JP2002206587A - 液封入式防振装置 - Google Patents

液封入式防振装置

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JP2002206587A
JP2002206587A JP2001003065A JP2001003065A JP2002206587A JP 2002206587 A JP2002206587 A JP 2002206587A JP 2001003065 A JP2001003065 A JP 2001003065A JP 2001003065 A JP2001003065 A JP 2001003065A JP 2002206587 A JP2002206587 A JP 2002206587A
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rubber film
partition member
liquid
liquid chamber
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JP2001003065A
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Masaaki Ito
政昭 伊藤
Shingo Hatakeyama
晋吾 畠山
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Toyo Tire Corp
Original Assignee
Toyo Tire and Rubber Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ダブルオリフィスタイプの液封入式防振装置
として、液圧差の急激な上昇による異音の発生を防止
し、乗り心地を向上させる。 【解決手段】 第1取付具1と第2取付具2を連結する
防振基体3と、第2取付具2に取着されたダイヤフラム
4との間を、仕切部10で主液室5と第1副液室7とに
仕切り、両液室を第1オリフィス8により連通させ、仕
切部を構成する第1仕切部材11の内側に、第2仕切部
材12及び可動ゴム膜9を配して、可動ゴム膜の周縁部
91を両仕切部材の挟持部15,16で挟持固定し、可
動ゴム膜と第2仕切部材の間を第2副液室13として第
2オリフィス14により主液室5と連通させ、両挟持部
15,16に、可動ゴム膜の周縁部内側に対する係合部
15a,16aに連続して、可動ゴム膜の変形を規制す
るストッパ部17,18を内方に向かって漸次拡がるク
リアランス19を保有するように設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車のエンジン
等のパワーユニットを防振的に支承するのに用いられる
液封入式防振装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、自動車用エンジン等の振動体
を振動を車体に伝達させないように支承するマウントと
して液封入式防振装置が用いられている。この液封入式
防振装置として、シェイク振動とアイドル振動との異な
る二つの周波数域の振動に対して防振効果を得るものと
して、ダブルオリフィスタイプの液封入防振装置が知ら
れている。
【0003】例えば、図5に示す液封入式防振装置はそ
の一つである。この防振装置においては、振動発生体側
と支持側の一方に取り付けられる第1取付具(101)
と、他方に取り付けられる筒状胴部(121)を有する
第2取付具(102)と、これら両取付具(101)と
(102)の間に介装されて両取付具を互いに連結する
ゴム弾性体よりなる防振基体(103)と、前記防振基
体(103)と対向して前記第2取付具(102)に取
着されたダイヤフラム(104)と、前記防振基体(1
03)とダイヤフラム(104)との間に配された仕切
部(110)とを備え、前記の仕切部(110)と防振
基体(103)との間を主液室(105)、前記仕切部
(110)と前記ダイヤフラム(104)との間を第1
のオリフィス(108)により前記主液室(105)と
連通する第1の副液室(107)として形成し、さらに
