JP3401810B2 - 気泡水流発生装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ポンプにより水を循環
させることによって水槽内に気泡を発生させる機能を有
する気泡水流発生装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来の泡風呂装置は、図６〜図９に示す
ようになっていた。すなわち、浴槽１内の温水２を循環
させるためのポンプ３を備えたポンプユニット４と、ポ
ンプ３の吸入側管路５に連結された温水の吸入器６およ
びポンプ３の吐出側管路７に２方弁８を介して分岐連結
された低圧噴流ノズル９並びに高圧噴流ノズル１０を備
えたノズルユニット１１で構成している。ポンプ３の吸
入側管路５にはジェット通路１２が設けられており吐出
側管路７からジェット通路１２へはシャトルバルブ１３
を介して分岐管路１４を配管している。シャトルバルブ
１３はスプリング１５により付勢された円錐弁１６と、
この円錐弁１６に連結された弁棒１７、空気取り入れ通
路１８、空気通路１９で構成されている。一方、高圧噴
流ノズル１０は、螺旋通路２０、２１を交互に備えた気
液混合器２２と、スプリング２３によって付勢された弁
体２４および噴流吐出口２５を備えたレリーフバルブ２
６で構成されている。また、低圧噴流ノズル９は、温水
の流動通路２７と、この流動通路２７の外周に形成され
た空気流入通路２８を備え、流動通路２７の下流には細
い通路２９、広い室３０、ノズル３１が構成されてい
る。また、空気流入通路２８は細い通路３２を介して広
い室３０に連通している。

【０００３】次に動作を説明する。微細気泡発生動作時
には、図６〜図９においてポンプ３を運転すると温水２
は吸入器６から吸入側管路５を介してポンプ３に吸引さ
れ、その後ポンプ３から吐出側管路７を介して高圧噴流
ノズル１０から微細気泡が噴出される。このときには、
ポンプ３の吐出圧は分岐回路１４に作用し吐出圧が大き
くなり弁棒１７に連結した円錐弁１６がスプリング１５
の付勢力に打ち勝って円錐弁１６を開成する。その結果
空気取り入れ通路１８、円錐弁１６、空気通路１９を介
してジェット通路１２に空気が吸引されポンプ３に吸引
される。吸引された空気はポンプ３で高圧に加圧溶解さ
れ、さらに螺旋通路２０、２１で溶解され吐出側管路７
から高圧噴流ノズル１０に送られる。一方、大気泡発生
動作時には図６の２方弁８が切り替り、ポンプ３からの
温水は低圧噴流ノズル９から浴槽１へ噴出される（例え
ば特公平３−１４４６４号公報）。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来
の構成では高圧に加圧溶解するために大型のポンプが必
要であるためコスト高であった。本発明は上記課題を解
決するもので、小型のポンプで微細気泡と大気泡を発生
する気泡水流発生装置を提供するとともに、大気泡発生
時の流量を増加することを目的としたものである。

【０００５】さらに本発明はジェット動作から微細気泡
動作に切り替え時、微細気泡がただちに噴出させること
を目的としたものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するために、水槽と、この水槽に設けられ微細気泡発生
手段および大気泡噴出手段からなる気泡噴出装置と、水
槽の水を循環する循環ポンプと、循環ポンプの吐出側と
吸込側を接続するバイパス路と、バイパス路に設けたエ
ジェクタと、循環ポンプとエジェクタ間に設けられたバ
イパス開閉手段と、循環ポンプとバイパス開閉手段の間
から大気泡噴出手段に配管された往き管と、往き管に設
けられた開閉手段と、エジェクタとバイパス開閉手段の
間から微細気泡発生手段に配管された送り管と、循環ポ
ンプと水槽を接続する戻り管と、戻り管に設けられ循環
ポンプへの吸引方向をエジェクタの吸引部側および戻り
管側に切り替える切替え手段と、切替え手段からエジェ
クタに配管された吸込管と、エジェクタと大気とを接続
した空気導入手段とを備え、前記往き管から送り管への
方向のみ流れるバイパス管を、前記往き管に設けられた
開閉手段の下流側に設けた気泡水流発生装置としたもの
である。

【０００７】また本発明は、上記第二の目的を達成する
ため、送り管の途中に気液混合タンクを設け、前記気液
混合タンクの上流側に逆止弁を設け、気液混合タンクと
微細気泡発生手段とを連通する配管の途中に、前記送り
管の開閉手段を設けたものである。

