JP3417701B2 - 洗瓶性ホログラムラベルおよびその製造方法 - Google Patents

洗瓶性ホログラムラベルおよびその製造方法

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JP3417701B2 JP33968394A JP33968394A JP3417701B2 JP 3417701 B2 JP3417701 B2 JP 3417701B2 JP 33968394 A JP33968394 A JP 33968394A JP 33968394 A JP33968394 A JP 33968394A JP 3417701 B2 JP3417701 B2 JP 3417701B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ホログラムを有したラ
ベルおよびその製造方法に関するもので、詳しくは洗瓶
適性に特に優れ、回収し再利用されるガラス瓶等の容器
に貼り付けられるラベルに好適に用いることが出来、か
つ生産性、加工性および装飾性にも優れたホログラムラ
ベルおよびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】レリーフ型ホログラムは、レーザー光の
二光束干渉法など既知の方法により、感光性樹脂の表面
に干渉縞を凹凸形状で記録することにより、マスターホ
ログラムが形成される。
【0003】ホログラムスタンパーは、主として薄い金
属製であり、上記マスターホログラム表面の微小な凹凸
形状に、既知の手法により金属層を形成し、次いでこの
層を剥離することなどによって得られる。
【0004】このスタンパーを樹脂の溶融押し出し成形
機の冷却ロール表面に装着して、押し出された溶融状態
の樹脂に押し付けることによって、樹脂表面にレリーフ
型ホログラムが形成された樹脂シート(ホログラム形成
樹脂シート)を製造する方法は公知である(例えば特開
昭62−191872号公報、同62−192779号
公報等参照)。
【0005】この方法によれば、レリーフ型ホログラム
が形成される樹脂として、ポリプロピレン樹脂、ポリエ
ステル樹脂、ポリアミド樹脂などを使用することが出
来、かつ極めて高速度でホログラムのエンボス再現性が
良いホログラム形成樹脂シートを製造することが出来
る。
【0006】一方、ビール、日本酒などの飲料ガラス瓶
などのように再利用される容器に使用されるラベルは、
回収後にアルカリ水にて容器を洗浄する際に、容易に剥
離され除去される必要がある。
【0007】しかし、これらの容器のラベルに消費者へ
のアイキャッチ効果を持たせるべく、上記の樹脂を用い
て製造したホログラム形成樹脂シートを使用した場合、
例えばポリプロピレン樹脂ではアルカリ可溶性がないた
め、回収後に洗浄された時にラベルの剥離、除去が困難
であるという問題点がある。
【0008】また、上記ポリエステル樹脂を用いた場
合、樹脂自体はアルカリに可溶な性質を有するものの、
容器の洗浄工程の時間内での速やかなアルカリ溶解性を
示さないので、このような用途のラベルへの使用は困難
であった。
【0009】すなわち、容器の洗浄およびラベルの剥離
を目的として、アルカリ水中に容器を浸漬しても、上記
従来のホログラム形成樹脂シートは、ホログラムを形成
している熱可塑性樹脂に十分なアルカリ可溶性がないた
めに、該樹脂が妨げとなって、アルカリ水がラベル内に
ラベルの端面からしか浸透せず、ラベルの表面からは浸
透しないため容器とラベルとの接着に用いられている糊
がアルカリ可溶なものであったとしても、アルカリ水が
糊を溶解するのに長時間を要し、洗浄工程内でラベルを
剥離、除去することが事実上不可能であるという問題を
有していた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記従来の問
題点に鑑み為されたもので、その目的とするところは、
溶融押し出し成形機を用いて押し出しコーティング法に
より極めて生産性良く製造することが出来、しかも回収
し再利用される容器に用いた場合に、洗浄時における剥
離、除去が容易で廃棄も容易な装飾性に優れたホログラ
