JP2002272251A - 脱穀装置のシーブケース構造 - Google Patents

脱穀装置のシーブケース構造

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JP2002272251A
JP2002272251A JP2001077928A JP2001077928A JP2002272251A JP 2002272251 A JP2002272251 A JP 2002272251A JP 2001077928 A JP2001077928 A JP 2001077928A JP 2001077928 A JP2001077928 A JP 2001077928A JP 2002272251 A JP2002272251 A JP 2002272251A
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chaff
dust
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opening
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Susumu Hirata
晋 平田
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Kubota Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 排塵板が処理物に付与する抵抗の調節に要す
る手間の削減を図りながら、穀粒損失の発生を効果的に
回避するとともに選別精度の向上を図れるようにする。 【解決手段】 チャフリップ板20A群上の処理物の重
量に応じて開度が自動調節される重量感知式に構成され
た可動形のチャフシーブ20と、シーブケース6の後方
に形成された排塵口21に向かう処理物を受け止めると
ともに、該処理物にその排塵口21への移動を妨げる抵
抗を付与する排塵板36とをシーブケース6に装備した
脱穀装置のシーブケース構造において、排塵板36を、
抵抗の調節が可能となるように構成するとともに、チャ
フシーブ20の開度が小さくなるほど抵抗が大きくな
り、チャフシーブ20の開度が大きくなるほど抵抗が小
さくなるようにチャフシーブ20に連係した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、所定間隔を隔てて
並設されたチャフリップ板群を、それらの各後部上端に
設定された横向きの軸心周りに連動揺動可能に連結する
ことで開度調節可能に構成され、かつ、前記チャフリッ
プ板群を閉じ側に引き上げ付勢する開度調節バネを備え
ることで、その開度が前記チャフリップ板群上の処理物
の重量に応じて自動調節される重量感知式に構成された
可動形のチャフシーブと、シーブケースの後方に形成さ
れた排塵口に向かう処理物を受け止めるとともに、該処
理物にその前記排塵口への移動を妨げる抵抗を付与する
排塵板とを前記シーブケースに装備した脱穀装置のシー
ブケース構造に関する。
【0002】
【従来の技術】上記のような脱穀装置のシーブケース構
造においては、可動形のチャフシーブを上述した重量感
知式に構成することで、制御装置が、シーブケース上の
処理物の層厚を処理物量として検出するセンサからの検
出情報に基づいて、チャフ開度調節用の電動モータなど
の作動を制御する構成のものに比較して、製造コストの
大幅な削減を図れるようにしている。
【0003】又、上述した排塵板を、シーブケースから
上方に向けて延出する状態にシーブケースの後部に装備
することで、選別処理の際にシーブケース上の穀粒がワ
ラ屑などとともに機外に排出される穀粒損失の発生を回
避するようにしている。
【0004】ところで、可動形のチャフシーブは、シー
ブケース上の処理物量が少なくなるほど、その開度が小
さくなるようにチャフリップ板群の姿勢が水平姿勢に近
づけられるようになる。一方、処理物中の穀粒は、シー
ブケース上の処理物量が少なくなるほど、シーブケース
上に落下供給される際にチャフシーブのチャフリップ板
群などに衝突し易くなるとともに、シーブケースの前下
方に装備された唐箕からの選別風の影響を受け易くな
る。つまり、シーブケース上の処理物量が少なくなるほ
ど、処理物中の穀粒は、シーブケース上に落下供給され
る際に水平姿勢に近い姿勢となったチャフリップ板群な
どに衝突することで排塵口に向かう方向成分の大きい状
態で激しく乱反射するとともに、唐箕からの選別風によ
って更に排塵口に向かい易くなることから、排塵板を越
えて排塵口から機外に排出される虞が高くなる。
【0005】そこで、上記のような脱穀装置のシーブケ
ース構造においては、従来、シーブケースに対する連結
孔として上下向きの長孔が形成された排塵板を、ボルト
・ナットなどの連結具を用いてシーブケースの後部に連
結装備し、シーブケース上の処理物量が少なくなる場合
には、シーブケースからの排塵板の延出長さを長くして
排塵板がシーブケースから排塵口に向かう処理物に付与
する抵抗を大きくすることで、穀粒がその乱反射や選別
風の影響などに起因して排塵板を越えて排塵口から機外
に排出される穀粒損失の発生を効果的に回避し、かつ、
シーブケース上の処理物量が多くなる場合には、シーブ
ケースからの排塵板の延出長さを短くして排塵板がシー
ブケースから排塵口に向かう処理物に付与する抵抗を小
さくすることで、ワラ屑などの排塵口から機外への排出
を促進させて選別精度の向上を図るようにしていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記の従
来技術によると、排塵板が処理物に付与する抵抗を調節
するためには、シーブケースと排塵板の連結を一旦解除
