JP3400951B2 - スイッチ式リラクタンスモータ及びその駆動回路 - Google Patents

スイッチ式リラクタンスモータ及びその駆動回路

Info

Publication number
JP3400951B2
JP3400951B2 JP33855098A JP33855098A JP3400951B2 JP 3400951 B2 JP3400951 B2 JP 3400951B2 JP 33855098 A JP33855098 A JP 33855098A JP 33855098 A JP33855098 A JP 33855098A JP 3400951 B2 JP3400951 B2 JP 3400951B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
current
winding
phase
exciting current
reluctance motor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP33855098A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2000166292A (ja
Inventor
高 小森
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sharp Corp filed Critical Sharp Corp
Priority to JP33855098A priority Critical patent/JP3400951B2/ja
Publication of JP2000166292A publication Critical patent/JP2000166292A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3400951B2 publication Critical patent/JP3400951B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P80/00Climate change mitigation technologies for sector-wide applications
    • Y02P80/10Efficient use of energy, e.g. using compressed air or pressurized fluid as energy carrier

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はスイッチ式リラクタ
ンスモータに関する。
【0002】
【従来の技術】スイッチ式リラクタンスモータは、ロー
タとステータの両者に突極を設けて、ステータの突極に
巻回された巻線に励磁電流を流すことによってステータ
の突極を励磁し、ステータの突極に生じる磁気吸引力に
よってロータの突極を引き寄せ回転力を発生し、励磁す
る巻線をスイッチにより順次切り替えることによってロ
ータを所定の速度で回転させるものである。
【0003】図11は3相のスイッチ式リラクタンスモ
ータの回転方法を説明する図である。図11の(a)に
示すようなロータ21とステータ20の位置関係でA相
の巻線を励磁すると、A相の近くにあるロータ21の突
極21aがA相の突極に引き寄せられ、ロータ21は反
時計方向に回転を開始する。次に、図11の(b)に示
すようにA相の突極とロータ突極21aとが完全に対向
した位置関係でB相の巻線を励磁すると、B相の近くに
ある別のロータ突極21bがB相の突極に引き寄せられ
てロータ21は反時計方向に回転する。
【0004】さらに、図11の(c)に示すようにB相
の突極とロータ突極21bとが完全に対向した位置関係
でC相の巻線を励磁すると、C相の近くにあるロータ突
極21aがC相の突極に引き寄せられてロータ21は反
時計方向に回転する。このように、スイッチにより励磁
する巻線を順次切り替えることによって所定の速度でロ
ータ21が回転する。
【0005】また、図11の(a)に示すロータ21と
ステータ20の位置関係でB相の巻線を励磁すると、ロ
ータ突極21aがB相の突極に引き寄せられてロータ2
1は時計方向に回転する。そして、図11の(c)に示
すロータ21とステータ20の位置関係でA相の巻線を
励磁し、図11の(b)に示すロータ21とステータ2
0の位置関係でC相の巻線を励磁すると、ロータ21は
時計方向に回転する。したがって、ステータ20の巻線
に流す励磁電流の向きに関係なく、ロータ21とステー
タ20の位置関係で、すなわちロータ21の電気角に応
じて通電する巻線の相を決定すればよい。
【0006】図12はスイッチ式リラクタンスモータの
トルクを説明する図である。図12から分かるように、
ステータ突極20Aに対してロータ突極21aが対向を
開始する位置から突極20Aに巻回されたA相巻線に励
磁電流を流せばステータ20のA相の突極20Aはロー
タ突極21aを吸引し、ロータ21を図12の(a)に
おいて反時計方向に回転させるトルクを発生する。そし
て、図12の(b)に示すようにステータ20のA相の
突極20Aとロータ突極21aが完全に対向する位置ま
でA相の巻線に励磁電流を流せば反時計方向トルクを発
生する。
【0007】しかし、図12の(b)に示すロータ21
の位置よりさらにロータ21が反時計方向に回転した位
置にまでA相の巻線に励磁電流を流すと逆に時計方向へ
のトルクが発生する。このように、一般にステータ突極
とロータ突極が対向を開始する位置から完全に対向する
までの間に巻線に励磁電流を流せばロータ回転方向のト
ルクが発生する。すなわち、トルクは常に磁気抵抗を減
少させる方向に発生する。
【0008】そこで、図12の(a)に示すようにA相
のステータ突極20Aとロータ21の1つの突極がまっ
たく対向せず、ステータ突極20Aの巻線に励磁電流を
流してもロータ突極21aに全く回転力が生じない位置
を電気角0度とする。そして、図12の(b)に示すよ
うにステータ突極20Aとロータ突極21aが完全に対
向した位置を電気角180度とする。
【0009】図12の(a)において、ロータ突極21
aと反時計方向側に隣接するロータ突極21bがステー
タ突極20Aと全く対向しないロータ位置を電気角36
0度とする。このとき、電気角0度から180度の間に
通電すると反時計方向のトルクが発生し、電気角180
度から360度の間に通電すると時計方向のトルクが発
生する。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】図13は励磁開始角を
θ0、励磁終了角をθcとしたときの電流波形とステー
タとロータの間に働く吸引力の大きさを示したものであ
る。このように、スイッチ式リラクタンスモータでは、
ステータの相の励磁によりロータには回転力だけでなく
吸引力も発生する。この吸引力の大きさは励磁電流の大
きさに比例しており、さらにロータ突極の位置がステー
タ突極の位置に近いほど大きくなる。
【0011】今、励磁終了角θcでの振る舞いに注目す
ると、励磁終了角θcで励磁が終了してから電気角θq
までの短い期間に励磁電流が急激に減少して0となるの
で吸引力の急激な減少が見られ、これによりモータの中
心方向に引き付けられていたステータに放射方向に開放
