較して、この比較結果に基づいて前記加熱手段に
    よる前記炊き上げ行程及び前記むらし行程の一方若しく
    は双方の加熱量を制御することを特徴とする炊飯器。
  4. 【請求項4】 鍋内の米及び水からなる被炊飯物を加熱
    する加熱手段と、前記鍋の温度を検出する温度検出手段
    と、この温度検出手段で検出された鍋の温度に基づいて
    前記加熱手段の加熱量を制御する制御手段とを具備し、
    前記制御手段により、ひたし行程と、加熱行程、沸騰行
    程及び炊き上げ行程からなる炊飯行程と、及び、むらし
    行程とを実行する炊飯器において、 前記制御手段は、前記沸騰行程における鍋内の被炊飯物
    が沸騰を開始する時点から鍋の温度が急激に上昇するド
    ライアップ開始の時点までの期間を判定時間として検出
    し、この検出された判定時間と炊飯量に応じて設定され
    た基準判定時間とを比較して、この比較結果に基づいて
    前記加熱手段による前記炊き上げ行程及び前記むらし行
    程の一方若しくは双方の加熱量を制御することを特徴と
    する炊飯器。
  5. 【請求項5】 鍋内の米及び水からなる被炊飯物を加熱
    する加熱手段と、前記鍋の温度を検出する温度検出手段
    と、この温度検出手段で検出された鍋の温度に基づいて
    前記加熱手段の加熱量を制御する制御手段とを具備し、
    前記制御手段により、ひたし行程と、加熱行程、沸騰行
    程及び炊き上げ行程からなる炊飯行程と、及び、むらし
    行程とを実行する炊飯器において、 前記制御手段は、前記沸騰行程における鍋内の被炊飯物
    全体が均一に沸騰状態となる時点から、前記炊き上げ行
    程における鍋の温度が設定温度に達する時点までの期間
    を判定時間として検出し、この検出された判定時間と炊
    飯量に応じて設定された基準判定時間とを比較して、こ
    の比較結果に基づいて前記加熱手段による前記炊き上げ
    行程及び前記むらし行程の一方若しくは双方の加熱量を
    制御することを特徴とする炊飯器。
  6. 【請求項6】 制御手段は、ひたし行程において、鍋を
    一定時間加熱後に所定期間が経過する迄の鍋の温度変化
    に基づいて、炊飯量を推定することを特徴とする請求項
    1乃至5の何れかに記載の炊飯器。
  7. 【請求項7】 制御手段は、加熱行程における所定期間
    の鍋の温度変化に基づいて、炊飯量を推定することを特
    徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の炊飯器。
  8. 【請求項8】 制御手段は、ひたし行程において、鍋を
    一定時間加熱後に所定期間が経過する迄の鍋の温度変
    化、及び、加熱行程における所定期間の鍋の温度変化に
    基づいて、炊飯量を推定することを特徴とする請求項1
    乃至5の何れかに記載の炊飯器。
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