して排塵板の延出長さを調節した後に再び排塵板をシー
ブケースに連結する、といった作業を手作業で行う必要
があることから、その調節作業が面倒であるとともに、
その調節を作業走行中に変動する処理物量に応じて行う
ことが不可能になっていった。
【0007】本発明の目的は、重量感知式に構成した可
動形のチャフシーブを有効利用して、排塵板が処理物に
付与する抵抗を、作業走行中に変動する処理物量に応じ
て簡単に調節できるようにすることで、製造コストの高
騰を招くことなく、又、排塵板が処理物に付与する抵抗
の調節に要する手間の削減を図りながら、穀粒損失の発
生を効果的に回避するとともに選別精度の向上を図れる
ようにすることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】〔構成〕上記目的を達成
するため、本発明のうちの請求項1記載の発明では、所
定間隔を隔てて並設されたチャフリップ板群を、それら
の各後部上端に設定された横向きの軸心周りに連動揺動
可能に連結することで開度調節可能に構成され、かつ、
前記チャフリップ板群を閉じ側に引き上げ付勢する開度
調節バネを備えることで、その開度が前記チャフリップ
板群上の処理物の重量に応じて自動調節される重量感知
式に構成された可動形のチャフシーブと、シーブケース
の後方に形成された排塵口に向かう処理物を受け止める
とともに、該処理物にその前記排塵口への移動を妨げる
抵抗を付与する排塵板とを前記シーブケースに装備した
脱穀装置のシーブケース構造において、前記排塵板を、
前記抵抗の調節が可能となるように構成するとともに、
前記チャフシーブの開度が小さくなるほど前記抵抗が大
きくなり、前記チャフシーブの開度が大きくなるほど前
記抵抗が小さくなるように前記チャフシーブに連係し
た。
【0009】〔作用〕上記請求項1記載の発明による
と、シーブケース上の処理物量が少なくなると、それに
伴って、チャフシーブ上での処理物の重量が減少するこ
とから、開度調節バネの付勢によって、チャフシーブの
開度が小さくなるとともに、排塵板が処理物に付与する
抵抗が大きくなる。逆に、シーブケース上の処理物量が
多くなると、それに伴って、チャフシーブ上での処理物
の重量が増加することから、開度調節バネの付勢に抗し
て、チャフシーブの開度が大きくなるとともに、排塵板
が処理物に付与する抵抗が小さくなる。
【0010】つまり、シーブケース上の処理物量が少な
くなる場合には、それに伴ってチャフシーブの開度が小
さくなることに起因して、処理物中の穀粒が、シーブケ
ース上に落下供給される際に水平姿勢に近い姿勢となっ
たチャフリップ板群などに衝突して排塵口に向かう方向
成分の大きい状態で激しく乱反射するとともに、唐箕か
らの選別風によって更に排塵口に向かい易くなったとし
ても、その分、排塵板が処理物に付与する抵抗が大きく
なることから、処理物中の穀粒が排塵板を越えて排塵口
から機外に排出される虞を抑制することができるように
なる。逆に、シーブケース上の処理物量が多くなる場合
には、それに伴ってチャフシーブの開度が大きくなるこ
とによって、比重の重い処理物中の穀粒がチャフシーブ
から速やかに漏下するようになり、又、排塵板が処理物
に付与する抵抗が小さくなることによって、比重の軽い
処理物中のワラ屑などが排塵板を越えて排塵口から機外
に速やかに排出されるようになる。
【0011】〔効果〕従って、重量感知式に構成した可
動形のチャフシーブに排塵板を連係するだけの構成で、
排塵板が処理物に付与する抵抗を、作業走行中に変動す
る処理物量に応じた好適な状態に簡単に自動調節するこ
とができ、これによって、シーブケース上の処理物量が
多くなる場合には、処理物中のワラ屑などを排塵口から
機外に速やかに排出できるようにしながらも、シーブケ
ース上の処理物量が少なくなる場合には、穀粒が排塵口
から機外に排出される虞を抑制できることから、製造コ
ストの高騰を招くことなく、又、排塵板が処理物に付与
する抵抗の調節に要する手間の削減を図りながら、穀粒
損失の発生を効果的に回避することができるとともに選
別精度の向上を図れるようになった。
【0012】〔構成〕本発明のうちの請求項2記載の発
明では、上記請求項1記載の発明において、前記抵抗の
調節範囲を設定変更する設定手段を装備した。
【0013】〔作用〕上記請求項2記載の発明による
と、選別する処理物の種類や濡れ具合などに応じて排塵
板が処理物に付与する抵抗の調節範囲を設定変更するこ
とができ、又、排塵板はチャフシーブに連係されている
ことから、その設定変更に伴ってチャフシーブの開度調
節範囲が設定変更されるようになる。
【0014】これによって、例えば、選別する処理物が
麦のように脱穀処理時にワラ屑などが発生し易いもので
ある場合や濡れ気味である場合には、排塵板が処理物に
付与する抵抗が小さくなるようにその調節範囲を設定変
更することによって、処理物中の含有量が多くなるワラ
屑や濡れ気味で搬送抵抗が大きくなったワラ屑の排塵口
から機外への排出を促進させることができるようにな
り、又、その調節設定に伴って、チャフシーブの開度が
大きくなるようにチャフシーブの開度調節範囲が設定変
更されることから、処理物中の含有量が少ないことや濡
れ気味であることに起因して漏下し難くなる穀粒のチャ
フシーブからの漏下を促進させることができるようにな
る。逆に、選別する処理物が稲のように脱穀処理時にワ
ラ屑などが発生し難いものである場合や乾き気味である
場合には、排塵板が処理物に付与する抵抗が大きくなる
ようにその調節範囲を設定変更することによって、処理
物中の含有量が多くなる穀粒や乾き気味で搬送抵抗が小
さくなった穀粒が排塵板を越えて排塵口から機外に排出
される穀粒損失の発生を回避できるようになり、又、そ
の調節設定に伴って、チャフシーブの開度が小さくなる
