JP3423589B2 - 脱穀装置のシーブケース構造 - Google Patents

脱穀装置のシーブケース構造

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JP3423589B2
JP3423589B2 JP24661797A JP24661797A JP3423589B2 JP 3423589 B2 JP3423589 B2 JP 3423589B2 JP 24661797 A JP24661797 A JP 24661797A JP 24661797 A JP24661797 A JP 24661797A JP 3423589 B2 JP3423589 B2 JP 3423589B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、チャフリップ板群
を各上端に設定された横向き支点周りで連動揺動自在に
連結して、チャフシーブ上の処理物量に応じてチャフシ
ーブを開度調節可能に構成してある脱穀装置のシーブケ
ース構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、上記のような脱穀装置のシーブケ
ース構造としては、例えば特開平7‐227137号公
報や特開平7‐274684号公報などで開示されてい
るように、チャフシーブ上の処理物の層厚を処理物量と
して検出するセンサ、チャフシーブを開度調節駆動する
電動モータ、及びセンサからの検出情報に基づいて電動
モータの作動を制御する制御装置を設けて、チャフシー
ブ上の処理物量に応じたチャフシーブの開度調節を行え
るように構成したものがあった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
従来技術によると、センサ、電動モータ、及び制御装置
を設ける必要があることから、製造コストが嵩む不都合
が生じるようになっていた。又、現行の電子制御では、
予め設定されたモードの中でセンサの検出値に対応して
ステップ的にチャフシーブの開度を調節するようにして
いることから、現出されるチャフシーブの開度はチャフ
シーブ上の処理物量に応じた最適開度に対して誤差を有
するようになっており、選別精度の向上を図る上におい
て改善の余地があった。
【0004】本発明の目的は、製造コストの低減化を図
りながらもチャフシーブ上の処理物量に応じたチャフシ
ーブの自動開度調節を行えるとともに、選別精度の向上
を図ることのできる脱穀装置のシーブケース構造を提供
することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明のうちの請求項1記載の発明では、シーブケ
ースに装備されるチャフシーブのチャフリップ板群を各
上端に設定された横向き支点周りで連動揺動自在に連結
して、前記チャフシーブを開度調節可能に構成するとと
もに、前記シーブケース側の支持片と所定のチャフリッ
プ板の遊端とに亘って前記チャフシーブを閉じ側に弾性
付勢する付勢バネを架設して、前記チャフシーブの開度
が該チャフシーブ上の処理物量に応じて変化するように
構成し、かつ、前記支持片に対する前記付勢バネの引っ
掛け位置の変更で該付勢バネの張架長さを変更して、該
付勢バネの弾性付勢力を変更するように構成した。 又、
本発明のうちの請求項2記載の発明では、上記請求項1
記載の発明において、前記シーブケース側に、前端によ
り前記チャフシーブの閉じ側への揺動を規制し、後端に
より前記チャフシーブの開き側への揺動を規制する長孔
を形成し、前記支持片を、その前後方向に複数の引っ掛
け位置を有するように形成するとともに前記長孔の上方
に配置し、前記支持片に対する前記付勢バネの引っ掛け
位置が前側であるほど、前記チャフシーブが開き側に揺
動した際の前記付勢バネの張架長さが長くなるように設
定した。
【0006】〔作用〕上記請求項1又は2記載の発明によると、 チャフシーブ
上に堆積する処理物量が多くなってチャフシーブに作用
する処理物重量が重くなるほど、その重量により、付勢
バネの弾性付勢に抗してチャフシーブ上の処理物量に略
比例する状態でチャフシーブの開度を大きくすることが
でき、又逆に、チャフシーブ上に堆積する処理物量が少
なくなってチャフシーブに作用する処理物重量が軽くな
るほど、付勢バネの弾性付勢により、チャフシーブ上の
処理物量に略比例する状態でチャフシーブの開度を小さ
くすることができるようになる。つまり、チャフシーブ
上の処理物の層厚を処理物量として検出するセンサ、チ
ャフシーブを開度調節駆動する電動モータ、及びセンサ
からの検出情報に基づいて電動モータの作動を制御する
制御装置を設けなくても、それらの代わりにチャフシー
ブを閉じ側に弾性付勢する付勢バネを設けるだけの構成
で、チャフシーブ上の処理物量に応じたチャフシーブの
開度調節を自動的に行えるようになる。又、この構成に
よって、センサ、電動モータ、及び制御装置を設ける構
成に比較して、チャフシーブのメンテナンスを容易に行
えるようになる。
【0007】しかも、チャフシーブの開度調節をチャフ
シーブ上の処理物の重量で直接的に行うことによって、
チャフシーブの開度調節をチャフシーブ上の処理物量に
略比例する状態で俊敏に行うことができるので、現行の
電子制御のように予め設定されたモードの中でセンサの
検出値に対応してステップ的にチャフシーブの開度を調
節する場合に比較して、現出されるチャフシーブの開度
とチャフシーブ上の処理物量に応じたチャフシーブの最
適開度との誤差を極僅かなものにすることができるよう
になる。
【0008】その上、付勢バネの引っ掛け位置の変更に
より付勢バネの弾性付勢力を変更することによって、チ
ャフシーブの開き操作が開始される処理物重量の値、言
い換えると、チャフシーブ上の処理物の重量によるチャ
フシーブの開度調節操作の難易度を、収穫する作物の種
類や濡れ具合などに応じて変更できるようになる。例え
ば、収穫する作物の種類が稲のように茎稈がしなやかで
脱穀処理時に切れワラが発生し難いものである場合に
は、チャフシーブ上に堆積する処理物の殆どが穀粒であ
ることから、付勢バネの弾性付勢力が弱くなるように付
勢バネの引っ掛け位置を変更して、チャフシーブ上の処
理物の重量によるチャフシーブの開度調節操作を行い易
くすることによって、選別精度の低下を抑制しながらも
チャフシーブからの穀粒の漏下を促進させることができ
