JP3633716B2 - 液体封入式マウント - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車、産業機械または建設機械等において、防振装置または防振支持装置として用いられる液体封入式マウントに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、図3に示すように、一方の取付部51と他方の取付部52とをゴム状弾性材製の弾性体53を介して接続し、他方の取付部52を第一ケース54と第二ケース55とによって構成し、この他方の取付部52に、キャビンの重量またはキャビンに発生する振動等の荷重を受ける機能(荷重受け機能)と、当該マウントの内部構成部品56をカシメ固定してこれを支持する機能(部品支持機能)とを持たせた液体封入式マウントが知られている。
【0003】
しかしながら上記液体封入式マウントには、以下の問題がある。
▲1▼ 互いに組み合わされて他方の取付部52を構成している第一ケース54と第二ケース55とが互いに同じ材質で同じ厚さに成形されているために、荷重受け機能を充分に果たすべく両ケース54,55の材料に剛性の高いものを選定すると、部品支持機能を果たすためのカシメ作業がやりにくい。
▲2▼ ゴム状弾性材製の弾性体53が第一ケース54の内周面に加硫接着されているために、当該マウントに対して上方から荷重Pが入力すると弾性体53が主に剪断方向に弾性変形する。したがって上方から荷重Pが繰り返し入力することにより弾性体53が早期に劣化する虞がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は以上の点に鑑み、他方の取付部に求められる荷重受け機能を充分に果たすべく他方の取付部の剛性を高く設定しても、同じく他方の取付部に求められる部品支持機能を果たすためのカシメ作業がやりにくくなることがなく、また併せて弾性体が早期に劣化することがない液体封入式マウントを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の請求項1による液体封入式マウントは、ゴム状弾性材製の弾性体を介して一方の取付部と接続された他方の取付部を有する液体封入式マウントにおいて、前記他方の取付部は、第一ケースと、前記第一ケースに接続された第二ケースとを有し、前記第一ケースは、前記第二ケースよりも荷重を大きく受ける部分に配置されるとともに前記第二ケースよりも剛性の高い材料にて成形され、前記第二ケースは、前記第一ケースよりも荷重を余り受けない部分に配置されるとともに前記第一ケースよりも剛性の低い材料にて成形され、前記第二ケースに、内部構成部品をカシメ固定したカシメ部が設けられ、前記第一ケースの内周面および前記第二ケースの上面に前記弾性体が接着されていることにした。
【0006】
また本発明の請求項2による液体封入式マウントは、ゴム状弾性材製の弾性体を介して一方の取付部と接続された他方の取付部を有する液体封入式マウントにおいて、前記他方の取付部は、第一ケースと、前記第一ケースに接続された第二ケースとを有し、前記第一ケースは、前記第二ケースよりも荷重を大きく受ける部分に配置されるとともに前記第二ケースよりも板厚を厚く成形され、前記第二ケースは、前記第一ケースよりも荷重を余り受けない部分に配置されるとともに前記第一ケースよりも板厚を薄く成形され、前記第二ケースに、内部構成部品をカシメ固定したカシメ部が設けられ、前記第一ケースの内周面および前記第二ケースの上面に前記弾性体が接着されていることにした。
【0007】
【作用】
上記構成を備えた本発明の請求項1による液体封入式マウントにおいては、荷重を大きく受ける部分に配置された剛性の高い第一ケースが荷重受け機能を果たし、その一方で、荷重を余り受けない部分に配置されるとともに第一ケースに接続固定された剛性の低い第二ケースがカシメ部を備えていて部品支持機能を担当する。したがってこのように部品を使い分けすることにより第二ケースが比較的簡単に変形するため、カシメ作業を容易化することが可能となる。また弾性体が第一ケースの内周面のみでなく第二ケースの上面にも接着されているために、当該マウントに対して上方から荷重が入力したときに、弾性体が剪断方向のみでなく圧縮方向にも弾性変形する。したがって弾性体の耐久性を向上させることが可能となる。
【0008】
また上記構成を備えた本発明の請求項2による液体封入式マウントにおいては、荷重を大きく受ける部分に配置された板厚の厚い第一ケースが荷重受け機能を果たし、その一方で、荷重を余り受けない部分に配置されるとともに第一ケースに接続固定された板厚の薄い第二ケースがカシメ部を備えていて部品支持機能を担当する。したがってこのように部品を使い分けすることにより第二ケースが比較的簡単に変形するため、カシメ作業を容易化することが可能となる。また弾性体が第一ケースの内周面のみでなく第二ケースの上面にも接着されているために、当該マウントに対して上方から荷重が入力したときに、弾性体が剪断方向のみでなく圧縮方向にも弾性変形する。したがって弾性体の耐久性を向上させることが可能となる。
【0009】
【発明の実施の形態】
第一ケースおよび第二ケースはそれぞれ環状ないし筒状の部分を有しており、この部分において互いに同心的に接続固定される。接続固定の方法は特に限定されないが、溶接またはかち込みが好適である。
【0010】
【実施例】
つぎに本発明の実施例を図面にしたがって説明する。
【0011】
図1および図2に示すように、センターボス2を備えた一方の取付部1と、第一ケース4、第二ケース5およびカップ状の蓋6を備えた他方の取付部3とが環状を呈するゴム状弾性材製の弾性体(ゴム脚部とも称する)7を介して接続されており、他方の取付部3にゴム状弾性材製のダイアフラム8がその外周縁部をもって接続され、これらに囲まれて当該マウントの内部に気密空間9が設けられ、この気密空間9が、他方の取付部3の内側(第二ケース5の内周側)に配置された仕切部(仕切板、オリフィス部材またはオリフィスケースとも称する)10によって一方の取付部1側(上側)の第一液室(主液室とも称する)11と、ダイアフラム8側(下側)の第二液室(副液室とも称する)12とに仕切られ、両室11,12がオリフィス13によって互いに連通せしめられ、両室11,12に粘性流体等の作動液(内封液とも称する)14が封入されている。
【0012】
他方の取付部3において、第一ケース4は、内周面に弾性体7を加硫接着した筒状部4aと、この筒状部4aの上端外周側に二等配で配置された取付フランジ部4bとを一体に備えている。第二ケース5は、オリフィス13を上方から囲みかつ上面に弾性体7を加硫接着した環状の内側部分5aと、仕切部10、ダイアフラム8および蓋6の各外周縁部をカシメ固定してこれらを支持した環状のカシメ部5bとを一体に備えており、前者の内側部分5aが第一ケース4の筒状部4aの下端内周側に配置されて溶接またはかち込みされることにより、この第二ケース5が第一ケース4に接続固定されている。また第一ケース4はSPCCまたはSPHC等の剛性の比較的高い材料によって成形されており、これとの比較において第二ケース5は剛性の比較的低い材料によって成形されている。第一ケース4と第二ケース5は二つ合わせてブラケットと称されることがある。
【0013】
弾性体7は一方の取付部1のセンターボス2に加硫接着され、また上記したように他方の取付部3の第一ケース4の内周面と第二ケース5の上面とに加硫接着されている。弾性体7には第一ケース4の内周側に位置してすぐり部7aが設けられており、また第一ケース4の上側に位置して変位量を制限するストッパ7bが設けられている。
【0014】
オリフィス13は弾性体7の下面に凹設された溝をその下側から仕切部10で閉塞したもので、この溝と第一液室11とを連通させるべく弾性体7および第二ケース5に切欠13aが設けられ、またこの溝と第二液室12とを連通させるべく仕切部10に透孔(図示せず)が設けられている。
【0015】
上記構成を備えた液体封入式マウントは、例えば一方の取付部1を自動車のキャビン側に接続するとともに他方の取付部3をその第一ケース4の取付フランジ部4bをもって車体側に接続してキャビンを防振支持するもので、上記構成により以下の作用効果を奏する点に特徴を有している。
【0016】
▲1▼ 荷重を比較的大きく受ける部分に配置された剛性の比較的高い第一ケース4が荷重受け機能を果たし、その一方で、荷重を余り受けない部分に配置されるとともに第一ケース4に接続固定された剛性の比較的低い第二ケース5がカシメ部5bを備えていて、仕切部10およびダイアフラム8等の内部構成部品をカシメ固定し、部品支持機能を担当する。したがってこのように部品が使い分けされていることにより第二ケース5がカシメ作業時に比較的簡単に変形するため、カシメ作業を容易化することができる。
▲2▼ 弾性体7が第一ケース4の内周面のみでなく第二ケース5の上面にも接着されているために、当該マウントに対して上方から荷重が入力したときに、弾性体7が剪断方向のみでなく圧縮方向にも弾性変形する。したがって弾性体7の耐久性を向上させることができる。また両ケース4,5が互いに接続固定される他に弾性体7が両ケース4,5に加硫接着されているために、ケース4,5同士の結合力が大きい。
▲3▼ オリフィス13を形成するための部品点数が少ないために、コスト的に有利である。
【0017】
上記実施例においては、第一ケース4と第二ケース5とを剛性の高低により使い分けしたが、これに代えて、両ケース4,5を板厚の大小により使い分けしても良い。この場合、両ケース4,5は同じ材質によって成形される。
【0018】
【発明の効果】
本発明は、以下の効果を奏する。
【0019】
すなわち、先ず、本願の請求項1に係る発明は以下の効果を奏する。
(1)荷重を大きく受ける部分に配置された剛性の高い第一ケースが荷重受け機能を果たし、その一方で、荷重を余り受けない部分に配置されるとともに第一ケースに接続固定された剛性の低い第二ケースがカシメ部を備えていて部品支持機能を担当する。したがってこのように部品が使い分けされていることにより第二ケースがカシメ作業時に比較的簡単に変形するため、カシメ作業を容易化することができる。
(2)ゴム状弾性材製の弾性体が第一ケースの内周面のみでなく第二ケースの上面にも接着されているために、当該マウントに対して上方から荷重が入力したときに、弾性体が剪断方向のみでなく圧縮方向にも弾性変形する。したがって弾性体の耐久性を向上させることができる。また両ケースが互いに接続固定される他に弾性体が両ケースに加硫接着されているために、ケース同士の結合力が大きい。
【0020】
また本願の請求項2に係る発明は以下の効果を奏する。
(1)荷重を大きく受ける部分に配置された板厚の厚い第一ケースが荷重受け機能を果たし、その一方で、荷重を余り受けない部分に配置されるとともに第一ケースに接続固定された板厚の薄い第二ケースがカシメ部を備えていて部品支持機能を担当する。したがってこのように部品が使い分けされていることにより第二ケースがカシメ作業時に比較的簡単に変形するため、カシメ作業を容易化することができる。
(2)ゴム状弾性材製の弾性体が第一ケースの内周面のみでなく第二ケースの上面にも接着されているために、当該マウントに対して上方から荷重が入力したときに、弾性体が剪断方向のみでなく圧縮方向にも弾性変形する。したがって弾性体の耐久性を向上させることができる。また両ケースが互いに接続固定される他に弾性体が両ケースに加硫接着されているために、ケース同士の結合力が大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る液体封入式マウントの一部切欠した正面図
【図2】同実施例に係る液体封入式マウントの平面図
【図3】従来例に係る液体封入式マウントの断面図
【符号の説明】
1 一方の取付部
2 センターボス
3 他方の取付部
4 第一ケース
4a 筒状部
4b 取付フランジ部
5 第二ケース
5a 内側部分
5b カシメ部
6 蓋
7 弾性体
7a すぐり部
7b ストッパ
8 ダイアフラム
9 気密空間
10 仕切部
11,12 液室
13 オリフィス
13a 切欠
14 作動液
Claims (2)
- ゴム状弾性材製の弾性体(7)を介して一方の取付部(1)と接続された他方の取付部(3)を有する液体封入式マウントにおいて、
前記他方の取付部(3)は、第一ケース(4)と、前記第一ケース(4)に接続された第二ケース(5)とを有し、
前記第一ケース(4)は、前記第二ケース(5)よりも荷重を大きく受ける部分に配置されるとともに前記第二ケース(5)よりも剛性の高い材料にて成形され、
前記第二ケース(5)は、前記第一ケース(4)よりも荷重を余り受けない部分に配置されるとともに前記第一ケース(4)よりも剛性の低い材料にて成形され、
前記第二ケース(5)に、内部構成部品をカシメ固定したカシメ部(5b)が設けられ、
前記第一ケース(4)の内周面および前記第二ケース(5)の上面に前記弾性体(7)が接着されていることを特徴とする液体封入式マウント。 - ゴム状弾性材製の弾性体(7)を介して一方の取付部(1)と接続された他方の取付部(3)を有する液体封入式マウントにおいて、
前記他方の取付部(3)は、第一ケース(4)と、前記第一ケース(4)に接続された第二ケース(5)とを有し、
前記第一ケース(4)は、前記第二ケース(5)よりも荷重を大きく受ける部分に配置されるとともに前記第二ケース(5)よりも板厚を厚く成形され、
前記第二ケース(5)は、前記第一ケース(4)よりも荷重を余り受けない部分に配置されるとともに前記第一ケース(4)よりも板厚を薄く成形され、
前記第二ケース(5)に、内部構成部品をカシメ固定したカシメ部(5b)が設けられ、
前記第一ケース(4)の内周面および前記第二ケース(5)の上面に前記弾性体(7)が接着されていることを特徴とする液体封入式マウント。
Priority Applications (1)
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JP10870796A JP3633716B2 (ja) | 1996-04-05 | 1996-04-05 | 液体封入式マウント |
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JPH09273587A JPH09273587A (ja) | 1997-10-21 |
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP10870796A Expired - Fee Related JP3633716B2 (ja) | 1996-04-05 | 1996-04-05 | 液体封入式マウント |
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JP (1) | JP3633716B2 (ja) |
-
1996
- 1996-04-05 JP JP10870796A patent/JP3633716B2/ja not_active Expired - Fee Related
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