JP2002030126A - アスファルト改質用ブロック共重合体、及びアスファルト組成物 - Google Patents

アスファルト改質用ブロック共重合体、及びアスファルト組成物

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JP2002030126A
JP2002030126A JP2000214349A JP2000214349A JP2002030126A JP 2002030126 A JP2002030126 A JP 2002030126A JP 2000214349 A JP2000214349 A JP 2000214349A JP 2000214349 A JP2000214349 A JP 2000214349A JP 2002030126 A JP2002030126 A JP 2002030126A
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weight
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asphalt
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Keiichi Toda
圭一 戸田
Yukinori Nakamichi
幸則 仲道
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Japan Elastomer Co Ltd
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Japan Elastomer Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い軟化点、優れた伸度を有し、機械的強度
等の物性と加工性とのバランスに優れ、貯蔵安定性に優
れたアスファルト組成物の提供。 【解決手段】 少なくとも2個のモノアルケニル芳香族
化合物を主体とする重合体ブロックと、少なくとも1個
の共役ジエンを主体とする重合体ブロックよりなるブロ
ック共量合体(A)が100〜20重量%と、1個のモ
ノアルケニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロック
と、1個の共役ジエンを主体とする重合体ブロックより
なり、その分子量がブロック共重合体(A)の1/3〜
2/3に相当するブロック共重合体(B)が0〜80重
量%よりなるブロック共重合体組成物(C)において、
モノアルケニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロ
ックの分子量分布が、GPCで得られたクロマトグラム
のピークの高さ(H)と半値幅(W)の比(H/W)で
5〜20であり、モノアルケニル芳香族化合物を主体
とする重合体ブロックの含有量(BS)が10重量%以
上、48重量%未満であり、重量平均分子量(Mw)
が10万から50万であるブロック共重合体組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、モノアルケニル芳香族
化合物−共役ジエン−ブロック共重合体組成物に関する
ものである。特に、本発明は、特定の構造を有するアス
ファルト改質用のブロック共重合体組成物、及びこのブ
ロック共重合体組成物を改質剤とする、高い軟化点、優
れた伸度を有し、さらに機械的強度などの物性と加工性
とのバランスに優れ、さらには貯蔵安定性に優れたアス
ファルト組成物、例えば排水舗装用に適したアスファル
ト組成物を提供する。
【0002】
【従来の技術】従来、アスファルト組成物は、道路舗
装、防水シート、遮音シート、ルーフイング等の用途に
広く使用されている。その際、アスファルトに種々のポ
リマーを添加して、その性質を改良しようとする試みが
多くなされている。そのポリマーの具体例としては、エ
チレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチルアクリ
レート共重合体、ゴムラテックス、ブタジエンとビニル
芳香族炭化水素とからなるブロック共重合体等が使用さ
れている。しかしながら、エチレン−酢酸ビニル共重合
体、エチレン−エチルアクリレート共重合体の場合は、
アスフアルト組成物の低温特性が劣り、冬場のひび割れ
等が発生して好ましくない。また、伸度特性も劣り、そ
のために粘結力(テナシティー)も劣ることから、特に
道路舗装の場合には骨材の把握特性に劣る。また、ゴム
ラテックスの場合は、ラテックス中の水を蒸発させるた
めに、余分な加熱が必要であるなどの経済的或いはプロ
セス上の問題がある。
【0003】また近年、道路通行車両の増大、或いは高
速化といった事情に伴って、重交通路や高速路のために
より優れた強度、耐磨耗性の保持という要求があり、さ
らには排水性改良や騒音低減化を目的として、空隙率の
高い舗装道路を施工するために高性能のアスファルト組
成物(排水舗装用アスファルトバインダー)の要求も高
まり、より高い軟化点やタフネス、テナシティーなどの
機械的強度が必要とされている。さらには、石油精製に
おける精製度向上に伴うストレートアスファルトの品質
低下によるアスファルト組成物の性能低下、さらにはア
スファルト組成物の長期保存による貯蔵時の安定性など
いくつかの新らたな問題が出てきた。貯蔵時の安定性と
は、その性能、例えば軟化点が全体に低下したり、また
上層と下層でその性能に差が出る相分離等の現象が見ら
れるということである。このような現象は、これまで解
決されておらず、大きな問題になっている。
【0004】これらの問題を解決するために、例えば上
記ブロック共重合体の分子量を上げることにより改良す
ることが試みられた。しかし、単純に分子量を上げるだ
けでは、機械強度は改良されるものの、溶融粘度が高く
なり、道路舗装等の加工性が著しく犠牲になる等の問題
