JP4672446B2 - アスファルト組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、ビニル芳香族炭化水素と共役ジエンとのブロック共重合体とアスファルトからなるアスファルト組成物に関する。
従来、アスファルト組成物は、道路舗装、防水シート、遮音シート、ルーフィング等の用途に広く利用されている。その際、アスファルトに種々のポリマーを添加して、その性質を改良しようとする試みが多くなされている。そのポリマーの具体例としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、ゴムラテックス、共役ジエンとビニル芳香族炭化水素とからなるブロック共重合体等が使用されている(例えば、特許文献1、2参照。)。しかしながら、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体をアスファルトに添加したアスファルト組成物は低温特性に劣り、冬場のひび割れ等が発生し好ましくない。伸度特性も劣り、その為、粘結力(テナシティ)も劣ることから、骨材の把握特性に劣る。
一方、共役ジエンとビニル芳香族炭化水素とから成る従来のブロック共重合体を添加したアスファルト組成物は低温特性に優れる、弾性率が低く防水シートにした場合、施工性に優れる等の特徴があるが軟化点、伸度、凝集力が不足する場合がある。このため、該ブロック共重合体の添加量を増やすことにより改良することが試みられている。添加量を増やすと、溶融粘度が高くなり、防水シート、道路舗装等の加工性が犠牲になる。このように、従来の各ポリマーを添加したアスファルト組成物は、その特性として必要な軟化点、針入度、伸度、凝集力特性の高度なバランス及び加工性を同時に満足させることは難しいとされていた。
特公昭47−17319号公報 特開昭53−17618号公報
本発明は、従来技術の上記問題を解決するため、ビニル芳香族炭化水素と共役ジエンからなるブロック共重合体とアスファルトを配合したアスファルト組成物の軟化点、針入度、伸度、凝集力特性及び加工性の改良について鋭意検討を行なった。本発明の目的は、アスファルトに対するブロック共重合体の添加量を少なくしても上記の各性能に優れるアスファルト組成物を提供することにある。
本発明者等は、前記課題を解決するため、下記のブロック共重合体(a)0.5〜25重量部、及びアスファルト(b)100重量部を包含することを特徴とするアスファルト組成物が、軟化点、針入度、伸度、凝集力特性が高く、また加工性に優れることを見出し、本発明をなすに至った。
すなわち、本発明は、
該ブロック共重合体(a)が少なくとも1つのビニル芳香族炭化水素を主とする重合体
ブロックと少なくとも1つの共役ジエンのみからなる重合体ブロックから成り、次の特性(1)〜(4)を有するブロック共重合体である。
(1)ニル芳香族炭化水素の含有量[S]が17〜23重量%であり、
(2)カップリング部のピーク分子量[M]が35万〜75万であり、
(3)上記のビニル芳香族炭化水素の含有量[S]とブロック共重合体のピーク分子量[M](単位:万)との関係が
5[S]≧[M]+30
であり、
(4)カップリング率が50%以上で3官能以上のカップリング構造のブロック共重合体である。
すなわち、本発明のブロック共重合体はこれまでのブロック共重合体より少ない添加量でも軟化点、針入度、伸度、凝集力特性が高く、また加工性に優れるアスファルト組成物である。
本発明のアスファルト組成物は、軟化点、針入度、伸度、凝集力及び加工性の各特性バランスが優れる。そして、低配合量のブロック共重合体を含有させた場合でも、著しく高い軟化点を有するアスファルト組成物が得られることから、高価なブロック共重合体の使用を低減することが可能となると同時に溶融粘度も高くならないため、加工性が優れる。さらに、アスファルトと混練する時間も短くすることが可能となる。
本発明について、以下具体的に説明する。
本発明で使用するブロック共重合体(a)は、ビニル芳香族炭化水素と共役ジエンからなるブロック共重合体である。
