JP6917252B2 - アスファルト組成物及び防水シート - Google Patents

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Description

本発明は、アスファルト組成物及び防水シートに関する。
従来から、アスファルト組成物は、道路舗装、防水シート、遮音シート、ルーフィング等の用途に広く利用されている。
前記アスファルト組成物を各種用途に利用する際には、アスファルトに種々の重合体を添加して、アスファルトの性質を改良しようとする試みが多くなされている。
前記重合体としては、例えば、共役ジエン単量体単位とビニル芳香族単量体単位とを有するブロック共重合体が挙げられる。
特に、ビニル芳香族化合物と共役ジエン化合物とのブロック共重合体をアスファルトに添加してアスファルトを改質する試みがなされており、例えば、種々の特定の構造を有するブロック共重合体を添加して、アスファルトの諸特性を改良する技術が提案されている(例えば、特許文献1〜3参照)。
特開平1−101371号公報 特開2006−299024号公報 特開2001−164081号公報
しかしながら、特許文献1〜3に開示されている技術においては、軟化点、低粘度、及び粘着性のバランスが未だ不十分であり、さらなる改善が望まれている。また、オイル等の添加剤を用いた場合に、時間の経過によりブリードが発生し粘着性が悪化するという問題も有している。
そこで本発明においては、粘度が低く、軟化点が高く、粘着性が高く、オイルブリード性が低いアスファルト組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上述した従来技術の課題を解決するため、鋭意検討を行った結果、特定の分子構造を有するブロック共重合体をアスファルトと組み合わせることにより、製造時の混合温度が低く、粘度が低く、また、高い軟化点、高い粘着性、及び低いオイルブリード性を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下の通りである。
〔1〕
ビニル芳香族単量体と共役ジエン単量体とを含み、共役ジエン単量体の一部が水素添加
されているブロック共重合体(a)と、
ビニル芳香族単量体と共役ジエン単量体とを含むブロック共重合体(b)と、
アスファルト(c)と、
を、含有し、
前記ブロック共重合体(b)は、ビニル芳香族単量体単位を主体とする重合体ブロック
及び共役ジエン単量体単位を主体とする重合体ブロックを有するブロック共重合体(b−
1)と、ビニル芳香族単量体単位を主体とする重合体ブロック及び共役ジエン単量体単位
を主体とする重合体ブロックを有するブロック共重合体(b−2)とを含み、
前記ブロック共重合体(b−1)は、ビニル芳香族単量体単位を主体とする重合体ブロ
ックを1つ及び共役ジエン単量体単位を主体とする重合体ブロックを1つ有し、
前記ブロック共重合体(b−2)は、ビニル芳香族単量体単位を主体とする重合体ブロ
ックを2つ以上及び共役ジエン単量体単位を主体とする重合体ブロックを1つ以上有し、
前記ブロック共重合体(a)と前記ブロック共重合体(b)の合計量が7質量%以上2
0質量%以下であり、
前記アスファルト(c)が、80質量%以上93質量%以下であり、
前記ブロック共重合体(a)と前記ブロック共重合体(b)との質量比率が、(a)/
(b)=10〜55/90〜45である、アスファルト組成物。
〔2〕
前記ブロック共重合体(a)と前記ブロック共重合体(b)との質量比率が、(a)/
(b)=10〜28/90〜72である、前記〔1〕に記載のアスファルト組成物。
〔3〕
前記ブロック共重合体(b−1)と、前記ブロック共重合体(b−2)の質量比率が、
(b−1)/(b−2)=60〜95/40〜5であり、
前記ブロック共重合体(b)中のビニル芳香族単量体単位の含有量が、15質量%以上
40質量%以下である、前記〔1〕又は〔2〕に記載のアスファルト組成物。
〔4〕
前記ブロック共重合体(a)は、ビニル芳香族単量体単位を主体とする重合体ブロック
及び共役ジエン単量体単位を主体とする重合体ブロックを有するブロック共重合体(a−
1)と、ビニル芳香族単量体単位を主体とする重合体ブロック及び共役ジエン単量体単位
を主体とする重合体ブロックを有するブロック共重合体(a−2)とを含み、
前記ブロック共重合体(a−1)は、ビニル芳香族単量体単位を主体とする重合体ブロ
ックを1つ及び共役ジエン単量体単位を主体とする重合体ブロックを1つ有し、
前記ブロック共重合体(a−2)は、ビニル芳香族単量体単位を主体とする重合体ブロ
ックを2つ以上及び共役ジエン単量体単位を主体とする重合体ブロックを1つ以上有して
いる、前記〔1〕乃至〔3〕のいずれか一に記載のアスファルト組成物。
〔5〕
前記ブロック共重合体(a−1)と前記ブロック共重合体(a−2)との質量比率が、
(a−1)/(a−2)=40〜80/60〜20であり、
前記ブロック共重合体(a)中のビニル芳香族単量体単位の含有量が、10質量%以上
、35質量%以下である、
前記〔4〕に記載のアスファルト組成物。
〔6〕
前記ブロック共重合体(a)中の共役ジエン単量体単位に含まれる二重結合の水素添加
率が、20mol%以上60mol%以下である、前記〔1〕乃至〔5〕のいずれか一に記載のアスファルト組成物。
〔7〕
前記〔1〕乃至〔6〕のいずれか一に記載のアスファルト組成物を含む防水シート。
本発明によれば、製造時の混合温度が低く、粘度が低く、また、高い軟化点、高い粘着性、及び低いオイルブリード性を有しているアスファルト組成物が得られる。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」という)について、詳細に説明する。
以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示である、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨の範囲内で種々変形して実施できる。
〔アスファルト組成物〕
本実施形態のアスファルト組成物は、
ビニル芳香族単量体と共役ジエン単量体とを含み、共役ジエン単量体の一部が水素添加されているブロック共重合体(a)と、
ビニル芳香族単量体と共役ジエン単量体とを含むブロック共重合体(b)と、
アスファルト(c)と、
を、含有し、
前記ブロック共重合体(a)と前記ブロック共重合体(b)の合計量が7質量%以上20質量%以下であり、
前記アスファルト(c)が、80質量%以上93質量%以下であり、
前記ブロック共重合体(a)と前記ブロック共重合体(b)との質量比率が、(a)/(b)=10〜55/90〜45である。
本明細書において、ブロック共重合体を構成する構成単位のことを「〜単量体単位」といい、重合体の材料として記載する場合は「単位」を省略し、単に「〜単量体」と記載する。
また、本明細書において、「(単量体単位を)主体とする」とは、ブロック中、所定の単量体単位の含有量が、60質量%以上であり、好ましくは80質量%以上であり、より好ましくは90質量%以上であり、さらに好ましくは95質量%以上であることをいう。
上限は特に制限はないが、100質量%以下であることが好ましく、99質量%以下であることがより好ましい。
アスファルト組成物に含まれる重合体がブロック共重合体(a)のみの場合、耐オイルブリード性は優れるが、軟化点や粘着性、粘度のバランスが不十分であり、ブロック共重合体(b)のみの場合には軟化点、粘着性、粘度は優れるが、耐オイルブリード性は劣る。
かかる特性に鑑み、本実施形態においては、アスファルト(c)の含有量が86質量%以上93質量%以下であるアスファルト組成物において、耐オイルブリード性に優れ、軟化点、粘着性、及び粘度のバランスが良好なものとするべく、ブロック共重合体(a)とブロック共重合体(b)の質量比率を(a)/(b)=10〜55/90〜45とする。
ブロック共重合体(a)とブロック共重合体(b)の質量比率は、(a)/(b)=10〜28/90〜72が好ましく、12〜26/88〜74がより好ましい。
(ブロック共重合体(a))
ブロック共重合体(a)は、アスファルト組成物の高い粘着性の観点から、互いに異なる構造のブロック共重合体(a−1)とブロック共重合体(a−2)とを含むことが好ましい。
ブロック共重合体(a−1)は、ビニル芳香族単量体単位を主体とする重合体ブロック及び共役ジエン単量体単位を主体とする重合体ブロックを有している。
ブロック共重合体(a−2)は、ビニル芳香族単量体単位を主体とする重合体ブロック及び共役ジエン単量体単位を主体とする重合体ブロックを有している。
ブロック共重合体(a−2)のピーク分子量は、ブロック共重合体(a−1)のピーク分子量の1.5〜6.0倍であることが、アスファルト組成物の高い軟化点、アスファルト組成物の低い粘度の観点から好ましい。ブロック共重合体のピーク分子量は、後述する実施例に記載する方法により測定することができる。
ブロック共重合体(a−1)は、ビニル芳香族単量体単位を主体とする重合体ブロックを1つ及び共役ジエン単量体単位を主体とする重合体ブロックを1つ有することがブロック共重合体の製造性、アスファルト組成物の軟化点、アスファルト組成物の粘度の観点から好ましく、ブロック共重合体(a−2)は、ビニル芳香族単量体単位を主体とする重合体ブロックを2つ以上及び共役ジエン単量体単位を主体とする重合体ブロックを1つ以上有することがブロック共重合体の製造性、アスファルト組成物の軟化点、アスファルト組成物の粘度の観点から好ましい。
