JP3427511B2 - 二軸出力型電動機 - Google Patents

二軸出力型電動機

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JP3427511B2
JP3427511B2 JP24521494A JP24521494A JP3427511B2 JP 3427511 B2 JP3427511 B2 JP 3427511B2 JP 24521494 A JP24521494 A JP 24521494A JP 24521494 A JP24521494 A JP 24521494A JP 3427511 B2 JP3427511 B2 JP 3427511B2
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shaft
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/60Other road transportation technologies with climate change mitigation effect
    • Y02T10/64Electric machine technologies in electromobility

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、デファレンシャルギヤ
機能を備え、主として電気自動車に用いて好適な二軸出
力型電動機に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の二軸出力型電動機としては、一例
として実開平5−55762に開示されたものがある。
これは、モータフレーム内に、電機子回転機構を持った
一方のロータと、界磁回転機構を持った他のロータとを
対向して設け、両ロータを互いに逆回転するものであ
る。
【0003】この従来例は、相対回転する二出力軸を備
えたことにより、単一の電動機でありながらディファレ
ンシャルギヤ無しに電気自動車に適用できる。さらに、
この逆転する両出力軸のうち慣性モーメントの小さいほ
うに歯車による逆回転手段を噛ませて、同回転方向とす
るとともに、慣性モーメントの不均衡によるダイナミッ
ク特性のアンバランスを減少させる工夫もなされてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前記の技術
では、最低一方のロータは励磁コイルを有するので、こ
のコイルへ外部から電力を供給するスリップリングおよ
びブラシが必須となる。このことは、ロータに供給する
電力の制限になると同時に、摩滅等による寿命の低下や
接触不良による故障をもたらす要因となる。
【0005】また、ロータはコイルを有するので、高速
回転によって加わる遠心力や急加速急減速、車体の振動
などの加速度に対し、構造上不利である。さらに、片方
の軸だけに歯車などの逆転手段を噛ませたために、両出
力軸が減速されない上に同軸配置できず、車軸へつなが
るトランスミッションの設計を煩雑にしてしまうという
短所がある。
【0006】これらの問題点に鑑み、本発明の第1の課
題は、二軸出力型電動機のロータからコイルを廃して耐
遠心力を向上させ、スリップリングを無くしてそれに伴
う故障や寿命の問題を解決することである。また、本発
明の第2の課題は、同軸で同方向回転の減速機付き二軸
出力型電動機を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の二軸出力型電動
機の第1構成は、フレーム内周面に配設されて回転磁界
を形成する電機子と、前記電機子の内側に位置して外周
に永久磁石からなる複数の永久磁極を周方向等間隔に有
して前記フレームに回転自在に支持される第1ロータ
と、前記電機子の内周と前記第1ロータの外周との間に
位置して周方向等間隔に配置された軟磁性体からなる誘
導磁極を有し前記フレームに回転自在に支持される第2
ロータと、前記電機子に対する前記両ロータの角度位置
を検出する角度位置検出手段と、検出された前記両ロー
タの前記角度位置に基づいて前記回転磁界を制御する回
転磁界制御手段とを備え、前記両ロータの出力軸は反対
方向に配設されることを特徴とする。
【0008】 本発明の二軸出力型電動機の第構成は、
前記第構成において、前記回転磁界制御手段が、互い
に異極性である前記第1ロータの永久磁極に接近する前
