JP3434949B2 - 車両用電源装置 - Google Patents

車両用電源装置

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JP3434949B2 JP32321495A JP32321495A JP3434949B2 JP 3434949 B2 JP3434949 B2 JP 3434949B2 JP 32321495 A JP32321495 A JP 32321495A JP 32321495 A JP32321495 A JP 32321495A JP 3434949 B2 JP3434949 B2 JP 3434949B2
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博 神孫子
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、交流及び直流架
線区間を走行する車両に搭載される車両用電源装置の技
術に関する。
【0002】
【従来の技術】図6は「車両補助電源用GTO2重チョ
ッパトランジスタインバータ装置(その2)」(米畑、
松浦、姫野、松本、太田;昭和62年電気学会全国大会
No889)に記載されたものと同様な従来の車両用電源
装置の回路構成図である。図6において、1は直流15
00Vの高圧架線、2は高圧架線1から電力を集電する
パンタグラフ、3と4は高圧架線電圧に含まれるリップ
ル成分を除去するための直流フィルタリアクトルと直流
フィルタコンデンサ、5は車両用電源装置の起動時に直
流フィルタコンデンサ4を初期充電するための充電抵
抗、6は直流フィルタコンデンサ4の初期充電完了後に
ゲートパルス信号が印加されて充電抵抗5を短絡するた
めのブロッキングサイリスタ(以下、単に「サイリス
タ」という)である。
【0003】また、7は直流1500Vの入力電圧を直
流750Vへ降圧するためのチョッパ回路、8はチョッ
パ回路7から出力された直流電圧を三相交流の正弦波電
圧へ変換するためのインバータ回路、9は高電圧入力と
低電圧出力とを電気的に絶縁しインバータ出力電圧を所
定の三相交流電圧へ調整するための変圧器、10は直流
フィルタコンデンサ4の充電電圧を検出する電圧検出回
路、11は電圧検出回路10から出力された検出信号に
基づいてサイリスタ6、チョッパ回路7、及びインバー
タ回路8のゲートパルス信号を出力する制御回路であ
る。
【0004】次に、このように構成された従来の車両用
電源装置の動作を説明する。まず、装置起動前の段階で
は、サイリスタ6、チョッパ回路7、及びインバータ回
路8はオフ状態となっている。この状態で、車両用電源
装置を起動させるため、パンタグラフ2を高圧架線1に
接触させて電力の集電を行う。すると、充電電流が、直
流フィルタリアクトル3、充電抵抗5を順に介して直流
フィルタコンデンサ4に流れ、直流フィルタコンデンサ
4がその充電電流により初期充電される。
【0005】そして、制御回路11は、電圧検出回路1
0の出力に基づいて直流フィルタコンデンサ4の充電電
圧が所定電圧(初期充電検知レベル:例えば830V)
になると直流フィルタコンデンサ4の初期充電を検知
し、制御回路11は、所定時間(例えば5秒)経過後
に、サイリスタ6のゲートパルス信号を出力し、サイリ
スタ6を導通させて充電抵抗5を短絡させる。さらに、
制御回路11は、充電抵抗5を短絡させた数秒(例えば
1秒)後、チョッパ回路7、インバータ回路8に対する
ゲートパルス信号をオン制御して、チョッパ回路7、イ
ンバータ回路8を動作させる。これにより、変圧器9を
介して三相交流電圧が負荷に供給されることになり、車
両用電源装置は負荷運転を開始する。
【0006】車両用電源装置の運転終了に際しては、制
御回路11に電力供給する図示しない制御用電源の停止
やパンタグラフ2の降下により車両用電源装置の運転を
停止する。また、車両走行中に高圧架線1からのパンタ
グラフ2の離線発生等による短い瞬時停電等が発生する
場合がある。この場合、車両用電源装置の運転性を向上
させるため、直流フィルタコンデンサ4の充電電圧が所
定の設定電圧レベル(クイックスタート処理時の設定電
圧レベル:例えば870V)まで低下したことを電圧検
出回路10が検出すると、その検出信号の出力に基づい
て、制御回路11はチョッパ回路7、インバータ回路8
へのゲートパルス信号をオフ制御して、チョッパ回路
7、インバータ回路8のゲートを一旦停止させる。そし
て、瞬時停電が終了して給電復旧後に、制御回路11
は、再びチョッパ回路7やインバータ回路8に対してゲ
ートパルス信号をオン制御し、車両用電源装置の運転を
再開する。
【0007】この場合、チョッパ回路7やインバータ回
路8のゲートパルス信号のオフ制御(以下、「ゲート停
止」という)により負荷回路への電力供給は停止する
が、そのゲート停止処理は瞬時になされ高速なので、瞬
時停電による直流フィルタコンデンサ4の充電電圧の低
下は小さく、給電復旧後に装置起動時の初期充電処理を
再び行う必要がない。そのため、給電復旧時の再起動時
間が大幅に短縮されている。この短時間でのゲートパル
ス信号の出力によるゲート停止から再起動までの動作
を、以下、「クイックスタート処理」という。
【0008】また、パンタグラフ2の降下等による長時
間の停電が発生した場合には、直流フィルタコンデンサ
