JP3418427B2 - 樹脂組成物 - Google Patents
樹脂組成物Info
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、染色性に富む高屈折率
樹脂組成物に関する。更に詳しく述べるなら、染色性に
富む屈折率1.58以上の眼鏡レンズに適した高屈折率
樹脂組成物に関する。 【0002】 【従来の技術】一般に眼鏡レンズとして用いられる樹脂
材料は、軽く、強度があり、染色性に富むことが求めら
れる。特に、従来のガラス製の材料では、全く得られな
い性質である染色性は眼鏡レンズとして用いられる樹脂
材料に具備すべき必須の極めて重要な特性である。特
に、可視光線波長域の透過率が20%を下回る程度まで
の染色が求められる場合も少なくない。従来、眼鏡レン
ズとして用いられる樹脂材料の内、ジエチレングリコ−
ルビスアリルカ−ボネ−トは、優れた染色性を示し、現
在最も眼鏡レンズ用樹脂として多用される材料である。
しかし、上記ジエチレングリコ−ルビスアリルカ−ボネ
−トを重合して得られる樹脂は、屈折率が低く、1.5
0であるため眼鏡レンズとした場合、特に凹レンズのこ
ばが非常に厚くなる欠点があった。この為、屈折率が高
いプラスチック製の材料が強く望まれている。しかしな
がら、屈折率が高い材料は、一般には、芳香族性が大き
く疎水性の材料となる傾向がある。一般に、レンズの染
色方法は、分散染料を水に分散させ、加温することによ
る。このため、芳香族性が大きく疎水性の屈折率が高い
材料は、一般に、染色が困難になる傾向がある。この意
味から、プラスチック製の眼鏡材料であって、屈折率が
比較的高く、高度に染色性に富む材料が強く望まれてい
る。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上の要請
に応え、プラスチック製の眼鏡材料であって、屈折率が
比較的高く、染色性に富む有用な高屈折率材料組成物を
提供することを目的とする。 【0004】 【課題を解決するための手段】本発明の樹脂組成物は、
特定の芳香族基と硫黄原子を有する下記化3〔構造式
(1)〕で示される4,4’ーチオビスベンゼンチオ−
ルジメタクリレ−ト単量体と、芳香族基とエチレンオキ
シドユニットを有する下記化4〔構造式(2)〕で示さ
れる芳香族単量体を主成分とするモノマ−混合物をラジ
カルキャスト重合成形を行うことにより得られる有用な
樹脂組成物である。 【0005】本発明の眼鏡レンズに適した樹脂組成物
は、特定のモノマ−のラジカルキャスティング重合によ
って得られる。本発明において用いられるモノマ−は、
次のような特定の単量体が用いられる。即ち、特定の芳
香族基と3個の硫黄原子を有する下記構造式(1)で示
される4,4’ーチオビスベンゼンチオ−ルジメタクリ
レ−ト、及び芳香族基とエチレンオキシドユニットを有
する構造式(2)で示される2官能単量体を主成分とす
る。 【0006】 【化3】 【0007】 【化4】 【0008】本発明に於て、構造式(1)のジメタクリ
ルエステルが芳香族基及び多数の硫黄原子を、又構造式
(2)でビスフェノ−ルA型の芳香族基を有するエステ
ルが用いられる理由は、これらを含有することによっ
て、本発明の眼鏡材料用組成物の屈折率を比較的高くす
ることが出来るためである。構造式(1)の4,4’ー
チオビスベンゼンチオ−ルジメタクリレ−ト単量体は、
上述の様に芳香族基及び多数の硫黄原子を有することか
ら極めて高い屈折率を有し、有用な材料ではあるが、こ
れだけでは有用な眼鏡レンズを作ることはできない。そ
の理由は、構造式(1)の単量体は、常温で固体であ
り、又非常に芳香族性が高く疎水性が強いため、通常構
造式(1)から作られる重合体は、染色性を有し得な
い。この為構造式(1)の共重合相手は、常温で液体で
あり且つ共重合組成物が染色性に富む材料である必要が
ある。 【0009】本発明で使用される構造式(2)の単量体
は、この様な背景から生まれた単量体である。構造式
(2)の化合物は、特に、屈折率を大きくする目的のた
めには、ビスフェノ−ルA型の芳香族基の含量を多くす
る必要があり、ポリエトキシ基は、少ない方がよい。し