ムラベルおよびその製造方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1の発明に係るホログラムラベルは、紙質基
材上に、生分解性樹脂を押し出しコーティング法により
積層し、該積層体の生分解性樹脂層の表面にレリーフ型
ホログラムを形成し、次いで該レリーフ型ホログラム表
面に少なくとも金属反射層が設けられてなることを特徴
としている。
【0012】また、請求項2の発明に係るホログラムラ
ベルは、前記生分解性樹脂が、ポリ乳酸樹脂、脂肪族ポ
リエステルまたはヒドロキシポリエステルであることを
特徴としている。
【0013】また、請求項3の発明に係るホログラムラ
ベルは、前記金属反射層上に、プライマー層、印刷イン
キ層およびオーバーコート層がこの順に設けられてなる
ことを特徴としている。
【0014】また、請求項4の発明に係るホログラムラ
ベルは、前記生分解性樹脂層の厚みが5μm〜100μ
mであることを特徴としている。
【0015】また、請求項5の発明に係るホログラムラ
ベルは、前記紙質基材は、水に浸漬した際の水中伸度が
2.5%以下であることを特徴としている。
【0016】またさらに、請求項6の発明に係るホログ
ラムの製造方法は、紙質基材上に、溶融押し出し成形機
のT−ダイよりシート状に押し出された生分解性樹脂を
コーティングするとともに、レリーフ型ホログラムスタ
ンパーが表面に装着された冷却ロールにて押圧し冷却す
ることにより、前記生分解性樹脂表面にレリーフ型ホロ
グラムを形成し、次いで、該レリーフ型ホログラム形成
面に、金属反射層、プライマー層、印刷インキ層および
オーバーコート層を順次設けることを特徴としている。
【0017】さらにまた、請求項7の発明に係るホログ
ラムの製造方法は、前記生分解性樹脂がポリ乳酸樹脂、
脂肪族ポリエステルまたはヒドロキシポリエステルであ
ることを特徴としている。
【0018】以下、本発明の構成を図面を参照してさら
に詳しく説明する。
【0019】図1は、本発明に使用される樹脂表面にレ
リーフ型ホログラムが形成されたホログラム形成シート
の製造ラインの概略を示す構成図である。
【0020】同図において、1は溶融押し出し成形機、
2はT−ダイ、3は冷却ロール、4はニップロール、5
はレリーフ型ホログラムスタンパー、6は巻き取りロー
ル、10はT−ダイより押し出された生分解性樹脂、1
1は紙質基材、20はホログラム形成シート、40はオ
ゾン処理装置をそれぞれ示している。
【0021】このような構成において、紙質基材11上
に、溶融押し出し成形機1のT−ダイ2よりシート状に
押し出された生分解性樹脂10を、冷却ロール3とニッ
プロール4との間で積層すると同時に、冷却ロール3に
装着されたレリーフ型ホログラムスタンパー5にて押圧
し冷却することにより、生分解性樹脂10の表面にレリ
ーフ型ホログラムが連続的にエンボス成形され、得られ
た積層シート、つまりホログラム形成シート20は、巻
き取りロール6にて巻き取られる。
【0022】この結果、図2に示すような樹脂表面にレ
リーフ型ホログラムが形成されたホログラム形成シート
20を連続的に得ることが出来る。
【0023】また図3に示すように、さらにこのホログ
ラム形成シート20のホログラム形成面に少なくとも金
属反射層15を設けることにより、本発明に係るホログ
ラムラベル30が得られる。
【0024】本発明に利用できる溶融押し出し成形機
1、T−ダイ2には特に制限はなく、本発明に用いる生
分解性樹脂10は、一般的な樹脂シート成形用押し出し
機にて押し出し可能である。
【0025】上記冷却ロール3としては、ホログラムを
エンボス成形した生分解性樹脂10を速やかに冷却し
て、エンボスされたホログラムの凹凸形状の消失と歪み
を防ぐ機能を有する必要があるため、冷却効率の高いも
のが望ましい。たとえば、冷却水が内部を循環する流路
を有する金属製のロールなどが例示できる。
【0026】また、上記冷却ロール3にレリーフ型ホロ
グラムスタンパー5を装着させる方法としては、耐熱性
の接着剤で固定する方法、物理的にビス止めにて固定す
る方法、磁石を利用して固定する方法、真空吸着を利用
して固定する方法など、何れの方法でも可能である。ま
