JP3430060B2 - 高周波用半導体装置 - Google Patents

高周波用半導体装置

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JP3430060B2
JP3430060B2 JP04307099A JP4307099A JP3430060B2 JP 3430060 B2 JP3430060 B2 JP 3430060B2 JP 04307099 A JP04307099 A JP 04307099A JP 4307099 A JP4307099 A JP 4307099A JP 3430060 B2 JP3430060 B2 JP 3430060B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、マイクロ波・ミ
リ波通信に用いられる高周波用半導体装置に関し、コプ
レーナ線路を有するモノリシックマイクロ波集積回路
(MMIC(monolithic microwave integrated circui
t))が形成された高周波用半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、高周波用半導体装置としては、コ
プレーナ線路を有するモノリシックマイクロ波集積回路
を形成したものがある。このモノリシックマイクロ波集
積回路のコプレーナ線路は、信号線路と接地導体が同一
面にあるため、バイアホールが不要で、素子の接地が容
易という特徴がある。また、上記コプレーナ線路の特性
インピーダンスは、信号線路の幅および信号線路と接地
導体との間隔で決まるので、半導体基板の厚さにかかわ
らず線路幅や特性インピーダンスを比較的自由に設定す
ることが可能である。
【0003】上記モノリシックマイクロ波集積回路の集
積度を上げて、チップ面積を小さくするためには、特に
1/4波長線路等の長い線路をメアンダ状に折り曲げて
集積化する必要がある。このコプレーナ線路の曲げ方に
関しては、特開平1−198804号公報に開示されて
いる。上記特開平1−198804号公報では、図10
に示すように、半導体基板1上にメアンダ状に折り曲げ
られたコプレーナ線路3を形成し、そのコプレーナ線路
3の折り曲げの位置において信号線路の両側の接地導体
をそれぞれエアーブリッジ4で接続して、同電位化する
ことにより、不要なスロットモードを抑圧している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記コ
プレーナ線路を有するモノリシックマイクロ波集積回路
が形成された高周波用半導体装置では、メアンダ状にコ
プレーナ線路を折り曲げた場合、接地導体が極端に細く
なると、接地として機能しなくなり不要なモードが発生
するため、信号線路間の接地導体の面積をある程度確保
する必要がある。また、上記信号線路間の接地導体の面
積をある程度確保した場合、モノリシックマイクロ波集
積回路上でコプレーナ線路が占有する割合が大きくな
り、高集積化の妨げとなるという問題がある。
【0005】そこで、この発明の目的は、モノリシック
マイクロ波集積回路のチップ面積を縮小できる高周波用
半導体装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1の高周波用半導体装置は、コプレーナ線路
を有するモノリシックマイクロ波集積回路が形成された
高周波用半導体装置において、所定の間隔をあけて略平
行にかつ互いの間に接地導体がないように設けられ、一
端が互いに接続された2本の信号線路と、その2本の信
号線路の外側のすべての周囲を囲むように所定の間隔を
あけて設けられた接地導体とで構成された折り返し形コ
プレーナ線路を有することを特徴としている。
【0007】上記請求項1の高周波用半導体装置によれ
ば、所定の間隔をあけて略平行に設けられ、一端が互い
に接続された2本の信号線路と、その2本の信号線路の
外側に所定の間隔をあけて設けられた接地導体とで構成
された折り返し形コプレーナ線路では、伝送モードは奇
モードが支配的となり、2本の信号線路間の中心に電気
的壁を形成する。したがって、上記2本の信号線路間の