かしながら、この化合物だけで得られる樹脂は、疎水性
が高く目的とする染色性に富む材料となりにくい。この
意味から、構造式(2)の化合物中のポリエトキシユニ
ットの含有量は、極めて重要である。柔なんなエチレン
オキシドユニットは、親水性に富み且つ材料組成物中を
自由に動き易く、染色性を高度に達成させる事が出来
る。即ち、ポリエトキシユニットの含有量が多くなる
と、親水性が大きくなり染色性を向上させるためには、
有利である。が、ポリエトキシユニットの含有量が多く
なればなるほど共重合体の屈折率が低下するとともに、
柔なんとなり樹脂の耐熱性が低下する傾向となる。この
ため、本発明では、構造式(2)の化合物中のポリエト
キシユニットの含有量は、限定される。本発明では、n
は、3から6の整数が用いられる。nの数が6を超える
と共重合体の屈折率が大幅に低下するとともに、柔なん
となり樹脂の耐熱性が低下する。一方nの数が3に満た
ないと、本発明の目的とする染色性に富む材料は得られ
ない。又、nの数が1から2の材料は、常温で固体また
は、粘調な液体であり、注型重合に適さない場合が多
い。この意味から本発明では、nは、3から6の整数が
好ましい範囲として用いられる。本発明の組成物は、こ
の様に、構造式(1)及び構造式(2)の単量体を必須
の成分として用いることにより、従来の眼鏡材料と比較
し、比較的屈折率が高く、又、分散染料を分散させた温
浴中で容易に染料が拡散し、比較的高い濃度まで、染色
が可能となる有用なプラスチック製の眼鏡材料とするこ
とが可能になる。 【0010】本発明のモノマ−は、これら化合物(1)
及び(2)の他にこれら化合物(1)及び(2)と共重
合可能な単量体を共重合相手として用いることが出来
る。この共重合可能な単量体が用いられる意図は、共重
合体の重合速度を調節したり、モノマ−粘度をラジカル
キャスティング重合に適した粘度に調節したり、又、成
形性を調整したり、樹脂の屈折率を調整する等、種々の
目的のために使用される。具体的なこれら第3成分とし
ての単量体の例としては、メチルメタクリレ−ト、ブチ
ルメタクリレ−ト、フェニルメタクリレ−ト、イソブチ
ルメタクリレ−ト、等の各種メタクリルエステル、スチ
レン、クロルスチレン、ブロモスチレン、αーメチルス
チレン、ジビニルベンゼン等の各種ビニル化合物等であ
る。これらは、ほんの一例であり、本発明は、これらの
みに限定されない。 【0011】次に、本発明で用いられるモノマ−成分と
しての化合物(1)及び(2)、及び第3成分の割合
は、化合物(1)10〜40重量部、化合物(2)10
〜30重量部、第3成分30〜80重量部、が適当な範
囲として用いられる。化合物(1)の単量体が10重量
部未満であると本発明の眼鏡材料組成物が充分高い屈折
率を得ることが出来ない。又、40重量部を超えると比
較的高い屈折率を得ることが出来るが、染色性に欠ける
材料となる。次に、化合物(2)の使用が10重量部未
満であると、疎水性が高く目的とする高度に染色性に富
む材料とならない。又、30重量部を超えると、染色性
は向上するが共重合体の耐熱性は低下する。この意味か
ら本発明では、化合物(2)の単量体量は、10〜30
重量部が好ましい範囲として用いられる。 【0012】又、第3成分のモノマ−は、その使用目的
によって30〜50重量部の範囲で使用することによ
り、良好な眼鏡材料組成物とすることが出来る。以上の
理由により、本発明の眼鏡材料のモノマ−原料は、化合
物(1)で示される単量体が10〜40重量部、化合物
(2)で示される単量体10〜30重量部、第3成分の
単量体30〜80重量部、が適当な組成として用いるこ
とが可能である。 【0013】次に、本発明の眼鏡材料組成物の具体的な
製造方法を述べる。前述した様に、本発明の樹脂は、ラ
ジカルキャスティング重合によって得られる。先ず、本
発明の範囲内の特定のモノマ−組成を混合し、更に、ラ
ジカル重合開始剤を添加して均一なモノマ−溶液を作製
する。このモノマ−溶液を硝子製、各種のプラスチック
製、または、金属製で出来た型(モ−ルド)の中に注入
し、室温もしくは、加温下にラジカル重合を開始させ、
目的とする形状に成形された眼鏡材料を得ることが出来
