JP3415503B2 - 動物の節足動物侵略を制御するための新規のゲル製剤を含有する首輪 - Google Patents

動物の節足動物侵略を制御するための新規のゲル製剤を含有する首輪

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Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明が属する技術分野】本発明は一般に、動物を節足
類有害生物から防護するのに有用な用具の分野に関す
る。本発明は、特に、動物を節足類有害生物から防護し
得る有効量の活性成分の制御された持続性放出を可能に
する首輪および耳タグ用具であって、活性成分がこのよ
うな用具内に収容された改良型ゲル製剤の一部を構成し
ている用具に関する。
【０００２】
【従来の技術】動物を節足類有害生物、特にノミ、マダ
ニ、ハエおよびダニから防護するために、種々の方法が
用いられてきた。従来、動物は殺虫剤溶液を噴霧される
かまたはその中に浸けられていた。しかしながら、この
種の処置は一時的防護を提供するだけで、日光、湿度な
どのような種々の環境因子による分解の結果として、通
常は３週間未満しか持続しない。
【０００３】節足類有害生物の制御を改良し、簡易化す
る試みは、動物に装着される、殺虫剤を含有する首輪ま
たは耳タグのような用具を従来提供してきた。イヌやネ
コのような飼いならされたペットに関しては、首輪が動
物の外被に対して摩擦されると、首輪から放出され、分
散される殺虫剤組成物を含浸させた固体基剤物質を含有
する殺虫剤首輪が用いられてきた。家畜類の節足動物害
虫を制御しようとして用いられてきた耳タグも、タグが
動物の外被に摩擦されると放出され、分散される殺虫剤
組成物を含浸させた固体基剤物質を包含する。しかしな
がら、このような首輪および耳タグ用具により提供され
る防護は、一部は固体基剤物質が殺虫剤組成物を放出す
るのに有効でないために、あてにならず、効き目が短
い。
【０００４】米国特許第５，６６０，８４４号（Christ
ie）は、貯蔵器の内部のキャビティ中に密閉されるゲル
を包含する、動物を節足類の侵略から防護する首輪およ
び耳タグ用具を示す。言及されたゲルは、蝋ゲル化剤、
鉱油のような有機溶媒、そして殺虫剤組成物の組合せを
含む。これらの用具は、一般に、従来の用具および方法
よりも有効で、且つより長期間持続する防護を提供す
る。
【０００５】しかしながら、製作後、貯蔵器の壁を通し
て有効量の活性成分が浸透するには３〜５週間を要す
る。その上、鉱油を包含するゲルは、動物の外被上に油
性の沈殿物を残存させ得る。さらに、鉱油は、いくつか
の動物の皮膚に炎症を起こすことが知られている。さら
には、このようなゲルを含有する貯蔵器の管の開放端
は、しばしば制作中に管が適切に密封されるのを阻害す
る。そしてまた、シペルメトリン（cypermethrin）のよ
うなある種の殺昆虫剤は、このようなゲル中で混和性で
ない。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】したがって、製作後に
貯蔵器の壁を通して有効量の活性成分が浸透するのに短
時間を要するだけの、動物の外被に油性残渣を残存させ
ず、あるいは皮膚に炎症を起こさず、貯蔵器の密閉性を
阻害しない、そしてシペルメトリンのような殺虫剤と混
和性である改良型ゲル組成物を含有する首輪および耳タ
グの必要性がある。
【０００７】
【課題を解決するための手段】一局面において、本発明
は、ノミ、マダニ、ハエおよびダニのような節足類有害
生物から動物を防護し得る有効量の活性成分の制御され
た持続性放出が可能な用具を提供する。本用具は、外側
面および密閉キャビティを規定する内側面を含む支持膜
並びに密閉キャビティ内に収容されそして前記内側面に
接するゲルを有する貯蔵器を含み、このゲルは、脂肪酸
またはその塩であるゲル化剤、直鎖脂肪族エステル、シ
リコーンベースの流体またはそれらの組合せである有機
溶媒、および動物を１つ又はそれ以上の節足類有害生物
から防護し得るその中に分散された活性成分の混合物を
含んで成り、貯蔵器の支持膜は、活性成分に対して透過
性である高分子物質を含んで成る。
【０００８】好ましい態様では、貯蔵器の支持膜はポリ
塩化ビニル（ＰＶＣ）であり、脂肪酸はステアリン酸で
あり、有機溶媒はパルミチン酸メチルとシリコーンベー
スの流体、例えばジメチコーンとの組合せであり、活性
成分は殺虫剤(insecticide）、虫忌避剤（insect repel
lant）または虫成長調節剤（insect growth regulator;
ＩＧＲ）、またはその組合せであるが、しかしこれらに
限定されない。さらに好ましい態様では、有機溶媒中の
パルミチン酸メチルとジメチコーンの重量比は、約５０
重量％パルミチン酸メチルおよび約５０重量％ジメチコ
ーンである。
【０００９】特に有用な態様では、ゲルは約４５重量％
〜約５５重量％のステアリン酸、約１５重量％〜約２５
重量％の有機溶媒、及び約１８重量％〜約２８重量％の
活性成分を含有する。ゲルはさらに、１又はそれより多
くの付加的成分、例えば安定剤、例えば酸化防止剤また
は紫外線遮断剤を必要な場合に包含する。本発明の用具
は、好ましくは首輪または耳タグの形態であり、これは
さらに、それぞれ動物の首の回りに、または耳に用具を
留め付けるための留め付け手段を包含する。
【００１０】さらに別の局面では、本発明は、動物を節
足類有害生物から防護するために首輪または耳タグ中に
使用するための改良型配合物のゲルを提供するが、その
ゲルは、脂肪酸またはその塩であるゲル化剤、直鎖脂肪
族エステル、シリコーンベースの流体またはそれらの組
合せである有機溶媒、および動物を１又はそれ以上の節
足類有害生物から防護し得るその中に分散された活性成
