JP3418420B2 - アスファルト改質用熱可塑性共重合体 - Google Patents

アスファルト改質用熱可塑性共重合体

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JP3418420B2
JP3418420B2 JP03727993A JP3727993A JP3418420B2 JP 3418420 B2 JP3418420 B2 JP 3418420B2 JP 03727993 A JP03727993 A JP 03727993A JP 3727993 A JP3727993 A JP 3727993A JP 3418420 B2 JP3418420 B2 JP 3418420B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、新規なスチレン−ブタ
ジエンブロック共重合体に関するものである。 【0002】さらに詳しく述べれば、本発明は、アスフ
ァルト用改質剤として用い、その感温特性、特に低温で
の伸度とタフネス、テナシティー、針入度、軟化点等の
物性バランスを改良し、更に加工性とのバランスを向上
させる、道路舗装用、ルーフィング用、防水シート用な
どに好適な、特定の構造を有するスチレン−ブタジエン
ブロック共重合体に関するものである。 【0003】 【従来の技術】従来、アスファルト組成物は、道路舗
装、防水シート、遮音シート、ルーフィング等の用途に
広く使用されてオリ、その際、アスファルトに種々のポ
リマーを添加して、その性質を改良しようとする試みが
多くなされてきた。 【0004】その様なポリマーの具体例としては、エチ
レン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチルアクリレ
ート共重合体、ゴムラテックス、共役ジエンとビニル芳
香族炭化水素とからなるブロック共重合体等が使用され
ている。 【0005】しかしながら、エチレン−酢酸ビニル共重
合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体をアスフ
ァルトに添加したアスファルト組成物は、道路舗装の場
合に低温特性に劣り、そのために可撓性を示す充分な伸
度性能が不足する等で、冬場のひび割れが発生して好ま
しくない。 【0006】一方、ゴムラテックスも、広く改質剤とし
て使用されており、特に低温特性に優れているものの、
タフネス、テナシティーなどの機械強度の点で、必ずし
も満足ゆくものでなく、改良が要望されていた。 【0007】近年、熱可塑性のエラストマー、即ち共役
ジエンとビニル芳香族炭化水素とからなるブロック共重
合体がアスファルトの改質剤として用いられている。 【0008】例えば、特公昭47−17319号公報や
特公昭59−36949号公報などには、ブロック共重
合体を改質剤として使用しており、アスファルト配合物
の感温特性は改良されてはいるものの、タフネスやテナ
シティーといった機械強度は不充分であり、特に、低温
での伸度改良といった極めて高度な感温特性は達成され
ていない。 【0009】そのために、改質剤の配合量を増加するこ
とで改質効果を高める方法が一般にはとられるが、配合
時間が長くなり、また配合物の溶融粘度も高くなるなど
加工性が損なわれるだけでなく、経済性にも劣るなどの
不利益な問題がある。 【0010】このように、アスファルトのタフネス、テ
ナシティーなどの高い機械的強度と、特に低温で極めて
高度な伸度が発現する優れた低温特性を有し、更に優れ
た加工性を満足させうるアスファルト改質剤は、これま
で見出されていない。 【0011】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
従来の熱可塑性エラストマーが持つ低温特性を解決し、
極めて高度な低温伸度を有し、かつ高い軟化点やタフネ
ス、テナシティー等の機械強度を同時に満足させ、更
に、良好な加工性を有するアスファルト用改質剤を提供
することにある。 【0012】 【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の好ま
しい物性を発現するアスファルト改質剤を開発するため
に、鋭意検討を重ねた結果、特定の構造を有するビニル
芳香族化合物と共役ジエン化合物とのブロック共重合体
がその目的を達成することを見出し、本発明を完成する
に至った。 【0013】すなわち、本発明は、全ビニル芳香族化合
