JP4230891B2 - 液封入式防振装置 - Google Patents

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Description

本発明は、液封入式防振装置に関し、特に、自動車のエンジン等のパワーユニットを防振的に支承するのに好適な液封入式防振装置に関するものである。
従来より、自動車エンジン等の振動体を、その振動を車体等の支持体に伝達させないように支承するマウントとして、液封入式防振装置が用いられている。この液封入式防振装置として、シェイク振動とアイドル振動との異なる2つの周波数域の振動に対して防振効果を得るものとして、ダブルオリフィスタイプの液封入式防振装置が知られている。
例えば、図7に示す液封入式防振装置はその一つである。この防振装置は、振動発生体側に取り付けられる第1取付部材101と、支持側に取り付けられる第2取付部材102と、これら両取付部材101,102間に介設されて両者を結合するゴム材よりなる防振基体103と、該防振基体と対向して第2取付部材102の内側で防振基体103との間に液体封入室を形成するゴム膜からなる第1ダイヤフラム104と、前記の液体封入室を防振基体103側の主液室105と第1ダイヤフラム104側の第1副液室106とに仕切る仕切壁107と、仕切壁107の第1副液室106側に配されて仕切壁107との間に第2副液室108を形成するゴム膜からなる第2ダイヤフラム109と、主液室105と第1副液室106を連通する第1オリフィス流路111と、第2副液室108と主液室105を連通する第2オリフィス流路112とを備えてなる。
この防振装置においては、シェイク振動などの低周波で比較的大振幅の振動入力時には、第1オリフィス流路111での液流動による液柱共振作用により振動を減衰し、またアイドル振動などの高周波微振幅の振動入力時には、第2ダイヤフラム109の弾性変形により液圧を逃がしながら第2オリフィス流路112での液流動による液柱共振作用により動バネ定数の低減化、即ち低動バネ化を実現している。
この防振装置において、第2ダイヤフラム109は、その周縁部が仕切壁107を構成する仕切部材110の内部に固定されているのみであり、その上下方向への弾性変形を制限する部材を持たない。このような構造において、第2ダイヤフラム109の剛性は加振振幅値によらずに概ね一定であるため、アイドル領域のような微振幅振動にて更なる低動バネ化を実現するためには、第2ダイヤフラム109の剛性を低くせざるを得ない。しかしながら、第2ダイヤフラム109の剛性を低くすると、シェイク領域のような比較的大振幅の振動では、第2ダイヤフラム109の剛性が低いことによって圧力損失が発生するので、十分な減衰性能が出せないという問題がある。
ところで、特許文献1には、上記した従来のダブルオリフィスタイプの液封入式防振装置において、第2ダイヤフラムの周縁部を挟持固定する部分に、高周波微振幅の振動領域での第2ダイヤフラムの変形を許容するクリアランスを保有し、低周波大振幅の振動領域での第2ダイヤフラムの一定以上の変形を規制するストッパ部を設けることが記載されている。しかしながら、この特許文献1のように第2ダイヤフラムの周縁部のみでその変形を制限するストッパ構造では、第2ダイヤフラムの剛性を変化させる効果が必ずしも十分とは言えず、シェイク振動に対する減衰性能とアイドル振動に対する低動バネ化を高次元で両立させることは依然として容易ではない。また、このように第2ダイヤフラムの周縁部のみで変形を制限する場合、ストッパ機能を確保するために、第2ダイヤフラムを周縁部で薄くかつ内方に向かって厚みが漸増する形状として、中心部の剛性を高くする必要があり、そのため、アイドル振動に対する低動バネ化を図る上で不利である。