ブロック共重合体(a−1)は、S−B及び下記の式(i)〜(iii)からなる群より選ばれる少なくとも一つのブロック共重合体を含有することが好ましく、ブロック共重合体(a−2)は、下記の式(i)〜(vi)からなる群より選ばれる少なくとも一つのブロック共重合体を含有することが好ましい。
(S−B)n+1 ・・・(i)
B−(S−B)n+1 ・・・(ii)
S−(B−S)n ・・・(iii)
S−(B−S)n−X ・・・(iv)
[(S−B)km−X ・・・(v)
[(S−B)k−S]m−X ・・・(vi)
上記式(i)〜(vi)中、Sは、ビニル芳香族単量体単位を主体とする重合体ブロックを表し、Bは、共役ジエン単量体単位を主体とする重合体ブロックを表し、Xは、カップリング剤の残基又は多官能有機リチウム等の重合開始剤の残基を表し、mは2〜6の整数であり、n及びkはそれぞれ独立して1〜4の整数である。式(i)〜(vi)中のm、n及びkの値は同じであっても異なっていてもよい。
ブロック共重合体中にブロックS及びBが複数存在している場合には、各々の分子量や組成等の構造は同一であってもよいし、異なっていてもよい。
上記式(iv)〜(vi)中、Xは、カップリング剤の残基又は多官能有機リチウム等の重合開始剤の残基を表す。ブロックの分子量制御の観点から、Xはカップリング剤の残基であることが好ましい。
カップリング剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、四塩化ケイ素、四塩化スズ、エポキシ化合物、ポリハロゲン化炭化水素化合物、カルボン酸エステル化合物、ポリビニル化合物、アルコキシシラン化合物、ハロゲン化シラン化合物、エステル系化合物等が挙げられる。
ブロック共重合体(a−2)は、Xがカップリング剤の残基であるカップリング体と、Xを有しないブロック共重合体との混合物であってもよい。
アスファルト組成物の製造時のブロック共重合体の耐熱劣化性の観点から、Xは、アルコキシシラン化合物やエポキシ化合物よりなるカップリング剤の残基であることが好ましい。
カップリング剤であるアルコキシシラン化合物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、テトラメトキシシラン及びそれと同種のもの等のテトラアルコキシシラン化合物;テトラフェノキシシラン及びそれと同種のもの等のテトラアリーロキシシラン化合物;メチルトリエトキシシラン及びそれと同種のもの等の2又は3以上のアルコキシ基を有するアルキルアルコキシシラン化合物;メチルトリフェノキシシラン及びそれと同種のもの等の2又は3以上のアリーロキシ基を有するアルキルアリーロキシシラン化合物;ビニルトリメトキシシラン及びそれと同種のもの等の2又は3以上のアルコキシ基を有するアルケニルアルコキシシラン化合物;並びにトリメトキシクロロシラン及びそれと同種のもの等のハロゲノアルコキシシラン化合物が挙げられる。
これらの中では、耐熱劣化性やブロック共重合体の製造性の観点から、アルキルアルコキシ基を2〜4個有するアルキルアルコキシシランが好ましい。
カップリング剤であるエポキシ化合物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、エポキシ化大豆油又はエポキシ化アマニ油のようなポリエポキシ化植物油、エポキシ化ポリブタジエン、あるいはエポキシ化テトラアリルエーテルペンタエリトリトール等が挙げられる。
これらの中では、耐熱劣化性やブロック共重合体の製造性の観点から、ファニル基を有するエポキシ化合物が好ましい。
アルコキシシラン化合物やエポキシ化合物中のアルコキシシリル基やエポキシ基の数は、本実施形態のアスファルト組成物の低い混合温度、アスファルト組成物の低い粘度、アスファルト組成物中の重合体の少ない劣化の観点から、1分子当たり2〜5個が好ましく、2〜4個がより好ましく、3〜4個がさらに好ましく、4個がさらにより好ましい。
なお、各ブロックの境界や最端部は必ずしも明瞭に区別される必要はない。
例えば、ビニル芳香族単量体単位と共役ジエン単量体単位との共重合体ブロックが存在してもよい。これらが複数個共存してもよい。ビニル芳香族単量体単位を主体とする重合体ブロック(S)中には、ビニル芳香族単量体単位の含有量の異なるセグメントが複数個共存してもよい。
ブロック共重合体(a−2)は、アスファルト組成物の製造時の低い混合温度、アスファルト組成物の低い粘度、アスファルト組成物中の重合体の少ない劣化、アスファルト組成物の高い軟化点の観点から、(S−B)m−X(m=2〜4の整数であり、Sはビニル芳香族単量体単位を主体とする重合体ブロックであり、Bは共役ジエン単量体単位を主体とする重合体ブロックであり、Xはカップリング剤の残基又は重合開始剤の残基である。)からなる群より選ばれる少なくとも一つのブロック共重合体を含有することが好ましく、(S−B)4−X(Sはビニル芳香族単量体単位を主体とする重合体ブロックであり、Bは共役ジエン単量体単位を主体とする重合体ブロックであり、Xはカップリング剤である。)で表されるブロック共重合体を含有することがより好ましい。
また、ブロック共重合体(a−2)として、(S−B)3−X及び(S−B)4−Xを含有することがさらに好ましく、この場合のブロック共重合体(a)の総質量中の(S−B)4−Xの比率は、8質量%以上60質量%以下が好ましく、12質量%以上40質量%以下がより好ましい。
さらに、m=2〜4の(S−B)2−X、(S−B)3−X及び(S−B)4−Xの中では、(S−B)2−Xの含有量が最も少ないことがより好ましい。
ブロック共重合体(a−1)のブロック共重合体(a)の総質量における割合は、アスファルト組成物の低い混合温度、アスファルト組成物の低い粘度、アスファルト組成物の高い粘着性の観点から、20質量%以上であることが好ましく、30質量%以上がより好ましく、40質量%以上がさらに好ましく、55質量%以上がさらにより好ましい。また、アスファルト組成物の高い伸長回復性、アスファルト組成物の高い軟化点の観点から、90質量%以下であることが好ましく、80質量%以下がより好ましく、70質量%以下がさらに好ましく、65質量%以下がさらにより好ましい。
また、ブロック共重合体(a−2)のブロック共重合体(a)の総質量における割合は、アスファルト組成物の高い伸長回復性、アスファルト組成物の高い軟化点の観点から、15質量%以上であることが好ましく、20質量%以上がより好ましく、25質量%以上がさらに好ましく、30質量%以上がさらにより好ましい。また、アスファルト組成物の低い混合温度、アスファルト組成物の低い粘度の観点から、60質量%以下であることが好ましく、50質量%以下がより好ましく、45質量%以下がさらに好ましく、40質量%以下がさらにより好ましい。
ブロック共重合体(a−1)のピーク分子量は、アスファルト組成物の高い軟化点の観点から、2万以上であることが好ましく、3万以上がより好ましく、4万以上がさらに好ましい。また、アスファルト組成物の低い混合温度、アスファルト組成物の低い粘度、アスファルト組成物中の重合体の少ない劣化の観点から、13万以下であることが好ましく、12万以下がより好ましく、11万がさらに好ましく、10万以下がさらにより好ましい。
ブロック共重合体(a−2)のピーク分子量は、上述したように、アスファルト組成物の高い軟化点、アスファルト組成物の低い粘度の観点から、ブロック共重合体(a−1)のピーク分子量の1.5〜6.0倍であることが好ましく、1.7〜5.0倍であることがより好ましく、1.8〜4.5倍であることがさらに好ましい。
また、ブロック共重合体(a−2)が(S−B)m−Xである場合、(S−B)m−Xのピーク分子量は、アスファルト組成物の高い軟化点や高い引張回復性の点で、S−BあるいはS−B−Xで表されるブロック共重合体(a−1)のm倍のピーク分子量であることが好ましい。
なお、重合体のピーク分子量は、後述する実施例に記載の方法により求めることができる。
ブロック共重合体(a−1)と、ブロック共重合体(a−2)との質量比率は、アスファルト組成物の粘度と、粘着性の観点から、(a−1)/(a−2)=40〜80/60〜20が好ましく、50〜75/50〜25がより好ましく、55〜75/45〜25がさらに好ましい。
また、ブロック共重合体(a)中のビニル芳香族単量体単位の含有量は、本実施形態のアスファルト組成物の高い軟化点、アスファルト組成物中の重合体の少ない劣化の観点から、8質量%以上であることが好ましく、10質量%以上がより好ましく、12質量%以上がさらに好ましく、15質量%以上がさらにより好ましい。また、ブロック共重合体(a)中のビニル芳香族単量体単位の含有量は、アスファルト組成物の優れた低温曲げ性の観点から、50質量%以下であることが好ましく、40質量%以下がより好ましく、35質量%以下がさらに好ましく、30質量%以下がさらにより好ましく、20質量%以下がよりさらに好ましい。
ここで、ブロック共重合体(a)中のビニル芳香族単量体単位の含有量は成分ごとの値ではなく、ブロック共重合体(a)全体としてのビニル芳香族単量体単位の含有量、すなわち各成分のビニル芳香族単量体単位の含有量の平均値である。
なお、本実施形態において、ブロック共重合体(a)中のビニル芳香族単量体単位の含有量は後述する実施例に記載の方法で測定することができる。
本実施形態に用いるブロック共重合体(a)中のビニル芳香族単量体単位の総含有量に対する、ビニル芳香族単量体ブロック含有量の割合(ブロック率)は、アスファルト組成物の高い軟化点、アスファルト組成物の高い伸長回復性の観点から、90%以上が好ましく、93%以上がより好ましく、95%以上がさらに好ましく、96%以上がさらにより好ましい。