本発明で使用するブロック共重合体(a)におけるビニル芳香族炭化水素の含有量[S]はブロック共重合体に対して17重量%以上、23重量%以下である。ブロック共重合体のビニル芳香族炭化水素の含有量が上記の範囲にあるので、軟化点、針入度、伸度、凝集力及び加工性の各特性バランスが優れたアスファルト組成物が得られる。軟化点、針入度、伸度、凝集力及び加工性等のバランスの点からは、ビニル芳香族炭化水素の含有量は、好ましくは19重量%以上、21重量%以下である。
本発明で使用されるブロック共重合体(a)のカップリング部のピーク分子量[M]は35万以上、75万以下である。ブロック共重合体のカップリング部のピーク分子量が上記範囲にあることにより、ブロック共重合体の添加量を少なくしても軟化点等のアスファルト特性が良好で、且つ加工性に優れたアスファルト組成物が得られる。アスファルト特性と加工性とのバランスの点からは、本発明で使用するブロック共重合体のカップリング部のピーク分子量は、好ましくは40万以上、70万以下である。
本発明において、ブロック共重合体(a)におけるビニル芳香族炭化水素の含有量[S]とブロック共重合体(a)のカップリング部のピーク分子量[M](単位:万)との関係が5[S]≧[M]+30である。ブロック共重合体のビニル芳香族炭化水素の含有量とピーク分子量が上記範囲にあることにより、軟化点、凝集力等のアスファルト特性が良好である。
本発明で使用するブロック共重合体(a)の構造はカップリング率が50%以上で3官能以上のカップリング構造である。ブロック共重合体の構造がカップリング率50%以上で3官能以上のカップリング構造であるので、軟化点、針入度、伸度、凝集力及び加工性の各特性バランスが優れたアスファルト組成物が得られる。軟化点、針入度、伸度、凝集力及び加工性等のバランスの点からは、本発明で使用するブロック共重合体のポリマー構造は、好ましくは4官能カップリング構造であり、カップリング率は、好ましくは60%以上、さらに好ましくは70%以上である。
また、本発明で使用されるブロック共重合体(a)の粘度が、剪断速度ω=1.22×10(sec−1)、溶融温度180℃の時、15,000ポイズ以下である。ブロック共重合体の粘度が上記範囲にあるので、加工性の優れたアスファルト組成物が得られる。
ブロック共重合体のピーク分子量は、分子量が既知の市販の標準単分散ポリスチレンに関して得た検量線を使用して、ゲルパーミェーションクロマトグラフィー(GPC)によって求める。
本発明においては、ブロック共重合体のポリマー構造が、下記一般式で表される線状ブロック共重合体を使用することができる。
[(A−B)m+1−X、[(B−A)m+1−X、
[(A−B)−A]m+1−X、[(B−A)−B]m+1−X
(上式において、Aはビニル芳香族炭化水素を主とする重合体ブロックであり、Bは共役ジエンを主とする重合体ブロックである。Xは例えば四塩化ケイ素、四塩化スズ、エポキシ化大豆油などのカップリング剤の残基又は多能有機リチウム化合物等の開始剤の残基を示す。AブロックとBブロックとの境界は必ずしも明瞭に区別される必要はない。又、nは1以上、mは2以上の整数である。)
そして、この中でも[(A−B)]−X構造が軟化点、針入度、伸度、凝集力及び加工性の各特性バランスが優れていることから特に好ましい。
本発明で用いるビニル芳香族炭化水素としては、スチレン、ο−メチルスチレン、ρ−メチルスチレン、α−メチルスチレンなどがあるが、特に一般的なものとしてはスチレンが挙げられる。これらは1種のみならず2種以上を混合して使用してもよい。
また、共役ジエンは1対の共役二重結合を有するジオレフィンである。共役ジエンの例として、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン(即ちイソプレン)、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、2−メチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエンが挙げられる。これらのうち特に好ましいのは1,3−ブタジエン及びイソプレンである。これらは1種のみならず2種以上を使用してもよい。