前記仕切部(110)の主液室(105)側に第2のオ
リフィス(114)により主液室(105)と連通する
第2の副液室(113)を設けるとともに、第2副液室
(113)と第1副液室(107)との間を可動ゴム膜
(109)により隔設している。
【0004】この防振装置は、シェイク振動等の低周波
大振幅の振動入力時には、前記第1のオリフィス(10
8)での液流動による液柱共振作用により、またアイド
ル振動等の高周波小振幅の振動入力時には、前記可動ゴ
ム膜(109)の弾性変形により液圧を逃がしながら前
記第2のオリフィス(114)での液流動による液柱共
振作用により振動を減衰するものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記の第1副液室(1
07)と第2副液室(113)との間を隔する可動ゴム
膜(109)は、その周縁部(191)が仕切部(11
0)を構成する二つの部材による挟持手段等により固定
されており、その内方部分が液圧変動に応じて弾性変形
できるようになっている。
【0006】ところで、例えば図5のように、可動ゴム
膜(109)の周縁部を挟持固定しただけのものである
と、内方部分とその周縁の挟持固定部分との境界部分で
折れ曲がるように変形する結果、前記境界部分に応力集
中が生じ易い上に、低周波大振幅の振動入力時における
可動ゴム膜の変形規制のための支持剛性が十分でないた
め、第1オリフィスの液流動作用が抑制されて、十分な
振動減衰効果を発揮できないことになる。
【0007】そのため、前記可動ゴム膜の周縁部を挟持
固定する部分に、高周波低振幅の振動領域でのゴム膜内
方部分の変形を許容する所定のクリアランスを保有し
て、低周波大振幅の振動領域での一定以上の変形を規制
するストッパを設けることとしている。
【0008】しかしながら、前記ストッパのクリアラン
スが、可動ゴム膜が一定量変形した際にストッパ規制を
急激に行うような一定間隔の単なるクリアランスである
と、低周波大振幅の振動入力時の液圧差が急に大きくな
り、そのためウォーターハンマー現象のような衝撃が生
じて、その衝撃力とこれに伴う異音が発生し、これが車
内に伝わり、乗り心地を悪化させるといった問題があ
る。
【0009】本発明は、上記に鑑みてなしたものであ
り、上記のダブルオリフィスタイプの液封入式防振装置
において、可動ゴム膜の一定以上の弾性変形を規制する
ストッパ部を設けて、低周波大振幅の振動入力時の振動
減衰効果を高めて、しかも液圧差の急激な上昇による異
音の発生を防止し、乗り心地を向上させるようにしたも
のである。
【0010】
【課題を解決するための手段および作用】本発明は、上
記の課題を解決するものであり、振動発生体側と支持側
の一方に取り付けられる第1取付具と、他方に取り付け
られる第2取付具と、これら両取付具の間に介装されて
両取付具を互いに連結するゴム弾性体よりなる防振基体
と、前記防振基体と対向して前記第2取付具に取着され
両者間に液封入室を形成するダイヤフラムと、前記液封
入室を防振基体側の主液室とダイヤフラム側の第1副液
室とに仕切る仕切部とを備え、前記仕切部が、前記主液
室と第1副液室とを連通させる第1オリフィスを外周部
に有する第1仕切部材と、該第1仕切部材の内側に嵌着
された第2仕切部材とよりなり、さらに前記第1仕切部
材の内側において第2仕切部材より第1副液室側で第1
および第2仕切部材により周縁部が挟持固定された弾性
変形可能な可動ゴム膜を有し、該可動ゴム膜と前記第1
仕切部材との間が第2副液室として形成されるととも
に、前記第2仕切部材の外周部と第1仕切部材との間に
前記主液室と第2副液室とを連通させる第2オリフィス
が形成されてなる液封入式防振装置において、前記可動
ゴム膜の周縁部を挟持する前記第1仕切部材と第2仕切
部材との挟持部には、該可動ゴム膜の周縁部内側に対す
る係合部に連続して、可動ゴム膜の過度の弾性変形を規
制するストッパ部が、前記可動ゴム膜との間に内方に向
かって漸次拡がるクリアランスを保有するように設けら
れてなることを特徴とする。
【0011】この液封入式防振装置によれば、アイドル
振動等の高周波小振幅の振動入力時には、前記可動ゴム
膜がストッパ部に当接することなく弾性変形することで