される加速度が発生し、ステータに振動が起こる。これ
がモータの振動音となり問題となっている。
【0012】また、モータの運転状況が低速で大負荷で
あった場合、図14に示すように励磁電流が大きくな
り、モータの磁気経路において磁束の飽和現象が起こ
る。これは特にステータ突極とロータ突極とが完全に対
向する角度θcに近づくにつれて顕著に現れることが知
られている。このような条件では図14に示すように、
励磁終了角θcで励磁電流が一旦急激に上昇してから急
減に励磁電流が0となる。この場合、励磁終了角θcで
の吸引力の減少の度合いがさらに顕著になり、振動も大
きくなる。また、大きな励磁電流も流れるので消費電力
の効率の面でも不利である。
【0013】また、図15は図12に示すスイッチ式リ
ラクタンスモータにおいて各相の巻線に供給される励磁
電流とそれによってロータに発生するトルクの関係を示
す波形図である。上述のように励磁終了角θcで励磁電
流が供給されていた相の励磁電流が急激に減少し、別の
相では励磁が開始されて励磁電流が上昇してくる。例え
ば、点線99で示す励磁終了角θcでは、A相の励磁が
終了するためにA相の励磁電流が急激に減少するととも
に、B相の励磁が開始されて励磁電流が上昇を開始す
る。
【0014】このとき、A相とB相の励磁電流によって
発生するトルクは図15の(b)に示すように励磁終了
角θcの直後から急激に小さくなり、その後、一定の底
値をとった後にB相の励磁電流が安定するに従って回復
するようになる。このように、励磁終了角θcごとに発
生トルクの大きな減少が見られる。このため、トルク変
動特有の異音等の問題が生じる。
【0015】このように、従来のスイッチ式リラクタン
スモータでは、種々の原因によって振動や騒音が発生す
るという問題があった。
【0016】本発明はこのような問題を解決するもので
あり、振動や騒音を抑制したスイッチ式リラクタンスモ
ータを提供することを目的とする。また、大負荷、低速
時でも電力の効率がよいスイッチ式リラクタンスモータ
を提供することも目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の請求項1では、突極を有するロータと、巻
線が巻回された複数の突極を有するステータと、前記巻
線に励磁電流を与える励磁回路とを備え、前記励磁電流
を与える相を一定の順序で切り替えることによって前記
ロータが回転するとともに、前記励磁電流の切り替え時
に前記励磁電流が流れていた相の巻線の前記励磁電流を
緩やかに減少させるスイッチ式リラクタンスモータを駆
動する回路において、前記突極に巻回された巻線はその
一端が第1スイッチング素子を介して電源ラインに接続
され他端が第2スイッチング素子を介してグランドに接
続されているとともに、前記一端がアノードをクランド
に接続された第1ダイオードのカソードに接続され、他
端がカソードを電源ラインに接続された第2ダイオード
のアノードに接続されており、前記励磁電流の切り替え
時に第2スイッチング素子をオンにした状態で第1スイ
チング素子をデューティ比が徐々に小さくなるPWM信
号でオン、オフ制御する第1の期間と、この第1の期間
の後に第2スイッチング素子をオフにした状態で第1ス
イッチング素子をデューティ比が徐々に小さくなるPW
M信号でオン、オフ制御する第2期間とが設けられてい
【0018】このような構成によると、スイッチ式リラ
クタンスモータの駆動回路は励磁電流の切り替え時に巻
線に流れる励磁電流を緩やかに減少させて励磁電流の切
り替えを行う。これによって励磁電流の切り替え時にス
テータがロータを吸引する力の開放が緩やかになるので
ステータの振動が低減される。
【0019】
【0020】
【0021】また、本発明の請求項2では、請求項1に
おいて、前記励磁電流を検出して前記励磁電流を前記ロ
ータの位置に応じて定められた電流指令値に一致させる
とともに、前記励磁電流の切り替え時には前記電流指令
値を徐々に小さくしている。
【0022】このような構成によると、励磁回路は電流
検出器によって励磁電流を検出しているので電流指令値
に応じた励磁電流を前記巻線に与えることができる。そ
して、励磁電流の切り替え時には電流指令値によって励
磁電流を緩やかに減少させる。
【0023】また、本発明の請求項3では、請求項1又
は2において、前記ロータの電気角が次の相の励磁開始
角(励磁切り替え角)に達する前から前記デューティ比
を徐々に小さくしている。
【0024】大負荷、低速条件で運転を行う場合には励
磁切り替え角付近において磁束の飽和現象により励磁電
流が急激に増大するという現象が起こりやすいが、請求
項4の構成によりスイッチ式リラクタンスモータは励磁
切り替え角以前から徐々にデューティ比を小さくするこ
とによって励磁電流の異常な跳ね上がりを抑える。
【0025】また、本発明の請求項4では、請求項1〜
3のいずれかにおいて、前記励磁回路は励磁電流の切り
替え時に少なくとも2つの相の巻線に同時に励磁電流を
与える。
【0026】このような構成によると、スイッチ式リラ
クタンスモータの駆動回路は励磁電流の切り替え時に励
磁電流が流れていた相で励磁終了にともなって急激に小
さくなるトルクを同時に別の相の巻線に励磁電流を流す
ことによって補っているので、全体としてトルクの変動
が削減される。
【0027】また、本発明の請求項5では、請求項1〜
4のいずれかにおいて、ステータは巻線が巻回された相
数が奇数で該相数の2倍の数の突極を有し、且つ隣接す
る巻線の巻回の方向は互いに逆方向となっている
【0028】このような構成によると、スイッチ式リラ
クタンスモータの相数が奇数でステータ突極の数がその
相数の2倍となっているときに、ステータの巻線の巻回
の方向は隣接する巻線の巻回の方向と互いに逆方向とな
っているので、どの巻線も隣接する突極に巻回された巻
線との電磁気的な関係が同じとなる。そのため、互いの
相間の相互作用が等しくなる。これによって相によって
生ずるトルクの変動を低減することができる。
【0029】
【発明の実施の形態】<第1の実施形態>以下、本発明
の実施形態について詳細に説明する。図1は第1の実施
形態のスイッチ式リラクタンスモータとそのスイッチ式
リラクタンスモータを駆動する回路の回路図である。第
1の実施形態はスイッチ式リラクタンスモータの制御方
式として最も代表的な3相のシングルパルス運転を行う
ものである。シングルパルス運転は後述のようにPWM
信号に応じてスイッチ式リラクタンスモータの巻線の両
端に印加する電圧を制御する方式である。また、ロータ
とステータの機械的な構造は図11と図12に示すもの
と同一である。
【0030】図1において、入力端子1には正の直流電
源が入力される。入力端子2にはグランドレベルGND
が入力される。コンデンサ3は一方の極が入力端子1に
接続され、他方の極が入力端子2に接続されている。第
1相の励磁回路4、第2相の励磁回路5と第3相の励磁
回路6はコンデンサ3によって平滑された直流電圧+V
を受けて動作する。
【0031】第1相の励磁回路4では、NPN型のチョ
ッピングトランジスタ7はコレクタが入力端子1に接続
され、エミッタが第1相の巻線9の一方の端子32に接
続されている。トランジスタ7のベースにはハイレベル
かローレベルの信号が入力されてトランジスタ7はオン
/オフ制御される。
