JP3417750B2 - インクジェットプリンタのインクカートリッジ - Google Patents

インクジェットプリンタのインクカートリッジ

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JP3417750B2
JP3417750B2 JP1642996A JP1642996A JP3417750B2 JP 3417750 B2 JP3417750 B2 JP 3417750B2 JP 1642996 A JP1642996 A JP 1642996A JP 1642996 A JP1642996 A JP 1642996A JP 3417750 B2 JP3417750 B2 JP 3417750B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、記録紙等の記録媒
体にインクの液滴を飛翔させて記録させるインクジェッ
トプリンタのインクカートリッジ、特にインク含浸部材
(例えば多孔質体)が充填されてなるインク収容部を有
するインクカートリッジに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、インクの液滴を飛翔させて記録
紙等の記録媒体に記録させるインクジェットプリンタ
は、本体ケースの内部に、インクジェット式の印字ヘッ
ド及び該印字ヘッドに供給するインクを収容するインク
カートリッジを着脱可能に搭載する記録装置と、記録紙
等の記録媒体を搬送する搬送装置と、上記記録装置を、
上記搬送装置によって搬送される記録媒体の大きさに応
じて往復移動させるキャリッジ装置とを備える。そし
て、上記搬送装置は、記録装置の往復移動方向と軸線が
平行に延びるプラテンローラを回転駆動して、記録装置
の往復移動方向に直交する方向に記録媒体を搬送する構
成とされている。上記キャリッジ装置は、記録装置が搭
載されたキャリッジを、プラテンローラの軸線と平行に
延びるガイドロッドにスライド可能に支持し、モータに
よって駆動される駆動プーリ及び従動プーリ間に巻回し
たベルトにより、プラテンローラの軸線方向において往
復移動させる構成とされている。
【0003】そして、上述したインクジェットプリンタ
において、記録装置のインクカートリッジには、内部空
間を大気圧に保持しかつインク収容部からインク供給孔
を通じての印字ヘッドへのインクの供給を円滑にするた
めに、上記インク供給孔とは別に大気連通孔が設けられ
ている(例えば特開平7ー32603号公報参照)。こ
のような大気連通孔を設ける場合においては、インクの
蒸発等を防止するために、大気連通孔を通じての空気の
自由な移動を制限する必要がある。そのため、インク収
容部を、迷路構造の連通路を通じて大気連通孔に連通さ
せることが一般に行われている。
【0004】具体的には、図9に示すように、インクカ
ートリッジaの蓋体bの上面に、一端部が内部空間(イ
ンク収容部)に通ずる迷路状の溝部cを形成し、その上
にシール部材dを他端部を残して接着又は熱融着し、そ
れによって内部空間を大気に連通する連通路を構成する
ものや、図10に示すように、カートリッジ本体eに大
径の取付孔fを形成し、該取付孔fに、該取付孔fに嵌
着することで迷路状の連通路を形成する通路形成部材g
を嵌着し、それによって内部空間(インク収容部)を大
気に連通する連通路を構成するようにしたものも知られ
ている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たものでは、本来インクカートリッジを構成するカート
リッジ本体やそれの蓋体等のほかに、迷路状の連通路を
形成するための特別の部材としてシール部材dや通路形
成部材gを必要とし、部品点数が多くなるという問題が
ある。それに加えて、製造工数も増加し、また、コスト
アップの原因となっている。
【0006】本発明はかかる点に鑑みてなされたもの
で、部品点数を増加させることなく、インク収容部を大
気連通孔に連通させる連通路を形成することができるイ
ンクジェットプリンタのインクカートリッジを提供する