また、特許文献2には、主としてシングルオリフィスタイプの液封入式防振装置において、主液室と副液室との間に可動ゴム板を配設し、この可動ゴム板の中央部分を剛性の大きい可動板部とし、その外周部分を剛性の小さい可動膜部として、更に、上記可動板部の上下両側に可動板部の変位量を制限するストッパ部を設けた構造が記載されている。この防振装置では、上記可動ゴム板に、微小距離変位可能な可動板としての特性を持つ可動板部と、弾性変形可能な可動膜としての特性を持つ可動膜部とを併せ持たせたものである。そのため、特許文献2には、全体が弾性変形可能な可動膜としてのダイヤフラムにつき、その剛性を振幅値により可変にすることについては開示されていない。すなわち、特許文献2の可動ゴム板において、その周縁部の可動膜部は大振幅時にもストッパ部によって制限されることなく自由な弾性変形が許容されるように構成されており、また、中央の可動板部には上下にストッパ部が配置されているものの、これは上下に変位する可動板としてその変位量を所定範囲に制限するために従来一般に設けられている変位規制手段にすぎず、可動膜としての剛性を可変にするものではない。
特開2002−206587号公報 特開2003−74617号公報
本発明は、以上の点に鑑みてなされたものであり、ダブルオリフィスタイプの液封入式防振装置において、振幅値により第2ダイヤフラムの剛性を可変にして、シェイク振動などの大振幅振動に対する減衰性能とアイドル振動などの微振幅振動に対する低動バネ化を高次元で両立させることができるものを提供することを目的とする。
本発明の液封入式防振装置は、第1取付部材と、筒状部を有する第2取付部材と、これら取付部材の間に介設されて両取付部材を結合するゴム材よりなる防振基体と、前記防振基体に対向して配され前記筒状部の内側で前記防振基体との間に液体封入室を形成するゴム膜からなる第1ダイヤフラムと、前記液体封入室を防振基体側の主液室と第1ダイヤフラム側の第1副液室とに仕切る仕切壁と、該仕切壁に関し主液室側又は第1副液室側に配されて該仕切壁との間に第2副液室を形成するゴム膜からなる第2ダイヤフラムと、前記主液室と前記第1副液室を連通する第1オリフィス流路と、前記第2副液室と前記第1副液室又は前記主液室を連通する第2オリフィス流路と、を備える液封入式防振装置において、前記第1オリフィス流路が低周波数域のシェイク振動に対応するよう設定され、前記第2オリフィス流路が前記シェイク振動よりも微振幅で高周波数域のアイドル振動に対応するよう設定され、前記第2ダイヤフラムを前記筒状部の内側に支持する支持部を備え、該支持部は前記第2ダイヤフラムの周縁部を全周にわたって液密に支持しており、前記第2ダイヤフラムの厚み方向の両側に該第2ダイヤフラムの弾性変形を制限することで振幅値により当該第2ダイヤフラムの剛性を可変にする一対のストッパ板部が設けられ、該一対のストッパ板部の内の前記仕切壁側のストッパ板部は前記仕切壁との間に前記第2副液室を形成しており、該一対のストッパ板部は前記第2ダイヤフラムに液圧変動を伝達するための複数の開口を備えるとともに、該第2ダイヤフラムの対向する面との間に隙間をおいて配置されており、該隙間は、前記アイドル振動時には前記第2ダイヤフラムが前記一対のストッパ板部に当接せず、前記シェイク振動時には前記第2ダイヤフラムが前記一対のストッパ板部に当接して弾性変形が制限されるように設定されたものである。
本発明の液封入式防振装置においては、第2ダイヤフラムの周縁部を全周にわたって液密に支持せしめたことにより、第2ダイヤフラムを介して隣接する第2副液室と主液室又は第1副液室との間での第2ダイヤフラム周縁部からの液漏れがなく、従って、第2ダイヤフラムは第2副液室と主液室又は第1副液室との間を液漏れなく仕切る弾性隔膜として機能する。そして、このような機能を持つ第2ダイヤフラムにおいて、その両側に一対のストッパ板部を設け、該ストッパ板部は複数の開口を備えて第2ダイヤフラムに液圧変動を伝達可能であるとともに、第2ダイヤフラムの対向面との間に所定隙間を隔てて配置されているため、液圧変動が小さい微振幅時には、第2ダイヤフラムを一対のストッパ板部に当接させずに使用することができる。そのため、この場合、第2ダイヤフラムの剛性が低いので、アイドル振動微振幅時における低動バネ化を実現することができる。一方、液圧振動が大きい比較的大振幅時には、第2ダイヤフラムがストッパ板部に当接して当該第2ダイヤフラムの弾性変形が制限されるので、第2ダイヤフラムの剛性が高くなり、シェイク振動大振幅時の減衰性能を高めることができる。
本発明の液封入式防振装置は、前記第2ダイヤフラムをその厚み方向の両側から挟み込んだ状態に保持する一対の保持部材を備え、該保持部材は、中央部に前記一対のストッパ板部を備えるとともに、その外周に前記第2ダイヤフラムの周縁部を挟持する前記支持部を備えることが好ましい。
