JP6521696B2 - アスファルト組成物 - Google Patents
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すなわち、本発明は、以下の通りである。
無機酸化物(b)を5質量%以上45質量%以下、及び
アスファルト(c)を50質量%以上93.5質量%以下含むアスファルト組成物であ
って、
前記重合体(P−a)が、ビニル芳香族単量体単位を主体とする重合体ブロック(S)
、及び共役ジエン単量体単位とビニル芳香族単量体単位とを含む共重合体ブロック(SB
)を含有し、当該重合体(P−a)中の共役ジエン単量体単位中の二重結合の水素添加率が10モル%以上であり、
前記無機酸化物(b)が炭酸カルシウムである、
防水シート用アスファルト組成物。
前記重合体(P−a)と前記重合体(P−b)の合計含有量が1質量%以上20質量%
以下である、上記1に記載の防水シート用アスファルト組成物。
が1.2未満である、上記2又は3に記載の防水シート用アスファルト組成物。
本実施形態のアスファルト組成物は、
重合体(P−a)を1質量%以上20質量%以下、
無機酸化物(b)を5質量%以上45質量%以下、及び
アスファルト(c)を50質量%以上93.5質量%以下含むアスファルト組成物であって、
前記重合体(P−a)が、ビニル芳香族単量体単位を主体とする重合体ブロック(S)、及び共役ジエン単量体単位とビニル芳香族単量体単位とを含む共重合体ブロック(SB)を含有する。
本実施形態のアスファルト組成物に含まれる各化合物について以下説明する。
本実施形態のアスファルト組成物に含まれる重合体(P−a)は、ビニル芳香族単量体単位を主体とする重合体ブロック(S)、及び共役ジエン単量体単位とビニル芳香族単量体単位とを含む共重合体ブロック(SB)を含有する。
本実施形態において、重合体ブロック(S)とは、ビニル芳香族単量体単位を主体とするブロックである。ここで「ビニル芳香族単量体単位を主体とする」とは、重合体ブロック(S)中にビニル芳香族単量体単位を、95質量%を超えて、100質量%以下含むことをいい、好ましくは96質量%以上100質量%以下含むことをいい、より好ましくは97質量%以上100質量%以下含むことをいう。また、重合体ブロック(S)中のビニル芳香族単量体単位の平均重合度は30より大きいことが好ましい。
重合体ブロック(S)の含有量(質量%)=(ビニル芳香族重合体ブロック成分の質量/重合体の質量)×100
本実施形態において、共重合体ブロック(SB)とは、共役ジエン単量体単位とビニル芳香族単量体単位とを含むブロックであり、好ましくは、ビニル芳香族単量体単位の含有量が5質量%以上95質量%以下であり、かつ、共役ジエン単量体単位の含有量が5質量%以上95質量%以下であるブロックである。また、共重合体ブロック(SB)中の共役ジエン単量体単位とビニル芳香族単量体単位との含有量の合計が95質量%以上であることが好ましく、98質量%以上であることがより好ましく、100質量%であってもよい。
なお、共重合体ブロック(SB)中のビニル芳香族単量体単位の含有量(RS)は、重合体(P−a)中のビニル芳香族単量体単位の含有量(TS)から、上記重合体ブロック(S)の含有量(BS)を除いて求めることができる。
RS(質量%)=(TS−BS)/(100−BS)×100
ここで「1,2−結合及び/又は3,4−結合に由来する共役ジエン単量体単位(a)」とは、共役ジエン単量体が1,2−結合及び/又は3,4−結合で重合した結果生じる、共役ジエン単量体1個当たりの単位であり、以下、単に「共役ジエン単量体単位(a)と記載することもある。また「1,4−結合に由来する共役ジエン単量体単位(b)」とは、共役ジエン化合物が1,4−結合で重合した結果生じる、共役ジエン化合物1個当たりの単位であり、以下、単に「共役ジエン単量体単位(b)」と記載することもある。
(S−SB)n+1、S−(SB−S)n、SB−(S−SB)n+1、[(S−SB)n]m−X、[(SB−S)n−SB]m−X、[(S−SB)n−S]m−X、[(SB−S)n+1]m−X
(上記各式において、各Sは、それぞれ独立して重合体ブロック(S)を表す。各SBはそれぞれ独立して共重合体ブロック(SB)を表す。各nは、それぞれ独立して1以上の整数であり、好ましくは1〜5の整数である。各mはそれぞれ独立して2以上の整数であり、好ましくは2〜11の整数である。各Xは、それぞれ独立してカップリング剤の残基又は多官能開始剤の残基を表す。)
