JP3408559B2 - 脱骨方法 - Google Patents

脱骨方法

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JP3408559B2 JP20352892A JP20352892A JP3408559B2 JP 3408559 B2 JP3408559 B2 JP 3408559B2 JP 20352892 A JP20352892 A JP 20352892A JP 20352892 A JP20352892 A JP 20352892A JP 3408559 B2 JP3408559 B2 JP 3408559B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は骨付きの食肉から骨を除
去する方法に係り、いわゆる腿肉に適用される。
【0002】
【従来の技術】近時、食用鳥獣の飼育,屠殺,および屠
体の処理は著しく大規模となり、各種作業の自動化が進
められている。しかし、屠体から切り離された腿肉を脱
骨する作業は未だ多く手作業で行われ、多大の時間と労
力とを要している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】例えば食鶏の脚を大腿
関節で分割するとともにけづめよりも先端を切り捨てた
骨付き腿肉から骨格を除去する脱骨作業の場合、熟練し
た作業員の1日当たり処理量は平均720本(360
羽)である。その上、食肉に手指を触れながら作業する
ので食品衛生面での管理コストも割高になる。
【0004】本発明は上述の事情に鑑みて為されたもの
で、食用鳥獣の脱骨を自動的に実施するに好適な脱骨方
法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め本発明者は、骨付腿肉の骨をダイス状工具の孔に通し
て引き抜き、骨に付着している食肉を刮(こそ)げ落す
という着想に基づき、これを実用化するための第1段階
として次のような基礎的実験を行った。骨は不定形であ
り、その断面形状は断面位置に従って不規則に変化す
る。従って、例えば伸線用の引き抜きダイスのように孔
形状が一定の工具で脱骨作業を行うことはできない。そ
こで本発明者は「押し広げられると弾性的に拡大し、押
し広げる力が減少すると弾性的に縮小する透孔を有する
ダイス状工具」に着目した。図2は基礎実験に用いたダ
イス状の工具であって、その機能面から肉押し板と名付
けた。肉押し板1に開口2を設け、その中に仮想の円3
を想定する。この基本実験においては上記仮想円3の直
径を15mmに設定した。上記仮想円3の接線に沿っ
て、8本の鋼線4a〜4hを張り渡した。このように構
成した肉押板1は、仮想の円3内に骨付き腿肉の骨を挿
入して通過させるとき、それぞれの鋼線4a〜4hが撓
んで、骨に摺触しつつ該骨の挿通を許容し、該骨に付着
している食肉を刮げ落とす。その概況を図3に示す。
【0006】本実験は鶏肉を試料として用いた。骨付き
腿肉5のけづめよりも先端を切り取ってくるぶしに輪状
の切目を入れるとともに、腿肉に縦方向の切目を入れて
おいて、下骨と呼ばれる脛骨の先端を前述した仮想の円
3の部分に差し入れ、矢印U方向に引き抜く。
【0007】図4ないし図6は上記基礎実験の経過を説
明するための模式図である。図4に示すように膝関節7
の少し手前までは比較的容易に下骨(脛骨)から肉を刮
げ落とすことができるが、下骨付近の肉の腱が関節付近
に固着しているので、この図4の状態から先は作業が困
難になる。無理に下骨(脛骨)を掴んで引き抜くと関節
が引き千切られたり、肉が毟(むし)り取られたりす
る。手加減を加えながら引き抜いても図5のように多く
の残肉8を生じる。そこで膝関節7を通過した直後の付
近(大腿部の付根に近い側)の、図示C2線付近に刃物
(図示せず)で切目を入れて腱を切断すると、比較的容
易に脱骨が進行するが、図6に示したように関節残肉9
ができる。この関節残肉を減少させる方策を実験的に探
究したところ、図5に示したC1線付近(膝関節よりも
少しけづめに近い付近)にも切目を入れて腱を切断する
と、この関節残肉9が著しく減少することを見出した。
【0008】上述の基礎実験から一歩進んで、本発明者
は次に述べるような実用化実験を行った。図7は実用化
実験に用いた肉押板を示す平面図で、この肉押し板11
