JP3397152B2 - マルチトラックディスク再生装置及びその再生方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は情報ディスク装置お
よびその読出方法に関し、特にＣＤ−ＲＯＭ等に用いら
れる光ディスクの複数のトラックのデータを並列に読み
出すディスク再生装置、およびその読出方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】近年ＣＤ−ＲＯＭ装置などの光ディスク
装置では高速読み取り機能が要求されており、それを実
現する方法として各社から隣接する複数トラックのデー
タを並列に読み出すマルチトラックディスク再生装置が
提案されている。従来、マルチトラックディスク再生装
置でデータ読みだしを行う場合、ＵＳ００５６２７８０
５Ａに記載されたものが知られている。この方法では、
複数トラックから読み出したデータをＥＦＭ復調後、ま
ず、大容量のバッファメモリに貯えてＤＩＳＣ上の配列
どおりに整列させ、先頭のデータから順にＣＩＲＣ復号
を行うことを特徴としている。ＣＤ−ＲＯＭデータの場
合は、ＣＩＲＣ復号後更にこのバッファメモリ上でＥＣ
Ｃエラー訂正を行い、ホストコンピューターにインター
フェイス手段を介して出力する。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ＣＤのＣＩＲＣ符号化
法は局部的なディスク上の欠陥に対応するため、インタ
ーリーブと呼ばれる手法で、最大で１０８ＣＤフレーム
にわたり分散してデータが記録されている。このため、
データを先頭から順にフレームデータ用のバッファに貯
え、分散して記録されているデータから該当するビット
データを抽出して復号回路に入力し、復号を行う必要が
ある。このため、ＵＳ００５６２７８０５Ａの方法で
は、最低でもディスク１回転分×同時読み取り可能なト
ラック本数分のフレームデータ用バッファメモリを用意
する必要がある。さらに、ＣＤの場合、線速度一定で記
録されているため、ディスクの外周部では内周部よりも
ディスク１回転あたりのデータ記録容量が大きいため１
回転あたりの最大記録容量分のフレームデータ用バッフ
ァメモリが必要となる。

【０００４】ところが、ＣＩＲＣ復号前の状態ではエラ
ー訂正情報が含まれているため、データの冗長度が大き
く、より大容量のメモリが必要になるためコスト高にな
る。さらに、１回転分のデータを読み出し終わらないと
２トラック目以降のデータのデコードが始められず、１
回転分のデータを読み終わったあとトラックを進めて読
み取りを再開するとき、フレームデータ用バッファメモ
リには未復号のデータが残っており、このデータを復号
し終わるまでは読み取りを再開できないか、もしくは更
に余分にフレームデータ用バッファメモリを確保する必
要があるが、この時も先に述べた、ＣＩＲＣ復号前のエ
ラー訂正情報を含んだ冗長度の大きいデータを貯えるた
めのバッファメモリを用意する必要があるため、非常に
効率が悪い。

【０００５】

【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に、本発明では、記録面上に螺旋状に複数のトラックが
形成され、エラー訂正情報を付加し、インターリーブ手
法を用いて符号化され、記録された情報ディスク上の隣
接する複数個のトラックの信号を並列に再生するマルチ
トラックディスク再生装置において、情報ディスクから
隣接する複数のトラックの信号を並列に再生する信号再
生手段と、出力された複数個のトラックの読み取り信号
のそれぞれをデジタルデータに変換するデータ変換手段
と、変換された複数トラックの読み取りデータを、イン
ターリーブ長以上記憶する記憶手段と、前記記憶手段に
貯えられたデータから、目的のデータを復号し出力する
復号手段と、並列に出力されたデータを前記情報ディス
ク上のアドレス順に整列させるデータ整列手段と、整列
済みの有効なデータを前記ディスク再生装置外部に出力
するデータ出力手段を備えることを特徴とするものであ
る。本発明によれば、より冗長度の大きいインターリー
ブ手法を用いた符号化の復号前のデータを貯えるバッフ
ァメモリは復号に必要な最低限度の容量とすることがで
き、冗長度の少なくなったデータをバッファメモリ上で
整列させるため、システム全体としてのバッファメモリ
容量をより少なくすることができる。また復号を各トラ
ック並行して進めることができるとともに、１回転分の
データの読み取りが終わった後トラックジャンプを行
い、再生トラックを進める際や、離れたトラックから読
み取り手段を移動させたあと読み取りを再開する際に
も、目的データが読み取り手段の位置に来るまでディス
クの回転待ちを行う必要がなくなるため、より効率よく
データの再生を行うことができる。

【０００６】

【発明の実施の形態】本発明の請求項１に記載のマルチ
トラックディスク再生装置は、記録面上に螺旋状に複数
のトラックが形成され、エラー訂正情報を付加し、イン
ターリーブ手法を用いて符号化され、記録された情報デ
ィスク上の隣接する複数個のトラックの信号を並列に再
生するマルチトラックディスク再生装置において、情報
ディスクから隣接する複数のトラックの信号を並列に再
生する信号再生手段と、出力された複数個のトラックの
読み取り信号のそれぞれをデジタルデータに変換するデ
ータ変換手段と、変換された複数トラックの読み取りデ
ータを、インターリーブ長以上記憶する記憶手段と、前
記記憶手段に貯えられたデータから目的のデータを復号
し出力する復号手段と、並列に出力されたデータを前記
情報ディスク上のアドレス順に整列させるデータ整列手
段と、整列済みの有効なデータを前記ディスク再生装置
外部に出力するデータ出力手段を備え、前記複数個のト
ラックのデータを各トラックの最後尾まで読み取った後
も、接続するトラックの先頭のデータを各トラックの最
後尾のデータのインターリーブ長以上重複して読み取
り、それぞれのトラックのデータを最後まで復号して前
記データ整列手段に出力することを特徴とするもので、
本発明によれば、インターリーブ手法を用いた符号化の
復号前のデータを貯えるバッファメモリは復号に必要な
最低限度の容量とすることができ、また復号を各トラッ
ク並行して進めることができるため、効率よくデータの
再生を行うことができる。