本発明で用いるブロック共重合体の製造方法については特に限定はなく、公知の方法を用いることができる。例えば、炭化水素溶媒中で有機アルカリ金属化合物等の重合開始剤を用いてアニオンリビング重合により製造することができる。炭化水素溶媒の例として、n−ブタン、イソブタン、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタンのなどの脂肪族炭化水素類、シクロヘキサン、シクロヘプタン、メチルシクロヘプタンなどの脂環式炭化水素類、及びベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼンなどの芳香族炭化水素が挙げられる。
重合開始剤の例としては、ビニル芳香族化合物及び共役ジエン化合物に対してアニオン重合活性を有する脂肪族炭化水素アルカリ金属化合物、芳香族炭化水素アルカリ金属化合物、有機アミノアルカリ金属化合物が挙げられる。アルカリ金属の例としては、リチウム、ナトリウム、カリウムが挙げられる。好適な有機アルカリ金属化合物としては、炭素数1から20の脂肪族および芳香族炭化水素リチウム化合物であり、1分子中に1個のリチウムを含む化合物(モノリチウム化合物、ジリチウム化合物、トリリチウム化合物、テトラリチウム化合物など)が挙げられる。具体的にはn−プロピルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、n−ペンチルリチウム、n−ヘキシルリチウム、ベンジルリチウム、フェニルリチウム、トリルリチウム、ジイソプロペニルベンゼンとsec−ブチルリチウムの反応生成物、さらにジビニルベンゼンとsec−ブチルリチウムと少量の1,3−ブタジエンとの反応生成物等が挙げられる。さらに、米国特許5,708,092号、英国特許2,241,239号、米国特許5,527,753号の各明細書に開示されている有機リチウム金属化合物も使用することができる。
本発明において有機アルカリ金属化合物を重合開始剤としてビニル芳香族化合物と共役ジエン化合物を共重合する際に、重合体に組み込まれる共役ジエン化合物に起因するビニル結合(1,2または3,4結合)の含有量の調整や共役ジエン化合物とビニル芳香族化合物とのランダム共重合性を調整するために、調整剤として第3級アミン化合物またはエーテル化合物を添加することができる。
第3級アミン化合物としては一般式R1R2R3N(ただしR1、R2、R3は炭素数1から20の炭化水素基または第3級アミノ基を有する炭化水素基である)の化合物である。たとえば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、N,N−ジメチルアニリン、N−エチルピペリジン、N−メチルピロリジン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラエチルエチレンジアミン、1,2−ジピペリジノエタン、トリメチルアミノエチルピペラジン、N,N,N’,N”,N”−ペンタメチルエチレントリアミン、N,N’−ジオクチル−p−フェニレンジアミン等が挙げられる。
エーテル化合物の例としては、直鎖状エーテル化合物および環状エーテル化合物が挙げられる。直鎖状エーテル化合物の例としては、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジフェニルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル等のエチレングリコールのジアルキルエーテル化合物類、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル等のジエチレングリコールのジアルキルエーテル化合物類が挙げられる。また、環状エーテル化合物としてはテトラヒドロフラン、ジオキサン、2,5−ジメチルオキソラン、2,2,5,5−テトラメチルオキソラン、2,2−ビス(2−オキソラニル)プロパン、フルフリルアルコールのアルキルエーテル等が挙げられる。