た、上記スタンパー5は冷却ロール3の全面に固定を行
っても或いは一部に固定を行っても良い。
【0027】ニップロール4としては、溶融状態の生分
解性樹脂10にホログラムの凹凸パターンを形成するた
め、十分な圧力にて押圧する必要があるので、表面がウ
レタンあるいはシリコーン等の弾性体から成るロールが
望ましい。
【0028】ホログラムスタンパー5は、前述の如く、
マスターホログラムからたとえばニッケル、金、クロム
などのメッキにより作製される金属板からなるもので、
生分解性樹脂10表面に凹凸パターンによるホログラム
を形成する母型となるものである。
【0029】なお、ホログラムスタンパー5の厚みは、
冷却ロール3またはニップロール4へ装着する際の作業
性の良さや溶融樹脂を十分な圧力で押圧するのに耐えう
る強度を有する必要性があることから、50〜500μ
m程度が望ましい。
【0030】本発明に用いられる生分解性樹脂10とし
ては、たとえばポリ乳酸樹脂、脂肪族ポリエステル、ヒ
ドロキシポリエステル、ポリカプロラクトン、ポリアミ
ノ酸などが使用でき、特に、押し出し加工適性の点か
ら、ポリ乳酸樹脂、脂肪族ポリエステル、ヒドロキシポ
リエステルが好適である。
【0031】ポリ乳酸樹脂としては、単体のポリ乳酸樹
脂の他、酒石酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ
酪酸、4−ヒドロキシ吉草酸、5−ヒドロキシ吉草酸、
6−ヒドロキシカプロン酸、グリコール酸、α−リンゴ
酸、ポリエチレングリコール、ε−カプロラクトンなど
と共重合されたポリ乳酸樹脂であっても良い。
【0032】脂肪族ポリエステルとしては、アジピン
酸、コハク酸、シュウ酸などのジカルボン酸とエチレン
グリコール、プロピレングリコール、ブタンジオールな
どのグリコールから重縮合でできる脂肪族ポリエステル
が好適に用いられる。
【0033】ヒドロキシポリエステルとしては、たとえ
ば、3−ヒドロキシ酪酸と3−ヒドロキシ吉草酸の共重
合体が好ましく用いられる。
【0034】これらの生分解性樹脂は、アルカリ可溶性
で、押し出し加工適性があり、かつ深さが1μm以下
で、1mm当たり約700〜1500本の凹凸で構成さ
れているようなレリーフ型ホログラムを冷却ロール3と
ニップロール4との間でエンボス成形することが可能で
ある。
【0035】紙質基材11と生分解性樹脂10とは、こ
のように押し出しコーティング法により積層されるが、
実用的なラミネート強度を得るために、紙質基材11の
積層面側にあらかじめコロナ放電処理を施したり、溶融
押し出し成形機1のT−ダイ2より押し出された生分解
性樹脂10の積層面側にあらかじめオゾン処理装置40
によってオゾンを含有する気体を吹き付けた後に、積層
することが望ましい。
【0036】オゾンによる前処理を実施する場合、吹き
付ける気体中のオゾン濃度は1g/Nm3以上が好まし
く、その吹き付け量は単位時間当たり0.5Nm3以上
であることが望ましい。
【0037】T−ダイ2より押し出された生分解性樹脂
10の厚みは、好ましくは5〜100μm、さらに好ま
しくは10〜60μmである。この押し出し厚みが5μ
m未満であると、安定した押し出し加工性が得られなく
なり、一方押し出し厚みが100μmを越えると樹脂コ
ストの面からの経済性や、洗浄時においてアルカリ水の
浸透に時間がかかり、ラベルの剥離、除去に長時間を要
するため十分な洗瓶適性が得られなくなる。
【0038】紙質基材11としては、幅広い範囲での選
択が可能であるが、生分解性樹脂10を紙質基材11上
に押し出しコーティングすることで紙質基材11表面に
は平滑性が付与されるため、特に、平滑性を良くするた
めに、原紙にクレーコート層を設けたコート紙、アート
紙、キャストコート紙などの高価なものを必ずしも用い
る必要性はなく、安価な純白ロール紙などが利用でき
る。
【0039】紙質基材11表面に生分解性樹脂10をコ
ーティングして平滑性を持たせることで、その面に金属
反射層15を形成した際に、十分な金属光沢を示すとと
もに、生分解性樹脂10表面に形成されたホログラムを
より鮮明に輝かせることが出来る。
【0040】また、紙質基材11は、水に浸漬した際の