ことを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、内部
にインク含浸部材が充填されてなるインク収容部を有し
一部が開放された箱形状のカートリッジ本体と、該カー
トリッジ本体の開放部に固着され上記カートリッジ本体
の開放部を閉塞する蓋体とを備え、上記カートリッジ本
体又は蓋体に大気連通孔が形成され、該大気連通孔に上
記インク収容部が連通路を通じて連通しているインクジ
ェットプリンタのインクカートリッジにおいて、上記カ
ートリッジ本体の内部空間であって上記インク収容部か
ら突出された空間に上記連通路が形成され、この連通路
が迷路状に形成されており、上記連通路の側壁を構成す
る側壁構成部が、その左右の端縁部を上記カートリッジ
本体の左右側面に一体的に結合され、該側壁構成部の左
右に嵌合凹部が形成され、上記蓋体に、上記連通路内に
延びる突出リブが一体的に形成されるとともに上記嵌合
凹部に嵌合する嵌合凸部が形成され、上記蓋体が上記カ
ートリッジ本体の開放部を閉塞したとき、上記連通路が
上記インク収容部に密閉状態で連通され、上記嵌合凹部
と嵌合凸部の嵌合部に、上記連通路内の空気の流れを制
限する絞り部が形成されている構成とする。
【0008】よって、請求項1の発明によれば、カート
リッジ本体に蓋体を固着する際に側壁構成部の先端部を
蓋体又はカートリッジ本体に固着するだけで、特別な部
材を用いることなく、簡単に迷路状の連通路が形成さ
れ、迷路状の連通路によって、大気連通孔を通じての空
気の自由な移動が規制され、インクの蒸発等が防止され
る。また、迷路状の連通路内に、突出リブを位置させる
ようにしているので、連通路の迷路構造と突出リブの邪
魔板効果との相乗効果により、簡単な構造で、空気の自
由な移動を規制し、インクの蒸発等を効果的に防止する
ことができ、さらに、外気温、外気圧の変化等によるイ
ンクカートリッジの外部へのインクの漏れも防止するこ
とができる。
【0009】また、嵌合凹部と嵌合凸部との嵌合部に、
側壁構成部に連通路における空気の流れを規制する絞り
部を形成しているので、連通路を迷路状として通路長さ
を長くするのと相俟って、空気の自由な流れを効果的に
規制することができる。
【0010】請求項2の発明は、請求項1の発明におい
て、前記突出リブが、連通路内への挿入を案内するテー
パ面を有する。
【0011】請求項2の発明によれば、突出リブが連通
路内へ挿入される際、テーパ面によって案内され、カー
トリッジ本体に対する蓋体の装着が無理なく行われる。
請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において、前
記カートリッジ本体は、一側に突出部を有し、その突出
部の中に前記突出された空間が形成されている。請求項
3の発明によれば、突出部の中に連通路を形成するよう
にしているので、インクの蒸発防止等の目的に応じて連
通路の形状を自由に定めることができ、設計の自由度が
高まる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。
【0013】インクジェットプリンタの全体構成を示す
図1及びインクジェットプリンタの回復機構、紙送り機
構等を示す図2において、インクジェットプリンタ1は
本体フレーム2を有し、該本体フレーム2の前部に手差
し給紙部3が設けられると共に、上部でかつ手差し給紙
部3の後方に、インクジェット式の印字ヘッド4、回復
機構RM、紙送り機構LM等を内蔵するサブフレーム5
が載置されている。また、サブフレーム5の上部後方に
は、記録紙6を複数枚貯蔵する給紙カセット7が着脱可
能に取付けられている。
【0014】上記サブフレーム5の内部後方には円筒形
状のプラテンローラ8が回転可能に配置されている。プ
ラテンローラ8は、給紙カセット7又は手差し給紙部3
から供給された記録紙6を印字ヘッド4に対面させなが
ら搬送するものであり、紙送り機構LMの一部を構成し
ている。
【0015】上記プラテンローラ8の上側には、記録紙
6をプラテンローラ8に密着させるプレッシャローラ9
が設けられている。プラテンローラ8にはプラテンギヤ
10が一体的に設けられ、該プラテンギヤ10が紙送り