【0032】NPN型の整流トランジスタ8はコレクタ
が巻線9の他方の端子33に接続され、エミッタが入力
端子2に接続されている。トランジスタ8のベースには
ハイレベルかローレベルの信号が入力されてトランジス
タ8はオン/オフ制御される。整流ダイオード10はア
ノードが巻線9の端子33に接続され、カソードが入力
端子1に接続されている。チョッピングダイオード11
はアノードが入力端子2に接続され、カソードが巻線9
の端子32に接続されている。
【0033】第2相の励磁回路5では、NPN型のチョ
ッピングトランジスタ12はコレクタが入力端子1に接
続され、エミッタが第2相の巻線14の一方の端子34
に接続されている。トランジスタ12のベースにはハイ
レベルがローレベルの信号が入力されてトランジスタ1
2はオン/オフ制御される。
【0034】NPN型の整流トランジスタ13はコレク
タが巻線14の他方の端子35に接続され、エミッタが
入力端子2に接続されている。トランジスタ13のベー
スにはハイレベルかローレベルの信号が入力されてトラ
ンジスタ13はオン/オフ制御される。整流ダイオード
15はアノードが巻線14の端子35に接続され、カソ
ードが入力端子1に接続されている。チョッピングダイ
オード16はアノードが入力端子2に接続され、カソー
ドが巻線14の端子34に接続されている。
【0035】第3相の励磁回路6では、NPN型のチョ
ッピングトランジスタ17はコレクタが入力端子1に接
続され、エミッタが第3相の巻線19の一方の端子36
に接続されている。トランジスタ17のベースにはハイ
レベルかローレベルの信号が入力されてトランジスタ1
7はオン/オフ制御される。
【0036】NPN型の整流トランジスタ18はコレク
タが巻線19の他方の端子37に接続され、エミッタが
入力端子2に接続されている。トランジスタ18のベー
スにはハイレベルかローレベルの信号が入力されてトラ
ンジスタ18はオン/オフ制御される。整流ダイオード
30はアノードが巻線19の端子37に接続され、カソ
ードが入力端子1に接続されている。チョッピングダイ
オード31はアノードが入力端子2に接続され、カソー
ドが巻線19の端子36に接続されている。このよう
に、励磁回路4、5、6は内部構成が一致している。
【0037】マイクロコンピュータ38は6個のトラン
ジスタ7、8、12、13、17、18をそれぞれオン
/オフ制御するため6ビットの信号を出力する。ドライ
バー回路39はマイクロコンピュータ38から出力され
る6ビットの信号をそれぞれ増幅器で増幅してトランジ
スタ7、8、12、13、17、18の各ベースに供給
する。マイクロコンピュータ38とドライバー回路39
はスイッチ式リラクタンスモータを駆動する回路であ
る。
【0038】励磁回路4、5、6の1つの相に着目する
と、電流経路の違いにより4つの電流導通モードが存在
する。図2はその4つの電流導通モードを示す図であ
る。図2では1つの相の励磁回路に着目しており、1つ
の相の励磁回路はチョッピングトランジスタQ1と巻線
Lと整流トランジスタQ2と整流ダイオードD1とチョ
ッピングダイオードD2とから構成されている。
【0039】図2の(a)に示す第1の電流導通モード
では、トランジスタQ1とQ2が共にオンしている。こ
のとき、矢印40に示すように、電流が直流電圧+Vか
らトランジスタQ1、巻線L、トランジスタQ2を通っ
てグランドレベルGNDに流れる。図2の(b)に示す
第2の電流導通モードでは、トランジスタQ1がオフ、
トランジスタQ2がオンしている。このとき、矢印41
に示すように、巻線Lを流れる電流がトランジスタQ2
とダイオードD2を通って再び巻線Lに戻る。
【0040】図2の(c)に示す第3の電流導通モード
では、トランジスタQ1、Q2が共にオフしている。こ
のとき、矢印42に示すように電流がグランドレベルG
NDからダイオードD2、巻線L、ダイオードD1を通
って直流電圧+Vに回生する。図2の(d)に示す第4
の電流導通モードでは、トランジスタQ1がオン、トラ
ンジスタQ2がオフしている。このとき、矢印43に示
すように、巻線Lに流れる電流はダイオードD1とトラ
ンジスタQ1を通って再び巻線Lに戻る。
【0041】ここで、従来のスイッチ式リラクタンスモ
ータのシングルパルス運転について説明する。図3は各
相の励磁回路(図2)によるPWM波形と供給電圧及び
励磁電流を示した波形図である。図3の(a)はチョッ
ピングトランジスタQ1(図2参照)のベースに入力さ
れる信号である。この信号がハイレベルであるときにト
ランジスタQ1はオンし、ローレベルであるときにトラ
ンジスタQ1はオフする。
【0042】図3の(b)は整流トランジスタQ2(図
2参照)のベースに入力される信号である。この信号が
ハイレベルであるときにトランジスタQ2はオンし、ロ
ーレベルであるときにトランジスタQ2はオフする。図
3の(c)はトランジスタQ1、Q2のオン/オフによ
って巻線L(図2参照)の両端に疑似的に与えられる供
給電圧である。図3の(d)は巻線Lに流れる励磁電流
である。
【0043】ロータの位置が励磁開始角θ0から励磁切
り替え角θcまでは(a)に示す信号によってトランジ
スタQ1を適当な一定のパルス幅のPWM信号でチョッ
ピングし、(b)に示す信号をハイレベルとする。これ
により、トランジスタQ1は一定の周期でオンとオフを
繰り返し、トランジスタQ2はオンとなる。したがっ
て、この期間では図2の(a)に示す第1の電流導通モ
ードと図2の(b)に示す第2の電流導通モードが切り
替えられ、巻線Lには適当な一定の電圧Vsが印加され
る。巻線Lに流れる励磁電流は励磁開始角θ0より増加
し始め、一定の電流値で安定するようになる。
【0044】励磁切り替え角θc以降は図3の(a)に
示す信号と(b)に示す信号はともにローレベルとな
り、トランジスタQ1、Q2は共にオフされる。これに
より、図2の(c)に示す第3の電流導通モードとなり
励磁電流が直流電圧+Vに回生する。これにより、図3
の(d)に示すように巻線Lに流れる電流が急速に減衰
してロータ位置が電気角Qqとなると0となる。また、
電気角θcからθqまでの期間は図3の(c)に示すよ
うに供給電圧は負となる。
【0045】これに対して、本発明の第1の実施形態で
は図4に示すように動作させている。図4の(a)はチ
ョッピングトランジスタQ1(図2参照)のベースに入
力される信号である。この信号がハイレベルであるとき
にトランジスタQ1はオンし、ローレベルであるときに
トランジスタQ1はオフする。図4の(b)は整流トラ
ンジスタQ2(図2参照)のベースに入力される信号で
ある。この信号がハイレベルであるときにトランジスタ
Q2がオンし、ローレベルであるときにトランジスタQ
2がオフする。図4の(c)はトランジスタQ1、Q2
のオン/オフによって巻線L(図2参照)の両端に疑似
的に与えられる供給電圧である。図4の(d)は巻線L
に流れる励磁電流である。
【0046】ロータの位置が励磁開始角θ0から励磁切
り替え角θcまでの期間は図3に示す従来のスイッチ式
リラクタンスモータと動作は同一であるので説明を省略
する。本実施形態では励磁切り替え角θc以降、図3に
示すようにすぐさまトランジスタQ1、Q2を共にオフ
して第3の電流導通モードにするのでなく、期間50で
の図4の(a)と(b)に示す波形のように、(b)に
示す信号をハイレベルとしてトランジスタQ2をオンし