は固定板11aとスライド板11bとよりなり、同図
(A)のように双方を引き離すと直径Dの円形開口を生
じるように半円形切欠11a1,11a2を設け、かつ、
スプリング12によってスライド板11bを固定板11
aに向けて接近せしめるように付勢してある。スライド
板11bがスプリング12によって図の左方に押動され
ると、前記の直径Dの円形開口は図7(B)に示すよう
に隙間寸法dとなる。本実用化実験においては、鶏肉を
作業対象として、 D=34mm d=10mm に設定した。
【0009】図8は実用化実験の状態を示す模式図であ
る。13は下骨(脛骨)を引っ張るためのワイヤロープ
14を結合するシャックルである。上記のワイヤロープ
14をシーブ15に巻きかけ、モータ16によって引っ
張る。この実用化実験におけるモータ16は容量が90
Wであり、減速比1/30の減速歯車を内蔵していて、
引込線速23.6mm/sである。この実用化実験にお
いては、 イ.前処理として、腿肉の縦方向に切目を入れ(筋入
れ)るとともに足首をカットした。このカットは図8に
示した丸刃カッタ17で行った。上記の足首カットと筋
入れとは、どちらを先にしても良く、同じに行っても良
い。 ロ.同じく前処理として、上骨と呼ばれる大腿骨と肉と
の間を結合している軟骨をカットした。 ハ.次いで、シャックル13を腿肉の足首に掛け、 ニ.足首カット部に肉押板11が食い込むようにセット
する。この際、肉押し板11が小骨と呼ばれる腓骨に引
っ掛からないように気をつける必要が有る。 ホ.膝関節付近まで引き剥がし(脱骨)を進行させ、 ヘ.膝関節の少し手前(図5に示したC1線)で、前記
の丸刃カッタ17で腱をカットする(第1カット)。
【0010】ト.膝関節を通過するまで引き剥がしを続
行し、 チ.図5に示したC2線で、丸刃カッタ17により腱を
カットする(第2カット) 。リ.上記のカットした位置で肉押し板11をセットし
直し、 ヌ.完全に肉が刮ぎ落とされるまでシャックル13を引
き上げる。
【0011】この実用化実験は、なお若干の手作業を含
んでいるので正確な時間測定は困難であるが、1サイク
ル20〜30秒であって、従来技術における熟練者の作
業能率よりも確実に高能率であり、しかも作業者が疲労
しない。その上、鋭利な手持ちナイフを使用しないので
安全である。また、肉の歩留まりは従来技術における熟
練者の手作業における歩留まりと略同レベルであった。
【0012】上述の実験結果に基づいて、これを実地に
適用する方法として本発明に係る脱骨方法は (a)骨付き腿肉のくるぶし付近に、骨に達する輪状の
切目をいれる工程と、 (b)該腿肉を縦方向に切り割く工程と、 (c)押し広げられると内径寸法が弾性的に増大する孔
を有する肉押し板の当該孔に前記骨付き腿肉のくるぶし
付近の骨を挿通する工程と、 (d)該骨付き腿肉の足首側から、骨付き腿肉の膝関節
前記肉押し板の付近に達するまで引き抜きながら脛骨
を肉から引き剥がして腱を露出させる工程と、 (e)露出した腱を切断する工程と、 (f)引き続き膝関節付近の肉を骨から引き剥がす工程
と、 (g)該(f)の引き剥がし工程を経て露出した大腿骨
側の関節上部の腱を骨の全周にわたって切断する工程
と、 (h)大腿骨を前記肉押し板の孔に通過させつつ当該大
腿骨から肉を引き剥がす工程と、有することを特徴と
する。
【0013】ここで、本発明を実施するための装置に
、複数の作業ステーションが設けられていて、各作業
ステーションには骨付腿肉の骨を通過させる孔を有する
肉押板、および、上記骨付腿肉の腱および肉を切るため
のカッタの、少なくとも何れか一方が設置されており、
かつ、前記骨付腿肉の足首部を把持して前記各ステーシ
ョンを順次に経由して搬送する搬送手段が設けられてい
る。
【0014】
【作用】前記の方法によれば、動力を利用して自動的な
いし半自動的に脱骨を行うことができる。
【0015】前述の実験は鶏肉によって行ったが、本発
明の適用対象は総べての食鳥に広げることができ、さら
に総べての食用獣に広げることができる。たとえば食用
牛の骨付腿肉に適用しても好適である。
【0016】
【0017】
【実施例】図1は本発明に係る脱骨方法の1実施例を示
す説明図である。その概要を時間の経過に従って見る
と、骨付き腿肉の先端(図において上方)から該骨付き
腿肉の根元(図において下方)に向かって作業対象個所
が移動する。すなわち、足首カット21から第1カット