物含有量が20〜50重量%、ビニル芳香族化合物を主
体とするブロック含有量が5〜18重量%であり、前者
に対する後者の比が0.2〜0.8のビニル芳香族化合
物と共役ジエンとのブロック共重合体であって、 更
に、ビニル芳香族化合物を主体とするブロックが、少く
とも2個のブロックよりなり、各ブロックの鎖長の比が
0.9を超え1.0以下であり、かつビニル芳香族化合
物を主体とするブロックの分子量が0.1〜1.0万で
ある、低温伸度に優れたアスファルト改質用熱可塑性エ
ラストマーに関する。 【0014】以下、本発明を詳細に述べる。 【0015】本発明のビニル芳香族化合物と共役ジエン
とのブロック共重合体は、(a)全ビニル芳香族化合物
含有量が20〜50重量%、(b)ビニル芳香族化合物
を主体とするブロック含有量が5〜18重量%であり、
(c)前者に対する後者の比が0.2〜0.8である。 【0016】ここで、ビニル芳香族化合物を主体とする
ブロックとは、ビニル芳香族化合物を70重量%以上、
好ましくは85重量%以上含有するビニル芳香族化合物
の単独重合体ブロック又は共役ジエンとの共重合体ブロ
ックである。 【0017】該ビニル芳香族化合物を主体とするブロッ
ク重合体の形成に関与しない残余のビニル芳香族化合物
は、共役ジエンとの所謂、ランダム共重合体を形成する
が、その結合様式は均一であってもよいし、テーパー形
状の様な不均一であってもよい。 【0018】本発明のブロック共重合体中の全ビニル芳
香族化合物含有量(a)は20〜50重量%であり、
(a)が20重量%未満では、アスファルト改質剤とし
て用いてもタフネス、テナシティー等の機械強度や軟化
点、更に、充分な伸度を発現させることができなず、ま
た、50重量%を越えると、フラース脆化点や、低温伸
度などの低温可撓性性が著しく低下する。より好ましく
は、全ビニル芳香族化合物含有量が30〜40重量%の
範囲にある場合である。 【0019】また、本発明のビニル芳香族化合物−共役
ジエンブロック共重合体のビニル芳香族化合物を主体と
するブロック含有量(b)は5〜18重量%であること
が必要である。 【0020】ビニル芳香族化合物を主体とするブロック
含有量(b)が5重量%未満では、充分な凝集力が得ら
れず、従って、アスファルト配合物の軟化点、タフネス
・テナシティーなどの機械強度に乏しく、一方、18
量%を越える場合は伸度改良効果に乏しい。 【0021】本発明のブロック共重合体は、前述したよ
うに、ビニル芳香族化合物と共役ジエンとのランダム共
重合体より成るエラストマー部分を含有する。 【0022】本発明の目的とする低温伸度に優れ、か
つ、高い軟化点とタフネス・テナシティーなどの高度な
バランスを有するアスファルト改質効果を達成するに
は、ビニル芳香族化合物を主体とするブロックとランダ
ム共重合体との極めて限定された範囲でのバランスが必
要である。 【0023】即ち、本発明のブロック共重合体は、全ビ
ニル芳香族化合物に対するビニル芳香族化合物を主体と
するブロックの比(c)が0.2〜0.8である。 【0024】全ビニル芳香族化合物に対するビニル芳香
族化合物を主体とするブロックの比が0.2未満である
と、アスファルト配合物とした場合、タフネス、テナシ
ティーなどの充分な機械強度が得られず、また0.8を
越えると伸度が不足し、より好ましくは、0.3〜0.
7の範囲である。 【0025】本発明者らは、ビニル芳香族化合物−共役
ジエンブロック共重合体を改質剤としたアスファルト配
合物の他の配合物物性を高度に維持しつつ、特に優れた
伸度特性を発現させるべく、該ブロック共重合体中のビ
ニル芳香族化合物を主体とするブロックの大きさに注目
して鋭意検討した結果、以下の更に特定された構造が著
しい伸度改良効果を有することを見出した。 【0026】即ち、 本発明のビニル芳香族化合物と共
役ジエンとのブロック共重合体は、少くとも2個のビニ
ル芳香族化合物を主体とするブロックよりなり、各ブロ
ックの鎖長の比が0.9を超え1.0以下であり、かつ
ビニル芳香族化合物を主体とするブロックの分子量が
0.1〜1.0万である。 【0027】ここで、分子量は重量平均分子量を言い、
例えばゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)
等により測定される。 【0028】該ブロック鎖長が0.1万未満では、凝集
力が不足して満足ゆくアスファルト物性が発現せず、ま
た、1.0万を越えると、逆に凝集力が強過ぎて、優れ
た伸度改良効果が発現せず、好ましくは、0.2〜0.