4の充電電圧の低下はさらに進む。そのため、この場合
は制御回路11によりサイリスタ6のゲートを停止させ
る。そして、その後の高圧架線1の給電復旧によって、
前述のような、車両用電源装置の起動の場合の直流フィ
ルタコンデンサ4の初期充電から動作を始めることにな
る。この場合の起動時間は、車両用電源装置の初期起動
時間と同様に長時間を要する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従来の車両用電源装置
は以上のように構成されており、交流架線区間と直流架
線区間とを走行する車両用の電源装置として使用する場
合、一般に、交流架線区間の交流電圧を整流した直流換
算の入力電圧(定格2000V)は、直流架線区間の直
流電圧(定格1500V)より大きいので、クイックス
タート処理を行う判断基準とする直流フィルタコンデン
サ4の充電電圧の設定電圧レベルも、交流架線区間と直
流架線区間とに対応してそれぞれ設ける必要がある。従
って、直流フィルタコンデンサ4の充電電圧の設定電圧
レベルまでの低下がどちらの架線区間で発生したかを区
別していない場合、交流架線区間において、直流架線区
間での充電電圧の設定電圧レベルに基づいて、クイック
スタート処理を行うと、クイックスタート処理を行った
後の給電復旧時の入力電圧の急激な変化によって、車両
用電源装置の主回路に過大な突入電流が流れて保護回路
が動作したり、また、その突入電流の抑制のため直流リ
アクトル3のインダクタンスの値を大きくした設計をす
る必要が生じて、ひいては装置が大型化し不経済となる
難点がある。
【0010】この発明は、かかる問題を解決するために
なされたものであり、交流架線区間と直流架線区間とを
走行する車両用の電源装置として使用する場合、交流架
線区間において給電復旧時のクイックスタート処理を行
う際に、装置を大型化することなく、突入電流を抑制で
きることにより、経済的な車両用電源装置を得ることを
目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】この発明に係る車両用電
源装置は、フィルタコンデンサの充電電圧を検出する電
圧検出手段と、フィルタコンデンサの初期充電完了後に
電圧検出手段により検出される電圧に基づいて架線区間
が直流架線区間か又は交流架線区間かを判別し、クイッ
クスタート処理の際の設定電圧レベルをその判別結果に
基づいて架線区間に応じた値に切り替え、フィルタコン
デンサの充電電圧が設定電圧レベルになったときに電力
変換手段を停止させてクイックスタート処理時のフィル
タコンデンサの充電電圧を確保する制御手段を備えたも
のである。
【0012】また、制御手段は、直流架線区間での直流
電圧の最大電圧値より大きく交流架線区間でのフィルタ
コンデンサの初期充電完了時のピーク充電電圧の最低電
圧値より小さい電圧値を判別基準電圧値とし、フィルタ
コンデンサの初期充電完了後に電圧検出手段により検出
される充電電圧が判別基準電圧より大きいときは交流架
線区間、判別基準電圧より小さいときは直流架線区間と
判別するようにしたものである。
【0013】また、制御手段は、直流架線区間及び交流
架線区間におけるクイックスタート処理の際の設定電圧
レベルを、フィルタコンデンサの初期充電検出値より大
きく、かつ各架線区間に応じたピーク充電電圧値より小
さい電圧レベルとすると共に、交流架線区間での設定電
圧レベルは直流架線区間での設定電圧レベルより大きい
値としたものである。
【0014】また、制御手段は、交流架線区間でのクイ
ックスタート処理時の設定電圧レベルとして、第1の設
定電圧レベルと第1の設定電圧レベルより低い第2の設
定電圧レベルを有し、フィルタコンデンサの充電電圧が
フィルタに入力される入力電圧より低い場合に、フィル
タコンデンサの充電電圧が第1の設定電圧レベルに低下
するとクイックスタート処理を禁止し、フィルタコンデ
ンサの充電電圧がさらに低下して第2の設定電圧レベル
になるとクイックスタート処理を行うようにしたもので
ある。
【0015】また、制御手段は、フィルタコンデンサの
充電電圧が第1の設定電圧レベルに低下した際にカウン
トを開始し入力電圧が前記フィルタコンデンサの充電電
圧を越える際にリセットされる1周期タイマカウンタを
備え、1周期タイマカウンタが所定の時限に達したとき
にクイックスタート処理を禁止するようにしたものであ
る。
【0016】また、制御手段は、入力電圧の周波数が架
線電圧の周波数より小さい場合にクイックスタート処理
を行うようにしたものである。
【0017】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.図1はこの発明の実施の形態1に示す車
両用電源装置の構成図である。図1において、図6に示
す従来例と同一又は相当部分には同一の符号を付しその
説明を省略する。新たな符号として、20は交流架線区
間で使用され交流電圧を所定の電圧へ降圧する主変圧
器、21は主変圧器20の2次巻線側の交流電圧を直流
電圧に変換する補助整流器である。また、S1は、交流
架線区間では閉じられ直流架線区間では開けられる切替
スイッチ、S2、S3は共に交流架線区間では接点A
側、直流架線区間では接点B側へ投入される切替スイッ
チである。
【0018】また、実施の形態1において、制御回路1
1は、直流フィルタコンデンサ4の充電電圧V2 が所定