モータ(図示せず)によって回転駆動され、それによっ
てプラテンローラ8が回転するように構成されている。
尚、上記プラテンギヤ10は、給紙カセット7から記録
紙6を1枚づつプラテンローラ8に給紙するための給紙
ギヤ列(図示せず)にも駆動力を伝達するように構成さ
れている。
【0016】上記プラテンローラ8の前方には、キャリ
ッジ11が設けられている。キャリッジ11は、上記印
字ヘッド4及び該印字ヘッド4に供給するためのインク
を収容するインクカートリッジ12がそれぞれ交換可能
に搭載され、プラテンローラ8の軸線と平行に設けられ
たキャリッジ軸13に沿って移動可能に構成されてい
る。これによって、上記印字ヘッド4は、プラテンロー
ラ8の軸線に沿って往復移動せしめられる。
【0017】上記サブフレーム5の右側裏面には、キャ
リッジ11を駆動するキャリッジ駆動モータ14が配設
されている。キャリッジ駆動モータ14は、ベルト15
を介してキャリッジ11を駆動するものであり、ステッ
プモータあるいはDCモータが使用される。また、ベル
ト15に沿って、プラテンローラ8側には、目盛が付さ
れているテープ状の位置ゲージ16が配設されている。
【0018】また、上記プラテンローラ8の左側には、
印字ヘッド4の回復機構RMが配設されている。このよ
うな回復機構RMが設けられているのは、インクジェッ
ト式の印字ヘッド4は、使用中に内部に気泡が発生した
り、吐出面上にインクの液滴が付着したりする等の原因
により吐出不良を起こすので、これを良好な吐出状態に
回復させるためである。回復機構RMとしては、印字ヘ
ッド4内の不良インクを吸引するパージ装置17、印字
ヘッド4のノズル面をワイピングするワイピング装置1
8等が採用されている。
【0019】上記パージ装置17は、印字ヘッド4を着
脱可能に覆うキャップ19を有し、そして該キャップ1
9によって印字ヘッド4が覆われているときに、周知の
ポンプ(図示せず)により負圧を発生させ、印字ヘッド
4の内部の不良インクを吸引して、良好な吐出状態を回
復させるものである。尚、上記パージ装置17のポンプ
は、ポンプカムギヤ20を介して紙送りモータ(図示せ
ず)により駆動されるようになっている。
【0020】上記キャリッジ11には、図3に示すよう
に、ヘッドユニット21を介してインクカートリッジ1
2が装着されるようになっている。キャリッジ11は、
多数の電気接点22が配設された基板部23を有し、そ
の一側の下部にキャリッジ軸13に摺動可能に嵌合する
嵌合孔部24が形成され、上部にヘッドユニット位置決
め孔25,25が形成された壁部26が立設されてい
る。また、キャリッジ11の一側に対向する他側には、
ヘッドユニット取付爪部27,27及びインクカートリ
ッジ取付爪部28が形成された別の壁部29が立設され
ている。
【0021】上記ヘッドユニット21は、基板部31の
一側にインク流路32aを有するインク供給管部32が
一体的に形成された壁部33が形成され、該壁部33の
左右両側には、インクカートリッジ位置決め孔34,3
4が形成されている。
【0022】尚、上記インク供給管部32の壁部33よ
り外側の部分には、印字ヘッド4が取付けられ、該印字
ヘッド4は、インク供給管部32より供給されたインク
を前面のノズル孔から飛翔させるアクチュエータ(図示
せず)を含む。
【0023】上記インクカートリッジ12は、図4
(a)(b)に示すように、内部にインク含浸部材45
(例えば多孔質体)が充填されて構成されるインク収容
部46を有し一面例えば上部が開放された箱形状のカー
トリッジ本体47と、該カートリッジ本体47の上部に
固着(例えば接着、超音波による熱融着)されカートリ
ッジ本体47の上部開口47aを閉塞する蓋体48とに
より構成されている。
【0024】上記カートリッジ本体47の一側例えば前
部にはインク供給管(図示せず)が嵌合されるインク供
給孔71が形成され、また、他側例えば後部の上側には
突出部50が形成され、該突出部50の後面部に大気連
通孔51が開設されている。上記突出部50の内部空間
は、側壁構成部としての機能も有する区画壁部54によ
ってインク収容部46と区画されており、該内部空間