中心は電位ゼロとなって等価的に接地となるので、信号
線路の片側の接地導体を省くことが可能となり、信号線
路を高密度に集積化することができ、モノリシックマイ
クロ波集積回路のチップ面積を縮小することが可能とな
る。したがって、この高周波用半導体装置を小型化でき
る。
【0008】また、請求項2の高周波用半導体装置は、
請求項1の高周波用半導体装置において、上記折り返し
形コプレーナ線路の上記2本の信号線路と上記接地導体
との間隔を上記2本の信号線路の間隔の1/2としたこ
とを特徴としている。
【0009】上記請求項2の高周波用半導体装置によれ
ば、上記2本の信号線路と接地導体との間隔を上記2本
の信号線路の間隔の1/2とすることによって、2本の
信号線路間にあたかも間隔を隔てて接地導体があるかの
ようにふるまうので、各信号線路の両側に同じ間隔をあ
けて接地導体があるのと等しくなり、コプレーナ線路の
特性インピーダンスを保ったまま、モノリシックマイク
ロ波集積回路のチップ面積を縮小できる。
【0010】また、請求項3の高周波用半導体装置は、
請求項2の高周波用半導体装置において、上記折り返し
形コプレーナ線路の上記2本の信号線路の他端と接地導
体との間にMIM(Metal Insulator Metal:メタル・イ
ンシュレータ・メタル)キャパシタを夫々挿入したこと
を特徴としている。
【0011】上記請求項3の高周波用半導体装置によれ
ば、上記2本の信号線路の他端と接地導体との間にMI
Mキャパシタを夫々挿入したことにより、特定の周波数
に対して電気長が90°となる伝送線路と同じ機能をよ
り小さい面積で実現できる。
【0012】また、請求項4の高周波用半導体装置は、
請求項2の高周波用半導体装置において、上記折り返し
形コプレーナ線路の特性インピーダンスが、所望の直線
状の一本の信号線路を有するコプレーナ線路の特性イン
ピーダンスとほぼ等しくなるように、上記折り返し形コ
プレーナ線路の上記信号線路の幅および上記信号線路と
上記接地導体との間の距離が決められていることを特徴
としている。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、この発明の高周波用半導体
装置を図示の実施の形態により詳細に説明する。
【0014】(第1実施形態) 図1はこの発明の第1実施形態の増幅器としのMMIC
(Monolithic Microwave Integrated Circuit:モノリシ
ックマイクロ波集積回路)が形成された高周波用半導体
装置を示している。なお、図1において斜線部は接地導
体を表している。この高周波用半導体装置は、入力ポー
ト101と、直流阻止用MIMキャパシタ102,10
3と、整合回路用直列MIMキャパシタ104と、トラ
ンジスタ105と、コプレーナ線路106と、エアブリ
ッジ107,108,126と、抵抗109と、バイパス
用直列MIMキャパシタ120,121と、直流バイア
ス端子122,123と、出力ポート124と、折り返
し形コプレーナ線路125とを有している。
【0015】また、図2は図1に示す高周波用半導体装
置の等価回路を示している。図2に示すように、入力ポ
ート101に信号線路131の一端に接続し、上記信号
線路131の他端を直流阻止用MIMキャパシタ102
の一端に接続している。上記直流阻止用MIMキャパシ
タ102の他端に信号線路132の一端を接続し、上記
信号線路132の他端に信号線路134の一端を接続し
ている。また、上記信号線路132の他端と接地との間
に整合回路用直列MIMキャパシタ104を接続すると
共に、上記信号線路132の他端に信号線路133の一
端を接続している。上記信号線路133の他端と直流バ
イアス端子122との間に抵抗109を接続すると共
に、上記直流バイアス端子122と接地との間にバイパ
ス用直列MIMキャパシタ120を接続している。ま
た、上記信号線路134の他端にトランジスタ105の
ベースを接続し、トランジスタ105のエミッタを接地
に接続している。上記トランジスタ105のコレクタに
コプレーナ線路106の一端を接続し、コプレーナ線路
106の他端と出力ポート124との間に信号線路13
9, 直流阻止用MIMキャパシタ103および信号線路