なお、多官能開始剤とは、後述の多官能カップリング剤のことを意味する。
重合体(P−a)は、上記構造のうちS−SB−S構造であると、アスファルト組成物の軟化点が高くなり、低温での高い柔軟性及びすぐれた機械特性が得られるため好ましい。
本実施形態のアスファルト組成物が含む重合体(P−a)の製造方法は、特に限定されないが、例えば、炭化水素溶媒中で有機アルカリ金属化合物等の重合開始剤を用いてアニオンリビング重合により製造することができる。
本実施形態において、重合体(P−a)はブロック共重合体を水素添加(水添)したものであってもよい。ブロック共重合体を水添する場合の製造方法については特に限定はなく、公知の方法を用いることができる。
上記末端変性剤の使用量は、ベースとなる重合体のリビング末端1当量に対して、0.5〜5当量で使用することが推奨される。
本実施形態のアスファルト組成物が含む無機酸化物は、酸素原子を有する無機化合物である。無機酸化物(b)としては、特に限定されないが、例えば、炭酸カルシウム、クレー、タルク、ケイ酸マグネシウム、シリカ、ウォラスナイト、ゼオライト、チタン酸カリウム・ウィスカ、珪砂、軽石粉、硫酸アルミニウム、硫酸バリウム、リトポン、硫酸カルシウム、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、酸化チタン、酸化亜鉛等が挙げられる。中でも、炭酸カルシウム、シリカが好ましい。これらは、1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
本実施形態のアスファルト組成物が含むアスファルト(c)としては、特に限定されないが、例えば、石油精製の際の副産物(石油アスファルト)、または天然の産出物(天然アスファルト)として得られるもの、もしくはこれらと石油類を混合したもの等が挙げられる。その主成分は瀝青(ビチューメン)と呼ばれるものである。具体的には、ストレートアスファルト、セミブローンアスファルト、ブローンアスファルト、タール、ピッチ、オイルを添加したカットバックアスファルト、アスファルト乳剤等が挙げられる。これらは、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
本実施形態のアスファルト組成物は、重合体(P−b)を含んでもよい。ここで、重合体(P−b)は、ビニル芳香族単量体単位を主体とする重合体ブロック(S)、及び共役ジエン単量体単位を主体とする重合体ブロック(B)を含有する。なお、本実施形態において、重合体ブロック(S)と共重合体ブロック(SB)とを含む重合体は上記重合体(P−a)に該当するものとし、重合体(P−b)とは異なるものとする。アスファルト組成物が重合体(P−b)を含むと、アスファルト組成物の低温での柔軟性、生産時間の短縮等の効果がより高く得られる傾向にあるため好ましい。
(S−B)n (i)
B−(S−B)n (ii)
S−(B−S)n (iii)
S−(B−S)n−X (iv)
[(S−B)k]m−X (v)
[(S−B)k−S]m−X (vi)
(上記式(i)〜(vi)中、Sは、ビニル芳香族単量体単位を主体とするブロックを表し、Bは、共役ジエン単量体単位を主体とするブロックを表し、Xは、カップリング剤の残基又は多官能有機リチウム等の重合開始剤の残基を表し、m、n及びkは、それぞれ独立に、1以上の整数を表し、1〜5の整数であることが好ましい。また、1つの化合物中に複数のS及び/又はBを含むとき、これらは互いに同一であっても異なっていてもよい。)
本実施形態のアスファルト組成物は、軟化剤(d)を含むことが好ましい。軟化剤としては、特に制限されず、具体的には、公知のパラフィン系やナフテン系のプロセスオイル及びこれらの混合オイルを使用することができる。このなかでも、軟化剤としては、低温での柔軟性及び色調の観点から、ナフテン系プロセスオイル(例えば、出光興産(株)製:ダイアナプロセスオイルNS−100)が好ましく使用できる。
本実施形態のアスファルト組成物は、上述した重合体(P−a)、重合体(P−b)、アスファルト、無機酸化物、軟化剤の他、以下の各成分を含んでもよい。