液圧を逃がしながら、第2オリフィスの液流動効果で振
動を減衰する。一方、シェイク振動等の低周波大振幅の
振動入力時には、その液圧の変動に伴って前記可動ゴム
膜が大きく変形してストッパ部に当接することで一定以
上の変形が規制されて、第1オリフィスで液体流動が生
じ、この液流動効果により振動を減衰する。
【0012】特に、本発明の場合は、前記ストッパ部と
可動ゴム膜との間のクリアランスが内方に向かって漸次
拡がった形状をなしているため、前記の低周波大振幅の
振動入力に対して前記可動ゴム膜がストッパ部に対して
徐々に当接し、その当接面積が徐々に拡大されることに
より、ストッパ規制が徐々になされる。そのため、ゴム
膜のストッパ規制による液圧差の上昇が緩やかになっ
て、急激な液圧差の上昇による異音発生を防止できる。
【0013】前記の液封入式防振装置において、前記第
1仕切部材と第2仕切部材のストッパ受面が、内方に向
かって拡がったテーパ形状をなしているのが、可動ゴム
膜の当接によるストッパ規制がさらに円滑に行われるこ
とになり好ましい。
【0014】また、前記ストッパ部と前記可動ゴム膜と
の間のクリアランスは、ストッパ部の内端部での開口寸
法が0.5〜5.0mmであるのが好ましい。
【0015】すなわち、前記クリアランスの開口寸法が
0.5mm未満になると、可動ゴム膜の変形を許容する
ストッパ規制範囲が狭くなり、クリアランスを設けたこ
とによる効果が十分に得られない。また、前記クリアラ
ンスの開口寸法が5.0mmを越えると、可動ゴム膜の
ストッパ規制範囲が拡くなり、低周波大振幅の振動時も
ストッパ規制が十分になされず、期待する防振特性が得
られない。このような効果の点から、さらに好ましいク
リアランスの開口寸法は0.5〜2.0mmの範囲であ
る。
【0016】また、前記の液封入式防振装置において、
前記可動ゴム膜は、前記係合部により挟まれる部分の厚
み(T1 )と、これより内方の中央部の厚み(T2 )と
の比(T2 /T1 )が、0.5〜20の範囲にあるのが
好ましい。
【0017】すなわち、前記厚みの比が0.5未満のも
のでは、内方部分の厚みが薄くなり、中心部の剛性が低
くなりすぎてゴム膜の変位規制ができず、充分な特性が
得られない。またゴム膜が薄い場合、耐久性が悪化す
る。
【0018】また前記厚みの比が20を越えると、内方
部分が厚くなりすぎて、前記周縁部内側がくびれ形状と
なり、応力集中が生じ易くなるので好ましくない。この
ような効果の点から、前記厚みの比は、1〜5の範囲の
ものが特に好ましい。
【0019】さらに、前記の液封入式防振装置におい
て、前記可動ゴム膜は、周縁部が厚み方向両側への張出
し形状をなし、該周縁部が前記第1仕切部材と第2仕切
部材の挟持部における係合部外側で挟着され保持されて
なるものが好ましい。これにより第1及び第2仕切部材
により挟持するものであっても、ゴム膜の内方への抜脱
のおそれなく固定保持でき、かつ第1および第2仕切部
材の間を可動ゴム膜の周縁部で確実にシールできる。
【0020】また、前記可動ゴム膜は、第1および第2
仕切部材の係合部により挟まれる部分から内方に向かっ
て厚みが漸次大きくなる断面略紡錘形状をなしているも
のとすることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に示す実施例に基づいて説明する。
【0022】図1は本発明に係る液封入式防振装置の1
実施例を示す縦断面図、図2は同上の仕切部の構成各部
の分離した断面斜視図、図3は同上の仕切部を組み立て
た断面図である。
【0023】この液封入式防振装置(A)は、図に示す
ように、第1取付具(1)と、底部が前記第1取付具
(1)から軸方向に所定の距離を隔てて位置している有
底の第2取付具(2)と、これら第1取付具(1)と第
2取付具(2)との間に介装されて両取付具(1)
(2)を互いに連結する、ゴム弾性体よりなる厚肉の防
振基体(3)とを有している。
【0024】前記の第1取付具(1)は、主に金属材等
の剛性を有する材料より形成されており、その中央部に
は取付ボルト(1a)が突設されている。この取付ボル
ト(1a)により、前記第1取付具(1)が主に自動車
用エンジン等のパワーユニットつまり振動発生体側のブ
