JP3415386B2 - ジアミノアルキレン−n,n’−ジコハク酸の回収法 - Google Patents

ジアミノアルキレン−n,n’−ジコハク酸の回収法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はジアミノアルキレン
−N,N’−ジコハク酸を含有する溶液に有機酸を添加
してジアミノアルキレン−N,N’−ジコハク酸を回収
する方法に関する。本発明で提供されるジアミノアルキ
レン−N,N’−ジコハク酸は医農薬合成中間体として
重要であると共に重金属を捕捉するという特異な性質を
持つ。また、該化合物の光学活性体は自然界に放出され
た後に生分解を受け易いなどの可能性が期待できるた
め、キレート剤や洗剤用ビルダーなどの用途が見込まれ
る。
【0002】
【従来の技術】ジアミノアルキレン−N,N’−ジコハ
ク酸は有機合成的手法により各種のジアミンとマレイン
酸またはフマル酸から容易に合成することができる。し
かし、光学活性ジアミノアルキレン−N,N’−ジコハ
ク酸の場合には、その有機合成的手法の出発原料として
光学活性アスパラギン酸などが必要になる。例えば、光
学活性エチレンジアミン−N,N’−ジコハク酸はL−
アスパラギン酸とジブロムエタン等のジハロエタンから
製造できる(John A. Neal et al. Inorganic Chem. 7,
2405 (1968), WO95/12570)。しかし、L−アスパラギ
ン酸からの製造は、製造原料が比較的高価となり、安価
で汎用性のある化合物として供給することは困難であ
る。一方、微生物の生産するエチレンジアミン−N,
N’−ジコハク酸は放線菌の培養液から単離同定されて
いる(T. Nishikiori et al. J. Antibiotics 37, 426(1
984))が、この放線菌による生産性は極めて低く工業的
製法とは成り得ない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】これに対し、本出願人
は、先に、フマル酸あるいはマレイン酸と各種ジアミン
から微生物の触媒作用を利用した効率のよい光学活性
S,S−ジアミノアルキレン−N,N’−ジコハク酸の
合成法を提案している(特願平8-794040号、同8-127655
号および同8-130594号明細書参照)。
【0004】しかし、本合成法では、酸を使用して生成
物であるジアミノアルキレン−N,N’−ジコハク酸を
回収する際、原料フマル酸も水不溶性となり結晶化する
ため、生成物からのフマル酸の除去が困難であるという
問題を含んでいる。さらに、鉱酸による酸析によって生
成物を回収した場合には、母液中の多量の鉱酸を中和し
て廃棄する必要があり相当量のアルカリを消費するとい
う問題もあった。したがって、光学活性ジアミノアルキ
レン−N,N’−ジコハク酸の安価で効率の良い回収法
の開発が望まれていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決すべく鋭意検討した結果、ジアミノアルキレン−
N,N’−ジコハク酸を含有した溶液に有機酸、特にフ
マル酸、マレイン酸およびリンゴ酸等を添加することに
よりジアミノアルキレン−N,N’−ジコハク酸を効率
良く晶析、回収できることを見い出した。また、驚くべ
きことに、通常困難とされるラセミ体からも特定の光学
異性体を優先的に晶析できることも見い出し本発明を完
成した。
【0006】すなわち、本発明は、下記一般式(1)で
示されるジアミノアルキレン−N,N’−ジコハク酸を
含有する溶液に有機酸を添加してジアミノアルキレン−
N,N’−ジコハク酸を晶析させることを特徴とするジ
アミノアルキレン−N,N’−ジコハク酸の回収法、で
ある。
【0007】 〔式中、Rは炭素数2〜4の炭化水素基を表す〕
【0008】上記したことを要旨とする本発明はジアミ
ノアルキレン−N,N’−ジコハク酸の微生物的合成反
応がリアーゼ酵素により原料フマル酸とジアミノアルキ
レンから可逆的に進行し、原料と生成物の比が一定の平
衡点に達したときに反応が停止するため、反応終了液中
には必ず原料と生成物が一定の比率で混在すること。こ
の反応終了液にフマル酸を添加するとジアミノアルキレ