水中伸度が2.5%以下、好ましくは1.5%以下であ
るものを使用することが望ましい。水中伸度が2.5%
を越えるような伸びを有する紙質基材を用いると、容器
に貼り付けた後、冷蔵庫などで冷やされると容器表面に
付着する水滴により、紙質基材11に伸びが生じ、生分
解性樹脂10表面に形成された金属反射層15に亀裂が
生じるおそれがある。その結果、鮮明に輝いているホロ
グラムの外観を低下させることとなるので好ましくな
い。
【0041】また、紙質基材11の坪量は、一般的に2
0〜200g/cm2の範囲が適当であり、さらに好ま
しくは30〜150g/cm2の範囲が適当である。特
に、坪量が20g/cm2未満であると、紙質基材11
の機械的強度が不足し、一連の加工工程でも十分耐え得
る強度を確保することが難しくなる。
【0042】ホログラム形成シート20のホログラム形
成面に設ける金属反射層15は、たとえば金属蒸着膜に
て形成することが出来る。金属反射層15は、生分解性
樹脂10の表面に形成されたホログラムをより明るいも
のとするために形成するものであり、表面反射率が高い
金属を使用することが好ましい。たとえば、アルミニウ
ム、金、銀、銅、錫など、およびこれらの金属を含む合
金を使用することが出来る。
【0043】上記金属反射層15を形成する方法として
は、公知の真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレ
ーティング法などの方法を採用することが可能であり、
また、真空蒸着法で行う場合はバッチ式であっても或い
は連続式であっても良い。
【0044】このようにして形成される金属反射層15
の厚みは、100〜10000オングストロームの範囲
が適当である。特に、金属反射層15の厚みが100オ
ングストローム未満であると、十分に鮮明なホログラム
の輝きが得られないおそれがあるので好ましくない。
【0045】この結果、図3に示すような本発明のホロ
グラムラベル30を得ることが出来る。
【0046】図4は、このようにして得られたホログラ
ムラベル30の金属反射層15の上に、さらにプライマ
ー層21、印刷インキ層22、およびオーバーコート層
23を順次設けて表面物性、装飾効果をさらに高めたも
のである。
【0047】ここでプライマー層21としては、アルカ
リ可溶性の良い樹脂で、たとえばシェラック、ニトロセ
ルロース系樹脂、ニトロセルロース系樹脂に樹脂酸エス
テルを添加した混合樹脂、該混合樹脂にさらにアルキッ
ド樹脂を添加した樹脂などが使用できる。
【0048】また、上記印刷インキ層22は、ニトロセ
ルロース系樹脂、ポリアミド樹脂、あるいはこれらの混
合樹脂をビヒクルとするインキを用いるのが好ましく、
さらにマレイン酸を添加したインキなどを使用すること
も好ましい。
【0049】また、上記オーバーコート層23は、アル
カリ可溶な層で、上記印刷インキ層22に用いたインキ
のビヒクルからなる樹脂を使用することが出来る。
【0050】
【作用】請求項1の発明によると、生産性が良好で且つ
ホログラムのエンボス再現性が良好であるものを得られ
るとともに、ホログラム形成樹脂に生分解性樹脂を用い
たことにより、たとえばガラス瓶などの回収・再利用さ
れる容器のラベルに使用した際に、アルカリ水による洗
浄工程においてラベルの端面からだけでなく、ラベルの
表面からもアルカリ水がラベル内に浸透して速やかに剥
離、除去することが可能で、除去されたラベルの廃棄も
可能となり、しかもホログラムの持つ装飾効果に優れた
ホログラムラベルを提供することが出来る。
【0051】請求項2の発明によると、生分解性樹脂と
してポリ乳酸樹脂、脂肪族ポリエステルまたはヒドロキ
シポリエステルを用いることにより、特にホログラム形
成シート製造段階での押し出し加工適性に優れたものが
得られる。
【0052】請求項3の発明によると、表面物性および
装飾効果をさらに高めたホログラムラベルが得られる。
【0053】請求項4の発明によると、安定した押し出
し加工適性と良好な洗瓶適性が得られる。
【0054】請求項5の発明によると、ラベルに用いる
紙質基材の伸びによる金属反射層の亀裂の発生を防止す
ることが可能となる。