に、後述するように上記大気連通孔51をインク収容部
46に連通せしめる迷路状の連通路53が形成されるよ
うになっている。
【0025】上記区画壁部54は、それらの下縁部がカ
ートリッジ本体47の底面に、左右両側の端縁部がカー
トリッジ本体47の左右側面にそれぞれ一体的に形成さ
れており、区画壁部54の上縁部と蓋体48の下面との
間に、インク収容部46と連通路53とを、空気の流れ
を規制しつつ、相互に連通する横長の連通口54aが形
成されている。
【0026】上記連通路53は、カートリッジ本体47
と一体的に形成された区画壁部54及び側壁構成部5
6,57により、突出部50の内部空間を区画すること
によって構成されている。そして、突出部50の内部空
間に形成された連通路53は、一端部が連通口54aを
通じてインク収容部46に、他端部が大気連通孔51を
通じて大気にそれぞれ連通するようになっている。
【0027】上記側壁構成部56,57は、それの下縁
部がカートリッジ本体47の底面に、左右両側の端縁部
がカートリッジ本体47の左右側面にそれぞれ一体的に
結合されている。
【0028】また、上記蓋体48には、連通路53内
(具体的には側壁構成部56,57の間)に延びる突出
リブ58が一体的に形成され、該突出リブ58には、連
通路53内に挿入し易くなるように連通路53内への挿
入を案内するテーパ面58a,58aが形成されてい
る。
【0029】上記カートリッジ本体47と蓋体48との
固着(例えば超音波溶着)は、具体的には、例えば図5
(a)(b)に示すように、側壁構成部56,57の上
端部には断面半円形状の凸部56a,57aが形成さ
れ、該凸部56a,57aが加熱により溶融して蓋体4
8の下面に融着することにより行われる。
【0030】そして、図6〜図8に示すように、前側の
側壁構成部56は左右に嵌合凹部56b,56cを有
し、蓋体48に前記嵌合凹部56b,56cに嵌合する
嵌合凸部48a,48bが形成され、一方の嵌合凸部4
8aが嵌合凹部56cをほぼ完全に閉塞し(図7参
照)、他方の嵌合凸部48bが嵌合凹部56bとの嵌合
により絞り部61を形成するようになっている(図8参
照)。また、後側の側壁構成部57は、前側の側壁構成
部56にほぼ平行に延びる第1構成部57Aと、該第1
構成部57Aの中間部位から後方に延び大気連通孔51
を挟む2つの第2構成部57B,57Cとを備え、第1
構成部57Aの左右及び第2構成部57B,57Cの後
端に、蓋体48の嵌合凸部(図示せず)が嵌合する嵌合
凹部57b〜57eが形成されている。そして、前側の
側壁構成部56の絞り部61を構成する部位と反対側の
部位の嵌合凹部57c,57eは、蓋体48の嵌合凸部
との嵌合により絞り部を構成する(図6のA部分)一
方、同一側の部位の嵌合凹部57b,57dは、蓋体4
8の嵌合凸部との嵌合によりほぼ完全に閉塞されるよう
になっている(図6のB部分)。このようにすれば、図
6においてAの部分は絞り部を構成する一方、Bの部分
はほぼ完全に閉塞されるので、大気連通孔51とインク
供給部とが、中間部分に複数の絞り部が形成された迷路
状の連通路53によって相互に連通されていることにな
る。ここで、「ほぼ完全に閉塞」とは、絞り部の側に比
べて空気が流れにくい程度に閉塞されていることを意味
する。
【0031】したがって、上記のように構成すれば、連
通路53の側壁を構成する区画壁部54及び側壁構成部
56,57がカートリッジ本体47の突出部50に一体
的に形成され、かつ連通路53が上部開口47aと同方
向に開放して形成されているので、カートリッジ本体4
7を連通路53と共に金型によって樹脂材料等で容易に
成形することができる。また、突出リブ58を有する蓋
体48の成形も、同様に容易である。それに加えて、カ
ートリッジ本体47に蓋体48を固着する際に区画壁部
54及び側壁構成部56,57の先端部を蓋体48の下
面に固着するだけで、連通路53を形成するための特別
な部材を用いることなく、簡単に連通路53を形成する
ことができる。
【0032】特に、蓋体48に突出リブ58を一体的に
形成しているので、カートリッジ本体47に蓋体48を