る。 【0014】ラジカル重合開始剤は、特に限定はなく通
常、ラジカル重合に用いられる開始剤を使用することが
出来る。又、重合温度は、室温から120℃程度の範囲
の温度が一般に使用される。この様にして得られた成形
物は、そのまま眼鏡レンズとして使用することもできる
が、用途によって切削、研磨などの手段を施して各種の
眼鏡材料とすることも可能である。又、染色、ハ−ドコ
−ト、反射防止コ−ト等を施すことも有力な手段であ
る。この様にして得られた本発明の樹脂組成物は、従来
の硝子製やプラスチックの眼鏡材料と比べ比較的屈折率
が高く、又、極めて染色性に優れた眼鏡材料組成物を提
供するものである。次に、実施例で更に、説明を加え
る。 【0015】 【実施例】 実施例(1) 4,4’ーチオビスベンゼンチオ−ルジメタクリレ−ト 20重量部 下記化5〔構造式(3)〕で示される 2,2'- ヒ゛ス[4-(メタクリロキシ・ホ゜リエトキシ)フェニル]フ゜ロハ゜ン 12重量部 【0016】 【化5】 【0017】 2,2'- ヒ゛ス[4-(メタクリロキシ・シ゛エトキシ )フェニル]フ゜ロハ゜ン 40重量部 αーメチルスチレン 28重量部 を良く混合し、これに、更に、ラウロイルパ−オキサイ
ド1.5重量部を室温で溶解させ、モノマ−溶液とし
た。これを、ガスケットで固定された硝子製モ−ルドの
間に注入し、次の条件で重合を行った。 50℃ 16時間 70℃ 4時間 90℃ 2時間 重合後の成形体は、厚み1.5mm、ジオプタ−0.2
5であった。又、無色透明で、可視光線透過率は、90
%を示した。(可視光線透過率の測定は、ASTM D
1003ー52の方法に準じた。)又、この材料の屈折
率は、1.592と比較的高い値を示した。次に、この
成形体の染色性をテストした。テスト方法は、0.2%
の水分散性染料ディスパ−ジョンブラウン3水溶液を9
2℃に昇温し、この水溶液中に成形体を10分間浸漬さ
せ、取り出した後良く水洗後、可視光線透過率を求める
ことにより染色性試験とした。実施例(1)の成形体の
染色テスト後の可視光線透過率は、56%を示し極めて
染色性に富むことが確認された。 【0018】比較例(1) 実施例(1)で使用した 4,4’ーチオビスベンゼンチオ−ルジメタクリレ−ト 20重量部 2,2'- ヒ゛ス[4-(メタクリロキシ・シ゛エトキシ )フェニル]フ゜ロハ゜ン 52重量部 α- メチルスチレン 28重量部 を良く混合し、実施例(1)と同じ条件で重合を行いジ
オプタ−0.25の凹レンズを得た。無色透明で、可視
光線透過率は、90%を示した。又、この材料の屈折率
は、1.593と比較的高い値を示した。しかし、比較
例(1)の成形体の染色テスト後の可視光線透過率は、
84%を示し染色性に極めて難が有ることが認められ
た。この様に構造式(2)で示されるジメタクリルエス
テルのエチレノキシドユニットのnの数が5の材料を用
いることにより、染色性が向上することが示された。 【0019】実施例(2) 4,4’ーチオビスベンゼンチオ−ルジメタクリレ−ト 30重量部 下記化6〔構造式(4)〕で示される 2,2'- ヒ゛ス[4-(アクリロキシ・ホ゜リエトキシ )フェニル]フ゜ロハ゜ン 25重量部 【0020】 【化6】 【0021】 2,2'-ヒ゛ス [4-(メタクリロキシ・シ゛エトキシ )フェニル]フ゜ロハ゜ン 25重量部 α- メチルスチレン 10重量部 ジビニルベンゼン(56%) 10重量部 を良く混合し、これに、 更に、ラウロイルパ−オキサ
イド1.5重量部を室温で溶解させ、モノマ−溶液とし
た。これを、ガスケットで固定された硝子製モ−ルドの
間に注入し、実施例(1)と同じ条件で重合を行い、厚
み1.5mm、ジオプタ−0.25のレンズを得た。
又、この材料は、無色透明で、可視光線透過率は、90
%を示した。又、この材料の屈折率は、1.596と比
較的高い値を示した。実施例(1)に準ずる方法で行わ
れた染色テスト後の可視光線透過率は、32%を示しき
わめて染色性に富むことが確認された。 【0021】 【発明の効果】本発明の眼鏡レンズ材料樹脂組成物は、
従来の眼鏡材料と比較し、比較的屈折率が高く、又、分
散染料を分散させた温浴中で容易に染料が拡散し、比較