て、選別効率の向上を図れるようになる。逆に、収穫す
る作物の種類が麦のように茎稈にしなやかさがなく脱穀
処理時に切れワラが発生し易いものである場合には、チ
ャフシーブ上に堆積する処理物に多くの切れワラが含ま
れるようになることから、付勢バネの弾性付勢力が強く
なるように付勢バネの引っ掛け位置を変更して、チャフ
シーブ上の処理物の重量によるチャフシーブの開度調節
操作を行い難くすることによって、チャフシーブからの
切れワラの漏下を抑制することができて選別精度の向上
を図れるようになる。又、例えば、収穫する作物が濡れ
気味でチャフシーブから漏下し難いものである場合に
は、付勢バネの弾性付勢力が弱くなるように付勢バネの
引っ掛け位置を変更して、チャフシーブ上の処理物の重
量によるチャフシーブの開度調節操作を行い易くするこ
とによって、チャフシーブ上の処理物をチャフシーブか
ら漏下し易くすることができて、チャフシーブにおける
処理物の詰まりを抑制することができるので、選別効率
の向上を図れるようになる。逆に、収穫する作物が乾き
気味でチャフシーブから漏下し易いものである場合に
は、付勢バネの弾性付勢力が強くなるように付勢バネの
引っ掛け位置を変更して、チャフシーブ上の処理物の重
量によるチャフシーブの開度調節操作を行い難くするこ
とによって、チャフシーブ上の処理物をチャフシーブか
ら漏下し難くすることができて、処理物に含まれる切れ
ワラのチャフシーブからの漏下を抑制することができる
ので、選別精度の向上を図れるようになる。
【0009】〔効果〕従って、開度調節可能に構成され
たチャフシーブを閉じ側に弾性付勢する付勢バネを設け
るだけで、チャフシーブ上の処理物量に応じた適切なチ
ャフシーブの開度調節を自動的に行うことができ、又、
付勢バネの引っ掛け位置を変更可能に構成するだけで、
収穫する作物の種類や濡れ具合などを考慮したチャフシ
ーブの開度調節を行えることから、構成の簡素化、製造
コストの低減化、及びメンテナンス性の向上を図りなが
らも、選別精度並びに選別効率の向上を効果的に図るこ
とのできる脱穀装置のシーブケース構造を提供し得るに
至った。
【0010】本発明のうちの請求項3記載の発明では、
上記請求項1又は2記載の発明において、前記支持片
を、その前記付勢バネの端部との引っ掛け方向の距離よ
りも非引っ掛け方向の距離が大きくなるように形成し
た。
【0011】〔作用〕上記請求項3記載の発明によると、 付勢バネの端部を支
持片に引っ掛けて支持させると、支持片においては付勢
バネとの引っ掛け方向の距離よりも非引っ掛け方向の距
離が大きいことにより、付勢バネの支持片に対する引っ
掛け姿勢が規定されるようになることから、シーブケー
スの選別揺動作動などにより付勢バネの支持片に対する
引っ掛け姿勢が変化して付勢バネの張架長さが変化する
ことを防止でき、もって、それに起因した付勢バネの弾
性付勢力の変化を防止することができるようになる。つ
まり、支持片の形状に簡単な改良を施すことによって、
シーブケースの選別揺動作動などにかかわらず、安定し
た弾性付勢力でチャフシーブを閉じ側に付勢できること
から、チャフシーブ上の処理物量に応じたチャフシーブ
の開度調節を安定的に行えるようになる。
【0012】〔効果〕従って、選別精度並びに選別効率
の向上を図ることのできるチャフシーブの開度調節を、
構成の複雑化を招くことなく安定的に行えるようにする
ことのできる脱穀装置のシーブケース構造を提供し得る
に至った。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。
【0014】図1には、コンバインに搭載される脱穀装
置の縦断左側面が示されており、この脱穀装置は、その
左側部に配備されたフィードチェーン1により横向き姿
勢で挾持搬送される刈取穀稈の穂先側に対して脱穀処理
を施す脱穀部A、脱穀部Aからの処理物に対して選別処
理を施す選別部B、及び選別部Bにより選別された処理
物のうちの一番物と二番物とを回収する回収部C、など
によって構成されている。
【0015】脱穀部Aは、前後軸芯P1周りに回転駆動
される扱胴2、扱胴2の下部側に配備された受網3、及
び受網3の後方に形成された送塵口4、などによって構
成されており、フィードチェーン1により挾持搬送され
る刈取穀稈から穀粒を分離して単粒化した穀粒や切れワ
ラなどを受網3から選別部Bに漏下させるとともに、受
網3から漏下しなかった穀粒や切れワラなどを送塵口4
から選別部Bに排出するようになっている。
【0016】選別部Bは、前部両側が前後揺動自在な支
持アーム5に吊り下げ支持された状態(図2参照)で受
網3の下方に配備されたシーブケース6、及びシーブケ
ース6の前下方に配備された唐箕7、などによって構成
されており、シーブケース6が、その後部に装着された
クランク機構8の作動により揺動駆動されることによっ
て、脱穀部Aからの処理物に対して篩い選別を施すとと
もに、唐箕7が、シーブケース6に向けて選別風を供給
することによって、シーブケース6により篩い選別され
る処理物に対して風力選別を付加するようになってい
る。そして、これらの選別作動によって、脱穀部Aから
の処理物を、一番物としての穀粒と、二番物としての穀
粒と切れワラなどとの混在物と、三番物としての切れワ
ラなどとに選別するようになっている。
【0017】回収部Cは、シーブケース6の前部下方に
配備された一番物回収部9、及びシーブケース6の後部
下方に配備された二番物回収部10、などによって構成
されている。一番物回収部9は、選別部Bにて選別処理
された処理物のうちの一番物を回収するとともに、その
回収した一番物を、その底部に左右向きに配備された一
番スクリュー11によって、その右端に連通接続された
揚送スクリュー12に向けて搬送するよう構成されてい
る。二番物回収部10は、選別部Bにて選別処理された
処理物のうちの二番物を回収するとともに、その回収し
た二番物を、その底部に左右向きに配備された二番スク
リュー13によって、その右端に連通接続された二番還
元スクリュー14に向けて搬送するよう構成されてい
る。尚、揚送スクリュー12は、一番スクリュー11に
て搬送された一番物を揚送して脱穀装置の右側方に並設
された貯留部(図示せず)に対して上方から供給するよ
う構成されている。又、二番還元スクリュー14は、二
番スクリュー13にて搬送された二番物を揚送してシー