【0055】請求項6の発明によると、溶融押し出し成
形機による押し出しコーティング法を利用して、紙質基
材上に溶融状態の生分解性樹脂を積層するとともにホロ
グラムの形成を行うので、ホログラムラベルの元となる
ホログラム形成シートを極めて効率的に安価で生産する
ことが出来、且つホログラムのエンボス再現性が良好で
あるものを得られるとともに、ホログラム形成樹脂に生
分解性樹脂を用いたことにより、たとえばガラス瓶など
の回収・再利用される容器のラベルに使用した際に、ア
ルカリ水による洗浄工程において速やかに剥離、除去す
ることが可能で、除去されたラベルの廃棄も可能とな
り、しかもホログラムの持つ装飾効果に優れたホログラ
ムラベルを製造することが出来る。
【0056】請求項7の発明によると、生分解性樹脂と
してポリ乳酸樹脂、脂肪族ポリエステルまたはヒドロキ
シポリエステルを用いることにより、特にホログラム形
成シート製造段階での押し出し加工適性に優れたホログ
ラムラベルを製造することが可能となる。
【0057】
【実施例】以下、実施例を示して本発明をさらに具体的
に説明する。 <実施例1>図1に示した装置を用い、あらかじめ積層
面にコロナ放電処理を施した紙質基材(純白ロール紙、
坪量=40g/cm2)上に、ポリ乳酸樹脂(ガラス転
移温度=56.8℃、融点=160℃、重量平均分子量
=11万)を、溶融押し出し成形機のT−ダイより下記
表1に示す条件にて厚み30μmとなるように押し出
し、この際、押し出されたポリ乳酸樹脂の紙質基材との
積層面に向けてオゾン濃度35g/Nm3の空気を流量
1Nm3/hrで吹き付けてオゾン処理を行った。
【0058】その後、上記押し出し樹脂のオゾン処理面
と紙質基材のコロナ処理面とを、表面にレリーフ型ホロ
グラムスタンパーが装着された金属製冷却ロールおよび
ニップロール(シリコーンゴム製、ゴム硬度80度)に
より押圧し冷却することにより、図2に示すようなホロ
グラム形成シートを連続して作製した。
【0059】
【表1】 次いで、このホログラム形成シートのホログラム形成面
に、金属反射層として、真空蒸着機を用いて厚み約10
00オングストロームのアルミニウム蒸着層を積層し、
図3に示すようなホログラムラベルを得た。これを試料
1とした。
【0060】さらに、得られた試料1のアルミニウム蒸
着面に、ニトロセルロース系樹脂によるプライマー層、
ポリアミド樹脂およびニトロセルロース系樹脂の混合樹
脂をビヒクルとするインキを用いた印刷インキ層、およ
び、ニトロセルロース系樹脂にアルキッド系樹脂を混合
したワニスによるオーバーコート層をグラビアコート法
にて順次積層し、図4に示すようなホログラムラベルを
得た。これを試料2とした。 <実施例2>実施例1において、ポリ乳酸樹脂の代わり
にポリ乳酸樹脂とグリコール酸との共重合体(重量平均
分子量=6万)を用いて、図1に示すような溶融押し出
し成形機のT−ダイより厚さ20μmで押し出した他
は、実施例1に述べる試料1の作製と同様の条件にてホ
ログラムラベルを作製した。これを試料3とした。 <実施例3>実施例1において、ポリ乳酸樹脂の代わり
に、ゼネカ(株)製バイオポール「D−610G」(3
−ヒドロキシブチレートと3−ヒドロキシバリレートの
共重合体)を用いて、図1に示すような溶融押し出し成
形機のT−ダイより、下記表2に示す条件で押し出した
他は、実施例1に述べる試料1の作製と同様の条件にて
ホログラムラベルを作製した。これを試料4とした。
【0061】
【表2】 <実施例4>実施例1において、ポリ乳酸樹脂の代わり
に、昭和高分子(株)製ビオノーレ「#1000」(脂
肪族ポリエステル、MFR=5.0g/10分)を用い
て、図1に示すような溶融押し出し成形機のT−ダイよ
り、下記表3に示す条件で押し出した他は、実施例1に
述べる試料1の作製と同様の条件にてホログラムラベル
を作製した。これを試料5とした。
【0062】
【表3】 <比較例1>実施例1において、ポリ乳酸樹脂の代わり
にポリプロピレン樹脂(MI=20dg/min、密度
=0.89g/cm3)を用いて、図1に示すような溶
融押し出し成形機のT−ダイより押し出し温度290
℃、厚さ20μmにて押し出した他は、実施例1に述べ