140をコプレーナ線路106側から順に直列に接続し
ている。さらに、上記コプレーナ線路106の他端と信
号線路135の一端とを接続すると共に、信号線路13
5の他端に信号線路136の一端を接続している。上記
信号線路136の他端に、信号線路136と平行な信号
線路137の一端を接続している。そして、上記信号線
路137の他端と直流バイアス端子123とを信号線路
138を介して接続すると共に、直流バイアス端子12
3と接地との間にバイパス用直列MIMキャパシタ12
1を接続している。
【0016】図1に示すように、上記2本の信号線路1
36,137の外側を囲むように接地導体100を設け
ている。上記2本の信号線路136,137と接地導体
100とで折り返し形コプレーナ線路125を構成して
いる。上記信号線路136,137と接地導体との間隔
を2本の信号線路136,137の間隔の1/2として
いる。
【0017】上記構成の高周波用半導体装置において、
図1,図2に示すように、入力ポート101から入力さ
れた高周波信号は、直流阻止用MIMキャパシタ102
および整合回路用直列MIMキャパシタ104等で機能
する整合回路を経て、トランジスタ105により増幅さ
れる。このトランジスタ105により増幅された信号
は、コプレーナ線路106,折り返し形コプレーナ線路
125および直流阻止用MIMキャパシタ103等で機
能する整合回路を経て、出力ポート124から出力され
る。また、上記直流バイアス端子122,123に入力
された直流バイアスは、バイパス用直列MIMキャパシ
タ120,121にて高周波的に接地して、トランジス
タ105の入出力端(ベースとコレクタ)に印加する。
【0018】ここで、上記折り返し形コプレーナ線路1
25はショートスタブとして機能しており、一本のコプ
レーナ線路で形成したショートスタブと回路的に等価で
ある。
【0019】さらに、上記折り返し形コプレーナ線路1
25について以下に詳細に説明する。
【0020】上記折り返し形コプレーナ線路125で
は、伝送モードは奇モードが支配的となり、2本の信号
線路136,137間の中心に電気的壁が形成される。
したがって、2本の信号線路136,137間の中心は
電位ゼロとなって等価的に接地となる。
【0021】図6は直線状の1本の信号線路を有するコ
プレーナ線路の断面図を示し、図7はこの発明の高周波
用半導体装置の折り返し形コプレーナ線路の断面図を示
している。図6に示すように、コプレーナ線路の場合、
信号線路404の幅Wと信号線路404と接地導体40
2(403)との間隔Gにより、特性インピーダンスが決
まる。一方、図7に示すように、折り返し形コプレーナ
線路では、2本の信号線路408,409の間隔Sを、
信号線路408と接地導体406の間隔Gおよび信号線
路409と接地導体407の間隔Gの2倍とすることに
より、各信号線路408,409間にあたかも間隔Gを
隔てて接地導体があるかのようにふるまうため、折り返
し形コプレーナ線路の特性インピーダンスは、直線状の
1本の信号線路を有するコプレーナ線路の特性インピー
ダンスとほぼ等しくなる。この結果、コプレーナ線路の
特性インピーダンスを保ったまま、線路を高密度に集積
化することができるため、モノリシックマイクロ波集積
回路のチップ面積を縮小することが可能となる。
【0022】例えば、ガリウム砒素基板上に厚さ10μ
mの金で信号線路幅10μm、信号線路と接地導体間を
15μmとしてコプレーナ線路を形成した場合、特性イ
ンピーダンスがほぼ50Ωとなる。図8,図9は、線路
幅10μmの2本の信号線路の間隔を30μm、信号線
路と接地導体間の距離を15μmとし、2本の信号線路
の片方の一端をお互いに接続した折り返し形コプレーナ
線路のS21特性およびS11特性を夫々示している。図9
に示すように、入力反射損失は20dB以上であり、特
性インピーダンスはほぼ50Ωとみなすことができる。
これは、この発明の高周波用半導体装置の折り返し形コ
プレーナ線路が回路的に一本のコプレーナ線路と等価で
あることを意味する。ここでは、特性インピーダンスが
50Ωの場合を取り上げて説明したが、他の特性インピ