6万である。 【0029】本発明のビニル芳香族化合物ー共役ジエン
ブロック共重合体の構造は、直鎖状であってもよく、少
なくとも2個のビニル芳香族化合物を主体とするブロッ
クは、各々、同一であっても、異なってもよく、そのよ
うな、ビニル芳香族化合物ー共役ジエンブロック共重合
体の構造としては、例えば、 【0030】 【化1】 (ここで、AおよびA’はビニル芳香族化合物を主体と
するブロック、Bは共役ジエンとビニル芳香族化合物と
のランダム共重合体ブロック、Xはカップリング剤残
基、nは2〜6の整数を表わす。)などが好ましいもの
として挙げられるが、必ずしもこれらに限定されるもの
ではなく、更に、該ブロック共重合体にA−B,又は
A’−B(ここで、AおよびA’はビニル芳香族化合物
を主体とするブロック、Bは共役ジエンとビニル芳香族
化合物とのランダム共重合体ブロックを表わす。)の構
造を有する成分が、70重量%以下の範囲で包含された
いてもよい。 【0031】本発明のブロック共重合体を形成するビニ
ル化合物としては、例えば、スチレン、P−メチルスチ
レン、第三級ブチルスチレン、α−メチルスチレン、
1,1−ジフェニルエチレンなどの単量体が挙げられ、
中でもスチレンが好ましく、これらの単量体は、単独で
も2種以上の併用でもよい。 【0032】一方、共役ジエンとしては、例えば1,3
−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3
−ブタジエン、ピペリレン、3−ブチル−1,3−オク
タジエン、フェニル−1,3−ブタジエンなどの単量体
が挙げられ、中でも1,3−ブタジエン及びイソプレン
が好ましく、これらの単量体は、単独でも2種以上の併
用でもよい。 【0033】また、本発明の共役ジエン化合物重合体中
のビニル結合含率は50重量%以下であり、ビニル結合
含率が50重量%を越えると、アスファルト配合物の低
温特性が著しく劣ったものになり、本発明の目的が達成
されず、また、ブロック共重合体の溶融温度が高くな
り、アスファルトを配合する際の溶解性等、加工性が困
難となって好ましくない。 【0034】より好ましくは、ビニル結合含率が10〜
40重量%の範囲にある場合である。 【0035】本発明の熱可塑性エラストマーは、例えば
不活性炭化水素溶媒中において、有機リチウム化合物な
どを重合開始剤としてまずビニル芳香族化合物を重合さ
せ、次いで共役ジエンとビニル芳香族化合物とを共重合
させ、再度ビニル芳香族化合物を重合させる操作を繰返
し行なう方法、あるいは、まずビニル芳香族化合物を重
合させ、次いで共役ジエンとビニル芳香族化合物とを共
重合させて成るジブロック共重合体に、カップリング剤
を反応させる方法などによって製造することができる。 【0036】これらの反応における重合温度については
特に制限はないが、生産性を考慮して通常20〜130
℃の範囲で選ばれるが、好ましくは重合開始温度が30
〜90℃の範囲であり、かつ最高到達温度が80〜12
0℃の範囲にあることが望ましい。 【0037】前記不活性炭化水素溶媒としては、例えば
シクロヘキサン、n−ヘキサン、ベンゼン、トルエン、
オクタンなどやこれらの混合物が使用されるが、これら
の中でシクロヘキサンが好まし区、また、該有機リチウ
ム化合物としては、例えばn−ブチルリチウム、sec −
ブチルリチウム、tert−ブチルリチウムなどが挙げられ
るが、これらの中でn−ブチルリチウム及びsec −ブチ
ルリチウムが好適である。 【0038】本発明の共役ジエン重合体は、実質的に、
ビニル芳香族化合物とのランダム共重合体を含有してい
るが、そのようなランダム共重合体を得る際、意図的
に、いわゆるランダム化剤を使用することも可能であ
り、そのようなランダム化剤として、少量のアルカリ金
属第三級アルコシキドを不活性炭化水素溶媒中に共存さ
せてもよい。 【0039】このアルカリ金属第三級アルコシキドとし
ては、例えばカリウム−tert−ブトキシド、ナトリウム
−tert−ブトキシド、セシウム−tert−ブトキシド、カ
リウムイソペンチルオキシドなどが挙げられるが、これ
らの中でカリウム−tert−ブトキシドが好ましい。 【0040】また、共役ジエン重合体のミクロ構造を調
整するため、いわゆるビニル化剤を不活性炭化水素溶媒
中に添加することもでき、そのような例として、エーテ
ル類や第三級アミン類などの極性化合物、例えばエチレ
ングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、
α−メトキシテトラヒドロフラン、N,N,N′,N′
−テトラメチルエチレンジアミンなど、好ましくはテト
ラヒドロフランやN,N,N′,N′−テトラメチルエ
チレンジアミンを所定量共存させることができ、これら
ビニル化剤は、ミクロ構造調整剤としてだけでなく、ラ
ンダム化剤としての効果も持つために、好適に使用され
る。 【0041】さらに、該カップリング剤としては、例え
ば、ジクロルジメチルシラン、四塩化ケイ素、テトラエ
トキシシラン、テトラメトキシシランなどのケイ素化合
、エポキシ大豆油、エポキシ亜麻仁油、その他のエポ
キシ化合物、ジブロモエタン、ジクロルエタン等のハロ
ゲン化アルキル化合物、酢酸エチル、アジピン酸ジエチ
ルなどのエステル類、プロピオン酸クロリド、アジピン
酸ジクロリド等の酸クロリド、等が挙げられるが、得ら
れるブロック共重合体の熱安定性や副生物の点から、ケ
イ素化合物、エポキシ化合物が好適に用いられる。この
ようにして得られた熱可塑性エラストマーには、必要に
応じ、軟化剤、酸化防止剤、光安定剤、ブロッキング防
止剤などを添加することができ、該軟化剤としては、例
えばナフテン系、パラフィン系、アロマ系のプロセスオ
イル及びこれらの混合系オイルなどが挙げられるが、こ
れらの中でナフテン系、パラフィン系及びこれらの混合
系オイルが好ましい。 【0042】該酸化防止剤としては、例えば2,6−ジ
ーt−ブチル−4−メチルフェノール、n−オクタデシ
ル−3−(4′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−t−ブ
チルフェニル)プロピオネート、2,2′−メチレンビ
ス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,
2′−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェ
ノール)、2,4−ビス〔(オクチルチオ)メチル〕−
o−クレゾール、2−t−ブチル−6−(3−t−ブチ
ル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチ
ルフェニルアクリレート、2,4−ジ−t−アミル−6
−〔1−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフ
ェニル)エチル〕フェニルアクリレートなどのヒンダー
ドフェノール系酸化防止剤; ジラウリルチオプロピオ
ネート、ラウリルステアリルチオジプロピオネート、ペ
ンタエリスリトール−テトラキス(β−ラウリルチオプ
ロピオネート)などのイオウ系酸化防止剤; トリス
(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ
−t−ブチルフェニル)ホスファイトなどのリン系酸化
防止剤などを挙げることができる。 【0043】また、光安定剤としては、例えば2−
(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾト
リアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−t
−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−
ヒドロキシ−3′,5′−ジ−t−ブチルフェニル)−
5−クロロベンゾトリアゾールなどのベンゾトリアゾー
ル系紫外線吸収剤や2−ヒドロキシ−4−メトキシベン
ゾフェノンなどのベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ある
いはヒンダードアミン系光安定剤などを挙げることがで
きる。 【0044】さらに、ブロッキング防止剤としては、例
えば高級脂肪酸、高級脂肪酸の金属塩、ワックス類、脂
肪酸アミド、脂肪酸エステル、無機の金属塩類や水酸化
物などが挙げられる。 【0045】本発明の熱可塑性エラストマーは、アスフ
ァルト100重量部に対して通常1〜25重量部、好ま
しくは2〜15重量部、より好ましくは2.5〜8重量
部の割合で用いられ、この配合量が1重量部未満では該
アスファルトの改質効果が発現されず、25重量%を越
えて配合してもそれ以上の改質効果は得られないばかり
か、アスファルトの溶融粘度が著しく増大して、加工性