本発明において有機アルカリ金属化合物を重合開始剤としてビニル芳香族化合物と共役ジエン化合物を共重合する方法は、バッチ重合であっても連続重合であっても、或いはそれらの組み合わせであってもよい。重合温度は、通常0〜180℃、好ましくは30〜150℃である。重合に要する時間は他の条件によって異なるが、通常は48時間以内であり、特に好適には0.1〜10時間である。又、重合系の雰囲気は窒素ガスなどの不活性ガス雰囲気にすることが好ましい。重合圧力は、上記重合温度範囲でモノマー及び溶媒を液相に維持するに充分な圧力の範囲であれば特に限定はない。更に、重合系内は触媒及びリビングポリマーを不活性化させるような不純物(水、酸素、炭酸ガスなど)が混入しないように留意する必要がある。
本発明において、前記重合終了時に3官能以上のカップリング剤を必要量添加してカップリング反応を行う。3官能以上のカップリング剤としては公知のものいずれでも良く、特に限定されない。例えば、3価以上のポリアルコール類;エポキシ化大豆油、ジグリシジルビスフェノールA等の多価エポキシ化合物;
式R4−nSiX(ただし、各Rはそれぞれ独立して炭素数1から20の炭化水素基を表し、各Xはそれぞれ独立してハロゲン原子を表し、nは3または4を表す)で表されるハロゲン化珪素化合物、例えばメチルシリルトリクロリド、t−ブチルシリルトリクロリド、四塩化珪素、及びこれらの臭素化物;式R4−nSnX(ただし、各Rはそれぞれ独立して炭素数1から20の炭化水素基を表し、各Xはそれぞれ独立してハロゲン原子を表し、nは3または4を表す)で表されるハロゲン化錫化合物、例えばメチル錫トリクロリド、t−ブチル錫トリクロリド、四塩化錫等の多価ハロゲン化合物が挙げられる。また、炭酸ジメチルや炭酸ジエチル等も多官能カップリング剤として使用できる。
上記のようにして得られたブロック共重合体の溶液は、必要に応じて触媒残渣残渣を除去し、ブロック重合体を溶液から分離することができる。溶媒の分離方法としては、例えばブロック共重合体溶液にアセトンまたはアルコール等のブロック共重合体に対する貧溶媒となる極性溶媒を加えて重合体を沈殿させて回収する方法、ブロック共重合体の溶液を攪拌下熱湯中に投入し、スチームストリッピングにより溶媒を除去して回収する方法、または直接ブロック共重合体溶液を加熱して溶媒を留去する方法等を挙げることができる。尚、本発明のブロック共重合体には、各種フェノール系安定剤、リン系安定剤、イオウ系安定剤、アミン系安定剤等の安定剤を添加することができる。
次に本発明に使用される成分(b)のアスファルトは、石油精製の際の副産物(石油アスファルト)。または天然の産出物(天然アスファルト)として得られるもの、もしくはこれらと石油類を混合したものなどを挙げることができ、その主成分は瀝青(ビチューメン)と呼ばれるものである。具体的にはストレートアスファルト、セミブローンアスファルト、ブローンアスファルト、タール、ピッチ、オイルを添加したカットバックアスファルト、アスファルト乳剤などを使用することができる。これらは混合して使用しても良い。本発明において好ましいアスファルトは、針入度が30〜300,好ましくは40〜200、更に好ましくは45〜150のストレートアスファルトである。本発明のアスファルト組成物において、ブロック共重合体の配合割合は、アスファルト100重量部に対して0.5〜25重量部、好ましくは1〜20重量部、更に好ましくは2〜15重量部である。
本発明においては、必要に応じて任意の添加剤を配合することができる。例えば、炭酸カルシウム,炭酸マグネシウム、タルク、シリカ、アルミナ、酸化チタン、ガラス繊維、ガラスビーズ等の無機充填剤、有機繊維、クマロンインデン樹脂等の有機補強剤、有機パーオキサイド、無機パーオキサイド等の架橋剤、チタン白、カーボンブラック、酸化鉄等の顔料、染料、難燃剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、滑剤、パラフィン系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイル、芳香族系プロセスオイル、パラフィン、有機ポリシロキサン,ミネラルオイル等の軟化剤・可塑剤、クマロンインデン樹脂、テルペン樹脂などの粘着付与樹脂、アタクチックポリプロピレン、エチレン−エチルアクリレート共重合体などのポリオレフィン系樹脂、低分子量のビニル芳香族系熱可塑性樹脂、天然ゴム、ポリイソプレンゴム、エチレン−プロピレンゴム、クロロプレンゴム、アクリルゴム、イソプレン−イソブチレンゴム、及び本発明以外のスチレン−ブタジエン系ブロック共重合体又はその水添物、スチレン−イソプレン系ブロック共重合体又はその水添物等の合成ゴム、イオウ等の加硫剤、加硫助剤、その他の増量剤あるいはこれらの混合物があげられる。