また、前記ブロック率は、アスファルト組成物中の重合体の少ない劣化、アスファルト組成物の柔軟性の観点から、99%以下が好ましく、98%以下がより好ましい。
ブロック共重合体(a)中のビニル芳香族単量体単位の総含有量に対する、ビニル芳香族単量体ブロック含有量の割合(ブロック率)は、
(ブロック共重合体(a)中のビニル芳香族単量体ブロック含有量)/(ブロック共重合体(a)中のビニル芳香族単量体単位の総含有量)×100により求めることができる。
なお、前記ビニル芳香族単量体ブロックとは、ビニル芳香族単量体単位を主体とする重合体ブロックを意味する。
なお、ブロック共重合体(a)中のビニル芳香族単量体ブロック含有量やブロック共重合体(a)中のビニル芳香族単量体単位の総含有量は、後述する実施例に記載の方法により求めることができる。
ブロック共重合体(a)中のビニル芳香族単量体単位の総含有量に対する、ビニル芳香族単量体ブロック含有量の割合は、例えば分子量、重合温度、単量体の添加速度、先に添加した単量体と次の単量体を添加する時間間隔、極性化合物やランダム化剤、重合反応器の撹拌速度等を調整することにより制御することができる。
具体的には、ビニル芳香族単量体単位の重合終了時に現れるピーク温度に到達したときから1分以上21分未満経過した後、かつ、ピーク温度より1℃以下低下した後に共役ジエン単量体単位を添加することにより、前記ブロック率を90%以上99%以下とすることができる。
ここで、ブロック共重合体(a)中のビニル芳香族単量体単位の総含有量に対する、ビニル芳香族単量体ブロック含有量の割合は、成分ごとの値ではなく、ブロック共重合体(a)全体としての値、すなわち各成分の平均値である。
ブロック共重合体(a)のメルトフローレート(MFR、200℃、5kgf)は、製造性の観点から、0.5g/10分以上が好ましく、1g/10分以上がより好ましく、2g/10分以上がさらに好ましい。また、ブロック共重合体(a)のメルトフローレート(MFR、200℃、5kgf)は、アスファルトに添加する低いポリマー添加量や引張後の回復性の観点から、100g/10分以下が好ましく、50g/10分以下がより好ましく、30g/10分以下がさらに好ましい。
ブロック重合体(a)は、アスファルト組成物の高い軟化点、重合体の高い耐熱劣化性、アスファルト組成物の低いオイルブリード性の観点から、重合体中の共役ジエン単量体単位に含まれる二重結合の少なくとも一部が水素添加されている。
アスファルト組成物の高い軟化点や重合体の高い耐熱劣化性の観点から、当該共役ジエン単量体単位に含まれる二重結合の水添率は、10mol%以上が好ましく、20mol%以上がより好ましく、30mol%以上がさらに好ましく、35mol%以上がさらにより好ましい。但し、当該共役ジエン単量体単位に含まれる二重結合量の水素添加率は、アスファルト組成物の優れた低温曲げ性の観点から、80mol%以下が好ましく、70mol%以下がより好ましく、60mol%以下がさらに好ましく、50mol%以下がさらにより好ましい。
なお、本明細書中、共役ジエン単量体単位は、水添前後に係らず「共役ジエン単量体単位」と称する。
二重結合量の水素添加率は、水添工程における水素添加量や水添反応時間を調整することにより制御することができる。また、本実施形態において、水素添加率は後述する実施例に記載の方法で求めることができる。
本実施形態に用いるブロック重合体(a)の水素添加前の共役ジエン単量体単位中のビニル含有量は、アスファルトとの高い相容性、アスファルト組成物の低い粘度の観点から、8mol%以上が好ましく、10mol%以上がより好ましく、12mol%以上がさらに好ましく、20mol%以上がさらにより好ましい。また、ブロック重合体(a)の水素添加前の共役ジエン単量体単位中のビニル含有量は、アスファルト組成物中の重合体の少ない劣化の観点から、50mol%以下が好ましく、45mol%以下がより好ましく、40mol%以下がさらに好ましく、35mol%以下がさらにより好ましい。
(ブロック共重合体(b))
ブロック共重合体(b)は、ビニル芳香族単量体と共役ジエン単量体とを含む。
ブロック共重合体(b)は、アスファルト組成物の製造時の低い混合温度、アスファルト組成物の低い粘度、アスファルト組成物の高い軟化点、アスファルト組成物の高い粘着性の観点から、下記互いに異なるブロック共重合体(b−1)とブロック共重合体(b−2)とを含むことが好ましい。
ブロック共重合体(b−1)は、ビニル芳香族単量体単位を主体とする重合体ブロック及び共役ジエン単量体単位を主体とする重合体ブロックを有する。
ブロック共重合体(b−2)は、ビニル芳香族単量体単位を主体とする重合体ブロック及び共役ジエン単量体単位を主体とする重合体ブロックを有する。
ブロック共重合体(b−2)のピーク分子量は、製造時の低い混合温度、アスファルト組成物の高い軟化点、アスファルト組成物の低い粘度の観点から、ブロック共重合体(b−1)のピーク分子量の1.5〜6.0倍であることが好ましい。
アスファルト組成物の低い粘度と、高い軟化点の観点から、ブロック共重合体(b−1)は、ビニル芳香族単量体単位を主体とする重合体ブロックを1つ及び共役ジエン単量体単位を主体とする重合体ブロックを1つ有することが好ましく、ブロック共重合体(b−2)は、ビニル芳香族単量体単位を主体とする重合体ブロックを2つ以上及び共役ジエン単量体単位を主体とする重合体ブロックを1つ以上有することが好ましい。
ブロック共重合体(b−1)の構造としては、前述のブロック共重合体(a−1)と同様に、S−B及び式(i)〜(iii)の構造を例示することができる。
ブロック共重合体(b−2)の構造としては、前述のブロック共重合体(a−2)と同様に、式(i)〜(vi)の構造を例示することができる。
ブロック共重合体(b)、ブロック共重合体(b−2)は、アスファルト組成物の高い軟化点、アスファルト組成物の引張回復性の観点から、S−B−S、(S−B)4−Xで表されるブロック共重合体を含有することが好ましい。
ブロック共重合体(b)がブロック共重合体(b−1)とブロック共重合体(b−2)とを含む場合の、ブロック共重合体(b)の総質量におけるブロック共重合体(b−1)の含有量は、アスファルト組成物の高い軟化点、アスファルト組成物の優れた低温曲げ性の観点から、95質量%以下であることが好ましく、70質量%以下であることがより好ましく、50質量%以下がさらに好ましく、30質量%以下がさらにより好ましい。また、アスファルト組成物の高い粘着性、アスファルト組成物の低い粘度の観点から、10質量%以上が好ましく、20質量%以上がより好ましく、45質量%以上がさらに好ましく、65質量%以上がさらにより好ましい。
ブロック共重合体(b)の総質量におけるブロック共重合体(b−2)の含有量は、アスファルト組成物の低い粘度、アスファルト組成部の高い粘着性の観点から、95質量%以下であることが好ましく、80質量%以下がより好ましく、60質量%以下がさらに好ましく、40質量%以下がさらにより好ましい。また、アスファルト組成物の高い軟化点、アスファルト組成物の優れた低温曲げ性の観点から、5質量%以上が好ましく、15質量%以上がより好ましく、40質量%以上がさらに好ましく、70質量%以上がさらにより好ましい。
ブロック共重合体(b)は、(S−B)4−X(ブロック共重合体(b−2))とS−B(ブロック共重合体(b−1))との混合物であることがより好ましい。
さらに、ブロック共重合体(b−1)のピーク分子量は、高い軟化点の観点から、5.0万以上であることが好ましく、6.0万以上がより好ましく、8.0万以上がさらに好ましい。また、製造時の低い混合温度や低い粘度の観点から、15万以下が好ましく、13万以下がより好ましく、11万以下がさらに好ましく、10万以下がさらにより好ましい。
本実施形態に用いるブロック共重合体(b−2)のピーク分子量は、製造時の低い混合温度、アスファルト組成物の高い軟化点、アスファルト組成物の低い粘度の観点から、ブロック共重合体(b−1)のピーク分子量の1.5〜6.0倍であることが好ましく、1.7〜5.0倍であることがより好ましく、1.8〜4.5倍であることがさらに好ましい。
ブロック共重合体(b−1)と、ブロック共重合体(b−2)との質量比率は、アスファルト組成物の粘度と、粘着性の観点から、(b−1)/(b−2)=60〜95/40〜5が好ましく、65〜95/35〜5がより好ましく、70〜90/30〜10がさらに好ましい。
また、ブロック共重合体(b)中のビニル芳香族単量体単位の含有量は、アスファルト組成物の高い軟化点、アスファルト組成物中の重合体の少ない劣化の観点から、8質量%以上であることが好ましく、10質量%以上がより好ましく、12質量%以上がさらに好ましく、15質量%以上がさらにより好ましい。また、ブロック共重合体(b)中のビニル芳香族単量体単位の含有量は、アスファルト組成物の優れた低温曲げ性の観点から、50質量%以下であることが好ましく、40質量%以下がより好ましく、30質量%以下がさらに好ましく、25質量%以下がさらにより好ましく、20質量%以下がよりさらに好ましい。
ここで、ブロック共重合体(b)中のビニル芳香族単量体単位の含有量は成分ごとの値ではなく、ブロック共重合体(b)全体としてのビニル芳香族単量体単位の含有量、すなわち各成分のビニル芳香族単量体単位の含有量の平均値である。
なお、ブロック共重合体(b)中のビニル芳香族単量体単位の含有量は後述する実施例に記載の方法により測定することができる。
ブロック共重合体(b)中のビニル芳香族単量体単位の総含有量に対する、ビニル芳香族単量体ブロック含有量の割合(ブロック率)は、アスファルト組成物の高い軟化点、アスファルト組成物の高い伸長回復性の観点から、90%以上が好ましく、93%以上がより好ましく、95%以上がさらに好ましく、96%以上がさらにより好ましい。