記第2ロータの誘導磁極の極性を反転させるものである
ことを特徴とする。
【0009】本発明の二軸出力型電動機の第構成は、
前記第1構成に加えて、前記出力軸の一方に連結される
サンギヤと、前記フレームに固定されるインターナルギ
ヤと、減速出力軸に軸支連結されるプラネタリギヤとを
有する第1の遊星歯車機構と、前記出力軸の他方に連結
されるサンギヤと、前記フレームに枢支されるプラネタ
リギヤと、減速出力軸に連結されるインターナルギヤと
を有する第2の遊星歯車機構とを備えることを特徴とす
る。
【0010】本発明の二軸出力型電動機の第構成は、
前記第構成において、前記両遊星歯車機構の減速比は
等しく設定されることを特徴とする。本発明の二軸出力
型電動機の第構成は、前記第構成において、前記両
ロータと前記両遊星歯車機構とは、慣性モーメントの差
が低減または相殺される組み合わせで組み合わされるこ
とを特徴とする。
【0011】
【作用および発明の効果】本発明の第1構成の二軸出力
型電動機は、フレーム内周面に固定した回転磁界を形成
し、電気回路を持たない第1および第2ロータで電動機
を構成したので、極めて堅牢な構造となり、高速回転や
振動衝撃にも強く、耐久性を向上させることができる。
また、スリップリングを廃したので、それに伴い寿命や
故障率の点で改善が期待できる。
【0012】また、両ロータの角度位置検出手段と回転
磁界制御手段とを備えたので、両ロータの角度位置によ
って自在に回転磁界を印加して、両ロータの回転を制御
することが可能になる。たとえば、本発明の第構成の
回転磁界制御手段によれば、第1ロータの永久磁極と第
2ロータの誘導磁極の間に磁気トルクを生ぜしめ、両ロ
ータを互いに逆回転させることができる。
【0013】ところで、このように互いに逆回転をする
二軸出力型電動機の両ロータ軸のそれぞれに、本発明の
構成のように互いに構造が異なる遊星歯車機構を装
備すれば、同軸で同方向に回転するトルクの高い減速軸
出力が得られる。すると、例えば電気自動車の駆動装置
として本発明の二軸出力型電動機を用いる場合、このこ
とは電動機以後のトランスミッションの設計を容易にす
る効果がある。
【0014】さらに、本発明の第構成のように両遊星
歯車機構の減速率を等しく設定すれば、両ロータのトル
クが等しい場合、両減速軸出力も等しいトルクで得られ
る。加えて、本発明の第構成のように、慣性モーメン
トの大きい方のロータと慣性モーメントの小さい方の遊
星歯車機構とを組み合わせれば、両出力軸の慣性モーメ
ントの差異を低減もしくは消去することができる。この
ようにすれば、両出力軸の出力特性ならびに動特性を均
一化でき、特に電気自動車等の車両の駆動力として用い
る場合、極めて都合が良い。
【0015】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面を参照して説
明する。図1は本実施例の二軸出力型電動機の軸に沿っ
た断面図であり、図2は図1のII−II線に沿って切
った軸方向に垂直な断面図である。まず、この2つの図
を参照して、本実施例の二軸出力型電動機の構成につい
て説明する。
【0016】本実施例の二軸出力型電動機は、中央に位
置するモータフレーム10(10aと10bとから成
る)に覆われた電動機部100と、その一端(図中右)
に位置するギヤフレーム11に覆われた第1減速機部1
10、および他端(図中左)に位置するギヤフレーム1
2に覆われた第2減速機部120とから構成される。 (電動機部の構成)この電動機部100は、大別して電
機子1と、その内側の第2ロータ2と、さらに内側の第
1ロータ3との、3つの機能要素から構成されている。
【0017】ここで電機子1は、モータフレーム10の
内周面に配設されて、多数の電機子固定捲線1aにより
電機子1の内側に回転磁界を形成する。同固定捲線1a
は、後述の回転磁界制御に必要な角度精度の回転磁界を
作りだすのに十分な数だけ設けるものとする。一方、第
2ロータ2は、電機子1の内周面に僅かの間隙をもって
回転保持される軟磁性体からなる複数(本実施例では6
個)の誘導磁極2aを有する。すなわち、周方向等間隔
に配置された複数の誘導磁極2aは、軸に沿った両方向
から機械強度に優れた非磁性材料から成る第2ロータフ
レーム14,15で挟まれ、ボルト等で強固に固定され
ている。さらに図2に示すように、誘導磁極2aの周方
向の間隙には、非磁性の固定部材2bが介設されて誘導