ようにチャフシーブの開度調節範囲が設定変更されるこ
とから、処理物中の含有量が少ないことや乾き気味であ
ることによって穀粒とともに漏下し易くなるワラ屑など
のチャフシーブからの漏下を抑制することができるよう
になる。
【0015】〔効果〕従って、設定手段により、排塵板
が処理物に付与する抵抗の調節範囲を、選別する処理物
の種類や濡れ具合などに応じた好適な範囲に設定変更す
るのに伴って、チャフシーブの開度調節範囲をも、選別
する処理物の種類や濡れ具合などに応じた好適な範囲に
設定変更することができ、これによって、選別する処理
物の種類や濡れ具合などにかかわらず、ワラ屑の排塵口
から機外への排出促進や穀粒損失の発生回避などを良好
に行えることから、構成の簡素化や操作性の向上を図り
ながら、より効果的に穀粒損失の発生を回避することが
できるとともに選別精度の向上を図れるようになった。
【0016】〔構成〕本発明のうちの請求項3記載の発
明では、上記請求項1又は2記載の発明において、前記
抵抗の調節を、前記シーブケースから上方に向けて延出
する前記排塵板の延出長さの調節で行うように構成し
た。
【0017】〔作用〕上記請求項3記載の発明による
と、シーブケースから上方に向けて延出する排塵板の延
出長さを長くするほど、処理物中の穀粒が排塵板を越え
て排塵口から機外に排出される虞を抑制できるようにな
り、逆に、シーブケースから上方に向けて延出する排塵
板の延出長さを短くするほど、比重が軽いことからシー
ブケース上に堆積する処理物の上層側に集中するワラ屑
などを、速やかに排塵板を越えさせて排塵口から機外に
排出することができるようになる。
【0018】特に、排塵板が処理物に付与する抵抗を大
きくする場合には、シーブケースから上方に向けて延出
する排塵板の延出長さを長くすることから、シーブケー
ス上に落下供給される際のチャフリップ板群などとの衝
突によって激しく乱反射する穀粒の排塵板による受け止
めをより確実に行えるようになり、処理物中の穀粒が排
塵板を越えて排塵口から機外に排出される虞をより効果
的に抑制できるようになる。
【0019】〔効果〕従って、穀粒損失の発生をより効
果的に回避することができるとともに選別精度の向上を
図れるようになった。
【0020】〔構成〕本発明のうちの請求項4記載の発
明では、上記請求項1又は2記載の発明において、前記
抵抗の調節を、前記排塵板の横向きの軸心周りでの揺動
による前記シーブケースに対する姿勢変更で行うように
構成した。
【0021】〔作用〕上記請求項4記載の発明による
と、排塵板を起立させるほど、処理物中の穀粒が排塵板
を越えて排塵口から機外に排出される虞を抑制できるよ
うになり、逆に、排塵板を後方側に傾倒させるほど、比
重が軽いことからシーブケース上に堆積する処理物の上
層側に集中するワラ屑などを、速やかに排塵板を越えさ
せて排塵口から機外に排出することができるようにな
る。
【0022】特に、排塵板が処理物に付与する抵抗を小
さくする場合には、排塵板を後方側に傾倒させることか
ら、ワラ屑などの排塵口に向けての移送をより円滑に行
わせることができ、ワラ屑などの排塵口からの排出をよ
り迅速に行えるようになる。
【0023】〔効果〕従って、穀粒損失の発生を回避で
き、選別精度の向上を図れる上に、選別効率の向上をも
図れるようになった。
【0024】〔構成〕本発明のうちの請求項5記載の発
明では、上記請求項4に記載の発明において、前記排塵
板にバランスウェイトを装備した。
【0025】〔作用〕上記請求項5記載の発明による
と、シーブケースの選別揺動に伴って、排塵板及びチャ
フシーブのチャフリップ板群がそれらの重量バランスの
不均衡によって揺動することに起因した振動の発生を防
止できるようになる。
【0026】〔効果〕従って、振動に起因した異音の発
生を防止できるとともに、振動の影響を受けることなく
チャフリップ板群上の処理物の重量に応じたチャフシー
ブの開度や排塵板の姿勢をより的確に現出できるように
なり、もって、より効果的に選別精度の向上を図れると
ともに穀粒損失の発生を回避できるようになった。
【0027】
【発明の実施の形態】図1にはコンバインに搭載される
脱穀装置の縦断側面が示されており、この脱穀装置は、
その左側部に配備されたフィードチェーン1により横向
き姿勢で挾持搬送される刈取穀稈の穂先側に対して脱穀
処理を施す脱穀部D1、脱穀部D1からの処理物に対し
て選別処理を施す選別部D2、及び、選別部D2にて選
別された処理物のうちの1番物と2番物とを回収する回
収部D3、などによって構成されている。
【0028】脱穀部D1は、前後向きの軸心P1周りに
回転駆動される扱胴2、扱胴2の下部側に配備された受
網3、及び、受網3の後方に形成された送塵口4、など
によって構成されており、扱胴2がフィードチェーン1
により挾持搬送される刈取穀稈から穀粒を分離して単粒
化し、その単粒化した穀粒やワラ屑などを受網3から選
別部D2に向けて漏下させるとともに、受網3から漏下
しなかった穀粒やワラ屑などを送塵口4から選別部D2
に放出するようになっている。
【0029】選別部D2は、前側の左右両側部が左右向
きの軸心P2周りに前後揺動可能な支持アーム5に吊り
下げ支持された状態で受網3の下方に配設されたシーブ
ケース6、及び、シーブケース6の前下方に配設された
唐箕7、などによって構成されており、シーブケース6
が、その後部に配設された偏心式駆動機構8の作動で揺
動駆動されることによって脱穀部D1からの処理物に対
して篩い選別を施すとともに、唐箕7が、シーブケース
6に向けて選別風を供給することによって、シーブケー
ス6により篩い選別される処理物に対して風力選別を付
加するようになっている。そして、これらの選別作動に
よって、脱穀部D1からの処理物を、1番物としての穀