【０００８】

【作用】本発明は、上記した構成によって、微細気泡発
生時には、バイパス開閉手段を開成しエジェクタに流す
ことにより、エジェクタの昇圧作用によりバイパス路内
圧力を昇圧するとともに、エジェクタ負圧部から空気を
吸引させバイパス路内を空気が溶解した高圧水の状態と
する。この高圧水を微細気泡発生手段で減圧しながら噴
出することにより、微細気泡を発生することができるも
のである。また大気泡発生時には、バイパス開閉手段を
開成しエジェクタの動作を停止させるとともに、開閉手
段を開成することにより、循環ポンプから吐出した水を
大気泡噴出手段から噴出させるとともに、大気泡発生時
に循環ポンプから吐出した水をバイパス管を介して往き
管から送り管に流すことにより、大気泡発生時の流量を
増加する。

【０００９】また本発明は、送り管に気液混合タンク
と、気液混合タンクの上流側に逆止弁を配設することに
より、空気が溶解した高圧水がバイパス路から送り管を
介して微細気泡発生手段へ流れる時、高圧水の中の余剰
空気を気液混合タンクの中に蓄えることにより、余剰空
気が大きな気泡となって微細気泡発生手段から出ること
を防止するとともに、気液混合タンクと微細気泡発生手
段の間に送り管の開閉手段を設けることにより、微細気
泡運転終了時に開閉手段を開成し、大気泡運転時には気
液混合タンク内を高圧の空気溶解水を蓄えておく、この
後微細気泡運転に切り替えたときに開閉手段を開成する
ことにより、空気が溶解した水がすぐに微細気泡発生手
段に流れ減圧されることにより、短時間で微細気泡を発
生させる。

【００１０】そして本発明は、往き管に加熱手段を設け
ることにより、水槽の水を循環しながら加熱することが
でき水槽を浴槽としたときの使い勝手を向上する。

【００１１】

【実施例】以下、第一の発明に対応した第一の実施例を
添付図面にもとづいて説明する。図１〜図２において、
３３は循環ポンプであり、循環ポンプ３３から水槽であ
る浴槽３４に設けられた微細気泡発生手段３５へは送り
管３６が配管されている。また送り管３６にはバイパス
開閉手段の二方弁３７と逆止弁３８が配設されている。
また二方弁３７と循環ポンプ３３の間からは開閉手段で
ある二方弁３９を介して往き管４０が浴槽３４に設けら
れた大気泡噴出手段４１に配管されている。一方、循環
ポンプ３３の吐出側と吸い込み側とはエジェクタ４２を
介してバイパス路４３が配管されている。エジェクタ４
２の負圧部４４と循環ポンプ３３の吸い込み側に配設さ
れた切り替え手段である三方弁４５とは絞り部４６を介
して吸込管４７が配設されている。またエジェクタ４２
の他方の負圧部４８と大気とは逆止弁４９、定流量弁５
０、電磁弁５１からなる空気導入手段が設けられてい
る。また大気泡噴出手段４１へは空気パイプ５２が電磁
弁５３を介して設けられている。５４は流体の流れを示
す矢印、５５は微細気泡、５６は大気泡を示すものであ
る。５７は往き管４０と送り管３６を配管するバイパス
管であり逆止弁５８が設けられている。５９は浴槽３４
から循環ポンプ３３へ配管された管である。

【００１２】次に、第一の実施例における動作を図１〜
図２により説明する。微細気泡発生時の動作を図１によ
り説明すると、図１の状態で循環ポンプ３３を運転する
と、循環ポンプ３３から出た温水は送り管３６を流れる
と共に、バイパス路４３側に流れる。このときエジェク
タ４２の吸引作用により、戻り管５９の温水は吸込管４
７を介してエジェクタ４２に吸引されると共に、電磁弁
５１が開成され、空気は定流量弁５０、逆止弁４９を介
してエジェクタ４２に吸引される。このように温水と空
気が吸引されると循環ポンプ３３の吸込側の圧力が高く
なると共に、循環ポンプ３３の吐出側の圧力も高くな
り、循環ポンプ３３からは空気が溶解された高圧の温水
がバイパス路４３および送り管３６を流れ、微細気泡発
生手段３５へと送られる。微細気泡発生手段へ送られた
温水は、小断面流路（図示せず）から噴出されることに
より急激に減圧される。その結果、高圧時に溶解してい
た空気は微細気泡となり浴槽３４に噴出される。