また、本発明の液封入式防振装置において、前記第2ダイヤフラムは、略一定厚みの可動膜部と、該可動膜部の外周に設けられた肉厚の環状挟持部とからなり、前記環状挟持部が前記支持部により上下に挟まれた状態に保持されることが好ましい。このように第2ダイヤフラムの可動膜部を略一定厚みとして剛性をダイヤフラム全体で均一化することにより、アイドル時(微振幅時)における低動バネ化の実現と、シェイク時(大振幅時)における減衰性能の確保を極めて効果的に行うことができる。
また、本発明の液封入式防振装置においては、前記第2ダイヤフラムにおける前記ストッパ板部との当接面に凸条を設けてもよい。このようにストッパ板部に当接する第2ダイヤフラムの当接面部に凸条を設けることにより、第2ダイヤフラムがストッパ板部に当接する際の異音発生を防止することができる。
以上のように本発明の液封入式防振装置によれば、アイドル振動時には、第2ダイヤフラムを一対のストッパ板部に当接させずに弾性変形させることで、第2ダイヤフラムの剛性を低くして低動バネ化を実現することができ、また、シェイク振動時には、ストッパ板部で第2ダイヤフラムの弾性変形を制限することで第2ダイヤフラムの剛性を高くして減衰性能を高めることができる。よって、シェイク振動に対する減衰性能とアイドル振動に対する低動バネ化を高次元で両立させることができる。
以下、本発明の実施形態に係る液封入式防振装置について図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態の液封入式防振装置の縦断面図であり、図2は、その仕切部の構成各部を分解した断面斜視図、図3及び図4は、該仕切部を組み立てた状態の平面図及び側面図である。
この液封入式防振装置は、上側の第1取付部材10と、該第1取付部材10から軸方向に所定の距離を隔てて位置している下側の第2取付部材12と、これら第1取付部材10と第2取付部材12との間に介設されて両者を互いに連結するゴム材よりなる厚肉の防振基体14とを有している。
第1取付部材10は、主に金属材等の剛性材料より形成されており、上面にボルト孔16が設けられている。このボルト孔16に対し、自動車エンジン等のパワーユニットつまり振動発生体側のブラケットのボルトが締結固定されることで、第1取付部材10が振動発生体側に取り付けられるようになっている。
第2取付部材12は、主に金属材等の剛性材料より有底筒状に形成されている。この実施形態の場合、第2取付部材12は、上部が防振基体14に加硫接着された筒状部18と、その下端開口部に嵌着された椀状の底部材20とからなる。底部材20の底部にはボルト22が突設されており、第2取付部材12は、このボルト22により車体フレーム等の支持側に取り付けられるようになっている。なお、筒状部18の上端開口部には、ストッパ金具24が設けられ、該ストッパ金具24が第1取付部材10をその上方から覆っている。
防振基体14は、略傘形状をなし、上部に第1取付部材10が埋設され、また下端部が筒状部18の上端部内周面に加硫接着手段により取着されている。
上記筒状部18の下端開口部には、防振基体14と対向してゴム膜よりなる第1ダイヤフラム26が配され、その外側を覆う底部材20のフランジ状上端部及び後述する仕切部28と共に、筒状部18の下端部18Aによるかしめ締結手段によりシール状態に固定されている。底部材20と第1ダイヤフラム26との間は空気室30として形成されているが、この空気室30は、大気と連通させる場合と気密室とする場合がある。
防振基体14と第1ダイヤフラム26との間の筒状部18の内周には、防振基体14と一体形成されたシート用ゴム層32を介して仕切部28が気密に圧入され嵌着されている。そして、防振基体14と第1ダイヤフラム26との間の内室が、水やエチレングリコール等の非圧縮性液体が封入された液体封入室として形成されるとともに、この液体封入室が仕切部28によって上下に仕切り構成されることにより、防振基体14と仕切部28の間が主液室34として形成され、また、第1ダイヤフラム26と仕切部28の間が第1副液室36として形成されている。
仕切部28は、図1〜4に示すように、上記液体封入室を上下に仕切る仕切壁38を持つ仕切部材40と、仕切壁38に関して主液室34側に配置されて仕切壁38との間に第2副液室42を形成するゴム膜からなる第2ダイヤフラム44と、第2ダイヤフラム44を上記筒状部18の内側に支持するための保持部材46とを備えてなる。