分の混合物を含んで成る。
【００１１】さらに別の局面では、本発明は、動物を節
足類有害生物から防護し得る有効量の活性成分の制御さ
れた持続性放出が可能な用具の製造方法を提供し、この
用具は、外側面および密閉キャビティを規定する内側面
を含む支持膜並びに該密閉キャビティ内に収容されそし
て内側面と接するゲルを有する貯蔵器を含み、前記ゲル
が、脂肪酸またはその塩であるゲル化剤、直鎖脂肪族エ
ステル、シリコーンベースの流体またはその組合せであ
る有機溶媒、および動物を１又はそれより多くの節足類
有害生物から防護し得る活性成分の混合物を含んで成
り、貯蔵器の支持膜が活性成分に対して透過性である高
分子物質を含んで成り、当該製造方法は、支持膜の内側
面により規定されるキャビティをゲルで充填し、そして
キャビティ中のゲルを密閉するために支持膜を密封する
工程を含んで成る。
【００１２】さらに別の局面では、本発明は動物を節足
類有害生物から防護する方法であって、本発明の用具、
例えば首輪または耳タグを動物に取り付ける工程を包含
する方法を提供する。
【００１３】 〔発明の詳細な説明〕本発明は、ノミ、マダニ、ハエお
よびダニのような節足類有害生物から動物を防護し得る
有効量の活性成分の制御された持続性放出が可能な用具
を提供する。本発明の用具は、外側面および密閉キャビ
ティを規定する内側面を含む支持膜並びに前記密閉キャ
ビティ内に収容されそして前記支持膜の内側面に接する
ゲルを有する貯蔵器を含み、このゲルはその中に分散さ
れた活性成分を含有する。
【００１４】貯蔵器の支持膜を構成する物質は、好まし
くは、透過性の所望の物理学的特性および化学的不活性
を有するよう選択される。したがって、貯蔵器の支持膜
を構成する物質は、ゲル中の活性成分に対して透過性で
なければならない。さらに、貯蔵器の支持膜を構成する
物質は、好ましくはゲルのいかなる成分とも実質的に反
応すべきでない。貯蔵器の支持膜は、好ましくは、多孔
質テトラフルオロエチレン、ポリエチレン、ポリプロピ
レン、ポリアミド、軟質（flexible）ポリアクリレー
ト、ポリ塩化ビニル（ＰＶＣ）、エチレンビニルアセテ
ート、ポリオレフィン、ポリウレタン、シリコーンおよ
びそれらの組合せから成る群から選択される高分子物質
である。
【００１５】軟質高分子物質は、それが動物に合うよう
適合させるのがより容易であり、壁の厚みを調整するこ
とにより活性成分の放出速度を制御するのにより従い易
いために、好ましい。好ましい態様では、軟質高分子物
質は、ＰＶＣ管状材料、例えば中でもNorton Performan
ce Plastics （Akron, OH ）から市販されているTygon
(商標）R-3603管材料であるが、しかしこれに限定され
ない。
【００１６】本発明の用具の貯蔵器は、動物に取り付け
られ、そしてその動物を節足類有害生物から防護するの
に役立ち得る限り、いかなる所望の形状も取り得る。本
明細書中で用いる場合、本発明の用具は、動物を節足類
有害生物から「防護する」が、この場合、用具は、動物
に取り付けられると、１又はそれ以上の節足類有害生
物、例えばのみ、マダニ、ハエまたはダニによる動物の
侵略を防止または排除するか、あるいは未処置対照群と
比較して、用具が有効である期間に動物を侵略し、その
上に止まり、またはその周囲に群がるいずれか１つ又は
それ以上のこのような節足類有害生物の数を有意に低減
する。
【００１７】好ましい態様では、貯蔵器は管形状であ
り、貯蔵器を有する支持膜の内側面は管の内径であり、
貯蔵器を有する支持膜の外側面は管の外径であるが、し
かしこれに限定されない。好ましい一態様では、管形状
貯蔵器は、動物の首の周囲の首輪として巻き付けられる
が、しかしこれに限定されない。動物の首のサイズによ
って、あらゆる適切な長さの首輪が容易に製造され得
る。典型的には、首輪は約６〜約２４インチの長さで選
択される。
【００１８】このような首輪では、貯蔵器内に密閉され
るキャビティは、それぞれ長さ約５〜１５インチであ
り、貯蔵器の支持膜は厚みが約１／３２〜約１／８イン
チ（即ち内側面と外側面の間の距離）であって、貯蔵器
は、動物の首のサイズによって、密閉キャビティの各末
端を超えて約１〜５インチのタブを延ばす。首輪の末端
は、留め付け手段をさらに有することができる。例え
ば、首輪の一方の端は二部分型留め付け手段、例えばバ
ックル、スナップまたはホック、あるいはループ型ファ
スナー、例えばVekcroファスナーの第一部分を、そして
首輪の他方の端は第二部分を有し得る。貯蔵器が耳タグ
として構成される場合、用具は当業界で既知の、例えば
クリップのような適切な耳タグ留め付け手段をさらに包
含する。
【００１９】本発明の態様を示すために、添付の図面を
参照するが、本発明はこれらに限定されない。図１は、
貯蔵器１０が管状首輪として構成され、そしてイヌ５に
装着される本発明の用具の一例である。図２は、管状首
輪として構成される貯蔵器１０の透視図であり、そして
さらにバックル留付け手段の使用を例示する。図３は、
図２の管状首輪の断面図であって、支持膜２０、支持膜
２０の外側面２５、密閉キャビティを規定する支持膜２
０の内側面３０並びに該密閉キャビティ内に収容されそ
して前記支持膜２０の内側面３０と接するゲル３５を有
する貯蔵器１０を示す。
【００２０】図４は、図２の管状首輪の側面図であっ
て、支持膜２０、支持膜２０の外側面２５、密閉キャビ
ティを規定する前記支持膜２０の内側面３０並びに前記
密閉キャビティ内に収容されそして前記支持膜２０の内
側面３０と接するゲル３５で構成される貯蔵器１０並び
に前記密閉キャビティの末端を越えて延びるタブ４０お
よびバックル留め付け手段４５の一部を示す。
【００２１】本発明の用具のゲルは、ゲル組成物および