ーダンスの場合でも同じようにして、直線状の一本の信
号線路を有するコプレーナ線路を折り返し形コプレーナ
線路に置き換えが可能である。
【0023】このように、上記折り返し形コプレーナ線
路125をMMIC上で用いることにより、信号線路の
片側の接地導体を省くことが可能となり、性能を損なう
ことなく高集積化が可能となる。
【0024】(第2実施形態) 図3はこの発明の第2実施形態の周波数2逓倍器のMM
ICを形成した高周波用半導体装置を示している。な
お、図3において斜線部は接地導体を表している。上記
高周波用半導体装置は、入力ポート201と、直流阻止
用MIMキャパシタ202,203と、整合回路用直列
MIMキャパシタ204と、トランジスタ205と、コ
プレーナ線路206と、エアブリッジ207,208,2
09と、抵抗228と、バイパス用直列MIMキャパシ
タ220,221と、直流バイアス端子222,223
と、出力ポート224と、ショートスタブ229と、折
り返し形コプレーナ線路225とを有している。
【0025】また、図4は図3に示す高周波用半導体装
置の等価回路を示している。図4に示すように、入力ポ
ート201に信号線路231の一端を接続し、上記信号
線路231の他端を直流阻止用MIMキャパシタ202
の一端に接続している。上記直流阻止用MIMキャパシ
タ202の他端に信号線路232の一端を接続し、上記
信号線路232の他端に信号線路234の一端を接続し
ている。また、上記信号線路232の他端と接地との間
に整合回路用直列MIMキャパシタ204を接続すると
共に、上記信号線路232の他端に信号線路233の一
端を接続している。上記信号線路233の他端と直流バ
イアス端子222との間に抵抗228を接続すると共
に、上記直流バイアス端子222と接地との間にバイパ
ス用直列MIMキャパシタ220を接続している。ま
た、上記信号線路234の他端にトランジスタ205の
ベースを接続し、トランジスタ205のエミッタを接地
に接続している。上記トランジスタ205のコレクタに
コプレーナ線路206の一端を接続し、コプレーナ線路
206の他端と出力ポート224との間に信号線路23
8,信号線路239,直流阻止用MIMキャパシタ203
および信号線路240をコプレーナ線路206側から順
に直列に接続している。さらに、上記コプレーナ線路2
06の他端と信号線路235の一端とを接続すると共
に、信号線路235の他端に信号線路236の一端を接
続している。また、上記信号線路235の他端と接地と
の間に直列MIMキャパシタ227を接続している。上
記信号線路236の他端に、信号線路236と略平行な
信号線路237の一端を接続している。そして、上記信
号線路237の他端と接地との間に直列MIMキャパシ
タ226を接続している。また、上記信号線路238,
239との接続点と直流バイアス端子223との間にシ
ョートスタブ229を接続すると共に、直流バイアス端
子223と接地との間にバイパス用直列MIMキャパシ
タ221を接続している。
【0026】図3に示すように、上記2本の信号線路2
36,237の外側を囲むように接地導体200(図3に
示す)を設けている。上記2本の信号線路236,237
と接地導体200とで折り返し形コプレーナ線路225
を構成している。上記信号線路136,137と接地導
体との間隔を2本の信号線路236,237の間隔の1
/2としている。
【0027】ここで、図5(A)〜(C)を参照して、上記折
り返し形コプレーナ線路225およびMIMキャパシタ
226,227の機能について説明する。
【0028】ある周波数f0に対して電気長が90°と
なる特性インピーダンスZ0の伝送線路301(図5(A)
に示す)は、電気長θ°,特性インピーダンスZ=Z0/s
inθの伝送線路302およびωC=(1/Z0)cosθのキ
ャパシタ303,304で等価的に置き換えることがで
きる(図5(B)に示す)。この伝送線路302の代わりに
折り返し形コプレーナ線路305(図5(C)に示す)を用
いることが可能であり、もとの伝送線路301と同じ性
能を等価的により小さく置き換えることができる。つま
り、折り返し形コプレーナ線路305およびMIMキャ