粒と、2番物としての穀粒とワラ屑などとの混在物と、
3番物としてのワラ屑などとに選別するようになってい
る。
【0030】尚、図1に示す符号9は、送塵口4から選
別部D2に放出された穀粒やワラ屑などにほぐし作用を
付与する拡散胴であり、又、符号10は、ワラ屑などを
吸引して機外に排出する排塵ファンである。
【0031】回収部D3は、シーブケース6の前部下方
に形成された1番物回収部11、及び、シーブケース6
の後部下方に形成された2番物回収部12、などによっ
て構成されている。1番物回収部11は、選別部D2に
て選別処理された処理物のうちの穀粒を回収するととも
に、その回収した穀粒を、その底部に左右向きに配備さ
れた1番スクリュー13によって、その右端に連通接続
された図外の揚送スクリューに向けて搬送するように構
成されている。2番物回収部12は、選別部D2にて選
別処理された処理物のうちの混在物を回収するととも
に、その回収した混在物を、その底部に左右向きに配備
された2番スクリュー14によって、その右端に連通接
続された2番還元スクリュー15に向けて搬送するよう
に構成されている。
【0032】ちなみに、揚送スクリューは、1番スクリ
ュー13にて搬送された穀粒を揚送して脱穀装置の右側
方に並設された図外の穀粒タンクに供給するようになっ
ている。又、2番還元スクリュー15は、2番スクリュ
ー14にて搬送された混在物を揚送して脱穀部D1に還
元するようになっている。
【0033】図1及び図2に示すように、シーブケース
6は、受網3の前半部から漏下した処理物を受け止めて
比重差選別しながら後方に向けて移送する第1グレンパ
ン16、第1グレンパン16により移送された処理物と
受網3の後半部から漏下した処理物の中から穀粒などを
粗選別して漏下させるとともに残りの処理物を後方に向
けて移送する第1チャフシーブ17、送塵口4から排出
された処理物の中から穀粒などを篩い選別して漏下させ
るとともに残りの処理物を後方に向けて移送する第1ス
トローラック18と複数の篩線19、第1チャフシーブ
17により移送された処理物と第1ストローラック18
及び複数の第2篩線19から漏下した処理物の中から穀
粒などを粗選別して2番物回収部12に漏下させるとと
もに残りの処理物を後方に向けて移送する第2チャフシ
ーブ20、第2チャフシーブ20により移送された処理
物の中から穀粒などを篩い選別して2番物回収部12に
漏下させるとともに残りの比重の軽いワラ屑などを後方
に向けて移送してシーブケース6の後方に形成された排
塵口21から機外に排出する第2ストローラック22、
第1チャフシーブ17の前部から漏下した処理物を比重
差選別しながら後方に向けて移送する第2グレンパン2
3、及び、第2グレンパン23により移送された処理物
と第1チャフシーブ17の後部側から漏下した処理物の
中から穀粒を精選別して1番物回収部11に漏下させる
とともに残りの処理物を後方に向けて移送して2番物回
収部12に供給するグレンシーブ24、などによって構
成されている。
【0034】図2〜5に示すように、第1チャフシーブ
17は、前後方向に所定間隔を隔てて並設されるチャフ
リップ板17A群を、それらの各後部上端に設定された
左右向きの軸心P3周りに連動揺動可能となるように、
第1上部連結部材25を介してシーブケース6の左右両
側壁6Aに枢支連結するとともに、それらの下端同士を
第1下部連結部材26にて連動連結することによって開
度調節可能な可動形に構成されている。又、第1チャフ
シーブ17には、チャフリップ板17A群を閉じ側に引
き上げ付勢する引っ張りバネ27が備えられており、こ
れによって、第1チャフシーブ17上に堆積する処理物
量が多くなることや収穫する作物が濡れ気味であること
によって第1チャフシーブ17に作用する処理物重量が
重くなるほど、その重量で、チャフリップ板17A群が
引っ張りバネ27の付勢に抗して開き側に下降揺動する
ようになることから、第1チャフシーブ17の開度を、
第1チャフシーブ17上の処理物重量に略比例する状態
で大きくすることができ、逆に、第1チャフシーブ17
上に堆積する処理物量が少なくなることや収穫する作物
が乾き気味であることによって第1チャフシーブ17に
作用する処理物重量が軽くなるほど、引っ張りバネ27
の付勢でチャフリップ板17A群が閉じ側に上昇揺動す
るようになることから、第1チャフシーブ17の開度
を、第1チャフシーブ17上の処理物重量に略比例する
状態で小さくすることができるようになっている。
【0035】つまり、引っ張りバネ27は、第1チャフ
シーブ17を、その開度が第1チャフシーブ17上の処
理物重量に応じて変化する重量感知式に構成するための
開度調節バネであり、可動形の第1チャフシーブ17に
開度調節バネ27を設けるだけの簡単な構成で、第1チ
ャフシーブ17上に堆積する処理物量が多くなることや
処理物が濡れ気味になることに起因して第1チャフシー
ブ17から処理物が漏下し難くなる場合には、それに伴
う処理物重量の増加で第1チャフシーブ17の開度を大
きくすることができて、処理物のうちの比重の重い穀粒
の第1チャフシーブ17から精選別部である第2グレン
パン23やグレンシーブ24に向けての漏下を促進させ
ることができ、逆に、第1チャフシーブ17上に堆積す
る処理物量が少なくなることや処理物が乾き気味になる
ことに起因して第1チャフシーブ17から処理物が漏下
し易くなる場合には、それに伴う処理物重量の減少で第
1チャフシーブ17の開度を小さくすることができて、
処理物のうちの比重の軽いワラ屑などの第1チャフシー
ブ17から第2グレンパン23やグレンシーブ24に向
けての漏下を抑制することができるので、構成の簡素化
並びに製造コストの低減化を図りながらも選別効率並び