たまま、ロータの電気角を検出する手段(図示せず)に
よって検出される角度検出信号の単位角度毎に図4の
(a)に示す信号のパルス幅のデューティ比を徐々に小
さくする。これにより、図4の(c)に示すように供給
電圧は連続的に低下して負の値となり、図4の(d)に
示すように巻線Lに流れる電流は緩やかに減少する。
【0047】そして、図4の(a)に示す信号のパルス
幅が0となってから、期間51での波形のように図4の
(b)に示す信号をローレベルとし、図4の(a)に示
す信号のパルス幅をデューティ比100%から徐々に小
さくしていく制御を行う。これにより、トランジスタQ
1はオンとオフを繰り返しながら、しだいにオンされる
期間が短くなり、一方、トランジスタQ2はオフとな
る。したがって、第4の電流導通モードと第3の電流導
通モードが切り替え制御される。
【0048】期間51では第4の電流導通モードと第3
の電流導通モードとが切り替えられるので、電流変化が
滑らかにかつ速やかに減衰されるようになる。これによ
り、電流が回転方向とは逆のトルクが発生する領域まで
励磁電流が多く残ってしまう現象が避けられる。期間5
1では図2の(d)に示す第4の電流導通モードを利用
することにより供給電圧の負の領域にまで制御できるよ
うになる。そして、トランジスタQ1、Q2は共にオフ
し、ロータ位置が電気角θqとなったときに励磁電流は
0となり、このとき同時に供給電圧も0となる。
【0049】このように本実施形態では各相で図4に示
すようなシングルパルス運転を行っているので励磁切り
替え角θc付近で励磁電流の減少が緩やかとなり、ステ
ータがロータを吸引する力の急激な開放が軽減される。
そのため、モータの振動が小さくなり、振動音が小さく
なる。なお、実施形態では3相のスイッチ式リラクタン
スモータであったが、本発明は相数を特に3相に制限す
るものではない。
【0050】<第2の実施形態>次に、本発明の第2の
実施形態について説明する。上記第1の実施形態で説明
したシングルパルス運転では大負荷で低速条件である場
合、図4に示すように励磁開始角θ0から励磁切り替え
角θcまでを一定のパルス幅でチョッピングを行うと、
図14に示すように励磁電流が励磁切り替え角θc付近
で急激に大きくなり、振動が大きくなるという問題や消
費電力が大きくなるという問題がある。
【0051】そこで、第2の実施形態では、大負荷で低
速条件で運転を行うときには、励磁切り替え角θcに達
する前からステータとロータが対向する角度に近づくに
つれて単位角度当たり徐々にパルス幅を狭めていき、巻
線間の供給電圧を下げていく制御を上記第1の実施形態
にさらに持たせる。この様子を図5に示す。それ以外に
ついては上記第1の実施形態と同様であるので説明を省
略する。
【0052】励磁開始角θ0から電気角θp(ただし、
θ0<θp<θc)までの期間55では(a)に示す信
号によってトランジスタQ1を適当な一定のパルス幅の
PWM信号でチョッピングし、(b)に示す信号をハイ
レベルとする。これにより、トランジスタQ2はオンと
なり、トランジスタQ1はベースに入力される信号の周
期でオンとオフを繰り返す。
【0053】したがって、この期間55では第1の電流
導通モードと第2の電流導通モードが繰り返される。こ
れにより、(c)に示すように供給電圧Vsは一定の電
圧Vsとなるが、大負荷かつ低速運転の条件では励磁電
流は(d)に示すように大きくなる。
【0054】次に、ロータ位置が電気角θpから励磁切
り替え角θcまでの期間56は(b)に示す信号をハイ
レベルとしたまま、ロータの電気角を検出する手段(図
示せず)によって検出される角度検出信号の単位角度毎
に図5の(a)に示す信号のパルス幅のデューティ比を
徐々に小さくする。これにより、図5の(c)に示すよ
うに供給電圧は連続的に低下して負の値となり、(d)
に示すように励磁電流は緩やかに減少する。
【0055】次に、励磁切り替え角θcになると、期間
57での波形のように図5の(b)に示す信号をローレ
ベルとし、図5の(a)に示す信号のパルス幅をデュー
ティ比100%から徐々に小さくする制御を行う。これ
により、トランジスタQ1はオンとオフ繰り返しなが
ら、しだいにオンされる期間が短くなり、一方、トラン
ジスタQ2はオフとなる。これにより、期間57での図
5の(d)に示すように励磁電流は滑らかにかつ速やか
に減衰させられる。そして、ロータ位置が電気角θqと
なると、供給電圧と励磁電流は0となる。
【0056】したがって、大負荷かつ低速運転時には図
14に示すように励磁切り替え角θcの付近で生ずる励
磁電流の異常な跳ね上がりが本実施形態では励磁電流を
減衰させる制御を行っているので抑制されることにな
る。これにより、励磁切り替え角θcで不必要に大きく
なった励磁電流を小さくすることができ、吸引力の急激
な開放現象にともなう振動加速度を抑えることができ
る。これにより、スイッチ式リラクタンスモータの騒音
が小さくなる。また、モータの消費電流も削減できるの
で効率が良くなる。
【0057】<第3の実施形態>図6は第3の実施形態
のスイッチ式リラクタンスモータの動作を説明する波形
図である。従来のスイッチ式リラクタンスモータのシン
グルパルス運転では各相の切り替えを図15の(a)に
示すように行っていたので図15の(b)に示すように
発生トルクの変動が大きくなり、トルク変動に特有の異
音が生ずる等の問題が生じていた。
【0058】そこで、第3の実施形態ではシングルパル
ス運転において新たな相で励磁を開始する励磁切り替え
角θcからΔθの数度の間、励磁電流を供給していた相
のチョッピングパルス幅を変えないで励磁切り替え角θ
c以前と同じく励磁電流を保つようにする。その後、上
記第1の実施形態で説明した図4に示すPWM制御によ
って元の相の励磁電流を緩やかに減少させる。これによ
り、励磁の切り替え角θcの付近では、隣接する2つの
相が同時に励磁される。なお、励磁切り替え角θcはス
テータの突極とロータ突極が完全に対向する以前の位置
にある。
【0059】このように2相同時に励磁されたとき、図
6の(b)に示すように2相分の発生トルクは各々の相
で単独に励磁されたときに発生するトルクの和であるこ
とが知られていて、従来のスイッチ式リラクタンスモー
タで発生するトルク図15の(b)に比べて発生トルク
の変動が小さくなる。これにより、トルク変動にともな
う異音が小さくなり、騒音が低減される。
【0060】<第4の実施形態>次に、本発明の第4の
実施形態のスイッチ式リラクタンスモータについて説明
する。図7の(a)は本実施形態の3相6極ステータ8
0の励磁巻線の巻回の方向を示した図であり、図7の
(b)は本実施形態の比較例を示した図である。
【0061】図7の(a)において、例えばA相の突極
60には励磁回路によって供給される励磁電流が矢印6
2、63に流れるように巻線が巻回されている。これに
より、突極60では励磁電流が流れるとロータに対向す
る側がN極となる。突極60に隣接するB相の突極64
では励磁電流が流れると励磁電流が矢印65、66に流
れるように巻線が巻回されている。これによって、突極
64ではロータに対向する側がS極となる。また、突極
60に隣接するもう1つのC相の突極67では励磁電流
が矢印68、69に流れるように巻線が巻回されてい
る。これによって、突極67ではロータに対向する側が
S極となる。
