JP3414877B2 - ハンドラベラーのラベル装填機構 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はハンドラベラーのラベル
装填機構に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】ラベラー本体に開閉可能に配置された底
蓋に移送ドラムを装備し、その移送ドラムに対して台紙
にラベルを仮着させているラベル連続体の部分と先端側
でラベルを剥した台紙の部分との両掛けをするタイプの
ハンドラベラーのラベル装填機構としては、実公昭５２
−４３２８０号公報に記載された考案が知られている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】その従来のハンドラベ
ラーのラベル装填機構では、ラベル連続体の部分に対す
るラベル押さえが、ラベラー本体側に配置されているた
め、底蓋をラベラーに対して閉鎖させてその装填を完了
させようとした時、ラベル連続体の部分がラベル押さえ
によって移送ドラムに押さえつけられるまでの間に弛ん
でしまって（この両掛けのタイプでは装填し直さない限
り弛みは解消されない）、ラベルへの印字が不安定にな
ったり、ラベルの台紙からの剥離が不完全になったりす
ることが屡々発生し、その弛みを発生させないようにす
るためには、移送ドラムに対してラベル連続体の移送方
向における上流側のラベル連続体を引っ張りながら底蓋
の閉鎖を行うと言う二つの操作を組み合わせる必要があ
る。

【０００４】

【問題を解決するための手段】本発明は、ラベラー本体
に開閉可能に配置された底蓋に、移送ドラムと台紙押さ
えを装備する外に、ラベル押さえをも装備させたもので
ある。

【０００５】

【作用】本発明のハンドラベラーは、ラベルの装填時に
は、先ず、ラベラー本体から底蓋を開放し、次に、ラベ
ラー本体の上部の支持部に取り付けられたラベル連続体
のラベルを剥された台紙のみの先端側を、上からラベラ
ー本体の中を通して底蓋と平行的に下へ垂らし、そこ
で、台紙にラベルを貼着したラベル連続体の部分を移送
ドラムに沿わせてラベル押さえで仮固定し、続いて、台
紙の部分を底蓋の転向陵を経由してラベル連続体の部分
とは反対側で移送ドラムに沿わせて台紙押さえで固定す
れば、後は単に底蓋をラベラー本体に閉鎖するだけで、
ラベルの適正な装填が完了する。

【０００６】

【実施例】本発明のハンドラベラーは、図１に示す如
く、２枚の側板（手前は省略）１によってラベラー本体
が構成され、ラベラー本体は筺体部１Ａとグリップ部１
Ｂとからなっている。

【０００７】３は作動レバーで、把手３ａと作動腕３ｂ
とを備え、軸５によって側板１に枢支され、左旋の制限
状態で示されていると共に、図示していないバネによっ
てその左旋復帰習性が与えられている。

【０００８】７は印字器で、作動レバー３における作動
腕３ｂの先端部に保持されている。

【０００９】９はインクアームで、軸１１によって側板
１に枢支されていると共に、印字器７に対向するインク
ローラ１３を片持ち形式に支持し、バネ１５によって左
旋復帰習性が与えられている。

【００１０】１７は底蓋で、後述の台紙上のラベルを介
して印字器７の当接を受ける印台１７ａと該印台の先端
（下流）に台紙の向きを変える転向陵１７ｂと台紙を外
部へ排出させる案内縁１７ｃとフック１７ｄと仮受縁１
７ｅとを形成し、軸１９によって側板１の下部に枢支さ
れている。

【００１１】図３も参照して、２１は係止レバーで、側
板１間の右前面に形成された窓から操作される腕部２１
ａと底蓋１７のフック１７ｃと係合する係止縁２１ｂと
を形成し、軸２３によって側板１に枢支されていると共
に、図示していないバネによって、図示の状態を制限位
置とした右旋性が与えられている。

【００１２】２５は移送ドラムで、端面につめ車２７を
形成（別部材を一体化でも可）してると共に、周面の中
央部に等間隔に移送ピン２９を備え、軸３１によって底
蓋１７に枢支されている。

