JP5257263B2 - 減速機構内蔵アクチュエータおよびこれを用いた多関節ロボット - Google Patents
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Description
また、他の従来例としては、フレームに対して回転自在に支持された回転軸と、該回転軸を同心的に取り囲む周壁部を有する回転子ヨークと、該回転子ヨークの周壁部の内周に固定された永久磁石とを備えた回転子と回転子の内側に配置されてフレームに対して固定された環状の固定子鉄心に電機子コイルを巻回してなる固定子とを備えたブラシレス直流電動機で、固定子の内側に遊星車機構を設ける。この遊星車機構は、固定子鉄心の内側で回転するように設けられた太陽車と、該太陽車を同心的に取り囲むように設けられてフレームに対して固定された環状案内体と、太陽車と環状案内体との間に配置されて太陽車と環状案内体との間に生じる相対的な回転に伴って環状案内体により拘束されつつ太陽車の周囲を公転する遊星車とにより構成される。遊星車機構は、太陽車の中心軸線を回転子の回転軸の中心軸線と一致させた状態で配置する。そして、太陽車及び遊星車の内の一方を回転軸に結合し、太陽車及び遊星車の内の他方を出力軸に結合する。ここで、太陽車及び遊星車としては、歯車を用いても良く、摩擦ローラを用いても良い。太陽車及び遊星車として歯車を用いる場合、内周に歯を有する環状の内歯車を太陽車の外側に同心的に配置して、該内歯車と太陽車との間に遊星車を配置する。また太陽車及び遊星車として摩擦ローラを用いる場合には、内周面をローラの転動面とした環状の部材を、太陽車の外側に同心的に配置して、該環状の部材と太陽車との間に遊星車を配置している。
また、これらの減速機内蔵型アクチュエータを多関節ロボットへ適用する場合、軸長が長くなり、ロボットの関節が大きくなり、ロボットの大きさが大きくなり、フットプリントの増大につながるといった問題が生じていた。
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、減速機構を組み込んだアクチュエータにおいて軸方向寸法を小さくするとともに、出力軸を中空とすることができる、減速機内蔵アクチュエータおよび関節部を小型化したロボットを提供することを目的とする。
本発明は、フレームに固定された環状の固定子鉄心に電機子コイルを巻回してなる固定子と、前記電機子コイルに通電することで発生する回転磁界または交番磁界の周波数に対して、出力軸速度を減速する減速機構と、前記減速機構により減速された出力軸速度をフレームに対して回転自在に支持された出力軸と、回転位置および磁極位置検出手段と、を備え、前記出力軸の外周に歯数nの歯車を備えるとともに、前記歯車に噛合するように内周に歯数n+aの歯を設けた円板と、前記円板の外周にN,S極交互に偶数個の永久磁石を固着し、前記円板と空隙を介して対向するように固定子鉄心が配置されたものである。
また、本発明は、前記円板は所定のストロークδで径方向に可動自在に配置したものである。
また、本発明は、上記した減速機構内蔵アクチュエータにおいて、
前記永久磁石の磁極数Pに対して、前記固定子がP極の回転磁界を発生するよう電機子コイルを結線したものである。
また、本発明は、上記した減速機構内蔵アクチュエータにおいて、
前記電機子コイルの数を前記永久磁石の磁極数Pと同一とし、機械的に180°離れた位置に配置された電機子コイルを同時に通電し、180°の位相を保ちながら準じ電機子コイルの通電を切替えるようにしたものである。
また、本発明は、上記した減速機構内蔵アクチュエータにおいて、
前記円板を軸線方向に2分割し、それぞれ電気角180°の位相となるようにし、かつ、径方向にδ/2ずらして配置したものである。