的高い濃度まで、染色が可能となる有用なプラスチック
製の眼鏡材料組成物を提供するものである。
樹脂組成物に関する。更に詳しく述べるなら、染色性に
富む屈折率1.58以上の眼鏡レンズに適した高屈折率
樹脂組成物に関する。 【0002】 【従来の技術】一般に眼鏡レンズとして用いられる樹脂
材料は、軽く、強度があり、染色性に富むことが求めら
れる。特に、従来のガラス製の材料では、全く得られな
い性質である染色性は眼鏡レンズとして用いられる樹脂
材料に具備すべき必須の極めて重要な特性である。特
に、可視光線波長域の透過率が20%を下回る程度まで
の染色が求められる場合も少なくない。従来、眼鏡レン
ズとして用いられる樹脂材料の内、ジエチレングリコ−
ルビスアリルカ−ボネ−トは、優れた染色性を示し、現
在最も眼鏡レンズ用樹脂として多用される材料である。
しかし、上記ジエチレングリコ−ルビスアリルカ−ボネ
−トを重合して得られる樹脂は、屈折率が低く、1.5
0であるため眼鏡レンズとした場合、特に凹レンズのこ
ばが非常に厚くなる欠点があった。この為、屈折率が高
いプラスチック製の材料が強く望まれている。しかしな
がら、屈折率が高い材料は、一般には、芳香族性が大き
く疎水性の材料となる傾向がある。一般に、レンズの染
色方法は、分散染料を水に分散させ、加温することによ
る。このため、芳香族性が大きく疎水性の屈折率が高い
材料は、一般に、染色が困難になる傾向がある。この意
味から、プラスチック製の眼鏡材料であって、屈折率が
比較的高く、高度に染色性に富む材料が強く望まれてい
る。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上の要請
に応え、プラスチック製の眼鏡材料であって、屈折率が
比較的高く、染色性に富む有用な高屈折率材料組成物を
提供することを目的とする。 【0004】 【課題を解決するための手段】本発明の樹脂組成物は、
特定の芳香族基と硫黄原子を有する下記化3〔構造式
(1)〕で示される4,4’ーチオビスベンゼンチオ−
ルジメタクリレ−ト単量体と、芳香族基とエチレンオキ
シドユニットを有する下記化4〔構造式(2)〕で示さ
れる芳香族単量体を主成分とするモノマ−混合物をラジ
カルキャスト重合成形を行うことにより得られる有用な
樹脂組成物である。 【0005】本発明の眼鏡レンズに適した樹脂組成物
は、特定のモノマ−のラジカルキャスティング重合によ
って得られる。本発明において用いられるモノマ−は、
次のような特定の単量体が用いられる。即ち、特定の芳
香族基と3個の硫黄原子を有する下記構造式(1)で示
される4,4’ーチオビスベンゼンチオ−ルジメタクリ
レ−ト、及び芳香族基とエチレンオキシドユニットを有
する構造式(2)で示される2官能単量体を主成分とす
る。 【0006】 【化3】 【0007】 【化4】 【0008】本発明に於て、構造式(1)のジメタクリ
ルエステルが芳香族基及び多数の硫黄原子を、又構造式
(2)でビスフェノ−ルA型の芳香族基を有するエステ
ルが用いられる理由は、これらを含有することによっ
て、本発明の眼鏡材料用組成物の屈折率を比較的高くす
ることが出来るためである。構造式(1)の4,4’ー
チオビスベンゼンチオ−ルジメタクリレ−ト単量体は、
上述の様に芳香族基及び多数の硫黄原子を有することか
ら極めて高い屈折率を有し、有用な材料ではあるが、こ
れだけでは有用な眼鏡レンズを作ることはできない。そ
の理由は、構造式(1)の単量体は、常温で固体であ
り、又非常に芳香族性が高く疎水性が強いため、通常構
造式(1)から作られる重合体は、染色性を有し得な
い。この為構造式(1)の共重合相手は、常温で液体で
あり且つ共重合組成物が染色性に富む材料である必要が
ある。 【0009】本発明で使用される構造式(2)の単量体
は、この様な背景から生まれた単量体である。構造式
(2)の化合物は、特に、屈折率を大きくする目的のた
めには、ビスフェノ−ルA型の芳香族基の含量を多くす
る必要があり、ポリエトキシ基は、少ない方がよい。し
かしながら、この化合物だけで得られる樹脂は、疎水性
が高く目的とする染色性に富む材料となりにくい。この
意味から、構造式(2)の化合物中のポリエトキシユニ