ン−N,N’−ジコハク酸のみが晶析すること。さら
に、その際、光学活性体が優先晶析することなどの実験
的知見を得たことに基ずくものである。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明における、ジアミノアルキ
レン−N,N’−ジコハク酸は、エチレンジアミン−
N,N’−ジコハク酸(以下、EDDSと略す)、1,
3−プロパンジアミン−N,N’−ジコハク酸、2−メ
チル−1,3−プロパンジアミン−N,N’−ジコハク
酸等であり、特にEDDSが好適である。これらの化合
物を含有する溶液は、フマル酸あるいはマレイン酸と各
種ジアミンとから微生物学的手法により製造されたもの
に限らず、有機合成的手法により製造されたものでもよ
い。また、これら反応液から一度晶析、回収したジアミ
ノアルキレン−N,N’−ジコハク酸を水や緩衝液など
に再溶解したものでもよい。
【0010】有機化学的手法によるジアミノアルキレン
−N,N’−ジコハク酸の製造法としては、例えば、米
国特許第 3,158,635号公報、前記WO 95-12570 号公報記
載の方法を挙げることができる。
【0011】生物学的手法においては、光学活性なジア
ミノアルキレン−N,N’−ジコハク酸が得られるが、
フマル酸とジアミンからS,S−ジアミノアルキレン−
N,N’−ジコハク酸を合成する能力を有する微生物と
しては、例えば、ハフニア (Hafnia) 属、バークホルデ
リア (Burkholderia) 属、アシドボラックス (Acidovor
ax) 属、シュードモナス (Pseudomonas)属、アースロバ
クター (Arthrobacter) 属、パラコッカス (Paracoccu
s) 属、スフィンゴモナス (Sphingomonas) 属、ブレブ
ンジモナス (Brevundimonas)属等の細菌を挙げることが
できる。
【0012】具体的には、Hafnia alvei ATCC 9760株、
Burkholderia sp. KK-5 株〔FERM BP-5412〕、同KK-9株
〔FERM BP-5413〕、Acidovorax sp. TN-51株〔FERM BP-
5416〕、Pseudomonas sp. TN-131株〔FERM BP-5418〕、
Arthrobacter sp. KK-3 株〔FERM BP-5414〕、Paracocc
us sp. KK-6 株〔FERM BP-5415〕、Sphingomonas sp.TN
-28株〔FERM BP-5419〕、Brevundimonas sp. TN-3株〔F
ERM P-15558〕および同TN-30 株〔FERM BP-5417〕など
である。
【0013】これらの細菌のうち、ATCC 9760 株は公知
であり、アメリカン タイプカルチャー コレクション
(ATCC) から容易に入手することができる。その他の細
菌は、本出願人により自然界から新たに分離され、上記
番号にて通産省工業技術院生命工学工業技術研究所に寄
託されている。本菌の菌学的性質は以下に示す通りであ
る。
【0014】 菌学的性質 KK−5株 KK−9株 形態 桿 菌 桿 菌 グラム染色 − − 胞子 − − 運動性 + + 鞭毛 極多毛 極多毛 酸素に対する態度 好気性 好気性 オキシダーゼ + + カタラーゼ + + OFテスト O O 蛍光色素の生成 − − キノン系 Q−8 Q−8 硝酸塩還元 − + インドール生成 − − アルギニンジヒドロラーゼ − − 尿素分解 − − エスクリン分解 − − ゼラチン液化 − − PNPG + − キシロースからの酸生成 + + 資化性 グルコース + + L−アラビノース + + D−マンノース + + D−マンニトール + + マルトース − − グルコン酸カリウム + + n−カプリン酸 + + アジピン酸 − − dl−リンゴ酸 + + クエン酸 + − 酢酸フェニル + +
【0015】