また、該ブロック率は、アスファルト組成物の低い混合温度、アスファルト組成物の低い粘度、アスファルト組成物中の重合体の少ない劣化、アスファルト組成物の柔軟性の観点から、99%以下が好ましく、98%以下がより好ましい。
ブロック共重合体(b)中のビニル芳香族単量体単位の総含有量に対する、ビニル芳香族単量体ブロック含有量の割合(ブロック率)は、
(ブロック共重合体(b)中のビニル芳香族単量体ブロック含有量)/(ブロック共重合体(b)中のビニル芳香族単量体単位の総含有量)×100で求めることができる。
ここで、ビニル芳香族単量体ブロックとは、ビニル芳香族単量体単位を主体とする重合体ブロックを意味する。
なお、本実施形態において、ブロック共重合体(b)中のビニル芳香族単量体ブロック含有量やブロック共重合体(b)中のビニル芳香族単量体単位の総含有量は、後述する実施例に記載の方法により求めることができる。
ブロック共重合体(b)中のビニル芳香族単量体単位の総含有量に対する、ビニル芳香族単量体ブロック含有量の割合は、例えば、分子量、重合温度、単量体の添加速度、先に添加した単量体と次の単量体を添加する時間間隔、極性化合物やランダム化剤、重合反応器の撹拌速度等を調整することにより制御することができる。
具体的には、例えばビニル芳香族単量体単位の重合終了時に現れるピーク温度に到達したときから1分以上21分未満経過した後、かつ、ピーク温度より1℃以下低下した後に共役ジエン単量体単位を添加することにより、前記ブロック率を90%以上99%以下とすることができる。
ここで、ブロック共重合体(b)中のビニル芳香族単量体単位の総含有量に対する、ビニル芳香族単量体ブロック含有量の割合は、成分ごとの値ではなく、ブロック共重合体(b)全体としての値、すなわち各成分の平均値である。
本実施形態に用いるブロック共重合体(b)のメルトフローレート(MFR、200℃、5kgf)は、製造性の観点から、0.1g/10分以上が好ましく、0.2g/10分以上がより好ましく、1g/10分以上がさらに好ましい。
また、ブロック共重合体(b)のメルトフローレート(MFR、200℃、5kgf)は、アスファルトに添加する低いポリマー添加量や引張後の回復性の観点から、100g/10分以下が好ましく、50g/10分以下がより好ましく、30g/10分以下がさらに好ましい。
ブロック共重合体(a)とブロック共重合体(b)の合計質量に対するブロック共重合体(a)の比率は、アスファルト組成物の優れた低温曲げ性、アスファルト組成物の低いオイルブリード性の観点から、ブロック共重合体体(a)/(ブロック共重合体(a)+ブロック共重合体(b))が、10質量%以上が好ましく、15質量%以上がより好ましく、25質量%以上がさらに好ましく、30質量%以上がさらにより好ましい。また、アスファルト組成物の高い軟化点、アスファルト組成物の高い粘着性の観点から、55質量%以下が好ましく、45質量%以下がより好ましく、35質量%以下がさらに好ましく、28質量%以下がさらにより好ましい。
ブロック共重合体(a)、及び/又はブロック共重合体(b)が、水酸基、酸無水物基、エポキシ基、アミノ基、アミド基、シラノール基、及びアルコキシシラン基からなる群から選ばれる少なくとも一つの官能基を有すると、アスファルト組成物の粘着性が向上するため好ましい。これらの中で、官能基中に窒素原子を含有することがより好ましく、窒素原子及び酸素原子を共に含有することがさらに好ましい。
重合体に水酸基、酸無水物基、エポキシ基、アミノ基、アミド基、シラノール基、及びアルコキシシラン基からなる群から選ばれる少なくとも一つの官能基を付与する方法としては、これら官能基を有する開始剤、単量体及び末端変性剤を用いる方法が挙げられる。これらの中で製造の容易性の観点から、官能基を有する末端変性剤を用いる方法が好ましい。
末端変性剤としては、以下に限定されないが、例えば、テトラグリシジルメタキシレンジアミン、テトラグリシジル−1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、テトラグリシジル−p−フェニレンジアミン、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、ジグリシジルアニリン、γ−カプロラクトン、γ−グリシドキシエチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリフェノキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルジエチルエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルジメチルエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジイソプロペンオキシシラン、ビス(γ−グリシドキシプロピル)ジメトキシシラン、ビス(γ−グリシドキシプロピル)ジエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル−トリプロポキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル−トリブトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル−メチルジプロポキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル−メチルジブトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル−メチルジフェノキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル−ジメチルメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル−ジエチルエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル−ジメチルエトキシシラン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、1,3−ジエチル−2−イミダゾリジノン、N,N'−ジメチルプロピレンウレア、N−メチルピロリドン等が挙げられる。
末端変性剤の使用量は、ベースとなる重合体のリビング末端1当量に対して、0.5〜5当量で使用することが好ましい。
〔ブロック共重合体の製造方法〕
本実施形態で用いるブロック共重合体は、例えば、炭化水素溶媒中、リチウム化合物を重合開始剤として、少なくとも共役ジエン単量体とビニル芳香族単量体とを重合させて重合体を得る重合工程、必要に応じて得られた重合体の共役ジエン単量体単位中の二重結合に水素添加する水素添加工程、重合体を含む溶液の溶媒を脱溶剤する脱溶剤工程を順次行い、製造することができる。
(重合工程)
重合工程においては、炭化水素溶媒中、リチウム化合物を重合開始剤として、少なくとも共役ジエン単量体とビニル芳香族単量体を含む単量体を重合させて重合体を得る。
(炭化水素溶媒)
重合工程において用いる炭化水素溶媒としては、以下に限定されないが、例えば、ブタン、ペンタン、ヘキサン、イソペンタン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素;シクロペンタン、メチルシクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素;ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシレン等の芳香族炭化水素等が挙げられる。
これらは1種のみを単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
(重合開始剤)
重合工程において重合開始剤として用いるリチウム化合物としては、以下に限定されないが、例えば、有機モノリチウム化合物、有機ジリチウム化合物、有機ポリリチウム化合物等の分子中に一個以上のリチウム原子を結合した化合物が挙げられる。
このような有機リチウム化合物としては、以下に限定されないが、例えば、エチルリチウム、n−プロピルリチウム、イソプロピルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、ヘキサメチレンジリチウム、ブタジエニルジリチウム、イソプレニルジリチウム等が挙げられる。
これらは1種のみを単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
(重合に用いる単量体)
共役ジエン単量体としては、以下に限定されないが、例えば、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン(イソプレン)、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、2−メチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン等の1対の共役二重結合を有するジオレフィンが挙げられる。
このなかでも、経済性の観点から、好ましくは、1,3−ブタジエン、イソプレンが挙げられる。
また、機械強度の観点から、1,3−ブタジエンがより好ましい。
これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