電圧(初期充電検知レベル:例えば830V)に到達し
て、所定時間(例えば5秒)経過後にサイリスタ6を導
通させ、その後さらに所定時間(例えば1秒)経過後、
電圧検出回路10が検出した直流フィルタコンデンサ4
の充電電圧V2 (ピーク充電電圧)から、直流架線区間と
交流架線区間とを判別して各区間に対応した異なるクイ
ックスタート処理のための設定電圧レベルを切り替える
ようになっている。各区間に対応した設定電圧レベル
は、例えば、直流架線区間では870V、交流架線区間
では1170Vにそれぞれ設定されている。なお、V1
は高圧架線1からパンタグラフを介して入力される車両
用電源装置への入力電圧を示す。
【0019】次に、このように構成された車両用電源装
置の動作について説明する。切替スイッチS1、S2、
及びS3は、交流架線と直流架線とを切り替える区間で
ある交流/直流切替セクションにおいて、各架線区間に
対応した前述したそれぞれの所定の位置へ、例えば手動
によりあらかじめ切り替えられている。そのため、例え
ば直流架線区間では前述した図6に示す回路構成となっ
て高圧架線1の直流電圧(定格1500V)が入力電圧
1 となるのに対し、交流架線区間では図1に示すよう
に主変圧器20の2次巻線電圧を補助整流器21で直流
に変換した電圧(定格2000V:直流換算前)が入力
電圧V1 となる。
【0020】このように、交流架線区間で電源装置の入
力電圧V1 となる直流換算電圧値は直流架線の直流電圧
値よりも大きい。従って、架線区間が直流架線区間であ
るか又は交流架線区間であるか判別しなければならな
い。そして、交流架線区間においては、制御回路11が
検知するクイックスタート処理の判断基準とする直流フ
ィルタコンデンサ4の充電電圧V2 の設定電圧レベル
を、直流架線区間での設定電圧レベルより大きい値に設
定しなければ、前述のように、交流架線区間では、給電
復旧時の入力電圧V1 の急激な変化によって、電源装置
が故障する場合がある。
【0021】そのため、制御回路11は、これらの架線
区間を、直流フィルタコンデンサ4の初期充電が完了し
てサイリスタ6を導通させた後の直流フィルタコンデン
サ4のピーク充電電圧の大きさの違いから判別し、クイ
ックスタート処理を行う判断基準とする直流フィルタコ
ンデンサ4の充電電圧V2 の設定電圧レベルを、交流架
線区間と直流架線区間とに対応してそれぞれ切り替え
る。
【0022】ここで、直流架線区間と交流架線区間とを
判別する判別基準電圧について、車両用電源装置の起動
時の直流フィルタコンデンサ4の充電電圧の変化を示す
図2のタイムチャートを参照して説明する。図2には示
していないが、1ACは交流架線区間で補助整流器2
1により整流されて出力される入力電圧P1AC
1AC の直流ピーク値(波高値)、主変圧器20
の2次巻線電圧の交流実効値の1.41倍の値
交流架線区間での直流平均換算値で、補助整流器21の
出力電圧の直流平均値で、主変圧器20の2次巻線電圧
の交流実効値の0.9倍の値1DCは直流架線区間
での入力電圧、VDCは直流架線区間での直流電圧値を
示すものとする
【0023】また、V2AC 及びV2DC はそれぞれ交流架
線区間及び直流架線区間での直流フィルタコンデンサ4
の充電電圧、VREF はサイリスタ6をオン制御する基準
とする直流フィルタコンデンサ4の充電電圧である。V
P2AC及びVP2DCはそれぞれ交流架線区間及び直流架線区
間での直流フィルタコンデンサ4のピーク充電電圧であ
る。
【0024】直流架線区間では、サイリスタ6を導通さ
せ充電抵抗5を短絡させると充電電圧V2DC は上昇する
が、直流電圧に含まれるリップル成分は非常に少ないの
で、サイリスタ6にゲートパルス信号のオン制御をする
際の充電電圧VREF とピーク充電電圧VP2DCとの差は微
差(共に高圧架線1の電圧に殆ど近い)である。
【0025】一方、交流架線区間では、サイリスタ6に
ゲートパルス信号を出力した後の電圧検出回路10が検
出する直流フィルタコンデンサ4の充電電圧V2AC は、
図2に示すように、サイリスタ6にゲートパルス信号の
オン制御をする際の充電電圧VREF ≦充電電圧V2AC
ピーク充電電圧VP2ACの関係となる。そして、電圧V
REF とピーク充電電圧VP2ACとの差は、交流電圧にはリ
ップル成分が非常に多く含まれており、かつ、交流電圧
の波高値VP1ACでピーク充電されるため、直流架線区間
でのそれに比し非常に大きい。
【0026】さらに、前述のように、交流架線区間のピ
ーク電圧VP1AC (一般に2500〜3100V(直流
換算後)程度の変動幅を持つ)は、直流架線区間の直流
電圧V1DC (一般に900〜1800V程度の変動幅を
持つ)より大きいので、VP2 DC <VP2ACである。
【0027】従って、交流架線区間と直流架線区間とを
区別する判断基準として、例えば、交流架線区間でのピ
ーク電圧の最低電圧値と直流架線区間での直流電圧の最
大電圧値との間の値(例えば平均値VL )を採用し、チ
ョッパ回路7、インバータ回路8のゲート出力をオン制
御する直前の電圧検出回路10の検出信号(ピーク充電
電圧)から、充電電圧が電圧VL を越えるか否かによ
り、制御回路11は対象区間が交流架線区間であるか又
は直流架線区間であるかの判別を容易に行うことができ
る。この判別結果に基づいて、クイックスタート処理の
際の直流フィルタコンデンサ4の充電電圧の設定電圧レ