【００１３】次に大気泡噴出時の動作をを図２により説
明する。図２において循環ポンプ３３を運転すると、循
環ポンプ３３から出た温水は二方弁３９を介して送り管
４０を流れて大気泡噴出手段４１に送られる。送られた
温水は大気泡噴出手段４１から噴出される。このときの
水流による負圧により空気が電磁弁５３、空気パイプ５
２を介して吸引され大気泡となって浴槽３４に噴出され
る。このとき循環ポンプ３３から吐出された温水の一部
は往き管４０の途中からバイパス管５７を介して送り管
３６へ流れる。

【００１４】次に、第二の発明に対応した第二の実施例
を図３により説明する。６０は送り管３６に設けられた
気液混合タンクであり、気液混合タンク６０の上流側に
は逆止弁３８が配設されている。その他の構成は図１〜
図２と同様であり説明は省略する。次に第三の発明にお
ける微細気泡発生時の動作を説明する。バイパス路４３
には加圧溶解された高圧水が循環しており、この高圧水
が逆止弁３８、気液混合タンク６０を介して送り管３６
から微細気泡発生手段３５に送られる。このとき高圧水
の中には加圧溶解されない状態の余剰空気が気泡となっ
て存在している。この余剰空気が微細気泡発生手段３５
へ流れると浴槽３４へは大きな気泡のまま出て行くこと
になる。しかしながら本実施例においては、流路断面積
の大きい気液混合タンク６０を設けることにより、余剰
空気の気泡は気液混合タンク６０内に蓄えられ、余剰空
気が微細気泡発生手段へ流れるのを防止することができ
る。また微細気泡運転を停止すると逆止弁３８より下流
の送り管３６の温水は微細気泡発生手段３５を介して浴
槽３４へながれる。また逆止弁３８より上流の送り管３
６、バイパス路４３の温水は吸込管４７、戻り管５９を
介して浴槽３４へ流れる。この結果微細気泡運転を停止
したときに気液混合タンク６０内に蓄えられた余剰空気
が循環ポンプ３３に溜まることがない。即ち、循環ポン
プ３３を停止したとき、気液混合タンク６０内の空気は
逆止弁３８の働きにより循環ポンプ３３側に流れること
を防止することができる。したがって大気泡運転に切り
替えても循環ポンプ３３がエアー噛みすることがない。

【００１５】次に、第三の実施例を図４により説明す
る。６１は送り管３６に設けられた開閉手段の二方弁で
あり、気液混合タンク６０の下流側に配設されている。
その他の構成は図３と同様であり説明は省略する。次に
第四の発明における動作を説明する。微細気泡発生時に
は二方弁６１は開の状態で微細気泡運転をする。このと
きの動作は図３における動作と同様であり説明は省略す
る。微細気泡運転を停止するときには先ず二方弁６１を
閉成し、その後循環ポンプ３３を停止する。したがって
このとき気液混合タンク６０内には空気が溶解した高圧
水が蓄えられている。その後大気泡運転を行う時におい
ても気液混合タンク６０内には空気が溶解した高圧水が
たくわえられている。次に微細気泡運転を行うと、循環
ポンプ３３が運転するとともに二方弁６１が開成され
る。すると気液混合タンク６０の高圧水がすぐに送り管
３６を介して微細気泡発生手段に流れ微細気泡となって
浴槽３４に噴出される。

【００１６】次に、第四の実施例を図５により説明す
る。６２は往き管４０の二方弁３９の下流に設けられた
熱交換器であり、６３はバーナである。この熱交換器６
２とバーナ６３で加熱手段を構成している。６４は電磁
弁であり浴槽３４内への注湯管６５を開閉するものであ
る。この注湯管６５へは給湯機（図示せず）からの配管
が接続されたりするものである。その他の構成は図３と
同様であり説明は省略する。次に第五の発明における動
作を説明する。微細気泡発生時は図３の動作と同様であ
り説明は省略する。大気泡運転時には循環ポンプ３３か
ら吐出された温水は熱交換器６２を介して大気泡噴出手
段４１へ送られる。したがって浴槽３４の水を循環しな
がら湯温を上昇することができる。