ビニル芳香族単量体としては、以下に限定されないが、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ジビニルベンゼン、1,1−ジフェニルエチレン、N,N−ジメチル−p−アミノエチルスチレン、N,N−ジエチル−p−アミノエチルスチレン等のビニル芳香族化合物が挙げられる。
このなかでも経済性の観点から、スチレンが好ましい。
これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
共役ジエン単量体及びビニル芳香族単量体の他、共役ジエン単量体及びビニル芳香族単量体と共重合可能な他の単量体を用いることもできる。
重合工程においては、重合速度の調整、重合した共役ジエン単量体単位のミクロ構造(シス、トランス、及びビニルの比率)の調整、共役ジエン単量体とビニル芳香族単量体との反応比率の調整等を目的として、所定の極性化合物やランダム化剤を使用することができる。
極性化合物やランダム化剤としては、以下に限定されないが、例えば、テトラヒドロフラン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル等のエーテル類;トリエチルアミン、テトラメチルエチレンジアミン等のアミン類;チオエーテル類、ホスフィン類、ホスホルアミド類、アルキルベンゼンスルホン酸塩、カリウムやナトリウムのアルコキシド等が挙げられる。
重合工程で実施する重合方法としては、特に限定されず、公知の方法を適用できる。公知の方法としては、例えば、特公昭36−19286号公報、特公昭43−17979号公報、特公昭46−32415号公報、特公昭49−36957号公報、特公昭48−2423号公報、特公昭48−4106号公報、特公昭56−28925号公報、特開昭59−166518号公報、特開昭60−186577号公報等に記載された方法が挙げられる。
(失活工程)
失活工程により重合体の活性末端を失活することが好ましい。重合体の活性末端を失活する方法は、活性末端と活性水素を有する化合物と反応させることで達成できる。活性水素を有する化合物は特に限定されないが、経済性の点で、アルコールや水が好ましい。
(水素添加工程)
水素添加工程は、重合工程で得られた重合体の共役ジエン単量体単位中の二重結合の一部に水素添加反応する工程である。
水素添加反応に使用される触媒としては、以下に限定されないが、例えば、Ni、Pt、Pd、Ru等の金属をカーボン、シリカ、アルミナ、ケイソウ土等の担体に担持させた担持型不均一系触媒;Ni、Co、Fe、Cr等の有機塩又はアセチルアセトン塩と有機Al等の還元剤とを用いるいわゆるチーグラー型触媒;Ru、Rh等の有機金属化合物等のいわゆる有機錯触媒、或いはチタノセン化合物に還元剤として有機Li、有機Al、有機Mg等を用いる均一触媒が挙げられる。
このなかでも、経済性、重合体の耐熱老化性あるいは耐候性の観点で、チタノセン化合物に還元剤として有機Li、有機Al、有機Mg等を用いる均一触媒系が好ましい。
水添方法としては、以下に限定されないが、例えば、特公昭42−8704号公報、特公昭43−6636号公報に記載された方法や、好ましくは特公昭63−4841号公報及び特公昭63−5401号公報に記載された方法が挙げられる。
具体的には、不活性溶媒中で水素添加触媒の存在下に水素添加して水添ブロック共重合体溶液を得ることができる。
水添反応は、バッチプロセス、連続プロセス、或いはそれらの組み合わせのいずれでも用いることができる。
水添反応は、特に限定するものではないが、高い水添活性の観点で、上述する重合体の活性末端を失活する工程後に行うことが好ましい。
水素添加工程において、ビニル芳香族単量体単位の共役結合が水素添加されてもよい。全ビニル芳香族単量体単位中の共役結合の水素添加率は、好ましくは30mol%以下であり、より好ましくは10mol%以下であり、さらに好ましくは3mol%以下である。また、全ビニル芳香族単量体中の共役結合の水素添加率の下限は、特に限定されないが、好ましくは0mol%以上であり、より好ましくは1mol%以上である。全ビニル芳香族単量体中の共役結合の水素添加率が上記範囲内であることにより、アスファルトに添加するポリマー添加量が低く、あるいはアスファルトとの相容性が高くなる傾向にある。
(脱溶剤工程)
脱溶剤工程は、重合体を含む溶液の溶媒を脱溶剤する工程である。
脱溶剤方法としては、特に限定されないが、スチームストリッピング法や直接脱溶媒法が挙げられる。
脱溶剤工程により得られる重合体中の残存溶媒量は、好ましくは2質量%以下であり、より好ましくは0.5質量%以下であり、さらに好ましくは0.2質量%以下であり、さらにより好ましくは0.05質量%以下であり、よりさらに好ましくは0.01質量%以下である。また、共重合体中の残存溶媒量の下限は、特に限定されないが、少ない方が好ましく、より好ましくは0質量%であるが、脱溶剤時の経済性の点で、通常、0.01質量%以上0.1質量%範囲である。
共重合体の耐熱老化性やゲル化の抑制の観点から、共重合体に酸化防止剤を添加することが好ましい。
酸化防止剤としては、以下に限定されないが、例えば、ラジカル補捉剤等のフェノール系酸化防止剤、過酸化物分解剤等のリン系酸化防止剤やイオウ系酸化防止剤が挙げられる。
また、両性能を併せ持つ酸化防止剤を使用してもよい。
これらは一種のみを単独で用いてもよく、二種以上を併用してもよい。
前記酸化防止剤のなかでも、共重合体やアスファルト組成物の耐熱老化性やゲル化の抑制の観点で、少なくとも、フェノール系酸化防止剤を添加することが好ましい。
フェノール系酸化防止剤の添加量は、高い低温製造性や混合中に重合体の劣化が少ない観点から、ブロック共重合体100質量部に対して、0.05質量部以上が好ましく、0.10質量部以上がより好ましく、0.20質量部以上がさらに好ましい。また、フェノール系酸化防止剤の添加量は、骨材の高い剥離抵抗性や経済性の観点から、ブロック共重合体100質量部に対して、1.00質量部以下が好ましく、0.5質量部以下がより好ましく、0.4質量部以下がさらに好ましく、0.3質量部以下がさらにより好ましい。
その他、重合体の着色防止や機械強度向上の観点から、脱溶剤工程の前に、重合体中の金属を除去する脱灰工程や、ポリマーのpHを調整する中和工程、例えば、酸の添加や炭酸ガスの添加を行ってもよい。
〔アスファルト組成物〕
本実施形態のアスファルト組成物は、アスファルト(c)を含有する。
(アスファルト(c))
本実施形態で用いることができるアスファルト(c)としては、特に限定されるものではないが、例えば、石油精製の際の副産物(石油アスファルト)、又は天然の産出物(天然アスファルト)として得られるもの、もしくはこれらと石油類を混合したもの等が挙げられる。
その主成分は瀝青(ビチューメン)と呼ばれるものである。具体的には、特に限定されないが、例えば、ストレートアスファルト、セミブローンアスファルト、ブローンアスファルト、溶剤脱瀝アスファルト、タール、ピッチ、オイルを添加したカットバックアスファルト、アスファルト乳剤等が挙げられる。
これらは一種のみを単独で用いてもよく、二種以上を混合して使用してもよい。
また、各種アスファルトに石油系溶剤抽出油、アロマ系炭化水素系プロセスオイルやエキストラクト等の芳香族系重質鉱油等を添加してもよい。
本実施形態のアスファルト組成物に用いるアスファルト(c)としては、高温物性、低温物性及び経済性の観点から、針入度(JIS−K2207によって測定)が好ましくは30以上300以下であり、より好ましくは40以上250以下であり、さらに好ましくは45以上200以下であるストレートアスファルトが挙げられる。
本実施形態のアスファルト組成物中のブロック共重合体(a)とブロック共重合体(b)の合計含有量は、アスファルト組成物の高い軟化点、アスファルト組成物の優れた低温曲げ性、アスファルト組成物の低いオイルブリード性の観点から、7質量%以上であり、8質量%以上が好ましく、9質量%以上がより好ましい。
また、アスファルト組成物中のブロック重合体(a)とブロック共重合体(b)の合計含有量は、アスファルト組成物の低い混合温度、アスファルト組成物の低い粘度、アスファルト組成物中の重合体の少ない劣化、経済性の観点から、20質量%以下であり、18質量%以下が好ましく、16質量%以下がより好ましく、14質量%以下がさらに好ましい。
本実施形態のアスファルト組成物中のアスファルト(c)の含有量は、アスファルト組成物の高い軟化点、アスファルト組成物の伸長回復性、アスファルト組成物の優れた低温曲げ性の観点から、93質量%以下が好ましく、92質量%以下がより好ましく、90質量%以下がさらに好ましい。
また、アスファルト組成物中のアスファルト(c)の含有量は、アスファルト組成物の低い混合温度、アスファルト組成物の低い粘度、アスファルト組成物中の重合体の少ない劣化、経済性の観点から、80質量%以上であり、82質量%以上が好ましく、84質量%以上がより好ましく、86質量%以上がさらに好ましい。
(その他の材料)
本実施形態のアスファルト組成物は、必要に応じて任意の石油樹脂を配合することができる。石油樹脂を添加することで、アスファルト組成物の粘着性が向上する傾向にあり、アスファルト防水シートの剥離が抑制できる。
石油樹脂の種類としては、以下に制限はないが、例えば、C5系石油樹脂等の脂肪族系石油樹脂、C9系石油樹脂等の芳香族系石油樹脂、ジシクロペンタジエン系石油樹脂等の脂環族系石油樹脂、C5/C9共重合系石油樹脂等の石油樹脂、並びにこれら石油樹脂を水添して得られる水添石油樹脂が使用できる。