【0016】 TN−131株 TN−28株 形態 桿 菌 桿 菌 グラム染色性 − − 胞子 − − 運動性 + + 鞭毛 極 毛 極 毛 酸素に対する態度 好気性 好気性 オキシダーゼ + + カタラーゼ + + OFテスト − − 集落の色調 黄色系 黄色系 蛍光色素の生成 + − キノン系 Q−9 Q−10 硝酸塩還元 + − インドール生成 − − グルコース発酵性 − − アルギニンジヒドロラーゼ − − 尿素分解 − − エスクリン分解 − + ゼラチン液化 − − PNPG − − 資化性 グルコース − + L−アラビノース − − D−マンノース − + D−マンニトール − − N−アセチル− − + D−グルコサミン マルトース − + グルコン酸カリウム − − n−カプリン酸 + − アジピン酸 − − dl−リンゴ酸 + + クエン酸 + − 酢酸フェニル − −
【0017】 KK−3株 形態 多形性桿菌 グラム染色性 + 胞子 − 運動性 − 酸素に対する態度 好気性 オキシダーゼ − カタラーゼ + 集落の色調 特徴的色素を生成せず 抗酸性 − rod-coccus cycle + 集落の周辺の伸長 認めず 細胞壁のジアミノ酸 リジン グリコリル試験 −(アセチル型) 細胞壁のアラビノ・ −(全細胞の酸加水分解物を用いて推定) ガラクタンポリマー キノン系 MK−9(H2 ),8(H2 ) DNAのGC含量 65(HPLC法)
【0018】
【0019】 TN−3株 TN−30株 形態 桿 菌 桿 菌 グラム染色性 − − 胞子 − − 運動性 + + 鞭毛 極 毛 極 毛 酸素に対する態度 好気性 好気性 オキシダーゼ + + カタラーゼ + + OFテスト − − 集落の色調 特徴的色素 特徴的色素 を生成せず を生成せず 蛍光色素の生成 − − PHBの蓄積 + + 栄養要求性 有 り 有 り キノン系 Q−10 Q−10 硝酸塩還元 + + インドール生成 − − アルギニンジヒドロラーゼ − − 尿素分解 − − エスクリン分解 − − ゼラチン液化 − − PNPG − − 資化性 グルコース − − L−アラビノース − − D−マンノース − − D−マンニトール − − N−アセチル− − − D−グルコサミン マルトース − − グルコン酸カリウム + + n−カプリン酸 − − アジピン酸 + + dl−リンゴ酸 + − クエン酸 + + 酢酸フェニル − −
【0020】次に本発明の実施態様について述べる。細
菌の培養は、その細菌が資化しうる炭素源、窒素源、無
機塩、更に微量の有機栄養物などを適当に含有する合成
培地あるいは天然培地で行う。培地へのジアミノアルキ
レン−N,N’−ジコハク酸、ジアミノアルキレン−N
−モノコハク酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、ヒス
チジンなどのアミノ酸、またはフマル酸等の有機酸の添
加は、目的とする活性の高い菌体が得られることがあり
有効である。培養条件は菌体や培地により異なるが、培
地のpHは4〜10、好ましくは6〜9の範囲、培養温
度は20〜45℃、好ましくは25〜35℃の範囲で好
気的に、活性が最大となるまで1〜10日間培養すれば
よい。
【0021】ジアミノアルキレン−N,N’−ジコハク
酸の生産反応は、一般に水またはトリス緩衝液、Goodの
緩衝液、ほう酸緩衝液などの緩衝液中で、フマル酸ある
いはマレイン酸と各種ジアミンとの混合物に上記菌体ま
たは該菌体処理物(乾燥菌体、固定化菌体・酵素、菌体
の破砕物、粗・精製酵素など)を接触させることにより
行われるが、菌体培養液に、フマル酸あるいはマレイン
酸と各種ジアミンを直接添加しても行うことができる。
反応液にマグネシウムなどの金属やアルカリ金属塩など
を添加すると反応がスムースに進行する場合があり効果
的である。反応は通常5〜60℃、好ましくは10〜5
5℃の範囲、pH4〜11の範囲、好ましくはpH6〜
10の範囲で行う。反応で用いるフマル酸あるいはマレ
イン酸および各種ジアミンの濃度は反応温度やpHによ
り異なるが、いずれも0.1重量%から飽和濃度の範囲
である。
【0022】反応は回分、連続のいずれの方法でも行う
ことができ、反応終了液から遠心分離などにより菌体等
の水不溶物を分離することによってジアミノアルキレン
−N,N’−ジコハク酸を含有した溶液を得ることがで
きる。微生物的手法あるいは有機合成的手法により調製
されたジアミノアルキレン−N,N’−ジコハク酸を含
有する溶液は直接、あるいは希釈、濃縮、濾過やイオン