があった。また貯蔵安定性については分子量を上げると
大幅に安定性が低下し、まったく改善の効果は見られな
い。より高い軟化点を持ったより高性能のアスファルト
組成物として、或る特定の分子構造を持つブロック共重
合体を添加したアスファルト組成物が提案されている
(特開平6−041439号公報)。
【0005】この組成物は、高い軟化点と針入度、伸
度、優れた耐寒性能、加工性を合わせ持つ組成物であっ
たが、やはり貯蔵安定性については改善されず、貯蔵安
定性が必要となる用途には使用できない。このように、
従来の各ポリマーを添加したアスファルト組成物は、そ
の特性として必要な高い軟化点、針入度、伸度や、加工
性との高度なバランスを同時に満足し、さらに優れた貯
蔵安定性を持ったものは存在せず、このようなアスファ
ルト組成物の強い要求がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
従来のアスファルト組成物が有する課題を解決し、高い
軟化点と伸度、機械的強度等の物性と、加工性との高度
なバランスに優れ、なおかつ、優れた貯蔵安定性を持っ
たアスファルト組成物、及びこのアスファルト組成物を
提供するためのアスファルト改質剤としてのブロック共
重合体を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の性
能を有するアスファルト組成物を開発するために、鋭意
検討を重ねた結果、或る非常に限定された特定の範囲の
構造を有するアルケニル芳香族化合物と共役ジエンとの
ブロック共重合体が、特定された範囲で含有されてなる
アスファルト組成物により非常に優れた性能を示し、本
目的が達成されることを見出し、本発明を完成させるに
至った。即ち、本発明は; 少なくとも2個のモノアルケニル芳香族化合物を主
体とする重合体ブロックと少なくとも1個の共役ジエン
を主体とする重合体ブロックよりなるブロック共量合体
(A)が100〜20重量%と、1個のモノアルケニル
芳香族化合物を主体とする重合体ブロックと1個の共役
ジエンを主体とする重合体ブロックよりなり、その分子
量がブロック共重合体(A)の1/3〜2/3に相当す
るブロック共重合体(B)が0〜80重量%よりなるブ
ロック共重合体組成物(C)において、(I) モノアル
ケニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックの分子
量分布が、GPCで得られたクロマトグラムのピークの
高さ(H)と半値幅(W)の比(H/W)で5〜20で
あり、(2) モノアルケニル芳香族化合物を主体とする
重合体ブロックの含有量(BS)が10重量%以上48
重量%未満であり、且つ(3) 重量平均分子量(Mw)
が10万〜50万である、ブロック共重合体組成物を提
供する。また、 (I) 全結合アルケニル芳香族化合物の含有量(T
S)からモノアルケニル芳香族化合物を主体とする重合
体ブロックの含有量(BS)を差し引いたアルケニル芳
香族化合物の含有量(TS−BS)が2〜30重量%で
ある点にも特徴を有する。また、
【0008】 少なくとも2個のモノアルケニル芳香
族化合物を主体とする重合体ブロックと、少なくとも1
個の共役ジエンを主体とする重合体ブロックよりなるブ
ロック共量合体(A)が98〜20重量%と、1個のモ
ノアルケニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロック
と、1個の共役ジエンを主体とする重合体ブロックより
なり、その分子量がブロック共重合体(A)の1/3〜
2/3に相当するブロック共重合体(B)が2〜80重
量%よりなるブロック共重合体組成物(C)において、
(I) モノアルケニル芳香族化合物を主体とする重合体
ブロックの分子量分布が、GPCで得られたクロマトグ
ラムのピークの高さ(H)と半値幅(W)の比(H/
W)で5〜20であり、(2) モノアルケニル芳香族化
合物を主体とする重合体ブロックの含有量(BS)が1
0重量%以上48重量%未満であり、且つ(3) 重量平
均分子量(Mw)が10万〜50万である、ブロック共
重合体組成物を提供する。また、 (I) 全結合アルケニル芳香族化合物の含有量(T
S)が10〜50重量%、(2) ブロックスチレンのピ
ーク分子量が5000〜50、000、(3) ビニル含
量が8%〜70%、(4) 静的熱機械分析(TMA)で
測定したブロック共重合体の軟化温度が、80℃〜13
0℃である、〜のいずれかに記載のブロック共重合
体組成物を提供する。また、 〜のいずれかに記載のブロック共量合体が2〜
30重量部とアスファルトが70〜98重量部とからな
る、アスファルト組成物を提供する。
【0009】以下に、本発明を詳細に説明する。本発明
を構成する(A)成分は、少なくとも2個のモノアルケ
ニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックと少なく
とも1個の共役ジエンを主体とする重合体ブロックとか
らなるブロック共重合体である。モノアルケニル芳香族
化合物を主体とする重合体ブロックとは、モノアルケニ
ル芳香族化合物を50重量%以上含有する、実質的にモ
ノアルケニル芳香族化合物を主成分とする重合体ブロッ
クである。また、共役ジエンを主体とする重合体ブロッ
クとは、共役ジエンを50重量%以上含有する、実質的
に共役ジエンを主成分とする重合体ブロックである。本
発明を横成するブロック共重合体組成物中のモノアルケ
ニル芳香族化合物としては、例えばスチレン、P−メチ
ルスチレン、第三級ブチルスチレン、α−メチルスチレ
ン、1,1−ジフェニルエチレンなどの単量体が挙げら
れ、中でもスチレンが好ましい。これらの単量体は、単
独でも2種以上の併用でもよい。一方、共役ジエンとし
ては、例えば1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3
−ジメチルー1,3−ブタジエン、ピペリレン、3−ブ
チルー1,3−オクタジエン、フェニルー1,3−ブタ