ットの含有量は、極めて重要である。柔なんなエチレン
オキシドユニットは、親水性に富み且つ材料組成物中を
自由に動き易く、染色性を高度に達成させる事が出来
る。即ち、ポリエトキシユニットの含有量が多くなる
と、親水性が大きくなり染色性を向上させるためには、
有利である。が、ポリエトキシユニットの含有量が多く
なればなるほど共重合体の屈折率が低下するとともに、
柔なんとなり樹脂の耐熱性が低下する傾向となる。この
ため、本発明では、構造式(2)の化合物中のポリエト
キシユニットの含有量は、限定される。本発明では、n
は、3から6の整数が用いられる。nの数が6を超える
と共重合体の屈折率が大幅に低下するとともに、柔なん
となり樹脂の耐熱性が低下する。一方nの数が3に満た
ないと、本発明の目的とする染色性に富む材料は得られ
ない。又、nの数が1から2の材料は、常温で固体また
は、粘調な液体であり、注型重合に適さない場合が多
い。この意味から本発明では、nは、3から6の整数が
好ましい範囲として用いられる。本発明の組成物は、こ
の様に、構造式(1)及び構造式(2)の単量体を必須
の成分として用いることにより、従来の眼鏡材料と比較
し、比較的屈折率が高く、又、分散染料を分散させた温
浴中で容易に染料が拡散し、比較的高い濃度まで、染色
が可能となる有用なプラスチック製の眼鏡材料とするこ
とが可能になる。 【0010】本発明のモノマ−は、これら化合物(1)
及び(2)の他にこれら化合物(1)及び(2)と共重
合可能な単量体を共重合相手として用いることが出来
る。この共重合可能な単量体が用いられる意図は、共重
合体の重合速度を調節したり、モノマ−粘度をラジカル
キャスティング重合に適した粘度に調節したり、又、成
形性を調整したり、樹脂の屈折率を調整する等、種々の
目的のために使用される。具体的なこれら第3成分とし
ての単量体の例としては、メチルメタクリレ−ト、ブチ
ルメタクリレ−ト、フェニルメタクリレ−ト、イソブチ
ルメタクリレ−ト、等の各種メタクリルエステル、スチ
レン、クロルスチレン、ブロモスチレン、αーメチルス
チレン、ジビニルベンゼン等の各種ビニル化合物等であ
る。これらは、ほんの一例であり、本発明は、これらの
みに限定されない。 【0011】次に、本発明で用いられるモノマ−成分と
しての化合物(1)及び(2)、及び第3成分の割合
は、化合物(1)10〜40重量部、化合物(2)10
〜30重量部、第3成分30〜80重量部、が適当な範
囲として用いられる。化合物(1)の単量体が10重量
部未満であると本発明の眼鏡材料組成物が充分高い屈折
率を得ることが出来ない。又、40重量部を超えると比
較的高い屈折率を得ることが出来るが、染色性に欠ける
材料となる。次に、化合物(2)の使用が10重量部未
満であると、疎水性が高く目的とする高度に染色性に富
む材料とならない。又、30重量部を超えると、染色性
は向上するが共重合体の耐熱性は低下する。この意味か
ら本発明では、化合物(2)の単量体量は、10〜30
重量部が好ましい範囲として用いられる。 【0012】又、第3成分のモノマ−は、その使用目的
によって30〜50重量部の範囲で使用することによ
り、良好な眼鏡材料組成物とすることが出来る。以上の
理由により、本発明の眼鏡材料のモノマ−原料は、化合
物(1)で示される単量体が10〜40重量部、化合物
(2)で示される単量体10〜30重量部、第3成分の
単量体30〜80重量部、が適当な組成として用いるこ
とが可能である。 【0013】次に、本発明の眼鏡材料組成物の具体的な
製造方法を述べる。前述した様に、本発明の樹脂は、ラ
ジカルキャスティング重合によって得られる。先ず、本
発明の範囲内の特定のモノマ−組成を混合し、更に、ラ
ジカル重合開始剤を添加して均一なモノマ−溶液を作製
する。このモノマ−溶液を硝子製、各種のプラスチック
製、または、金属製で出来た型(モ−ルド)の中に注入
し、室温もしくは、加温下にラジカル重合を開始させ、
目的とする形状に成形された眼鏡材料を得ることが出来
る。 【0014】ラジカル重合開始剤は、特に限定はなく通
常、ラジカル重合に用いられる開始剤を使用することが