【００１７】

【発明の効果】以上説明したように、第一の発明の気泡
水流発生装置によれば、小型の循環ポンプで大気泡と微
細気泡を噴出することができ、したがって低コストにな
る。また、往き管から送り管への方向のみ流れるバイパ
ス管を、前記往き管に設けられた開閉手段の下流側に構
成することにより、大気泡発生時に循環ポンプから吐出
された温水を往き管と送り管の２本で流すため大気泡噴
出手段からの流量が増加し、入浴時の大気泡によるマッ
サージ効果が大きい。

【００１８】第二の発明の気泡水流発生装置は、送り管
に気液混合タンクと、気液混合タンクの上流側に逆止弁
を構成することにより、微細気泡運転時において高圧水
の中の余剰空気を気液混合タンクの中に蓄えることがで
き、余剰空気が大きな気泡となって出ることがなく、長
時間微細気泡発生動作運転を行っても安定して微細気泡
のみを噴出することができる。また、気液混合タンクと
微細気泡発生手段の間に送り管の開閉手段を構成するこ
とにより微細気泡運転を再開したときに、短時間で微細
気泡を発生することができ使い勝手が極めて良くなる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第一の実施例における気泡水流発生装
置の微細気泡発生時の場合を示すシステム構成図

【図２】同装置の大気泡発生時の場合のシステム構成図

【図３】本発明の第二の実施例における気泡水流発生装
置の微細気泡発生時のシステム構成図

【図４】本発明の第三の実施例における気泡水流発生装
置の微細気泡発生時のシステム構成図

【図５】本発明の第四の実施例における気泡水流発生装
置の微細気泡発生時のシステム構成図

【図６】従来の噴流浴装置のシステム構成図

【図７】同装置のシャトルバルブの断面図

【図８】同装置の気液混合器とレリーフバルブの断面図

【図９】同装置の大気泡発生ノズルの断面図

【符号の説明】

３３ 循環ポンプ ３４ 水槽（浴槽） ３５ 微細気泡発生手段 ３６ 送り管 ３７ バイパス開閉手段（二方弁） ３８ 逆止手段 ３９ 開閉手段 ４０ 往き管 ４１ 大気泡噴出手段 ４２ エジェクタ ４３ バイパス路 ４４ 吸引部側 ４５ 切替手段 ４７ 吸込管 ４９ 逆止弁（空気導入手段） ５０ 定流量弁（空気導入手段） ５１ 電磁弁（空気導入手段） ５９ 戻り管

フロントページの続き (72)発明者 中村 邦夫 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 吉田 恒弘 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 江村 雄一 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 久保 和男 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 平４−187153（ＪＰ，Ａ) 特開 平４−279164（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) A61H 23/00,33/02 A47K 3/00

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】水槽と、この水槽に設けられ微細気泡発生
   手段および大気泡噴出手段からなる気泡噴出装置と、前
   記水槽の水を循環する循環ポンプと、前記循環ポンプの
   吐出側と吸込側を接続するバイパス路と、前記バイパス
   路に設けたエジェクタと、前記循環ポンプと前記エジェ
   クタ間に設けられたバイパス開閉手段と、前記循環ポン
   プと前記バイパス開閉手段の間から前記大気泡噴出手段
   に配管された往き管と、前記往き管に設けられた開閉手
   段と、前記エジェクタと前記バイパス開閉手段の間から
   前記微細気泡発生手段に配管された送り管と、前記送り
   管に配設された逆止手段と、前記循環ポンプと前記水槽
   を接続する戻り管と、前記戻り管に設けられ前記循環ポ
   ンプへの吸引方向を前記エジェクタの吸引部側および前
   記戻り管側に切り替える切替え手段と、前記切替え手段
   から前記エジェクタに配管された吸込管と、前記エジェ
   クタと大気とを接続した空気導入手段とを備え、前記往
   き管から送り管への方向のみ流れるバイパス管を、前記
   往き管に設けられた開閉手段の下流側に設けた気泡水流
   発生装置。
2. 【請求項２】送り管の途中に気液混合タンクを設け、前
   記気液混合タンクの上流側に逆止弁を設け、気液混合タ
   ンクと微細気泡発生手段とを連通する配管の途中に、前
   記送り管の開閉手段を設けた請求項１記載の気泡水流発
   生装置。