石油樹脂の配合量には特に限定されるものではないが、アスファルト100質量部に対して、好ましくは1質量部以上45質量部以下であり、より好ましくは4質量部以上42質量部以下であり、さらに好ましくは8質量部以上40質量部以下であり、さらにより好ましくは15質量部以上38質量部以下である。
本実施形態のアスファルト組成物は、必要に応じて任意の添加剤を配合することができる。
添加剤の種類は、熱可塑性樹脂やゴム状重合体の配合に一般的に用いられるものであれば特に制限はない。
例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、シリカ、クレー、タルク、マイカ、ウォラストナイト、モンモリロナイト、ゼオライト、アルミナ、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、スラッグウール、ガラス繊維などの無機充填剤、カーボンブラック、酸化鉄等の顔料、ステアリン酸、ベヘニン酸、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、エチレンビスステアロアミド等の滑剤、離型剤、パラフィン系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイル、芳香族系プロセスオイル、パラフィン、有機ポリシロキサン、ミネラルオイル等の軟化剤・可塑剤、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、リン系熱安定剤等の酸化防止剤、ヒンダードアミン系光安定剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、難燃剤、帯電防止剤、有機繊維、ガラス繊維、炭素繊維、金属ウィスカ等の補強剤、着色剤が挙げられ、これらの他の添加剤や、これらの混合物等、「ゴム・プラスチック配合薬品」(日本国ラバーダイジェスト社編)等に記載されたものが挙げられる。
添加剤の配合量は特に限定されるものではなく、アスファルト(c)100質量部に対して、通常、50質量部以下である。
この中でも、アスファルト組成物の低い粘度、アスファルト組成物の高い粘着性の観点から、パラフィン系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイル、芳香族系プロセスオイルを含むことが好ましく、これらの配合料は、アスファルト(c)100質量部に対して、好ましくは3質量部以上30質量部以下であり、より好ましくは4質量部以上25質量部以下であり、さらに好ましくは5質量部以上20質量部以下であり、さらにより好ましくは6質量部以上15質量部以下である。
〔アスファルト組成物の製造方法〕
本実施形態のアスファルト組成物の製造方法に関しては、特に限定されるものではないが、混合工程を120℃以上200℃以下の温度で行うことが好ましい。
撹拌時間は通常30分〜6時間であるが、経済性の観点から短い方がよい。
攪拌速度は、用いる装置により適時選択すればよいが、通常、100ppm以上8,000rpm以下である。
本実施形態のアスファルト組成物には、上述のブロック共重合体(a)、(b)以外に、その他のポリマーを含んでいてもよい。
その他のポリマーとしては、特に限定されないが、例えば、天然ゴム、ポリイソプレンゴム、ポリブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、エチレンプロピレン共重合体等のオレフィン系エラストマー;クロロプレンゴム、アクリルゴム、エチレン酢酸ビニル共重合体等が挙げられる。
〔用途〕
本実施形態のアスファルト組成物は、道路舗装用、ルーフィング・防水シート用、シーラントの分野で利用でき、特にルーフィング・防水シート用の分野で好適に利用できる。
以下、具体的な実施例及び比較例を挙げて本発明について詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に何ら限定されるものではない。
実施例及び比較例における重合体及びアスファルト組成物に関する測定方法を、以下に示す。
<ブロック共重合体中のビニル芳香族単量体単位の含有量(スチレン含有量)>
一定量のブロック共重合体をクロロホルムに溶解し、紫外分光光度計(島津製作所製、UV−2450)にて測定し、ビニル芳香族化合物(スチレン)に起因する吸収波長(262nm)のピーク強度から検量線を用いて、ブロック共重合体中のビニル芳香族単量体単位(スチレン)の含有量を算出した。
<ブロック共重合体中のビニル芳香族単量体ブロック含有量>
測定対象として、水添前の重合体を使用し、I.M.Kolthoff,etal.,J.Polym.Sci.1,p.429(1946)に記載の四酸化オスミウム酸法で、ブロック共重合体中のビニル芳香族単量体ブロック含有量を測定した。
重合体の分解にはオスミウム酸0.1g/125mL第3級ブタノール溶液を用いた。
<ブロック共重合体のビニル含有量、共役ジエン中の不飽和基の水素添加率>
ブロック共重合体中のビニル含有量、共役ジエン中の不飽和基の水素添加率を、核磁気共鳴スペクトル解析(NMR)により、下記の条件で測定した。
なお、測定においては、水添反応後の反応液を、大量のメタノール中に投入させることで、ブロック共重合体を沈殿させて回収した。次いで、ブロック共重合体をアセトンで抽出し、抽出液を真空乾燥し、1H−NMR測定のサンプルとして用いた。1H−NMR測定の条件を以下に記す。
(測定条件)
測定機器 :JNM−LA400(JEOL製)
溶媒 :重水素化クロロホルム
測定サンプル :ポリマーを水素添加する前後の抜き取り品
サンプル濃度 :50mg/mL
観測周波数 :400MHz
化学シフト基準:TMS(テトラメチルシラン)
パルスディレイ:2.904秒
スキャン回数 :64回
パルス幅 :45°
測定温度 :26℃
<ブロック共重合体中のビニル芳香族単量体単位の総含有量に対する、ビニル芳香族単量体ブロック含有量の割合(ブロック率)>
上記測定方法で求めたビニル芳香族単量体ブロック含有量及びビニル芳香族単量体単位の含有量の値を用いて下記式により算出した。
ブロック率=(ブロック共重合体中のビニル芳香族単量体ブロック含有量)/ブロック共重合体中のビニル芳香族単量体単位の総含有量)×100
<ピーク分子量>
ピーク分子量を、GPC〔装置は、ウォーターズ製〕で測定した。
GPC測定において、溶媒にはテトラヒドロフランを用い、温度を35℃とした。
クロマトグラムのピークの分子量を、市販の標準ポリスチレンの測定から求めた検量線(標準ポリスチレンのピーク分子量を使用して作成)を使用して求めた。当該分子量をピーク分子量(ポリスチレン換算分子量)とした。
<ブロック共重合体(a−1)及びブロック共重合体(a−2)の質量比率、及びブロック共重合体(b−1)及びブロック共重合体(b−2)の質量比率>
上記GPCから得られた各ピーク間曲線の変曲点を垂直分割し、総面積に対する各分割面積の比を、それぞれのブロック共重合体成分の面積比とし、各々のブロック共重合体の質量比率を求めた。
各ピーク間変曲点については、EcoSEC波形分離ソフトを用いてガウシアン近似によるフィッティング処理によりピーク分割を行い、各ピークの交差する点を変曲点とした。
<MFR>
MFRは、メルトインデクサー(L247;TECHNOLSEVEN CO.,LTD製)を用い、JIS K7210に準じた方法により算出した。
試験温度が200℃、試験荷重が5.00kgfであり、測定値の単位はg/10分で表した。
〔水素添加触媒の製造〕
窒素置換した反応容器内に、乾燥及び精製したシクロヘキサン1Lを入れ、ビス(シクロペンタジエニル)チタニウムジクロリド100mmolを添加し、十分に攪拌しながらトリメチルアルミニウム200mmolを含むn−ヘキサン溶液を添加して、室温にて約3日間反応させることにより、水素添加触媒を製造した。
〔重合体の重合方法〕
(ブロック共重合体1:ブロック共重合体(a)に相当)
ジャケット付き槽型反応器内に、所定量のシクロヘキサンを入れ、反応器内の温度を60℃に調製した。
その後、全モノマー(反応器に投入するブタジエンモノマー及びスチレンモノマーの総量)100質量部に対して、n−ブチルリチウムが0.11質量部となるように、n−ブチルリチウムを反応器の底部から添加した。さらに、n−ブチルリチウム1molに対して、N,N,N',N'−テトラメチルエチレンジアミン(以下「TMEDA」ともいう)が0.35molとなるように、TMEDAのシクロヘキサン溶液を添加した。
その後、1ステップ目の重合反応として、スチレンモノマー15質量部を含有するシクロヘキサン溶液(スチレンモノマー濃度15質量%)を約10分間かけて供給した。
スチレンモノマーを供給する間、反応器内の温度を60℃に調製した。
スチレンモノマーの供給を停止後、15分間、反応器内の温度を70℃に調製しながら反応を継続させた。
次に、2ステップ目の重合反応として、ブタジエンモノマー85質量部を含有するシクロヘキサン溶液(ブタジエンモノマー濃度15質量%)を50分間かけて一定速度で連続的に反応器に供給した。ブタジエンモノマーを供給する間、反応器内の温度を70℃になるように調製した。ブタジエンモノマーの供給を停止した後、10分間、反応器内の温度を70℃に調製しながら反応を継続させて、ポリスチレン−ポリブタジエンブロック共重合体を得た。
得られたブロック共重合体を一部抜出し、カップリング剤としてテトラエトキシシランをn−ブチルリチウムの総mol数に対するmol比が0.1となるように添加し、10分間カップリング反応させ、カップリング重合体を得た。