に選別精度の向上を図れるようになっている。
【0036】しかも、第1チャフシーブ17の開度調節
を第1チャフシーブ17上の処理物重量で直接的に行う
ことによって、第1チャフシーブ17の開度調節を、そ
のときの第1チャフシーブ17上の処理物の状態に応じ
て俊敏に行うことができるので、第1チャフシーブ17
の実開度と第1チャフシーブ17上の処理物の状態に応
じた第1チャフシーブ17の最適開度との誤差を極僅か
なものにすることができるようになっている。
【0037】第1下部連結部材26において、所定のチ
ャフリップ板17Aの遊端左側部に連結されるピン26
Aには、その左端部側が第1下部連結部材26から左外
側方に向けて延出する長尺のものが採用されている。一
方、シーブケース6の左側壁6Aには、第1チャフシー
ブ17の開閉動作に伴うピン26Aの移動を許容する第
1長孔6aが形成されている。第1長孔6aは、長尺の
ピン26Aが装着されたチャフリップ板17Aの揺動軸
心P3を中心とした円弧状に形成されており、その上端
にピン26Aが接当する状態では第1チャフシーブ17
の開度が限界最小開度(略全閉状態)になり、又、その
下端にピン26Aが接当する状態では第1チャフシーブ
17の開度が限界最大開度(全開状態)になるように、
第1チャフシーブ17の開閉動作に伴うピン26Aの移
動を規制するようになっている。シーブケース6におけ
る左側壁6Aの横外側には、第1チャフシーブ17の最
小開度を設定するための操作レバー28が配備されてい
る。
【0038】シーブケース6の左側壁6Aにおいて、所
定のチャフリップ板17Aの遊端に位置するピン26A
から、そのチャフリップ板17の揺動軸心P3を挟んで
離れる所定位置には、操作レバー28の揺動支点P4と
なる支持ピン29が突設されており、操作レバー28の
揺動支点部には、揺動支点P4周りでの操作レバー28
の揺動を可能にしながら、第1チャフシーブ17の最小
開度を限界最小開度に設定した状態での所定のチャフリ
ップ板17Aに対する操作レバー28の前後方向への位
置変更を可能にする長孔28aが形成されている。操作
レバー28の中間部には、第1チャフシーブ17の開閉
動作に伴うピン26Aの移動を規制する開口28bが形
成されている。操作レバー28の遊端部には、シーブケ
ース6の左側壁6Aに所定間隔を隔てて突設された第1
係合突起a〜第5係合突起eのいずれかに係合させるこ
とで操作レバー28を所望の操作位置に固定保持する係
合孔28cが形成されている。所定のチャフリップ板1
7Aの遊端に位置するピン26Aと、操作レバー28に
おけるピン26Aの上方箇所に屈曲形成された支持片2
8dとにわたって開度調節バネ27が架設されている。
尚、操作レバー28は、その遊端側が横外側方に向けて
弾性変形可能となるように構成されている。
【0039】そして、この構成から、操作レバー28の
係合孔28cを第1係合突起a〜第5係合突起eのいず
れかに係合させると、そのときの係合位置に応じたシー
ブケース6側の第1長孔6aと操作レバー28の開口2
8bとの重なり具合や、所定のチャフリップ板17Aと
操作レバー28との位置関係が現出され、そのときの係
合位置が第1係合突起a側であるほど、第1チャフシー
ブ17の最小開度又は最大開度が小さくなる状態に所定
のチャフリップ板17Aの遊端に位置するピン26Aの
移動範囲が制限されるとともに、第1チャフシーブ17
に作用する開度調節バネ27の閉じ力が強められるよう
になっており、もって、収穫する作物の種類や濡れ具合
あるいは収穫量を考慮した第1チャフシーブ17の最小
開度、第1チャフシーブ17の開度調節範囲、並びに、
第1チャフシーブ17の開度調節操作の難易度を設定で
きるようになっている。
【0040】ちなみに、操作レバー28の係合孔28c
を第3係合突起cに係合させた状態が標準状態であり、
収穫する作物の種類が稲のように脱穀処理時にワラ屑な
どが発生し難いものにおいて収穫量が普通である場合に
は、この状態を選択することによって、選別効率の向上
を図りながら選別精度の向上を図ることができ、この場
合よりも収穫量が増大する場合や作物が濡れ気味である
場合には、その状態に応じて、操作レバー28の係合孔
28cを第4係合突起d又は第5係合突起eに係合させ
ることで、比重の重い穀粒の第1チャフシーブ17から
第2グレンパン23やグレンシーブ24に向けての漏下
を促進させることができて、第1チャフシーブ17での
処理物詰まりの発生を回避できるようになることから、
選別効率の向上を効果的に図れるようになり、逆に、前
述した普通の場合よりも収穫量が減少する場合や作物が
乾き気味である場合や、収穫する作物の種類が麦のよう
に脱穀処理時にワラ屑などが発生し易いものである場合
には、その状態に応じて、操作レバー28の係合孔28
cを第2係合突起b又は第1係合突起aに係合させるこ
とで、比重の軽いワラ屑などの第1チャフシーブ17か
ら第2グレンパン23やグレンシーブ24に向けての漏
下を抑制できるようになることから、選別精度の向上を
効果的に図れるようになっている。
【0041】図2、図3及び図5に示すように、操作レ
バー28の左外側方には、シーブケース6の左側壁6A
から突設された左右向きの支軸30に、その軸心P5周
りに揺動可能に支持されるとともに、その前端側が所定
のチャフリップ板17Aの遊端にピン26Aを介して連
係されることで、シーブケース6の選別揺動に伴って、
チャフリップ板17A群が、それらの重量バランスの不
均衡によって揺動することに起因した振動の発生を防止
するバランスウェイト31が配設されており、これによ
って、その振動に起因した異音の発生を防止できるとと
もに、その振動の影響を受けることなくチャフリップ板
17A群上の処理物の重量に応じたチャフシーブ17の
