JP3404548B2 - 液封入式防振装置 - Google Patents
液封入式防振装置Info
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Description
エンジン等のパワーユニットその他の振動発生体を防振
的に支承するのに使用される液封入式防振装置に関する
ものである。
ンジン等の振動発生体を、その振動を車体へ伝達させな
いように支承するマウントとして液封入式の防振装置が
知られている。この液封入式防振装置は、振動発生体側
と支持側とにそれぞれ締結される筒状の本体金具と取付
金具とを、ブロック状のゴム弾性体よりなる厚肉の防振
基体を介して結合し、本体金具内部に防振基体と対向す
るゴム膜よりなるダイヤフラムを配して、その内室を液
封入室として形成するとともに、この液封入室を仕切り
体より2つの室に仕切り、両室をオリフィスを介して連
通させて、オリフィスによる両室間の液流動効果や防振
基体の防振効果により、振動減衰機能と振動絶縁機能を
果すようになっている。
防振基体の変形による上下方向の大変位を抑制するため
のストッパ機構が設けられている。
従来のように、振動発生体側に連結される取付金具にス
タビライザ等の部材を取付けて、この部材の一部と、防
振基体一部の張出し部とを上下方向のストッパーとして
構成したものでは、ストッパーとしての支持強度が充分
でなく、大変位時にストッパー抜けが生じるおそれがあ
ることから、取付金具に径方向に突出するストッパ用フ
ランジを設ける一方、本体金具に筒状のストッパ金具
(スタビライザ)を固定して、該ストッパ金具の端部を
内側に折曲延成し、全周にわたる当り面を持つストッパ
部として形成した全周ストッパタイプの液封入式防振装
置を提案している(例えば実願平7−189131
号)。
トッパ金具による全周ストッパタイプの場合、前記スト
ッパ金具の内部に熱が籠って防振基体部分の雰囲気温度
が高くなり、防振基体の素材ゴムの劣化を早める等、耐
久性に問題がある。
性体製の防振基体をできるだけ遠ざけ、さらに他部品と
の干渉を避けることが望まれる。その手段として、前記
の取付金具を、シャーシ等の支持側に設定して用いるこ
とが考えられている。
に安定性よく取付けできることに加えて、取付け操作上
は取付金具および該取付金具に備える全周ストッパを構
成する部材等の脱落を防止でき、搭載性を確保できるこ
と、さらには機能性(特性)を良好に維持できることが
要求される。
振装置であって、全周ストッパタイプで安全性が高く、
しかも本体金具を上側に、取付金具を下側にすること
で、ゴム弾性体よりなる防振基体を熱源であるエンジン
から遠ざけて支持でき、耐熱性を向上できるとともに、
下側になる取付金具の脱落のおそれがなく、組立て性、
搭載性がよく、機能性(特性)の維持効果にも優れる防
振装置を提供するものである。
決するものであり、請求項1の発明は、下方に開口する
筒状胴部を有する上側の本体金具と下側の取付金具とを
ゴム弾性体からなる防振基体を介して結合し、本体金具
内部の上部側に前記防振基体と対向するゴム膜よりなる
ダイヤフラムを配し、前記防振基体と前記ダイヤフラム
が室壁の一部をなす液封入室を形成するとともに、この
液封入室を仕切り体により2つの液室に仕切り、両液室
をオリフィスにより連通させてなり、上側の本体金具を
振動発生体側に締結し、下側の取付金具を支持側に取付
けて使用する液封入式防振装置であって、下側の取付金
具は、下方に突出する取付ボルトと一体形成され一部が
防振基体に埋設されたボス金具と、ストッパ用のフラン
ジ部を上端側に有し前記ボス金具に嵌合された管状のス
ペーサ金具と、前記ボス金具の一部に圧入手段により一
体に固定されて前記スペーサ金具をボス金具に有する段
部との間に挟持する取付用プレート金具とからなり、前
記スペーサ金具が前記段部と前記プレート金具との間に
挟持されて、前記スペーサ金具のフランジ部と前記プレ
ート金具との間に所定の間隔を保有しており、前記本体
金具に連設されて防振基体の外方を下方に延びる筒状の
スタビライザの下端部が内側に折曲されて内フランジ状
をなし、該内フランジ状の下端部が前記スペーサ金具の
フランジ部と前記プレート金具との間に配置され、大変
位時のストッパ作用を果すように設けられてなることを
特徴とする。
置において、前記スペーサ金具のフランジ部の下面およ