ブケース6の前部に還元するよう構成されている。
【0018】図2及び図3に示すように、シーブケース
6は、シーブケース6の上部前端に配備された第一グレ
ンパン15、第一グレンパン15の後端に連なる状態に
配備された第一チャフシーブ(請求項に記載のチャフシ
ーブ)16、第一チャフシーブ16の後端に連なる状態
に配備された第二グレンパン17、第二グレンパン17
の上面から後方に向けて延設された第一ストローラック
18、第二グレンパン17の後端に連なる状態に配備さ
れた第二チャフシーブ19、第二チャフシーブ19の後
端に連なる状態に配備された第二ストローラック20、
第一チャフシーブ16の下方に配備された第三グレンパ
ン21、及び第三グレンパン21の後端に連なる状態に
配備されたグレンシーブ22、などによって構成されて
いる。第一グレンパン15は、受網3の前部側から漏下
した処理物を受け止めて比重差選別しながら後方に向け
て移送するようになっている。第一チャフシーブ16
は、受網3の後部側から漏下した処理物と第一グレンパ
ン15により移送された処理物の中から穀粒などを粗選
別して漏下させながら、残りの処理物を後方に向けて移
送するようになっている。第一ストローラック18は、
送塵口4から排出された処理物の中から穀粒などを篩い
選別して漏下させるとともに、残りの処理物を後方に向
けて移送するようになっている。第二グレンパン17
は、第一ストローラック18を漏下した処理物を比重差
選別しながら後方に向けて移送するようになっている。
第二チャフシーブ19は、第二グレンパン17により移
送された処理物と第一ストローラック18を経由した処
理物の中から穀粒などを粗選別して二番物回収部10に
漏下させるとともに、残りの処理物を後方に向けて移送
するようになっている。第二ストローラック20は、第
二チャフシーブ19により移送された処理物の中から穀
粒などを篩い選別して二番物回収部10に漏下させると
ともに、残りの処理物を後方に向けて移送して機外に排
出するようになっている。第三グレンパン21は、第一
チャフシーブ16から漏下した処理物を比重差選別しな
がら後方に向けて移送するようになっている。グレンシ
ーブ22は、第三グレンパン21により移送された処理
物と第一チャフシーブ16から供給された処理物の中か
ら穀粒を精選別して一番物回収部9に漏下させるととも
に、残りの処理物を後方に向けて移送するようになって
いる。
【0019】グレンシーブ22の後方には、グレンシー
ブ22により後方に向けて移送された処理物を、グレン
シーブ22の下方に配備された一番物回収部9に案内す
る起立姿勢と、グレンシーブ22の後下方に配備された
二番物回収部10に案内する後方倒伏姿勢とに、グレン
シーブ22の後下方に設定された横向き支点P2周りで
姿勢切り換え可能な選別調節板23が装備されている。
選別調節板23の構成について詳述すると、図4〜6に
示すように、選別調節板23は、シーブケース6の横側
壁である左右両側壁24に横向き支点P2周りで前後揺
動自在に支持されるとともに、その左端側に操作アーム
25が一体揺動可能に固着されている。操作アーム25
の遊端には、左外側方に向けて突出する連係ピン25a
が装備されている。シーブケース6の左側壁24には、
連係ピン25aが挿通する横向き支点P2を中心とした
円弧状の長孔24aが形成されるとともに、左側壁24
における前部側の横外側面から左外側方に向けて突出す
る係合ピン24bが装備されている。長孔24aを挿通
した連係ピン25aの挿通端には、その前方に位置する
係合ピン24bに向けて左側壁24の横外側面に沿う状
態で延出される平板状の操作杆26が装着されている。
操作杆26の延出端には、係合ピン24bとの係合によ
り選別調節板23を起立姿勢に保持する第一係合孔26
aと、後方倒伏姿勢に保持する第二係合孔26bとが穿
設されている。
【0020】つまり、図5の(イ)に示すように、操作
杆26の第一係合孔26aをシーブケース6の係合ピン
24bに係合させることによって、選別調節板23を起
立姿勢に切り換え保持することができて、グレンシーブ
22により後方に向けて移送された処理物をグレンシー
ブ22の下方に配備された一番物回収部9に案内できる
ようになっている。又、図5の(ロ)に示すように、操
作杆26の第二係合孔26bをシーブケース6の係合ピ
ン24bに係合させることによって、選別調節板23を
後方倒伏姿勢に切り換え保持することができて、グレン
シーブ22により後方に向けて移送された処理物をグレ
ンシーブ22の後下方に配備された二番物回収部10に
案内できるようになっている。
【0021】以上の構成から、例えば、収穫作物が麦の
ように脱穀処理時に切れワラが発生し易いものである場
合には、グレンシーブ22の後方に配備された選別調節
板23の姿勢を後方倒伏姿勢に切り換えておくことによ
って、グレンシーブ22から漏下せずにグレンシーブ2
2の後端まで移送された多くの切れワラが含まれている
二番物を二番物回収部10に案内することができ、これ
によって、多くの切れワラが含まれている二番物が一番
物回収部9に回収されることを防止できるとともに、そ
の二番物を、二番物回収部10から二番スクリュー13
及び二番還元スクリュー14を介してシーブケース6に
還元できて、穀粒と切れワラなどとに再選別処理できる
ようになっている。つまり、収穫作物が麦などである場
合には、選別調節板23を後方倒伏姿勢に切り換えてお
くことによって選別精度の向上を図れるようになってい
る。
【0022】又逆に、例えば、収穫作物が稲のように脱
穀処理時に切れワラが発生し難いものである場合には、
グレンシーブ22の後方に配備された選別調節板23の
姿勢を起立姿勢に切り換えておくことによって、グレン
シーブ22から漏下せずにグレンシーブ22の後端まで
移送された殆どが穀粒である二番物を一番物回収部9に
案内することができ、これによって、殆どが穀粒である
二番物を、シーブケース6において再選別処理する手間
なく、一番物回収部9から一番スクリュー11及び揚送
スクリュー12を介して貯留部に供給できるようになっ
ている。つまり、収穫作物が稲などである場合には、選
別調節板23を起立姿勢に切り換えておくことによって
選別効率の向上を図れるようになっている。
【0023】図1及び図4において二点鎖線で示すよう
に、脱穀装置の左側壁における前部側には、一番物回収
部9に回収された一番物の選別精度を点検するための矩