ベルを交流架線区間のもの(例えば1170V)と直流
架線区間のもの(例えば870V)とで切り替えれば、
交流架線区間において、給電復旧時のクイックスタート
に伴う過大な突入電流を抑制することができる。
【0028】今、図1において、初期の起動前の段階で
は、サイリスタ6、チョッパ回路7、及びインバータ回
路8は、オフ状態となっている。車両用電源装置の起動
に際し、この状態でパンタグラフ2を上昇させて高圧架
線1に接触させると、高圧架線1からパンタグラフ2で
集電された入力電圧V1により、直流フィルタリアクト
ル3、充電抵抗5を順に介して、直流フィルタコンデン
サ4が初期充電される。制御回路11は、電圧検出回路
10が検出する充電電圧V2 がある電圧設定値VREF
達したら、初期充電を検知し従来例と同様に、所定時間
経過後(例えば5秒後)に、サイリスタ6のゲートパル
ス信号を出力し、サイリスタ6を導通させて充電抵抗5
を短絡させる。短絡直後、直流フィルタコンデンサ4の
充電電圧V2 は上昇して、最終的にピーク充電電圧まで
上昇する。
【0029】その際、制御回路11は、電圧検出回路1
0の検出出力と判別基準電圧との比較に基づいて、電圧
検出回路10の検出出力が判別基準電圧より高ければそ
の区間を交流架線区間と、また、電圧検出回路10の検
出出力が判別基準電圧より低ければその区間を直流架線
区間と判別する。ここでは、上記の比較によりその区間
を交流架線区間と判別したとする。
【0030】この場合、制御回路11は、クイックスタ
ート処理のための直流フィルタコンデンサ4の設定電圧
レベルを交流架線区間での設定電圧レベルに切り替え
る。この段階では、チョッパ回路7、インバータ回路8
は制御回路11から出力されるゲートパルス信号により
オン制御されておらず、電源装置は無負荷状態であるの
で、ピーク充電電圧VP2ACはVP1ACと等しい。
【0031】そして、制御回路11からチョッパ回路
7、インバータ回路8へ出力されるゲートパルス信号に
よりオン制御され、チョッパ回路7、インバータ回路8
のゲートはオンとなり、車両用電源装置は負荷への電力
供給を開始する。そのため、充電電圧V2 は降下して最
終的に図3に示す直流平均換算値Vm に降下し、車両用
電源装置は運転状態となる。
【0032】なお、その区間が仮に直流架線区間であっ
たならば、架線電圧に含まれるリップル成分は非常に僅
かであり、直流フィルタコンデンサ4の充電電圧V2DC
は、図2のV2DC に示されるものになる。そして、サイ
リスタ6をオン制御した後の充電電圧V2DC は、ピーク
充電電圧VP2DCに到達するものの、電圧VP2DCは電圧V
1DC に近い値となる(電圧差は殆どない)。また、制御
回路11からチョッパ回路7、インバータ回路8へのゲ
ートパルス信号の出力によるオン制御により、車両用電
源装置が負荷への電力供給を開始した場合、充電電圧V
2DC は降下して、最終的に図2に示すように、電圧VDC
に落ち着いて、車両用電源装置は運転状態となる。
【0033】その後、交流架線区間と判別されたこの区
間では、瞬時停電が発生し直流フィルタコンデンサ4の
充電電圧V2ACが低下して先に交流架線区間に対応して
切り替えた設定電圧レベルに達した場合に、前記従来例
と同様なクイックスタート処理が行われる。
【0034】実施の形態1によれば、直流フィルタコン
デンサ4の充電電圧を検出する電圧検出回路10と、直
流架線区間での直流電圧の最大電圧値より大きく交流架
線区間で整流した直流換算電圧の最低電圧値より小さい
電圧値を判別基準電圧値として直流フィルタコンデンサ
4の初期充電完了後に電圧検出回路4により検出される
充電電圧が判別基準電圧より大きいときは交流架線区
間、判別基準電圧より小さいときは直流架線区間と判別
し、直流架線区間及び交流架線区間におけるクイックス
タート処理の際の設定電圧レベルを、直流フィルタコン
デンサ4の初期充電検出値より大きく、かつ各架線区間
に応じたピーク充電電圧値より小さい電圧レベルとする
と共に、交流架線区間での設定電圧レベルは直流架線区
間での設定電圧レベルより大きい値としてクイックスタ
ート処理の際の設定電圧レベルをその判別結果に基づい
て架線区間に応じた値に切り替え、直流フィルタコンデ
ンサ4の充電電圧が設定電圧レベルになったときにチョ
ッパ回路7、インバータ回路8を停止させてクイックス
タート処理時の直流フィルタコンデンサ4の充電電圧を
確保する制御回路11を備えたので、交流架線区間にお
いて、ブロッキングサイリスタ6を短絡させた後の電圧
検出回路10の出力から、制御回路11は対象区間を交
流架線区間であると判別を簡単に行うことにより、直流
フィルタコンデンサ4の充電電圧の低下によりクイック
スタート処理を行っても、給電復旧時の入力電圧の変化
分が直流架線区間と同様に少なくなるため、電源装置主
回路に流れる突入電流を抑制することができる。このた
め、突入電流を抑制するために、主回路の直流フィルタ
リアクトル3のインダクタンスの値を大きく設計する必
要がなくなって、装置が小型化され経済的な装置とする
ことができる。
【0035】なお、実施の形態1の制御回路11は、ソ
フトウェアで構成してもよく、またハードウェアで構成
しても同等の効果を奏する。また、本発明による架線種
別の判別結果を用いて、その判別信号を他の制御切換用
途にも使用してもよい。