【００１３】３３はつめで、軸３５によって作動レバー
３上に枢支されていると共に、バネ３７によって図４の
状態を制限位置とする右旋性が与えられて、つめ車２７
と係脱する。

【００１４】３９はラベル押さえで、上流側の剛体部３
９ａと下流側の変形可能な柔軟部３９ｂとからなり、中
間部で軸４１によって底蓋１７に枢支されて、搖動（シ
ーソー運動）可能になっているが、図１の状態では、筐
体部１Ａ内の図示していない部材によって、剛体部３９
ａの外側が抑止されて、剛体部３９ａ側が移送ドラム２
５に接近した状態に強制されている。

【００１５】図４も参照して、４３は台紙押さえで、移
送ドラム２５の周面に対応した部分的な円弧面４３ａと
カッター刃４３ｂと被抑止片４３ｃとを形成し、軸１９
によって下流側で底蓋１７に枢支され、該被抑止片４３
ｃと底蓋１７における側壁との互いの凹凸部の係脱によ
り、移送ドラム２５に密着した状態と、移送ドラム２５
から離隔した状態とを採れるようになっている。

【００１６】４５は後述するラベル連続体のコの字状を
した支持体で、側板１間の上方に配置され、コの字状の
開口間にそのラベル連続体を挟んで支持する。

【００１７】４７は貼付ローラで、ラベラー本体の右下
先端部、即ち、底蓋１７における転向陵１７ｂの下流側
に位置するように、側板１間に枢支されている。

【００１８】Ａはラベル連続体で、台紙Ｂ上に多数のラ
ベルＣを順次連続して仮着させて構成され、幅方向の中
心線上に、移送ドラム２５における移送ピン２９のピッ
チに対応してそれに係合する孔Ｄを形成しており、その
孔Ｄの間隔がラベルＣの移送方向の長さ（ピッチ）にな
っている。

【００１９】尚、上流・下流は、ラベル連続体及び／又
は台紙の移送方向に対してである。

【００２０】ハンドラベラーとしての動作は、グリップ
部１Ｂに手を掛けて作動レバー３の把手３ａを握ると、
作動レバー３が習性に抗して右旋し、先ず、作動腕３ｂ
に保持された印字器７の印字面がインクローラ１３を押
しやるようにしてインクを塗られ、次に、インクアーム
９に枢支されたインクローラ１３は、印字面にインクを
塗った後バネ１５の習性に抗して印字器７の側壁の側端
面上に乗り上げられ、一方、つめ３３はつめ車２７の前
位位置にあるひとつのつめ歯上を摺動してそれをオーバ
ーランし、最終的に印字器７の印字面が、印台１７ａの
先端付近に待機してた台紙Ｂ上に仮着されているラベル
Ｃを叩打して、印字器７に設定されている情報をラベル
Ｃに印字し、その状態が図２に示されている。

【００２１】次に、作動レバー３に対する把握を釈放す
ると、作動レバー３は与えられている習性によって左旋
復帰して、印字器７・インクアーム９およびインクロー
ラ１３と共に図１の状態に戻る。

【００２２】この作動レバー３の左旋復帰に連動してつ
め３３がつめ車２７を引っ掛けて回転させるので、移送
ドラム２５は所定量（４０゜）右旋させられ、移送ピン
２９と孔Ｄとの係合により、ラベル連続体Ａの部分と台
紙Ｂの部分とを移送して、ラベル連続体Ａを支持体４５
から繰り出る方向に移送する。

【００２３】この結果、台紙Ｂが底蓋１７における転向
陵１７ｂで移送の向きを変えられているので、印字が行
われたラベルＣは、自己の剛性により台紙Ｂから剥離し
て直進し、後縁側が仮受縁１７ｅの上で、前縁側が貼付
ローラ４７の下に臨む。