22までの区間Eは脛骨(下骨)6の脱骨操作である。
第1カット22から第2カット23までの区間Fは膝関
節7の脱骨操作である。第2カット23から脱骨完了2
4までの区間Gは大腿骨(上骨)10の脱骨操作であ
る。この実施例は食鶏の屠体から切り離した大腿部(そ
の先端を含む)片脚についてのものであるが、食鶏以外
の食鳥であっても同様であり、また食用獣(例えば牛、
豚など)であっても同様に適用できる。足首カット2
1、およびこれと前後して腿肉の縦方向の切り割き(筋
入れ)を行う。この操作は、食鶏の脱骨用くるぶしカッ
ト装置(実開昭60−89883号)および鶏肉の脱骨
用切り割き装置(実開昭60−89882号)を利用し
て行うと好都合である。この場合、上記公報に開示され
ているように、足首の回りに輪状の(骨に達する)切目
を入れる際、腓骨に付着している腱を切り残すと、爾後
の操作が容易である。上記の腱を切り残して、輪状の切
れ目を完全な円形とせずにC字状とすることは、本発明
時においては既に公知の技術であるから、上記の輪状の
切れ目をO字状とすることもC字状とすることも本発明
の技術的範囲から逸脱するものではない。
【0018】図2に示した肉押し板1,若しくは図7に
示した肉押し板11を用い、くるぶし付近の骨を肉押し
板の伸縮孔に挿通して区間Eの脱骨を行う。
【0019】図7の肉押し板11は2枚の板状部材から
成っている。図示を省略するが3枚もしくは4枚など、
複数枚の板状部材によって肉押し板を構成して用いるこ
とも可能である。
【0020】次いで第1カット22を行い、第2カット
23までのF区間の脱骨を継続する。この関節部F区間
の脱骨は、前述した肉押し板で行っても良いが、脱骨用
ベルト状カット(実開昭60−89884号)を用いた
ベルト式の脱骨機(実開昭59−21337号)を利用
すると、関節部残肉(図6参照)9の減少に有効であ
る。F区間の脱骨の際、第1カット22を行う、鶏肉の
場合、この第1カットは膝関節から足首方向に5〜20
mmの位置で、骨に達する切目を入れて行うことが望ま
しい。また、第2カット23は、鶏肉の場合、膝関節か
ら大腿部方向に5ないし15mmの位置で、骨に達する
切れ目を全周にわたって行うことが望ましい。
【0021】脱骨完了24付近で、腿肉が大腿骨(上
骨)に対して軟骨で結合されている。
【0022】この軟骨は、前処理で切断しておいてもよ
く、後処理として切断しても良い。
【0023】以上に説明した本発明方法を実施するため
に創作した脱骨装置について、その実施例を説明する。
図9は本装置の1実施例を示し、(A)は模式的な平面
図、(B)は同じく側面図である。(A)図に示した2
1はベーステーブルであって、中心に柱22が設けられ
ている。上記中心柱22の周りにステーションS1,S
2〜S7が配置されている。23は、骨付き腿肉5を搬
入するコンベアである。本図では隠れているが脱骨され
た腿肉を搬出するコンベアも設けられている。上記の各
ステーションS1〜S7に対応せしめて(B)図に示す
ごとくチャック27が設けられている。このチャック2
7は、骨付き腿肉5の足首部を把持したり放出したり出
来るようになっている。本例のチャック27は公知のト
ッグル機構とスプリングを利用した半自動チャック機構
であって、作業員が骨付き腿肉を手で持って押し付ける
とチャックされ、レバーを押すと放出されるようになっ
ている。本装置を実施する場合、このチャック27の構
造は公知技術を任意に選定して適用することができる。
上記のチャック27は、昇降ロッド28によって往復矢
印i−jのごとく上下駆動可能に支持されており、か
つ、中心柱22の軸心を回転中心として360度/8=
45度づつ間欠的に回転せしめられる構造である。前記
の各ステーションS1〜S7には、以下に詳述するミー
トセパレータ,およびカッタの、少なくとも何れか一方
が設けられている。ただし、本発明を実施する際、ミー
トセパレータもカッタも無いステーションを付加するこ
とを妨げない。
【0024】上記ミートセパレータ26は、前記の発明
方法における肉押し板11を実用的な機器として構成し
たものであって、その詳細拡大図を図10に示し、要部
斜視図を図11に示す。図10は、構造,機能の理解に
便なるごとく模式化して描いてあるので必ずしも実形を
写実的に表わしてはいない。枢支軸26aは1対のアー
ム26b,26cを傾動自在に枢支している。これらの