本実施形態のアスファルト組成物には、オレフィン系ポリマーを添加してもよい。オレフィン系ポリマーとしては、特に限定されないが、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、アタクチックポリプロピレン、非晶性ポリアルファオレフィン等のオレフィン系ポリマーやポリプロピレンとエチレン・プロピレン共重合体とのブレンド、ポリプロピレンとエチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体とのブレンド、ポリプロピレンとポリエチレン等の共重合体であるオレフィン系熱可塑性エラストマー等が挙げられる。これらは一種を単独で使用しても、二種以上を併用してもよい。
本実施形態のアスファルト組成物は、粘着付与剤樹脂を含んでもよい。粘着付与剤樹脂としては、特に限定されるものではなく、例えば、ロジン系樹脂、水添ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、クマロン系樹脂、フェノール系樹脂、テルペン−フェノール系樹脂、芳香族炭化水素樹脂、脂肪族炭化水素樹脂等の公知の粘着付与性樹脂が挙げられる。
本実施形態のアスファルト組成物は、酸化防止剤、光安定剤等の各種安定剤を含んでもよい。
本実施形態のアスファルト組成物は、その他、必要に応じて、従来、アスファルト組成物に慣用されている各種添加剤を含んでもよい。
本実施形態のアスファルト組成物は、ゴム加硫剤、架橋剤、可塑剤、造核剤(以下、「その他の成分」とも記載する)等を含んでもよい。
本実施形態のアスファルト組成物の製造方法は、特に限定されるものではなく、公知の混合機、熱溶融釜、ニーダー等により各成分を加熱溶融混練し、均一混合する方法で製造できる。
[I.重合体の組成及び構造の評価]
(I−1)重合体中のビニル芳香族単量体単位の含有量(スチレン含有量)
一定量の重合体をクロロホルムに溶解し、紫外分光光度計(島津製作所製、UV−2450)を用いて、ビニル芳香族化合物(スチレン)に起因する吸収波長(262nm)のピーク強度から検量線を用いてビニル芳香族単量体単位(スチレン)の含有量を算出した。
水添前の重合体を使用し、I.M.Kolthoff,etal.,J.Polym.Sci.1,p.429(1946)に記載の四酸化オスミウム酸法で測定した。重合体の分解にはオスミウム酸0.1g/125mL第3級ブタノール溶液を用いた。
重合体中のビニル結合量及び共役ジエン単量体単位中の二重結合の水素添加率を、核磁気共鳴スペクトル解析(NMR)により、下記の条件で測定した。水添反応後のブロック共重合体を、大量のメタノール中に沈澱させることで、重合体を沈殿させて回収した。次いで、重合体をアセトンで抽出し、抽出液を真空乾燥し、1H−NMR測定のサンプルとして用いた。1H−NMR測定の条件を以下に記す。
(測定条件)
測定機器 :JNM−LA400(JEOL製)
溶媒 :重水素化クロロホルム
測定サンプル :ブロック共重合体を水素添加する前後の抜き取り品
サンプル濃度 :50mg/mL
観測周波数 :400MHz
化学シフト基準:TMS(テトラメチルシラン)
パルスディレイ:2.904秒
スキャン回数 :64回
パルス幅 :45°
測定温度 :26℃
GPC〔装置は、ウォーターズ製〕で測定し、溶媒にはテトラヒドロフランを用い、温度35℃でクロマトグラムを測定した。市販の標準ポリスチレンの測定から求めた検量線(標準ポリスチレンのピーク分子量を使用して作成)を使用して、得られたクロマトグラムからピーク分子量、重量平均分子量(ポリスチレン換算分子量)を求めた。
シリカ系ゲルを充填剤としたGPCカラムに、変性した成分が吸着する特性を応用し、試料及び低分子量内部標準ポリスチレンを含む試料溶液に関して、上記(I−4)の標準ポリスチレンのGPCと、シリカ系カラムGPC(デュポン社製Zorbax)の両クロマトグラムを測定し、それらの差分よりシリカカラムへの吸着量を測定し変性率を求めた。
上記(I−4)で求めたGPCチャートより、全体のピーク面積に対するカップリング部(分子量の大きい方のピーク)のピーク面積の割合から求めた。
JIS−K 2207に準じ、恒温水浴槽で25℃に保った試料に規定の針が5秒間に進入する長さを測定することにより、アスファルトの針入度を求めた。
(III−1)生産時間