【0036】実施の形態2.実施の形態1では、装置起
動時において、サイリスタ6にゲートパルス信号のオン
制御をした後の直流フィルタコンデンサ4のピーク充電
電圧の検出により、直流架線区間と交流架線区間とを判
別する例を示した。この例により対象区間を交流架線区
間と判別した場合、例えば、装置運転中に、セクション
通過時に短い瞬時停電が発生して充電電圧V2 が所定の
設定電圧レベルとなると、制御回路11はチョッパ回路
7、インバータ回路8にゲートパルス信号のオフ制御に
より装置を停止するように構成されている。従って、上
記構成では、交流架線区間において瞬時停電でない一時
的な架線入力電圧の低下が発生した場合でも、チョッパ
回路7、インバータ回路8は、制御回路11から出力さ
れるゲートパルス信号のオフ制御により停止するので電
源装置の運転性が低下する場合がある。
【0037】このため、実施の形態2では、交流架線区
間において、実施の形態1に示した制御回路11は、さ
らに、交流架線区間において入力電圧V1 のリップル成
分の有無を検査するようにし、装置運転中に直流フィル
タコンデンサ4の充電電圧V2AC が前述した交流架線区
間での設定電圧レベルにまで低下した場合、入力電圧V
1 にリップル成分が含まれていなければ(交流電力の供
給なし)、例えば交流架線区間においてセクションを通
過する際に発生する瞬時停電と判断し、前述のようなク
イックスタート処理を行い、一方、入力電圧V1 にリッ
プル成分が含まれていれば(交流電力の供給あり)、例
えば瞬時停電でない入力電圧V1 の低下と判断し、その
場合は充電電圧V2AC の低下によりクイックスタート処
理を早めに行い、電源装置の運転性を向上させるように
してもよい。
【0038】図3は、実施の形態2に係る車両用電源装
置の構成図である。また、図4は、実施の形態2に示す
車両用電源装置の動作の説明図である。図3中、前記実
施の形態1と同一又は相当部分には同一の符号を付しそ
の説明を省略する。図3では入力電圧V1AC の検出波
形、及び直流フィルタコンデンサ4の充電電圧V2AC
検出波形がそれぞれ制御回路11に入力されるようにな
っている。そして、制御回路11は、入力電圧V1AC
なる交流架線電圧の直流整流波形の1周期をカウントす
る1周期タイマカウンタを内蔵している。
【0039】1周期タイマカウンタは、交流架線区間に
おいて、充電電圧V2AC が後述するクイックスタート処
理の高い設定電圧レベルVQHに低下するとカウントを開
始し(この場合、入力電圧V1AC <充電電圧V2AC )、
その後、入力電圧V1AC >充電電圧V2AC となったとき
にカウントを中止してリセットする動作を行うものであ
り、このカウント動作を繰り返す。
【0040】そして、カウンタ値があらかじめ定められ
た1周期カウンタ値に達した場合(このことは図4中、
入力電圧V1AC にリップル成分が含まれていないことを
意味する)、この場合、制御回路11は、瞬時停電(交
流電力の供給なし)と判断し、充電電圧V2AC の高い設
定電圧レベルVQHへの低下に基づいた、クイックスター
ト処理のための各ゲートパルス信号の制御を行うように
なっている。
【0041】このように構成された車両用電源装置の動
作を図4に従って説明する。前述のように、対象区間を
交流架線区間と判断された場合、クイックスタート処理
の設定電圧レベルを高い設定電圧レベルVQH (図示せ
ず)と低い設定電圧レベルVQL (図示せず)の2つ設
ける。ここで、これら設定電圧レベルVQL、V
QHは、VREF <VQL<VQH<VP2ACとな
るように設定する。そして、交流架線区間で電源装置が
運転を行っている状態では、図2に示すように、充電電
圧V2AC =直流平均値V である。
【0042】ここでセクションを通過する時のような短
い瞬時停電が発生した場合、図4の交流架線の入力電圧
の直流整流波形で示される入力電圧V1AC が低下して充
電電圧V2AC も瞬時停電でクイックスタート処理させよ
うとするレベルVQHにまで低下する。すると、図4に示
すように1周期タイマカウンタはカウントを始める。こ
の場合、入力電圧V1AC <充電電圧V2AC となってい
る。
【0043】その後、瞬時停電中は入力電圧V1AC <充
電電圧V2AC のままである。その間も1周期タイマカウ
ンタはカウントを続行し、給電復旧により入力電圧V
1AC が復旧するまでに1周期のカウントアップする(即
ち、入力電圧V1 にリップル成分が含まれていない)。
従って、制御回路11は瞬時停電と判断し、さらに、前
述した充電電圧V2AC のレベルVQHの検出に基づいた、
前述のような、チョッパ回路7、インバータ回路8のゲ
ート停止のクイックスタート処理を行う。
【0044】一方、架線電圧が低下した場合も、図4の
交流架線の入力電圧の直流整流波形で示される入力電圧
1AC が低下して充電電圧V2AC も瞬時停電でクイック
スタート処理させようとするレベルVQHにまで低下す
る。図4に示すように1周期タイマカウンタはカウント
を始める。この場合、入力電圧V1AC <充電電圧V2AC
となっている。
【0045】その後、1周期タイマカウンタがカウント
アップするまでに、入力電圧V1ACが復旧して、充電電
圧V2AC <入力電圧V1AC (電力供給がある限り、周期
的に脈動する入力電圧V1AC は1周期までにこの関係に
なる。)となると、1周期タイマカウンタはカウントを