固着(熱融着)するために係合する際、カートリッジ本
体47と蓋体48とが前後逆に係合されることがない。
また、突出リブ58に連通路53内への挿入を案内する
テーパ面58a,58aを形成しているので、カートリ
ッジ本体47と蓋体48との係合の際、テーパ面58
a,58aに案内されて突出リブ58が円滑に挿入さ
れ、両者の係合が無理なく行われる。よって、カートリ
ッジ本体47と蓋体48との係合が確実になされて無理
なく熱融着され、高い密閉性が得られるのに加えて、カ
ートリッジ本体47と蓋体48との位置決めが確実にな
されるので、生産自動機等で搬送する場合において、振
動等でずり落ちたりすることがない。
【0033】また、インク供給管部32が嵌合されるイ
ンク供給孔71とは異なる側に設けられた突出部50内
に連通路53を形成し、インク供給管部32と連通路5
3とがインク収容部46を挟んで位置することとなるよ
うにしているので、インク供給管部32から印字ヘッド
4にインクが供給されるのに伴い、大気連通孔51及び
連通路53を通じてインク収容部46に空気が円滑に供
給される。よって、インク供給管部32を通じてのイン
クの流れがスムーズに行われる。
【0034】特に、突出部50という、インク収容部4
6とは独立した部分の内部に区画壁部54や側壁構成部
55を一体的に構成するようにしているので、インクの
蒸発防止等の目的に応じて連通路53の形状を自由に定
めることができ、設計の自由度が高まる。
【0035】また、迷路状の連通路53内に、突出リブ
58を位置させるようにしているので、連通路53の迷
路構造と突出リブ58の邪魔板効果との相乗効果によ
り、簡単な構造で、空気の自由な移動を規制し、インク
の蒸発等を効果的に防止することができ、さらに、外気
温、外気圧の変化等によるインクカートリッジ1の外部
へのインクの漏れも防止することができる。特に、側壁
構成部56,57に連通路53における空気の流れを規
制する絞り部61を形成しているので、連通路53を迷
路状として通路長さを長くするのと相俟って、空気の自
由な流れを効果的に規制することができる。
【0036】上記実施の形態においては、連通路53の
側壁を構成する区画壁部54及び側壁構成部56,57
をカートリッジ本体47に一体的に形成しているが、蓋
体48側に区画壁部及び側壁構成部を樹脂成形等により
一体的に形成し、カートリッジ本体47に蓋体48を固
着する際に区画壁部及び側壁構成部の先端部(下端部)
をカートリッジ本体47の底面に固着することにより、
連通路を形成するように構成することもできる。尚、こ
の場合には、連通路53内に延びる突出リブは、カート
リッジ本体47側に形成される。
【0037】また、上記実施の形態においては、大気連
通孔51をカートリッジ本体47側に設けているが、蓋
体48側に設けるようにしてもよい。
【0038】さらに、上記実施の形態においては、蓋体
48より連通路53内に延びる突出リブ58を1つとし
ているが、例えば図4(b)に鎖線で例示するように、
突出リブを複数個とすることもできる。
【0039】また、上記実施の形態においては、連通路
53を、突出部50の上下方向全体に亘って形成してい
るが、突出部50の上下方向の一部にのみ形成し、通路
面積を小さくして空気の自由な流れをより規制するよう
にすることもできる。
【0040】
【発明の効果】請求項1の発明は、連通路の側壁を構成
する側壁構成部カートリッジ本体の側面に一体的に結
合して形成し、蓋体に連通路内に延びる突出リブを一体
的に形成していることから、カートリッジ本体に蓋体を
固着する際に側壁構成部の先端部を蓋体又はカートリッ
ジ本体に固着するだけで、特別な部材を用いることな
く、簡単に迷路状の連通路を形成することが可能とな
り、迷路状の連通路によって、大気連通孔を通じての空
気の自由な移動を規制し、インクの蒸発等を防止するこ
とができる。また、迷路状の連通路内に、突出リブを位
置させるようにしているので、連通路の迷路構造と突出
リブの邪魔板効果との相乗効果により、簡単な構造で、
空気の自由な移動を規制し、インクの蒸発等を効果的に
防止することができ、さらに、外気温、外気圧の変化等