【０００７】本発明の請求項２に記載のマルチトラック
ディスク再生装置は、記録面上に螺旋状に複数のトラッ
クが形成され、エラー訂正情報を付加し、インターリー
ブ手法を用いて符号化され、記録された情報ディスク上
の隣接する複数個のトラックの信号を並列に再生するマ
ルチトラックディスク再生装置において、情報ディスク
から隣接する複数のトラックの信号を並列に再生する信
号再生手段と、出力された複数個のトラックの読み取り
信号のそれぞれをデジタルデータに変換するデータ変換
手段と、変換された複数トラックの読み取りデータをイ
ンターリーブ長以上記憶する記憶手段と、各トラックの
先頭からインターリーブ長分以上のデータを保存する先
頭領域記憶手段と、前記記憶手段に貯えられたデータか
ら目的のデータを復号し出力する復号手段と、並列に出
力されたデータを前記情報ディスク上のアドレス順に整
列させるデータ整列手段と、整列済みの有効なデータを
前記ディスク再生装置外部に出力するデータ出力手段を
備え、前記複数トラックのデータをトラックの最後尾ま
で読み取った後は、接続するトラックの先頭領域記憶手
段に貯えられているデータを各トラックの最後尾のデー
タとして用いることを特徴とするもので、本発明によれ
ば、エラー訂正情報付加及びインターリーブ手法を用い
た符号化の復号前のデータを貯えるバッファメモリは復
号及びトラックの先頭データの保存に必要な最低限度の
容量とすることができ、また復号を各トラック並行して
進めることができるため、効率よくデータの再生を行う
ことができる。

【０００８】本発明の請求項３に記載のマルチトラック
ディスク再生装置は、請求項２のマルチトラックディス
ク再生装置において、最も先頭のトラックの先頭のデー
タを記憶する先頭領域記憶手段を設けないことを特徴と
するもので、本発明によれば、エラー訂正情報付加及び
インターリーブ手法を用いた符号化の復号前のデータを
貯えるバッファメモリは復号及びトラックの先頭データ
の保存に必要な最低限度の容量とすることができ、また
復号を各トラック並行して進めることができるため、効
率よくデータの再生を行うことができる。

【０００９】本発明の請求項４に記載のマルチトラック
ディスク再生装置は、請求項１から３のマルチトラック
ディスク再生装置において、各トラックのデータを記憶
する記憶手段はリングバッファであり、バッファ容量が
一杯になったあと新たなデータが入力されたときは、最
も先頭のデータから順に消去されることを特徴とするも
ので、本発明によれば、エラー訂正情報付加及びインタ
ーリーブ手法を用いた符号化の復号前のデータを貯える
バッファメモリは復号及びトラックの先頭データの保存
に必要な最低限度の容量とすることができ、また復号を
各トラック並行して進めることができるため、効率よく
データの再生を行うことができる。

【００１０】本発明の請求項５に記載のマルチトラック
ディスク再生装置は、請求項１から４のマルチトラック
ディスク再生装置において、復号手段はおのおののトラ
ックに独立して並列に再生可能なトラック数分設けられ
ていることを特徴とするもので、本発明によれば、エラ
ー訂正情報付加及びインターリーブ手法を用いた符号化
の復号前のデータを貯えるバッファメモリは復号及びト
ラックの先頭データの保存に必要な最低限度の容量とす
ることができ、また復号を各トラック並行して進めるこ
とができるため、効率よくデータの再生を行うことがで
きる。

【００１１】本発明の請求項６に記載のマルチトラック
ディスク再生装置は、請求項１から４のマルチトラック
ディスク再生装置において、復号手段は並列に再生可能
なトラック数よりも少ない数であり、それぞれのトラッ
クに順次割り当てられデータの復号を行い、出力するこ
とを特徴とするもので、本発明によれば、エラー訂正情
報付加及びインターリーブ手法を用いた符号化の復号前
のデータを貯えるバッファメモリは復号及びトラックの
先頭データの保存に必要な最低限度の容量とすることが
でき、また復号を各トラック並行して進めることができ
るため、効率よくデータの再生を行うことができる。

【００１２】本発明の請求項７に記載のマルチトラック
ディスク再生装置は、記録面上に螺旋状に複数のトラッ
クが形成された情報ディスク上の隣接する複数個のトラ
ックの信号を並列に再生するマルチトラックディスク再
生装置において、隣接する複数トラックのデータを並列
に再生しデジタルデータを並列に出力するデータ読み出
し手段と、並列に読み出したデータを記憶するためのバ
ッファメモリと、各トラックの先頭アドレス情報からバ
ッファメモリ上にディスクが１回転した後に接続するト
ラックのデータと連続になるようにバッファメモリ上の
各トラックの先頭アドレスを決定するバッファメモリア
ドレス決定手段と、決定されたバッファメモリの先頭ア
ドレスから順に各トラックのデータを書き込んで行くメ
モリ書き込み手段と、読み取りトラックのうち最も先頭
のトラックのデータに接続して先頭データからの連続性
が確保されたバッファメモリ上の最後尾のアドレスを記
憶するアドレス記憶手段と、整列されたデータのうち整
列済みの有効なものを前記ディスク再生装置外部に出力
する出力手段を備え、前記バッファメモリ上のデータの
先頭から前記アドレス記憶手段に記憶されているアドレ
スのデータまでを整列済みの有効なデータとすることを
特徴とするもので、本発明によれば、並列に読み出した
データをバッファメモリ上で先頭データから順に整列さ
せることができるため、効率よくデータの再生を行うこ
とができる。