形状の点検口27が、シーブケース6の前部横側から一
番物回収部9の上方に亘って形成されており、この点検
口27から、シーブケース6の係合ピン24bに対する
操作杆26の第一係合孔26a又は第二係合孔26bの
係合操作あるいは係合解除操作を容易に行えるようにな
っている。つまり、選別調節板23操作用の操作杆26
を前方に向けて延出することによって、選別調節板23
の姿勢を切り換え操作する際に既存の点検口27を有効
利用することができ、これによって、脱穀装置の左側壁
に新たに選別調節板23操作用の開口を設ける手間を省
くことができるとともに、選別調節板23の姿勢切り換
え保持操作をシーブケース6の横一側方から容易に行え
るようになっている。
【0024】図3,図4及び図7〜9に示すように、第
一チャフシーブ16は、前後方向に並設されるチャフリ
ップ板16A群を、それらの各上端に設定された横向き
支点P3周りで連動揺動自在となるように、連結部材2
8を介してシーブケース6の左右両側壁24に枢支連結
するとともに、それらの下端同士を連結板29にて連動
連結することによって、開度調節可能に構成されてい
る。又、第一チャフシーブ16は付勢バネ30によって
閉じ側に弾性付勢されている。以上の構成から、第一チ
ャフシーブ16上に堆積する処理物量が多くなって第一
チャフシーブ16に作用する処理物重量が重くなるほ
ど、その重量により、第一チャフシーブ16上の処理物
量に略比例する状態で第一チャフシーブ16の開度を大
きくすることができ、又逆に、第一チャフシーブ16上
に堆積する処理物量が少なくなって第一チャフシーブ1
6に作用する処理物重量が軽くなるほど、付勢バネ30
の弾性付勢により、第一チャフシーブ16上の処理物量
に略比例する状態で第一チャフシーブ16の開度を小さ
くすることができるようになっている。
【0025】つまり、第一チャフシーブ16を開閉可能
に構成するとともに、第一チャフシーブ16を閉じ側に
弾性付勢する付勢バネ30を設けるだけで、第一チャフ
シーブ16上の処理物量に応じた第一チャフシーブ16
の開度調節を自動的に行えるようになっている。しか
も、第一チャフシーブ16の開度調節を第一チャフシー
ブ16上の処理物の重量で直接的に行うことによって、
第一チャフシーブ16の開度調節を第一チャフシーブ1
6上の処理物量に略比例する状態で俊敏に行うことがで
きるので、現出される第一チャフシーブ16の開度と第
一チャフシーブ16上の処理物量に応じた第一チャフシ
ーブ16の最適開度との誤差を極僅かなものにすること
ができるようになっている。要するに、構成の簡素化並
びに製造コストの低減化を図りながらも、第一チャフシ
ーブ16上の処理物量に応じた適切な第一チャフシーブ
16の開度調節を自動的に行えることから、選別精度及
び選別効率の向上を図れるようになっている。
【0026】図8〜10に示すように、各チャフリップ
板16Aの各上端部における左右両端部位には、各チャ
フリップ板16Aを連結部材28を介してシーブケース
6の左右両側壁24に枢支連結するための枢支連結部1
6aが形成されるとともに、各チャフリップ板16Aに
おける枢支連結部16a以外の上端部分16bが横向き
支点P3より上方に突出しないように凹入形成されてい
る。以上の構成から、第一チャフシーブ16上の処理物
の重量で第一チャフシーブ16の開度を大きくする際に
第一チャフシーブ16上の処理物が抵抗になることを抑
制できるので、第一チャフシーブ16上の処理物の重量
による第一チャフシーブ16の開度調節を、第一チャフ
シーブ16上の処理物量に適した状態に、より精度良く
行えるようになっている。
【0027】図4,図7及び図8に示すように、第一チ
ャフシーブ16における後方から二番目のチャフリップ
板16Aの遊端には、左外側方に向けて突出するピン3
1が装着されている。一方、シーブケース6の左側壁2
4には、第一チャフシーブ16の開閉動作に伴うピン3
1の移動を許容する長孔24cが形成されている。長孔
24cは、ピン31が装着されたチャフリップ板16A
の揺動支点である横向き支点P3を中心とした円弧状に
形成され、その前端にピン31が接当する状態では第一
チャフシーブ16が限界最小開度状態(略全閉状態)と
なり、又、その後端にピン31が接当する状態では第一
チャフシーブ16が限界最大開度状態(全開状態)とな
るように、第一チャフシーブ16の開閉動作に伴うピン
31の移動を規制するようになっている。シーブケース
6における左側壁24の横外側には、第一チャフシーブ
16を開閉操作するための操作レバー32が配備されて
いる。操作レバー32は、第一チャフシーブ16におけ
る後方から二番目のチャフリップ板16Aを支持する揺
動支点軸33に、その軸芯P3周りに揺動自在に枢支連
結されるとともに、その揺動支点側箇所には、揺動支点
軸33(横向き支点P3)を中心とした円弧状の長孔3
2aが形成されている。そして、操作レバー32におけ
る長孔32aよりも上部箇所において外方向きに屈曲形
成された支持片32Aと、後方から二番目のチャフリッ
プ板16Aの遊端に装着されたピン31とに亘って、第
一チャフシーブ16を閉じ側に弾性付勢する付勢バネ3
0が掛け渡されている。つまり、操作レバー32は、第
一チャフシーブ16の開閉動作に伴うピン31の移動を
許容するとともに、軸芯P3周りに揺動操作されること
によって、付勢バネ30を介して第一チャフシーブ16
を開閉操作するようになっている。ちなみに、操作レバ
ー32を後方側に揺動操作することによって、第一チャ
フシーブ16の開度を大きくすることができ、又、操作
レバー32を前方側に揺動操作することによって、第一
チャフシーブ16の開度を小さくすることができるよう
になっている。
【0028】図4及び図7に示すように、シーブケース
6の左側壁24における長孔24cの前下方箇所には、
揺動支点軸33を中心にして描かれる湾曲線上に所定間
隔を隔てて並ぶ状態で外側方に向けて突設された第一係
合ピン34a〜第六係合ピン34fによって構成される
係合具34が装備されている。一方、操作レバー32の
遊端側には、第一係合ピン34a〜第六係合ピン34f
に択一的に係合可能な係合孔32bが形成されており、
この係合孔32bを第一係合ピン34a〜第六係合ピン
34fのいずれかに係合させることによって、その操作
位置に操作レバー32を保持できるようになっている。