【００２４】そして、そのラベルＣの糊面を物品に押し
当てて、ラベラー本体を手前に引けば、そのラベルＣが
物品に貼付される。

【００２５】この印字・貼付動作を積み重ねることで、
底蓋１７の案内縁１７ｃを摺って長く排出された台紙Ｂ
は、カッター刃４３ｂで切り捨てることができる。

【００２６】また、ラベラー本体にラベルを装填する時
には、図３に示されているようにラベル連続体Ａを支持
体４５に挟み込み、それから図４に示されているよう
に、腕部２１ａを外から押して係止レバー２１を習性に
抗して左旋させて係止縁２１ｂをフック１７ｄから外さ
せれば、底蓋１７は自重により右旋（軸１９を支点にし
て）落下して、ラベラー本体から開放し、この時、底蓋
１７に装備されている各部材は概ねラベラー本体から露
呈されており、更に、台紙押さえ４３をそれに力を加
え、互いの凹凸部による係合摩擦に抗して底蓋１７から
外し、移送ドラム２５から隔離した状態にする。

【００２７】次に、図５に示されているように、ラベル
連続体Ａの先端側の何枚かのラベルＣを台紙Ｂから剥し
て、そのラベル連続体Ａを先端側からラベラー本体の中
を上から下へ通す。

【００２８】そこで、ラベル押さえ３９が揺動可能にな
っているから、図６に示しているように、その動きを活
かして、ラベル連続体Ａにおける印台１７の上流側に位
置することになる部分を、移送ドラム２５とラベル押さ
え３９との間に差し込み、移送ピン２９にラベル連続体
Ａの孔Ｄを係合させる。

【００２９】ラベル押さえ３９の作用は、両端が互いに
移送ドラム２５から離れれば反対側が移送ドラム２５に
接近して、その側で移送ドラム２５に対するラベル連続
体Ａへの押さえが強まるようになる。

【００３０】次に、最先端のラベルＣが印字器７の叩打
を受ける部分の印台１７ａに位置するようにし（更に前
方にラベルＣが存在するならそれは剥す）、更に台紙Ｂ
のみの部分を、転向陵１７ｂで向きを変え、印台１７ａ
の裏側（底蓋１７の外面）を這わせて、移送ドラム２５
とラベル押さえ４３との間を通す。

【００３１】その後、図７に示されているように、ラベ
ル押さえ４３を、互いの凹凸部で底蓋１７に係止させ
て、移送ドラム２５に密着させ、その間に、台紙Ｂを孔
Ｄが移送ピン２９に係合した状態で挟み込む。

【００３２】この状態では、転向前後のラベル連続体Ａ
の部分と台紙Ｂの部分とが、ラベル押さえ３９と台紙押
さえ４３とにより移送ドラム２５に対して固定的な状態
に置かれるので、この移送ドラム２５に対するラベル連
続体Ａ（台紙Ｂ）の両掛けの状態は、極端な衝撃が加え
られない限り維持される。

【００３３】最後に、図７の状態から、底蓋１７を手で
押し上げてフック１７ｄを係止レバー２１の係止縁２１
ｂに係合させれば、その過程で、つめ車２７がつめ３３
をバネ３７の張力に抗して右旋させながらそのつめ３３
に係合して、図１の状態となり、その装填が完了する。

【００３４】実施例において、ラベル押さえ３９の下流
側を柔軟部３９ｂとしているのは、変形とか剛体部３９
ａとの開角度の調節を可能にして、被印字位置にラベル
Ｃを正しく臨ませたり、剥離を適正に行わせたりする調
整が出来るようにしているものである。

【００３５】なお、側板と同様に、紙面垂直方向におい
て２枚一対のもので手前のもが省略されていたり、便宜
上一部点線・実線を無視して描いているところがある。

【００３６】

【発明の効果】本発明のハンドラベラーのラベル装填機
構は、移送ドラムをラベラー本体から露呈させた状態
で、ラベル連続体および台紙の掛け止めが行えるので、
その操作は容易であり、また、その掛け止め状態がラベ
ル押さえと台紙押さえとによって保持されるので、装填
完了動作がラベラー本体に対して底蓋を単に閉鎖させれ
ば良いと言う一つの操作で行え、操作が簡単になってい
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明ハンドラベラーの静止状態を手前の側板
を除いて（以下共通）示した説明図である。