停止してリセットされる(入力電圧V1AC にリップル成
分が含まれている)。
【0046】そして、制御回路11は、1周期タイマカ
ウンタのカウント動作に基づいて、入力電圧V1AC の低
下と判断しチョッパ回路7、インバータ回路8のゲート
を停止させるゲートパルス信号の出力を禁止する。従っ
て、この場合は前述のようなクイックスタート処理の充
電電圧V2AC のレベルVQHを検出しても、クイックスタ
ート処理は禁止される。
【0047】その後、入力電圧V1AC が低下したままで
あると、充電電圧V2AC はさらに低下を続けてレベルV
QLまで低下する。充電電圧V2AC がレベルVQLまで低下
すると、電圧検出回路10の出力に基づいて、制御回路
11は強制的に前述のようなクイックスタート処理を行
う。
【0048】このような構成により、図3で示すように
架線電圧が低下して充電電圧V2ACが低下しても、1周
期タイマカウンタが1周期をカウントするまでに充電電
圧V2AC <入力電圧V1AC となって1周期タイマカウン
タはリセットがかかるため、1周期タイマカウンタはカ
ウントアップせず、制御回路11は、この1周期タイマ
カウンタの結果に基づいて、チョッパ回路7、インバー
タ回路8のゲートを停止させるゲートパルス信号を出力
しない。
【0049】一方、セクションを通過する場合のような
短い瞬時停電が発生した場合は、入力電圧V1AC <充電
電圧V2AC の状態が続き、その間に1周期タイマカウン
タはリセットせずにカウントを続け、制御回路11は、
1周期タイマカウンタがカウントアップした後にチョッ
パ回路7、インバータ回路8のゲート停止のゲートパル
ス信号を出力を行うことができる。
【0050】実施の形態2によれば、制御回路11は、
交流架線区間でのクイックスタート処理時の設定電圧レ
ベルとして高い設定電圧レベルと低い設定電圧レベルを
有すると共に、直流フィルタコンデンサ4の充電電圧が
高い設定電圧レベルに低下した際にカウントを開始し入
力電圧が直流フィルタコンデンサ4の充電電圧を越える
際にリセットされる1周期タイマカウンタを備え、直流
フィルタコンデンサ4の充電電圧がフィルタに入力され
る入力電圧より低い場合に、1周期タイマカウンタが所
定の時限に達しするとクイックスタート処理を禁止し、
直流フィルタコンデンサ4の充電電圧がさらに低下して
低い設定電圧レベルになるとクイックスタート処理を行
ようにしたので、瞬時停電でない架線入力電圧の低下の
場合に、制御回路11から出力される停止制御信号に基
づいてチョッパ回路7及びインバータ回路8が停止する
事態が排除されて電源装置の運転性の低下を防ぐことが
できる。
【0051】なお、実施の形態2の制御回路11は、ソ
フトウェアで構成してもよく、またハードウェアで構成
しても同等の効果を奏する。
【0052】実施の形態3.実施の形態2では、交流架
線区間において、図3の入力電圧V1AC 、充電電圧V
2AC の大きさで、クイックスタート処理の可否を決定す
る例を示した。しかし、上記例では、例えば図5に示す
ように、主変圧器20の2次巻線にモータ負荷12が接
続されている場合では、交流架線区間においてセクショ
ンを通過する際に短い瞬時停電が発生すると、車両の惰
行運転時のモータ負荷12の残留電圧によって、入力電
圧V1 に交流架線区間の電圧の周波数より低いモータの
回転に同期した周波数を有するリップル成分を有する誘
起電圧が印加するため、そのリップル成分を検出して瞬
時停電であるにも拘わらず、クイックスタート処理を妨
げてしまう場合がある。従って、瞬時停電の発生の有無
を正確に把握することが必要となる。
【0053】そこで、実施の形態2に示した構成に加
え、制御回路11は、さらにあらかじめ記録された交流
入力電圧の周波数と入力電圧V1AC の周波数とを比較す
るようにし、入力電圧V1AC の周波数が交流入力電圧の
周波数より低下した場合は、制御回路11は瞬時停電が
発生した(その入力電圧V1AC は誘起電圧によるもの)
と判断して、クイックスタート処理の妨げを排除するよ
うにしてもよい。
【0054】図5は、実施の形態3に係る車両用電源装
置の構成図である。図5に示す新たな構成として、主変
圧器20と補助整流器21との間に車両用のモータ負荷
12が設けられている。ここで、実施の形態3におい
て、制御回路11は、交流入力電圧の周波数(地域によ
り50又は60Hz)をあらかじめ記録した周波数記録
メモリと、また周波数記録メモリに記録された周波数と
入力電圧V1AC の周波数とを比較する周波数比較回路と
を内蔵している。
【0055】このように構成された車両用電源装置で
は、交流架線区間において瞬時停電が発生すると、制御
回路11内では、実施の形態2に示したような1周期タ
イマカウンタによるカウンタ動作を行う。そして、瞬時
停電であれば、車両の惰行運転時のモータ負荷12の残
留電圧によって、入力電圧V1AC に交流架線区間の電圧
の周波数より低いモータの回転に同期した周波数を有す
るリップル成分を有する誘起電圧が現れるため、制御回
路11内では、そのカウンタ動作と共に、制御回路11
が周波数記録メモリに記録された周波数と入力電圧V
1AC の周波数とを比較して交流架線区間の電圧の周波数
より低い周波数を有するリップル成分を有する誘起電圧
の発生を検出する。
【0056】そして、制御回路11は、1周期タイマカ