ラケットに取付けられるようになっている。
【0025】前記第2取付具(2)についても、主に金
属材等の剛性を有する材料より有底筒状に形成されてい
る。図示する実施例の場合、第2取付具(2)は、上部
が前記防振基体(3)に加硫接着された筒状胴部(2
1)と、概略円筒形状をなす有底の底部材(22)とが
後述のかしめ締結手段により結合されてなり、底部材
(22)のフランジ状上端部(22a)が前記筒状胴部
(21)の下端部(21a)にかしめ固定されている。
【0026】前記の筒状胴部(21)の下部開口側に
は、前記防振基体(2)と対向してゴム膜よりなるダイ
ヤフラム(4)が配され、その外側を覆う前記底部材
(22)のフランジ状上端部(22a)および後述する
仕切部(10)と共に、筒状胴部(21)の下端部(2
1a)によるかしめ締結手段によりシール状態に固定さ
れている。(41)はダイヤフラム(4)の外周縁部で
ある。前記の底部材(22)とダイヤフラム(4)との
間は、空気室(6)として形成されているが、この空気
室(6)は、図のように大気に連通させる場合と気密室
とする場合がある。
【0027】この第2取付具(2)は、前記底部材(2
2)の底部(22b)に突設された取付ボルト(2a)
により主に車体フレーム等の支持側に取付けられる。前
記の取付ボルトに代えて、底部材もしくは筒状胴部の外
周に取付け用のブラケットを付設しておくこともでき
る。
【0028】前記防振基体(3)は、図に示すように断
面略截頭円錐形をなしており、この上部に前記第1取付
具(1)が加硫接着手段により結合されている。また防
振基体(3)の下部外周には前記第2取付具(2)の筒
状部材(21)の上部が加硫接着されている。
【0029】図の場合、前記第1取付具(1)の一部よ
り外方へ突出してさらに下方に伏J字形をなすように折
曲形成されたストッパ部(1b)が一体に形成され、前
記第2取付具(2)の筒状胴部(21)の張り出し部お
よび防振基体(3)の張り出し部と当接して、ストッパ
作用を果たすように設けられている。このストッパ部を
第1取付具(1)とは別部材により構成することもでき
る。
【0030】前記防振基体(3)と前記ダイヤフラム
(4)との間の前記筒状胴部(21)の内周には、防振
基体(3)と一体形成されたシール用ゴム層(3a)を
介して仕切部(10)が気密に圧入され嵌着されてい
る。
【0031】そして、前記防振基体(3)と前記ダイヤ
フラム(4)との間の内室が水やエチレングリコール等
の非圧縮性液体が封入された液封入室として形成される
とともに、この液封入室が前記仕切部(10)によって
仕切り構成されることにより、前記防振基体(1)と仕
切部(10)の間が主液室(5)として形成され、また
前記ダイフラム(4)と仕切部(10)の間が第1副液
室(7)として形成されている。
【0032】さらに、前記仕切部(10)は、図1〜図
3に示すように、環状の第1仕切部材(11)とその内
側に嵌着される第2仕切部材(12)とを有してなる。
【0033】第1仕切部材(11)は、主液室(5)と
第1副液室(7)とを連通させる第1オリフィス(8)
を外周部に形成する筒状部(11a)を有し、該筒状部
(11a)が前記第2取付具(2)の筒状胴部(21)
内周にシール用ゴム層(3a)を介して嵌着されてい
る。
【0034】また、前記第2仕切部材(12)は、前記
第1仕切部材(11)の前記筒状部(11a)の内側に
上部側より圧入手段により嵌着されて、後述するように
第1仕切部材(11)の内側下部に配される可動ゴム膜
との間に第2副液室(13)を画成するように設けられ
ている。この第2仕切部材(12)は、第2の副液室
(13)の外周を画成する筒部(12a)の外周には第
2オリフィス(14)としての周溝が形成され、その上
下部2個所で前記第1仕切部材(11)の筒状部(11
a)内周に嵌着されている。また前記筒部(12a)の
上端部外周のフランジ縁(12b)が前記筒状部(11
a)の上端に係合することにより位置決めされるように
なっている。
【0035】(9)は前記第1仕切部材(11)の内周
における下部、すなわち前記第2仕切部材(12)より
第1副液室(7)側に配された可動ゴム膜であり、その
周縁部(91)が前記第1仕切部材(11)と第2仕切