開度をより的確に現出できるようになり、もって、より
効果的に選別効率や選別精度の向上を図れるようになっ
ている。
【0042】図2に示すように、操作レバー28及び第
1係合突起a〜第5係合突起eは脱穀装置の左側壁に形
成された点検口32に臨むようになっており、この点検
口32から、収穫する作物の種類や濡れ具合などに応じ
た第1チャフシーブ17の最小開度を設定するための操
作レバー28の第1係合突起a〜第5係合突起eに対す
る係合位置変更操作を容易に行えるようになっている。
【0043】図1、図4、図6及び図7に示すように、
第2チャフシーブ20は、第1チャフシーブ17と同様
に、前後方向に所定間隔を隔てて並設されるチャフリッ
プ板20A群を、それらの各後部上端に設定された左右
向きの軸心P6周りに連動揺動可能となるように、第2
上部連結部材33を介してシーブケース6の左右両側壁
6Aに枢支連結するとともに、それらの下端同士を第2
下部連結部材34にて連動連結することによって開度調
節可能な可動形に構成されている。又、第2チャフシー
ブ20には、チャフリップ板20A群を閉じ側に引き上
げ付勢する引っ張りバネ35が備えられており、これに
よって、第2チャフシーブ20上に堆積する処理物量が
多くなることや収穫する作物が濡れ気味であることによ
って第2チャフシーブ20に作用する処理物重量が重く
なるほど、その重量で、チャフリップ板20A群が引っ
張りバネ35の付勢に抗して開き側に下降揺動するよう
になることから、第2チャフシーブ20の開度を、第2
チャフシーブ20上の処理物重量に略比例する状態で大
きくすることができ、逆に、第2チャフシーブ20上に
堆積する処理物量が少なくなることや収穫する作物が乾
き気味であることによって第2チャフシーブ20に作用
する処理物重量が軽くなるほど、引っ張りバネ35の付
勢でチャフリップ板20A群が閉じ側に上昇揺動するよ
うになることから、第2チャフシーブ20の開度を、第
2チャフシーブ20上の処理物重量に略比例する状態で
小さくすることができるようになっている。
【0044】つまり、引っ張りバネ35は、第2チャフ
シーブ20を、その開度が第2チャフシーブ20上の処
理物重量に応じて変化する重量感知式に構成するための
開度調節バネであり、可動形の第2チャフシーブ20に
開度調節バネ35を設けるだけの簡単な構成で、第2チ
ャフシーブ20上に堆積する処理物量が多くなることや
処理物が濡れ気味になることに起因して第2チャフシー
ブ20から処理物が漏下し難くなる場合には、それに伴
う処理物重量の増加で第2チャフシーブ20の開度を大
きくすることができて、処理物のうちの比重の重い穀粒
の第2チャフシーブ20から2番物回収部12に向けて
の漏下を促進させることができ、逆に、第2チャフシー
ブ20上に堆積する処理物量が少なくなることや処理物
が乾き気味になることに起因して第2チャフシーブ20
から処理物が漏下し易くなる場合には、それに伴う処理
物重量の減少で第2チャフシーブ20の開度を小さくす
ることができて、処理物のうちの比重の軽いワラ屑など
の第2チャフシーブ20から2番物回収部12に向けて
の漏下を抑制することができるので、構成の簡素化並び
に製造コストの低減化を図りながらも選別効率並びに選
別精度の向上を図れるようになっている。
【0045】しかも、第2チャフシーブ20の開度調節
を第2チャフシーブ20上の処理物重量で直接的に行う
ことによって、第2チャフシーブ20の開度調節を、そ
のときの第2チャフシーブ20上の処理物の状態に応じ
て俊敏に行うことができるので、第2チャフシーブ20
の実開度と第2チャフシーブ20上の処理物の状態に応
じた第2チャフシーブ20の最適開度との誤差を極僅か
なものにすることができるようになっている。
【0046】第2下部連結部材34において、所定のチ
ャフリップ板20Aの遊端左側部に連結されるピン34
Aには、その左端部側が第2下部連結部材34から左外
側方に向けて延出する長尺のものが採用されている。一
方、シーブケース6の左側壁6Aには、第2チャフシー
ブ20の開閉動作に伴うピン34Aの移動を許容する第
2長孔6bが形成されている。第2長孔6bは、長尺の
ピン34Aが装着されたチャフリップ板20Aの揺動軸
心P6を中心とした円弧状に形成されており、その上端
にピン34Aが接当する状態では第2チャフシーブ20
の開度が限界最小開度(略全閉状態)になり、又、その
下端にピン34Aが接当する状態では第2チャフシーブ
20の開度が限界最大開度(全開状態)になるように、
第2チャフシーブ20の開閉動作に伴うピン34Aの移
動を規制するようになっている。
【0047】図1及び図6〜9に示すように、シーブケ
ース6の後部には、第2チャフシーブ20によって排塵
口21に向けて移送される処理物を受け止めるととも
に、その処理物に排塵口21への移動を妨げる抵抗を付
与する排塵板36が配備されており、この排塵板36の
作用によって、選別処理の際に処理物中の穀粒がワラ屑
などとともに排塵口21から機外に排出される穀粒損失
の発生を回避できるようになっている。
【0048】排塵板36は、シーブケース6の左右両側
壁6Aに左右一対の支軸37を介して左右向きの軸心P
7周りに揺動可能に支持されており、その揺動姿勢を変
更することによって、処理物に付与する抵抗を調節でき
るようになっている。排塵板36の上部には、左右一対
のピン36Aが左右外側方に向けて突出する状態で装備
されており、これらのピン36Aは、シーブケース6の
左右両側壁6Aに形成された第3長孔6cに挿通されて
いる。左右の第3長孔6cは、排塵板36の揺動軸心P
7を中心とした円弧状に形成されており、その前端にピ
ン36Aが接当する状態では排塵板36が起立姿勢とな
って処理物に付与する抵抗が最大になり、又、その後端