【0062】このように、矢印63に示す突極60の突
極64に近い側の巻線方向と、矢印65に示す突極64
の突極60に近い側の巻線方向とが同一となっている。
また、矢印62に示す突極60の突極67に近い側の巻
線方向と、矢印69に示す突極67の突極60に近い側
の巻線方向が同一となっている。このような関係はすべ
ての突極について成り立っており、ステータの隣接する
巻線の巻回の方向は互いに逆方向となっている。
【0063】本実施形態のスイッチ式リラクタンスモー
タが例えば上記第3の実施形態のように2相同時に励磁
された場合、励磁電流は隣接する相互インダクタンスの
影響を受けることが確認されている。図7の(a)に示
すような関係で巻線が巻回されていれば、A相とB相が
同時に励磁されたときにA相の励磁電流に加わる影響
と、A相とC相が同時に励磁されたときにA相の励磁電
流に加わる影響とが一致するようになる。これにより、
相互インダクタンスの影響による励磁電流の変動を小さ
くすることができる。
【0064】図7の(b)に実施形態と比較する比較例
を示す。図7の(b)に示すように、ステータ81のA
相の突極70には矢印72、73に励磁電流が流れるよ
うに巻線が巻回されている。これにより、突極70に励
磁電流が流れるとロータと対向する側がN極となる。突
極70と隣接するB相の突極74には矢印75、76に
励磁電流が流れるように巻線が巻回されている。これに
より、突極74に励磁電流が流れるとロータと対向する
側がN極となる。矢印73に示す突極70の突極74に
近い側の巻線方向と、矢印75に示す突極74の突極7
0に近い側の巻線方向が反平行となっている。
【0065】一方、突極70と隣接するもう1つのC相
の突極77では、矢印78、79に励磁電流が流れるよ
うに巻線が巻回されている。これにより、突極77に励
磁電流が流れるとロータと対向する側がS極となる。矢
印72に示す突極70の突極77に近い側の巻線方向
と、矢印79に示すように突極77の突極70に近い側
の巻線方向とは同一となっている。このように、A相の
巻線と隣接する突極間の巻線の関係が図7の(a)に示
すスイッチ式リラクタンスモータのステータ80とは異
なる。
【0066】そのため、相互インダクタンスによるA相
の励磁電流への影響は、A相とB相が同時に励磁された
ときとC相とA相が同時に励磁されたときとでは大きく
違ってくる。これにより励磁する相によってトルク変動
が生じてしまい、モータが振動する原因となる。
【0067】したがって、図7の(a)に示すように第
4の実施形態の構成とすることによってトルクの変動を
抑制することができる。これによってもトルク変動を小
さくして騒音の抑制が可能となっている。このように、
相数が奇数でステータ突極の数が相数の2倍である場
合、どの突極についても巻線の巻回の方向はそれと隣接
する突極に巻回された巻線の巻回の方向と逆方向となる
ようにすることが可能である。これにより、相互インダ
クタンスによる励磁電流の差が現れないので、第3の実
施形態のように2相を同時に励磁するときに特に有効で
ある。なお、一般に本実施形態のスイッチ式リラクタン
スモータでは励磁の方法に関係なくトルク変動が小さく
なり、安定して回転するという特性をもつ。
【0068】<第5の実施形態>次に、本発明の第5の
実施形態について説明する。第5の実施形態のスイッチ
式リラクタンスモータの制御方式は3相の電流レギュレ
ータ運転によるものである。電流レギュレータ運転はス
イッチ式リラクタンスモータの巻線に流れる電流を電流
指令値に基づいて制御する方式である。図8はスイッチ
式リラクタンスモータの電流レギュレータ運転時の回路
ブロック図である。
【0069】図8において、電流制御部84は電流指令
値90とスイッチ式リラクタンスモータ85の各相の巻
線に流れる電流値93を入力して、電流値93を電流指
令値90と一致させるようにPWM信号91を出力す
る。ドライバー回路39は電流制御部84から出力され
るPWM信号91を増幅してスイッチ式リラクタンスモ
ータ85に供給する。
【0070】図9は第5の実施形態の回路図である。図
9において、入力端子1には正の直流電源が入力され
る。入力端子2にはグランドレベルGNDが入力され
る。コンデンサ3は一方の極が入力端子1に接続され、
他方の極が入力端子2に接続されている。第1相の励磁
回路4、第2相の励磁回路5と第3相の励磁回路6はコ
ンデンサ3によって平滑された直流電圧+Vを受けて動
作する。
【0071】第1相の励磁回路4では、NPN型のチョ
ッピングトランジスタ7はコレクタが入力端子1に接続
され、エミッタが第1相の巻線9の一方の端子32に接
続されている。トランジスタ7のベースにはハイレベル
かローレベルの信号が入力されてトランジスタ7はオン
/オフ制御される。
【0072】NPN型の整流トランジスタ8はコレクタ
が巻線9の他方の端子33に接続され、エミッタが電流
検出器86を介して入力端子2に接続されている。トラ
ンジスタ8のベースにはハイレベルかローレベルの信号
が入力されてトランジスタ8はオン/オフ制御される。
電流検出器86はトランジスタ8のエミッタに流れる電
流値を検出する。整流ダイオード10はアノードが巻線
9の端子33に接続され、カソードが入力端子1に接続
されている。チョッピングダイオード11はアノードが
入力端子2に接続され、カソードが巻線9の端子32に
接続されている。
【0073】第2相の励磁回路5では、NPN型のチョ
ッピングトランジスタ12はコレクタが入力端子1に接
続され、エミッタが第2相の巻線14の一方の端子34
に接続されている。トランジスタ12のベースにはハイ
レベルがローレベルの信号が入力されてトランジスタ1
2はオン/オフ制御される。
【0074】NPN型の整流トランジスタ13はコレク
タが巻線14の他方の端子35に接続され、エミッタが
電流検出器87を介して入力端子2に接続されている。
トランジスタ13のベースにはハイレベルかローレベル
の信号が入力されてトランジスタ13はオン/オフ制御
される。電流検出器87はトランジスタ13のエミッタ
に流れる電流値を検出する。整流ダイオード15はアノ
ードが巻線14の端子35に接続され、カソードが入力
端子1に接続されている。チョッピングダイオード16
はアノードが入力端子2に接続され、カソードが巻線1
4の端子34に接続されている。
【0075】第3相の励磁回路6では、NPN型のチョ
ッピングトランジスタ17はコレクタが入力端子1に接
続され、エミッタが第3相の巻線19の一方の端子36
に接続されている。トランジスタ17のベースにはハイ
レベルかローレベルの信号が入力されてトランジスタ1
7はオン/オフ制御される。
【0076】NPN型の整流トランジスタ18はコレク
タが巻線19の他方の端子37に接続され、エミッタが
電流検出器88を介して入力端子2に接続されている。
トランジスタ18のベースにはハイレベルかローレベル
の信号が入力されてトランジスタ18はオン/オフ制御
される。電流検出器88はトランジスタ18のエミッタ
に流れる電流値を検出する。
【0077】整流ダイオード30はアノードが巻線19
の端子37に接続され、カソードが入力端子1に接続さ
れている。チョッピングダイオード31はアノードが入
力端子2に接続され、カソードが巻線19の端子36に
接続されている。このように、励磁回路4、5、6は内
部構成が一致している。