交換などの精製操作を行った後、本発明に従った回収操
作へと供することができる。また、ジアミノアルキレン
−N,N’−ジコハク酸の濃度については特に限定され
るものではないが、1重量%から飽和濃度の溶液に対し
て適応し得る。しかし、工業的な生産の場合、効率的な
精製が要求されるので5重量%から20重量%程度がよ
り好ましい。
【0023】本発明で使用する有機酸としては、フマル
酸およびマレイン酸あるいはリンゴ酸などがあげられる
が、晶析母液を反応液としてリサイクル使用するという
観点からいえば、反応原料に用いている有機酸で晶析さ
せることが好ましい。また、使用する有機酸の形態とし
ては結晶粉体をそのまま添加しても良いし、スラリー、
溶融液、あるいは水や緩衝液などに溶解して添加しても
良く、また、幾つかの有機酸を組み合わせても使用で
き、さらに、鉱酸と併用することも場合によっては良好
な結果を示すこともあるため有効である。鉱酸として
は、硫酸、塩酸、硝酸などをあげることができる。通常
晶析溶液のpHは3〜6であるが、有機酸の添加濃度は
溶液のジアミノアルキレン−N,N’−ジコハク酸濃
度、pH、塩濃度やイオンの種類などにより影響される
ため限定することは困難である。しかし、ジアミノアル
キレン−N,N’−ジコハク酸に対する有機酸のモル比
は0.1〜1.5、好ましくは0.4〜1.1で行う。
このモル比が小さすぎると回収率が充分でなく、また大
きすぎると過剰の有機酸がジアミノアルキレン−N,
N’−ジコハク酸の結晶内に混入する可能性があ。しか
し、光学異性体の優先晶析を目的とする場合にはモル比
を低めに設定して結晶の光学純度を向上させることが有
効な場合もある。本発明では、比較的高いpH領域でジ
アミノアルキレン−N,N’−ジコハク酸が晶出するこ
とからジアミノアルキレン−N,N’−ジコハク酸の一
部はアルカリ金属塩などの形態のまま結晶化している可
能性も考えられる。
【0024】晶析温度は、通常0〜90℃、好ましくは
10〜80℃である。適当な温度以下で晶析を行うと得
られる結晶が微細となり、分離操作、リンス効率の面で
問題となる。一方、必要以上の高温で晶析を行うとジア
ミノアルキレン−N,N’−ジコハク酸の回収率低下
と、使用した有機酸の熱劣化を誘導する可能性があり好
ましくない。有機酸による処理時間は通常0.5〜5時
間であり、撹拌装置の付いた晶析槽で行う。この晶析、
回収操作は連続、回分あるいは間欠の何れでも行い得る
が、ジアミノアルキレン−N,N’−ジコハク酸の精製
を主な目的とした場合には、回分、あるいは間欠操作で
行った方が制御しやすい。
【0025】スラリーの固液分離は、遠心分離やヌッチ
ェを用い、0〜80℃、好ましくは10〜50℃で行
う。本操作を適当な温度以下で行うと、スラリーの粘度
が高くなり分離が悪くなり、必要以上の高温で行うとジ
アミノアルキレン−N,N’−ジコハク酸の溶解度が高
くなりジアミノアルキレン−N,N’−ジコハク酸の回
収率が低下してしまい好ましくない。
【0026】リンス操作で使用する水の量は、湿結晶に
対して5重量倍以下、好ましくは3重量倍以下で行う。
また、リンス時の温度は、晶析時の温度と同じく80℃
以下、好ましくは50℃以下で行う。
【0027】
【実施例】次に、本発明を実施例により具体的に説明す
る。 実施例1 有機化学的手法(米国特許第 3,158,635号)によるジア
ミノアルキレン−N,N’−ジコハク酸の合成 1447.8g の無水マレイン酸を1260.0g の脱塩水に溶解し
1時間放置後、撹拌しながら2857.1g の48.3%(W/W)NaOH
溶液を75〜85℃にて徐々に添加し 100℃で 1.2時間還流
させた。その後、361.3gのジアミノアルキレンを添加
し、冷却管を付した反応器で 112℃に加熱して7時間還
流した。室温まで冷却後、2250g の脱塩水を添加し4194
g の38% 硫酸を添加した。室温で7時間放置し、生じた
白色結晶を遠心分離で固液分離し、2250g の脱塩水で3
回洗浄し、 100℃で乾燥させEDDS 1336.3gを得た。得ら
れたEDDS(5.08g) に蒸留水35g と6N NaOH を10g 添加し
てEDDSを含有した溶液を調製した。この時溶液のpHは8.