アーム26b,26cの自由端に肉押し板26d,26
eが固着されるとともに、仮想線で示したスプリングs
pにより矢印n,n′の如く相互に接近する方向に付勢
されている。上記1対のアーム26b,26cには、そ
れぞれ駆動レバー26f,26gが固着されていて、矢
印k,k′方向の力を加えると上記1対のアーム26
b,26cは矢印m,m′の如く傾動して鎖線で描いた
26b′,26c′のように開く。前記矢印k,k′の
力が消失すると実線位置26b,26cのように閉じ、
1対の肉押し板26d,26eの間に骨付腿肉5の足首
付近を挾みつける。図11は上記1対の肉押し板26
d,26eの斜視図である。半円形の切欠26d1,2
6e1を有する1対のゴム板26d2,26e2が設けら
れ、対向して配置されている。上記1対のゴム板26d
2,26e2は、それぞれ補強板26d3,26e3に固着
されて支持されている。これにより、寸法バラツキの多
い脛骨にフィットすることもでき、小径の脛骨にも大径
の大腿骨にもフィットできる。さらに上記補強板兼支持
板26d3,26e3が図10で説明したようにスプリン
グspによって弾性的に駆動されるので、腿肉に付いて
いる骨に引っ懸ったり該骨を削り込んだりする虞れ無く
脱骨作動を遂行することができる。本発明においてゴム
板とはゴム状弾性を有する板状部材の意であって、化学
的構造の如何を問わない。
【0025】図9(A)に示したように、ステーション
S2には1対のカッタ24a,24b及び単独のカッタ
25が設けられ、ステーションS3,S4にはそれぞれ
単独のカッタ24が設けられ、ステーションS6,S7
にはそれぞれ1対のカッタ24a,24b及び単独のカ
ッタ25が設けられている。上記カッタ24の側面図は
図9(B)に現わされており、その拡大図が図10に示
されている。本図10に表わされているようにカッタ2
4は、チャック27で把持された骨付き腿肉5の足首部
とほぼ直角な面に沿って配置された円板状の回転刃物で
あって、カッタ駆動手段29によって回転駆動されると
ともに、前記足首部とほぼ直角な面内で往復駆動(往復
矢印t−t′)される。これらのカッタの回転刃24,
24a,24b,25の駆動軌跡について図12を参照
しつつ、以下に詳述する。
【0026】(図12(A)参照)1対の肉押し板26
d,26eが骨付き腿肉の骨6を挾みつけている。単独
のカッタ回転刃24は矢印rのごとく送られるが、回転
刃はrと直角方向に変位し得るよう弾性的に支持されて
いる。このため、r方向に進行した回転刃24が骨付き
腿肉の筋肉(本図において図示省略)を切りながら骨6
に接触すると図示r1の如く、骨6の外周に沿って退避
軌跡を通る。このようにして、矢印rのように単純に直
線方向に駆動するだけで、骨6の半周囲に切れ目を入れ
ることができ、ステーションS3,S4にて露出した腱
の切断を行うことができる。図12(B)は骨6の周囲
に不完全ながらほぼ輪状の切れ目を入れる場合の説明図
である。1対の肉押し板26d,26eが骨付き腿肉の
骨6を挾み付けている。1対のカッタ回転刃24a,2
4bは二つ並んで矢印q,rのごとく送られるが、これ
らの回転刃24a,24bは矢印q,rと直角方向には
変位し得るよう弾性的に支持されている。このため、矢
印q,r方向に進行した回転刃24a,24bが骨付き
腿肉の筋肉(本図において図示省略)を切りながら骨6
に接触すると図示q1,r1の如く、骨6の外周に沿って
退避軌跡を通る。このようにして1対の回転刃24a,
24bを矢印q,rのように単純に平行直線方向に駆動
するだけで、骨6の周囲に不完全ながらほぼ輪状の切れ
目を入れることができ、ステーションS2,S6,S7
にて露出した腱または肉に切れ目を入れることができ
る。本図12(B)の構成,機能においては、骨6の周
囲の2点M,N付近は切り残されるが、例えば鶏の骨付
腿肉の場合、筋や腱の位置は動物解剖学的に判明してい
るので、該骨付腿肉の保持姿勢を適宜に選定することに
より(脱骨手順の状態に応じて)所期の切削機能を果す
ことができる。図12(C)は上記の(B)図の実施例
を改良した例を示し、仮想線で描いた1対の回転刃24
a,24bは(B)図について説明した回転刃であっ
て、(C)図の実施例は上記回転刃24a,24bと別
体の回転刃25を設けてある。1対のカッタ24a,2
4bが矢印q,r方向に進行する場合、回転刃25が骨