【００１３】本発明の請求項８に記載のマルチトラック
ディスク再生装置は、請求項７のマルチトラックディス
ク再生装置において、情報ディスクは一定長のブロック
単位でブロック完結型誤り訂正符号を付加して記録され
ており、各トラックからバッファメモリに書き込まれた
データのうち、前記一定長のブロックのデータがそろっ
たブロックから順にエラーがある場合には、エラー訂正
を行うエラー訂正手段と、読み取りトラックのうち最も
先頭のトラックのデータに接続して先頭データからの連
続性が確保され、かつエラー訂正が終了またはエラーが
発生していないセクタのバッファメモリ上の最後尾のア
ドレスを記憶するアドレス記憶手段と、整列されたデー
タの整列済みの有効なもののうち前記誤り訂正符号を除
いた部分を選択的に前記ディスク再生装置外部に出力す
る出力手段を備え、前記バッファメモリ上のデータの先
頭から前記アドレス記憶手段に記憶されているアドレス
のデータまでを整列済みの有効なデータとすることを特
徴とするもので、本発明によれば、並列に読み出したデ
ータをバッファメモリ上で先頭データから順に整列させ
ながら、一定長のブロック単位のブロック完結型誤り訂
正をブロック単位のデータがそろったものからデータの
並び順に関係なく進めることができるため、効率よくデ
ータの再生を行うことができる。

【００１４】本発明の請求項９に記載のマルチトラック
ディスク再生装置は、請求項１から６のマルチトラック
ディスク再生装置において、データ整列手段は、並列に
読み出したデータを記憶するためのバッファメモリと、
各トラックの先頭アドレス情報からバッファメモリ上に
ディスクが１回転した後に接続するトラックのデータと
連続になるようにバッファメモリ上の各トラックの先頭
アドレスを決定するバッファメモリアドレス決定手段
と、決定されたバッファメモリの先頭アドレスから順に
各トラックのデータを書き込んで行くメモリ書き込み手
段と、読み取りトラックのうち最も先頭のトラックのデ
ータに接続して、先頭データからの連続性が確保された
バッファメモリ上の最後尾のアドレスを記憶するアドレ
ス記憶手段を備え、前記バッファメモリ上のデータの先
頭から前記アドレス記憶手段に記憶されているアドレス
のデータまでを整列済みの有効なデータとすることを特
徴とするもので、本発明によれば、より冗長度の大きい
インターリーブ手法を用いた符号化の復号前のデータを
貯えるバッファメモリは復号に必要な最低限度の容量と
することができ、冗長度の少なくなったデータをバッフ
ァメモリ上で整列させるため、システム全体としてのバ
ッファメモリ容量をより少なくすることができる。ま
た、エラー訂正情報付加及びインターリーブ手法を用い
た符号化の復号を並列して進め、復号後、バッファメモ
リ上で先頭データから順に整列させるため、効率よくデ
ータの再生を行うことができる。

【００１５】本発明の請求項１０に記載のマルチトラッ
クディスク再生装置は、請求項１から６のマルチトラッ
クディスク再生装置において、情報ディスクは一定長の
ブロック単位でブロック完結型誤り訂正符号を付加して
記録されており、データ整列手段は、並列に読み出した
データを記憶するためのバッファメモリと、各トラック
の先頭アドレス情報からバッファメモリ上にディスクが
１回転した後に接続するトラックのデータと連続になる
ようにバッファメモリ上の各トラックの先頭アドレスを
決定するバッファメモリアドレス決定手段と、決定され
たバッファメモリの先頭アドレスから順に各トラックの
データを書き込んで行くメモリ書き込み手段と、各トラ
ックからバッファメモリに書き込まれたデータのうち、
前記一定長のブロックのデータがそろったブロックから
順にエラーがある場合には、エラー訂正を行いエラーの
あるデータに重複して書き込みをおこなうエラー訂正手
段と、読み取りトラックのうち最も先頭のトラックのデ
ータに接続して、先頭データからの連続性が確保され、
かつエラー訂正が終了またはエラーが発生していないセ
クタのバッファメモリ上の最後尾のアドレスを記憶する
アドレス記憶手段を備え、前記バッファメモリ上のデー
タの先頭から前記アドレス記憶手段に記憶されているア
ドレスのデータまでを整列済みの有効なデータとするこ
とを特徴とするもので、本発明によれば、より冗長度の
大きいエラー訂正情報付加及びインターリーブ手法を用
いた符号化の復号前のデータを貯えるバッファメモリは
復号に必要な最低限度の容量とすることができ、冗長度
の少なくなったデータをバッファメモリ上で整列させる
ため、システム全体としてのバッファメモリ容量をより
少なくすることができる。またインターリーブ手法を用
いた符号化の復号、および一定長のブロック単位のブロ
ック完結型誤り訂正を並列して進めることができ、エラ
ー訂正情報付加及びインターリーブ手法を用いた符号化
の復復号後、バッファメモリ上で先頭データから順に整
列させるため、効率よくデータの再生を行うことができ
る。

【００１６】本発明の請求項１１に記載のマルチトラッ
クディスク再生装置は、請求項７から１０のマルチトラ
ックディスク再生装置において、トラックジャンプ時に
は、最も後行する読み取り手段を読み取り開始目的アド
レスよりも後行するトラックにジャンプさせ、トラック
ジャンプ後即座に各トラックのデータの読み取りを開始
することを特徴とするもので、本発明によれば、１回転
分のデータの読み取りが終わった後トラックジャンプを
行い、再生トラックを進める際や、離れたトラックから
読み取り手段を移動させたあと読み取りを再開する際に
も、目的データが読み取り手段の位置に来るまでディス
クの回転待ちを行う必要がなくなるため、効率よくデー
タの再生を行うことができる。