その後、上述のようにして製造した水素添加触媒を用いて、得られたカップリング重合体を80℃で連続的に水素添加し、ブロック共重合体1を得た。水添重合器内の水素圧は0.8MPa、平均滞留時間は30分であった。応終了後に、ブロック共重合体1を100質量部に対して、安定剤(オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)0.25質量部を添加し、ブロック共重合体1を得た。
得られたブロック共重合体1は、ビニル芳香族単量体単位の含有量が16質量%、ビニル芳香族単量体ブロックの含有量が15.7質量%であり、ブロック率は98.1%であり、共役ジエン単量体単位のビニル含有量は32mol%であり、水素添加率は42mol%であり、MFR(200℃、5kgf)は、4.0g/10分であった。
ブロック共重合体1の構造及び組成を以下に示す。
(S−B):65質量%、ピーク分子量90000
(S−B)2−X:6質量%、ピーク分子量180000
(S−B)3−X:12質量%、ピーク分子量270000
(S−B)4−X:17質量%、ピーク分子量360000
(S−B)は(a−1)である。
(S−B)2−X、(S−B)3−X、(S−B)4−Xは(a−2)である。
よって、(a−1)/(a−2)=65質量%/35質量%となる。
なお、本実施例において、Sはビニル芳香族単量体単位を主体とする重合体ブロックであり、Bは共役ジエン単量体単位を主体とする重合体ブロックであり、Xはカップリング剤の残基又は重合開始剤の残基である。
(ブロック共重合体2:ブロック共重合体(a)に相当)
上述したブロック共重合体1の製造方法において、n−ブチルリチウム量を0.12質量部、1ステップ目のスチレンモノマーを25質量部、2ステップ目のブタジエンモノマーを75質量部に変更した以外は、同じ方法でブロック共重合体2を製造した。
得られたブロック共重合体2は、ビニル芳香族単量体単位の含有量が25質量%、ビニル芳香族単量体ブロックの含有量が24.6質量%であり、ブロック率は98.4%であり、共役ジエン単量体単位のビニル含有量は32mol%であり、水素添加率は46mol%であり、MFR(200℃、5kgf)は、3.5g/10分であった。
ブロック共重合体2の構造及び組成を以下に示す。
(S−B):62質量%、ピーク分子量70000
(S−B)2−X:3質量%、ピーク分子量140000
(S−B)3−X:15質量%、ピーク分子量210000
(S−B)4−X:20質量%、ピーク分子量280000
(S−B)は(a−1)である。
(S−B)2−X、(S−B)3−X、(S−B)4−Xは(a−2)である。
よって、(a−1)/(a−2)=62質量%/38質量%となる。
(ブロック共重合体3:ブロック共重合体(a)に相当)
上述したブロック共重合体1の製造方法において、1ステップ目のスチレンモノマーを37質量部、2ステップ目のブタジエンモノマーを63質量部に変更した以外は、同じ方法でブロック共重合体3を製造した。
得られたブロック共重合体3は、ビニル芳香族単量体単位の含有量が37質量%、ビニル芳香族単量体ブロックの含有量が35.9質量%であり、ブロック率は97%であり、共役ジエン単量体単位のビニル含有量は33mol%であり、水素添加率は41mol%であり、MFR(200℃、5kgf)は、2.0g/10分であった。
ブロック共重合体3の構造及び組成を以下に示す。
(S−B):65質量%、ピーク分子量90000
(S−B)2−X:4質量%、ピーク分子量180000
(S−B)3−X:12質量%、ピーク分子量270000
(S−B)4−X:19質量%、ピーク分子量360000
(S−B)は(a−1)である。
(S−B)2−X、(S−B)3−X、(S−B)4−Xは(a−2)である。
よって、(a−1)/(a−2)=65質量%/35質量%となる。
(ブロック共重合体4:ブロック共重合体(a)に相当)
上述したブロック共重合体1の製造方法において、1ステップ目のスチレンモノマーを17質量部、2ステップ目のブタジエンモノマーを83質量部、水素添加工程の水添重合機内の水素圧0.85MPaに変更した以外は、同じ方法でブロック共重合体4を製造した。
得られたブロック共重合体4は、ビニル芳香族単量体単位の含有量17質量%、ビニル芳香族単量体ブロックの含有量が16.6質量%であり、ブロック率は97.6%であり、共役ジエン単量体単位のビニル含有量は34mol%であり、水素添加率は65mol%であり、MFR(200℃、5kgf)は、2.0g/10分であった。
ブロック共重合体4の構造及び組成を以下に示す。
(S−B):65質量%、ピーク分子量90000
(S−B)2−X:5質量%、ピーク分子量180000
(S−B)3−X:12質量%、ピーク分子量270000
(S−B)4−X:18質量%、ピーク分子量360000
(S−B)は(a−1)である。
(S−B)2−X、(S−B)3−X、(S−B)4−Xは(a−2)である。
よって、(a−1)/(a−2)=65質量%/35質量%となる。
(ブロック共重合体5:ブロック共重合体(a)に相当)
上述したブロック共重合体1の製造方法において、n−ブチルリチウム量を0.07質量部、1ステップ目のスチレンモノマーを7.5質量部、2ステップ目のブタジエンモノマーを85質量部、その後カップリング剤を添加せずに、3ステップ目として更にスチレンモノマーを7.5質量部添加した以外は、同じ方法でブロック共重合体5を製造した。
得られたブロック共重合体5は、ビニル芳香族単量体単位の含有量が15質量%、ビニル芳香族単量体ブロックの含有量が14.7質量%であり、ブロック率は98%であり、共役ジエン単量体単位のビニル含有量は31mol%であり、水素添加率は40mol%であり、MFR(200℃、5kgf)は、0.8g/10分であった。
ブロック共重合体5の構造及び組成を以下に示す。
(S−B−S):100質量%、ピーク分子量170000
(ブロック共重合体6:ブロック共重合体(b)に相当)
上述したブロック共重合体1の製造方法において、TMEDAを添加せず、1ステップ目のスチレンモノマーを29質量部、2ステップ目のブタジエンモノマーを71質量部、カップリング剤として四塩化ケイ素をn−ブチルリチウムの総mol数に対するmol比が0.045となるように添加し、水素添加工程を実施しないこと以外は、同じ方法でブロック共重合体6を製造した。
得られたブロック共重合体6は、ビニル芳香族単量体単位の含有量29質量%、ビニル芳香族単量体ブロックの含有量が28.5質量%であり、ブロック率は98.3%であり、共役ジエン単量体単位のビニル含有量は12mol%であり、MFR(200℃、5kgf)は、13.0g/10分であった。
ブロック共重合体6の構造及び組成を以下に示す。
(S−B):79質量%、ピーク分子量90000
(S−B)3−X:2質量%、ピーク分子量270000
(S−B)4−X:19質量%、ピーク分子量360000
(S−B)は(b−1)である。
(S−B)3−X、(S−B)4−Xは(b−2)である。
よって、(b−1)/(b−2)=79質量%/21質量%となる。
(ブロック共重合体7:ブロック共重合体(b)に相当)
上述したブロック共重合体1の製造方法において、TMEDAを添加せず、1ステップ目のスチレンモノマーを31質量部、2ステップ目のブタジエンモノマーを69質量部、カップリング剤として2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンのエピクロロヒドリンによるジグリシジルエーテル化変性物と、フェノール・ホルムアルデヒド重縮合物のエピクロロヒドリンによるジグリシジルエーテル化変性物と、の重量比1/1の混合物をn−ブチルリチウムの総mol数に対するmol比が0.375となるように添加し、水素添加工程を実施しないこと以外は、同じ方法でブロック共重合体7を製造した。
得られたブロック共重合体7は、ビニル芳香族単量体単位の含有量31質量%、ビニル芳香族単量体ブロックの含有量が30.4質量%であり、ブロック率は98%であり、共役ジエン単量体単位のビニル含有量は12mol%であり、MFR(200℃、5kgf)は、0.2g/10分であった。
ブロック共重合体7の構造及び組成を示す。
(S−B):19質量%、ピーク分子量90000
(S−B)2−X:81質量%、ピーク分子量180000
(S−B)は(b−1)である。
(S−B)2−Xは(b−2)である。
よって、(b−1)/(b−2)=19質量%/81質量%となる。
(ブロック共重合体8:ブロック共重合体(b)に相当)
上述したブロック共重合体1の製造方法において、TMEDAを添加せず、1ステップ目のスチレンモノマーを30質量部、2ステップ目のブタジエンモノマーを70質量部、カップリング剤として四塩化ケイ素をn−ブチルリチウムの総mol数に対するmol比が0.215となるように添加し、水素添加工程を実施しないこと以外は、同じ方法でブロック共重合体8を製造した。
得られたブロック共重合体8は、ビニル芳香族単量体単位の含有量30質量%、ビニル芳香族単量体ブロックの含有量が29.4質量%であり、ブロック率は98%であり、共役ジエン単量体単位のビニル含有量は11mol%であり、MFR(200℃、5kgf)は、0.1g/10分であった。
ブロック共重合体8の構造及び組成を以下に示す。
(S−B):19質量%、ピーク分子量90000
(S−B)3−X:3質量%、ピーク分子量270000
(S−B)4−X:78質量%、ピーク分子量360000
(S−B)は(b−1)である。
(S−B)3−X、(S−B)4−Xは(b−2)である。
よって、(b−1)/(b−2)=19質量%/81質量%となる。
(ブロック共重合体9:ブロック共重合体(b)に相当)