に接触したときに進行を停止し、図示の点M付近を残し
て、骨6の周囲にC字状(一部を欠く輪状)の切れ目を
入れることができる。この機能は、例えば骨付き腿肉の
腓骨に付いている腱を切り残して、骨の周囲に輪状の切
れ目を入れる際に有効である。
【0027】図9(A)においてステーションS1付近
に作業員を配置し、搬入コンベア23で供給された骨付
き腿肉5をステーションS1にセットする。詳しくは、
ステーションS1に位置しているチャック27(同図
(B)参照)に把持させる。そしてステーションS1
で、前記(b)の工程として示した縦方向の切り割き
(筋入れと呼ばれる)を行なう。もしくは、把持させる
前に手作業で筋入れを行なっても良い。ステーションS
2で、前記(a)の工程として骨付き腿肉のくるぶし付
近に輪状の切れ目を入れる。この操作は図12(C)に
示したように1対の回転刃24a,24bおよび単独の
カッタ25を組み合わせて行なうので該輪状の切れ目は
完全でなく、腓骨につながる脛骨に付着している腱の部
分を残したC字状となる。次いでステーションS3で、
図12(A)について説明した回転刃24a,24bに
よって腓骨に付着した腱を切断する。
【0028】上記ステーションS3で、前記(c)の工
程としてくるぶし付近の骨を肉押し板の孔に挿通した状
態で行なう。(具体的には、半円形の切欠を有する1対
の肉押し板26d,26eで挾みつけて、挿通された状
態とする)。そして、このステーションS3からステー
ションS4までの間に前記(d)工程の引き剥がしと腱
の露出および切断を行なう。具体的には、骨付き腿肉の
足首部を把持したチャック27(図9(B)参照)を上
昇させて脛骨から肉を引き剥がす。ステーションS5は
腿肉の膝関節の中央部の位置を検出するステーションで
ある。さらにステーションS6で(e)工程の腱切断を
行い、(f)工程の引き剥がしを行ない、ステーション
S7で(g)工程の膝関節の腱切断を行い、さらに
(h)工程の大腿部引き剥がしを行なう。
【0029】引き剥がしを完了した骨と腿肉とは、搬出
コンベア23′(本図では搬入コンベア23と重なって
いる)若しくはシュート(図示せず)で搬出される。
【0030】本例のように各ステーションを輪状に配列
すると、装置の設置所要面積が少なく、被作業物である
骨付き腿肉の搬送が容易である。その上、ローディング
作業と排出作業とを1名の作業員で兼ねることが出来て
好都合である。
【0031】図示を省略するが前記の各ステーションを
輪状でなく直線状に配列することも可能であり、工場レ
イアウトの細長い余裕空間を利用して設置するときに好
適であり、各ステーションの機器のメンティナンスが容
易である。
【0032】
【発明の効果】以上に説明した脱骨方法によれば、食用
鳥獣の脱骨を自動化機器によって行うに適し、別段の熟
練を要せず安全容易に脱骨作業を行うことができ、しか
も従来技術における高度の熟練者と同レベルの歩留まり
が得られ、その上、高度の熟練者以上に高能率である。
また、これにより食肉加工産業の発展に貢献するところ
多大である。
【0033】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る脱骨方法の1実施例を示す説明図
である。
【図2】本発明のための基礎実験に用いた肉押し板の平
面図である。
【図3】上記基礎実験の概要的な斜視図である。
【図4】上記基礎実験の概要的な側面図である。
【図5】上記基礎実験における問題点の説明図である。
【図6】上記基礎実験における問題点の説明図である。
【図7】本発明の脱骨方法に係る実用化実験に用いた肉
押し板の平面図である。
【図8】上記実用化実験を説明するための模式図であ
る。
【図9】本発明に係る脱骨方法を実施するための脱骨装
置の1実施例を示し、(A)は平面図、(B)は側面図
である。
【図10】上記実施例の装置の要部側面図である。
【図11】図10に示した肉押し板の斜視図である。
【図12】上記実施例の装置におけるカッタの作動を説
明するための模式的な平面図である。
【符号の説明】
1…肉押し板、2…開口、3…仮想の円、4a〜4h…
鋼線、5…骨付き腿肉、6…下骨(脛骨)、7…膝関
節、8…残肉、9…関節残肉、10…上骨(大腿骨)、
11…肉押え板、11a…固定板、11b…摺動板、1
1a,11b…円弧状の切欠、12…スプリング、