ジエンなどの単量体が挙げられ、中でも1,3−ブタジ
エン及びイソプレンが好ましい。これらの単量体は、単
独でも2種以上の併用でもよい。
【0010】また、本発明を構成する(B)成分は、1
個のモノアルケニル芳香族化合物を主体とする重合体ブ
ロックと、1個の共役ジエンを主体とする共重合体ブロ
ックとからなるブロック共重合体である。モノアルケニ
ル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックとは、モノ
アルケニル芳香族化合物を50重量%以上含有する、実
質的にモノアルケニル芳香族化合物を主成分とする重合
体ブロックである。また、共役ジエンを主体とする重合
体ブロックとは、共役ジエンを50重量%以上含有す
る、実質的に共役ジエンを主成分とする重合体ブロック
である。モノアルケニル芳香族化合物としては、例えば
スチレン、P−メチルスチレン、第三級ブチルスチレ
ン、α−メチルスチレン、1,1−ジフェニルエチレン
などの単量体が挙げられ、中でもスチレンが好ましい。
これらの単量体は、単独でも2種以上の併用でもよい。
一方、共役ジエンとしては、例えば1,3−ブタジエ
ン、イソプレン、2,3−ジメチルー1,3−ブタジエ
ン、ピペリレン、3−ブチルー1,3−オクタジエン、
フェニルー1,3−ブタジエンなどの単量体が挙げら
れ、中でも1,3−ブタジエン及びイソプレンが好まし
い。これらの単量体は、単独でも2種以上の併用でもよ
い。
【0011】(B)成分のゲルパーミェーシヨンクロマ
トグラフィー(GPC)で測定されるピ−ク分子量は、
(A)成分と同様にして測定されるピーク分子量の1/
3〜2/3の範囲である。この範囲外、即ち1/3未満
の場合には、溶融粘度が低くなり加工性は優れるもの
の、凝集力や軟化点の点で劣り、また伸度も劣ったもの
となる。また、2/3を越える場合、軟化点は高くなる
ものの、アスファルト組成物の溶融粘度が高くなって加
工性の点で好ましくない。本発明の(B)成分は実質的
に、モノアルケニル芳香族化合物を主体とする重合体ブ
ロックと、共役ジエンを主体とする共重合体ブロックの
2つのブロックからなっている。3つ以上のブロックが
結合されていると、モノアルケニル芳香族化合物の凝集
力が低下し目的の性能を発現しない。3つ以上のブロッ
クが性能劣化を引き起こさない程度に、(例えば低分子
量のブロックとして)結合しているのは構わない。
【0012】本発明のブロック共重合体組成物中におけ
る(A)成分の含有量は100〜20重量%、(B)成
分の含有量は0〜80重量%である。(B)成分が80
重量%を越えた場合、軟化点、タフテナ等が極端に低下
する。好ましい範囲は(B)成分の含有量についていえ
ば、60重量%以下、さらに好ましくは40重量%以下
である。本発明のブロック共重合体組成物中における
(A)成分の含有量は、場合により98〜20重量%、
(B)成分の含有量でいえば2〜80重量%であるとき
に、特に(B)成分の効果が良好に発揮される。(B)
成分の含有量が2%未満の場合、(B)成分の効果はあ
まり発現されず、また80重量%を越えた場合、軟化
点、タフテナ等が低下する。好ましい範囲を(B)成分
の含有量についていえば、5〜60重量%、さらに好ま
しくは10〜40重量%である。
【0013】本発明を構成するブロック共重合体組成物
中のモノアルケニル芳香族化合物を主体とする重合体ブ
ロックの分子量分布が、GPCで得られたクロマトグラ
ムのピークの高さ(H)と半値幅(W)の比(H/W)
で5〜20である事が必要である。このH/Wが5未満
の場合、分子量分布が広くなり該重合体ブロックの凝集
力が十分に上がらず、軟化点やタフテナ等の性能が十分
発揮されない。また、H/Wが20より大きい場合、分
子量分布が狭くなり該重合体ブロックの凝集力が上がり
すぎて、アスファルト等に対する溶解速度が遅くなった
り、溶解後の品質の安定が十分でなくなる場合がある。
望ましいH/Wの値は7〜19、さらに望ましくは9〜
17である。本発明を構成するブロック共重合体組成物
中のモノアルケニル芳香族化合物を主体とする重合体ブ
ロックの含有量(BS)は10重量%以上、48重量%
未満である事が必要である。BSが10重量%未満の場
合、モノアルケニル芳香族化合物重合体ブロックの凝集
力が充分に得られず、軟化点やタフネス・テナシティー
が不足する場合がある。また、BSが48重量%以上の
場合は、アスファルト組成物にした時に相分離や軟化点
の経時変化が起こる場合がある。より好ましい範囲は1
3〜45重量%、さらにより好ましくは15〜40重量
%である。
【0014】本発明中のブロック共重合体組成物の分子
量は、重量平均分子量で10万〜50万であることが必
要である。10万より低い場合はアスファルト組成物の
軟化点、タフテナなどの性能が不十分になり、また50
万よりも高い場合はブロック共重合体のアスファルトへ
の溶解性が劣る。好ましい範囲は12万〜50万、さら
に好ましくは14万〜30万である。本発明のブロック
共重合体中におけるモノアルケニル芳香族炭化水素の含
有量は10〜50%である事が望ましい。モノアルケニ
ル芳香族炭化水素の含有量が10%未満の場合、モノア
ルケニル芳香族炭化水素重合体ブロックの凝集力が不足
し、タフネス・テナシティー等の機械強度に劣る。ま
た、50%を越える場合は、貯蔵安定性が大幅に悪くな
り望ましくない。また、アスファルト配合物を製造する
際に、アスファルト中への溶解分散時間が長くなり、加
工性が困難となって望ましくない。さらには、アスファ
ルト配合物の低温特性が悪化し、望ましくない。好まし
い範囲は、モノアルケニル芳香族炭化水素が15〜45
重量%、さらに好ましくは20〜40重量%である。
【0015】本発明のブロック共重合体中における全結
合アルケニル芳香族化合物の含有量(TS)からモノア
ルケニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックの含