【図２】本発明ハンドラベラーの手動レバーを把握した
状態（印字状態）を示した説明図である。

【図３】本発明ハンドラベラーの底蓋のラベラー本体に
対する閉鎖の係止状態を示した説明図である。

【図４】本発明ハンドラベラーの底蓋をラベラー本体か
ら開放した状態を示した説明図である。

【図５】本発明ハンドラベラーの上部の支持部に取り付
けられたラベル連続体のラベルを剥された台紙のみの先
端側を、上からラベラー本体の中を通して底蓋と平行的
に下へ垂らした状態を示した説明図である。

【図６】台紙にラベルを貼着したラベル連続体の部分を
ラベル押さえによって移送ドラムに装填し、ラベルを剥
した台紙のみの部分を移送ドラムに装填している途中の
状態を示した説明図である。

【図７】台紙のみの部分も台紙押さえによって移送ドラ
ムに装填を完了した状態を示している説明図である。

【符号の説明】

１ 側板 １Ａ 筐体部 ３ 作動レバー ３ｂ 作動腕 ５ 軸 ７ 印字器 ９ インクアーム １３ インクローラ １７ 底蓋 １７ａ 印台 １７ｂ 転向陵 １７ｄ フック １９ 軸 ２１ 係止レバー ２１ａ 腕部 ２１ｂ 係止縁 ２３ 軸 ２５ 移送ドラム ２７ つめ車 ２９ 移送ビン ３１ 軸 ３３ つめ ３５ 軸 ３９ ラベル押さえ ３９ａ 剛体部 ３９ｂ 柔軟部 ４１ 軸 ４３ 台紙押さえ ４５ 支持体 ４７ 貼付ローラ Ａ ラベル連続体 Ｂ 台紙 Ｃ ラベル Ｄ 孔

Claims (3)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 手動レバーの把握・釈放操作によりラベ
   ルへの印字とその印字済みラベルを台紙から剥離させて
   貼付ローラの下側に臨場させるハンドラベラーであっ
   て、台紙上に多数のラベルを順次連続して仮着させてい
   るラベル連続体に対する支持部を上部に備え、下部に位
   置する底蓋が、手動レバーの把握操作によって降下する
   印字器を台紙上のラベルを介して受ける印台と、ラベル
   連続体の移送方向における印台の下流側且つ貼付ローラ
   の上流側で台紙の向きを変える転向陵と、手動レバーの
   釈放操作時にのみ駆動力を受けて印台の上流側に位置す
   る部分のラベル連続体を送ると共に転向された台紙を牽
   引する移送ドラムと、印台の上流側に位置する部分のラ
   ベル連続体を移送ドラムに沿わせるようにする移送ドラ
   ムに対向したラベル押さえと、ラベル押さえとは反対側
   で移送ドラムに対向した台紙押さえとを装備し、前記底
   蓋が転向陵を装備しているのとは反対側の端部でラベラ
   ー本体に開閉可能に配置され、先端側の何枚かのラベル
   を台紙から剥がしたラベル連続体をラベラーに装填する
   ために該底蓋をラベラー本体から開放した時、底蓋の前
   記装備物がラベル本体から概ね露呈していることを特徴
   とするラベル装填機構。
2. 【請求項２】 ラベル押さえが、中間部で枢支されて底
   蓋に装備され、印台側の部分に変形可能な性質を持たさ
   れていることを特徴とする請求項１に記載のラベル装填
   機構。
3. 【請求項３】 台紙押さえが、台紙を牽引する下流側の
   端部で枢支されて底蓋に装備され、移送ドラムに対して
   離隔した状態と、台紙を挟んで密着した状態とを採るこ
   とを可能にされ、そして密着した状態を半固定されるこ
   とを特徴とする請求項１に記載のラベル装填機構。