出来る。又、重合温度は、室温から120℃程度の範囲
の温度が一般に使用される。この様にして得られた成形
物は、そのまま眼鏡レンズとして使用することもできる
が、用途によって切削、研磨などの手段を施して各種の
眼鏡材料とすることも可能である。又、染色、ハ−ドコ
−ト、反射防止コ−ト等を施すことも有力な手段であ
る。この様にして得られた本発明の樹脂組成物は、従来
の硝子製やプラスチックの眼鏡材料と比べ比較的屈折率
が高く、又、極めて染色性に優れた眼鏡材料組成物を提
供するものである。次に、実施例で更に、説明を加え
る。 【0015】 【実施例】 実施例(1) 4,4’ーチオビスベンゼンチオ−ルジメタクリレ−ト 20重量部 下記化5〔構造式(3)〕で示される 2,2'- ヒ゛ス[4-(メタクリロキシ・ホ゜リエトキシ)フェニル]フ゜ロハ゜ン 12重量部 【0016】 【化5】 【0017】 2,2'- ヒ゛ス[4-(メタクリロキシ・シ゛エトキシ )フェニル]フ゜ロハ゜ン 40重量部 αーメチルスチレン 28重量部 を良く混合し、これに、更に、ラウロイルパ−オキサイ
ド1.5重量部を室温で溶解させ、モノマ−溶液とし
た。これを、ガスケットで固定された硝子製モ−ルドの
間に注入し、次の条件で重合を行った。 50℃ 16時間 70℃ 4時間 90℃ 2時間 重合後の成形体は、厚み1.5mm、ジオプタ−0.2
5であった。又、無色透明で、可視光線透過率は、90
%を示した。(可視光線透過率の測定は、ASTM D
1003ー52の方法に準じた。)又、この材料の屈折
率は、1.592と比較的高い値を示した。次に、この
成形体の染色性をテストした。テスト方法は、0.2%
の水分散性染料ディスパ−ジョンブラウン3水溶液を9
2℃に昇温し、この水溶液中に成形体を10分間浸漬さ
せ、取り出した後良く水洗後、可視光線透過率を求める
ことにより染色性試験とした。実施例(1)の成形体の
染色テスト後の可視光線透過率は、56%を示し極めて
染色性に富むことが確認された。 【0018】比較例(1) 実施例(1)で使用した 4,4’ーチオビスベンゼンチオ−ルジメタクリレ−ト 20重量部 2,2'- ヒ゛ス[4-(メタクリロキシ・シ゛エトキシ )フェニル]フ゜ロハ゜ン 52重量部 α- メチルスチレン 28重量部 を良く混合し、実施例(1)と同じ条件で重合を行いジ
オプタ−0.25の凹レンズを得た。無色透明で、可視
光線透過率は、90%を示した。又、この材料の屈折率
は、1.593と比較的高い値を示した。しかし、比較
例(1)の成形体の染色テスト後の可視光線透過率は、
84%を示し染色性に極めて難が有ることが認められ
た。この様に構造式(2)で示されるジメタクリルエス
テルのエチレノキシドユニットのnの数が5の材料を用
いることにより、染色性が向上することが示された。 【0019】実施例(2) 4,4’ーチオビスベンゼンチオ−ルジメタクリレ−ト 30重量部 下記化6〔構造式(4)〕で示される 2,2'- ヒ゛ス[4-(アクリロキシ・ホ゜リエトキシ )フェニル]フ゜ロハ゜ン 25重量部 【0020】 【化6】 【0021】 2,2'-ヒ゛ス [4-(メタクリロキシ・シ゛エトキシ )フェニル]フ゜ロハ゜ン 25重量部 α- メチルスチレン 10重量部 ジビニルベンゼン(56%) 10重量部 を良く混合し、これに、 更に、ラウロイルパ−オキサ
イド1.5重量部を室温で溶解させ、モノマ−溶液とし
た。これを、ガスケットで固定された硝子製モ−ルドの
間に注入し、実施例(1)と同じ条件で重合を行い、厚
み1.5mm、ジオプタ−0.25のレンズを得た。
又、この材料は、無色透明で、可視光線透過率は、90
%を示した。又、この材料の屈折率は、1.596と比
較的高い値を示した。実施例(1)に準ずる方法で行わ
れた染色テスト後の可視光線透過率は、32%を示しき
わめて染色性に富むことが確認された。 【0021】 【発明の効果】本発明の眼鏡レンズ材料樹脂組成物は、
従来の眼鏡材料と比較し、比較的屈折率が高く、又、分
散染料を分散させた温浴中で容易に染料が拡散し、比較
的高い濃度まで、染色が可能となる有用なプラスチック