有量(BS)を差し引いたアルケニル芳香族化合物の含
有量(TS−BS)が2〜30重量%である事が望まし
い。(TS−BS)が2重量%よりも低い場合、貯蔵安
定性が十分でない。また、(TS−BS)が30重量%
よりも多い場合、軟化点やタフテナなどの改質効果が十
分でなくなる。望ましくは3〜20重量%、さらに望ま
しくは5〜18重量%である。
【0016】本発明のブロック共重合体中には、モノマ
ー単位で1〜8個連なったアルケニル芳香族化合物のモ
ノマー連鎖を全アルケニル芳香族化合物中の3〜40重
量%の割合で含有していると好ましい。3重量%未満で
は本発明の目的である貯蔵安定性の効果が十分満足する
までには期待できない。また、40重量%よりも多い場
合には、軟化点などの性能が低下する傾向にある。望ま
しい範囲は、5〜35%、さらに望ましくは9〜30%
である。この、モノマー単位で1〜8個連なったアルケ
ニル芳香族化合物のモノマー連鎖は、実質的に共役ジエ
ンを主体とするブロック中に形成される。例えば、共役
ジエンを主体とするブロックを重合する際に、共役ジエ
ンを反応容器に仕込んだ後、徐々にモノアルケニル芳香
族化合物を添加していくか、又は場合によりランダム化
剤の存在下、共役ジエンとアルケニル芳香族化合物を同
時に反応容器に仕込み、場合によりさらに共役ジエンを
追添しながら、重合することにより、共役ジエンを主体
とするブロック重合体ブロックに、モノマー単位で1〜
8個連なったアルケニル芳香族化合物のモノマー連鎖が
形成される。
【0017】本発明中のブロック共重合体(A)の、モ
ノアルケニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロック
のピーク分子量は、5,000〜50,000であるこ
とが望ましい。5,000より低い場合はアスファルト
組成物の軟化点、タフテナなどの性能が不十分になり、
また50,000よりも高い場合はブロック共重合体の
アスファルトへの溶解性、さらには貯蔵時の安定性が劣
る。好ましい範囲は7,000〜40,000、さらに
好ましくは9,000〜30,000である。
【0018】また、本発明のブロック共重合体中におけ
る共役ジエン重合体ブロック中のビニル結合含有量は8
重量%より大きく、70重量%以下である。ビニル結合
含率が70重量%を越えると、ブロック共重合体の熱安
定性は劣り好ましくないし、また、アスファルト組成物
の低温特性も劣ったものとなる。また、8重量%未満で
は軟化点が劣り好ましくない。好ましい範囲は、ビニル
結合含率が15〜60重量%、より好ましくは20〜5
0重量%である。
【0019】更に、本発明のブロック共重合体組成物の
静的熱機械試験機(TMA)で計られる軟化温度は80
〜130℃であることが望ましい。軟化温度が80℃未
満の場合、凝集力に乏しく、アスファルト組成物の高い
軟化点が発現せず、またタフネス・テナシティーにも劣
る。一方、軟化温度が130℃を越える場合、アスファ
ルト組成物の溶融粘度が高くなりすぎ、アスファルトと
の分散相溶性が悪くなって、好ましい物性効果を発現で
きない。好ましい範囲は85〜125℃、さらに好まし
くは90〜120℃である。
【0020】本発明は、アスファルト改質用のブロック
共重合体組成物及び、これを用いて改質したアスファル
ト組成物を開示しているが、このとき成分(A)成分及
び(B)よりなるアスファルト改質用ブロック共重合体
が2〜15重量部とアスファルト85〜97重量部とが
含有される場合に、アスファルト組成物の効果が有効に
発現される。アスファルト組成物中における共重合体の
配合量が2重量部未満の場合は、満足なアスファルト改
質効果を得ることができない。また、15重量部を越え
て配合した場合、アスファルト組成物の溶融粘度が高く
なって、加工性が損なわれるばかりか、経済的にも不利
である。より好ましくは、共重合体が4〜12重量部、
アスファルトが88〜96重量部配合されてなる場合で
ある。
【0021】本発明で使用されるアスファルトは、特に
制限されるものでなく、慣用されているアスファルト、
例えば、ストレートアスファルト、(セミ)ブローンア
スファルト及びこれらの混合物などが挙げられる。好適
には、針入度40〜120のストレートアスファルト、
針入度10〜30のブローンアスファルト及びこれらの
混合物が挙げられる。
【0022】本発明を構成する(A)成分は、例えば不
活性炭化水素溶媒中で、有機リチウム化合物を重合開始
剤としてスチレンを重合させてスチレン重合体ブロック
を形成し、次いで、ブタジエンを重合させブタジエン重
合体ブロックを形成し、又は場合によりブタジエンを重
合させながらスチレンを徐々に添加していき重合させる
方法;またはブタジエン/スチレンの混合物を重合させ
る方法;場合により極性化合物存在下で行う前記方法;
場合により共役ジエンを追添する前記方法等によりブタ
ジエン−スチレン共重合体ブロックを形成し、さらに再
度スチレンを重合させ、場合により、さらに上記操作を
繰り返すことにより得られる。このとき、GPCにおけ
るピーク分子量が、標準ポリスチレン換算で5万〜50
万の範囲になるように、有機リチウム化合物量を制御し
調製される。ブタジエン−スチレン共重合体ブロックを
形成する場合、上記に方法によりモノマー単位で1〜8
個連なったアルケニル芳香族化合物のモノマー連鎖は、
実質的に共役ジエンを主体とするブロック中に形成され
る。
【0023】また、場合により本発明を構成する(B)
成分は、例えば不活性炭化水素溶媒中で、有機リチウム
化合物を重合開始剤としてスチレンを重合させてスチレ
ン重合体ブロックを形成し、次いで、ブタジエンを重合
させブタジエン重合体ブロックを形成し、又は場合によ
りブタジエンを重合させながらスチレンを徐々に添加し
ていき重合させる方法;またはブタジエン/スチレンの
混合物を重合させる方法;場合により極性化合物存在下
で行う前記方法;場合により共役ジエンを追添する前記
方法等によりブタジエン−スチレン共重合体ブロックを