【0078】電流検出器86、87、88で検出される
電流値は後述するように励磁されている相の巻線に流れ
る電流値である。マイクロコンピュータ38は電流制御
部84(図8参照)を含み、電流検出器86、87、8
8で検出された各相の巻線9、14、19に流れる電流
値を入力し、PWMのデューティ比を制御することによ
って巻線9、14、19に流れる電流を電流指令値90
(図8参照)と一致させるようにする。
【0079】マイクロコンピュータ38は6個のトラン
ジスタ7、8、12、13、17、18をそれぞれオン
/オフ制御するため6ビットの信号を出力する。ドライ
バー回路39はマイクロコンピュータ38から出力され
る6ビットの信号をそれぞれ増幅してトランジスタ7、
8、12、13、17、18の各ベースに供給する。
【0080】励磁されている相では、図3の(a)に示
すようにチョッピングトランジスタQ1(図2参照)の
ベースにPWMされた一定のデューティ比の信号が入力
され、図3の(b)に示すように整流トランジスタQ2
のベースにハイレベルの信号が入力される。これによ
り、図3の(d)に示すように巻線L(図2参照)に流
れる励磁電流は一定値になる。この励磁電流の電流値は
第1相では電流検出器86で、第2相では電流検出器8
7で、第3相では電流検出器88でそれぞれ検出され
る。
【0081】図3の(a)に示すPWMされた信号のデ
ューティ比を大きくすると図2の(a)に示す第1の電
流導通モードの期間が増大するので励磁電流が増大し、
逆にデューティ比を小さくすると励磁電流が減少する。
このようにして、電流制御部84は励磁電流を電流指令
値と一致するように制御することができる。なお、電流
指令値90はメモリ89にロータの位置に応じた値とし
て記憶されている。
【0082】図10は第5の実施形態の動作を示す波形
図である。図10の(a)は1相分の電流指令値であ
る。図10の(b)は電流指令値によって与えられる励
磁電流である。ロータの位置が励磁開始角θ0から励磁
切り替え角θcまでは(a)に示すように電流指令値は
一定であるので一定の励磁電流が供給される。
【0083】励磁切り替え角θc以降はすぐに電流指令
値を0とするのでなく、励磁切り替え角θcからθqま
での期間59を設けて(a)に示すように緩やかに電流
指令値を0に変化させる。これにより、(b)に示す励
磁電流のように急に電流が0となることがないようにな
っているので励磁切り替え角θcでのステータがロータ
を吸引する力の急速な開放が抑制される。これにより、
急激な吸引力開放にともなう振動が軽減されて騒音が小
さくなる。
【0084】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
励磁電流の切り替え時に励磁電流が流れていた相の巻線
に流れる励磁電流を緩やかに減少させているので、励磁
電流が流れていた相では吸引力開放による振動が軽減さ
れる。これにより、モータの振動音が小さくなり、騒音
が小さくなる。特に、本発明では、第1、第2期間を通
して印加される電圧の減衰が滑らかであり、その結果流
れる電流が滑らかに減衰し、且つ確実に零まで減衰し、
むやみに時間がかかることもない。また、第1、第2期
間のいずれにおいても、それぞれ第1スイッチング素子
のオン時とオフ時での巻線に印加される電圧差が小さ
く、結果的に流れる電流のリップルも生じにくいという
効果もある。さらに、第2スイッチング素子へのPWM
信号も必要なく、より単純なマイクロコンピュータ等に
より制御可能となる効果もある。
【0085】また、大負荷で低速条件でシングルパルス
運転を行う場合には励磁切り替え角での不必要に大きな
励磁電流をPWMのデューティ比を徐々に小さくするこ
とによって減少させることができる。これにより、吸引
力の急激な開放現象による振動加速度を抑えることがで
きる。また、励磁切り替え角付近での急激な励磁電流が
増大するのが防止されているので消費電力が削減できて
効率も良くなる。
【0086】また、本発明の請求項4では、励磁切り替
え時に少なくとも2相が同時に励磁されるので励磁が終
了する相で急激に減少するトルクを同時に励磁させた相
で補い、全体のトルクの減少を抑えることができる。こ
れにより、トルク変動が低減されてリラクタンスモータ
は安定した動作をする。
【0087】また、本発明の請求項5によれば、相数が
奇数でステータの突極がその相数の2倍であるときにス
テータの隣接する巻線の巻回の方向は互いに逆方向とな
っているので、隣接する突極に巻回された巻線との相互
作用が一致し、互いの相で相互インダクタンスにより受
ける影響が同一となる。これによって各相で生じる励磁
電流に変動が生じないようになっている。そのため、相
間にトルク変動が生じることがなく安定して動作する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施形態のスイッチ式リラク
タンスモータとその駆動回路の回路図。
【図2】 そのスイッチ式リラクタンスモータのシング
ルパルス運転における各相での電流導通モードを示した
図。
【図3】 従来のシングルパルス運転時のPWM波形と
供給電圧及び励磁電流を示した波形図。
【図4】 本発明の第1の実施形態のスイッチ式リラク
タンスモータの動作を説明する波形図。
【図5】 本発明の第2の実施形態のスイッチ式リラク
タンスモータの動作を説明する波形図。
【図6】 本発明の第3の実施形態のスイッチ式リラク
タンスモータの動作を説明する波形図。
【図7】 本発明の第4の実施形態のスイッチ式リラク
タンスモータの構成を示す図。
【図8】 本発明の第5の実施形態のスイッチ式リラク
タンスモータの回路ブロック図。
【図9】 そのスイッチ式リラクタンスモータとその駆
動回路の回路図。
【図10】 そのスイッチ式リラクタンスモータの動作
を示す波形図。
【図11】 スイッチ式リラクタンスモータの回転方法
を説明する図。
【図12】 そのスイッチ式リラクタンスモータのトル
クを説明する図。
【図13】 従来のスイッチ式リラクタンスモータの励
磁電流波形とステータ、ロータ間に働く吸引力の大きさ
を示す図。
【図14】 スイッチ式リラクタンスモータのシングル
パルス運転で低速、大負荷トルク時の励磁電流波形を示
した図。
【図15】 従来のスイッチ式リラクタンスモータの各
相励磁電流と発生したトルクを示した図。
【符号の説明】
1 入力端子 2 入力端子 3 コンデンサ 4 第1相の励磁回路 5 第2相の励磁回路 6 第3相の励磁回路 7 NPN型のチョッピングトランジスタ 8 NPN型の整流トランジスタ 9 第1相の巻線 10 整流ダイオード 11 チョッピングダイオード 12 NPN型のチョッピングトランジスタ 13 NPN型の整流トランジスタ 14 第2相の巻線 15 整流ダイオード 16 チョッピングダイオード 17 NPN型のチョッピングトランジスタ 18 NPN型の整流トランジスタ 19 第3相の巻線 30 整流ダイオード 31 チョッピングダイオード 38 マイクロコンピュータ 39 ドライバー回路 84 電流制御部 85 スイッチ式リラクタンスモータ 86、87、88 電流検出器 90 電流指令値 91 PWM信号 93 各相巻線電流値
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02P 7/05