その中に分散される１又はそれより多くの活性成分を含
んで成る改良型配合物である。本明細書中で用いる場
合、「ゲル組成物」という用語は、半固体有機ゲル組成
物、即ち、水を含有するヒドロゲルではなく、有機溶媒
を含有するゲル組成物を示す。ゲル組成物を構成する成
分は、ゲル化剤、および親脂性化合物とともに用いるた
めに適合性であるよう一般的に選択される有機溶媒であ
る。
【００２２】ゲル化剤は、適切な有機溶媒と組合せた場
合にゲル組成物を生成するように選択される。ゲル化剤
は、好ましくは、約Ｃ15〜約Ｃ17の長さの非分枝炭化水
素鎖を有する脂肪酸である。さらに好ましい態様では、
ゲル化剤は飽和脂肪酸、例えばパルミチン酸またはステ
アリン酸、あるいはその組合せである。さらに好ましい
態様では、ゲル化剤はステアリン酸であり、これは一般
に商業的供給元、例えばFisher Scientific, Inc. から
市販されている。ゲル化剤は、あるいは脂肪酸の塩、例
えばカルシウム塩であり得る。例えば、ゲル化剤は、二
ステアリン酸カルシウムであってもよい。
【００２３】適切な有機溶媒は、以下の中から選択され
得る：（ａ）炭素数が約９〜約１７であることを特徴と
する直鎖脂肪族エステル溶媒；（ｂ）低粘度シリコーン
油中に分散された高分子シリコーンポリマーの配合物で
あるシリコーン流体；そして（ｃ）このような直鎖脂肪
族エステル溶媒とシリコーン流体の組合せ。好ましい一
態様では、直鎖脂肪族エステル溶媒は、カプロン酸メチ
ル、カプリル酸メチル、ミリスチン酸メチルおよびパル
ミチン酸メチルから選択されるが、これらに限定されな
い。
【００２４】本発明で特に有用なシリコーン流体は、例
えば約５〜約５０センチストーク（ｃｓｔ）の粘度範囲
を有し得る。好ましい一実施態様では、シリコーン流体
は、シクロメチコーン（cyclomethicone）、ジメチコー
ン(dimethicone）、ジメチコーンコポリオール（dimeth
icone copolyol）、トリメチルシリルアモジメチコーン
(trimethyl silylamodimethicone）およびそれらの組合
せから成る群から選択されるが、これらに限定されな
い。
【００２５】特に好ましい態様では、ゲル組成物の有機
溶媒は、Aldrich Chemical Co.から市販されているパル
ミチン酸メチルと、General Electric Co.から市販され
ているジメチコーン（ＳＦ−９６（５ｃｓｔ））の組合
せである。下記のすべての特定の態様において、「ジメ
チコーン」という用語は、ジメチコーン（ＳＦ−９６
（５ｃｓｔ））を指すが、しかし本発明はこの特定のジ
メチコーン配合物の使用に限定されない。
【００２６】ゲル組成物の有機溶媒がパルミチン酸メチ
ルとジメチコーン混合物からなる場合、これら２つの成
分は、好ましくは約１０重量％〜約９０重量％パルミチ
ン酸メチルと、したがって約９０重量％〜約１０重量％
ジメチコーン、さらに好ましくは約４０重量％〜約６０
重量％パルミチン酸メチルと、したがって約６０重量％
〜約４０重量％ジメチコーンの重量比で存在する。特に
好ましい態様では、有機溶媒は約５０重量％パルミチン
酸メチルと５０重量％ジメチコーンとで構成され、この
混合物は、貯蔵器の支持膜としてＰＶＣを用いる場合に
特に望ましい。
【００２７】好ましい一態様では、ゲル化剤は、約４５
重量％〜約５５重量％、さらに好ましくは約４８重量％
〜約５４重量％、最も好ましくは約５０重量％〜約５２
重量％の範囲でゲル中に存在する。好ましい一態様で
は、有機溶媒は約１５重量％〜約２５重量％、さらに好
ましくは約１６重量％〜約２２重量％の範囲でゲル中に
存在する。
【００２８】ゲルは１又はそれより多くの活性成分をさ
らに包含し、それらは、好ましくは殺虫剤、虫忌避剤お
よび虫成長調節剤（ＩＧＲ）から選択される。好ましい
一態様では、活性成分は、動物を節足類有害生物から、
例えば一般にイヌ、ネコ、ウシ、ウマ、ヒツジまたはヤ
ギを侵略し、その上に止まり、またはその周囲に群がる
害虫から防護し得る殺虫剤である。このような節足類有
害生物としては、典型的にはノミ、マダニ、ハエおよび
ダニ、ならびにシラミおよびその他の外部寄生虫が挙げ
られる。
【００２９】広範な種々のこのような活性成分が知られ
ており、そして抑制されるべき特定の節足類有害生物お
よび治療されるべき動物を基礎にして、容易に選択され
得る。適切な殺虫剤としては、塩素化炭化水素類、有機
リン酸化合物類、ピレトリン類(pyrethrin）、ピレスロ
イド類（pyhethroid）およびカルバメート類が挙げられ
る。
【００３０】このような殺昆虫剤の例は、リンダン(lin
dane）、メトキシクロル（methoxychlor）、ペルメトリ
ン（permethrin）、シペルメトリン（cypermethrin）、
ジクロルボス（dichlorvos）、ジアジノン（diazono
n）、クロルフェンビンフォス（chlorfenuinophos）、
ベンジオカルブ（bendiocarb）、アミトラズ(amitra
z）、クロルピリフォス（chlorpyrifos）、デルタメト
リン（deltamethrin）およびセビン(sevin）の一般名で
同定されるものであるが、これらに限定されない。
【００３１】好ましい一態様では、活性成分はピレスロ
イドであり、このクラスの殺虫剤は、ノミおよびマダニ
の処置に特によく適している。適切な虫忌避剤としては
特に、ＤＥＥＴ、シトロネラ（citronella）、ペルメト
リン（permethrin）、ピレトリン(pyrethrin）が挙げら
れる。適切なＩＧＲとしては、メトプレン（methopren
e）、ヒドロプレン（hydroprene）、Ｓ−メトプレン、
Ｓ−ヒドロプレン、ジミリン(dimilin）（ジフルペンゼ