によるインクカートリッジの外部へのインクの漏れも防
止することができる。
【0041】また、嵌合凹部と嵌合凸部の嵌合部に、側
壁構成部に連通路における空気の流れを規制する絞り部
を形成しているので、連通路を迷路状として通路長さを
長くするのと相俟って、空気の自由な流れを効果的に規
制することができる。
【0042】請求項2の発明は、突出リブに、連通路内
への挿入を案内するテーパ面を形成しているので、蓋体
をカートリッジ本体に装着する際、突出リブがテーパ面
に案内されて、無理なく連通路内へ挿入することができ
る。請求項3の発明は、突出部の中に連通路を形成する
ようにしているので、インクの蒸発防止等の目的に応じ
て連通路の形状を自由に定めることができ、設計の自由
度が高まる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るインクジェットプリンタの斜視図
である。
【図2】本発明に係るインクジェットプリンタの回復機
構、紙送り機構等を示す斜視図である。
【図3】本発明に係るインクジェットプリンタのキャリ
ッジ、印字ヘッド及びインクカートリッジの分解斜視図
である。
【図4】本発明に係るインクカートリッジを示し、
(a)は平面図、(b)は縦断面図である。
【図5】本発明に係るインクカートリッジの連通部付近
を示し(a)は溶着直前の状態を示す断面図、(b)は
溶着直後の状態を示す断面図である。
【図6】本発明に係るカートリッジ本体の要部平面図で
ある。
【図7】図6のA部における、蓋体溶着後の断面図であ
る。
【図8】図6のB部における、蓋体溶着後の断面図であ
る。
【図9】従来例を示す斜視図である。
【図10】従来例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 インクジェットプリンタ 12 インクカートリッジ 45 インク含浸部材 46 インク収容部 47 カートリッジ本体 47a 上部開口 48 蓋体 50 突出部 51 大気連通孔 53 連通路 54 区画壁部 56 側壁構成部 57 側壁構成部 58 突出リブ 58a テーパ面

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部にインク含浸部材が充填されてなる
    インク収容部を有し一部が開放された箱形状のカートリ
    ッジ本体と、該カートリッジ本体の開放部に固着され上
    記カートリッジ本体の開放部を閉塞する蓋体とを備え、
    上記カートリッジ本体又は蓋体に大気連通孔が形成さ
    れ、該大気連通孔に上記インク収容部が連通路を通じて
    連通しているインクジェットプリンタのインクカートリ
    ッジにおいて、上記カートリッジ本体の内部空間であって上記インク収
    容部から突出された空間に上記連通路が形成され、この
    連通路が迷路状に形成されており、 上記連通路の側壁を構成する側壁構成部が、その左右の
    端縁部を上記カートリッジ本体の左右側面に一体的に結
    合され、該側壁構成部の左右に嵌合凹部が形成され、 上記蓋体に、上記連通路内に延びる突出リブが一体的に
    形成されるとともに上記嵌合凹部に嵌合する嵌合凸部が
    形成され、上記蓋体が上記カートリッジ本体の開放部を閉塞したと
    き、上記連通路が上記インク収容部に密閉状態で連通さ
    れ、 上記嵌合凹部と嵌合凸部の嵌合部に、上記連通路内
    の空気の流れを制限する絞り部が形成されていることを
    特徴とするインクジェットプリンタのインクカートリッ
    ジ。
  2. 【請求項2】 前記突出リブは、連通路内への挿入を案
    内するテーパ面を有するところの請求項1に記載のイン
    クジェットプリンタのインクカートリッジ。
  3. 【請求項3】 前記カートリッジ本体は、一側に突出部
    を有し、その突出部の中に前記突出された空間が形成さ
    れている請求項1又は2記載のインクジェットプリンタ
    のインクカートリッジ。
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