13…シャックル、14…ワイヤロープ、15…シー
ブ、16…減速歯車を内臓したモータ、17…丸刃カッ
タ、24,24a,24b…カッタの回転刃、25…上
記と異なるカッタの回転刃、26…ミートセパレータ、
26a…枢支軸、26b,26c…アーム、26d,2
6e…肉押し板、26f,26g…駆動レバー。

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)骨付き腿肉のくるぶし付近に、骨
    に達する輪状の切目をいれる工程と、 (b)該腿肉を縦方向に切り割く工程と、 (c)押し広げられると内径寸法が弾性的に増大する孔
    を有する肉押し板の当該孔に前記骨付き腿肉のくるぶし
    付近の骨を挿通する工程と、 (d)該骨付き腿肉の足首側から、骨付き腿肉の膝関節
    前記肉押し板の付近に達するまで引き抜きながら脛骨
    を肉から引き剥がして腱を露出させる工程と、 (e)露出した腱を切断する工程と、 (f)引き続き膝関節付近の肉を骨から引き剥がす工程
    と、 (g)該(f)の引き剥がし工程を経て露出した大腿骨
    側の関節上部の腱を骨の全周にわたって切断する工程
    と、 (h)大腿骨を前記肉押し板の孔に通過させつつ当該大
    腿骨から肉を引き剥がす工程と、 有することを特徴とする脱骨方法。
  2. 【請求項2】 前記(a),(b)の工程の後に、
    (c)ないし(h)の工程を(c)〜(h)のアルファ
    ベット順に行うことを特徴とする、請求項1に記載した
    脱骨方法。
  3. 【請求項3】 前記(b)および(c)の工程の後に、
    (a)および(d)ないし(h)の工程を、(a)
    (d)〜(f)のアルファベット順に行うことを特徴と
    する、請求項1に記載した脱骨方法。
  4. 【請求項4】 前記の膝関節付近の骨と肉の引き剥がし
    は、前記骨付き腿肉の膝関節付近を前記肉押し板の孔に
    通過させて行うことを特徴とする、請求項1に記載の脱
    骨方法。
  5. 【請求項5】 前記の膝関節付近の骨と肉の引き剥がし
    脱骨用ベルト状カッタを用いて行うことを特徴とす
    る、請求項1に記載の脱骨方法。
  6. 【請求項6】 前記の膝関節付近の露出した腱の切断
    は、円弧状の刃を有する工具によって行うことを特徴と
    する、請求項1に記載の脱骨方法。
  7. 【請求項7】 (a)骨付き腿肉のくるぶし付近に、骨
    に達する輪状の切目をいれる工程と、 (b)該腿肉を縦方向に切り割く工程と、 (c)複数枚の板状部材のそれぞれに形成された相互に
    接近,離間可能で且つ当該接近方向の力が与えられてい
    る半円形またはU字状の切欠からなる内径寸法が変化自
    在な孔を有する肉押し板の当該孔に、前記骨付き腿肉の
    くるぶし付近の骨を挿通する工程と、 (d)該骨付き腿肉の足首側から、骨付き腿肉の膝関節
    が前記肉押し板の付近に達するまで引き抜きながら脛骨
    を肉から引き剥がして腱を露出させる工程と、 (e)露出した腱を切断する工程と、 (f)引き続き膝関節付近の肉を骨から引き剥がす工程
    と、 (g)該(f)の引き剥がし工程を経て露出した大腿骨
    側の関節上部の腱を骨の全周にわたって切断する工程
    と、 (h)大腿骨を前記肉押し板の孔に通過させつつ当該大
    腿骨から肉を引き剥がす工程と、 を有することを特徴とする脱骨方法。
  8. 【請求項8】 前記の膝関節上部の腱の切断は、膝関節
    から足首方向に5ないし20mm離れた個所を、刃物に
    よって骨に達する切目をいれて行うことを特徴とする、
    請求項6に記載の脱骨方法。
  9. 【請求項9】 前記の膝関節下部の腱の切断は、膝関節
    から大腿部方向に5〜15mm離れた個所を、刃物によ
    って骨の全周にわたって骨に達する切れ目をいれて行
    とを特徴とする、請求項6に記載の脱骨方法。
  10. 【請求項10】 前記(a)の工程における輪状の切れ
    目は完全な円形とせず、腓骨につながる脛骨に付着して
    いる腱の部分を残したC字状とすることを特徴とする、
    請求項1に記載した脱骨方法。
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