ロン(diflupenzeron））およびクロマジン（chromazin
e）が特に挙げられる。当業界で既知のこれらの、そし
てその他の殺虫剤、虫忌避剤およびＩＧＲは、本発明の
ゲル中の活性成分として、単独でまたは組合せて用い得
る。
【００３２】上記のものに代って、又はそれに加えて、
ゲルは殺エンデイス剤(endectocide）、例えば特に、市
販のドラメクチン（doramectin）、イベルメクチン（iv
ermectin）、アベルメクチン（avermectin）またはモキ
シデクチン（moxidectin）を含有し得る。あるいは、ま
たはさらに、ゲルは１又はそれより多くのその他の活性
成分、例えば動物の疾患または症状を治療するための薬
剤を含み得るが、これらの薬剤は、本発明の用具を用い
て動物に局所適用することにより有効に供給され得る
し、そしてこれらの薬剤は本発明の改良型ゲル配合物と
適合性である。
【００３３】このような薬剤の例としては、皮膚刺激を
治療するのに有用なもの、例えばアラントインが挙げら
れる。最後に、活性成分は、ゲル組成物の有機溶媒中に
混和されるように選択される。ゲルは、活性成分の供
給、吸収または効力を増強するのに役立つその他の成
分、例えば界面活性剤またはその他の洗剤を付加的に含
有し得る。
【００３４】ゲル中に含まれる活性成分の量は、いくつ
かの因子、例えば動物のサイズ、用いられる特定の活性
成分、そして特定の害虫問題の性質および程度によって
いる。活性成分は、好ましくは少なくとも適切な有効量
の活性成分が長期間に亘って動物に確実に達するよう
に、特定の動物を節足類有害生物から有効に防護するの
に必要な量より多くの量で、ゲル中に含まれる。有効で
あるためには、ゲル中の活性成分の量は一般に、約６ｍ
ｇ／日〜約２４ｍｇ／日の活性成分を動物に提供するの
に十分な量である。
【００３５】例えば、体重が約７ｋｇのイヌに関して
は、約６ｍｇ／日〜約１６ｍｇ／日の供給が好ましい。
体重約１６ｋｇのイヌに関しては、約１０ｍｇ／日〜約
２４ｍｇ／日の供給が好ましい。好ましい一態様では、
活性成分はゲルの約１８重量％〜約２８重量％、さらに
好ましくは約２０重量％〜約２６重量％、最も好ましく
は約２２重量％〜約２４重量％を構成すべきであるが、
しかしこれらの重量％は、前記の因子によって有意に変
わり得る。
【００３６】ゲル中の十分量の活性成分を用いて、本発
明の用具は、長期間に亘って、一般に少なくとも１８０
日間、動物の表面に有効量の活性成分を供給し得る。
「有効量の」活性成分とは、１又はそれより多くの節足
類害虫、例えばノミ、マダニ、ハエまたはダニによる動
物への侵略を防止または排除し得るか、あるいは未処置
対照群と比較した場合に、動物を侵略し、その上に止ま
り、またはその周囲に群がるいずれか１つまたはそれ以
上の節足類害虫の数を有意に低減し得る活性成分の量を
示す。
【００３７】本発明のゲルは、必要な場合に付加的成分
をさらに含有し得る。例えば、酸化防止剤、例えばブト
キシヒドロキシトルエン（ＢＨＴ）、亜硫酸ナトリウ
ム、ピラゾロンまたはチオグリコール酸が、活性成分の
酸化を防止または回避するために約１重量％〜約７重量
％でゲルに付加され得る。これらに代って、又はこれら
に加えて、紫外線遮断剤、例えばオクチルジメチルＰＡ
ＢＡ、オクチルメトキシシンナメート、ベンゾフェノン
３、オクチルサリチレートまたはオクトクリレンが、日
光による活性成分に対する損傷を防護するために、約１
重量％〜約７重量％でゲルに付加され得る。
【００３８】これらの酸化防止剤および紫外線遮断剤
は、活性成分の寿命を延長するための安定剤として役立
つ。例えば、主に屋外で、家畜類に用いられる用具に関
しては、約１重量％〜約７重量％のオクチルメトキシシ
ンナメートが、日光からの損傷を防護するためにゲルに
付加される。ゲルは、必要な場合に、脱臭剤、香料また
は着色染料あるいはその組合せをさらに包含し得る。
【００３９】特に有効な態様では、本発明の用具に用い
るためのゲル配合物は、約４５重量％〜約５５重量％の
ステアリン酸、約１５重量％〜約２５重量％の有機溶媒
（典型的には約５０重量％のパルミチン酸メチルと約５
０重量％のジメチコーン）および約１８重量％〜約２８
重量％の活性成分としてのシペルメトリンを包含し得る
が、これに限定されない。任意の成分、例えば酸化防止
剤およびＵＶ遮断剤は、各々約１重量％〜約７重量％の
重量範囲で存在する。
【００４０】一態様では、例えばシペルメトリンを含有
するゲルを用いて、以下のパラメーターに対して有効な
首輪用具が製造され得る。約１／３２〜約１／１６イン
チの膜厚を有するＰＶＣ管状材料が選択される；管の好
ましい充填長は、約５〜約１１インチである；そしてゲ
ルは約５１重量％のステアリン酸、約１０重量％のパル
ミチン酸メチル、約１０重量％のジメチコーン、約２２
重量％のシペルメトリン、および約７重量％の総任意成
分、例えば酸化防止剤および紫外線遮断剤を包含する。
【００４１】貯蔵器からの活性成分の放出速度は、種々
の因子の中でも特に、支持膜の多孔度、透過性および厚
み、活性成分の濃度および分子量、そして粒状ゲルを構
成する種々の成分の重量比に関連する。活性成分の放出
速度は、１又はそれより多くのこれらのパラメーターを
系統的に変えることにより制御し得る。ゲル中の有機溶
媒の量を調整することにより、あるいは異なる多孔度ま
たは透過性を有する支持膜を選択することにより、ある
いはこのような修正の組合せを実行することによって、
貯蔵器からの活性成分の放出速度を調節することができ
る。例えば、活性成分の分子量が増大すると、特定の貯
蔵器からのその放出速度は一般に低減する。
【００４２】したがって、例えば活性成分がシペルメト
リンより大きい分子量を有する分子であり、そしてシペ
ルメトリンの場合と同一の放出速度を要する場合には、