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 突極を有するロータと、巻線が巻回され
    た複数の突極を有するステータと、前記巻線に励磁電流
    を与える励磁回路とを備え、前記励磁電流を与える相を
    一定の順序で切り替えることによって前記ロータが回転
    するとともに、前記励磁電流の切り替え時に前記励磁電
    流が流れていた相の巻線の前記励磁電流を緩やかに減少
    させるスイッチ式リラクタンスモータを駆動する回路に
    おいて、 前記突極に巻回された巻線はその一端が第1スイッチン
    グ素子を介して電源ラインに接続され他端が第2スイッ
    チング素子を介してグランドに接続されているととも
    に、前記一端がアノードをクランドに接続された第1ダ
    イオードのカソードに接続され、他端がカソードを電源
    ラインに接続された第2ダイオードのアノードに接続さ
    れており、 前記励磁電流の切り替え時に第2スイッチング素子をオ
    ンにした状態で第1スイチング素子をデューティ比が徐
    々に小さくなるPWM信号でオン、オフ制御する第1の
    期間と、この第1の期間の後に第2スイッチング素子を
    オフにした状態で第1スイッチング素子をデューティ比
    が徐々に小さくなるPWM信号でオン、オフ制御する第
    2期間とが設けられている ことを特徴とするスイッチ式
    リラクタンスモータを駆動する回路。
  2. 【請求項2】 前記励磁電流を検出して前記励磁電流を
    前記ロータの位置に応じて定められた電流指令値に一致
    させるとともに、前記励磁電流の切り替え時には前記電
    流指令値を徐々に小さくすることを特徴とする請求項1
    に記載のスイッチ式リラクタンスモータを駆動する回
    路。
  3. 【請求項3】 前記ロータの電気角が次の相の励磁開始
    角(励磁切り替え角)に達する前から前記デューティ比
    を徐々に小さくすることを特徴とする請求項1又は2
    記載のスイッチ式リラクタンスモータを駆動する回路。
  4. 【請求項4】 前記励磁電流の切り替え時に少なくとも
    2つの相の前記巻線に励磁電流を与えることを特徴とす
    請求項1〜3のいずれかに記載のスイッチ式リラクタ
    ンスモータを駆動する回路。
  5. 【請求項5】 ステータは巻線が巻回された相数が奇数
    で該相数の2倍の数の突極を有し、且つ隣接する巻線の
    巻回の方向は互いに逆方向となっていることを 特徴とす
    る請求項1〜4のいずれかに記載のスイッチ式リラクタ
    ンスモータ。
JP33855098A 1998-11-30 1998-11-30 スイッチ式リラクタンスモータ及びその駆動回路 Expired - Fee Related JP3400951B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33855098A JP3400951B2 (ja) 1998-11-30 1998-11-30 スイッチ式リラクタンスモータ及びその駆動回路