【００１７】本発明の請求項１２に記載のマルチトラッ
クディスク再生装置は、請求項１１のマルチトラックデ
ィスク再生装置において、読み取ったデータと重複する
データがバッファメモリ上に存在する場合にはバッファ
メモリ上のデータと読み出しデータのディスク上のアド
レスが一致し、連続データとなるようにバッファメモリ
上の各トラックの先頭アドレスを決定することを特徴と
するもので、１回転分のデータの読み取りが終わった後
トラックジャンプを行い、再生トラックを進める際や、
離れたトラックから読み取り手段を移動させたあと読み
取りを再開する際にも、目的データが読み取り手段の位
置に来るまでディスクの回転待ちを行う必要がなくなる
ため、効率よくデータの再生を行うことができる。

【００１８】本発明の請求項１３に記載のマルチトラッ
クディスク再生装置は、請求項８から１２のマルチトラ
ックディスク再生装置はホストコンピュータにインター
フェイス手段を介して接続されるコンピュータの補助記
憶装置であり、データ出力手段は、バッファメモリ上の
整列済みの有効なデータをホストコンピュータに転送す
ることを特徴とするもので、本発明によれば、効率よく
データの再生および、ホストコンピュータへのデータの
転送を行うことができる。

【００１９】本発明の請求項１４に記載のマルチトラッ
クディスク再生装置は、請求項１から６及び９のマルチ
トラックディスク再生装置において、情報ディスクはＣ
ＤもしくはＣＤ−ＲＯＭであり、ＣＩＲＣ符号化法を用
いて符号化されていることを特徴とするもので、本発明
によれば、より冗長度の大きいＣＩＲＣ符号化法を用い
た符号化の復号前のデータを貯えるバッファメモリは復
号に必要な最低限度の容量とすることができ、冗長度の
少なくなったデータをバッファメモリ上で整列させるた
め、システム全体としてのバッファメモリ容量をより少
なくすることができる。また、ＣＩＲＣ符号化法を用い
た符号化の復号を並列して進めることができるため、効
率よくデータの再生を行うことができる。

【００２０】本発明の請求項１５に記載のマルチトラッ
クディスク再生装置は、請求項８及び、１０から１３の
マルチトラックディスク再生装置において、情報ディス
クはＣＤ−ＲＯＭ規格のディスクであり、ブロック完結
型誤り訂正符号を付加された一定長のブロックは２３４
０バイトで構成されるセクタと呼ばれるブロックである
ことを特徴とするもので、並列に読み出したデータをバ
ッファメモリ上で先頭データから順に整列させながら、
一定長のブロック単位のブロック完結型誤り訂正をブロ
ック単位のデータがそろったものからデータの並び順に
関係なく進めることができるため、効率よくデータの再
生を行うことができる。

【００２１】（実施の形態１）以下に、本発明の請求項
１及び４から６に記載の発明の実施の形態について、図
１を用いて説明する。

【００２２】図１において、１は情報ディスクたとえば
光ディスクで記録面上に螺旋状にトラックが形成されて
おり、エラー訂正情報を付加して、インターリーブ手法
を用いてデータが記録されている。８はディスク駆動装
置たとえばディスク回転モーターで、コントローラ２０
よりの指令に基づき１の情報ディスクを所定の速度で回
転させる。２は読み取り装置例えば光ピックアップ装置
及びヘッドアンプで、コントローラ２０の制御により１
の情報ディスクの半径方向に可動に設置されており、記
録されたトラックの隣接する複数のトラックのデータを
同時に再生し、同時再生可能なトラック数分のアナログ
再生信号を出力する。３はＡ／Ｄ変換装置で、２で再生
された同時再生可能なアナログ信号をデジタル信号に変
換して出力する。４はフレームデータ用バッファメモリ
でリングバッファメモリが用いられ、３から出力された
同時再生可能なトラック数分のデジタルデータを１の情
報ディスクのインターリーブ長以上蓄え、バッファ上に
データが一杯になると先に書き込まれたデータから順に
新しいデータが重ね書きされて行く。５は、復号装置で
３のフレームデータ用バッファメモリに蓄えられたデー
タから必要なビットデータを抽出して、エラー訂正、復
号を行い出力する。６はデータ整列手段で５から同時読
み取り可能なトラック数分並列に出力されてくるデータ
をコントローラ２０の指令に基づきディスク上の先頭デ
ータから順に整列させる。７はデータ出力手段で６のデ
ータ整列手段により、整列されたデータのうち有効なデ
ータをコントローラ２０の司令により装置外部に出力す
る。２０はコントローラで、ディスク駆動装置８、読取
装置２、データ整列手段６、データ出力手段７を制御す
る。

【００２３】２の読み取り装置は、同時読み取り可能な
トラックのデータをディスクの回転により先頭から順に
トレースして読み取り、５の復号回路で順次復号して行
く。ディスクが１回転すると２の読み取り装置の読み取
りトラックはそれぞれ次トラックの先頭まで到達する。
このとき、４のフレームデータ用バッファメモリにはす
でに次トラックの先頭部分で読みとったデータは存在し
ないので、各トラックのデータを最後まで復号を行い、
６のデータ整列手段上で各トラックのデータが切れ目の
ない連続なデータとするために、更に１の情報ディスク
の最後尾のデータのインターリーブ長だけ次トラックの
データを重複して読み取ることで、フレームデータ用バ
ッファメモリの容量を最低限度としつつ同時読み取り可
能な各トラックのデータを並列に効率よく処理すること
ができる。

【００２４】ここで、５の復号装置は同時再生可能なト
ラック数分設けてもよいし、同時再生可能なトラック数
より少ない数とし、各トラックのデータを順次復号し、
該当するトラックのデータとして出力すれば復号回路の
速度が十分であれば復号回路の数を減らすことができ
る。

【００２５】なお、以上の説明では１の情報ディスクを
光ディスクで説明したが磁気ディスクでも同様に実施可
能である。また、２の読み取り装置を光ピックアップ及
びヘッドアンプで説明したが、磁気ヘッドおよびヘッド
アンプでも同様に実施可能である。