にピン36Aが接当する状態では排塵板36が所定の最
大後傾姿勢となって処理物に付与する抵抗が最小になる
ように、排塵板36が処理物に付与する抵抗の調節範囲
を規制するようになっている。
【0049】排塵板36は、第2チャフシーブ20の開
度が小さくなるほど処理物に付与する抵抗が大きくな
り、第2チャフシーブ20の開度が大きくなるほど処理
物に付与する抵抗が小さくなるように、第2チャフシー
ブ20側のピン34Aと排塵板36のピン36Aとにわ
たって架設された連係部材38を介して第2チャフシー
ブ20に連係されている。
【0050】以上の構成から、シーブケース6上の処理
物量が少なくなると、それに伴って、第2チャフシーブ
20上での処理物の重量が減少することから、開度調節
バネ35の付勢によって、第2チャフシーブ20の開度
が小さくなるとともに、排塵板36が起立姿勢方向に揺
動して、シーブケース6に対する傾斜角を大きくし、か
つ、シーブケース6から上方への延出長さを長くするこ
とによって、処理物に付与する抵抗を大きくするように
なる。逆に、シーブケース6上の処理物量が多くなる
と、それに伴って、第2チャフシーブ20上での処理物
の重量が増加することから、開度調節バネ35の付勢に
抗して、第2チャフシーブ20の開度が大きくなるとと
もに、排塵板36が最大後傾姿勢方向に揺動して、シー
ブケース6に対する傾斜角を小さくし、かつ、シーブケ
ース6から上方への延出長さを短くすることによって、
処理物に付与する抵抗を小さくするようになる。
【0051】その結果、シーブケース6上の処理物量が
少なくなる場合には、それに伴って第1チャフシーブ1
7及び第2チャフシーブ20の開度が小さくなることに
起因して、処理物中の穀粒が、シーブケース6上に落下
供給される際に水平姿勢に近い姿勢となったチャフリッ
プ板17A,20A群などに衝突して排塵口21に向か
う方向成分の大きい状態で激しく乱反射するとともに、
唐箕7からの選別風によって更に排塵口21に向かい易
くなったとしても、その分、排塵板36が起立姿勢方向
に揺動して処理物に付与する抵抗を大きくすることか
ら、処理物中の穀粒が排塵板36を越えて排塵口21か
ら機外に排出される虞を抑制することができるようにな
り、逆に、シーブケース6上の処理物量が多くなる場合
には、それに伴って第1チャフシーブ17及び第2チャ
フシーブ20の開度が大きくなることによって、比重の
重い処理物中の穀粒が第1チャフシーブ17及び第2チ
ャフシーブ20から速やかに漏下するとともに、排塵板
36が最大後傾姿勢方向に揺動して処理物に付与する抵
抗を小さくすることから、比重の軽い処理物中のワラ屑
などを、排塵板36を越えさせて排塵口21から機外に
速やかに排出することができるようになっている。
【0052】つまり、重量感知式に構成した可動形の第
2チャフシーブ20に排塵板36を連係するだけの構成
で、排塵板36が処理物に付与する抵抗を、作業走行中
に変動する処理物量に応じた好適な状態に簡単に自動調
節することができ、これによって、シーブケース6上の
処理物量が多くなる場合には、処理物中のワラ屑などを
排塵口21から機外に速やかに排出できるようにしなが
らも、シーブケース6上の処理物量が少なくなる場合に
は、穀粒が排塵口21から機外に排出される虞を抑制で
きることから、製造コストの高騰を招くことなく、又、
排塵板36が処理物に付与する抵抗を調節する際に要す
る手間の削減を図りながら、穀粒損失の発生をより効果
的に回避することができるとともに選別精度の向上を図
れるようになっている。
【0053】排塵板36の下端部には、シーブケース6
の選別揺動に伴って、排塵板36及び第2チャフシーブ
20のチャフリップ板20A群が、それらの重量バラン
スの不均衡によって揺動することに起因した振動の発生
を防止するバランスウェイト39が装備されており、こ
れによって、その振動に起因した異音の発生を防止でき
るとともに、その振動の影響を受けることなく第2チャ
フリップ板20A群上の処理物の重量に応じた第2チャ
フシーブ20の開度や排塵板36の姿勢をより的確に現
出できるようになり、もって、より効果的に選別精度の
向上を図れるとともに穀粒損失の発生を回避できるよう
になっている。
【0054】シーブケース6の後端部には、バランスウ
ェイト39との接当で排塵板36の起立姿勢方向への揺
動を規制することで、排塵板36が処理物に付与する抵
抗の調節範囲を設定する設定手段としての接当具40
が、シーブケース6に対して前後方向に位置調節可能な
状態でボルト連結されており、その接当具40のシーブ
ケース6に対する連結位置を変更することによって、排
塵板36が処理物に付与する抵抗の調節範囲を設定変更
することができるようになっている。
【0055】この構成から、選別する処理物の種類や濡
れ具合などに応じて排塵板36が処理物に付与する抵抗
の調節範囲を設定変更することができ、又、排塵板36
が第2チャフシーブ20に連係されていることから、そ
の設定変更に伴って、第2チャフシーブ20の開度調節
範囲を設定変更することができるようになっている。
【0056】これによって、例えば、選別する処理物が
麦のように脱穀処理時にワラ屑などが発生し易いもので
ある場合や濡れ気味である場合には、排塵板36が処理
物に付与する抵抗が小さくなるようにその調節範囲を設
定変更することによって、処理物中の含有量が多くなる
ワラ屑や濡れ気味で搬送抵抗が大きくなったワラ屑の排
塵口21から機外への排出を促進させることができるよ
うになり、又、その調節設定に伴って、第2チャフシー
ブ20の開度が大きくなるように第2チャフシーブ20
の開度調節範囲が設定変更されることから、処理物中の
含有量が少ないことや濡れ気味であることに起因して漏
下し難くなる穀粒の第2チャフシーブ20から2番物回