び前記プレート金具の上面に、それぞれストッパゴムが
付設され、前記スタビライザの下端部が弾力的に当接す
るようになされたとを特徴とする。
振装置において、前記仕切り体は、平板より絞り加工し
た略椀状をなしており、外周壁部の上下が防振基体の周
端部とダイヤフラムの周端部とによりシール状態を保持
するように挟まれて、該外周壁部と本体金具内周に沿う
ダイヤフラムと一体の側壁ゴム層との間にオリフィスが
形成されてなることを特徴とする。
を、取付用プレート金具と取付ボルトによりシャーシ等
の支持側に取付け固定し、上側の本体金具をエンジン等
の振動発生体側のブラケットに締結して使用する。この
際、下側の取付金具は、防振基体に埋設されたボス金具
に対し、ストッパ用のフランジ部を有するスペーサ金具
が嵌合されて、さらに取付用プレート金具が圧入手段で
固定されることにより、前記スペーサ金具が挟持された
状態で一体に固定されているため、これらスペーサ金具
およびプレート金具が脱落することがなく、容易に取付
け固定できる。しかもこれによって前記スペーサ金具の
フランジ部とプレート金具の間に所定の間隔を保有でき
る。この間隔はスペーサ金具の長さを変えることにより
変更できる。こうして使用すれば、本体金具が上側にあ
ってエンジン等の振動発生体側に締結されることで、ゴ
ム弾性体よりなる防振基体が液封入室より下側に位置す
ることになって、熱源であるエンジン等の振動発生体か
ら遠ざけられるため、防振基体の熱による劣化が防止さ
れ、耐熱性が向上する。
エンジン等の振動発生体の振動によって、ゴム弾性体よ
りなる防振基体の弾性変形により上下に変位する。本体
金具の下方への大変位時には、本体金具に連設された前
記筒状のスタビライザの内フランジ状の下端部が取付用
プレート金具に全周にわたって当接し、また本体金具の
上方への大変位時には、前記スタビライザの内フランジ
状の下端部が、ボス金具に嵌合されて前記プレート金具
により固定状態に保持されている前記スペーサ金具のフ
ランジ部に全周にわたって当接する。また軸直角方向
(前後、左右方向)の変位の際には、筒状のスタビライ
ザの側壁部が前記スペーサ金具のフランジ部に当接す
る。これにより全周ストッパ作用を果し、ストッパ抜け
等が生じることがない。
のフランジ部の下面および前記プレート金具の上面に、
それぞれストッパゴムが付設されていると、前記スタビ
ライザの下端部がストッパ作用時に前記プレート金具及
びスペーサ金具のフランジ部 に弾力的に当接することに
なって、当接時の衝撃を緩和できるとともに、衝突音を
低減できる。
仕切り体が平板より略椀状に絞り加工されてなるもの
で、その製作が容易である上、該仕切り体の外周壁部を
防振基体の周端部とダイヤフラムの周端部とで挟むこと
により、その外周部にオリフィスを形成できるので、組
立て構成も容易であり、かつ良好な防振特性を発揮でき
る。
基いて説明する。
1例の縦断面図を示し、図2は同上の底面図を示してい
る。
胴部を有する略伏椀状をなす上側の本体金具、(2)は
下側の取付金具である。(3)は前記両金具間に介在す
るゴム弾性体からなる厚肉の防振基体である。この防振
基体(3)の軸心部に前記取付金具(2)の一部が加硫
成形手段により埋設されて固定されている。また防振基
体(3)の上端外周部には、補強金具(4)が加硫成形
手段により一部埋設状態に固着されており、この補強金
具(4)の部分が本体金具(1)にシール状態に嵌着さ
れるとともに、該補強金具(4)の外周端が該本体金具
(1)の下端部(1a)のかしめ締結手段により固定され
ている。すなわち、本体金具(1)と下側の取付金具
(2)とが防振基体(3)を介して結合されている。
の上部側に前記防振基体(3)と対向してゴム膜よりな
るダイヤフラム(5)が配され、その下側にこれらが、
すなわち前記防振基体(3)と前記ダイヤフラム(5)
が室壁の一部をなす液封入室(6)が形成され、この液
封入室(6)を仕切り体(7)でオリフィス(8)によ
り連通する上下2つの液室(6a)(6b)に仕切構成され
ている。(9)はダイヤフラム(5)の上側に形成され
た空気室である。
ら連続した段部(12)を介して下方に延成された筒状胴
部(13)を有し、上面部(11)に取付用ボルト(10)が
突設されており、自動車エンジン等の振動発生体側のブ
ラケットに締結されるようになっている。(14)は取付
け時の位置決め用ピンである。この本体金具(1)に
は、前記防振基体(3)の全周を覆うようにその外方を
下方に延びる筒状のスタビライザ(15)が前記端部(1
a)によるかしめ締結部分に一体に固定されて連設され
ており、このスタビライザ(15)の下端部(15a)は内
側に折曲延成されて内フランジ状をなし、後述するスト
ッパ用の当接部として形成されている。
出する取付ボルト(21)と一体形成されかつ上部(22
a)が防振基体(3)の軸心部に加硫成形手段により埋
設されたボス金具(22)と、上端側にストッパ用のフラ
ンジ部(23a)を有する管状をなしかつ前記ボス金具
(22)に嵌合された間隔保持用のスペーサ金具(23)
と、前記ボス金具(22)の一部に形成されたセレーショ
ン用のローレット部(22b)に対し圧入されて一体に固
定された取付用のプレート金具(24)とからなり、この
プレート金具(24)の圧入固定により、前記スペーサ金
具(23)が該プレート金具(24)と前記ボス金具(22)
に有する段部(22c)との間に挟持されて、前記フラン
ジ部(23a)とプレート金具(24)の間に所定の間隔を
保有するように一体に組合せ構成されている。前記フラ
ンジ部(23a)とプレート金具(24)との間の間隔は前
記スペーサ金具(23)の長さを変えることにより変更で
きる。(24a)はプレート金具(24)に下方向に突設さ
れた取付け時の位置決め用ピンである。
スタビライザ(15)の内フランジ状をなす下端部(15
a)が、前記下側の取付金具(2)のフランジ部(23
a)とプレート金具(24)との間に所定の間隔を存して
配置されており、本体金具(1)の上下方向の大変位時
に、前記フランジ部(23a)またはプレート金具(24)
に対し全周にわたって当接でき、また軸直角方向(車両
の前後、左右方向)の大変位時には前記スタビライザ
(15)の側壁部(15b)が前記フランジ部(23a)の外
周に当接するようになっている。
から外周面にわたって、さらにプレート金具(24)の上
面には、それぞれストッパゴム(23b)および(24b)
が加硫接着手段により付設されており、前記スタビライ
ザ(15)が弾力的に当接して衝撃を緩和できるようにな
っている。
ジ状の下端部(15a)と、前記フランジ部(23a)の下
面(ストッパゴムの下面)、およびプレート金具(24)
の上面(ストッパゴムの上面)との各間隔は、それぞれ
防振基体(3)の弾性力等に応じてエンジン等の荷重を
負荷した状態において、所定のクリアランスを確保する
ように設定される。
フラム(5)は、外周部に筒状の補強金具(5a)が加硫
接着手段により配されて補強され、該補強金具(5a)が
本体金具(1)の筒状胴部(13)に嵌合されるととも
に、補強金具(5a)が前記端部(1a)のかしめ締結部分
において一体に固定されており、防振基体(5)は該補
助金具(5a)を介して本体金具(1)に嵌着されて固定
されている。(5b)は前記補強金具(5a)内周の側壁ゴ
ム層である。
(6b)に2分する仕切り体(7)は、平板より絞り加工
された略椀状をなしており、その外周壁部(7a)の上下
が防振基体(3)の周端部とダイヤフラム(5)の周端
部とによりシール状態を保持するように挟まれており、
該外周壁部(7a)と前記側壁ゴム層(5b)との間がオリ
フィス(8)として形成されている。このように構成す
れば、仕切り体(7)の加工が容易であり、またオリフ
ィス(8)も簡単に構成でき、製作コストの低減および
軽量化を図ることができ、二室形の液封入防振装置とし
ての特性も良好に確保できる。
いては、例えば本体金具(1)に対してダイヤフラム
(5)、仕切り体(7)、ボス金具(22)が埋設されて
いる防振基体(3)を順次嵌着し、次いでボス金具(2
2)に対して、スペーサ金具(23)を嵌合し、これにス
タビライザ(15)をフリーの状態で装着した後、プレー
ト金具(24)をボス金具(22)のローレット部(22b)
に圧入して固定し、さらにを本体金具(1)の端部(1
a)において、ダイヤフラム(5)の補強金具(5a)、
防振基体(3)の補強金具(4)およびスタビライザ
(15)を一体にかしめ締結して固定すればよい。また防
振基体(3)に一部が埋設されたボス金具(22)に対
し、スペーサ金具(23)およびプレート金具(24)をス
タビライザ(15)とともに組付けた状態で、防振基体
(3)を本体金具(1)に嵌着して、前記同様にかしめ
締結することもできる。
具(2)を取付用プレート金具(24)と取付ボルト(2
1)によりシャーシ等の支持側に取付け固定し、上側の
本体金具(1)をエンジン等の振動発生体側のブラケッ
トに締結して使用する。この際、前記スペーサ金具(2
3)が、ボス金具(22)とこれに圧入されたプレート金
具(24)により挟持されて一体に固定されているため、
脱落等のおそれなく容易に取付け固定できる。
体よりなる防振基体(3)が液封入室(6)より下側に
位置することになって、熱源であるエンジン等の振動発
生体から遠ざけられるために、該防振基体(3)の熱に
よる劣化を防ぎ、耐熱性が向上する。
エンジン等の振動発生体の振動によって、防振基体
(3)の弾性変形により上下に変位するもので、本体金
具(1)の下方への大変位時には、本体金具(1)に連
設された前記スタビライザ(15)の内フランジ状の下端
部(15a)が取付用プレート金具(24)に全周にわたっ
て当接し、また本体金具(1)の上方への大変位時に
は、前記スタビライザ(15)の下端部(15a)がボス金
具(22)に嵌合されて固定状態に保持されている前記ス
ペーサ金具(23)のフランジ部(23a)に全周にわたっ
て当接する。また軸直角方向(前後、左右方向)の変位
の際には、スタビライザ(15)の側壁部(15b)が前記
フランジ部(23a)に当接するので、これによって全周
ストッパ作用を果し、ストッパ抜け等が生じることがな
く信頼性が向上する。
置によれば、全周ストッパタイプであって、防振基体の
大変位を確実に抑制でき、大変位時のストッパー抜け等
のおそれがなく、安全性が高く、しかもゴム弾性体より
なる防振基体を熱源であるエンジンから遠ざけて支持で
きて耐熱性を向上できるとともに、下側になる取付金具
の脱落のおそれがなく、組立て性、搭載性がよく、機能
性(特性)の維持効果にも優れる。
図である。
Claims (3)
- 【請求項1】下方に開口する筒状胴部を有する上側の本
体金具と下側の取付金具とをゴム弾性体からなる防振基
体を介して結合し、本体金具内部の上部側に前記防振基
体と対向するゴム膜よりなるダイヤフラムを配し、前記
防振基体と前記ダイヤフラムが室壁の一部をなす液封入
室を形成するとともに、この液封入室を仕切り体により
2つの液室に仕切り、両液室をオリフィスにより連通さ
せてなり、上側の本体金具を振動発生体側に締結し、下
側の取付金具を支持側に取付けて使用する液封入式防振
装置であって、 下側の取付金具は、下方に突出する取付ボルトと一体形
成され一部が防振基体に埋設されたボス金具と、ストッ
パ用のフランジ部を上端側に有し前記ボス金具に嵌合さ
れた管状のスペーサ金具と、前記ボス金具の一部に圧入
手段により一体に固定されて前記スペーサ金具をボス金
具に有する段部との間に挟持する取付用プレート金具と
からなり、前記スペーサ金具が前記段部と前記プレート
金具との間に挟持されて、前記スペーサ金具のフランジ
部と前記プレート金具との間に所定の間隔を保有してお
り、前記本体金具に連設されて防振基体の外方を下方に
延びる筒状のスタビライザの下端部が内側に折曲されて
内フランジ状をなし、該内フランジ状の下端部が前記ス
ペーサ金具のフランジ部と前記プレート金具との間に配
置され、大変位時のストッパ作用を果すように設けられ
てなることを特徴とする液封入式防振装置。 - 【請求項2】前記スペーサ金具のフランジ部の下面およ
び前記プレート金具の上面には、それぞれストッパゴム
が付設され、前記スタビライザの下端部が弾力的に当接
するようになされた請求項1に記載の液封入式防振装
置。 - 【請求項3】前記仕切り体は、平板より絞り加工した略
椀状をなしており、外周壁部の上下が防振基体の周端部
とダイヤフラムの周端部とによりシール状態を保持する
ように挟まれて、該外周壁部と本体金具内周に沿うダイ
ヤフラムと一体の側壁ゴム層との間にオリフィスが形成
されてなる請求項1に記載の液封入式防振装置。
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JP06098497A Expired - Fee Related JP3404548B2 (ja) | 1997-03-14 | 1997-03-14 | 液封入式防振装置 |
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