形成し、さらに再度スチレンを重合させ、場合により、
さらに上記操作を繰り返すことにより得られる。このと
きGPCにおけるピーク分子量が(A)成分のピーク分
子量の1/3〜2/3倍の範囲になるように、有機リチ
ウム化合物量を制御し調製される。ブタジエン−スチレ
ン共重合体ブロックを形成する場合、上記に方法により
モノマー単位で1〜8個連なったアルケニル芳香族化合
物のモノマー連鎖は、実質的に共役ジエンを主体とする
ブロック中に形成される。
【0024】(A)成分及び(B)成分は、反応終了
後、水、アルコール、酸などを添加して活性種を失活さ
せ、場合により各成分の溶液を所定の組成でブレンドし
た後、例えばスチームストリッピングなどを行って得る
ことができる。本発明を構成する(A)成分および
(B)成分からなるブロック共重合体は、上記とは別の
手法によっても得ることができる。即ち、上記と同様な
手法で、(B)成分を重合した後重合系内に、適当なカ
ップリング剤を有機リチウム化合物に対して、所定量添
加することにより得られる共重合体生成物を(A)成分
とし、同一反応系内で所期の組成物を得る。この手法を
用いると、(A)成分のピ−ク分子量は(B)成分のピ
−ク分子量の整数倍に限定されるが、上記の方法に比ベ
工業的に有利である。
【0025】カップリング剤としては、好ましくは2官
能性カップリング剤が使用される。そのようなものとし
ては、例えばジクロルジメチルシラン、フェニルメチル
ジクロロシランのようなハロゲン化ケイ素化合物;ジメ
チルジメトキシシランのようなアルコキシケイ素化合
物;ジクロルジメチルスズのようなスズ化合物;安息香
酸メチルのようなエステル化合物;ジビニルベンゼンな
どのようなビニルアレン類;そして2官能性のエポキシ
化合物などがある。
【0026】本発明を構成するブロック共重合体組成物
中のモノアルケニル芳香族化合物を主体とする重合体ブ
ロックの分子量分布は、いくつかの方法により制御する
事ができる。例えば、重合触媒をゆっくりと添加して重
合を開始することにより分子量分布を広げる方法;重合
容器の攪拌機回転数を変えることにより制御する方法;
重合触媒の解離速度を遅くすることにより分子量分布を
広げる方法などがある。一般に、有機リチウム触媒は非
極性溶媒中では会合しており、重合開始反応はこの会合
の解離速度が律速となる場合がある。これは、例えば会
合が強いノルマルブチルリチウムをシクロヘキサン中で
重合触媒として使用した場合であり、このような状況下
で極性化合物を微量添加し会合度および解離速度を制御
することによりブロックの分子量分布を制御することが
できる。
【0027】また、ブロック共重合体(A)、及び
(B)中の共役ジエンを主体とするブロックを重合する
際に、ランダム化剤として極性化合物を添加することに
より共役ジエンブロック中のモノアルケニル芳香族化合
物のランダム性を調整する事が可能である。例えば、エ
ーテル類や第三級アミン類など、具体的にはエチレング
リコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、α−
メトキシテトラヒドロフラン、N,N,N’,N’−テ
トラメチルエチレンジアミンなどが、好ましくはテトラ
ヒドロフランやN,N,N’,N’−テトラメチルエチ
レンジアミンを使用することが出来る。そのような極性
化合物は、例えば有機リチウム化合物を開始剤として重
合体を得る際に、n−ヘキサン、シクロヘキサン、ベン
ゼン、トルエン、オクタンなどの不活性炭化水素溶媒中
に少量添加させることにより、使用することが出来る。
また、ブタジエン/スチレン混合物のかわりに、スチレ
ンをまず仕込み、ブタジエンを徐々に添加する方法によ
り、ブタジエンとスチレンのランダム性を調整すること
も可能である。
【0028】さらに、ビニル結合含有量は、例えば有機
リチウム化合物を開始剤として重合体を得る際に、n−
ヘキサン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、オク
タンなどの不活性炭化水素溶媒中にエーテル類や第三級
アミン類などの極性化合物、例えばエチレングリコール
ジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、α−メトキシ
テトラヒドロフラン、N,N,N’,N’−テトラメチ
ルエチレンジアミンなど、好ましくはテトラヒドロフラ
ンやN,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミ
ンなどを使用することにより調整が出来る。
【0029】本発明の組成物には、必要に応じて、酸化
防止剤、光安定剤などの安定剤を添加することもでき
る。該安定剤としては、例えば2,6−ジ−t−ブチル
−4−メチルフェノール、n−オクタデシル−3−
(4’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェ
ニル)プロピオネート、2,2’−メチレンビス(4−
メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチ
レンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、
2,4−ビス〔(オクチルチオ)メチル〕−0−クレゾ
ール、2−t−プチル−6−(3−t−プチル−2−ヒ
ドロキシ−5−メチルペンジル)−4−メチルフェニル
アクリレート、2,4−ジ−t−アミル−6−〔1−
(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)
エチル〕フェニルアクリレートなどのヒンダードフェノ
ール系酸化防止剤;
【0030】ジラウリルチオジプロビオネート、ラウリ
ルステアリルチオジプロピオネートペンタエリスリトー
ルーテトラキス(β−ラウリルチオプロピオネート)な
どのイオウ系酸化防止剤;トリス(ノニルフェニル)ホ
スファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニ
ル)ホスファイトなどのリン系酸化防止剤などを挙げる
ことができる。また、光安定剤としては、例えば2−
(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ペンゾト
リアゾール、2−(2’−ヒドロキシー3’,5’−t
−ブチルフェニル)ペンゾトリアゾール、2−(2’−
ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)−
5−クロロペンゾトリアゾールなどのペンゾトリアゾー
ル系紫外線吸収剤や2−ヒドロキシ−4−メトキシペン
ゾフェノンなどのペンゾフェノン系紫外線吸収剤、ある
いはヒンダードアミン系光安定剤などを挙げることがで
きる。
【0031】上記安定剤以外に、本発明の組成物には、
必要により従来アスファルト組成物に慣用されている各
種添加剤、例えばシリカ、タルク、炭酸カルシウム、鉱
物質粉末、ガラス繊維などの充填剤や補強剤、鉱物質の
骨材、顔料あるいはパラフィン系、ナフテン系及びアロ
マ系のプロセスオイルなどの軟化剤、クマロンインデン
樹脂、テルペン樹脂などの粘着付与性樹脂、アゾジカル
ボンアミドなどの発泡剤、アタクチックポリプロビレ
ン、エチレンーエチルアクリレート共重合体などのポリ
オレフィン系又は低分子量のビニル芳香族系熱可塑性樹
脂;天然ゴム;ポリイソプレンゴム、ポリブタジエンゴ
ム、スチレンーブタジエンゴム、エチレンープロピレン
ゴム、クロロプレンゴム、アクリルゴム、イソプレンー
イソブチレンゴム、ポリペンテナマーゴム、及び本発明
以外のスチレンーブタジエン系ブロック共重合体、スチ
レンーイソプレン系ブロック共重合体などの合成ゴムを
添加しても良い。
【0032】特に、道路舗装用として用いられる場合に
は、通常該アスファルト組成物は、鉱物質の石、砂、ス
ラグなどの骨材と混合して使用される。本発明のアスフ
ァルト組成物を混合する方法は時に限定されるものでな
く、所望により前記の各種添加剤を、例えばロール、ニ
ーダー、バンバリーミキサー、押出機などにより加熱溶
融混練することにより調製することができる。
【0033】
【作用】本発明の組成物により達成される効果は、優れ
た性能を持つアスファルト組成物を提供するにあたり、
特にアスファルト組成物の貯蔵安定性と、溶解性、諸特
性のバランスを大幅に改善した点にある。従来のアスフ
ァルト組成物の諸特性は、昨今の要求、即ち交通量の増
大にともなう耐久性向上や空隙率を大きくする排水性・
騒音吸収性の付与などに対しては十分ではなかった。ま
た、上記の耐久性や空隙率向上のための改良を加えたも
のもあるが、これらは貯蔵安定性が悪く問題となってい
た。例えばスチレン−ブタジエンブロック共重合体にお
いて分子量を上げたり、スチレンブロック中のスチレン
含量上げてスチレンブロックの凝集力を上げたりする事
により、耐久性や初期の物理性能は改善される。しか
し、いずれもブロック共重合体とアスファルトとの相溶
性が低下し貯蔵安定性は大幅に悪くなる。また、分子量
やスチレン含量を下げると、逆に貯蔵安定性は改善され
るが耐久性や初期の物理性能が不十分であった。これら
のバランスを取ることも試みられたが満足のいく結果は
得られなかった。本発明による大きな作用は、耐久性や
初期の物理性能と、貯蔵安定性という2者の相反する要
求性能のバランスを大幅に改良させ、2者の要求を同時
に満足させた事にある。
【0034】以下、実施例によって本発明を説明する
が、これらの実施例は本発明を限定するものでない。な
お、各種測定は下記の方法に従った。 (A) ブロック共重合体組成物の物性測定; (i) 全スチレン含量:紫外線分光光度計(日立UV200)
を用いて、262nmの吸収強度より算出した。 (ii)ブロックスチレン含量:四酸化オスミウムとt−ブ
チルハイドロパーオキシドによる酸化分解法〔「ジャー
ナル・オブ・ポリマー・サイエンス」第1巻、第429頁
(1946年)に記載〕に従ってスチレン重合体ブロック
(ブロックスチレン、BS)を得た。スチレン重合体ブ
ロックの含量の測定は、紫外線分光光度計(日立UV 20
0)を用いて、262nmの吸収強度より算出した。 (iii) ブタジエンブロック部のビニル含量:赤外線分光
光度計(パーキンエルマー製モデル1710)を用いて測定
し、ハンプトン法(「Analytical Che
m.、21、943(’43)」に記載)により測定し
た。 (iv)静的熱機械分析:熱機械分析装置(島津製作所
(株)製、TMA−40)を使用し、ブロック共重合体
を2mm厚に圧縮成形したシートをピン径0.5φmmの
円柱状先端を持つ石英棒を検出棒に用いて、針入度法に
よって温度変化を測定し、針入度が急激に変化する温度
を外押して求め、図1に示すように軟化温度とした(荷
重10g、昇温速度5℃/分)。
【0035】(v) ピーク分子量、及び(A)成分と
(B)成分の組成比:GPC〔装置は、ウォーターズ製で
あり、カラムは、デュポン製のZORBAX PSMlOOO−Sを
2本とPSM 60−Sの計3本の組合せである。溶媒にはテト
ラヒドロフランを用い、測定条件は、温度35℃、流速
0.7ml/分、試料濃度0.1重量%、注入量50μlであ
る〕のクロマトグラムより、ピーク分子量及び組成比を
求めた。組成比はクロマトグラムの面積比より計算し
た。各成分が完全に分離できる場合はそれぞれの面積比
を組成比とした。二つのピークがつながって谷を持つ場
合、谷の部分の底、即ちクロマト曲線の極小値で切り分
け、面積比を組成比とした。片方のピークがショルダー
になる場合、即ちクロマト曲線が極小値を持たない場
合、クロマト曲線の変曲点で切り、面積比を組成比とし
た。
【0036】(vi)スチレン連鎖:スチレン連鎖は、
農工大田中教授等によって開発されたオゾン分解による
方法(高分子学会予稿集、第29卷7号2055ペー
ジ)に準拠して測定を行った。 (vii)スチレン重合体ブロックのピーク分子量、及びH