【００２６】（実施の形態２）以下に、本発明の請求項
２から６に記載の発明の実施の形態について、図２を用
いて説明する。

【００２７】図２において、１は情報ディスクたとえば
光ディスクで記録面上に螺旋状にトラックが形成されて
おり、エラー訂正情報を付加して、インターリーブ手法
を用いてデータが記録されている。８はディスク駆動装
置たとえばディスク回転モーターで、コントローラ２０
よりの指令に基づき１の情報ディスクを所定の速度で回
転させる。２は読み取り装置例えば光ピックアップ装置
及びヘッドアンプで、コントローラ２０の制御により１
の情報ディスクの半径方向に可動に設置されており、記
録されたトラックの隣接する複数のトラックのデータを
同時に再生し、同時再生可能なトラック数分のアナログ
再生信号を出力する。３はＡ／Ｄ変換装置で、２で再生
された同時再生可能なアナログ信号をデジタル信号に変
換して出力する。４はフレームデータ用バッファメモリ
例えばリングバッファメモリで、３から出力された同時
再生可能なトラック数分のデジタルデータを１の情報デ
ィスクのインターリーブ長以上蓄え、バッファ上にデー
タが一杯になると先に書き込まれたデータから順に新し
いデータが重ね書きされて行く。９は先頭データ記憶手
段で、４のフレームデータ用バッファメモリに蓄えられ
たデータのうち各トラックの先頭のデータを前トラック
の最後尾のデータのインターリーブ長分以上保存してお
く。５は、復号装置で３のフレームデータ用バッファメ
モリに蓄えられたデータから必要なビットデータを抽出
して、エラー訂正、復号を行い出力する。６はデータ整
列手段で５から同時読み取り可能なトラック数分並列に
出力されてくるデータをコントローラ２０の指令に基づ
きディスク上の先頭データから順に整列させる。７はデ
ータ出力手段で６のデータ整列手段により、整列された
データのうち有効なデータをコントローラ２０の司令に
より装置外部に出力する。２０はコントローラで、ディ
スク駆動装置８、読取装置２、データ整列手段６、デー
タ出力手段７を制御する。

【００２８】２の読み取り装置は、同時読み取り可能な
トラックのデータをディスクの回転により先頭から順に
トレースして読み取り、５の復号回路で順次復号して行
く。ディスクが１回転すると２の読み取り装置の読み取
りトラックはそれぞれ次トラックの先頭まで到達する。
このあと、９の先頭データ記憶手段に保存されているデ
ータをそれぞれのトラックのデータに接続するデータと
して用いることで、各トラックのデータを最後まで復号
を行い、６のデータ整列手段上で各トラックのデータが
切れ目のない連続なデータとすることができる。ただ
し、最後尾のトラックの最後尾のデータは、接続するト
ラックのデータが存在しないので破棄することになる。
ここで、９の先頭データ記憶手段は、最も先頭のトラッ
クの先頭データ記憶手段は不要なので設けなくてもよ
い。このように、各トラックの先頭データ領域を設ける
ことで、情報ディスク１の最後尾のデータのインターリ
ーブ長だけ次トラックのデータを重複して読み取る必要
がなくより効率的にデータの読み取りを進めることがで
きる。

【００２９】また、５の復号装置は同時再生可能なトラ
ック数分設けてもよいし、同時再生可能なトラック数よ
り少ない数とし、各トラックのデータを順次復号し、該
当するトラックのデータとして出力すれば復号回路の速
度が十分であれば復号回路の数を減らすことができるな
お、以上の説明では１の情報ディスクを光ディスクで説
明したが磁気ディスクでも同様に実施可能である。２の
読み取り装置を光ピックアップおよびヘッドアンプで説
明したが、磁気ヘッドおよびヘッドアンプでも同様に実
施可能である。

【００３０】（実施の形態３）以下に、本発明の請求項
７から１０に記載の発明の実施の形態について、図３を
用いて説明する。

【００３１】図３において、１は情報ディスクたとえば
光ディスクで記録面上に螺旋状にトラックが形成されて
おり、エラー訂正情報を付加して、インターリーブ手法
を用いてデータが記録されている。８はディスク駆動装
置たとえばディスク回転モーターで、コントローラ２０
よりの指令に基づき１の情報ディスクを所定の速度で回
転させる。１０はデータ読み出し手段で、コントローラ
２０の指令に基づき、情報ディスク上に記録されたデー
タを並列に再生し、各トラックのデジタルデータを出力
する。６はデータ整列手段で、そのうち１１はバッファ
メモリではデータ読み出し手段１０から出力されたデジ
タルデータを順次記憶し、１２はメモリ制御手段で、各
トラックのデータの先頭アドレス情報から、バッファメ
モリ上に、ディスクが１回転した後に接続するトラック
のデータと連続になるようにバッファメモリ上の各トラ
ックの先頭アドレスを決定し、再生されたデジタルデー
タを逐次バッファメモリ１１に書き込んで行き、１３は
エラー訂正手段で、情報ディスクに記憶されているデー
タが一定長のブロック単位でブロック完結型誤り訂正符
号を付加して記録されている場合には、読み取りトラッ
クのトラック順に関係なく、一定長のブロックのデータ
がそろったデータからエラーがある場合にはエラー訂正
を行い、訂正結果をもとの誤ったデータに上書きし、１
４はアドレス記憶手段で、読み取りトラックのうち最も
先頭のトラックのデータに接続して、先頭データからの
連続性が確保されたバッファメモリ上の最後尾のアドレ
スを記憶する。情報ディスクに記憶されているデータ
が、一定長のブロック単位でブロック完結型誤り訂正符
号を付加して記録されている場合には、読み取りトラッ
クのうち最も先頭のトラックのデータに接続して、先頭
データからの連続性が確保され、更に、エラーなし、ま
たはエラー訂正が終了したブロックのバッファメモリ上
の最後尾のアドレスを記憶する。７はデータ出力手段
で、バッファメモリ１１上のデータのうち、アドレス記
憶装置１４に記憶されているアドレスのデータまでを有
効なデータとして装置外部に出力する。２０はコントロ
ーラで、ディスク駆動装置８、読取装置２、データ整列
手段６、データ出力手段７を制御する。