より高いパーセンテージの有機溶媒を含有するゲルが調
製され得るか、またはより多孔質のまたはより薄い支持
膜材料が選択され得る。あるいは、活性成分がシペルメ
トリンより小さい分子量を有する分子であり、シペルメ
トリンの場合と同一の放出速度を要する場合には、より
低いパーセンテージの有機溶媒を包含するゲルが調製さ
れ得るか、または低多孔質のまたはより厚い支持膜材料
が選択され得る。これらの、そしてその他のパラメータ
ーの調整により、活性成分の放出速度は、特定の用具ま
たは環境に関して最適化し得る。
【００４３】一態様では、貯蔵器からの活性成分の放出
速度は、一定の支持膜厚を有すると仮定すると、ゲルの
溶媒含量を調整して、「より軟質の」または「より硬質
の」ゲルを生成することにより、変え得る。例えばシペ
ルメトリンを含有するゲルを用いると、相対的により軟
質のゲルは、約４８重量％のステアリン酸、約１１．８
重量％のパルミチン酸メチル、約１１．９重量％のジメ
チコーン、約２０重量％のシペルメトリン、約４．５重
量％の紫外線遮断剤、および約３．８重量％の酸化防止
剤を含有し得る。
【００４４】本発明の用具を製造するために、有機溶
媒、ゲル化剤、活性成分およびその他の添加剤を一緒に
組合せることにより、ゲルを調製する。併合成分を、典
型的には、液体混合物が均質になるまで混合しながら、
約８０℃に加熱する。均質化工程は、典型的には、大気
圧で約４時間を要する。ゲル化剤がステアリン酸であ
り、有機溶媒が５０重量％ジメチコーンおよび５０重量
％パルミチン酸メチルである場合、約８０℃〜約９０℃
の温度に加熱することにより、混合物を調製し得る。均
質化後、冷却すると、この特定の混合物は約６５℃でゲ
ルになり始める。本発明の実施に有用なその他のゲルの
調製の適切な温度は、当業者には容易に確定され得る。
【００４５】貯蔵器のキャビティを均質液体混合物で充
填する。充填後、加熱により、またはゲルを密閉するた
めに支持膜物質の完全密封を成し遂げるのに有効な他の
あらゆる方法により、キャビティを密封して閉じる。Ｐ
ＶＣ管を密封するのに特に適した方法は、例えばFabric
acione Electronicas （Buenos Aires, Argentina ）か
ら市販されているような、高周波密封装置を用いること
による。一旦、貯蔵器がゲルで充填され、密封される
と、有効量の活性成分は、典型的には約３日で支持膜を
通して浸透し、その後、用具は使用の準備が整う。
【００４６】本発明の用具は、動物を節足類有害生物、
例えばノミ、マダニ、ハエおよびダニから防護し得る有
効量の活性成分の制御された持続性放出を提供する。放
出は、その速度が１又はそれより多くの前記のパラメー
ターを変えることにより調整され得るため、「制御」さ
れる。放出は、長期間に亘って、例えば作製後少なくと
も１８０日間、炎症を起こさずに、継続的に生じるため
に、「持続性」でもある。密閉キャビティ内のゲルの活
性成分は貯蔵器の壁を通して継続的に浸透し、支持膜お
よびゲルを構成する成分の化学的性質、動物被膜に対す
る用具の動き、活性成分および有機溶媒と動物の身体油
との相互作用の組合せによって、動物上に分布される。
【００４７】本発明のゲルの改良型組成物は、有効量の
活性成分が貯蔵器の支持膜を通して浸透するのに要する
時間が短いことにより、従来の処方物に比して優れた結
果を提供する。したがって、改良型ゲル配合物は、有効
量の活性成分の浸透が約３日で起こるのを可能にする
が、これに比して、従来の処方物は約３〜５週間であ
る。この初期浸透期間の短縮の結果、作製後、用具はよ
り迅速に使用の準備ができて、それにより使用前にこの
ような用具を保存しなければならない時間の長さが低減
または排除される。
【００４８】本発明の用具のさらに別の利点としては、
鉱油ベースのゲルの使用に伴ういくつかの問題、例えば
動物に油性残渣が残留することや、皮膚炎症を引き起こ
す可能性があったりまたはその引き金となることを排除
し、そして貯蔵器を密封する工程を阻止することが挙げ
られる。さらに、鉱油ベースのゲル中で混和性でないシ
ペルメトリンのような殺昆虫剤は、本発明の改良型ゲル
処方物中では混和性である。さらに別の利点は、動物上
に目立ってフワフワした被膜を生じる本発明の改良型ゲ
ル処方物の能力に関連して観察されたが、これは有機溶
媒のシリコーン流体成分のエモリエント特性に寄与し得
る。
【００４９】本発明は、動物を節足類有害生物から防護
し得る有効量の活性成分の制御された持続性放出ができ
る首輪または耳タグ用具中に使用するためのゲルを提供
するが、そのゲルは、脂肪酸またはその塩であるゲル化
剤、直鎖脂肪族エステル、シリコーンベースの流体また
はその組合せである有機溶媒、および動物を前記のよう
な１又はそれより多くの節足類害虫から防護し得るその
中に分散された活性成分の混合物から成る。
【００５０】本発明はさらに、動物を節足類有害生物か
ら防護し得る有効量の活性成分の制御された持続性放出
が可能な用具の製造方法を提供し、この用具は、外側面
および密閉キャビティを規定する内側面を含む支持膜並
びに前記密閉キャビティ内に収容されそして内側面と接
するゲルを有する貯蔵器で構成され、前記ゲルが、脂肪
酸またはその塩であるゲル化剤、直鎖脂肪族エステル、
シリコーンベースの流体またはその組合せである有機溶
媒、および動物を１又はそれより多くの節足類有害生物
から防護し得るその中に分散される活性成分の混和物を
含んで成り、貯蔵器の支持膜が活性成分に対して透過性
である高分子物質を含んで成り、当該製造方法は、支持
膜の内側面により限定されるキャビティをゲルで充填
し、そしてキャビティ中のゲルを密閉するために支持膜
を密封する工程を含んで成る方法である。
【００５１】本発明はさらに、本発明の用具を動物に留