特に、本発明のアスファルト組成物が道路舗装用として用いられる場合には、通常鉱物質の砕石、砂、スラグなどの骨材と混合して使用される。
本発明のアスファルト組成物を混合する方法は特に限定されるものではなく、所望により前記の各種添加剤と共に、例えば熱溶融釜、ニーダー、バンバリーミキサー、押出機などにより加熱溶融混練することにより調製することができるが160〜200℃(通常は、180℃前後)の温度で行なうことが好ましく、攪拌時間は好ましくは30分〜6時間、更に好ましくは2〜3時間である。攪拌速度に関しては、用いる装置により適時選択すればよいが、通常、100〜8,000rpmで行なう。
以下実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの例によって何ら限定されるものではない。
尚、実施例及び比較例において、ブロック共重合体の特性、アスファルト組成物の物性の測定等は、次のようにして行なった。
1.各種共重合体
1−1)スチレン含有量
スチレン含有量は、紫外分光光度計((株)島津製作所製、UV−2450)を用いて測定した。
1−2)カップリング部のピーク分子量
カップリング部のピーク分子量はGPC[装置は、(株)島津製作所製]で測定し、溶媒にはテトラヒドロフランを用い、測定条件は温度40℃で行なった。カップリング部のピーク分子量は、分子量の高い方のピーク分子量を市販の標準ポリスチレンの測定から求めた検量線(標準ポリスチレンのピーク分子量を使用して作成)を使用して求めた。
1−3)カップリング率
カップリング率は、上記から求めたブロック共重合体のGPCチャートから分子量の高い方のピーク面積をブロック共重合体全体のピーク面積で除した値から求めた。
1−4)粘度
ブロック共重合体の粘度は、キャピログラフ[装置は、(株)東洋精機製作所]で測定し、測定条件は剪断速度ω=1.22×10(sec−1)、温度180℃で行なった。
2.ブロック共重合体の作成
<ポリマー1>
内容積が10Lの攪拌装置及びジャッケト付き槽型反応器を用いて、共重合を以下の方法で行なった。
反応器を充分窒素置換した後、シクロヘキサン7000cc、テトラヒドロフラン1.0g、モノマーとしてスチレン200gを反応器に仕込んで温度60℃に調整した後、n−ブチルリチウムシクロヘキサン溶液(純分で1.05g)を添加し、スチレンの重合を開始した。スチレンが完全に重合してから、ブタジエン(1,3−ブタジエン)800gを約150秒間かけて一定速度で連続的に反応器に供給し、重合を継続
した。ブタジエンが完全に重合してから、カップリング剤として四塩化ケイ素を0.5g添加し、10分間、カップリング反応を行った。カップリング反応終了後にメタノールを添加し、次に安定剤としてオクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートを重合体の重量に対して0.3重量%添加し、ブロック共重合体(以下、ポリマー1と称する)を得た。ポリマー1のスチレン量は20%、カップリング部のピーク分子量は53万であった。また、カップリング率は92%であった。
<ポリマー2>
反応器に供給するモノマー等の量を変え、ポリマー1と同様に共重合体を得た。
n−ブチルリチウムの供給量を純分で0.95gとし、1段目に供給するスチレンを200gに、2段目に供給するブタジエンを800gに、またカップリング剤として四塩化ケイ素を0.43gに変えること以外は、同様の方法で重合を行なった。得られたブロック共重合体(以下、ポリマー2と称する)のスチレン量は20%、カップリング部のピーク分子量は66万、カップリング率は87%であった。
<ポリマー3>