溶融アスファルトの中に後述するポリマー等を添加した後、目視によりポリマーの粒がなくなった時点から5分毎に、ごく少量の溶融したサンプル組成物をスライドガラス板の上に載せ、180℃に加熱したホットプレートにスライドガラスを載せ、20秒〜30秒後にカバーガラスをアスファルト組成物の上に載せ、アスファルト組成物が半透明になるまでカバーガラスを押し付け、自然冷却する。半透明になったアスファルト組成物を2,000倍の光学顕微鏡で観察し、ポリマーの塊の径が1μm以下になった時点を生産時間とした。生産時間が、120分以下であれば実用上十分な生産性、110分以下であれば実用上優れた生産性であり、さらに90分以下であれば非常に優れた生産性であると判断した。
JIS−K2207に準じて、アスファルト組成物の軟化点を測定した。規定の環に試料を充填し、グリセリン液中に水平に支え、試料の中央に3.5gの球を置き、液温を5℃/minの速度で上昇させたとき、球の重さで試料が環台の底板に触れた時の温度を測定した。軟化点の測定値(℃)が、110℃以上であれば実用上十分な性能、120℃以上であれば実用上優れた性能であり、さらに130℃以上であれば実用上非常に優れた性能であると判断した。軟化点が130℃以上であると、防水シート用途としても非常に優れると判断した。
アスファルト組成物を、150℃プレスにて、2mm厚みのシートを作成し、シートの大きさを20mm×100mmの大きさに切出し、温度調整されたドライアイス−エタノール液に10分間以上浸漬後、シートを取出し、素早く直径20mmの金属棒にシートの長手方向を曲げるように巻き付け、シートのひびや割れが発生しない最低の温度を測定した。測定値が−10℃以下であれば実用上十分な性能、−15℃以下であれば実用上優れたな性能であり、さらに−20℃以下であれば優れた性能、−25℃以下であれば非常に優れた性能であると判断した。
アスファルト組成物をスライドガラス板の上に載せ、180℃に加熱したホットプレートにスライドガラスを載せ、20秒〜30秒後にカバーガラスをアスファルト組成物の上に載せ、アスファルト組成物が半透明になるまでカバーガラスを押し付け、自然冷却した。半透明になったアスファルト組成物を2,000倍の光学顕微鏡で観察した。2,000倍の画面で200μm×100μmの画面内で接触している無機酸化物の数が2個以内であれば実用上十分な分散性、接触している無機酸化物の数が1個以内であれば実用上優れた分散性、接触している無機酸化物の数が0個であれば非常に優れた分散性であると判断した。
アスファルト組成物を、150℃プレスにて、2mm厚みのシートを作成し、JISK6251のダンベル状6号形の打抜き刃でカットし、ダンベル状の引張試験サンプルを得た。得られた引張試験サンプルを引張試験機(ミネベア(株)製:万能引張圧縮試験機、型式:TechnoGraghTGE−500N)を用いて、引張速度500mm/minで引張試験を行った。引張試験の結果、破断応力が1.2MPa以上であれば実用上十分な性能、1.5MPa以上であれば実用上優れた性能であり、さらに2.0MPa以上であれば実用上非常に優れた性能であると判断した。破断応力が、2.0MPa以上であれば、防水シート用途としても非常に優れた性能であると判断した。また、破断伸びが1000%以上であれば実用上十分な性能、1200%以上であれば実用上優れた性能であり、さらに1500%以上であれば実用上非常に優れた性能であると判断した。破断伸びが1500%以上であると、防水シート用途としても非常に優れた性能であると判断した。
窒素置換した反応容器に乾燥、精製したシクロヘキサン2リットルを仕込み、ビス(η5−シクロペンタジエニル)チタニウムジ−(p−トリル)40ミリモルと分子量が約1,000の1,2−ポリブタジエン(1,2−ビニル結合量約85%)150グラムを溶解した後、n−ブチルリチウム60ミリモルを含むシクロヘキサン溶液を添加して室温で5分反応させ、直ちにn−ブタノール40ミリモルを添加攪拌して室温で保存し、水添触媒を調製した。
<ポリマー1>
内容積が100Lの攪拌装置及びジャケット付き槽型反応器を用いて、重合を以下の方法で行った。
シクロヘキサン43.8kgを反応器に仕込んで温度60℃に調整した後、モノマーとしてスチレン13.7質量部を含有するシクロヘキサン溶液(モノマー濃度22質量%)を約3分間かけて添加し、その後n−ブチルリチウムを36.7mL、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン(以下TMEDAと称する)を6.5mL添加し、反応を開始させた。