磁極2aが固定され、これにより第2ロータ2の剛性を
増して振動等の変形を抑制している。
【0018】そして一方の第2ロータフレーム14は、
セレーション14aで第2ロータ軸5に嵌合固定され、
その回転を第2減速部120に伝達する。ここで第2ロ
ータフレーム14はベアリング20を介して、第2ロー
タ軸5はベアリング21を介して、それぞれフレーム1
0aに回転自在に軸支されている。さらに他方の第2ロ
ータフレーム15は、ベアリング22を介して後述の第
1ロータ軸4に回転自在に軸支されている。
【0019】したがって第2ロータ2は、前述の電機子
1が形成した回転磁界内に軟磁性体から成る複数の誘導
磁極2aを回転自在に保持し、その回転運動を第2ロー
タ軸5を介して第2減速機部120へ出力するものであ
る。他方、第1ロータ3は、前述の第2ロータ2の誘導
磁極2aの内周面のさらに内側に、僅かの間隙をもって
回転保持される永久磁石からなる複数(本実施例では4
個)の永久磁極3aを有している。すなわち、誘導磁極
2aとは異なる数の複数の永久磁極3aが、第1ロータ
3の外周にボルト等で強固に保持されている。(なお、
希土類磁石などを材料にし、第1ロータ3を永久磁極3
aを含めて一体に形成してもよい。)そして第1ロータ
3は、これを回転保持する第1ロータ軸4とともに、前
記誘導磁極2a内に誘導形成された磁界内を回転運動す
る。
【0020】第1ロータ軸4は、その一端をベアリング
23を介してモータフレーム10bに回転自在に保持さ
れている。さらに第1ロータ軸4は、モータフレーム1
0b外に延びて第1減速機110への出力軸になってい
る。第1ロータ軸4の他端は、第2ロータフレーム14
の内側に設けられたベアリング24によって回転自在に
軸支され、第2ロータフレーム14を介してモータフレ
ーム10a内に保持されている。
【0021】このように第1ロータ3と第2ロータ2と
は、周囲を取り巻く電機子1の内側で同軸かつ回転自在
に軸支されている。そして本実施例は、これら両ロータ
2,3の回転位置を計測し電機子1を介して駆動制御す
るための、角度位置検出手段と回転磁界制御手段とを備
えている。すなわち、モータフレーム10aの内側には
第2ロータ角度位置検出手段52が取り付けられて、こ
れにより第2ロータ2のフレーム10に対する回転位相
角が検出される。同様に、モータフレーム10bの内側
には第1ロータ角度位置検出手段51が取り付けられ
て、これにより第1ロータ3のフレーム10に対する回
転位相角が、第1ロータ軸4から検出される。これらの
角度位置検出手段51,52としては、非接触型で十分
な精度と応答性を持つ回転角センサが必要である。これ
らには磁気式センサが用いられることが多いが、光学式
センサを用いても構わない。
【0022】このようにして計測された両ロータ2,3
の角度位置に基づいて、図示しない回転磁界制御手段
は、電機子1の形成する磁界を制御し磁気トルクにより
両ロータ2,3を駆動するのである。 (電動機部の作動原理)次に、このように構成された電
動機部が、図示しない回転磁界制御手段によってどのよ
う制御駆動されるのかを、図3を用いて解説する。
【0023】図3は、図2と同様の回転軸に垂直な断面
図のうち、中央の第1ロータ3とその周囲の第2ロータ
2とを磁気極性を付した断面で図示し、周囲の電機子1
によって形成される回転磁界の極性を矢印で図示したも
のである。矢印の先がN極の、矢印の本がS極の極性を
表すものとする。ここで注意すべきことは、図3は
(a)から(g)に至るまで、第2ロータ2に固定され
た回転座標系上で描かれていることである。したがっ
て、第2ロータ2が仮に時計廻りに回転するものとすれ
ば、図3の紙面もこれに追随して回転して描かれてお
り、一方、電機子1は図3上では相対的に反時計廻りに
回転していることになる。
【0024】さて、図3(a)〜(g)には、時計廻り
に回転駆動される第2ロータ2に対し、第1ロータ3が
反時計方向に相対角度で60度だけ回転するまでが図解
されている。これは、第2ロータ2の誘導磁極2aが6
0度おきに配設されているため、60度回ってしまえば
次の60度も同様に回転駆動されるためである。先ず、
図3(a)に示すように、時計の文字盤で言うと2時、
4時、6時、8時、10時および12時の方向に誘導磁
極2aを有する第2ロータ2に対し、十字状に4つの永
久磁極3aを有する第1ロータ3が、反時計廻りに回転
駆動される場合を考える。この場合、第1ロータ3の4