/W:スチレン重合体ブロックのピーク分子量は、ブロ
ックスチレン含量(ii)により得られたサンプルを、GPC
〔装置は、ウォーターズ製であり、カラムは、昭和電工
製のShodex K-803,802,801を各1本の組合せである。
溶媒にはクロロホルムを用い、測定条件は、温度35℃、
流速1.0ml/分、試料濃度0,0.5重量%、注入量100μl
である〕を用いて測定した。また、得られたクロマトグ
ラムより、横軸に分子量(対数表示)、縦軸に正規化し
た(クロマトグラム全体の面積を100とした)相対比
でプロットして、ピークの高さをH、ピークの半値幅を
Wとして計算した。
【0037】(B) アスファルト組成物の物性測定: (i) 溶融粘度:180℃でブルックフィールド型粘度計に
より測定した。 (ii)タフネス、テナシティ:舗装工事に関する試験方法
(日本道路建設業協会編)に準じて測定した。 (iii) 伸度、進入度、軟化点:JIS−K 2207に準拠して
測定した。 (iv)相分離 アスファルト組成物を、直径5.5cm、長さ13cm
の円筒形の容器に入れて180℃×3日間放置した後
の、上層部、下層部の軟化点を測定し、上下層の軟化点
の温度差で評価した。
【0038】(実施例1)ジャケットと攪拌機の付いた
10L容ステンレス製反応器を充分窒素置換した後、シ
クロヘキサン7000cc、スチレン(第1スチレンと
称す)250gを仕込み、ジャケットに温水を通水して
内容物を約70℃に設定した。この後、n−ブチルリチ
ウムシクロヘキサン溶液(純分で1.4g)を添加し、
第1スチレンの重合を開始した。第1スチレンが完全に
重合してから、テトラヒドロフラン1.41g、N、
N、N’、N’−テトラメチルエチレンジアミン0.7
g添加後、ブタジエン(1,3−ブタジエン)700
g、スチレン(第2スチレンと称す)50gを添加し重
合を継続し、ブタジエンがほぼ完全に重合してから、下
記化学構造(*1)を有するカップリング剤を添加し、
カップリングさせた。
【化1】 このカップリング剤添加後に、水0.4gを加えた。第
1スチレンを仕込んだ直後より、この間、撹拌機により
ブロックスチレンの分子量分布が所定の範囲になるよう
に調整した条件で、系内を連続的に攪拌した。
【0039】この後、ブロック共重合体組成物の溶液を
抜き出し、2,6−ジ−t−ブチルー4−メチルフェノ
ール1.9g、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト
1.2gを添加し、得られた該溶液をスチームストリッ
ピングすることにより溶媒を除去し、引き続き、熱ロー
ル(120℃)により脱水乾燥して、ブロック共重合体を
得た。この操作の条件を表1にまとめた。このようにし
て得られたブロック共重合体組成物をGPCで測定し、低
分子主成分を(B) 、高分子主成分を(A) とした。その物
性値を表2 に示した。また、該重合体組成物6gとスト
レートアスファルト〔日本石油(株)製、ストアス60/
80〕100gを、180℃で90分間溶融混練してアス
ファルト組成物を調製した。そのアスファルト組成物の
特性を表3に示した。
【0040】(実施例2〜8及び比較例1〜7)実施例
2〜8及び比較例1〜7は、表1に記載した条件以外
は、実施例1と同様の条件で行った。その結果、得られ
たブロック共重合体組成物の物性値を表2に示した。ま
た、アスフアルトは実施例1と同じものを用い、アスフ
ァルトの配合量、配合方法も実施例1と同等に行った。
その結果を表3に示した。
【0041】(実施例9) (ブロック共重合体成分(A)の製法)ジャケットと攪
拌機の付いた10L容ステンレス製反応器を充分に窒素
置換した後、所定量のシクロヘキサン、スチレン(第1
スチレンと称する)を仕込み、ジャケットに温水を通水
し、内容物を約70℃に設定した。この後、n−ブチル
リチウムシクロヘキサン溶液を所定量添加し、第1スチ
レンの重合を開始した。第1スチレンが完全に重合して
から、テトラヒドロフラン、N、N、N’、N’−テト
ラメチルエチレンジアミン、ブタジエン(1、3−ブタ
ジエン)、スチレン(第2スチレンと称す)を所定量添
加して重合を継続し、ブタジエンが完全に重合してか
ら、再度、スチレン(第3スチレンと称する)を所定量
添加して重合を続け、第3スチレンが完全に重合してか
ら、水を加えて活性種を完全に失活させた。この間、撹
拌機によりブロックスチレンの分子量分布が所定の範囲
になるように調整した条件で、系内を連続的に攪拌し
た。この後、2、6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェ
ノールとトリス(ノニルフェノール)ホスファイト(シ
クロヘキサン溶液)を添加した。この操作の条件を表1
に示した。
【0042】(実施例10) (ブロック共重合体成分(B)の製法)ジャケットと攪
拌機の付いた10L容ステンレス製反応器を充分に窒素
置換した後、所定量のシクロヘキサン、スチレン(第1
スチレンと称する)を仕込み、ジャケットに温水を通水
し、内容物を約70℃に設定した。この後、n−ブチル
リチウムシクロヘキサン溶液を所定量添加し、第1スチ
レンの重合を開始した。第1スチレンが完全に重合して
から、、テトラヒドロフラン、N、N、N’、N’−テ
トラメチルエチレンジアミン、ブタジエン(1、3−ブ
タジエン)とスチレン(第2スチレン)を所定量添加し
て重合を継続し、ブタジエン、第2スチレンが完全に重
合してから、水を加えて活性種を完全に失活させた。こ
の間、撹拌機によりブロックスチレンの分子量分布が所
定の範囲になるように調整した条件で、系内を連続的に
攪拌した。この後、2、6−ジ−t−ブチル−4−メチ
ルフェノールとトリス(ノニルフェノール)ホスファイ
ト(シクロヘキサン溶液)を添加した。この操作の条件
を表1に示した。
【0043】(実施例11)以上の方法で得られた
(A)成分及び(B)成分のポリマー溶液は、所定の組