収部12への漏下を促進させることができるようになっ
ている。逆に、選別する処理物が稲のように脱穀処理時
にワラ屑などが発生し難いものである場合や乾き気味で
ある場合には、排塵板36が処理物に付与する抵抗が大
きくなるようにその調節範囲を設定変更することによっ
て、処理物中の含有量が多くなる穀粒や乾き気味で搬送
抵抗が小さくなった穀粒が排塵板36を越えて排塵口2
1から機外に排出される穀粒損失の発生を回避できるよ
うになり、又、その調節設定に伴って、第2チャフシー
ブ20の開度が小さくなるように第2チャフシーブ20
の開度調節範囲が設定変更されることから、処理物中の
含有量が少ないことや乾き気味であることによって穀粒
とともに漏下し易くなるワラ屑などの第2チャフシーブ
20から2番物回収部12への漏下を抑制することがで
きるようになっている。
【0057】要するに、接当具40により、排塵板36
が処理物に付与する抵抗の調節範囲を、選別する処理物
の種類や濡れ具合などに応じた好適な範囲に設定変更す
るのに伴って、第2チャフシーブ20の開度調節範囲を
も、選別する処理物の種類や濡れ具合などに応じた好適
な範囲に設定変更することができ、これによって、選別
する処理物の種類や濡れ具合などにかかわらず、ワラ屑
の排塵口21から機外への排出促進や穀粒損失の発生回
避などを良好に行えることから、構成の簡素化や操作性
の向上を図りながら、より効果的に穀粒損失の発生を回
避することができるとともに選別精度の向上を図れるよ
うになっている。
【0058】尚、接当具40のシーブケース6に対する
連結位置の変更は、接当具40をシーブケース6に連結
する蝶ナット41を排塵口21から操作することによっ
て容易に行えるようになっている。
【0059】〔別実施形態〕以下、本発明の別実施形態
を列記する。 (1)第2チャフシーブ17にバランスウェイト39を
装備するようにしてもよい。 (2)排塵板36を第1チャフシーブ17に連係するよ
うにしてもよい。 (3)シーブケース6としては、第1チャフシーブ17
と第2チャフシーブ20とが一体的に開度調節されるよ
うに構成されたものであってもよく、又、第1チャフシ
ーブ17又は第2チャフシーブ20が開度調節不能な固
定形に構成されたものであってもよい。 (4)排塵板36が処理物に付与する抵抗の調節を、シ
ーブケース6から上方に向けて延出する排塵板36の上
下方向へのスライド操作によるシーブケース6からの延
出長さの調節で行うように構成してもよい。 (5)排塵板36が処理物に付与する抵抗の調節範囲を
設定変更する設定手段40の構成としては種々の変更が
可能であり、例えば、設定手段40を、バランスウェイ
ト39との接当で排塵板36の最大後傾姿勢方向への揺
動を規制することで、排塵板36が処理物に付与する抵
抗の調節範囲を設定する接当具で構成するようにしても
よい。
【図面の簡単な説明】
【図1】脱穀装置の縦断側面図
【図2】第1チャフシーブの構成を示す要部の側面図
【図3】第1チャフシーブの構成を示す要部の横断平面
【図4】第1チャフシーブ及び第2チャフシーブの構成
を示す要部の縦断正面図
【図5】操作レバーを第1係合突起に係合した状態を示
す要部の展開図
【図6】第2チャフシーブ及び排塵板の構成を示す要部
の側面図
【図7】第2チャフシーブ及び排塵板の構成を示す要部
の横断平面図
【図8】排塵板の構成を示す要部の縦断背面図
【図9】排塵板の構成を示す要部の縦断側面図
【符号の説明】
6 シーブケース 20 チャフシーブ 20A チャフリップ板 21 排塵口 35 開度調節バネ 36 排塵板 39 バランスウェイト 40 設定手段 P6 軸心 P7 軸心

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定間隔を隔てて並設されたチャフリッ
    プ板群を、それらの各後部上端に設定された横向きの軸
    心周りに連動揺動可能に連結することで開度調節可能に
    構成され、かつ、前記チャフリップ板群を閉じ側に引き
    上げ付勢する開度調節バネを備えることで、その開度が
    前記チャフリップ板群上の処理物の重量に応じて自動調
    節される重量感知式に構成された可動形のチャフシーブ
    と、シーブケースの後方に形成された排塵口に向かう処
    理物を受け止めるとともに、該処理物にその前記排塵口
    への移動を妨げる抵抗を付与する排塵板とを前記シーブ
    ケースに装備した脱穀装置のシーブケース構造であっ
    て、 前記排塵板を、前記抵抗の調節が可能となるように構成
    するとともに、前記チャフシーブの開度が小さくなるほ
    ど前記抵抗が大きくなり、前記チャフシーブの開度が大
    きくなるほど前記抵抗が小さくなるように前記チャフシ
    ーブに連係してある脱穀装置のシーブケース構造。
  2. 【請求項2】 前記抵抗の調節範囲を設定変更する設定
    手段を装備してある請求項1記載の脱穀装置のシーブケ
    ース構造。
  3. 【請求項3】 前記抵抗の調節を、前記シーブケースか
    ら上方に向けて延出する前記排塵板の延出長さの調節で
    行うように構成してある請求項1又は2記載の脱穀装置
    のシーブケース構造。
  4. 【請求項4】 前記抵抗の調節を、前記排塵板の横向き
    の軸心周りでの揺動による前記シーブケースに対する姿
    勢変更で行うように構成してある請求項1又は2記載の
    脱穀装置のシーブケース構造。
  5. 【請求項5】 前記排塵板にバランスウェイトを装備し
    てある請求項4記載の脱穀装置のシーブケース構造。
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