上述したブロック共重合体1の製造方法において、n−ブチルリチウム量を0.08質量部、TMEDAを添加せずに、1ステップ目のスチレンモノマーを15質量部、2ステップ目のブタジエンモノマーを70質量部、その後カップリング剤を添加せずに、3ステップ目として更にスチレンモノマーを15質量部添加し、水素添加工程を実施しない以外は、同じ方法でブロック共重合体9を製造した。
〔実施例1〜9、参考例10、実施例11及び比較例1〜6〕
<アスファルト組成物の製造方法>
750mLの金属缶にストレートアスファルト150−200〔JXエネルギー社製〕
を500g投入し、180℃のオイルバスに金属缶を充分に浸した。次に、溶融状態のア
スファルトを、5000rpmの回転速度で攪拌しながら、表1に示すとおり所定量の各
重合体を前記アスファルトに添加し、添加後に90分間、撹拌してアスファルト組成物を
作製した。
<アスファルト組成物の評価>
実施例及び比較例のアスファルト組成物の各物性を以下の方法により測定した。該測定結果を表1に示す。
(軟化点)
JIS−K2207に準じて、アスファルト組成物の軟化点を、リング&ボール法にて測定した。規定の環に試料を充填し、グリセリン液中に水平に支え、試料の中央に3.5gの球を置き、液温を5℃/minの速度で上昇させたとき、球の重さで試料が環台の底板に触れた時の温度を測定した。
アスファルト組成物は軟化点が高い方が、耐流動性が良く、以下の基準で良い順から◎、○、△、×と評価した。△以上で実用上十分な性能であるとした。
[評価基準]
軟化点が100℃以上 :◎
軟化点が90℃以上 :○
軟化点が80℃以上 :△
軟化点が80℃未満 :×
(溶融粘度)
ブルックフィールド型粘度計により、160℃のアスファルト組成物の溶融粘度を測定した。
アスファルト組成物は溶融粘度が低い方が、製造性が良く、以下の基準で良い順から◎、○、△、×と評価した。
△以上で実用上十分な性能であるとした。
[評価基準]
溶融粘度が600mPa・s以下 :◎
溶融粘度が900mPa・s以下 :○
溶融粘度が1500mPa・s以下 :△
溶融粘度が1500mPa・sを超える:×
(低温曲げ)
アスファルト組成物を、150℃プレスにて、2mm厚みのシートを作成し、シートの大きさを20mm×100mmの大きさに切出し、温度調整されたドライアイス−エタノール液に10分間以上浸漬後、シートを取出し、素早く直径20mmの金属棒にシートの長手方向を曲げるように巻き付け、シートのひびや割れが発生しない最低の温度を測定した。
アスファルト組成物は低温曲げが低い方が、耐ひび割れ性が良く、以下の基準で良い順から◎、○、△、×と評価した。
△以上で実用上十分な性能であるとした。
[評価基準]
−15℃以下 :◎
−7.5℃以下 :○
0℃以下 :△
0℃を超える :×
(5℃のtanδピーク高さ)
動的粘弾性スペクトルを下記の方法により測定し、損失正接(tanδ)のピーク高さを求めた。
装置ARES(ティーエイインスツルメントー株式会社製、商品名)のパラレルタイプのジオメトリーで、サンプル厚み2mm、直径8mmで、ひずみ(初期歪み)1%、周波数10rad/s、測定範囲−100℃から100℃まで、昇温速度3℃/分の条件により測定した。
アスファルト組成物は5℃のtanδピーク高さが高い方が、5℃での被着体へのなじみ性が良く、その結果粘着性が良くなる傾向がある。
以下の基準で良い順から◎、○、△、×と評価した。
△以上で実用上十分な性能であるとした。
[評価基準]
0.90以上 :◎
0.80以上 :○
0.70以上 :△
0.70未満 :×
(25℃のtanδピーク高さ)
動的粘弾性スペクトルを下記の方法により測定し、損失正接(tanδ)のピーク高さを求めた。
装置ARES(ティーエイインスツルメントー株式会社製、商品名)のパラレルタイプのジオメトリーで、サンプル厚み2mm、直径8mmで、ひずみ(初期歪み)1%、周波数10rad/s、測定範囲−100℃から100℃まで、昇温速度3℃/分の条件により測定した。
アスファルト組成物は25℃のtanδピーク高さが高い方が、25℃での被着体へのなじみ性が良く、その結果粘着性が良くなる傾向がある。
以下の基準で良い順から◎、○、△、×と評価した。
△以上で実用上十分な性能であるとした。
[評価基準]
1.80以上 :◎
1.65以上 :○
1.55以上 :△
1.55未満 :×
(耐オイルブリード性 ΔL*)
アスファルト組成物に、当該アスファルト組成物100質量部に対してパラフィン系プロセスオイル5質量部を追加してアスファルト組成物を調製し、2cm角に切り出した供試体をクラフト紙に載せ、上部側から250gの荷重をかけて、40℃のギアオーブンで144時間静置させた。
その後、測色色差計ZE6000(日本電色工業社製)を用いて、試験前後の明度L*を測定して、その差のΔL*を求めた。
ΔL*の値は、クラフト紙に染み出したオイルと相関しており、オイルの染み出しが大きいほど、ΔL*の値の絶対値が大きくなる。オイルが染み出すと、アスファルト組成物と被着体の界面の接着力が低下する。すなわち、オイルの染み出しが小さい(ΔL*の値の絶対値が小さい)ほど、接着力が優れたものとなる。
防水シートを貼り付けた後、オイルブリードすると被着体との界面の粘着力が弱まり剥がれやすくなる。従って、アスファルト組成物は耐オイルブリード性が高い方が、防水シートの長期粘着性が優れるものとし、以下の基準で良い順から◎、○、△、×と評価した。
△以上で実用上十分な性能であるとした。
[評価基準]
−1.6以上 :◎
−2.0以上 :○
−3.0以上 :△
−3.0未満 :×
Figure 0006917252
本発明のアスファルト組成物は、道路舗装用、ルーフィング・防水シート用、シーラントの分野、特にルーフィング・防水シート用の分野において、産業上の利用可能性を有している。

Claims (7)

  1. ビニル芳香族単量体と共役ジエン単量体とを含み、共役ジエン単量体の一部が水素添加
    されているブロック共重合体(a)と、
    ビニル芳香族単量体と共役ジエン単量体とを含むブロック共重合体(b)と、
    アスファルト(c)と、
    を、含有し、
    前記ブロック共重合体(b)は、ビニル芳香族単量体単位を主体とする重合体ブロック
    及び共役ジエン単量体単位を主体とする重合体ブロックを有するブロック共重合体(b−
    1)と、ビニル芳香族単量体単位を主体とする重合体ブロック及び共役ジエン単量体単位
    を主体とする重合体ブロックを有するブロック共重合体(b−2)とを含み、
    前記ブロック共重合体(b−1)は、ビニル芳香族単量体単位を主体とする重合体ブロ
    ックを1つ及び共役ジエン単量体単位を主体とする重合体ブロックを1つ有し、
    前記ブロック共重合体(b−2)は、ビニル芳香族単量体単位を主体とする重合体ブロ
    ックを2つ以上及び共役ジエン単量体単位を主体とする重合体ブロックを1つ以上有し、
    前記ブロック共重合体(a)と前記ブロック共重合体(b)の合計量が7質量%以上2
    0質量%以下であり、
    前記アスファルト(c)が、80質量%以上93質量%以下であり、
    前記ブロック共重合体(a)と前記ブロック共重合体(b)との質量比率が、(a)/
    (b)=10〜55/90〜45である、アスファルト組成物。
  2. 前記ブロック共重合体(a)と前記ブロック共重合体(b)との質量比率が、(a)/
    (b)=10〜28/90〜72である、請求項1に記載のアスファルト組成物。
  3. 前記ブロック共重合体(b−1)と、前記ブロック共重合体(b−2)の質量比率が、
    (b−1)/(b−2)=60〜95/40〜5であり、
    前記ブロック共重合体(b)中のビニル芳香族単量体単位の含有量が、15質量%以上
    40質量%以下である、請求項1又は2に記載のアスファルト組成物。
  4. 前記ブロック共重合体(a)は、ビニル芳香族単量体単位を主体とする重合体ブロック
    及び共役ジエン単量体単位を主体とする重合体ブロックを有するブロック共重合体(a−
    1)と、ビニル芳香族単量体単位を主体とする重合体ブロック及び共役ジエン単量体単位
    を主体とする重合体ブロックを有するブロック共重合体(a−2)とを含み、
    前記ブロック共重合体(a−1)は、ビニル芳香族単量体単位を主体とする重合体ブロ
    ックを1つ及び共役ジエン単量体単位を主体とする重合体ブロックを1つ有し、
    前記ブロック共重合体(a−2)は、ビニル芳香族単量体単位を主体とする重合体ブロ
    ックを2つ以上及び共役ジエン単量体単位を主体とする重合体ブロックを1つ以上有して
    いる、請求項1乃至のいずれか一項に記載のアスファルト組成物。
  5. 前記ブロック共重合体(a−1)と前記ブロック共重合体(a−2)との質量比率が、
    (a−1)/(a−2)=40〜80/60〜20であり、
    前記ブロック共重合体(a)中のビニル芳香族単量体単位の含有量が、10質量%以上
    、35質量%以下である、
    請求項に記載のアスファルト組成物。
  6. 前記ブロック共重合体(a)中の共役ジエン単量体単位に含まれる二重結合の水素添加
    率が、20mol%以上60mol%以下である、
    請求項1乃至のいずれか一項に記載のアスファルト組成物。
  7. 請求項1乃至のいずれか一項に記載のアスファルト組成物を含む防水シート。
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