製の眼鏡材料組成物を提供するものである。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(56)参考文献 特開 昭58−18602(JP,A)
特開 平4−202308(JP,A)
特開 昭64−26613(JP,A)
特開 平2−247212(JP,A)
特開 平2−258819(JP,A)
特開 平3−212430(JP,A)
特開 平4−239539(JP,A)
特開 平4−321664(JP,A)
特開 平5−303003(JP,A)
特開 平5−341102(JP,A)
特開 平6−32843(JP,A)
特開 平6−16754(JP,A)
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
C08F 290/00 - 290/14
C08F 299/00 - 299/08
C08F 20/00 - 20/70
C08F 220/00 - 220/70
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 下記化1〔構造式(1)〕で示される
4,4’ーチオビスベンゼンチオ−ルジメタクリレ−ト
単量体10〜40重量部、下記化2〔構造式(2)〕で
示される2官能性単量体10〜30重量部、及びこれら
と共重合可能な単量体30〜80重量部、とをラジカル
キャスト重合成形することに依って得られる染色性に富
む屈折率1.58以上の高屈折率樹脂組成物 【化1】 【化2】
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---|---|---|---|
JP18341893A JP3418427B2 (ja) | 1993-06-30 | 1993-06-30 | 樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18341893A JP3418427B2 (ja) | 1993-06-30 | 1993-06-30 | 樹脂組成物 |
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JPH0718041A JPH0718041A (ja) | 1995-01-20 |
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Family
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JP18341893A Expired - Fee Related JP3418427B2 (ja) | 1993-06-30 | 1993-06-30 | 樹脂組成物 |
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JP (1) | JP3418427B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
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---|---|---|---|---|
AU7638996A (en) * | 1995-11-27 | 1997-06-19 | Sumitomo Seika Chemicals Co., Ltd. | Curable resin compositions |
US6541591B2 (en) | 2000-12-21 | 2003-04-01 | 3M Innovative Properties Company | High refractive index microreplication resin from naphthyloxyalkylmethacrylates or naphthyloxyacrylates polymers |
-
1993
- 1993-06-30 JP JP18341893A patent/JP3418427B2/ja not_active Expired - Fee Related
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