め付ける工程を含んで成る、動物を節足類有害生物から
防護する方法を提供する。本発明の首輪用具は、当業界
で既知のような、適切な首輪留め付け手段を用いて動物
の首の周囲に留め付けられる。本発明の耳タグ用具は、
当業界で既知の適切な耳止め付け手段により、例えばク
リップの使用により、動物の耳に留め付けられる。ある
いは、本発明の用具は、当業界で既知のように、動物の
足の１つに、または動物の尾に留め付けられるよう適合
され得る。
【００５２】本方法は、節足類害虫、例えばノミ、マダ
ニ、ハエおよびダニ、ならびにシラミおよびその他の外
部寄生虫から動物を防護するのに有効である。この方法
による恩恵を被る動物としては、家畜動物、例えばイ
ヌ、ネコ、ならびに農場動物、例えばウシ、ウマ、ヤギ
およびヒツジが特に挙げられる。本発明の用具は、ライ
ム病（Lyme Disease）の発生率を低減するのに役立てる
ためにシカのマダニを制御するのにも用い得る。例え
ば、野生シカを捉えて、本用具をそれに取り付形質転
換、シカを放す。
【００５３】
【実施例】以下の実施例により本発明をさらに説明する
が、本発明の範囲はこれらに限定されないものとする。
以下の試験は、活性成分としてシペルメトリンを用いて
本発明により作製された管状首輪の効能を、市販の首輪
および未処置対照群と比較して評価した。ネコノミまた
はBrown Dog マダニのイヌにおける制御に関して、首輪
を評価した。
【００５４】首輪は、以下のように調製した：Tygon R
-3603 管材料（内径１／４インチ；外径５／１６イン
チ；壁厚１／３２インチ）を１７．５インチの長さに切
断した。管の各末端近くで、管の外側にNalgene lab マ
ーカーで印を付けた。高周波密封装置（Fabricacione E
lectronicas ，Buenos Aires, Argentina ）を適切な周
波数、時間および圧力に設定して、管の許容可能な密封
を提供した。各管の一端を最初の印で密封した。
【００５５】以下の成分を、記載の割合で混合した：５
１．４重量％ステアリン酸；１０．１重量％パルミチン
酸メチル；１０．２重量％ジメチコーン；２２重量％シ
ペルメトリン；１．１重量％ＢＨＴ；および５．２重量
％オクチルメトキシシンナメート。成分を、透明、褐色
液体ホモジネートが生成されるまで攪拌しながら、８０
℃に加熱した。１０ｍｌ注射器（針なし）に液体ホモジ
ネートを充填し、これを次に各管中に、第二マークまで
計量分配した。次に、各管の残りの開放端を前記のよう
に密封した。その後、バックル留め付け手段を各管の各
末端に取り付け、下記の試験イヌの首の周囲の首輪とし
て管を留め付けた。管首輪は、作製後３日で用いる準備
ができた。
【００５６】被験イヌをノミまたはマダニに侵略される
２群に分けた。各群のイヌをさらに次のように分けた：
（ａ）６匹の対照群（未処置）；（ｂ）「Control Ulti
mateFlea Collar」（Hartz Mountain Secaucus, N.J.
；活性成分：テトラクロロビンフォス−１４．５５重
量％；メトプレン−１．０２重量％）を装着した６匹の
群；（ｃ）「Zodiac 11-Month Flea Collar For Dogs」
（Wellmark Int'l., Bensonville, III ；活性成分：ク
ロルピリフォス−８重量％）を装着した６匹の群；およ
び（ｄ）本発明の管状首輪（活性成分：シペルメトリン
−バックル以外の密封管の総重量に対して１０．２重量
％）を装着した６匹の群。
【００５７】１００匹の生きたノミ、または５０匹の生
きたマダニを、試験中、１週間置きにイヌに適用した。
首輪効力は、先ず、最初の４４日間、毎週、その後は１
４３日まで２週毎に生きたノミまたは生きたマダニの数
を数えることにより、測定した。ノミまたはダニの減少
％を算出した。データを集め、後記の表１〜４に要約し
た。
【００５８】本発明の管首輪は、少なくとも全試験期間
中は、ノミに対する良好な防護を提供した。管首輪の性
能は、全試験期間中、一貫しており、試験した２つの市
販首輪より優れているか、または同等であった。表１お
よび表２は、Hartz MountainControl Ultimate Flea Co
llar を上回る本発明の管状首輪のノミに対する優れた
性能を実証する。実際、ノミに対するHartz Mountain C
ontrol Ultimate FleaCollar の試験は、５８日目に効
力がなくなったために中止した。表１および表２は、本
発明の管首輪が、ノミに対して、 Zodiac 11-Month Fle
a Collar For Dogs と少なくとも同等に有効であったこ
ともを実証する。
【００５９】本発明の管状首輪は、少なくとも全試験期
間中は、マダニに対する良好な防護も提供した。管状首
輪の性能は、全試験期間中、一貫しており、試験した２
つの市販首輪より優れていた。表３および表４は、Hart
z Mountain Control Ultimate Flea Collar および Zod
iac 11-Month Flea Collar For Dogs の両者を上回る本
発明の管状首輪のマダニに対する優れた性能を実証す
る。実際、マダニに対する Zodiac 11-Month Flea Coll
ar For Dogs の試験は５９日目に、マダニに対するHart
z Mountain Control Ultimate Flea Collar の試験は１
２９日目に、効力がなくなったために中止された。
【００６０】本発明の管首輪を装着したイヌにおいて
は、前記の試験中、副作用は観察されなかった。さら
に、動物の被膜は２つの市販の首輪を装着したイヌ、ま
たは未処置対照群のイヌの場合より顕著にフワフワして
いるように見えた。前記に引用した特許、特許出願およ