つの永久磁極3aのうち、12時と6時方向のものはロ
ータ表面上でN極で、3時と9時の方向のものはS極で
あるとする。
【0025】この第1ロータ3を反時計廻りに駆動する
には、図3中には図示しない電機子1に通電し、回転磁
界Mをかける。すなわち、1時と7時の方向からはN極
の、逆に4時と10時の方向からはS極性の回転磁界M
をかける。すると、誘導磁極2aのそれぞれの内周面に
図3(a)に示すような誘導磁極を生じ、第1ロータ3
は反時計回りの駆動トルクを受けて回転を始める。その
反動(反トルク)で、第2ロータ2も回転を始め、時計
廻りに回転する。
【0026】図3(b),(c)に順次示すように、第
1ロータ3は第2ロータ2に対して反時計廻りに回転を
続け、この間ずっと磁気トルクにより駆動されている。
この時、回転磁界Mは、時計廻りに回転する第2ロータ
2に追随して回転しており、第2ロータ2に対してトル
クは与えない。前述のように図3は、第2ロータ2に固
定された回転座標系上で描かれているので、本図面は第
2ロータ2とともに時計廻りに回転していると想定して
よい。
【0027】こうして第1ロータ3が第2ロータ2に対
して反時計廻りに回転を続け、その相対角度位置が30
度に達すると、図3(d)に示すように回転磁界Mが切
り換わる。すなわち、先程まで第2ロータ2に対して追
随していた回転磁界Mが、第1ロータ3が30度回転す
るのを待ってこれに追随するがごとく、第2ロータ2に
対して30度反時計廻りに切り換わる。するとこれに伴
って、第2ロータ2の誘導磁極2aが図3(d)に示す
ように切り換わり、第1ロータ3に引き続き磁気トルク
を与えて駆動しつづける。
【0028】この時、誘導磁極2aの極性が切り換わる
のは2時と8時の方向の誘導磁極2aだけである。すな
わち、図3(a)〜(c)で第1ロータ3の異極性の永
久磁極3aを吸引していた2時と8時の方向の誘導磁極
2aが、永久磁極3aが真正面に接近した途端、対向す
る永久磁極3aと同極性に切り換わって反発し、安定さ
せること無く次の誘導磁極2aに向かって永久磁極3a
を押し出す。
【0029】その後、図3(e),(f)に順次示すよ
うに、第1ロータ3は反時計廻りに駆動され続け、その
反トルクで第2ロータは時計廻りに駆動され続ける。こ
の間も(a)〜(c)と同様に、回転磁界Mは第2ロー
タに追随して回転しており、第2ロータ2にトルクを及
ぼさない。したがって、両ロータ2,3は互いの磁気ト
ルクによる相互作用で、互いに逆方向の回転トルクを得
ている。
【0030】さて、第1ロータ3が第2ロータ2に対し
回転を続け、相対角度位置が60度に達すると、今まで
第2ロータ2に追随していた回転磁界Mが再び図3
(g)に示すように切り換わる。すなわち、新たに反時
計廻りにもう30度移動した回転磁界Mに切り換わり、
それに伴って誘導磁極2aの極性が変わって、引き続き
第1ロータ3との間に駆動トルクを生じて相対回転が続
く。
【0031】ところで、図3(g)を10時方向が上に
なるよう首を傾けて眺めると、図3(a)と同一である
ことが分かる。したがって、図3(g)以降は図3
(a)以降と同様の回転磁界制御を行って、両ロータ
2,3の相対回転駆動を続けることができる。ここで、
回転磁界Mの制御則についてまとめると、次のようにな
る。回転磁界Mは、一旦切り換わって誘導磁極2aを分
極させると、そのまま第2ロータ2に追随して同期回転
する。この状態で第2ロータ2は第1ロータ3との間に
磁気トルクを生じ、互いに逆方向に駆動トルクが生じ
る。そして第1ロータ3が第2ロータ2に対して30度
の相対角移動をすると、回転磁界Mは第1ロータ3を追
うように第1ロータの相対回転方向へ第2ロータ2に対
し30度だけ移動する。そして、第1ロータ3との間に
新たに駆動トルクを生じるよう誘導磁極2aを新たに分
極させた後、第2ロータ2に追随して次の30度の相対
回転の間、第2ロータ2と同期回転する。
【0032】したがって、回転磁界Mはある切替えと次
の切替えとの間は第2ロータに追随して部分的な同期回
転をし、切替えによって常に第1ロータ3に磁気トルク
を与え続けるよう、第1ロータとも同じ方向へ断続的に
回転をしている。このように特徴的な回転磁界制御則を
もってすれば、電機子1は回転磁界Mを介して第2ロー
タ2との間にほとんどトルクを生じること無く、第2ロ
ータ2と第1ロータ3との間に磁気トルクを生じさせる