操作レバー32をいずれかの操作位置に保持すると、そ
の操作位置に応じたシーブケース6の左側壁24の長孔
24cと操作レバー32の長孔32aとの重なり具合が
現出され、チャフリップ板16Aのピン31の移動範囲
が規制されるようになっている。つまり、操作レバー3
2を第一係合ピン34a〜第六係合ピン34fのいずれ
かに係合させることによって、第一チャフシーブ16の
最小開度と最大開度とを、収穫する作物の種類や濡れ具
合などに応じて設定変更できるようになっている。
【0029】操作レバー32は、係合具34の第四係合
ピン34dに係合させた状態において、その長孔32b
の前端と左側壁24の長孔24cの前端とが一致し、操
作レバー32の揺動支点である揺動支点軸33と第一係
合ピン34aとを結ぶ第一線L1の線上から、揺動支点
軸33と第五係合ピン34eとを結ぶ第五線L5の線上
に亘る範囲で、チャフリップ板16Aのピン31が移動
することを許容する状態となるように、その長孔32b
の長さ及び組付け姿勢が設定されている。これによっ
て、第一チャフシーブ16の最小開度と最大開度を設定
変更する際において、操作レバー32を第一係合ピン3
4a〜第三係合ピン34cのいずれかに係合させる場合
には、操作レバー32を第一係合ピン34a側に操作す
るほど、付勢バネ30が伸長して第一チャフシーブ16
の最小開度における閉じ側への付勢力が増大するように
なっている。つまり、係合具34には、操作レバー32
を第一チャフシーブ16の限界最小開度が設定される操
作位置である第四係合ピン34dの位置よりも更に第一
チャフシーブ16の閉じ側方向に変位させた操作位置で
係合保持させる第一係合ピン34a〜第三係合ピン34
cが装備されており、これら第一係合ピン34a〜第三
係合ピン34cのいずれかに操作レバー32を係合する
ことによって、第一チャフシーブ16の限界最小開度に
おける付勢バネ30の付勢力を設定変更することがで
き、第一チャフシーブ16の開き操作が開始される処理
物重量の値、言い換えると、第一チャフシーブ16上の
処理物の重量による第一チャフシーブ16の開度調節操
作の難易度を、収穫する作物の種類や濡れ具合などに応
じて設定変更できるようになっている。
【0030】尚、第一チャフシーブ16の最小開度と最
大開度を設定変更する際において、操作レバー32を第
四係合ピン34d〜第六係合ピン34fのいずれかに係
合させた場合には、操作レバー32とともにその操作方
向に付勢バネ30が移動するようになることから、各第
一チャフシーブ16の最小開度における付勢バネ30の
付勢力が同じ値に設定されるようになっている。つま
り、第四係合ピン34d〜第六係合ピン34fの範囲に
おいては、第一チャフシーブ16の開き操作が開始され
る処理物重量の値、つまり、第一チャフシーブ16上の
処理物の重量による第一チャフシーブ16の開度調節操
作の難易度を変化させることなく、収穫する作物の種類
や濡れ具合などに応じて第一チャフシーブ16の最小開
度と最大開度を設定変更できるようになっている。
【0031】以下、操作レバー32を第一係合ピン34
a〜第六係合ピン34fのそれぞれに係合させた場合に
設定される第一チャフシーブ16の最小開度と最大開
度、及び付勢バネ30の付勢力について詳述する。
【0032】操作レバー32を第一係合ピン34aに係
合させた場合には、操作レバー32を、第一チャフシー
ブ16の限界最小開度が設定される操作位置である第四
係合ピン34dの位置よりもより大きく第一チャフシー
ブ16の閉じ側方向に変位させた操作位置で係合保持す
るようになることから、付勢バネ30の付勢力をより大
きくすることができて第一チャフシーブ16上の処理物
の重量による第一チャフシーブ16の開度調節操作をよ
り行い難い状態に設定することができ、又、前記第一線
L1の線上から揺動支点軸33と第二係合ピン34bと
を結ぶ第二線L2の略線上に亘る範囲で、チャフリップ
板16Aのピン31が移動することを許容する状態に、
左側壁24の長孔24cに対して操作レバー32の長孔
32bが重なるようになることから、この操作位置にお
ける第一チャフシーブ16の最小開度を、チャフリップ
板16Aのピン31が左側壁24の長孔24cの前端に
接当する限界最小開度状態(略全閉状態)に設定できる
とともに、第一チャフシーブ16の最大開度を、チャフ
リップ板16Aのピン31が操作レバー32の長孔32
bの後端に接当して第二線L2の略線上に位置する小さ
い開度状態に設定できるようになっている。
【0033】操作レバー32を第二係合ピン34bに係
合させた場合には、操作レバー32を、第一チャフシー
ブ16の限界最小開度が設定される操作位置である第四
係合ピン34dの位置よりも大きく第一チャフシーブ1
6の閉じ側方向に変位させた操作位置で係合保持するよ
うになることから、付勢バネ30の付勢力を大きくする
ことができて第一チャフシーブ16上の処理物の重量に
よる第一チャフシーブ16の開度調節操作を行い難い状
態に設定することができ、又、前記第一線L1の線上か
ら揺動支点軸33と第三係合ピン34cとを結ぶ第三線
L3の略線上に亘る範囲で、チャフリップ板16Aのピ
ン31が移動することを許容する状態に、左側壁24の
長孔24cに対して操作レバー32の長孔32bが重な
るようになることから、この操作位置における第一チャ
フシーブ16の最小開度を、チャフリップ板16Aのピ
ン31が左側壁24の長孔24cの前端に接当する限界
最小開度状態(略全閉状態)に設定できるとともに、第
一チャフシーブ16の最大開度を、チャフリップ板16
Aのピン31が操作レバー32の長孔32bの後端に接
当して第三線L3の略線上に位置する比較的に小さい開
度状態に設定できるようになっている。
【0034】操作レバー32を第三係合ピン34cに係
合させた場合には、操作レバー32を、第一チャフシー
ブ16の限界最小開度が設定される操作位置である第四
係合ピン34dの位置よりも少し第一チャフシーブ16
の閉じ側方向に変位させた操作位置で係合保持するよう
になることから、付勢バネ30の付勢力を少し大きくす
ることができて第一チャフシーブ16上の処理物の重量
による第一チャフシーブ16の開度調節操作を少し行い
難い状態に設定することができ、又、前記第一線L1の
線上から揺動支点軸33と第四係合ピン34dとを結ぶ
第四線L4の略線上に亘る範囲で、チャフリップ板16