反応器に供給するモノマー等の量を変え、ポリマー1と同様に共重合体を得た。
n−ブチルリチウムの供給量を純分で1.23gとし、1段目に供給するスチレンを180gに、2段目に供給するブタジエンを820gに、またカップリング剤として四塩化ケイ素を0.68gに変えること以外は、同様の方法で重合を行なった。得られたブロック共重合体(以下、ポリマー3と称する)のスチレン量は18%、カップリング部のピーク分子量は40万、カップリング率は95%であった。
<ポリマー4>
反応器に供給するモノマー等の量を変え、ポリマー1と同様に共重合体を得た。
n−ブチルリチウムの供給量を純分で1.14gとし、1段目に供給するスチレンを220gに、2段目に供給するブタジエンを780gに、またカップリング剤として四塩化ケイ素を0.64gに変えること以外は、同様の方法で重合を行なった。得られたブロック共重合体(以下、ポリマー4と称する)のスチレン量は22%、カップリング部のピーク分子量は40万、カップリング率は85%であった。
<ポリマー5>
反応器に供給するモノマー等の量を変え、ポリマー1と同様に共重合体を得た。
n−ブチルリチウムの供給量を純分で0.92gとし、1段目に供給するスチレンを220gに、2段目に供給するブタジエンを780gに、またカップリング剤として四塩化ケイ素を0.26gに変えること以外は、同様の方法で重合を行なった。得られたブロック共重合体(以下、ポリマー5と称する)のスチレン量は22%、カップリング部のピーク分子量は70万、カップリング率は60%であった。
<ポリマー6>
反応器に供給するモノマー等の量を変え、ポリマー1と同様に共重合体を得た。
n−ブチルリチウムの供給量を純分で1.05gとし、1段目に供給するスチレンを190gに、2段目に供給するブタジエンを810gに、またカップリング剤として四塩化ケイ素を0.31gに変えること以外は、同様の方法で重合を行なった。得られたブロック共重合体(以下、ポリマー6と称する)のスチレン量は19%、カップリング部のピーク分子量は68万、カップリング率は68%であった。
<ポリマー7>
反応器に供給するモノマー等の量を変え、ポリマー1と同様に共重合体を得た。
n−ブチルリチウムの供給量を純分で1.28gとし、1段目に供給するスチレンを160gに、2段目に供給するブタジエンを840gに、またカップリング剤として四塩化ケイ素を0.61gに変えること以外は、同様の方法で重合を行なった。得られたブロック共重合体(以下、ポリマー7と称する)のスチレン量は16%、カップリング部のピーク分子量は41万、カップリング率は75%であった。
<ポリマー8>
反応器に供給するモノマー等の量を変え、ポリマー1と同様に共重合体を得た。
n−ブチルリチウムの供給量を純分で1.27gとし、1段目に供給するスチレンを200gに、2段目に供給するブタジエンを800gに、またカップリング剤として四塩化ケイ素を0.67gに変えること以外は、同様の方法で重合を行なった。得られたブロック共重合体(以下、ポリマー8と称する)のスチレン量は20%、カップリング部のピーク分子量は30万、カップリング率は80%であった。
<ポリマー9>
反応器に供給するモノマー等の量を変え、ポリマー1と同様に共重合体を得た。
n−ブチルリチウムの供給量を純分で1.24gとし、1段目に供給するスチレンを240gに、2段目に供給するブタジエンを760gに、またカップリング剤として四塩化ケイ素を0.65gに変えること以外は、同様の方法で重合を行なった。得られたブロック共重合体(以下、ポリマー9と称する)のスチレン量は24%、カップリング部のピーク分子量は30万、カップリング率は75%であった。
<ポリマー10>
反応器に供給するモノマー等の量を変え、ポリマー1と同様に共重合体を得た。
n−ブチルリチウムの供給量を純分で0.9gとし、1段目に供給するスチレンを240gに、2段目に供給するブタジエンを760gに、またカップリング剤として四塩化ケイ素を0.4gに変えること以外は、同様の方法で重合を行なった。得られたブロック共重合体(以下、ポリマー10と称する)のスチレン量は24%、カップリング部のピーク分子量は74万、カップリング率は86%であった。