ことができる。すると、第1ロータ3と第2ロータ2と
は同一のトルクを出力できるので、特に電気自動車の原
動機としては都合がよい。
【0033】以上は電気自動車への応用を念頭におい
て、両ロータ2,3の二軸から同等のトルクが得られる
よう制御した場合である。しかし、場合によっては回転
磁界制御則を組み換えることによって、第2ロータ2に
対し電機子1から磁気トルクを与えて、両ロータ2,3
のトルクを不均等なものとしたり、あるいは両ロータ
2,3を同一方向へ回転駆動させることも不可とはしな
い。 (減速機の構成と作用)このようにして互いに逆転駆動
される両ロータ2,3の出力を、同軸で同回転方向に減
速する減速機構について、再び図1を参照して説明す
る。
【0034】第1ロータ3の回転運動は、第1ロータ軸
4を通じて第1減速機部110に導入される。ここで
は、第1ロータ軸4の先端部に形成されたサンギヤ4a
と、これに噛み合うモータフレーム100に軸支された
複数のプラネタリギヤ31と、その周囲に噛み合うイン
ターナルギヤ32との3種類のギヤが、ギヤフレーム1
1内に格納されて、第1遊星歯車機構6を形成してい
る。インターナルギヤ32は、ギヤフレーム11にベア
リング25を介して回転自在に軸支された第1減速出力
軸41に、そのステー部41aで固定されている。
【0035】このような第1遊星歯車機構6によって、
第1ロータ軸4の回転は回転方向を逆にして減速され、
第1減速出力軸41に伝達される。一方、第2ロータ2
の回転は、第2ロータ軸5を通じて第2減速機部120
に導入される。ここでは、第2ロータ軸5の外周に形成
されたサンギヤ5aと、これに噛み合う複数のプラネタ
リギヤ33と、その周囲に噛み合うインターナルギヤ3
4との3種類のギヤが、ギヤフレーム12内に格納され
て、第2遊星歯車機構7を形成している。上記プラネタ
リギヤ33は、第2減速出力軸42のステー部42aに
回転自在に軸支されており、同出力軸42はギヤフレー
ム12にベアリング26を介して回転自在に軸支されて
いる。そしてインターナルギヤ34は、ギヤフレーム1
2の内周面に固定されている。
【0036】このような第2遊星歯車機構7によって、
第2ロータ軸5の回転は回転方向を変えずに減速され、
第2減速出力軸42に伝達される。こうして上記両遊星
歯車機構6,7は、一方が逆転、他方が正転で減速する
ので、互いに逆転していた両ロータ3,2の回転は同軸
で同回転方向の減速軸出力に変換されて、両減速出力軸
41,42に出力される。
【0037】ここでさらに、両遊星歯車機構6,7の減
速比は等しく設定されていて、両減速出力軸41,42
の出力は同トルクで得られるように設計されている。す
なわち、第1遊星歯車機構6でサンギヤ4aのピッチ径
をD3 ,インターナルギヤ32のピッチ径をD2 とする
と、この減速比P1 はD2 /D3 =P1 で求められる。
一方、第2遊星歯車機構7でサンギヤ5aのピッチ径を
1 ,インターナルギヤ34のピッチ径をD2 とする
と、この減速比P2 は(D2 /D1 )+1=P2 で求め
られる。したがって、両減速比P1 およびP2 が等価と
なるよう各ギヤのピッチ径D1 ,D2 ,D3 は設定され
て、減速比の等しい減速機構を実現している。
【0038】また、両ロータ2,3はそれぞれ異なる慣
性モーメントを有しているが、この慣性モーメントの違
いを両遊星歯車機構6,7の慣性モーメントの違いで相
殺し、慣性モーメントにおいても両減速出力軸41,4
2は等価となるよう設計されている。なお、このような
減速機構は、他の二軸出力の原動機に適用しても有効に
作用することができる。 (効果)本実施例においては、従来の二軸出力型電動機
と同じく電気自動車への適用に際しデファレンシャルギ
ヤを不要とするという効果のほかに、新たに次のような
優れた特性を持っている。
【0039】まず、電動機部100においてはロータか
らコイルを無くしたため、ロータが高速回転に伴う耐遠
心力を向上させたうえ、振動や衝撃に強い構造とするこ
とができる。さらにスリップリングを廃したので、これ
に伴う故障の可能性が無くなり、点検整備の手間を軽減
して寿命を延ばすことができる。また、ジュール熱の発
生源であるコイルが,電機子固定捲線1aとしてモータ
フレーム10の内周に配設されているので、放熱冷却が
効果的に行え、大電力を投入することができる。
【0040】このような電動機部100に、両減速機部