び出版物はすべて、その記載内容は参照により本明細書
中に含まれる。
【００６１】特定の実施態様は、本発明の個々の局面を
単に説明するものであって、本発明の範囲はそれらに限
定されず、機能的に等価の方法および成分は、本発明の
範囲内である。実際、図示し、説明したものに加えて、
本発明の種々の修正は、前記の説明から、当業者には明
らかになる。このような修正は、添付の請求の範囲の範
囲内に含まれるものとする。
【００６２】
【表１】
【００６３】
【表２】
【００６４】
【表３】
【００６５】
【表４】
【図面の簡単な説明】
【図１】図１は、貯蔵器が管状首輪として構成され、そ
してイヌに装着される本発明の用具の例である。
【図２】図２は、管状首輪として構成され、そしてさら
にバックル取付け手段を有する貯蔵器の透視図である。
【図３】図３は、図２の管状首輪用具の断面図である。
【図４】図４は、図２の管状首輪用具の側面図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 ＦＩ Ａ０１Ｎ 25/10 Ａ０１Ｎ 25/10 25/18 25/18 53/08 53/00 ５０８Ｃ (56)参考文献 特開 昭63−223083（ＪＰ，Ａ) 特開 昭57−106601（ＪＰ，Ａ) 特開 平７−46955（ＪＰ，Ａ) 特開 平７−82105（ＪＰ，Ａ) 特開 平10−182418（ＪＰ，Ａ) 特表 平８−511155（ＪＰ，Ａ) 国際公開97／031623（ＷＯ，Ａ１) (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) A01N 25/34 A01K 13/00 A01M 1/20 A01M 29/00 A01N 25/04 103 A01N 25/10 A01N 25/18 A01N 53/08 ＣＡ（ＳＴＮ) ＲＥＧＩＳＴＲＹ（ＳＴＮ)

Claims (30)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 動物を節足類有害生物から防護し得る有
    効量の活性成分の制御された持続性放出が可能な用具に
    おいて、（Ａ） 外側面（２５）および密閉キャビティを規定する
    内側面（３０）を含む支持膜（２０）並びに密閉キャビ
    ティ内に収容されそして支持膜（２０）の内側面（３
    ０）と接するゲル（３５）を有する貯蔵器（１０）で構
    成され、前記ゲル（３５）が、脂肪酸またはその塩であ
    るゲル化剤、直鎖脂肪族エステル、シリコーンベースの
    流体またはその組合せである有機溶媒、および動物を１
    又はそれより多くの節足類有害生物から防護し得る活性
    成分の混合物を含んで成り、貯蔵器（１０）の支持膜
    （２０）が活性成分に対して透過性である高分子物質を
    含んで成ることを特徴とする貯蔵器（１０）と； （Ｂ） 動物に貯蔵器を留付けるための留付け手段； とを有する用具。
  2. 【請求項２】 前記貯蔵器の支持膜の材料が多孔質テト
    ラフルオロエチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、
    ポリアミド、軟質ポリアクリレート、ポリ塩化ビニル、
    エチレンビニルアセテート、ポリオレフィン、ポリウレ
    タン、シリコーンおよびそれらの組合せから成る群から
    選択される高分子材料である請求項１に記載の用具。
  3. 【請求項３】 前記貯蔵器の支持膜の高分子物質がポリ
    塩化ビニルである請求項２の用具。
  4. 【請求項４】 前記脂肪酸が約Ｃ15〜約Ｃ17の長さの非
    分枝炭化水素鎖を有する脂肪酸の群から選択される請求
    項１に記載の用具。
  5. 【請求項５】 前記脂肪酸が飽和脂肪酸である請求項４
    に記載の用具。
  6. 【請求項６】 前記飽和脂肪酸がパルミチン酸、ステア
    リン酸およびそれらの組合せから選択される請求項５に
    記載の用具。
  7. 【請求項７】 前記飽和脂肪酸がステアリン酸である請
    求項６に記載の用具。
  8. 【請求項８】 前記直鎖脂肪族エステルが炭素数約９〜
    約１７の鎖を有する直鎖脂肪族エステルから成る群から
    選択される請求項１に記載の用具。
  9. 【請求項９】 前記直鎖脂肪族エステルがカプロン酸メ
    チル、カプリル酸メチル、ミリスチン酸メチル、パルミ
    チン酸メチルおよびそれらの組合せから選択される請求
    項８に記載の用具。
  10. 【請求項１０】 前記直鎖脂肪族エステルがパルミチン
    酸メチルである請求項９に記載の用具。
  11. 【請求項１１】 前記シリコーンベースの流体がシクロ
    メチコーン、ジメチコーン、ジメチコーンコポリオー
    ル、トリメチルシリルアモジメチコーンおよびそれらの
    組合せから成る群から選択される請求項１に記載の用
    具。
  12. 【請求項１２】 前記シリコーンベースの流体がジメチ
    コーンである請求項１１に記載の用具。
  13. 【請求項１３】 前記有機溶媒がパルミチン酸メチルお
    よびジメチコーンの組合せから成る請求項１に記載の用
    具。
  14. 【請求項１４】 前記パルミチン酸メチルとジメチコー
    ンの重量比が約９０重量％パルミチン酸メチル：１０重
    量％ジメチコーン〜約１０重量％パルミチン酸メチル：
    ９０重量％ジメチコーンの範囲である請求項１３に記載
    の用具。
  15. 【請求項１５】 前記パルミチン酸メチルとジメチコー
    ンの重量比が約６０重量％パルミチン酸メチル：４０重
    量％ジメチコーン〜約４０重量％パルミチン酸メチル：