次に、反応器内の温度が最高値を示してから3分間後に、スチレン21質量部を含有するシクロヘキサン溶液(モノマー濃度22質量%)を2分間かけて一定速度で連続的に反応器に供給した後、ブタジエン22質量部を含有するシクロヘキサン溶液(モノマー濃度22質量%)を6分間かけて一定速度で連続的に反応器に供給後、0.5分間経過後、さらにブタジエン32質量部を22分間かけて一定速度で連続的に反応器に供給し、反応させた。
その後、反応器の温度が最高温度に到達した後、5分後、更にモノマーとしてスチレン11.3質量部を含有するシクロヘキサン溶液(モノマー濃度22質量%)を約1分間かけて添加し、5分間保持させた。
次に、反応終了後にメタノールを0.8mL添加し、次に安定剤としてオクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートをブロック共重合体の質量に対して0.3質量%添加し、ブロック共重合体(以下、「ポリマー1」と称する)を得た。
ポリマー1と同様の方法で3段目のスチレンを重合し、得られたブロック共重合体に、上記水添触媒をブロック共重合体の質量に対してチタンとして26質量ppm添加し、水素圧0.7MPa、温度65℃で水添反応を行った。反応終了後にメタノールを0.65mL添加し、次に安定剤としてオクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートをブロック共重合体の質量に対して0.3質量%添加し、水添ブロック共重合体(以下、「ポリマー2」と称する)を得た。
ポリマー1と同様の方法で3段目のスチレンを重合し、得られたブロック共重合体に、上記水添触媒をブロック共重合体の質量に対してチタンとして65質量ppm添加し、水素圧0.7MPa、温度65℃で水添反応を行った。反応終了後にメタノールを0.55mL添加し、次に安定剤としてオクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートをブロック共重合体の質量に対して0.3質量%添加し、水添ブロック共重合体(以下、「ポリマー3」と称する)を得た。
ポリマー1と同様の方法で3段目のスチレンを重合し、得られたブロック共重合体に、上記水添触媒をブロック共重合体の質量に対してチタンとして95質量ppm添加し、水素圧0.7MPa、温度65℃で水添反応を行った。反応終了後にメタノールを0.45mL添加し、次に安定剤としてオクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートをブロック共重合体の質量に対して0.3質量%添加し、水添ブロック共重合体(以下、「ポリマー4」と称する)を得た。
内容積が100Lの攪拌装置及びジャケット付き槽型反応器を用いて、重合を以下の方法で行った。シクロヘキサン43.8kgを反応器に仕込んで温度60℃に調整した後、モノマーとしてスチレン30質量部を含有するシクロヘキサン溶液(モノマー濃度22質量%)を4分間かけて一定速度で連続的に反応器に供給した後、ブタジエン32質量部を含有するシクロヘキサン溶液(モノマー濃度22質量%)を9分間かけて一定速度で連続的に反応器に供給後、n−ブチルリチウムを40.7mL、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン(以下TMEDAと称する)を8.5mL添加し、反応を開始させた。0.5分間経過後、さらにブタジエン38質量部を25分間かけて一定速度で連続的に反応器に供給し、反応させた。その後、反応器の温度が最高温度に到達した後、5分後に上記水添触媒を重合体の質量に対してチタンとして95質量ppm添加し、水素圧0.7MPa、温度65℃で水添反応を行った。反応終了後にメタノールを0.8mL添加し、次に安定剤としてオクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートをブロック共重合体の質量に対して0.3質量%添加し、ブロック共重合体(以下、「ポリマー5」と称する)を得た。
内容積が100Lの攪拌装置及びジャケット付き槽型反応器を用いて、重合を以下の方法で行った。
(1段目)