110,120を組み合わせることにより、同軸、同ト
ルク、同回転方向の減速軸出力が得られる上、慣性モー
メントも同等の二軸出力型電動機を得る。これらの特性
は、電気自動車の動力源として本実施例の二軸出力型電
動機を適用するにあたり、極めて有利なものである。 (付記)なお、上記実施例では、図2に示すように12
個のスロットを形成してその内部に所定相数の電機子固
定捲線1aを配設したが、スロット数、相数および捲線
形式は適宜選択可能である。また、電機子固定捲線1a
に印加する電圧波形についても、回転磁界Mを上述の如
く形成するものであれば、必要に応じて適宜選択するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の二軸出力型電動機の一実施例を示す断
面図である。
【図2】図1のII−II断面図である。
【図3】本発明の二軸出力型電動機の作動原理説明図で
ある。(a)は、第2ロータに対する第1ロータの相対
回転角が0度の状態を示す図である。(b)は、相対回
転角が10度の状態を示す図である。(c)は、相対回
転角が20度の状態を示す図である。(d)は、相対回
転角が30度の状態を示す図である。(e)は、相対回
転角が40度の状態を示す図である。(f)は、相対回
転角が50度の状態を示す図である。(g)は、相対回
転角が60度の状態を示す図である。
【符号の説明】
1 電機子 1a 電機子固定捲線 2 第2ロータ 2a 誘導磁極 2b 固定部材 3 第1ロータ 3a 永久磁極 4 第1ロータ軸 4a サンギヤ 5 第2ロータ軸 5a サンギヤ 6 第1遊星歯車機構 7 第2遊星歯車機構 10,10a,10b モータフレーム 11,12 ギヤフレーム 14,15 第2ロータフレーム 14a セレーション 20,21,22,23,24,25,26 ベアリン
グ 31,33 プラネタリギヤ 32,34 インターナルギヤ 41 第1減速出力軸 41a ステー部 42 第2減速出力軸 42a ステー部 51 第1ロータ角度位置検出手段 52 第2ロータ角度位置検出手段 100 電動機部 110 第1減速機部 120 第2減速機部 M 回転磁界
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02K 7/10 H02K 7/116 H02K 16/02

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フレーム内周面に配設されて回転磁界を
    形成する電機子と、 前記電機子の内側に位置して外周に永久磁石からなる複
    数の永久磁極を周方向等間隔に有して前記フレームに回
    転自在に支持される第1ロータと、 前記電機子の内周と前記第1ロータの外周との間に位置
    して周方向等間隔に配置された軟磁性体からなる誘導磁
    極を有し前記フレームに回転自在に支持される第2ロー
    タと 前記電機子に対する前記両ロータの角度位置を検出する
    角度位置検出手段と、 検出された前記両ロータの前記角度位置に基づいて前記
    回転磁界を制御する回転磁界制御手段と、 を備え、 前記両ロータの出力軸は反対方向に配設されることを特
    徴とする二軸出力型電動機。
  2. 【請求項2】 前記回転磁界制御手段は、互いに異極性
    である前記第1ロータの永久磁極に接近する前記第2ロ
    ータの誘導磁極の極性を反転させるものである請求項
    記載の二軸出力型電動機。
  3. 【請求項3】 前記出力軸の一方に連結されるサンギヤ
    と、前記フレームに固定されるインターナルギヤと、減
    速出力軸に軸支連結されるプラネタリギヤとを有する第
    1の遊星歯車機構と、 前記出力軸の他方に連結されるサンギヤと、前記フレー
    ムに枢支されるプラネタリギヤと、減速出力軸に連結さ
    れるインターナルギヤとを有する第2の遊星歯車機構と
    を備える請求項1記載の二軸出力型電動機。
  4. 【請求項4】 前記両遊星歯車機構の減速比は等しく設
    定される請求項記載の二軸出力型電動機。
  5. 【請求項5】 前記両ロータと前記両遊星歯車機構と
    は、慣性モーメントの差が低減または相殺される組み合
    わせで組み合わされる請求項記載の二軸出力型電動
    機。
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