ウンタによるリップル成分の存在を検出しても、さら
に、周波数比較回路による、交流架線区間の電圧の周波
数より低い周波数を有する誘起電圧が発生を検出した場
合は、瞬時停電の発生と判断する。その後は、前述した
ようなクイックスタート処理が行われる。
【0057】実施の形態3によれば、制御回路11は、
入力電圧の周波数が架線電圧の周波数より小さい場合に
クイックスタート処理を行うようにしたので、制御回路
11は、車両の惰行運転時のモータ負荷12の残留電圧
によって、直流入力電圧に交流架線電圧の周波数より低
い周波数を有するリップル成分を有する誘起電圧の印加
の検出から瞬時停電の発生を検知してクイックスタート
処理の妨げを排除することができる。
【0058】なお、実施の形態3の制御回路11は、ソ
フトウェアで構成してもよく、またハードウェアで構成
しても同等の効果を奏する。
【0059】この発明によれば、フィルタコンデンサの
充電電圧を検出する電圧検出手段と、フィルタコンデン
サの初期充電完了後に電圧検出手段により検出される電
圧に基づいて架線区間が直流架線区間か又は交流架線区
間かを判別し、クイックスタート処理の際の設定電圧レ
ベルをその判別結果に基づいて架線区間に応じた値に切
り替え、フィルタコンデンサの充電電圧が設定電圧レベ
ルになったときに電力変換手段を停止させてクイックス
タート処理時のフィルタコンデンサの充電電圧を確保す
る制御手段を備えたので、交流架線区間において、初期
充電完了後の電圧検出回路の出力から、制御手段は対象
区間を交流架線区間あると判別を簡単に行うことによ
り、フィルタコンデンサの充電電圧の充電電圧低下によ
りクイックスタート処理を行っても、給電復旧時の入力
電圧の変化分が直流架線区間と同様に少なくなるため、
電源装置主回路に流れる突入電流を抑制することができ
る。このため、突入電流を抑制するために、主回路の直
流フィルタリアクトル3のインダクタンスの値を大きく
設計する必要がなくなって、装置が小型化され経済的な
装置とすることができる。
【0060】また、制御手段は、直流架線区間での直流
電圧の最大電圧値より大きく交流架線区間でのフィルタ
コンデンサの初期充電完了時のピーク充電電圧の最低電
圧値より小さい電圧値を判別基準電圧値とし、フィルタ
コンデンサの初期充電完了後に電圧検出手段により検出
される充電電圧が判別基準電圧より大きいときは交流架
線区間、判別基準電圧より小さいときは直流架線区間と
判別するようにしたので、交流架線区間において、初期
充電完了後の電圧検出回路の出力から、制御手段は対象
区間を交流架線区間であると判別を簡単に行うことによ
り、フィルタコンデンサの充電電圧の充電電圧低下によ
りクイックスタート処理を行っても、給電復旧時の入力
電圧の変化分が直流架線区間と同様に少なくなるため、
電源装置主回路に流れる突入電流を抑制することができ
る。このため、突入電流を抑制するために、主回路の直
流フィルタリアクトル3のインダクタンスの値を大きく
設計する必要がなくなって、装置が小型化され経済的な
装置とすることができる。
【0061】また、制御手段は、直流架線区間及び交流
架線区間におけるクイックスタート処理の際の設定電圧
レベルを、フィルタコンデンサの初期充電検出値より大
きく、かつ各架線区間に応じたピーク充電電圧値より小
さい電圧レベルとすると共に、交流架線区間での設定電
圧レベルは直流架線区間での設定電圧レベルより大きい
値としたので、交流架線区間において、初期充電検出後
の電圧検出回路の出力から、制御手段は対象区間を交流
架線区間あると判別を簡単に行うことにより、フィルタ
コンデンサの充電電圧の充電電圧低下によりクイックス
タート処理を行っても、給電復旧時の入力電圧の変化分
が直流架線区間と同様に少なくなるため、電源装置主回
路に流れる突入電流を抑制することができる。このた
め、突入電流を抑制するために、主回路の直流フィルタ
リアクトル3のインダクタンスの値を大きく設計する必
要がなくなって、装置が小型化され経済的な装置とする
ことができる。
【0062】また、制御手段は、交流架線区間でのクイ
ックスタート処理時の設定電圧レベルとして、第1の設
定電圧レベルと第1の設定電圧レベルより低い第2の設
定電圧レベルを有し、フィルタコンデンサの充電電圧が
フィルタに入力される入力電圧より低い場合に、フィル
タコンデンサの充電電圧が第1の設定電圧レベルに低下
するとクイックスタート処理を禁止し、フィルタコンデ
ンサの充電電圧がさらに低下して第2の設定電圧レベル
になるとクイックスタート処理を行うようにしたので、
瞬時停電でない架線入力電圧の低下の場合に、制御手段
から出力される停止制御信号に基づいて車両搭載機器へ
の電力供給が停止する事態が排除されて電源装置の運転
性の低下を防ぐことができる。
【0063】また、制御手段は、フィルタコンデンサの
充電電圧が第1の設定電圧レベルに低下した際にカウン
トを開始し入力電圧が前記フィルタコンデンサの充電電
圧を越える際にリセットされる1周期タイマカウンタを
備え、1周期タイマカウンタが所定の時限に達したとき
にクイックスタート処理を禁止するようにしたので、瞬
時停電でない架線入力電圧の低下の場合に、制御手段か
ら出力される停止制御信号に基づいて交流電力変換手段
が停止する事態が排除されて電源装置の運転性の低下を
防ぐことができる。
【0064】また、制御手段は、入力電圧の周波数が架