が損なわれるなど、経済的にも性能的にも不利である。 【0046】本発明で使用されるアスファルトは、特に
制限されるものでなく、慣用されているアスファルト、
例えば、ストレートアスファルト、(セミ)ブローンア
スファルト、及びこれらの混合物などが挙げられ、好適
には、針入度40〜120のストレートアスファルト、
針入度10〜30のブローンアスファルト及びこれらの
混合物が挙げられる。 【0047】このようにして調製されたアスファルト組
成物には、必要に応じ、従来アスファルト組成物に慣用
されている各種添加剤、例えばシリカ、タルク、炭酸カ
ルシウム、鉱物質粉末、ガラス繊維などの充てん剤や補
強剤、鉱物質の骨材、顔料あるいはプロセスオイルなど
の軟化剤、アゾジカルボンアミドなどの発泡剤、ポリエ
チレンやエチレン−アクリル酸エチル共重合体などの熱
可塑性樹脂などを添加することができる。 【0048】また、道路舗装用として用いられる場合に
は、通常該アスファルト組成物は、鉱物質の石、砂、ス
ラグなどの骨材と混合して使用される。 【0049】本発明の熱可塑性エラストマーとアスファ
ルトを混合する方法は特に限定されるものでなく、所望
により前記の各種添加剤を、例えば熱溶融釜、ロール、
ニーダー、バンバリーミキサー、押出機などにより加熱
溶融混練することにより調製することができる。 【0050】 【実施例】以下、実施例によって本発明を説明するが、
これらの実施例は本発明を限定するものでなく、また、
各種測定は下記の方法に従った。 【0051】ブロック共重合体の物性測定; 1)全スチレン含量:紫外線分光光度計(日立UV 2
00)を用いて262nmの吸収強度より算出した。 【0052】2)ブロックスチレン含量:四酸化オスミ
ウムとt−ブチルハイドロパーオキシドによる酸化分解
法〔「ジャーナル・オブ・ポリマー・サイエンス」第1
巻、第429頁(1946年)に記載〕に従って求め
た。 【0053】なお、スチレン重合体ブロックの重量測定
は、紫外線分光光度計(日立UV200)を用いて、2
62nmの吸収強度より算出した。 【0054】3)ブロックスチレン分子量:上記の2)
の方法に従って調製したブロックスチレンは、GPC
〔装置は、ウオーターズ製であり、カラムはショウデッ
クス製のK−801、802、803の計3本の組合せ
であり、溶媒にはクロロホルムを用い、測定条件は温度
35℃、流速1.0ml/分、試料濃度0.1重量%、
注入量50μlである〕のクロマトグラフより、重量平
均分子量を求めた。 【0055】なお、分子量は以下の標準ポリスチレン
(ウオーターズ製)検量線からの換算値である。 【0056】35,000、8,500、1,800、
790、680 4)ブタジエンブロック部のミクロ構造:紫外線分光光
度計(パーキンエルマー製モデル1710)を用いて測
定し、ハンプトン法により測定した。 【0057】アスファルト組成物の物性測定; 1)溶融粘度:180℃でブルックフィールド型粘度計
により測定した。 【0058】2)タフネス、テナシティ:舗装工事に関
する試験方法(日本道路建設業協会編)に準じて測定し
た。 【0059】3)伸度、針入度、軟化点:JIS−K
2207に準拠して測定した。 【0060】(参考例)参考例では、市販のスチレン−
ブタジエン系ラテックス(全スチレン含量25重量%、
ブロックスチレン含量0重量%、ビニル含量15%、重
量平均分子量28万)の水分を加熱除去した後、得られ
たポリマー成分4gと、ストレートアスファルト(60
/80)96gとを、180℃、90分間溶融混練しア
スファルト混合物を調製し、その特性値を表1に示し
た。 【0061】(実施例1)ジャケットと攪拌機の付いた
40Lのステンレス製反応器を充分窒素置換した後、シ
クロヘキサン17,120g、テトラヒドロフラン43
g、スチレン135gを仕込み、ジャケットに温水を通
水して内容物を約65℃に設定した。 【0062】この後、n−ブチルリチウムシクロヘキサ
ン溶液(純分で2.20g)を添加し、スチレンの重合
を開始した。スチレンがほぼ完全に重合してから3分後
に、ブタジエン(1,3−ブタジエン)2040gとス
チレン690gとの混合物を添加し、重合を継続した。
内容物が完全に重合して最高温度90℃に達した後、4
分後に更にスチレン135gを添加して重合を行った。
重合が完結した後、水6.4gを加えて攪拌機によって