    ６０重量％ジメチコーンの範囲である請求項１４に記載
    の用具。
  16. 【請求項１６】 前記パルミチン酸メチルとジメチコー
    ンの重量比が約５０重量％パルミチン酸メチル：５０重
    量％ジメチコーンである請求項１５に記載の用具。
  17. 【請求項１７】 前記活性成分が殺虫剤、虫忌避剤、虫
    成長調節剤またはその組合せである請求項１に記載の用
    具。
  18. 【請求項１８】 前記活性成分が塩素化炭化水素類、有
    機リン酸化合物類、ピレトリン類、ピレスロイド類、カ
    ルバメート類およびその組合せから成る群から選択され
    る殺虫剤である請求項１７に記載の用具。
  19. 【請求項１９】 前記活性成分がリンダン、メトキシク
    ロル、ペルメトリン、シペルメトリン、ジクロルボス、
    ジアジノン、クロルフェンビンフォス、ベンジオカル
    ブ、アミトラズ、クロルピリフォス、デルタメトリン、
    セビンおよびその組合せから成る群から選択される請求
    項１８に記載の用具。
  20. 【請求項２０】 前記活性成分がシペルメトリンである
    請求項１９の用具。
  21. 【請求項２１】 前記活性成分がＤＥＥＴ、シトロメ
    ラ、ペルメトリン、ピレトリンおよびその組合せから成
    る群から選択される虫忌避剤である請求項１７に記載の
    用具。
  22. 【請求項２２】 前記活性成分がメトプレン、ヒドロプ
    レン、Ｓ−メトプレン、Ｓ−ヒドロプレン、ジミリン、
    クロマジンおよびその組合せから成る群から選択される
    虫成長調節剤である請求項１７に記載の用具。
  23. 【請求項２３】 前記ゲルが酸化防止剤、紫外線遮断剤
    またはその組合せをさらに包含する請求項１に記載の用
    具。
  24. 【請求項２４】 前記酸化防止剤がブトキシヒドロキシ
    トルエン、亜硫酸ナトリウム、ピラゾロン、チオグリコ
    ール酸およびその組合せから成る群から選択される請求
    項２３に記載の用具。
  25. 【請求項２５】 前記紫外線遮断剤がオクチルジメチル
    ＰＡＢＡ、オクチルメトキシシンナメート、ベンゾフェ
    ノン３、オクチルサリチレート、オクトクリレンおよび
    その組合せから成る群から選択される請求項２３に記載
    の用具。
  26. 【請求項２６】 前記ゲルが約４５重量％〜約５５重量
    ％のステアリン酸、約１５重量％〜約２５重量％の有機
    溶媒および約１８重量％〜約２８重量％の活性成分を含
    んで成る請求項１に記載の用具。
  27. 【請求項２７】 前記ゲルが約１重量％〜約７重量％の
    重量範囲の酸化防止剤及び約１重量％〜約７重量％の重
    量範囲の紫外線遮断剤をさらに含んで成る請求項２６に
    記載の用具。
  28. 【請求項２８】 （Ａ）外側面（２５）と密閉キャビテ
    ィを規定する内側面（３０）とを有するポリ塩化ビニル
    の支持膜（２０）並びに該密閉キャビティ内に収容され
    そして前記支持膜（２０）の内側面（３０）に接するゲ
    ル（３５）を有する貯蔵器（１０）であって、前記ゲル
    （３５）が、ステアリン酸またはその塩、パルミチン酸
    メチルとジメチコーンの組合せである有機溶媒、ならび
    に動物をノミおよびマダニから防護し得る殺虫剤、虫忌
    避剤または虫成長調節剤の混合物を含んで成り、活性成
    分が支持膜（２０）を通って浸透し得ることを特徴とす
    る貯蔵器；ならびに（Ｂ）動物に用具を留め付けるため
    の留付け手段、を有する請求項１に記載の用具。
  29. 【請求項２９】 動物を節足類有害生物から防護し得る
    有効量の活性成分の制御された持続性放出が可能な用具
    の製造方法であって、この用具は、外側面（２５）およ
    び密閉キャビティを規定する内側面（３０）を含む支持
    膜（２０）並びに該密閉キャビティ内に収容されそして
    内側面（３０）と接するゲル（３５）を有する貯蔵器
    （１０）を有し、前記ゲル（３５）が、脂肪酸またはそ
    の塩であるゲル化剤、直鎖脂肪族エステル、シリコーン
    ベースの流体またはその組合せである有機溶媒、および
    動物を１又はそれより多くの節足類有害生物から防護し
    得る活性成分の混合物を含んで成り、貯蔵器（１０）の
    支持膜（２０）が活性成分に対して透過性である高分子
    物質を含んで成り、当該製造方法が、支持膜（２０）の
    内側面（３０）により規定されるキャビティをゲル（３
    ５）で充填し、そしてキャビティ中のゲルを密閉するた
    めに支持膜を密封する工程を含んで成る方法。
  30. 【請求項３０】 動物に用具を留め付ける工程を含んで
    成る動物を節足類有害生物から防護する方法であって、
    前記用具が外側面（２５）および密閉キャビティを規定
    する内側面（３０）を含む支持膜（２０）並びに該密閉
    キャビティ内に収容されそして支持膜（２０）の内側面
    （３０）と接するゲル（３５）を有する貯蔵器（１０）
    を有し、前記ゲル（３５）が、脂肪酸またはその塩であ
    るゲル化剤、直鎖脂肪族エステル、シリコーンベースの
    流体またはその組合せである有機溶媒、および動物を１
    又はそれより多くの節足類有害生物から防護し得る活性
    成分の混合物を含んで成り、貯蔵器（１０）の支持膜
    （２０）が活性成分に対して透過性である高分子物質を
    含んで成り、さらに動物に貯蔵器を留め付けるための留
    付け手段を用いる方法。
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