る試料1の作製と同様にしてホログラムラベルを作製し
た。これを試料6とした。
【0063】このようにして作製した試料1〜試料6に
ついて、回収し再利用される容器に使用されるホログラ
ムラベルとして要求される基本的な物性であるホログラ
ムのエンボス再現性、アルカリ洗瓶適性、および耐水性
を下記のようにして評価した。その結果を表4に示し
た。 (ホログラムのエンボス再現性)各試料のホログラムの
輝度感を目視にて判断し、○は明るい、△はホログラム
は確認できるが暗い、×はホログラムを形成せず、とし
て評価した。 (アルカリ洗瓶適性)各試料をカゼイン系の糊を用いて
ガラス瓶に貼り付け、70℃・4%カセイソーダ水溶液
中に浸漬し、各試料がガラス瓶から剥離するまでの時間
を測定し、○は3分以内、△は5分以内、×は5分超
過、として評価した。 (耐水性)各試料を25℃の蒸留水に1時間浸漬した後
の外観を目視にて判断し、○は変化なし、△はわずかに
クラック発生、×は大きなクラック発生、として評価し
た。
【表4】 表4の結果から、本発明の実施例による試料1〜試料5
は、回収し再利用される容器に使用されるホログラムラ
ベルとして要求される基本的な物性であるホログラムの
エンボス再現性、アルカリ洗瓶適性、および耐水性の全
てにおいて優れた性能を有していることが判る。これに
対し、従来例に相当する試料6は、アルカリ洗瓶適性が
劣っている。
【0064】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、請求項1の
発明によれば、紙質基材上に、生分解性樹脂を押し出し
コーティング法により積層し、該積層体の生分解性樹脂
層の表面にレリーフ型ホログラムを形成し、次いで該レ
リーフ型ホログラム表面に少なくとも金属反射層が設け
られてなるため、生産性が良好で且つホログラムのエン
ボス再現性が良好であるものを得られるとともに、ホロ
グラム形成樹脂に生分解性樹脂を用いたことにより、た
とえばガラス瓶などの回収・再利用される容器のラベル
に使用した際に、アルカリ水による洗浄工程においてラ
ベルの端面からだけでなく、ラベルの表面からもアルカ
リ水がラベル内に浸透して速やかに剥離、除去すること
が可能で、除去されたラベルの廃棄も可能となり、しか
もホログラムの持つ装飾効果に優れ消費者へのアイキャ
ッチ効果に優れた従来にはない極めて高級感あふれるホ
ログラムラベルを提供することが出来る。また、本発明
に係るホログラムラベルは、ガラス瓶などの回収・再利
用される容器などに貼り付けて使用するラベルに適用す
る場合には限られず、たとえば上記の構成を有するホロ
グラム包装紙として適用することも可能であり、包装分
野、書籍分野、カタログ類などに幅広く使用が可能であ
る。
【0065】また、請求項2の発明によれば、生分解性
樹脂としてポリ乳酸樹脂、脂肪族ポリエステルまたはヒ
ドロキシポリエステルを用いることにより、特にホログ
ラム形成シート製造段階での押し出し加工適性に優れた
ものが得られる。
【0066】また、請求項3の発明によれば、ラベルの
金属反射層上にプライマー層、印刷インキ層およびオー
バーコート層を設けたので、表面物性および装飾効果を
さらに高めたホログラムラベルが得られる。
【0067】また、請求項4の発明によれば、生分解性
樹脂層の厚みが5〜100μmであることにより、安定
した押し出し加工適性と良好な洗瓶適性が得られる。
【0068】また、請求項5の発明によれば、紙質基材
は水に浸漬した際の水中伸度が2.5%以下であること
により、ラベルに用いる紙質基材の伸びによる金属反射
層の亀裂の発生を防止することが可能となる。
【0069】さらに、請求項6の発明によれば、溶融押
し出し成形機による押し出しコーティング法を利用し
て、紙質基材上に溶融状態の生分解性樹脂を積層すると
ともにホログラムの形成を行うので、ホログラムラベル
の元となるホログラム形成シートを極めて効率的に安価
で生産することが出来、且つホログラムのエンボス再現
性が良好であるものを得られるとともに、ホログラム形
成樹脂に生分解性樹脂を用いたことにより、たとえばガ
ラス瓶などの回収・再利用される容器のラベルに使用し