線電圧の周波数より小さい場合にクイックスタート処理
を行うようにしたので、車両の惰行運転時のモータ負荷
の残留電圧によって、直流入力電圧に交流架線区間の電
圧の周波数と異なる周波数を有するリップル成分を有す
る誘起電圧の印加を検出し、瞬時停電の発生を検知して
クイックスタート処理の妨げを排除することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態1に係る車両用電源装置の構成図
である。
【図2】 実施の形態1の動作を示すタイムチャートで
ある。
【図3】 実施の形態2に係る車両用電源装置の構成図
である。
【図4】 実施の形態2の動作を示すタイムチャートで
ある。
【図5】 実施の形態3に係る車両用電源装置の構成図
である。
【図6】 従来の車両用電源装置の構成図である。
【符号の説明】
20 主変圧器、21 補助整流器。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 沼野 稔夫 東京都千代田区丸の内一丁目6番5号 東日本旅客鉄道株式会社内 (72)発明者 神孫子 博 東京都千代田区丸の内一丁目6番5号 東日本旅客鉄道株式会社内 (56)参考文献 特開 平6−261403(JP,A) 特開 平6−169501(JP,A) 特開 平8−126101(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60L 9/30

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 架線電圧に基づいた直流電圧に含まれる
    リップル成分を除去するフィルタコンデンサを介して電
    力変換手段により電力変換を行った後、その変換された
    電力を車両に搭載された機器に供給する車両用電源装置
    において、前記フィルタコンデンサの充電電圧を検出す
    る電圧検出手段と、前記フィルタコンデンサの初期充電
    完了後に前記電圧検出手段により検出される電圧に基づ
    いて架線区間が直流架線区間か又は交流架線区間かを判
    別し、クイックスタート処理の際の設定電圧レベルをそ
    の判別結果に基づいて架線区間に応じた値に切り替え、
    前記フィルタコンデンサの充電電圧が前記設定電圧レベ
    ルになったときに前記電力変換手段を停止させてクイッ
    クスタート処理時の前記フィルタコンデンサの充電電圧
    を確保する制御手段を備えたことを特徴とする車両用電
    源装置。
  2. 【請求項2】 前記制御手段は、直流架線区間での直流
    電圧の最大電圧値より大きく交流架線区間での前記フィ
    ルタコンデンサの初期充電完了時のピーク充電電圧の最
    低電圧値より小さい電圧値を判別基準電圧値とし、前記
    フィルタコンデンサの初期充電完了後に前記電圧検出手
    段により検出される充電電圧が前記判別基準電圧より大
    きいときは交流架線区間、前記判別基準電圧より小さい
    ときは直流架線区間と判別することを特徴とする請求項
    1に記載の車両用電源装置。
  3. 【請求項3】 前記制御手段は、直流架線区間及び交流
    架線区間におけるクイックスタート処理の際の設定電圧
    レベルを、前記フィルタコンデンサの初期充電検出値よ
    り大きく、かつ各架線区間に応じたピーク充電電圧値よ
    り小さい電圧レベルとすると共に、交流架線区間での設
    定電圧レベルは直流架線区間での設定電圧レベルより大
    きい値としたことを特徴とする請求項2に記載の車両用
    電源装置。
  4. 【請求項4】 前記制御手段は、交流架線区間でのクイ
    ックスタート処理時の設定電圧レベルとして、第1の設
    定電圧レベルと該第1の設定電圧レベルより低い第2の
    設定電圧レベルを有し、前記フィルタコンデンサの充電
    電圧がフィルタに入力される入力電圧より低い場合に、
    前記フィルタコンデンサの充電電圧が前記第1の設定電
    圧レベルに低下するとクイックスタート処理を禁止し、
    前記フィルタコンデンサの充電電圧がさらに低下して前
    記第2の設定電圧レベルになるとクイックスタート処理
    を行うことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記
    載の車両用電源装置。
  5. 【請求項5】 前記制御手段は、前記入力電圧が前記フ
    ィルタコンデンサの充電電圧よりも低くなった状態で、
    前記フィルタコンデンサの充電電圧が前記第1の設定電
    圧レベルに低下した際にカウントを開始し前記入力電圧
    が前記フィルタコンデンサの充電電圧を越える際にリセ
    ットされる1周期タイマカウンタを備え、前記1周期タ
    イマカウンタが所定の時限に達したときにクイックスタ
    ート処理を禁止することを特徴とする請求項4に記載の
    車両用電源装置。
  6. 【請求項6】 前記制御手段は、前記入力電圧の周波数
    が架線電圧の周波数より小さい場合にクイックスタート
    処理を行うことを特徴とする請求項4又は5に記載の車
    両用電源装置。
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