シクロヘキサン43.5kgを反応器に仕込んで温度60℃に調整した後、モノマーとしてスチレン11質量部を含有するシクロヘキサン溶液(モノマー濃度22質量%)を約3分間かけて添加し、その後n−ブチルリチウムを37.3mL、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン(以下、「TMEDA」と称する)を6.6mL添加し、反応を開始させた。
(2段目)
次に、反応器内の温度が最高値を示した後3分間後に、スチレン22質量部を含有するシクロヘキサン溶液(モノマー濃度22質量%)を2分間かけて一定速度で連続的に反応器に供給した後、ブタジエン22質量部を含有するシクロヘキサン溶液(モノマー濃度22質量%)を6分間かけて一定速度で連続的に反応器に供給後、0.5分間経過後、さらにブタジエン36質量部を20分間かけて一定速度で連続的に反応器に供給し、反応させた。
(3段目)
その後、反応器の温度が最高温度に到達した後、3分後、更にモノマーとしてスチレン9質量部を含有するシクロヘキサン溶液(モノマー濃度22質量%)を約1分間かけて添加し、5分間保持させた。
次に、得られたブロック共重合体に1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(以下、「DMI」と称する)を8.6mL添加し、10分間末端変性反応を行なった。さらに、得られたブロック共重合体に、上記水添触媒をブロック共重合体の質量に対してチタンとして95ppm添加し、水素圧0.7MPa、温度65℃で水添反応を行った。反応終了後にメタノールを0.45mL添加し、次に安定剤としてオクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートをブロック共重合体の質量に対して0.3質量%添加し、水添ブロック共重合体(以下、「ポリマー6」と称する)を得た。
内容積が100Lの攪拌装置及びジャケット付き槽型反応器を用いて、重合を以下の方法で行った。
(1段目)
シクロヘキサン42.7kgを反応器に仕込んで温度60℃に調整した後、モノマーとしてスチレン20質量部を含有するシクロヘキサン溶液(モノマー濃度22質量%)を約3分間かけて添加し、その後n−ブチルリチウムを47.4mL、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン(以下TMEDAと称する)を8.4mL添加し、反応を開始させた。
(2段目)
次に、反応器内の温度が最高値を示した後3分後に、スチレン22質量部を含有するシクロヘキサン溶液(モノマー濃度22質量%)を2分間かけて一定速度で連続的に反応器に供給した後、ブタジエン22質量部を含有するシクロヘキサン溶液(モノマー濃度22質量%)を6分間かけて一定速度で連続的に反応器に供給後、0.5分間経過後、さらにブタジエン34質量部を25分間かけて一定速度で連続的に反応器に供給し、反応させた。
(3段目)
その後、反応器の温度が最高温度に到達してから3分後、更にモノマーとしてブタジエン2質量部を含有するシクロヘキサン溶液(モノマー濃度22質量%)を約1分間かけて添加し、5分間保持させた。
350gの針入度が150〜200のストレートアスファルト(JX日鉱日石エネルギー(株)製)を750ccの容器に入れ、容器を180℃のオイルバスに浸漬し、ストレートアスファルトを完全溶解させた。
次に、撹拌回転数2000rpmでストレートアスファルトをホモミキサーで撹拌しながら、上述のように得られた重合体(ポリマー4)45.2gを、少しずつストレートアスファルト中に添加した。添加終了後、撹拌回転数を3000rpmに上げ、上記の生産時間を決める方法に従って、撹拌時間を決め、アスファルト組成物を得た。次に、予め180℃のオーブン中に入れておいた炭酸カルシウム(白石カルシウム(株)製、ホワイトンSB)169gを上記の溶融状態のアスファルト組成物中に投入し、炭酸カルシウムの粉が見えなくなるまでスパチュラを使って、手で撹拌した。次に、撹拌羽根を4枚羽根のプロペラに変更し、撹拌回転数を3000rpmにし、1時間混練してアスファルト組成物を得た。得られたアスファルト組成物の物性を、表2に示した。
表2に示すように、ポリマー4、アスファルト、及び無機酸化物としての炭酸カルシウムの配合率を変えた以外は、実施例1と同様にしてアスファルト組成物を得た。得られた各アスファルト組成物の物性を、表2に示した。