系内を連続的に攪拌した。 【0063】この後、ブロック共重合体溶液を抜き出
し、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール
6.4g、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト4g
を添加し、得られた該溶液をスチームストリッピングす
ることにより溶媒を除去し、引き続き、熱ロール(12
0℃)により脱水乾燥して、ブロック共重合体を得た。 【0064】このようにして得られたブロック共重合体
の全スチレン含量〔A〕と、ブロックスチレン含量
〔B〕を測定した。 【0065】更に、ブロックスチレン〔B〕をGPCで
測定し、その最小ブロックスチレン分子量を〔C〕、最
大ブロックスチレン分子量を〔D〕とし、その物性値を
表1に示した。 【0066】得られたブロック共重合体4gと参考例で
使用したストレートアスファルト96gを、180℃で
90分間溶融混練し、アスファルト組成物を調製した。 【0067】その特性値を表1に示した。 【0068】(実施例2〜5、比較例1〜4、6) 実施例2〜5、及び比較例1〜4、6では、全スチレン
含量、ブロックスチレン含量、更にブロックスチレン分
子量をも変量として、実施例1と同様な操作を行ないブ
ロック共重合体を得た。 【0069】アスファルトは実施例1と同じものを用
い、アスファルト配合、組成も実施例1と同等の量、方
法で行ない、これらの物性値を表1及び表2に示した。 【0070】(比較例5)比較例5ではジャケットと攪
拌機の付いた40Lステンレス製反応器を十分に窒素置
換した後、所定量のシクロヘキサン、テトラヒドロフラ
ン、スチレン(第1スチレンと称する)を仕込み、ジャ
ケットに温水を通水し、内容物を約70℃に設定した。 【0071】この後、n−ブチルリチウムシクロヘキサ
ン溶液を所定量添加し、第1スチレンの重合を開始し、
第1スチレンがほぼ完全に重合してから10分後に、ブ
タジエン(1,3−ブタジエン)を所定量添加して重合
を継続し、ブタジエンがほぼ完全に重合して最高温度に
達してから15分後に、再度、スチレン(第2スチレン
と称する)を第1スチレンと等量添加して重合を続け、
第2スチレンがほぼ完全に重合して後、更に15分間保
持して重合を完結させた後、水を加えて活性種を完全に
失活させた。 【0072】この後、2,6−ジ−t−ブチル−メチル
フェノールとトリス(ノニルフェノール)ホスファイト
(シクロヘキサン溶液)を添加し、実施例1と同様な方
法で処理を行ってブロック共重合体を得た。 【0073】得られたブロック共重合体は、実施例1と
同様のアスファルトを用い、同等の配合量を配合しアス
ファルト組成物とした。 【0074】このようにして得たブロック共重合体は、
実施例1と同様のアスファルトを用い、同等量の配合物
とした。この物性値を表2に示した。 【0075】(実施例6)ジャケットと攪拌機の付いた
40Lのステンレス製反応器を充分窒素置換した後、シ
クロヘキサン17,120g、テトラヒドロフラン43
g、スチレン240gを仕込み、ジャケットに温水を通
水して内容物を約65℃に設定した。 【0076】この後、n−ブチルリチウムシクロヘキサ
ン溶液(純分で3.4g)を添加し、スチレンの重合を
開始した。スチレンがほぼ完全に重合してから3分後
に、ブタジエン(1,3−ブタジエン)2160gとス
チレン600gとの混合物を添加し、重合を継続し、内
容物が完全に重合して最高温度90℃に達してから4分
後に重合ポリマーを少量サンプリングし(ポリマー
I),その後更に反応器内へ、カップリング剤として下
記の構造式(イ)と(ロ)とを1:1に混合したものを
nーブチルリチウムに対し0.25モル当量添加し、カ
ップリングさせた。 【0077】 【化2】 (ただし、N=0の場合の構造体を98重量%以上含有
する。) カップリング剤添加より10分後に、水1.6gを加
え、系内を攪拌し、その後、実施例1と同様な処理を施
してブロック共重合体(ポリマーII)を得た。ポリマ
ーIと、ポリマーIIをGPCで分析した結果、ポリマ
ーIIは、ポリマーI及びポリマーIの2倍の分子量を
有するポリマーとの1:1の混合物であった。ポリマー
IIの物性値。及び実施例1と同様な処方によるアスフ
ァルト物性を表2に示す。 (実施例7)ジャケットと攪拌機の付いた40Lのステ
ンレス製反応器を充分窒素置換した後、シクロヘキサン