Aのピン31が移動することを許容する状態に、左側壁
24の長孔24cに対して操作レバー32の長孔32b
が重なるようになることから、この操作位置における第
一チャフシーブ16の最小開度を、チャフリップ板16
Aのピン31が左側壁24の長孔24cの前端に接当す
る限界最小開度状態(略全閉状態)に設定できるととも
に、第一チャフシーブ16の最大開度を、チャフリップ
板16Aのピン31が操作レバー32の長孔32bの後
端に接当して第四線L4の略線上に位置する標準開度状
態に設定できるようになっている。
【0035】操作レバー32を第四係合ピン34dに係
合させた場合には、前述したように操作レバー32を、
第一チャフシーブ16の限界最小開度が設定される操作
位置である第四係合ピン34dの位置で係合保持するよ
うになることから、付勢バネ30の付勢力を本来の大き
さにすることができて第一チャフシーブ16上の処理物
の重量による第一チャフシーブ16の開度調節操作を普
通に行える状態に設定することができ、又、前記第一線
L1の線上から前記第五線L5の線上に亘る範囲で、チ
ャフリップ板16Aのピン31が移動することを許容す
る状態に、左側壁24の長孔24cに対して操作レバー
32の長孔32bが重なるようになることから、この操
作位置における第一チャフシーブ16の最小開度を、チ
ャフリップ板16Aのピン31が左側壁24の長孔24
cの前端に接当する限界最小開度状態(略全閉状態)に
設定できるとともに、第一チャフシーブ16の最大開度
を、チャフリップ板16Aのピン31が操作レバー32
の長孔32bの後端に接当して第五線L5の線上に位置
する比較的に大きい開度状態に設定できるようになって
いる。
【0036】操作レバー32を第五係合ピン34eに係
合させた場合には、操作レバー32を、第一チャフシー
ブ16の限界最小開度が設定される操作位置である第四
係合ピン34dの位置よりも第一チャフシーブ16の開
き側方向に変位させた操作位置で係合保持するようにな
ることから、付勢バネ30の付勢力を本来の大きさに維
持することができて第一チャフシーブ16上の処理物の
重量による第一チャフシーブ16の開度調節操作を普通
に行える状態に設定することができ、又、前記第二線L
2の略線上から揺動支点軸33と第六係合ピン34fと
を結ぶ第六線L6の略線上に亘る範囲で、チャフリップ
板16Aのピン31が移動することを許容する状態に、
左側壁24の長孔24cに対して操作レバー32の長孔
32bが重なるようになることから、この操作位置にお
ける第一チャフシーブ16の最小開度を、チャフリップ
板16Aのピン31が操作レバー32の長孔32bの前
端に接当して第二線L2の略線上に位置する比較的に大
きい開度状態に設定できるとともに、第一チャフシーブ
16の最大開度を、チャフリップ板16Aのピン31が
操作レバー32の長孔32bの後端に接当して第六線L
6の略線上に位置する大きい開度状態に設定できるよう
になっている。
【0037】操作レバー32を第六係合ピン34fに係
合させた場合には、操作レバー32を第一チャフシーブ
16の限界最小開度が設定される操作位置である第四係
合ピン34dの位置よりも第一チャフシーブ16の開き
側方向に変位させた操作位置で係合保持するようになる
ことから、付勢バネ30の付勢力を本来の大きさに維持
することができて第一チャフシーブ16上の処理物の重
量による第一チャフシーブ16の開度調節操作を普通に
行える状態に設定することができ、又、操作レバー32
の長孔32aの後端と左側壁24の長孔24cの後端と
が一致し、前記第三線L3の略線上から前記第六線L6
を越えて左側壁24の長孔24cの後端に接当する範囲
で、チャフリップ板16Aのピン31が移動することを
許容する状態に、左側壁24の長孔24cに対して操作
レバー32の長孔32bが重なるようになることから、
この操作位置における第一チャフシーブ16の最小開度
を、チャフリップ板16Aのピン31が操作レバー32
の長孔32bの前端に接当して第三線L3の略線上に位
置する大きい開度状態に設定できるとともに、第一チャ
フシーブ16の最大開度を、チャフリップ板16Aのピ
ン31が左側壁24の長孔24cの後端に接当する限界
最大開度状態(全開状態)に設定できるようになってい
る。
【0038】以上の構成から、例えば、収穫する作物
が、麦のように脱穀処理時に切れワラが発生し易いもの
であり、かつ、乾き気味で第一チャフシーブ16から漏
下し易いものであるほど、操作レバー32を第一係合ピ
ン34a〜第六係合ピン34fのうちの第一係合ピン3
4a側のものに係合させることによって、第一チャフシ
ーブ16の最小開度と最大開度を小さい開度状態に設定
できるとともに、第一チャフシーブ16上の処理物の重
量による第一チャフシーブ16の開度調節操作を行い難
くすることができ、第一チャフシーブ16上の処理物に
多く含まれる切れワラの第一チャフシーブ16からの漏
下をより効果的に抑制することができるので、選別精度
の向上を図れるようになっている。又逆に、収穫する作
物が、稲のように脱穀処理時に切れワラが発生し難いも
のであり、かつ、濡れ気味で第一チャフシーブ16から
漏下し難いものであるほど、操作レバー32を第一係合
ピン34a〜第六係合ピン34fのうちの第六係合ピン
34f側のもの係合させることによって、第一チャフシ
ーブ16の最小開度と最大開度を大きい開度状態に設定
できるとともに、第一チャフシーブ16上の処理物の重
量による第一チャフシーブ16の開度調節操作を行い易
くすることができ、第一チャフシーブ16上の処理物に
多く含まれる穀粒の第一チャフシーブ16からの漏下を
促進させることができるので、選別精度の低下を抑制し
ながらも選別効率の向上を図れるようになっている。
【0039】つまり、収穫する作物の種類や濡れ具合な
どに応じて操作レバー32の係合位置を変更することに
より、収穫する作物の種類や濡れ具合などを考慮した第
一チャフシーブ16の最小開度と最大開度の設定、並び
に、第一チャフシーブ16上の処理物の重量による第一
チャフシーブ16の開度調節操作の難易度の設定を行う
ことができ、もって、選別効率並びに選別精度の向上を
効果的に図れるようになっている。
【0040】図4,図7及び図11に示すように、付勢
バネ30の一端を支持する操作レバー32の支持片32
Aは、その前後中間位置に単一の貫通孔32hが穿設さ