表3に示すように、ポリマーの種類及び配合率、アスファルトの配合率、無機酸化物と
しての炭酸カルシウムの配合率を変えた以外は実施例1と同様にしてアスファルト組成物
を得た。得られたアスファルト組成物の物性を、表3に示した。
表4に示すように、重合体(P−a)に加え、重合体(P−b)を用い、それぞれの重合体、アスファルト、及び無機酸化物としての炭酸カルシウムの配合率を変えた以外は実施例1と同様にしてアスファルト組成物を得た。得られたアスファルト組成物の物性を、表4に示した。なお、使用した重合体(P−a)は、ポリマー4であり、重合体(P−b)は、以下の通りである。
SBS2:アサプレンT411(旭化成ケミカルズ(株)製)、重合体ブロック(S)の含有量=30質量%、25質量%トルエン溶液粘度=20200mPa・s、1,2−結合含有量=13%、重量平均分子量=40.2万、分岐構造
表5に示すように、ポリマー4、アスファルト、及び無機酸化物としての炭酸カルシウムの配合率を変え、かつ、オイルを表5に示す配合率で加えた以外は、実施例1と同様にしてアスファルト組成物を得た。得られたアスファルト組成物の物性を、表5に示した。なお、オイルは、ナフテン系プロセスオイル(出光興産(株)製、ダイアナプロセスオイルNS−90S)を使用し、アスファルトが入った容器を180℃のオイルバスに浸漬する前に、オイルを計量しアスファルト入り容器に入れた。
Claims (11)
- 重合体(P−a)を1質量%以上20質量%以下、
無機酸化物(b)を5質量%以上45質量%以下、及び
アスファルト(c)を50質量%以上93.5質量%以下含むアスファルト組成物であ
って、
前記重合体(P−a)が、ビニル芳香族単量体単位を主体とする重合体ブロック(S)
、及び共役ジエン単量体単位とビニル芳香族単量体単位とを含む共重合体ブロック(SB
)を含有し、当該重合体(P−a)中の共役ジエン単量体単位中の二重結合の水素添加率が10モル%以上であり、
前記無機酸化物(b)が炭酸カルシウムである、
防水シート用アスファルト組成物。 - ビニル芳香族単量体単位を主体とする重合体ブロック(S)、及び共役ジエン単量体単
位を主体とする重合体ブロック(B)を含有し、かつ共役ジエン単量体単位とビニル芳香族単量体単位とを含む共重合体ブロック(SB)を含有しない重合体(P−b)をさらに含み、
前記重合体(P−a)と前記重合体(P−b)の合計含有量が1質量%以上20質量%
以下である、請求項1に記載の防水シート用アスファルト組成物。 - 前記重合体(P−a)と前記重合体(P−b)の質量比(W(P−a)/W(P−b)
)が0.1〜4である、請求項2に記載の防水シート用アスファルト組成物。 - 前記重合体(P−a)中のビニル芳香族単量体単位を主体とする重合体ブロック(S)
の含有量(質量%)と、前記重合体(P−b)中のビニル芳香族単量体単位を主体とする
重合体ブロック(S)の含有量(質量%)の比(WS(P−a)/WS(P−b))が1
.2未満である、請求項2又は3に記載の防水シート用アスファルト組成物。 - 前記重合体(P−a)中の共役ジエン単量体単位中の1,2−結合(ビニル結合)含有
量(質量%)と、前記重合体(P−b)中の共役ジエン単量体単位中の1,2−結合(ビ
ニル結合)含有量(質量%)の比(WV(P−a)/WV(P−b))が1.5以上であ
る、請求項2〜4のいずれか一項に記載の防水シート用アスファルト組成物。 - 前記重合体(P−b)が、ラジアル構造を有する、請求項2〜5のいずれか一項に記載の防水シート用アスファルト組成物。
- 前記重合体(P−a)が、水酸基、酸無水物基、エポキシ基、アミノ基、シラノール基
、及びアルコキシシラン基からなる群から選ばれる少なくとも一つを含む官能基を有する
、請求項1〜6のいずれかに記載の防水シート用アスファルト組成物。 - 前記官能基が窒素原子を含有する、請求項7に記載の防水シート用アスファルト組成物。
- 前記官能基が、窒素原子及び酸素原子を含有する、請求項7又は8に記載の防水シート用アスファルト組成物。
- 軟化剤(d)を0.5〜10質量%さらに含む、請求項1〜9のいずれか一項に記載の防水シート用アスファルト組成物。
- 請求項1〜10のいずれか一項に記載の防水シート用アスファルト組成物を含む防水シート。
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