仕切部材40は、中央部に円板状の上記仕切壁38を備えるとともに、外周部に第1副液室36と第2副液室42とを連通させる第2オリフィス流路48を形成する筒状壁部50を有し、更にこの筒状壁部50の内側であって仕切壁38の上側に第2副液室42を形成する凹部52が設けられている。
第2ダイヤフラム44は、全体として薄肉円板状のゴム膜からなり、より詳細には、液圧変動により弾性変形可能な略一定厚みの円形の可動膜部54と、その外周に設けられた肉厚の環状挟持部56とからなる。また、第2ダイヤフラム44の上下両面には、後述するストッパ板部64,64との当接部に、僅かに突出する凸条58が一体に設けられている。凸条58は、図2に示すように、同心的に配された複数の環状凸条58Aと、これらを径方向に連結する凸条58Bとにより、格子状に形成されている。
保持部材46は、第2ダイヤフラム44をその厚み方向の両側、即ち上下両側から挟み込んだ状態に保持する上下一対の第1保持部材60及び第2保持部材62とからなり、両者を組み合わせることで内側に第2ダイヤフラム44を収容する空間が形成されるようになっている。保持部材46は、概ね円盤状をなし、中央部に第2ダイヤフラム44の過度の弾性変形を制限する上下一対の円板状のストッパ板部64,64を備えるとともに、その外周に第2ダイヤフラム44の環状挟持部56を挟持する支持部66を備え、更にその外周に主液室34と第1副液室36とを連通させる第1オリフィス流路68を形成する筒状壁部70を有する。なお、第1オリフィス流路68は、図4に示すように、仕切部材40の外周に設けられた上下方向に延びる連通路部41を介して第1副液室36に接続されている。
支持部66は、上記環状挟持部56を十分な圧縮率を持って上下に挟んだ状態に支持するものであり、第2ダイヤフラム44の周縁部を全周にわたってゴムシールを効かせた状態にて液密に支持する。従って、主液室34と第2副液室42とは第2ダイヤフラム44を隔膜として液密に仕切られている。
上記一対のストッパ板部64,64には、相対して配された第2ダイヤフラム44に対して、主室内34又は第2副液室42内の液圧変動を伝達するために、上下に貫通する複数の開口72が設けられており、該開口72から伝達される液圧変動により第2ダイヤフラム44の可動膜部54が弾性変形するように構成されている。開口72は、詳細には、図3に示すように、内側に6個、外側に8個の内外二重の周状に配設されており、第2ダイヤフラム44の上記円形の可動膜部54に対して比較的均等に液圧変動が伝達するようになっている。
また、この一対のストッパ板部64,64は、第2ダイヤフラム44に対して所定距離を隔てて配置されている。すなわち、図5に拡大して示すように、第2ダイヤフラム44の可動膜部54の全面を上下から覆うように配された一対のストッパ板部64,64は、それぞれ、第2ダイヤフラム44の対向する面との間に、所定の隙間C1,C2を確保した状態に配置されている。この隙間C1,C2は、例えば、±0.1mm以下の微振幅振動時には、第2ダイヤフラム44が上下のストッパ板部64,64に当接せずに、±0.5mm以上の比較的大振幅振動時には、第2ダイヤフラム44が上下のストッパ板部64,64に当接して弾性変形が制限されるような寸法に設定されている。なお、図5に示す実施形態では、隙間C1,C2を径方向で一定とし、かつ、上下の隙間C1とC2も同じ値としているが、該隙間は径方向で一定でなくてもよく、また上下で大きさを変えてもよい。
なお、上記の第1オリフィス流路68と第2オリフィス流路48の周方向長さ及び長さ方向に直交する方向の断面積は、防振特性に応じて適宜に設定することができる。図の場合、第1オリフィス流路68は10Hz程度の低周波数域のシェイク振動に、また第2オリフィス流路48は30Hz程度のより高周波数域のアイドル振動に対応するように設定されている。
以上よりなる本実施形態の防振装置では、パワーユニット等の振動発生体側から与えられた振動によって防振基体14が変形し、この変形によって振動が吸収され、更に、主液室34の液体が第1オリフィス流路68を介して第1副液室36との間で流出入し、また、第1副液室36の液体が第2オリフィス流路48を介して第2副液室42との間で流出入し、それぞれの共振特性に応じて振動が吸収される。