【００３２】ここで、データ読み出し手段１０は、具体
的には、実施の形態１および実施の形態２で説明した方
法で実施可能であるが、それ以外にも前段階のエラー訂
正情報を付加してインターリーブ手法を用いた符号化法
を行っていない情報ディスクの場合や、インターリーブ
手法を用いた符号化法の復号後のデータを並列に出力す
ることが可能であれば同様に実施可能である。

【００３３】なお、バッファメモリ１１の容量は、最低
でも、読み取ったデータを整列させるため、１回転の最
大データ量Ｘ同時読み取り可能なトラック本数分必要
で、より効率的に読み取りを進めるためには、１回転の
データを読み取り終わったあと再生トラックを進める際
に、整列済みだが再生装置外部に未出力のデータがバッ
ファメモリ１１上にのこるため、さらに１回転の最大デ
ータ量Ｘ（同時読み取り可能なトラック本数−１）のバ
ッファメモリ容量が必要となる。しかし、エラー訂正情
報を付加して、インターリーブ手法を用いてデータが記
録されている情報ディスクの場合にはエラー訂正情報を
含む冗長度の高いデータを直接整列させる方法に比べて
データ整列用バッファメモリ容量がより少なくてすむと
ともに、バッファメモリ１１がデータ転送用のバッファ
メモリも兼ねるため、別途データ転送用のバッファメモ
リを設ける必要がなく、大容量のデータ転送用バッファ
メモリを確保でき、より効率よくデータを読取装置外部
に出力することができる。

【００３４】（実施の形態４）以下に、本発明の請求項
１１から１２に記載の発明の実施の形態について、図３
および、図４を用いて説明する。

【００３５】図３において、１は情報ディスクたとえば
光ディスクで記録面上に螺旋状にトラックが形成されて
おり、エラー訂正情報を付加して、インターリーブ手法
を用いてデータが記録されている。８はディスク駆動装
置たとえばディスク回転モーターで、コントローラ２０
よりの指令に基づき１の情報ディスクを所定の速度で回
転させる。１０はデータ読み出し手段で、コントローラ
２０の指令に基づき、情報ディスク上に記録されたデー
タを並列に再生し、各トラックのデジタルデータを出力
する。６はデータ整列手段で、そのうち１１はバッファ
メモリではデータ読み出し手段１０から出力されたデジ
タルデータを順次記憶し、１２はメモリ制御手段で、各
トラックのデータの先頭アドレス情報から、バッファメ
モリ上に、ディスクが１回転した後に接続するトラック
のデータと連続になるようにバッファメモリ上の各トラ
ックの先頭アドレスを決定し、再生されたデジタルデー
タを逐次バッファメモリ１１に書き込んで行き、１３は
エラー訂正手段で、情報ディスクに記憶されているデー
タが一定長のブロック単位でブロック完結型誤り訂正符
号を付加して記録されている場合には、読み取りトラッ
クのトラック順に関係なく、一定長のブロックのデータ
がそろったデータからエラーがある場合にはエラー訂正
を行い、訂正結果をもとの誤ったデータに上書きし、１
４はアドレス記憶手段で、読み取りトラックのうち最も
先頭のトラックのデータに接続して、先頭データからの
連続性が確保されたバッファメモリ上の最後尾のアドレ
スを記憶する。情報ディスクに記憶されているデータ
が、一定長のブロック単位でブロック完結型誤り訂正符
号を付加して記録されている場合には、読み取りトラッ
クのうち最も先頭のトラックのデータに接続して、先頭
データからの連続性が確保され、更に、エラーなし、ま
たはエラー訂正が終了したブロックのバッファメモリ上
の最後尾のアドレスを記憶する。７はデータ出力手段
で、バッファメモリ１１上のデータのうち、アドレス記
憶装置１４に記憶されているアドレスのデータまでを有
効なデータとして装置外部に出力する。２０はコントロ
ーラで、ディスク駆動装置８、読取装置２、データ整列
手段６、データ出力手段７を制御する。

【００３６】図４はディスクのトラックの配置を示す図
である。Ｔ１、Ｔ２、Ｔ３・・・はディスク上のデータ
トラックで、ディスクが１回転するとそれぞれＴ２、Ｔ
３、Ｔ４、・・・・に接続する。同時読み取り可能なト
ラック数が３である場合について説明する。Ｔ１、Ｔ
２、Ｔ３の読みとり後、再生トラックを進めるためにト
ラックジャンプを行うがトラックジャンプには一定の時
間がかかる。この間もディスクは回転しているためＴ
４、Ｔ５、Ｔ６の先頭位置もしくは先頭位置よりも手前
から再生を再開することは困難である。そこで、Ｔ３を
重複して読み取るように、Ｔ３、Ｔ４、Ｔ５にトラック
ジャンプを行う。トラックジャンプ後読み取り可能にな
ったらＴ４、Ｔ５は即座にデータの読み取りを開始す
る。Ｔ３にジャンプした読み取り手段は、トラックジャ
ンプ前に読み取られ、バッファメモリ１１上に書き込ま
れているデータの続きのデータが来るまでは重複するデ
ータをトレースし、未読み取りのデータがきた時点から
再生を再開する。このとき、重複するデータの読み取り
をそのまま行い、バッファメモリ１１上に重ね書きして
もよい。