17,120g、テトラヒドロフラン43g、スチレン
360gを仕込み、ジャケットに温水を通水して内容物
を約65℃に設定した。 【0078】この後、n−ブチルリチウムシクロヘキサ
ン溶液(純分で6.1g)を添加し、スチレンの重合を
開始した。スチレンがほぼ完全に重合してから3分後
に、ブタジエン(1,3−ブタジエン)1800gとス
チレン840gとの混合物を添加し、重合を継続し、内
容物が完全に重合して最高温度90℃に達してから4分
後に、カップリング剤として四塩化ケイ素をnーブチル
リチウムに対し0.25モル当量添加し、カップリング
させた。 【0079】カップリング剤添加より10分後に、水
1.6gを加え、系内を攪拌し、その後、実施例1と同
様な処理を施しポリマーを得た。得られたポリマーは、
実施例1と同様な配合を行い、その物性値を表2に示
す。 (実施例8)ジャケットと攪拌器の付いた40lステン
レス製反応器を十分窒素置換したのち、所定量のシクロ
ヘキサンとスチレンを仕込み、ジャケットに温水を通し
て内容物を所定の温度に設定した。次いでn−ブチルリ
チウムのシクロヘキサン溶液所定量を添加して、スチレ
ン(第1スチレンという。)の重合を開始した。 【0080】スチレンがほぼ完全に重合してから、10
分後に更にスチレンとブタジエンを同等に所定量添加し
て、重合を継続させ、2分経過後に定量ポンプにより1
0〜60分間を要して再度所定量のブタジエンを連続的
に重合系内に供給し、重合を継続させた。これらがほぼ
完全に重合し、最高温度に到達してから15分後、再度
スチレンを第1スチレンと同量添加して、重合を続け
た。その後、15分間同温度に保持して重合を完結させ
たのち、水を添加して重合を停止させ、実施例1と同様
な処理を行い共重合体を得た。 【0081】得られた共重合体の物性は、表2に示すよ
うにビニル含量が12%のものであった。実施例1と同
等のアスファルト、及び配合量で得たものの物性値を表
2に示す。 (実施例9)実施例9では、実施例1で得られたブロッ
ク共重合体2.5gと実施例1で用いたアスファルト9
7.5gとを同様な処方で溶融混練し、アスファルト組
成物を調製した。その物性値を表2に示す。 (実施例10)実施例10では、アスファルト配合量
を、ブロック共重合体6g、アスファルト94gに変量
した以外は実施例9と同様な配合処方を行い、得られた
配合物の物性値を表2に示す。表1及び表2から、ブロ
ック共重合体の全スチレン含量と、ブロックスチレン含
量が、限定された範囲にあり、かつ、ブロックスチレン
の分子量が限定された場合、低温伸度が極めて優れ、そ
の他の物性とのバランスにも優れたアスファルト性能が
発現することが判る。 【0082】 【表1】【0083】 【表2】【0084】 【発明の効果】本発明のアスファルト改質用熱可塑性エ
ラストマーは特定の構造を有するブロック共重合体から
成るものであって、アスファルトに配合することによ
り、感温特性、特に低温での伸度に優れ、更にタフネ
ス、テナシティー、軟化点、針入度などのその他の物性
と加工性のバランスに優れた改質アスファルトを与える
ことができる。 【0085】本発明の熱可塑性エラストマーを配合した
改質アスファルトは、前記のような特性を有しているの
で、例えば防水シート用、止水材用、サイレンサーシー
ト用、鋼管コーティング用として用いられ、特に道路舗
装用に好適である。

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 (a)全ビニル芳香族化合物含有量が2
    0〜50重量%、 (b)ビニル芳香族化合物を主体とするブロック含有量
    が5〜18重量%であり、 (c)前者に対する後者の比が0.2〜0.8のビニル
    芳香族化合物と共役ジエンとのブロック共重合体であっ
    て、 更に(d)ビニル芳香族化合物を主体とするブロックが
    少くとも2個のブロックよりなり、 (e)各ブロックの鎖長の比が0.9を超え1.0以下
    であり、かつ (f)ビニル芳香族化合物を主体とするブロックの分子
    量が0.1〜1.0万であることを特徴とする、低温伸
    度に優れたアスファルト改質用熱可塑性共重合体(ただ
    し、スズ系化合物でカップリングされた共重合体を除
    く)
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