そして、特に本実施形態の防振装置では、第2ダイヤフラム44を保持する保持部材46に、第2ダイヤフラム44の可動膜部54を所定の隙間C1,C2をあけて覆う上下一対のストッパ板部64,64を設けて、該ストッパ板部64,64に複数の開口72を設けたことにより、第2ダイヤフラム44への液圧変動の伝達機能と第2ダイヤフラム44の弾性変形規制機能とを該ストッパ板部64,64により両立させることができる。
そして、この一対のストッパ板部64,64が第2ダイヤフラム44との間に所定の隙間C1,C2を隔てて配置されているため、例えば上下方向の変位が±0.1mm以下の振幅による微振幅振動が入力されたときには、第2ダイヤフラム44を一対のストッパ板部64,64に当接させずに使用することができ、そのため、第2ダイヤフラム44の剛性が低いので、アイドル振動微振幅時における低動バネ化を実現することができる。一方、上下方向の変位が±0.5mm以上の比較的大振幅の振動が入力されたときには、第2ダイヤフラム44がストッパ板部64,64に当接することにより、当該第2ダイヤフラム44の弾性変形が制限されるので、第2ダイヤフラム44の剛性が高くなり、その結果、第1オリフィス流路68での効果的な液体流動を達成することができ、シェイク振動大振幅時の減衰性能を高めることができる。
また、本実施形態では、第2ダイヤフラム44の可動膜部54を略一定厚みとしたことにより、アイドル時(微振幅時)における低動バネ化の実現とシェイク時(大振幅時)における減衰性能の確保を極めて効果的に行うことができる。すなわち、ダブルオリフィス本来の目的である低動バネ化実現のためには、微振幅時(圧力差が小さい状態)には可動膜剛性を小さくする必要があり、そのため、第2ダイヤフラム44の可動膜部54を略一定厚みに設定している。また、大振幅値(圧力差が大きい状態)では、可動膜部54がストッパ板部64に対し極力大きい面積で当接することが、可動膜剛性の上昇になるという観点から、可動膜部54は略一定厚みであることが最も効果的である。このように可動膜部54の厚みを略一定とすることにより、入力振幅に対する可動膜部54の剛性差の確保が最も効果的となる。
また、本実施形態では、上下のストッパ板部64,64に当接する第2ダイヤフラム44の当接面部に凸条58を設けたことにより、第2ダイヤフラム44がストッパ板部64に当接する際の異音発生を防止することができる。
図6は、図1に示す本実施形態の防振装置(実施例)と、同防振装置において上記一対のストッパ板部64,64を省略して第2ダイヤフラム44の自由な弾性変形を許容した比較例の防振装置とについて、動バネ定数と減衰係数の特性を示した図である。
図6に示すように、この実施例と比較例の防振装置では、アイドル振動に相当する微振幅振動時(振幅:±0.05mm)における動バネ定数と減衰係数の特性は同じであり、30Hz付近の動バネ定数の低いものであった。
一方、シェイク振動に相当する比較的大振幅振動時(振幅:±0.5mm)には、比較例の防振装置では、10Hz前後の減衰係数が低く、また、そのため、動バネ定数について、15Hz付近の低周波側のピークa1が低く、該ピークa1は35Hz付近の高周波側のピークa2よりも低いものであった。これに対し、実施例の防振装置では、比較例に比べて、10Hz前後の減衰係数がはるかに高く、シェイク振動に対する減衰効果の高いものであった。また、動バネ定数につき、15Hz前後の低周波側のピークA1を持ち上げることができ、特に図の場合、この低周波側のピークA1を50Hz付近の高周波側のピークA2と同等以上にすることができ、特徴的な動バネ定数特性が得られた。このように比較的大振幅振動時において低周波領域での高動バネ化を実現することができるため、乗り心地の向上にもつながる。すなわち、15Hz付近の動バネ定数と50Hz付近の動バネ定数を同等にすることにより、エンジンとボディの相対変位を小さくすることができ、このことが乗り心地の向上につながる。
以上により、本実施形態の防振装置によれば、アイドル振動に相当する微振幅振動時において30Hz付近の動バネ定数を下げたまま、シェイク振動に相当する比較的大振幅振動時において10Hz前後の減衰係数を大幅に上げることができ、シェイク振動に対する減衰性能とアイドル振動に対する低動バネ化を高次元で両立させることができた。