れた矩形状で、その前端から貫通孔32hに亘って付勢
バネ30の一端が引っ掛けられる第一係合位置aと、そ
の後端から貫通孔32hに亘って付勢バネ30の一端が
引っ掛けられる第二係合位置bとを有するように形成さ
れている。各係合位置a,bは、チャフリップ板16A
が下降側に揺動するほど、第一係合位置aから付勢バネ
30の他端を支持するチャフリップ板16Aのピン31
までの距離H1が、第二係合位置bからチャフリップ板
16Aのピン31までの距離H2よりも大きくなるよう
に配置設定されており、これによって、付勢バネ30の
一端を第一係合位置aに係合した場合には、付勢バネ3
0の一端を第二係合位置bに係合した場合よりも、付勢
バネ30の弾性付勢力を大きくすることができるように
なっている。つまり、付勢バネ30の支持片32Aに対
する引っ掛け位置の変更により、付勢バネ30の弾性付
勢力を二段階に変更できるようになることから、上述し
た収穫する作物の種類や濡れ具合などに応じた係合位置
への操作レバー32の変更操作に加えて、各操作位置に
おける第一チャフシーブ16の開度調節操作の難易度を
二段階に変更することができ、これによって、第一チャ
フシーブ16上の処理物の重量による第一チャフシーブ
16の開度調節操作の難易度を、収穫する作物の種類や
濡れ具合などに、より適応した状態に設定変更すること
ができるので、選別効率並びに選別精度の向上をより一
層効果的に図れるようになっている。
【0041】図11に示すように、支持片32Aは、付
勢バネ30との引っ掛け方向となる貫通孔32hに対す
る前後方向の距離H3,H4よりも、非引っ掛け方向と
なる貫通孔32hに対する斜め前後方向の距離H5,H
6が大きくなるように形成されており、これによって、
付勢バネ30の一端が貫通孔32hを支点にして第一係
合位置a又は第二係合位置bから移動することを防止で
きるようになる。つまり、付勢バネ30の支持片32A
に対する引っ掛け姿勢を規定できるようになることか
ら、シーブケース6の選別揺動作動などにより付勢バネ
30の支持片32Aに対する引っ掛け姿勢が変化して付
勢バネ30の張架長さが変化することを防止でき、これ
によって、それに起因した付勢バネ30の弾性付勢力の
変化を防止することができるようになる。要するに、支
持片32Aの形状に簡単な工夫を凝らすことによって、
シーブケース6の選別揺動作動などにかかわらず、収穫
する作物の種類や濡れ具合などを考慮して設定した弾性
付勢力で安定的に第一チャフシーブ16を閉じ側に付勢
できることから、チャフシーブ6上の処理物量に応じた
チャフシーブ6の開度調節を安定的に行えるようになっ
ている。
【0042】図4,図7及び図8に示すように、操作レ
バー32は、シーブケース6の左側壁24側に沿う状態
に弾性復帰するバネ材で構成されており、その復帰力に
抗して遊端側を弾性変形させることによって係合具34
との係合を解除できるとともに、その復帰力によって係
合具34との係合を維持できるようになっている。又、
弾性変形により係合具34との係合を解除することか
ら、係合孔32bは、操作レバー32の延出方向に沿う
方向が長くなる長孔に形成されている。尚、図4及び図
8に示す符号35は、操作レバー32を弾性変形させて
係合具34との係合を解除する際に、チャフリップ板1
6Aのピン31から操作レバー32の長孔32bが外れ
ることを防止する外れ防止部材である。
【0043】又、第一チャフシーブ16には、揺動支点
軸33から後方に向けて延出する延出部37Aを有する
状態で、後方から二番目のチャフリップ板16Aに、ピ
ン31と揺動支点軸33とを介して一体揺動可能に連結
されるバランスウェイト37が装備されており、このバ
ランスウェイト37の作用によって、第一チャフシーブ
16上の処理物重量の変化による軽い操作力で開度調節
される第一チャフシーブ16が、シーブケース6の揺動
駆動時に、その自重によって開閉作動することを防止で
きるようになっている。
【0044】図4に示すように、付勢バネ30、操作レ
バー32の操作端と支持片32A、及び係合具34は、
脱穀装置の左側壁における前部側に形成された点検口2
7に臨むようになっており、この点検口27から、収穫
する作物の種類や濡れ具合などに応じて第一チャフシー
ブ16の最小開度と最大開度、及びコイルバネ30の付
勢力を設定変更するための操作レバー32の係合位置の
変更操作、並びに支持片32Aに対する付勢バネ30の
引っ掛け位置の変更操作を容易に行えるようになってい
る。つまり、第一チャフシーブ16の開度設定用の操作
レバー32を操作する場合や、支持片32Aに対して付
勢バネ30の引っ掛け位置を変更する場合においても、
既存の点検口27を有効利用することができるようにな
っており、これによって、脱穀装置の左側壁に操作レバ
ー32や付勢バネ30を操作するための専用の開口を新
たに設ける手間を省くことができるとともに、それらの
操作による第一チャフシーブ16の開度設定や開き操作
の難易度の変更をシーブケース6の横一側方から容易に
行えるようになっている。
【0045】図12に示すように、点検口27には、こ
の点検口27を閉塞する点検蓋38が備えられている。
点検蓋38は略矩形状の板金材からなり、その上部に
は、脱穀装置の左側壁から突設された二本のボルト39
に係合する切り欠き38Aが、その下部には、点検口2
7の下縁に差し込まれる一対の係合部38Bがそれぞれ
形成されるとともに、その外側面には把手38Cが突設
されており、この把手38Cを掴んで、切り欠き38A
をボルト39に係合させながら係合部38Bを点検口2
7の下縁に差し込んだ後、ボルト39に蝶ナット40を
螺合して点検蓋38の上部を挾持することによって、脱
穀装置の左側壁に、点検口27を閉塞する状態で固定で
きるようになっている。又、逆の手順で脱穀装置の左側
壁から取り外すことができて点検口27を開放すること
ができるようになっている。
【0046】尚、図13に示すように、点検蓋38を透
明のビニールシートから構成するとともに、この点検蓋
38の上部を、脱穀装置の左側壁における点検口27の
上部にボルト・ナット41で固定し、更に、点検蓋38
の下部に貼着して係合テープ42Aと、脱穀装置の左側
壁における点検口27の下方に貼着した第一被係合テー
プ42Bと、脱穀装置の左側壁における点検蓋38の上
部上方に貼着して第二被係合テープ42Cとからなる面