【００３７】また、新たにデータの読み取りを開始する
場合や、これまでに読み取っていた個所から離れた個所
のデータを読み取る場合には、Ｔ２の先頭のデータから
読み取りたいとする。まず、データ読み出し手段１０の
読取装置を目的トラックにサーチ動作させるが、サーチ
動作中もディスクは回転しているため、ディスク１回転
中のどの位置から読み取りを開始できるかは不確定であ
る。そこで、Ｔ１、Ｔ２、Ｔ３を読み取るように読み取
りトラックをまず割り当て、読み取りトラックを進める
場合と同様にＴ２、Ｔ３の読み取りは、サーチ動作終了
直後より開始する。Ｔ１に割り当てられた読取装置は、
サーチ中ディスクが回転しているため、Ｔ１上のどの位
置から読み取りが開始できるかは不確定であるが、ディ
スク１回転以内には確実に目的のＴ２の先頭に到達する
ので、Ｔ２の先頭に到達した時点から、再生を再開すれ
ばよい。そして、ディスク１回転後更にデータを読み出
す必要があれば、トラックジャンプを行ってデータの読
み取りを継続する。

【００３８】ここで、データ読み出し手段１０は、具体
的には、実施の形態１および実施の形態２で説明した方
法で実施可能であるが、それ以外にも前段階のエラー訂
正情報を付加してインターリーブ手法を用いた符号化法
を行っていない情報ディスクの場合や、インターリーブ
手法を用いた符号化法の復号後のデータを並列に出力す
ることが可能であれば同様に実施可能である。また、こ
の例では同時読み取り可能なトラック数が３である場合
について説明したが、同時読み取り可能なトラック数が
２である場合や３よりも多くの同時読み取り可能なトラ
ック数がある場合も同様に実施可能である。

【００３９】次に本発明の具体例を、ＣＤ−ＲＯＭ再生
装置を例に図５を用いて説明する。この例では、同時に
３つの隣接するトラックのデータを再生することができ
る。

【００４０】図５において、１は情報ディスク、具体的
にはＣＤ、ＣＤ−ＲＯＭ規格のディスクで記録面上に螺
旋状にトラックが形成されており、Ｃ１、Ｃ２と呼ばれ
るエラー訂正情報を付加し、インターリーブ手法を用
い、インターリーブ長最大１０８ＣＤフレームで、デー
タが記録されている。８はディスク駆動装置で、ディス
クを回転させるためのディスク回転モーターであり、コ
ントローラ２０の指令に基づき、１の情報ディスクを所
定の速度で回転させる。具体的には、ＣＬＶ制御により
１０倍速相当で回転、ＣＡＶ制御で内周約１０倍速、外
周２４倍速相当で回転、など様々なバリエーションが考
えられる。今回は現在のＣＤ−ＲＯＭ業界で一般的なＣ
ＡＶ制御で、ディスクの最外周で２４倍速となるように
ディスクの回転を制御している。２は読み取り装置で、
光ピックアップ及びヘッドアンプ回路であり、光ピック
アップはコントローラ２０の指令に基づき１の情報ディ
スクの半径方向に動作し、記録されたトラックの隣接す
る３本のトラックのデータを同時に再生し、３つののア
ナログ再生信号を出力する。３はＡ／Ｄ変換装置で、２
で再生された３つのアナログ信号をデジタル信号に変換
し、更にＥＦＭ復調を行った後のデータを出力する。４
はフレームデータ用バッファメモリで、Ａ／Ｄ変換装置
３から出力された３つのデジタルデータを情報ディスク
１のインターリーブ長以上蓄え、バッファ上にデータが
一杯になると先に書き込まれたデータから順に新しいデ
ータが重ね書きされて行くリングバッファメモリとなっ
ている。９は先頭データ記憶手段で、４のフレームデー
タ用バッファメモリに蓄えられたデータのうち最も先頭
のトラックを除く各トラックの先頭のデータを前トラッ
クの最後尾のデータのインターリーブ長分以上保存して
おく。５は、復号装置で３のフレームデータ用バッファ
メモリに蓄えられたデータから必要なビットデータを抽
出して、ＣＩＲＣ復号、エラー訂正を行い出力する。復
号装置５は、同時再生可能名トラック数３に対して１個
が用意されており、各トラックのフレームデータ用バッ
ファメモリ４のデータを順次デコードし、該当するトラ
ックのデータとして出力する。６はデータ整列手段で、
そのうち１１はバッファメモリでディスク再生装置１０
から出力されたデジタルデータを順次記憶する。今回は
２５６Ｋバイトを確保し、アドレス００００Ｈ〜４００
００Ｈが割り当てられている。１２はメモリ制御手段
で、各トラックのデータの先頭アドレス情報から、バッ
ファメモリ上に、ディスクが１回転した後に接続するト
ラックのデータと連続になるようにバッファメモリ上の
各トラックの先頭アドレスを決定し、再生されたデジタ
ルデータを逐次バッファメモリ１１に書き込んで行く。
１３はエラー訂正手段で、ディスクに記録されているデ
ータが、ＣＤ−ＲＯＭ ＭＯＤＥ１データで、１セクタ
２３５２バイト単位のＥＣＣと呼ばれるブロック完結型
誤り訂正情報を含む場合には、読み取りトラック順に関
係なく、１セクタ２３５２バイトのデータがそろったセ
クタからエラーがある場合にはエラー訂正を行い、訂正
結果をもとの誤ったデータに上書きする。１４はアドレ
ス記憶手段で、読み取りトラックのうち最も先頭のトラ
ックのデータに接続して、先頭データからの連続性が確
保されたバッファメモリ上の最後尾のアドレスを記憶す
る。クに記憶されているデータが、ＣＤ−ＲＯＭ ＭＯ
ＤＥ１データで、１セクタ２３５２バイト単位のＥＣＣ
と呼ばれるブロック完結型誤り訂正情報を含む場合に
は、読み取りトラックのうち最も先頭のトラックのデー
タに接続して、先頭データからの連続性が確保され、更
に、エラーがないか、エラー訂正が終了したブロックの
バッファメモリ上の最後尾のアドレスを記憶する。７は
データ出力手段で、バッファメモリ１１上のアドレス記
憶装置１４に記憶されているアドレスのデータまでを有
効なデータとして装置外部に出力する。２０はコントロ
ーラで、ディスク駆動装置８のディスク回転制御、読取
装置２の半径方向の位置制御、データ整列手段６の動作
制御、データ出力手段７のデータ出力制御をおこなう。