なお、上記実施形態においては、第2ダイヤフラム44を仕切壁38に関して主液室34側に配置した構成としたが、図7に示す従来例のように、第2ダイヤフラムは仕切壁に関して第1副液室側に配置することもできる。その場合、第2ダイヤフラムは第1副液室と第2副液室とを仕切る隔膜となり、第2オリフィス流路は主液室と第2副液室とを連通する流路として構成されるが、その他は上記した本実施形態と同様に構成することができる。
本発明の液封入式防振装置は、自動車のエンジンを支承するのに好適な防振装置であるが、これに限らず、各種の振動体を防振的に支承する防振装置としても利用することができる。
本発明の一実施形態に係る液封入式防振装置の縦断面図。 同防振装置の仕切部の構成各部を分離した断面斜視図。 同仕切部を組み立てた状態での平面図。 同仕切部を組み立てた状態での側面図。 同防振装置の要部拡大断面図。 実施例と比較例の防振装置の動バネ定数と減衰係数の特性線図。 従来の液封入式防振装置の断面図。
符号の説明
10……第1取付部材
12……第2取付部材
14……防振基体
18……筒状部
26……第1ダイヤフラム
34……主液室
36……第1副液室
38……仕切壁
42……第2副液室
44……第2ダイヤフラム
46……保持部材
48……第2オリフィス流路
54……可動膜部
56……環状挟持部
58……凸条
64……ストッパ板部
66……支持部
68……第1オリフィス流路
72……開口
C1、C2……隙間

Claims (4)

  1. 第1取付部材と、筒状部を有する第2取付部材と、これら取付部材の間に介設されて両取付部材を結合するゴム材よりなる防振基体と、前記防振基体に対向して配され前記筒状部の内側で前記防振基体との間に液体封入室を形成するゴム膜からなる第1ダイヤフラムと、前記液体封入室を防振基体側の主液室と第1ダイヤフラム側の第1副液室とに仕切る仕切壁と、該仕切壁に関し主液室側又は第1副液室側に配されて該仕切壁との間に第2副液室を形成するゴム膜からなる第2ダイヤフラムと、前記主液室と前記第1副液室を連通する第1オリフィス流路と、前記第2副液室と前記第1副液室又は前記主液室を連通する第2オリフィス流路と、を備える液封入式防振装置において、
    前記第1オリフィス流路が低周波数域のシェイク振動に対応するよう設定され、前記第2オリフィス流路が前記シェイク振動よりも微振幅で高周波数域のアイドル振動に対応するよう設定され、
    前記第2ダイヤフラムを前記筒状部の内側に支持する支持部を備え、該支持部は前記第2ダイヤフラムの周縁部を全周にわたって液密に支持しており、
    前記第2ダイヤフラムの厚み方向の両側に該第2ダイヤフラムの弾性変形を制限することで振幅値により当該第2ダイヤフラムの剛性を可変にする一対のストッパ板部が設けられ、該一対のストッパ板部の内の前記仕切壁側のストッパ板部は前記仕切壁との間に前記第2副液室を形成しており、該一対のストッパ板部は前記第2ダイヤフラムに液圧変動を伝達するための複数の開口を備えるとともに、該第2ダイヤフラムの対向する面との間に隙間をおいて配置されており、該隙間は、前記アイドル振動時には前記第2ダイヤフラムが前記一対のストッパ板部に当接せず、前記シェイク振動時には前記第2ダイヤフラムが前記一対のストッパ板部に当接して弾性変形が制限されるように設定された
    ことを特徴とする液封入式防振装置。
  2. 前記第2ダイヤフラムをその厚み方向の両側から挟み込んだ状態に保持する一対の保持部材を備え、該保持部材は、中央部に前記一対のストッパ板部を備えるとともに、その外周に前記第2ダイヤフラムの周縁部を挟持する前記支持部を備えたことを特徴とする請求項1記載の液封入式防振装置。
  3. 前記第2ダイヤフラムは、略一定厚みの可動膜部と、該可動膜部の外周に設けられた肉厚の環状挟持部とからなり、前記環状挟持部が前記支持部により上下に挟まれた状態に保持されたことを特徴とする請求項1又は2記載の液封入式防振装置。
  4. 前記第2ダイヤフラムにおける前記ストッパ板部との当接面に凸条を設けたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の液封入式防振装置。
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