部材(12)とにより挟持固定されている。これによ
り、前記可動ゴム膜(9)と前記第2仕切部材(12)
との間が第2副液室(13)として画成されるととも
に、該可動ゴム膜(9)が前記第1副液室(7)と第2
副液室(13)との間の隔壁をなし、かつ周縁部(9
1)で第1仕切部材(11)と第2仕切部材(12)と
の間をシールするようになっている。なお、前記第2副
液室(13)は前記筒部(12a)外周の第2オリフィ
ス(14)により前記主液室(5)と連通せしめられて
いる。
【0036】前記可動ゴム膜(9)は、周縁部(91)
が厚み方向両側への張出し形状をなし、この周縁部(9
1)よりやや内側位置から内方に向かって厚みが漸次大
きくなる断面略紡錘形状をなしている。(92)は内方
部分を示す。
【0037】そして、前記可動ゴム膜(9)の周縁部
(91)を挟持固定する手段として、前記第1仕切部材
(11)の内周下端部には、内フランジ状に突出する挟
持部(15)が設けられ、また前記第2仕切部材(1
2)の筒部(12a)の下端部にフランジ状の挟持部
(16)が設けられており、前記可動ゴム膜(9)の周
縁部(91)を上下から弾力的に挟着するようになって
いる。さらに前記両挟持部(15)(16)には、互い
の対向する方向に突状をなして前記周縁部(91)の内
側に係合する係合部(15a)(16a)が設けられて
おり、これにより可動ゴム膜(9)の周縁部を内方への
抜脱のおそれなく確実に固定保持できるようになってい
る。
【0038】さらに、前記両挟持部(15)(16)に
は、前記係合部(15a)(16a)に連続して、可動
ゴム膜(9)の過度の弾性変形を規制するストッパ部
(17)(18)が、前記可動ゴム膜(9)との間に内
方に向かって漸次拡がるクリアランス(19)(19)
を保有するように設けられ、可動ゴム膜(9)が弾性変
形して該ストッパ部(17)(18)に対して当接する
とき、係合部(15a)(16a)側から徐々に当接で
きるようになっている。特に、前記ストッパ部(17)
(18)のストッパ受面(17a)(18a)は、可動
ゴム膜(9)の上面の形状に対応してこれより広い所定
の角度で内方に向かって拡がったテーパ状をなしてお
り、前記可動ゴム膜(9)に対する当接が円滑に行える
ようになっている。
【0039】前記のストッパ部(17)(18)と前記
可動ゴム膜(9)との間のクリアランス(19)(1
9)は、ストッパ部(17)(18)の内端部での開口
寸法(S)が、0.5〜5.0mmの範囲、好ましくは
0.5〜2.0mmの範囲とされる。
【0040】なお、前記の開口寸法(S)は、ストッパ
部(17)(18)の内端部から、ストッパ受面(17
a)(18a)に対して直角方向の線が可動ゴム膜
(9)の面と交わる点までの間隔とする。
【0041】また、前記可動ゴム膜(9)は、前記係合
部(15a)(16a)により挟まれる部分(93)の
厚み(T1 )と、これより内方部分(92)の中央部の
厚み(T2 )との比(T2 /T1 )が、0.5〜20の
範囲、より好ましくは1〜5の範囲とされる。すなわ
ち、可動ゴム膜(9)としては、前記内方部分(92)
が、係合部により挟まれる部分(93)と同厚の平板状
あるいはやや薄肉の板状の場合もあり得るが、通常は前
記部分(93)と同厚以上とされる。
【0042】前記係合部(15a)(16a)とこれに
より挟まれる可動ゴム膜(9)の部分(93)との間に
も、前記ストッパ部(17)(18)のクリアランス
(19)に連続して僅かなクリアランスを有し、高周波
小振幅の振動入力時の可動ゴム膜(9)の変形が抵抗な
く行えるようになっている。
【0043】なお、前記の第1のオリフィス(8)と第
2のオリフィス(14)の周方向の長さおよび長さ方向
に直交する方向の断面積は、防振特性に応じて適宜設定
できる。図の場合、第1のオリフィス(8)はシェイク
振動に、また第2オリフィス(14)はアイドル振動に
対応するように設定されている。図の(8a)(8b)
は主液室(5)と第1副液室(7)とに開口する第1の
オリフィス(8)の出入口であり、(14a)(14
b)は主液室(5)と第2副液室(13)とに開口する
第2のオリフィス(14)の出入口である。