<ポリマー11>
反応器に供給するモノマー等の量を変え、ポリマー1と同様に共重合体を得た。
n−ブチルリチウムの供給量を純分で1.0gとし、1段目に供給するスチレンを200gに、2段目に供給するブタジエンを800gに、またカップリング剤として四塩化ケイ素を0.24gに変えること以外は、同様の方法で重合を行なった。得られたブロック共重合体(以下、ポリマー11と称する)のスチレン量は20%、カップリング部のピーク分子量は58万、カップリング率は43%であった。
3.アスファルト組成物の調整
実施例1〜5、比較例6〜10において、下記の要領でアスファルト組成物を製造した。750ミリリットルの金属缶にストレートアスファルト60−80[新日本石油(株)製]を500g投入し、180℃のオイルバスに金属缶を充分に浸した。次に、溶融状態のアスファルトの中に所定量のブロック共重合体を攪拌しながら少量づつ投入した。完全投入後5000rpmの回転速度で90分間攪拌してアスファルト組成物を調整した。
4.アスファルトの組成物の特性
4−1)軟化点(リング&ボール法)
JIS−K 2207に準じて、組成物の軟化点を測定した。規定の環に試料を充填し、水中に水平に支え、試料の中央に3.5gの球を置き、液温を5℃/minの速度で上昇させたとき、球の重さで試料が環台の底板に触れた時の温度を測定した。
4−2)溶融粘度
180℃でブルックフィールド型粘度計により測定した。
4−3)針入度
JIS−K 2207に準じ、恒温水浴槽で25℃に保った試料に規定の針が5秒間に進入する長さを測定した。
4−4)伸度
JIS−K 2207に準じ、試料を形枠に流し込み、規定の形状にした後、恒温水浴内で15℃に保ち、次に試料を5cm/minの速度で引っ張ったとき、試料が切れるまでに伸びた距離を測定した。
4−5)タフネス、テナシティ
日本道路協会規定の方法に準じ、直径2cmの金属半球の球面を下にして、直径5cm、深さ2.7cmのアルミ容器のアスファルト試料中に埋め、25℃の温度で50cm/minの速度で引き抜くとき半球にかかる荷重を縦軸に、変位を横軸に記録し、トータルのエネルギーをタフネス、すその部分のエネルギーをテナシティとして測定した。
[実施例1〜5、比較例6〜11]
ブロック共重合体としてポリマー1〜11を用い、ブロック共重合体の添加量を3.5%とし、アスファルト組成物を得た。その特性を表1に示す。
Figure 0004672446
本発明のアスファルト組成物は、道路舗装用、ルーフィング・防水シート用、シーラントの分野で利用でき、低配合量のブロック共重合体を含有させた場合でも、著しく高い軟化点、伸度、凝集力を有し、加工性の優れるアスファルト組成物が得られることから、特に道路舗装用の分野で好適に利用できる。

Claims (2)

  1. ビニル芳香族炭化水素と共役ジエンとのブロック共重合体(a)0.5〜25重量部、及びアスファルト(b)100重量部を包含するアスファルト組成物であり、成分(a)が少なくとも1つのビニル芳香族炭化水素を主とする重合体ブロックと少なくとも1つの共役ジエンのみからなる重合体ブロックから成り、
    次の特性(1)〜(4)を有することを特徴とするブロック共重合体。
    (1)ビニル芳香族炭化水素の含有量[S]が17〜23重量%であり、
    (2)カップリング部のピーク分子量[M]が35万〜75万であり、
    (3)上記のビニル芳香族炭化水素の含有量[S]とブロック共重合体のピーク分子量[M](単位:万)との関係が
    5[S]≧[M]+30
    であり、
    (4)カップリング率が50%以上で3官能以上のカップリング構造のブロック共重合体である。
  2. 成分(a)が、下記のポリマー構造を有するブロック共重合体であることを特徴とする請求項1に記載のアスファルト組成物。
    (A−B)−X
    (ただし、Aはビニル芳香族炭化水素を主とする重合体ブロックであり、Bは共役ジエンのみからなる重合体ブロックである。Xはカップリング剤の残基を示す。)
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