た際に、アルカリ水による洗浄工程においてラベルの端
面からだけでなく、ラベルの表面からもアルカリ液がラ
ベル内に浸透していくので速やかに剥離、除去すること
が可能で、除去されたラベルの廃棄も可能となり、しか
もホログラムの持つ装飾効果に優れたホログラムラベル
を製造することが出来る。
【0070】またさらに、請求項7の発明によれば、生
分解性樹脂としてポリ乳酸樹脂、脂肪族ポリエステルま
たはヒドロキシポリエステルを用いることにより、特に
ホログラム形成シート製造段階での押し出し加工適性に
優れたホログラムラベルを製造することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ホログラム形成シートの製造ラインの概略を示
す構成図である。
【図2】ホログラム形成シートの断面図である。
【図3】本発明のホログラムラベルの一実施例の断面図
である。
【図4】本発明のホログラムラベルの他の実施例の断面
図である。
【符号の説明】
1 溶融押し出し成形機 2 T−ダイ 3 冷却ロール 4 ニップロール 5 レリーフ型ホログラムスタンパー 6 巻き取りロール 10 生分解性樹脂 11 紙質基材 15 金属反射層 20 ホログラム形成シート 21 プライマー層 22 印刷インキ層 23 オーバーコート層 30 ホログラムラベル 40 オゾン処理装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 谷口 正幸 東京都台東区台東1丁目5番1号 凸版 印刷株式会社内 (72)発明者 梅山 浩 東京都台東区台東1丁目5番1号 凸版 印刷株式会社内 (56)参考文献 特開 平6−143521(JP,A) 特開 平5−85088(JP,A) 特開 平5−265365(JP,A) 特開 平6−81280(JP,A) 実開 昭63−74675(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03H 1/18

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 紙質基材上に、生分解性樹脂を押し出し
    コーティング法により積層し、該積層体の生分解性樹脂
    層の表面にレリーフ型ホログラムを形成し、次いで該レ
    リーフ型ホログラム表面に少なくとも金属反射層が設け
    られてなることを特徴とする洗瓶性ホログラムラベル。
  2. 【請求項2】 前記生分解性樹脂は、ポリ乳酸樹脂、脂
    肪族ポリエステルまたはヒドロキシポリエステルである
    ことを特徴とする請求項1記載の洗瓶性ホログラムラベ
    ル。
  3. 【請求項3】 前記金属反射層上に、プライマー層、印
    刷インキ層およびオーバーコート層がこの順に設けられ
    てなることを特徴とする請求項1記載の洗瓶性ホログラ
    ムラベル。
  4. 【請求項4】 前記生分解性樹脂層の厚みが5μm〜1
    00μmであることを特徴とする請求項1または2記載
    の洗瓶性ホログラムラベル。
  5. 【請求項5】 前記紙質基材は、水に浸漬した際の水中
    伸度が2.5%以下であることを特徴とする請求項1記
    載の洗瓶性ホログラムラベル。
  6. 【請求項6】 紙質基材上に、溶融押し出し成形機のT
    −ダイよりシート状に押し出された生分解性樹脂をコー
    ティングするとともに、レリーフ型ホログラムスタンパ
    ーが表面に装着された冷却ロールにて押圧し冷却するこ
    とにより、前記生分解性樹脂表面にレリーフ型ホログラ
    ムを形成し、次いで、該レリーフ型ホログラム形成面
    に、金属反射層、プライマー層、印刷インキ層およびオ
    ーバーコート層を順次設けることを特徴とする洗瓶性ホ
    ログラムラベルの製造方法。
  7. 【請求項7】 前記生分解性樹脂は、ポリ乳酸樹脂、脂
    肪族ポリエステルまたはヒドロキシポリエステルである
    ことを特徴とする請求項6記載の洗瓶性ホログラムラベ
    ルの製造方法。
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