型ファスナー42を設けて、点検蓋38の構成の簡素
化、及び点検蓋38に要する製造コストの低減化を図り
ながらも、面型ファスナー42の係合テープ42Aを第
一被係合テープ42Bと第二被係合テープ42Cとの間
で付け替えるだけで、点検蓋38により点検口27を閉
塞する状態と点検口27を開放する状態とを容易に現出
できるようにしてもよい。
【0047】又、図14に示すように、点検蓋38を透
明のビニールシートから構成するとともに、この点検蓋
38の上部を、脱穀装置の左側壁における点検口27の
上部に固定ピン43で固定し、更に、点検蓋38の下部
に係合孔38aを穿設するとともに、脱穀装置の左側壁
における点検口27の下方には第一係合ピン43を、
又、脱穀装置の左側壁における点検蓋38の上部上方に
は第二係合ピン44をそれぞれ設けて、点検蓋38の構
成の簡素化、及び点検蓋38に要する製造コストの低減
化を図りながらも、係合孔38aの係合対象を第一係合
ピン43と第二係合ピン44との間で変更するだけで、
点検蓋38により点検口27を閉塞する状態と点検口2
7を開放する状態とを容易に現出できるようにしてもよ
い。
【0048】図3に示すように、シーブケース6は、第
一グレンパン15と第二グレンパン17と第一ストロー
ラック18とが一体形成された枠状の前部粗選別体6A
と、第二チャフシーブ19と第二ストローラック20と
が一体形成された後部粗選別体6Bと、第三グレンパン
21とグレンシーブ22とが一体形成されるとともに前
部粗選別体6Aと後部粗選別体6Bとを外囲する枠状に
形成されたシーブケース本体6Cとに三分割可能な樹脂
成形品の連結によって構成されており、図2〜4,図8
及び図9に示すように、第一チャフシーブ16は、シー
ブケース6の横側壁24の一部である前部粗選別体6A
の横側壁6aに装着されるようになっている。又、図4
に示すように、第一チャフシーブ16の開閉動作に伴う
ピン31の移動を許容する長孔24cと、操作レバー3
2を係合保持する係合具34は、シーブケース6の横側
壁24の一部であるシーブケース本体6Cの左側壁6c
に備えられるようになっている。
【0049】〔別実施形態〕以下、本発明の別実施形態
を列記する。 付勢バネ30の引っ掛け位置を三つ以上設けて、付
勢バネ30の弾性付勢力を三段以上で変更できるように
構成してもよい。 付勢バネ30を、第一チャフシーブ16のピン31
とシーブケース6とに亘って掛け渡すようにしてもよ
い。 操作レバー32などを装備しない構成として、操作
レバー32による第一チャフシーブ16の開度設定など
が行えない代わりに、構成の簡素化を図るようにしても
よい。
【図面の簡単な説明】
【図1】脱穀装置の縦断左側面図
【図2】シーブケースの構成を示す縦断左側面図
【図3】シーブケースの構成を示す分解斜視図
【図4】選別調節板とチャフシーブの操作構造を示すシ
ーブケースの要部左側面図
【図5】(イ)選別調節板を起立姿勢に切り換えた状態
を示すシーブケースの要部詳細図 (ロ)選別調節板を後方倒伏姿勢に切り換えた状態を示
すシーブケースの要部詳細図
【図6】選別調節板の構成を示すシーブケースの要部縦
断側面図
【図7】操作レバーを第四係合ピンに係合させたチャフ
シーブの開度設定状態及び付勢バネのチャフシーブ閉じ
側への弾性付勢状態を示すシーブケースの要部詳細図
【図8】チャフシーブの操作構造を示すシーブケースの
要部横断平面図
【図9】チャフシーブの構成を示すシーブケースの要部
縦断正面図
【図10】チャフリップ板の要部の形状を示す斜視図
【図11】支持片の形状を示す平面図
【図12】(イ)点検蓋の構成を示す要部側面図 (ロ)点検蓋の構成を示す要部縦断背面図
【図13】(イ)第一変形例における点検蓋の構成を示
す要部側面図 (ロ)第一変形例における点検蓋の構成を示す要部縦断
背面図
【図14】(イ)第二変形例における点検蓋の構成を示
す要部側面図 (ロ)第二変形例における点検蓋の構成を示す要部縦断
背面図
【符号の説明】
6 シーブケース 16 チャフシーブ 16A チャフリップ板24c 長孔 30 付勢バネ32a 長孔 32A 支持片 H3 引っ掛け方向の距離 H4 引っ掛け方向の距離 H5 非引っ掛け方向の距離 H6 非引っ掛け方向の距離 P3 横向き支点
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−179317(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A01F 12/32 A01F 12/44

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シーブケースに装備されるチャフシーブ
    のチャフリップ板群を各上端に設定された横向き支点周
    りで連動揺動自在に連結して、前記チャフシーブを開度
    調節可能に構成するとともに、前記シーブケース側の支
    持片と所定のチャフリップ板の遊端とに亘って前記チャ
    フシーブを閉じ側に弾性付勢する付勢バネを架設して、
    前記チャフシーブの開度が該チャフシーブ上の処理物量
    に応じて変化するように構成し、かつ、前記支持片に対
    する前記付勢バネの引っ掛け位置の変更で該付勢バネの
    張架長さを変更して、該付勢バネの弾性付勢力を変更す
    るように構成してある脱穀装置のシーブケース構造。
  2. 【請求項2】 前記シーブケース側に、前端により前記
    チャフシーブの閉じ側への揺動を規制し、後端により前
    記チャフシーブの開き側への揺動を規制する長孔を形成
    し、前記支持片を、その前後方向に複数の引っ掛け位置
    を有するように形成するとともに前記長孔の上方に配置
    し、前記支持片に対する前記付勢バネの引っ掛け位置が
    前側であるほど、前記チャフシーブが開き側に揺動した
    際の前記付勢バネの張架長さが長くなるように設定して
    ある請求項1記載の脱穀装置のシーブケース構造。
  3. 【請求項3】 前記支持片を、その前記付勢バネの端部
    との引っ掛け方向の距離よりも非引っ掛け方向の距離が
    大きくなるように形成してある請求項1又は2記載の脱
    穀装置のシーブケース構造。
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