4 であった。この溶液に2g のフマル酸を添加したとこ
ろ白色の結晶が析出し始めたため、この溶液を室温で30
分間静置した。生成した結晶をヌッツェで濾過し、2g
の蒸留水でリンスした。この時母液のpHは4.25であっ
た。取得した結晶を真空乾燥機で乾燥することによって
2g のEDDS結晶を得た。この結晶についてHPLCを用いて
化学純度および光学純度を分析した(WAKOSIL 5C8(和光
純薬)〔溶出液;10mM水酸化テトラ-n- ブチルアンモニ
ウムと0.4mM CuSO4 を含む50mM燐酸、pH2〕)。その結
果、紫外部吸収から算出される化学純度は約95% 、光学
純度はR,S-体:S,S-体+R,R-体=1:19であった。ま
た、この結晶にはフマル酸は全く検出されなかった。
【0028】実施例2 実施例1と同様にしてEDDS(5.08g) に蒸留水35g と6N N
aOH を10g 添加してEDDSを含有した溶液を調製した。こ
の溶液に 3g のフマル酸を添加し、室温で30分間マグネ
チックスタラーで撹拌した後、室温に30分間静置した。
生成した結晶をヌッツェで濾過し、2gの蒸留水でリンス
した。この時母液のpHは4.1 であった。取得した結晶を
真空乾燥機で乾燥することによって4.5gのEDDS結晶を得
た。この結晶を実施例1に示した条件でHPLC分析を行い
化学純度および光学純度を求めた。その結果、紫外部吸
収から算出される化学純度は約95% 、光学純度はR,S-
体:S,S-体+R,R-体=1:1であった。また、この結晶
にフマル酸は全く検出されなかった。
【0029】実施例3 実施例1と同様にしてEDDS(5.08g) に蒸留水35g と6N N
aOH を10g 添加してEDDS含有した溶液を調製した。この
溶液の20g に1.2gのマレイン酸を添加し、室温で30分間
マグネチックスタラーで撹拌した後、室温で30分間静置
した。生成した結晶をヌッツェで濾過し、2gの蒸留水で
リンスした。この時母液のpHは4.05であった。取得した
結晶を真空乾燥機で乾燥することによって1.5gのEDDS結
晶を得た。この結晶を実施例1に示した条件でHPLC分析
を行い化学純度および光学純度を求めた。その結果、紫
外部吸収から算出される化学純度は約95% 、光学純度は
R,S-体:S,S-体+R,R-体=1:14であった。また、この
結晶にマレイン酸は全く検出されなかった。
【0030】実施例4 実施例1と同様にしてEDDS(5.08g) に蒸留水35g と6N N
aOH を10g 添加してEDDSを含有した溶液を調製した。こ
の溶液の20g に1.2gのD,L-リンゴ酸を添加し、室温で30
分間マグネチックスタラーで撹拌した後、4℃で30分間
静置した。生成した結晶をヌッツェで濾過し、2gの蒸留
水でリンスした。この時母液のpHは4.0であった。取得
した結晶を真空乾燥機で乾燥することによって0.7gのE
DDS結晶を得た。この結晶を実施例1に示した条件で
HPLC分析を行い化学純度および光学純度を求めた。その
結果、紫外部吸収から算出される化学純度は約95% 、光
学純度はR,S-体:S,S-体+R,R-体=1:14であった。ま
た、この結晶にD,L-リンゴ酸は全く検出されなかった。
【0031】
【発明の効果】ジアミノアルキレン−N,N’−ジコハ
ク酸を効率的に晶析、回収でき、さらに優先晶析の結
果、生成物の光学純度を高めることができる。すなわ
ち、微生物の作用により得られた光学活性ジアミノアル
キレン−N,N’−ジコハク酸からはより光学純度の高
い光学活性体を、また、有機合成により得られたラセミ
体のジアミノアルキレン−N,N’−ジコハク酸からも
光学活性体を得ることが可能である。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)で示される光学活性ジ
    アミノアルキレン−N,N’−ジコハク酸を含有する溶
    液に、有機酸を添加して、S,S−体および/または
    R,R−体のジアミノアルキレン−N,N’−ジコハク
    酸を優先的に晶析させることを特徴とするジアミノアル
    キレン−N,N’−ジコハク酸の回収法。 【化1】
  2. 【請求項2】 有機酸がフマル酸、マレイン酸およびリ
    ンゴ酸からなる群より選ばれる請求項1記載のジアミノ
    アルキレン−N,N’−ジコハク酸の回収法。
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