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33855098A JP3400951B2 (ja) 1998-11-30 1998-11-30 スイッチ式リラクタンスモータ及びその駆動回路

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000166292A JP2000166292A (ja) 2000-06-16
JP3400951B2 true JP3400951B2 (ja) 2003-04-28

Family

ID=18319235

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP33855098A Expired - Fee Related JP3400951B2 (ja) 1998-11-30 1998-11-30 スイッチ式リラクタンスモータ及びその駆動回路

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3400951B2 (ja)

Families Citing this family (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002281784A (ja) 2001-03-19 2002-09-27 Aisin Seiki Co Ltd モータの駆動制御装置
DE102005025770A1 (de) * 2005-06-04 2006-12-07 Vorwerk & Co. Interholding Gmbh Verfahren zur Regelung eines Reluktanzmotors
JP2013132093A (ja) * 2011-12-20 2013-07-04 Fujitsu General Ltd スイッチドリラクタンスモータ用駆動回路およびスイッチドリラクタンスモータ
KR101292241B1 (ko) 2012-01-31 2013-08-01 조선대학교산학협력단 하이브리드 모터 구동 장치
FR2988353B1 (fr) * 2012-03-21 2014-05-16 Valeo Systemes Dessuyage Procede et dispositif de commande d'un moteur d'essuie-glaces de vehicule automobile
JP5511923B2 (ja) * 2012-09-27 2014-06-04 三菱電機株式会社 電動機制御装置
JP6232929B2 (ja) * 2013-04-11 2017-11-22 株式会社デンソー スイッチトリラクタンスモータの制御装置
JP6380785B2 (ja) * 2014-04-01 2018-08-29 富士電機株式会社 スイッチトリラクタンスモータの駆動システム
JP6250888B2 (ja) * 2014-08-11 2017-12-20 トヨタ自動車株式会社 スイッチトリラクタンスモータ
JP6303947B2 (ja) * 2014-09-17 2018-04-04 株式会社デンソー リラクタンス同期モータの駆動制御方法及びリラクタンス同期モータの駆動制御装置
JP6809354B2 (ja) * 2017-04-18 2021-01-06 トヨタ自動車株式会社 ハイブリッド自動車
CN114337458B (zh) * 2021-12-31 2022-12-06 西比里电机技术(苏州)有限公司 一种两相开关磁阻电机的驱动拓扑电路

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07337060A (ja) * 1994-06-09 1995-12-22 Fanuc Ltd スイッチ式リラクタンスモータのトルクリプル軽減方式
JPH08116651A (ja) * 1994-10-13 1996-05-07 Fujii Seimitsu Kaitenki Seisakusho:Kk 可変リラクタンス形モータ及びその制御方法
US6051942A (en) * 1996-04-12 2000-04-18 Emerson Electric Motor Co. Method and apparatus for controlling a switched reluctance machine
JPH1066378A (ja) * 1996-08-09 1998-03-06 Nippon Electric Ind Co Ltd Sr(スイッチド・リラクタンス)型モータの駆動装置
JPH10210782A (ja) * 1997-01-17 1998-08-07 Nippon Electric Ind Co Ltd スイッチド・リラクタンスモータの駆動制御方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2000166292A (ja) 2000-06-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6646407B2 (en) Electric motor control having DC-DC converter and method of using same
JP3400951B2 (ja) スイッチ式リラクタンスモータ及びその駆動回路
EP0436742B1 (en) Reluctance motor
JP2004056999A (ja) スイッチトリラクタンス機械の制御方法および制御装置
US6812661B2 (en) Multiphase motor having winding connections specific to respective operating speed ranges
EP1067670B1 (en) Controlling method for switched reluctance motor method and motor having a low peak current
US5289099A (en) Direct current motor
JPH08205581A (ja) スイッチドリラクタンスモータ
US6969962B2 (en) DC motor drive circuit
JP3209854B2 (ja) シンクロナスリラクタンスモータの制御装置
JP3702713B2 (ja) Srモータ
JP3651352B2 (ja) Srモータの制御方法及びsrモータ
JPH05199793A (ja) 可変リラクタンスモータの駆動装置
JP3332612B2 (ja) ブラシレスモータ駆動装置
JP3328972B2 (ja) 位置センサレス・ブラシレスdcモータの制御装置
JPH10304690A (ja) 直流電源電圧を可変としたスイッチド・リラクタンスモータの運転制御回路
JPS6111556B2 (ja)
JP3242258B2 (ja) モータ駆動制御装置
JPH07337060A (ja) スイッチ式リラクタンスモータのトルクリプル軽減方式
JPH11191995A (ja) Srモータの駆動回路
JPH02254993A (ja) 可変リラクタンスモータの駆動装置
JP2001268982A (ja) Srモータの制御方法及びsrモータ
CN114514693A (zh) 开关磁阻马达及其控制方法
JP2931164B2 (ja) ブラシレスモータの駆動回路
JPS5915272Y2 (ja) ブラシレスモ−タ駆動回路

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080221

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090221

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees