JP2001268982A - Srモータの制御方法及びsrモータ - Google Patents

Srモータの制御方法及びsrモータ

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JP2001268982A
JP2001268982A JP2000075489A JP2000075489A JP2001268982A JP 2001268982 A JP2001268982 A JP 2001268982A JP 2000075489 A JP2000075489 A JP 2000075489A JP 2000075489 A JP2000075489 A JP 2000075489A JP 2001268982 A JP2001268982 A JP 2001268982A
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光一郎 米倉
Tadayuki Hatsuda
匡之 初田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コストの低減、効率や性能の向上を図ること
である。 【解決手段】 偶数個の突極を有するステータと、該ス
テータの突極の個数に対して倍数関係にない偶数個の突
極を有するロータと、該ステータに巻回された巻線とを
備えたSRモータにおいて、前記巻線に電力を供給する
供給モード(a)、前記巻線の両端を同電位とする還流
モード(c)、及び前記巻線に生じる起電力を回収する
回生モード(b)をこの順に行うようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、SRモータ(スイ
ッチド・リラクタンス・モータ)の改良技術に関する。
【0002】
【従来の技術】磁石を用いないタイプのモータとしてS
Rモータが知られている。SRモータは、筒状のヨーク
に複数の内向きに突出する突極を一体形成してなるステ
ータ(固定子)と、外向きに突出する複数の突極を有す
るロータ(回転子)とを同軸上に配置し、ステータの突
極に巻線コイルを装着して構成される。
【0003】ロータの突極とステータの突極の数は、相
互に倍数関係になっていない偶数個に設定される。例え
ば、ロータの突極の数が4に対してステータの突極の数
が6、ロータの突極の数が6に対してステータの突極の
数が8、ロータの突極の数が8に対してステータの突極
の数が12、という如くである。
【0004】ステータの一対の対向する巻線コイル(場
合によりさらに複数の巻線コイル)に電流を流して、ス
テータの突極からロータの突極へ向かう磁束を発生さ
せ、ロータの突極をステータの突極に引き付けること
で、トルクを発生させる。このとき、ステータとロータ
のある突極同士が対向すると、他の突極同士にずれが生
じており、逐次ずれた突極を選んでその巻線コイルに通
電すればロータの突極が連続的に引き付けられ、ロータ
を軸回りに回転させることができる。
【0005】このようなSRモータは、発電機として機
能させることも可能である。図4(a)及び(b)はS
Rモータを発電電動機として用いる場合の従来の駆動回
路を示す回路図である。この駆動回路は、ステータの突
極に装着された巻線コイルのうち、同一の相を構成する
複数の巻線(巻線組)についてそれぞれ設けられてい
る。例えば、ステータの突極の数が6でロータの突極の
数が4の3相モータの場合には、各相(U相、V相、W
相)はそれぞれ互いに対向する一対の巻線コイルにより
構成され、これらの一対の巻線コイルはそれぞれ直列に
接続されて巻線組とされ、これらの巻線組のそれぞれに
ついて該駆動回路が設けられる。なお、本願明細書中に
おいては、巻線コイル又は巻線とは、単一の巻線コイル
のみならず、同一の相を構成する複数の巻線コイル(巻
線組)をもいうものとする。
【0006】同図に示されているように、巻線コイルC
の始端T1を、スイッチ素子(パワートランジスタ)S
W1を含むパワー素子を介して電源Eに接続するととも
に、ダイオードD1を介して接地する。当該巻線コイル
Cの終端T2をダイオードD2を介して電源Eに接続す
るとともに、スイッチ素子SW2を含む同様なパワー素
子を介して接地する。
【0007】図5はスイッチ素子SW1及びSW2の作
動の制御内容を説明するための図であり、(a)はロー
タの回転角とインダクタンスLの関係を、(b)は同じ
くロータの回転角とスイッチ素子SW1の作動(オン、
オフ)の関係を、(c)は同じくロータの回転角とスイ
ッチ素子SW2の作動(オン、オフ)の関係を、(d)
は同じくロータの回転角と巻線電流Iの関係を示してい
る。
【0008】インダクタンスLが低下している時期にお
いて、ロータの回転角が所定の角度(θ1)になったと
きに、スイッチ素子SW1及びSW2を同時にオンして
巻線コイルCに電圧を印可すると、図4(a)に示され
ているように、電流はスイッチ素子SW1、巻線コイル
C、スイッチ素子SW2の経路で流れ、この間、電源E
からエネルギが供給されトルクが発生する。
【0009】次に、インダクタンスLが低下している時
期において、ロータの回転角が他の所定の角度(θ2)
になったときに、スイッチ素子SW1及びSW2を同時
にオフすると、図4(b)に示されているように、巻線
コイルCに生じる起電力によって、ダイオードD1、巻
線コイルC、ダイオードD2の経路で電流が流れ、電源
Eにエネルギが回生される。このようにスイッチ素子S
W1及びSW2の作動を適宜に制御することにより、供
給エネルギ(図5(d)中の符号Aで示す領域)よりも
回生エネルギ(図5(d)中の符号Bで示す領域)を大
きくすることができ、これにより発電機として機能させ
ることができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
制御方法では、特に低回転域では起電力が小さく、大電
流が流れてしまうため、スイッチ素子を含むパワー素子
等の回路部品として電流容量の大きいものを採用する必
要があり、コストの上昇や装置の大型化を招くという問
題があった。また、電流が突出的に上昇するため、トル
クの変動が極めて大きく、音振等が大きいとともに、ト
ルクの制御性が悪いという問題もある。
【0011】本発明は、このような従来技術の問題点に
鑑みてなされたものであり、コストの低減、性能の向上
を図ることができるSRモータの制御方法及びSRモー
タを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】(1)上記目的を達成す
るため、請求項1記載の本発明のSRモータの制御方法
は、偶数個の突極を有するステータと、該ステータの突
極の個数に対して倍数関係にない偶数個の突極を有する
ロータと、該ステータに巻回された巻線とを備えたSR
モータの制御方法において、前記巻線に電力を供給する
供給モード、前記巻線の両端を同電位とする還流モー
ド、及び前記巻線に生じる起電力を回収する回生モード
をこの順に行うことを特徴とする。
【0013】この場合において、請求項2記載のよう
に、前記供給モードを前記巻線のインダクタンスが前記
ロータの回転に伴い上昇する期間中に開始し、前記巻線
のインダクタンスが前記ロータの回転に伴い低下する期
間中に前記供給モードから前記還流モードに切り換える
ようにできる。また、請求項3記載のように、前記供給
モードから前記還流モードに切り換えた後、前記巻線の
インダクタンスが前記ロータの回転に伴い低下する期間
が終了する前に前記還流モードから前記回生モードに切
り換えるようにできる。
【0014】これらの場合において、請求項4記載のよ
うに、前記ロータの回転角が予め決められた第1角度に
なったときに前記供給モードから前記還流モードへの切
り換えを行い、前記ロータの回転角が予め決められた第
2角度になったときに前記還流モードから前記回生モー
ドへの切り換えを行い、あるいは請求項5記載のよう
に、前記巻線を流れる電流が予め決められた第1電流値
になったときに前記供給モードから前記還流モードへの
切り換えを行い、前記第1電流値よりも高い範囲で予め
決められた第2電流値になったときに前記還流モードか
ら前記回生モードへの切り換えを行うようにできる。
【0015】請求項1〜5記載の本発明のSRモータの
制御方法によると、供給モードと回生モードに加えて還
流モードを新設し、供給モードと回生モードの間に還流
モードを介在させるようにしている。供給モードの実行
後に還流モードを実行すると、ロータの回転エネルギが
電気エネルギとして巻線に蓄えられ、該巻線に流れる電
流は電力を消費することなく該供給モードよりも緩やか
に上昇するので、その後に回生モードを行うことによ
り、電流ピークを低く抑えつつ発電量を多くすることが
できる。特に、請求項2又は3記載のものによれば、還
流モードの実行時間を長くできるので、巻線を流れる電
流をその分だけ高くすることができ、したがって、発電
量を多くすることが可能である。
【0016】(2)上記目的を達成するため、請求項6
記載の本発明のSRモータは、偶数個の突極を有するス
テータと、該ステータの突極の個数に対して倍数関係に
ない偶数個の突極を有するロータと、該ステータに巻回
された巻線とを備えたSRモータにおいて、前記巻線の
始端と電源の一方の極とを選択的に接続する第1スイッ
チ手段と、前記巻線の終端と電源の他方の極とを選択的
に接続する第2スイッチ手段と、前記巻線の始端と前記
電源の他方の極との間に介装された該始端へ向かう方向
にのみ電流を流す第1ダイオード手段と、前記巻線の終
端と前記電源の一方の極との間に介装された該電源の一
方の極へ向かう方向にのみ電流を流す第2ダイオード手
段と、前記第1及び第2スイッチ手段を同時に接続する
供給モード、前記第1及び第2スイッチ手段の一方を接
続し他方を切断する還流モード、及び前記第1及び第2
スイッチ手段を同時に切断する回生モードを、この順に
行うよう制御する制御手段とを備えたことを特徴とす
る。
【0017】
【発明の効果】(1)請求項1〜5記載の本発明によれ
ば、電流ピークを低く抑えつつ高出力を実現することが
でき、従って、スイッチ素子等の駆動回路部品として低
容量の部品を採用することができるから、SRモータの
低コスト化、小型化を実現することができるという効果
がある。また、電流が突出的に上昇することがないの
で、トルクの変動が小さくなり、音振等も小さくなると
ともに、トルクの制御性が良くなり、モータ性能を向上
することができる。特に、請求項2及び3記載の本発明
によれば、発電量をさらに多くすることが可能である。
【0018】(2)請求項6記載の本発明によれば、低
コストかつ小型で、発電量が多く、音振等の小さいSR
モータが提供されるという効果がある。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の第1実施形態を図
面を参照して説明する。図1は本発明の実施形態のSR
モータ(スイッチド・リラクタンス・モータ)の構成を
示す平面図である。図2は同じく駆動回路の構成を示す
回路図であり、(a)は供給モード、(b)は回生モー
ド、(c)は還流モードを示している。この実施形態の
SRモータ1は、ステータの突極の数を6、ロータの突
極の数を4とした3相モータであり、例えば、車両のエ
ンジンに直結されて使用される発電機としても機能する
発電電動機である。
【0020】まず、図1を参照する。SRモータ1は、
回転子としてのロータ2、固定子としてのステータ3及
びこれらを収容する図示しないモータハウジングなどを
備えて構成される。
【0021】ロータ2は複数(この実施形態では4個)
の突極2aを有するロータコア4の中心に形成された貫
通穴に出力軸(シャフト)5を挿入して一体的に固定し
て構成され、この出力軸5はモータハウジングにベアリ
ングを介して支持されている。ロータコア4は、この実
施形態では、プレス装置により打ち抜き加工された複数
の磁性鋼板を積層して一体化することにより構成されて
いる。出力軸5の単位時間あたりの回転数(rpm)は
図示しない回転数検出装置により計数される。また、出
力軸5(ロータ2)の回転角度は回転角度検出装置によ
り逐次検出されている。
【0022】ステータ3はステータコア6及び複数の巻
線コイル7を備えて構成される。ステータコア6は略円
筒状のヨーク部の内側に半径方向に突出する複数(この
実施形態では6個)の突極3aを一体的に設けて構成さ
れている。ステータコア6は、この実施形態では、プレ
ス装置により打ち抜き加工された複数の磁性鋼板を積層
して一体化することにより構成されている。ステータ3
はモータハウジングの内側に固定される。
【0023】巻線コイル7はステータコア6の6個の突
極にそれぞれ設けられており、互いに対向する一対の巻
線コイル7は直列に接続されて巻線組とされ、これらの
3つの巻線組により、各相(U相、V相、W相)が構成
される。巻線コイル7はステータコア6の突極3aに直
接的に巻回され、あるいは樹脂等からなるボビンに巻回
されて装着される。ロータ2はステータ3の突極3aと
の間に所定のギャップをもつように、同軸上に挿入配置
される。
【0024】巻線コイル7に電流を流して、ステータ3
の突極3aからロータ2の突極2aへ向かう磁束を発生
させ、その近傍に存在するロータ2の突極2aを引き付
けることで、トルクを発生させる。ステータ3とロータ
2のある突極2a,3a同士が対向すると、他の突極2
a,3a同士にずれが生じており、逐次ずれた突極を選
んでその巻線コイルに通電することにより、即ち、U相
を構成する巻線コイル、V相を構成する巻線コイル、W
相を構成する巻線コイルに逐次通電することにより、ロ
ータ2の突極2aが連続的に引き付けられ、ロータ2を
軸回りに回転させることができる。
【0025】このSRモータの駆動回路は、図2に示さ
れているように構成されている。なお、以下の説明で
は、U相を構成する巻線組についての駆動回路を説明す
るが、他のV相、W相についての駆動回路も同じ構成で
ある。
【0026】U相を構成する一対の巻線コイル7からな
る巻線組Cの始端T1は、スイッチ素子(パワートラン
ジスタ)SW1を含むパワー素子を介して電源E(例え
ば、車両のバッテリの+極)に接続されているととも
に、ダイオードD1を介して接地(バッテリの−極に接
続)されている。この巻線組Cの終端T2は、ダイオー
ドD2を介して電源Eに接続されているとともに、スイ
ッチ素子SW2を含む同様なパワー素子を介して接地さ
れている。
【0027】巻線組Cの終端T2には図示は省略する
が、電流検出器が設けられている。各スイッチ素子SW
1,SW2の作動は、ロータ回転角検出装置の検出角
度、電流検出器の検出電流等に基づいて、図示しない制
御装置により制御される。
【0028】この実施形態の制御装置は、3つの制御モ
ード、即ち、供給モード、回生モード及び還流モードを
適宜に行う。供給モードは、巻線組Cに電力を供給する
モードであり、図2(a)に示されているように、スイ
ッチ素子SW1及びSW2を同時にオン(ON)するモ
ードである。この供給モードを行うことにより、電流は
スイッチ素子SW1、巻線組C、スイッチ素子SW2の
経路で流れ、この間、電源Eからエネルギが供給されト
ルクが発生する。
【0029】回生モードは、巻線組Cに生じる起電力を
回収するモードであり、図2(b)に示されているよう
に、スイッチ素子SW1及びSW2を同時にオフ(OF
F)するモードである。この回生モードを行うことによ
り、電流はダイオードD1、巻線組C、ダイオードD2
の経路で流れ、この間、電源Eにエネルギが回生され
る。スイッチ素子SW1及びSW2のオン及びオフのタ
イミングを適宜に設定して、供給エネルギよりも回生エ
ネルギを大きくすることにより、このSRモータを発電
機として機能させることができる。
【0030】還流モードは、本発明により新たに設けら
れたモードで、巻線組Cの両端を同電位に設定する、即
ち、図2(c)に示されているように、スイッチ素子S
W2をオン(ON)にし、スイッチ素子SW1をオフ
(OFF)に設定するモードである。同図の場合、この
還流モードを行うことにより、電流はダイオードD1、
巻線組C、スイッチ素子SW2の経路で流れ、電流は還
流する。なお、還流モードは、スイッチ素子SW1をオ
ン(ON)にし、スイッチ素子SW2をオフ(OFF)
に設定することにより実現してもよい。
【0031】図3は、各モードの実行タイミングを説明
するための図であり、(a)はロータの回転角とインダ
クタンスLの関係を、(b)は同じくロータの回転角と
スイッチ素子SW1の作動(オン、オフ)の関係を、
(c)は同じくロータの回転角とスイッチ素子SW2の
作動(オン、オフ)の関係を、(d)は同じくロータの
回転角と巻線電流Iの関係を示している。
【0032】これらの図に示されているように、この実
施形態では、インダクタンスLの上昇後期で、ロータが
インダクタンスLのピークに達する角度θ0よりも前の
所定の回転角θ1にあるときに、スイッチ素子SW1及
びSW2を同時にオンして、供給モードを開始する。こ
れにより、巻線組Cに流れる電流が上昇する。次いで、
インダクタンスLがピークを過ぎて下降に転じた時点
(ロータの回転角θ0)あるいはその後の下降期間中の
比較的前期において、ロータの回転角が所定の角度θ2
となったときに、スイッチ素子SW2はオンのままで、
スイッチ素子SW1をオフすることにより、還流モード
に切り換える。
【0033】次いで、ロータが所定の回転角θ3となっ
たときに(インダクタンスLが下降から横ばいに転じる
時点のロータの回転角θdよりも前の時点で)、このス
イッチ素子SW1はオフのままで、スイッチ素子SW2
にオフすることにより、回生モードを開始し、その後電
流が零になるまで回生モードを実行する。
【0034】ここで、ある一定回転数でロータが外部か
ら駆動されているものとして、さらに詳細に説明する。
巻線に電流が流れていない状態で、ロータが所定の回転
角θ1にあるときにスイッチ素子SW1,SW2を同時
にオンすると、電流が上昇しはじめる。そのときの電流
は、次式で表される。
【0035】即ち、巻線端子間電圧をV、巻線抵抗を
R、巻線電流をi、その変化率を(di/dt)、ロー
タの単位時間あたりの回転数をω、巻線のインダクタン
スをL、その変化率を(dL/dθ)とすると、 V=Ri+L(di/dt)+iω(dL/dθ) =(R+ω(dL/dθ))i+L(di/dt) …[1] である。
【0036】一般に、SRモータの回転角度に対するイ
ンダクタンスLは、図3(a)に示されているように、
三角波状の直線で近似できることが知られているので、
[1]式のω(dL/dθ)は、回転数ωが一定(但
し、ω≠0)の場合、インダクタンスがほぼ直線的に上
昇する過程と、ほぼ直線的に下降する過程と、インダク
タンスが定常値でほぼ一定に推移する過程の三種類とな
る。
【0037】上記のように、ロータの回転角θ=θ1
(但し、θ1<θ0)でスイッチ素子SW1,SW2を
同時にオンした場合、励磁初期では、[1]式中の(d
L/dθ)は正の値となるので、見かけ上、回路の抵抗
が大きくなったのと等価であり、そのため電流iは比較
的に緩やかに上昇することになる。その後、ロータが回
転してその回転角度θがθ>θ0となると、今度は逆に
(dL/dθ)が負となるため、回路の抵抗が減少した
場合と同様に電流iは急峻に上昇することになる。特
に、(R+ω(dL/dθ))が負となるようなωであ
る場合には、見かけ上、抵抗値が負の場合と同様にな
り、電流が大きくなるほど、L(di/dt)の項が大
きくなるため、電流が上昇し続けることになる。
【0038】その後、ロータの回転角度θがθ=θ2
(但し、θ2>θ0)となったときにスイッチ素子SW
1をオフすると、電流は図2(c)に示したように還流
する。
【0039】還流モードでは、巻線端電圧は0Vなの
で、[1]式のVに0を代入して、 L(di/dt)=−(R+ω(dL/dθ))i …[2] となり、インダクタンスL、巻線抵抗R、単位時間あた
りの回転数ω、電流値iが全て正で、(dL/dθ)の
みが負であることを考慮すると、(R+ω(dL/d
θ))<0を満たす回転数ωであれば、図3(d)に示
されているように、電流iが還流しながら増大すること
になるのである。これは、外部からロータを一定回転数
で駆動している駆動源から、回転に要するエネルギを、
巻線が電気エネルギに変換して蓄えていることを意味す
る。
【0040】その後、ロータの回転角θがθ=θ3とな
る時点で、それまでオンしていたスイッチ素子SW2を
オフすることにより、図2(b)に示すように、巻線に
流れていた電流は電源に回生されることになる。
【0041】ここで、θ3を、インダクタンスLが定常
値L0になる角度θdよりも大きく設定してしまうと、
[2]式における(dL/dθ)が0となる領域を含ん
でしまうため、一旦上昇した電流が減少してしまうこと
になる。このことは、発電量を減少させてしまうことに
なるので避けるべきである。
【0042】上述したように、この実施形態によると、
供給モードと回生モードの間に還流モードを介在させる
ようにしているので、ロータの回転数が低回転域にある
場合であっても、巻線電流が突出的に大きくなることが
防止される。従って、スイッチ素子SW1,SW2をそ
れぞれ含むパワー素子やダイオードD1,D2、その他
の駆動回路を構成する部品として、その電流容量が小さ
いものを採用することができ、そのような部品は容量が
大きいものと比較して一般に安価かつ小型であるので、
SRモータの低コスト化、小型化を図ることができる。
【0043】また、供給モードの実行後に還流モードを
実行すると、図3(d)に示されているように、ロータ
の回転エネルギが電気エネルギとして巻線に蓄えられ、
該巻線に流れる電流は電力を消費することなく緩やかに
上昇するので、その後に回生モードを行うことにより、
その上昇分だけ発電量を多くすることができる。
【0044】特に、上述の実施形態では、供給モードを
巻線のインダクタンスがロータの回転に伴い上昇する期
間中で、該インダクタンスがピークを迎える(θ0)前
に開始し、還流モードを巻線のインダクタンスLがロー
タの回転に伴い低下する期間中の比較的前期に開始する
ようにしたので、本来的に発電が可能なロータの回転に
伴いインダクタンスが低下する期間のほぼ全域を有効的
に利用することができ、発電量を多くすることができ
る。また、回生モードを巻線のインダクタンスがロータ
の回転に伴い低下する期間が終了する前に開始するよう
にしているので、発電量の低下を防止することができ
る。
【0045】上記実施形態では、ロータの回転角θを検
出して、該ロータの回転角θが予め設定された所定の角
度θ1になったときに供給モードを開始し,同じく予め
設定された所定の角度θ2になったときに供給モードか
ら還流モードに切り換え、同じく予め設定された所定の
角度θ3になったときに還流モードから回生モードへの
切り換えを行うようにしているが、電流検出器により検
出された巻線電流が、予め設定された所定の第1電流値
I2に達した時点で供給モードから還流モードへの切り
換えを行い、同じく予め設定された所定の第2電流値I
3に達した時点で還流モードから回生モードへの切り換
えを行うようにしてもよい。第2電流値I3は第1電流
値I2よりも大きい値に設定することができる。
【0046】なお、以上説明した実施形態は、本発明の
理解を容易にするために記載されたものであって、本発
明を限定するために記載されたものではない。したがっ
て、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技
術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨
である。
【0047】例えば、ステータ及びロータの突極の数や
相数は上述の実施形態に限定されることはなく、他のも
のであっても同様に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態のSRモータの構成を示す
平面図である。
【図2】 本発明の実施形態のSRモータの駆動回路の
構成を示す回路図であり、(a)は供給モードを、
(b)は回生モードを、(c)は還流モードを示してい
る。
【図3】 本発明の実施形態のSRモータの各モードの
実行タイミングを説明するための図であり、(a)はロ
ータ回転角とインダクタンスの関係を、(b)及び
(c)はロータ回転角とスイッチ素子の作動の関係を、
(d)はロータ回転角と巻線電流の関係を示している。
【図4】 従来のSRモータの駆動回路の構成を示す図
であり、(a)は供給モードを、(b)は回生モードを
示している。
【図5】 従来のSRモータの各モードの実行タイミン
グを説明するための図であり、(a)はロータ回転角と
インダクタンスの関係を、(b)及び(c)はロータ回
転角とスイッチ素子の作動の関係を、(c)はロータ回
転角と巻線電流の関係を示している。
【符号の説明】
1…SRモータ 2…ロータ 2a…突極 3…ステータ 3a…突極 4…ロータコア 5…出力軸 6…ステータコア E…電源 C…巻線組(巻線) SW1,SW2…スイッチ素子 D1,D2…ダイオード T1…巻線始端 T2…巻線終端
フロントページの続き (72)発明者 塚本 雅裕 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 Fターム(参考) 5H550 BB05 FF04 GG08 HA08 HB07 LL22 LL35 5H619 BB01 BB06 BB15 BB24 PP04 PP14 PP31

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 偶数個の突極を有するステータと、該ス
    テータの突極の個数に対して倍数関係にない偶数個の突
    極を有するロータと、該ステータに巻回された巻線とを
    備えたSRモータの制御方法において、 前記巻線に電力を供給する供給モード、前記巻線の両端
    を同電位とする還流モード、及び前記巻線に生じる起電
    力を回収する回生モードをこの順に行うことを特徴とす
    るSRモータの制御方法。
  2. 【請求項2】 前記供給モードを前記巻線のインダクタ
    ンスが前記ロータの回転に伴い上昇する期間中に開始
    し、前記巻線のインダクタンスが前記ロータの回転に伴
    い低下する期間中に前記供給モードから前記還流モード
    に切り換えることを特徴とする請求項1記載のSRモー
    タの制御方法。
  3. 【請求項3】 前記供給モードから前記還流モードに切
    り換えた後、前記巻線のインダクタンスが前記ロータの
    回転に伴い低下する期間が終了する前に前記還流モード
    から前記回生モードに切り換えることを特徴とする請求
    項2記載のSRモータの制御方法。
  4. 【請求項4】 前記ロータの回転角が予め決められた第
    1角度になったときに前記供給モードから前記還流モー
    ドへの切り換えを行い、前記ロータの回転角が予め決め
    られた第2角度になったときに前記還流モードから前記
    回生モードへの切り換えを行うことを特徴とする請求項
    1,2又は3記載のSRモータの制御方法。
  5. 【請求項5】 前記巻線を流れる電流が予め決められた
    第1電流値になったときに前記供給モードから前記還流
    モードへの切り換えを行い、前記第1電流値よりも高い
    範囲で予め決められた第2電流値になったときに前記還
    流モードから前記回生モードへの切り換えを行うことを
    特徴とする請求項1,2又は3記載のSRモータの制御
    方法。
  6. 【請求項6】 偶数個の突極を有するステータと、該ス
    テータの突極の個数に対して倍数関係にない偶数個の突
    極を有するロータと、該ステータに巻回された巻線とを
    備えたSRモータにおいて、 前記巻線の始端と電源の一方の極とを選択的に接続する
    第1スイッチ手段と、 前記巻線の終端と電源の他方の極とを選択的に接続する
    第2スイッチ手段と、 前記巻線の始端と前記電源の他方の極との間に介装され
    た該始端へ向かう方向にのみ電流を流す第1ダイオード
    手段と、 前記巻線の終端と前記電源の一方の極との間に介装され
    た該電源の一方の極へ向かう方向にのみ電流を流す第2
    ダイオード手段と、 前記第1及び第2スイッチ手段を同時に接続する供給モ
    ード、前記第1及び第2スイッチ手段の一方を接続し他
    方を切断する還流モード、及び前記第1及び第2スイッ
    チ手段を同時に切断する回生モードを、この順に行うよ
    う制御する制御手段とを備えたことを特徴とするSRモ
    ータ。
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