【0044】上記の液封入式防振装置(A)の組立て状
態について説明する。
【0045】ゴム状弾性体よりなる防振基体(3)の加
硫成形により第1取付具(1)と第2取付具(2)の筒
状胴部(21)とを結合する。またこれとは別に、第1
仕切部材(11)の内側に、その上部側より可動ゴム膜
(9)をはめ込み、さらに第2仕切部材(12)を圧入
嵌着して、第1仕切部材(11)の挟持部(15)と第
2仕切部材(12)の挟持部(16)との間に、可動ゴ
ム膜(9)の周縁部(91)を挟着するとともに、周縁
部(91)の内側に前記係合部(15a)(16a)を
係合させて挟持固定し、内部構造体としての仕切部(1
0)を組み立てる。
【0046】そして、液層中において、組立てられた前
記仕切部(10)を前記第2取付具(2)の筒状胴部
(21)の内側に、下端開口側より第1仕切部材(1
1)を圧入し嵌着するとともに、下端フランジ部(11
b)を筒状胴部(21)の下端部(21a)の内側の段
部に当接させ、さらにダイヤフラム(4)の外周縁部
(41)および底部材(22)のフランジ状上端部(2
2a)を重ねて、これらを一体に筒状胴部(21)の下
端部(21a)によりかしめ固定する。こうして空気室
(6)の液体を排出することにより、図1に示すダブル
オリフィス構造の液封入式防振装置(A)を容易に得る
ことができる。
【0047】上記の液封入式防振装置(A)は、パワー
ユニット等の振動発生体側から与えられた振動によって
防振基体(3)が変形し、この変形によって振動が吸収
され、さらに主液室(5)における液体が仕切部(1
0)に有する第1のオリフィス(8)および第2のオリ
フィス(14)を介して第1および第2の副液室(7)
(13)との間で流出入し、それぞれの共振特性に応じ
て振動が減衰される。
【0048】すなわち、例えば上下方向の変位が0.0
5mm程度の振幅によるアイドル振動等の高周波小振幅
の振動が入力されたときは、第1副液室(7)と第2副
液室(13)との間の可動ゴム膜(9)の内方部分(9
2)がクリアランス(19)の範囲内でストッパ部(1
7)(18)に当接することなく上下に弾性変形し、こ
れによって液圧を逃がしながら、第2オリフィス(1
4)の液流動効果で振動を減衰する。
【0049】また、上下方向の変位が0.5mm程度の
振幅によるシェイク振動等の低周波大振幅の振動が入力
されたときは、その液圧の変動に伴って前記可動ゴム膜
(9)が大きく変形してストッパ部(17)(18)に
当接することで一定以上の変形が規制され、その結果、
シェイク用の第1オリフィス(8)で液体流動が生じ、
この液流動効果により振動を減衰する。
【0050】特に、この低周波大振幅の振動入力の際
は、前記ストッパ部(17)(18)と可動ゴム膜
(9)との間のクリアランス(19)が内方に向かって
漸次拡がった形状をなしているため、前記可動ゴム膜
(9)がストッパ部(17)(18)に対して係合部
(15a)(16a)の側から徐々に当接し、その当接
面積が徐々に拡大されることにより、ストッパ規制が徐
々になされる。そのため、ゴム膜のストッパ規制による
液圧差の上昇が緩やかになって、急激な液圧差の上昇に
よる異音発生を防止でき、乗り心地を向上できる。
【0051】しかも、可動ゴム膜(9)の一定量以上の
弾性変形をストッパ部により規制できるため、固定され
た周縁部とそれより内方部分との間の境界部分に折れ曲
がるような過度の変形が生じないため、応力集中が生じ
ることがなく、耐久性を損なうこともない。
【0052】
【発明の効果】上記したように本発明は、ダブルオリフ
ィスタイプの液封入式防振装置において、高周波小振幅
の振動入力時に液圧を逃がし、低周波大振幅の振動入力
時には変形を抑制する可動ゴム膜について、一定以上の
弾性変形を規制するストッパ部のクリアランスを内方に
向かって漸次拡がる形状としたことにより、しかも液圧
差の急激な上昇による異音の発生を防止し、乗り心地を
向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液封入式防振装置の1実施例を示す縦
断面図である。
【図2】同上の仕切部の構成各部の分離した断面斜視図
である。
【図3】同上の仕切部を組み立てた断面図である。