パシタ303,304で構成されるものは、周波数f0に
対して電気長90°,特性インピーダンスZ0の伝送線路
と等価になる。
【0029】以上の関係より、図3において、折り返し
形コプレーナ線路225と直列MIMキャパシタ22
6,227によって、ある周波数f0に対して電気長90
°の伝送線路と等価になるように設定することができ、
周波数f0に対して電気長90°のオープンスタブとし
て機能する。
【0030】上記構成の高周波用半導体装置において、
上記入力ポート201から入力された周波数f0の高周
波信号は、直流阻止用MIMキャパシタ202および整
合回路用直列MIMキャパシタ204等で機能する整合
回路を経て、トランジスタ205に入力される。トラン
ジスタ205から出力した基本波は、コプレーナ線路2
06を通り、折り返し形コプレーナ線路225,MIM
キャパシタ226,227で等価的に構成された90°
オープンスタブで再びトランジスタ205側に反射す
る。これによりトランジスタ205は大きく歪み、2倍
波を出力する。この2倍波はショートスタブ226,直
流阻止用MIMキャパシタ203等で機能する整合回路
を経て、出力ポート224から出力される。直流バイア
スは直流バイアス端子222,223より、バイパス用
直列MIMキャパシタ220,221にて高周波的に接
地して、トランジスタ205の入出力端(ベースとコレ
クタ)に印加する。
【0031】以上のように、上記折り返し形コプレーナ
線路225と直列MIMキャパシタ226,227を用
いることにより、特定の周波数に対して電気長90°の
伝送線路と同じ機能をより小さい面積で実現でき、性能
を損なうことなく高集積化が可能となる。
【0032】上記第1,第2実施形態では、ここでMM
ICとして増幅器および周波数2逓倍器について説明し
たが、これに限るものではなく、この発明はコプレーナ
線路を有するMMICが形成される全ての高周波用半導
体装置に適用することが可能である。
【0033】また、上記第2実施形態では、電気長90
°の伝送線路を用いる回路として周波数2逓倍器につい
て説明したが、電気長90°の伝送線路は、バイアス供
給回路,インピーダンス変換器およびブランチラインハ
イブリッド等にも煩雑に用いられ、それらの回路全てに
この発明を適用することができる。
【0034】
【発明の効果】以上より明らかなように、請求項1の発
明の高周波用半導体装置は、コプレーナ線路を有するモ
ノリシックマイクロ波集積回路が形成された高周波用半
導体装置において、所定の間隔をあけて略平行にかつ互
いの間に接地導体がないように設けられ、一端が互いに
接続された2本の信号線路と、その2本の信号線路の外
側のすべての周囲を囲むように所定の間隔をあけて設け
られた接地導体とで構成された折り返し形コプレーナ線
路を有するものである。
【0035】したがって、請求項1の発明の高周波用半
導体装置によれば、上記折り返し形コプレーナ線路の2
本の信号線路間の中心は電位ゼロとなって等価的に接地
となるので、信号線路の片側の接地導体を省くことが可
能となるので、コプレーナ線路の特性インピーダンスを
保ったまま、信号線路を高密度に集積化することがで
き、モノリシックマイクロ波集積回路のチップ面積を縮
小することが可能となる。したがって、この高周波用半
導体装置を小型化することができる。
【0036】また、請求項2の発明の高周波用半導体装
置は、請求項1の高周波用半導体装置において、上記折
り返し形コプレーナ線路の2本の信号線路と接地導体と
の間隔を2本の信号線路の間隔の1/2としたので、2
本の信号線路間にあたかも間隔を隔てて接地導体がある
かのようにふるまい、したがって、各信号線路の両側に
同じ間隔をあけて接地導体が存在するのと等しくなり、
コプレーナ線路の特性インピーダンスを保ったまま、モ
ノリシックマイクロ波集積回路の面積を縮小することが
できる。
【0037】また、請求項3の発明の高周波用半導体装
置は、請求項2の高周波用半導体装置において、上記折
り返し形コプレーナ線路の上記2本の信号線路の他端と
接地導体との間にMIMキャパシタを夫々挿入したの
で、特定の周波数に対して電気長が90°となる伝送線
路と同じ機能をより小さい面積で実現することができ
る。
【0038】また、請求項4の発明の高周波用半導体装
置は、請求項2の高周波用半導体装置において、上記折
り返し形コプレーナ線路の特性インピーダンスが、所望
の直線状の一本の信号線路を有するコプレーナ線路の特
性インピーダンスとほぼ等し くなるように、上記折り返
し形コプレーナ線路の信号線路の幅および信号線路と接
地導体との間の距離が決められている。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1はこの発明の第1実施形態の高周波用半
導体装置の平面図である。
【図2】 図2は上記高周波用半導体装置の等価回路図
である。
【図3】 図3はこの発明の第2実施形態の高周波用半
導体装置の平面図である。
【図4】 図4は上記高周波用半導体装置の等価回路図
である。
【図5】 図5は上記高周波用半導体装置を補足して説
明するための図である。
【図6】 図6はコプレーナ線路の断面図である。
【図7】 図7はこの発明の高周波用半導体装置に用い
られる折り返し形コプレーナ線路の断面図である。
【図8】 図8は上記折り返し形コプレーナ線路のS21
特性を示す図である。
【図9】 図9は上記折り返し形コプレーナ線路のS11
特性を示す図である。
【図10】 図10は従来の高周波用半導体装置の要部
の斜視図である。
【符号の説明】
101,201…入力ポート、102,103,202,2
03…直流阻止用MIMキャパシタ、104,204…
整合回路用直列MIMキャパシタ、105,205…ト
ランジスタ、106,206…コプレーナ線路、107,
108,126,207,208,209…エアブリッジ、
109,228…抵抗、120,121,220,221…
バイパス用直列MIMキャパシタ、122,123,22
2,223…直流バイアス端子、124,224…出力ポ
ート、125,225…折り返し形コプレーナ線路、2
26,227…直列MIMキャパシタ、229…ショー
トスタブ、301,302,306,307…伝送線路、
303,304…キャパシタ、305…折り返し形コプ
レーナ線路、401,405…半導体基板、402,40
3,406,407…接地導体、404,408,409…
信号線路、410…電気的壁。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コプレーナ線路を有するモノリシックマ
    イクロ波集積回路が形成された高周波用半導体装置にお
    いて、 所定の間隔をあけて略平行にかつ互いの間に接地導体が
    ないように設けられ、一端が互いに接続された2本の信
    号線路と、その2本の信号線路の外側のすべての周囲を
    囲むように所定の間隔をあけて設けられた接地導体とで
    構成された折り返し形コプレーナ線路を有することを特
    徴とする高周波用半導体装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の高周波用半導体装置に
    おいて、 上記折り返し形コプレーナ線路の上記2本の信号線路と
    上記接地導体との間隔を上記2本の信号線路の間隔の1
    /2としたことを特徴とする高周波用半導体装置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の高周波用半導体装置に
    おいて、 上記折り返し形コプレーナ線路の上記2本の信号線路の
    他端と接地導体との間にMIMキャパシタを夫々挿入し
    たことを特徴とする高周波用半導体装置。
  4. 【請求項4】 請求項2に記載の高周波用半導体装置に
    おいて、 上記折り返し形コプレーナ線路の特性インピーダンス
    が、所望の直線状の一本の信号線路を有するコプレーナ
    線路の特性インピーダンスとほぼ等しくなるように、上
    記折り返し形コプレーナ線路の上記信号線路の幅および
    上記信号線路と上記接地導体との間の距離が決められて
    いることを特徴とする高周波用半導体装置。
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