また、本発明は、フレームに固定された環状の固定子鉄心に電機子コイルを巻回してなる固定子と、前記電機子コイルに通電することで発生する回転磁界または交番磁界の周波数に対して、出力軸速度を減速する減速機構と、前記減速機構により減速された出力軸速度をフレームに対して回転自在に支持された出力軸と、回転位置および磁極位置検出手段と、を備え、前記出力軸の外周に歯数nの歯車を備えるとともに、前記歯車に噛合するように内周に歯数n+aの歯を設けた円板と、前記円板の外周にN,S極交互に偶数個の永久磁石を固着し、前記円板と空隙を介して対向するように固定子鉄心が配置された減速機内蔵アクチュエータがロボットの関節に配置されたものである。
また、本発明によると、電磁吸引・反発力に加え、接線力も利用できるため更なる小形・軽量化が実現できると共に一般的なACサーボモータ用の3相アンプを使用できる。
また、本発明によると、固定子のスロット数と永久磁石数が同一であるため、電源OFF時も固定子スロットと永久磁石間の吸引力により保持力が得られるため、保持ブレーキが不要になる。
また、本発明によると、2つに分割した円板により径方向の振動が打ち消されるので、駆動時の振動・騒音を軽減できる。
また、本発明によると、ロボットの各関節部に減速機内蔵アクチュエータを組み込むことにより、減速機内蔵アクチェータの軸線方向長さを短縮できるので、ロボットも小形化できる。
本発明が従来技術と異なる部分は、偏芯する円板を備えた部分である。
ω1/ω2=−a/n
で表される。例えば出力軸5の外周の歯数を100、円板12内周の歯数を102とすれば、出力軸5は回転磁界の1/50の速度で回転磁界と逆方向に回転する。円板12には同心状に複数の穴22が設けられている。この穴22にそれぞれ連結棒19が通してある。穴22の直径に対し、連結棒19の直径は小さく、両者の穴径の差分だけ、円板12は径方向に動く構成となっている。前述の吸引力により固定子103と永久磁石11は吸引するものの連結棒19と穴22により両者が接触することはない。本図では連結棒19を直接、穴22に通しているが、連結棒19の外周にローラ等を配置し、摩擦抵抗低減や磨耗を防止することもできる。
磁極位置は通常のACサーボモータと同様にエンコーダ18の位置信号より得ることができる。
電流はA相〜F相まで6相有り、機械的に対向する位置に各相の逆相が配置されている。本例では真下にA相、真上に-A相が配置されており、A相電流の振幅が最大の状態を示している。A磁極がS極とすれば対向する永久磁石11はN極となっており、互いに吸引する。合い隣る磁石は互いに異極となるため−A磁極に対向する永久磁石もN極となるが、-A磁極もN極であるため、-A磁極と対向する永久磁石とは互いに反発する。このように固定子磁極数と永久磁石を同数にすることで、吸引・反発力のみが発生する構成となる。磁極をA相から順次切り替えることで、円板12は自転せず揺動運動のみ行い、これに伴って円板12の内周と出力軸5の外周にある歯の噛み合い位置が、ずれていくことにより出力軸5は回転する。揺動の速度をω1、出力軸5の回転速度をω2、円板12の内周の歯数をn+a、出力軸外周の歯数をnとすれば、揺動速度と出力軸の回転速度の関係は
ω1/ω2=−a/n
で表される。
図5にこれらの減速機内蔵アクチュエータを用いた例を示す。第1のアーム体C1は水平面内に垂直に配置された第1の関節軸J1を中心に回転し、第2のアーム体C2は第1の関節軸J1に直交するように配置された第2の関節軸J2を中心に回転し、第3のアーム体C3は第2の関節軸J2に直交するように配置された第3の関節軸J3を中心に回転し、第4のアーム体C4は第3の関節軸J3に直交するように配置された第4の関節軸J4を中心に回転し、第5の第5のアーム体C5は第4の関節軸J4と平行となるように配置された関節軸J5を中心に回転し、第6のアーム体C6は第5の関節軸J5と直交するように配置された関節軸J6を中心に回転する。第7のアーム体C7は第6の関節軸J6と直交するように配置された関節軸J7を中心に回転する。第1から第7の関節軸には、各々、減速機内蔵アクチュエータが内蔵され、各減速機内蔵アクチュエータへ供給される電力線や信号線、もしくは第7のアーム体先端に取り付けられるツールへの供給線が減速機内蔵アクチュエータの中空部を通じて供給される。
2 減速機
3 ケーシング
4 軸受
5 出力軸
6 軸受
7 中継軸
8 軸受
10 フレーム
11 永久磁石
12 円板
13 Lブラケット
14 反Lブラケット
15 エンコーダカバ
16 低速側軸受
17 高速側軸受
18 エンコーダ
19 連結棒
20 連結リング
21 エンコーダハブ
22 穴
101 固定子鉄心
102 電機子コイル
103 固定子
104 回転軸
105 回転体
106 回転子
201 平歯車
202 平歯車
203 平歯車
204 平歯車
Claims (6)
- フレームに固定された環状の固定子鉄心に電機子コイルを巻回してなる固定子と、前記電機子コイルに通電することで発生する回転磁界または交番磁界の周波数に対して、出力軸速度を減速する減速機構と、前記減速機構により減速された出力軸速度をフレームに対して回転自在に支持された出力軸と、回転位置および磁極位置検出手段と、を備え、前記出力軸の外周に歯数nの歯車を備えるとともに、前記歯車に噛合するように内周に歯数n+aの歯を設けた円板と、前記円板の外周にN,S極交互に偶数個の永久磁石を固着し、前記円板と空隙を介して対向するように固定子鉄心が配置され、
前記固定子は、
各相に対応する磁極群を有し、前記磁極群のそれぞれは、2つの同極の磁極に1つの異極の磁極が挟まれるように配置され、
前記円板は、
同心状に配置された複数の穴を有しており、前記穴にそれぞれ通され直径が前記穴の直径よりも小さい棒状部材によって可動範囲を制限されつつ、前記電機子コイルによって形成される磁界に同期して前記固定子に対して揺動すること
を特徴とする減速機内蔵アクチュエータ。 - 前記円板は所定のストロークδで径方向に可動自在に配置したことを特徴とする請求項1記載の減速機構内蔵アクチュエータ。
- 前記永久磁石の磁極数Pに対して、前記固定子がP極の回転磁界を発生するよう電機子コイルを結線したことを特徴とする請求項1記載の減速機構内蔵アクチュエータ。
- 前記電機子コイルの数を前記永久磁石の磁極数Pと同一とし、機械的に180°離れた位置に配置された電機子コイルを同時に通電し、180°の位相を保ちながら電機子コイルの通電を切替えることを特徴とする請求項1記載の減速機構内蔵アクチュエータ。
- 前記円板を軸線方向に2分割し、それぞれ電気角180°の位相となるようにし、かつ、径方向にδ/2ずらして配置したことを特徴とする請求項1記載の減速機構内蔵アクチュエータ。
- フレームに固定された環状の固定子鉄心に電機子コイルを巻回してなる固定子と、前記電機子コイルに通電することで発生する回転磁界または交番磁界の周波数に対して、出力軸速度を減速する減速機構と、前記減速機構により減速された出力軸速度をフレームに対して回転自在に支持された出力軸と、回転位置および磁極位置検出手段と、を備え、前記出力軸の外周に歯数nの歯車を備えるとともに、前記歯車に噛合するように内周に歯数n+aの歯を設けた円板と、前記円板の外周にN,S極交互に偶数個の永久磁石を固着し、前記円板と空隙を介して対向するように固定子鉄心が配置され、前記固定子は、各相に対応する磁極群を有し、前記磁極群のそれぞれは、2つの同極の磁極に1つの異極の磁極が挟まれるように配置され、前記円板は、同心状に配置された複数の穴を有しており、前記穴にそれぞれ通され直径が前記穴の直径よりも小さい棒状部材によって可動範囲を制限されつつ、前記電機子コイルによって形成される磁界に同期して前記固定子に対して揺動する減速機内蔵アクチュエータがロボットの関節に配置されたことを特徴とする多関節ロボット。
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