成比となるように、溶液で混合し、得られた該溶液をス
チームストリッピングする事により溶媒を除去し、引き
続き、熱ロール(120℃)により脱水乾燥して、ブロ
ック共重合体組成物を得た。このブロック共重合体組成
物の物性を表2に示した。このようにして得たブロック
共重合体組成物を実施例1と同様のアスファルトを用い
て、同様に配合量でアスファルト組成物にした。その物
性値を表3に示した。
【0044】(実施例12〜14)表1に示した条件以
外は実施例1と同様な重合を行って、ブロック共重合体
組成物を得た。得られたブロック共重合体組成物の物性
値を表2に示す。アスファルト組成物は実施例1と同じ
アスファルトを用い、同じ配合量とした。そのアスファ
ルト組成物の物性を表3に示した。これらの表から、あ
る特定された範囲の構造のブロック共重合体で改質され
たアスファルト組成物は、高い軟化点、高い60℃粘
度、優れた伸度、及び高いタフネス、テナシティーを示
し、なおかつ貯蔵安定性にも優れていることが分かる。
さらに、実施例は比較例に比べて初期軟化点が同等の場
合は貯蔵安定性が優れており、また貯蔵安定性が同等の
場合は初期の軟化点に優れている事が分かる。
【0045】
【表1】
【0046】
【表2】
【0047】
【表3】
【0048】
【発明の効果】本発明のアスファルト組成物は、機械強
度、軟化点、伸度、等の物性に優れ、かつ加工性にも優
れた高度のバランスを有しており、且つ貯蔵安定性にも
優れているので、道路舗装用はもちろん、防水シート、
遮音シート、止水材などの用途に利用でき、その工業的
意義は大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、静的熱機械分析による、本発明のブロ
ック共重合体の軟化温度の1例を与える、温度変化と変
位との関係を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J002 AG001 BP03X BP03Y FD010 FD020 FD320 FD340 GL00 4J026 HA06 HA26 HA32 HB06 HB15 HB26 HB32 HC06 HC26 HC32 HE01 HE02

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも2個のモノアルケニル芳香族
    化合物を主体とする重合体ブロックと少なくとも1個の
    共役ジエンを主体とする重合体ブロックよりなるブロッ
    ク共量合体(A)が100〜20重量%と、1個のモノ
    アルケニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックと
    1個の共役ジエンを主体とする重合体ブロックよりな
    り、その分子量がブロック共重合体(A)の1/3〜2
    /3に相当するブロック共重合体(B)が0〜80重量
    %よりなるブロック共重合体組成物(C)において、
    (I) モノアルケニル芳香族化合物を主体とする重合体
    ブロックの分子量分布が、GPCで得られたクロマトグ
    ラムのピークの高さ(H)と半値幅(W)の比(H/
    W)で5〜20であり、(2) モノアルケニル芳香族化
    合物を主体とする重合体ブロックの含有量(BS)が1
    0重量%以上48重量%未満であり、且つ(3) 重量平
    均分子量(Mw)が10万〜50万である、ことを特徴
    とするブロック共重合体組成物。
  2. 【請求項2】 (I) 全結合アルケニル芳香族化合物の
    含有量(TS)からモノアルケニル芳香族化合物を主体
    とする重合体ブロックの含有量(BS)を差し引いたア
    ルケニル芳香族化合物の含有量(TS−BS)が2〜3
    0重量%であることを特徴とする、請求項1記載のブロ
    ック共重合体組成物。
  3. 【請求項3】 少なくとも2個のモノアルケニル芳香族
    化合物を主体とする重合体ブロックと、少なくとも1個
    の共役ジエンを主体とする重合体ブロックよりなるブロ
    ック共量合体(A)が98〜20重量%と、1個のモノ
    アルケニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロック
    と、1個の共役ジエンを主体とする重合体ブロックより
    なり、その分子量がブロック共重合体(A)の1/3〜
    2/3に相当するブロック共重合体(B)が2〜80重
    量%よりなるブロック共重合体組成物(C)において、
    (I) モノアルケニル芳香族化合物を主体とする重合体
    ブロックの分子量分布が、GPCで得られたクロマトグ
    ラムのピークの高さ(H)と半値幅(W)の比(H/
    W)で5〜20であり、(2) モノアルケニル芳香族化
    合物を主体とする重合体ブロックの含有量(BS)が1
    0重量%以上48重量%未満であり、且つ(3) 重量平
    均分子量(Mw)が10万〜50万である、ことを特徴
    とするブロック共重合体組成物。
  4. 【請求項4】 (I) 全結合アルケニル芳香族化合物の
    含有量(TS)が10〜50重量%、(2) ブロックス
    チレンのピーク分子量が5000〜50、000、(3)
    ビニル含量が8%〜70%、(4) 静的熱機械分析
    (TMA)で測定したブロック共重合体の軟化温度が、
    80℃〜130℃であることを特徴とする請求項1〜3
    のいずれかに記載のブロック共重合体組成物。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載のブロッ
    ク共量合体が2〜30重量部とアスファルトが70〜9
    8重量部とからなることを特徴とする、アスファルト組
    成物。
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