【図4】同上の一部の拡大図である。
【図5】従来のダブルオリフィスの液封入式防振装置を
例示する断面図である。
【符号の説明】
(A) 液封入式防振装置 (1) 第1取付具 (1a) 取付ボルト (2) 第2取付具 (2a) 取付ボルト (21) 筒状胴部 (21a) 下端部 (22) 底部材 (22a) フランジ状上端部 (3) 防振基体 (3a) シール用ゴム層 (4) ダイヤフラム (5) 主液室 (6) 空気室 (7) 第1副液室 (8) 第1のオリフィス (9) 可動ゴム膜 (91) 周縁部 (92) 内方部分 (93) 係合部により挟まれる部分 (10) 仕切部 (11) 第1仕切部材 (11a) 筒状部 (12) 第2仕切部材 (12a) 筒部 (13) 第2副液室 (14) 第2オリフィス (15)(16) 挟持部 (15a)(16a) 係合部 (17)(18) ストッパ部 (17a)(18a) ストッパ受面 (19)(19) クリアランス (S) クリアランスの開口寸法 (T1 ) 係合部により挟まれる部分の厚み (T2 ) 内方部分の中央部の厚み

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】振動発生体側と支持側の一方に取り付けら
    れる第1取付具と、他方に取り付けられる第2取付具
    と、これら両取付具の間に介装されて両取付具を互いに
    連結するゴム弾性体よりなる防振基体と、前記防振基体
    と対向して前記第2取付具に取着され両者間に液封入室
    を形成するダイヤフラムと、前記液封入室を防振基体側
    の主液室とダイヤフラム側の第1副液室とに仕切る仕切
    部とを備え、前記仕切部が、前記主液室と第1副液室と
    を連通させる第1オリフィスを外周部に有する第1仕切
    部材と、該第1仕切部材の内側に嵌着された第2仕切部
    材とよりなり、さらに前記第1仕切部材の内側において
    第2仕切部材より第1副液室側で第1および第2仕切部
    材により周縁部が挟持固定された弾性変形可能な可動ゴ
    ム膜を有し、該可動ゴム膜と前記第1仕切部材との間が
    第2副液室として形成されるとともに、前記第2仕切部
    材の外周部と第1仕切部材との間に前記主液室と第2副
    液室とを連通させる第2オリフィスが形成されてなる液
    封入式防振装置において、前記可動ゴム膜の周縁部を挟
    持する前記第1仕切部材と第2仕切部材との挟持部に
    は、該可動ゴム膜の周縁部内側に対する係合部に連続し
    て、可動ゴム膜の過度の弾性変形を規制するストッパ部
    が、前記可動ゴム膜との間に内方に向かって漸次拡がる
    クリアランスを保有するように設けられてなることを特
    徴とする液封入式防振装置。
  2. 【請求項2】前記第1および第2仕切部材のストッパ部
    におけるストッパ受面が、内方に向かって拡がったテー
    パ状をなしている請求項1に記載の液封入式防振装置。
  3. 【請求項3】前記ストッパ部と前記可動ゴム膜との間の
    クリアランスは、ストッパ部の内端部での開口寸法が
    0.5〜5.0mmである請求項1または2に記載の液
    封入式防振装置。
  4. 【請求項4】前記可動ゴム膜は、前記係合部により挟ま
    れる部分の厚み(T1 )と、これより内方の中央部の厚
    み(T2 )との比(T2 /T1 )が、0.5〜20の範
    囲にある請求項1〜3のいずれか1項に記載の液封入式
    防振装置。
  5. 【請求項5】前記可動ゴム膜は、周縁部が厚み方向両側
    への張出し形状をなし、該周縁部が前記第1および第2
    仕切部材の係合部外側で挟着固定されてなる請求項1〜
    4のいずれか1項に記載の液封入式防振装置。
  6. 【請求項6】前記可動ゴム膜が、第1および第2仕切部
    材の係合部により挟まれる部分から内方に向かって厚み
    が漸次大きくなる断面略紡錘形状をなしている請求項1
    〜5のいずれか1項に記載の液封入式防振装置。
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