【００４１】次に実際の読み取り動作について図４、図
６を用いて説明する。図４は、ＣＤ−ＲＯＭディスクの
トラックの配置を示す図である。Ｔ１、Ｔ２、Ｔ３・・
・はディスク上のデータトラックで、ディスクが１回転
するとそれぞれＴ２、Ｔ３、Ｔ４、・・・・に接続す
る。同時読み取り可能なトラック数が３である場合につ
いて説明する。

【００４２】まず、新たにデータの読み取りを開始する
場合を説明する。ここで、Ｔ２の先頭のデータから読み
出したいとすると、データ読み出し手段１０の読取装置
を目的トラックにサーチ動作させるが、サーチ動作中も
ディスクは回転しているため、ディスク１回転中のどの
位置から読み取りを開始できるかは不確定である。そこ
で、読み取り手段１０をＴ１、Ｔ２、Ｔ３の途中のいず
れかの場所のデータを読み取るように、読み取りトラッ
クをまず割り当てる。ここで、Ｔ１、Ｔ２、Ｔ３に割り
当てた読み取り手段を、Ｒ１、Ｒ２、Ｒ３とする。Ｒ
１、Ｒ２、Ｒ３はそれぞれ、Ｔ１、Ｔ２、Ｔ３の途中の
地点よりデータの読み取りが可能となる。Ｒ２、Ｒ３は
Ｔ２、Ｔ３の途中よりデータの読み取りを開始する。Ｒ
１は、１ディスク１回転以内にＴ２の先頭に来るので、
Ｔ２の先頭からデータの読み取りを開始する。読み取り
を開始すると、それぞれのトラックのデータは順次、Ａ
／Ｄ変換、ＥＦＭ復調され、フレームデータ用のリング
バッファメモリ４に貯えられる。インターリーブ長であ
る１０８ＣＤフレーム以上のデータがフレームデータ用
のリングバッファメモリ４に貯えられると、ＣＩＲＣデ
コード、Ｃ１、Ｃ２エラー訂正を復号装置５で行い、バ
ッファメモリ１１に出力する。また、先頭データ記憶手
段９を設けている場合には、Ｒ２、Ｒ３の読み取った先
頭の１０７ＣＤフレームのデータが、先頭データ記憶手
段９に保存される。バッファメモリ１１上では、Ｔ２、
Ｔ３、Ｔ４の半径はほぼ等しいと考え、各トラックの１
回転あたりのデータ容量が、９００ＣＤフレーム、約２
１Ｋバイトであり、Ｒ２はＴ２の先頭から４００ＣＤフ
レーム目の位置から読み取りを開始したとすると、Ｒ
１、Ｒ２、Ｒ３にバッファメモリ上のアドレスとして、
Ｒ１：０００００Ｈ〜０２５６８Ｈ、Ｒ２：０２５６９
Ｈ〜０７９Ｃ９Ｈ、Ｒ３：０７９ＣＡＨ〜が割り当てら
れる。そして、データがＣＤ−ＲＯＭデータで、ＥＣＣ
と呼ばれるブロック完結型のエラー訂正情報を含んでい
る場合には、１セクタ２３５２バイトのデータがそろっ
たセクタから順に、エラーがあるかどうかのチェック、
エラー訂正を行う。アドレス記憶手段１４は、Ｒ１が読
み取ったデータに接続して、連続性が確保され、なおか
つ、データがＣＤ−ＲＯＭデータで、ＥＣＣと呼ばれる
ブロック完結型のエラー訂正情報を含んでいる場合に
は、エラーがないか、エラー訂正が完了したデータのバ
ッファメモリ上の最後尾のアドレスを記憶しており、デ
ータ出力装置７は、バッファメモリ１１上のアドレス記
憶手段１４に記憶されているアドレスのデータまでを有
効なデータとして装置外部に出力する。

【００４３】Ｒ２、Ｒ３がデータの読み取りを開始して
からディスクが１回転し、Ｒ１、Ｒ２がそれぞれ、Ｒ
２、Ｒ３が読み取りを開始した地点まで来ると、先頭デ
ータ記憶手段９を設けていない場合は、各トラックのデ
ータを最後までデコードし、次トラックのデータと連続
なデータとするために、更に１０７ＣＤフレームを重複
して読み取る。先頭データ記憶手段９を設けている場合
には、Ｒ２、Ｒ３の読み取った先頭の１０７ＣＤフレー
ムのデータが先頭データ記憶手段９に保存されているの
で、このデータをそれぞれＲ１、Ｒ２の最後尾のデータ
として使用することで、Ｒ１とＲ２、Ｒ２とＲ３の読み
取ったデータが切れ目のない連続なデータとなる。

【００４４】上記の例で、ＥＣＣと呼ばれるブロック完
結型のエラー訂正情報を含んでいない場合には、Ｒ１の
読み取った、バッファメモリ１１上の０００００Ｈ〜０
２５６８Ｈのデータがそろった時点で、Ｒ２の読み取っ
た０２５６９Ｈ〜のデータが、更にＲ２のデータが〜０
７９Ｃ９Ｈまでそろうと、Ｒ３の読み取った０７９ＣＡ
Ｈ〜のデータが有効になる。また、ＥＣＣと呼ばれるブ
ロック完結型のエラー訂正情報を含むときは、同様に、
Ｒ１の読み取った、バッファメモリ１１上の０００００
Ｈ〜０２５６８Ｈのデータがそろった時点で、Ｒ１、Ｒ
２の領域にまたがる０２４Ｃ１Ｈ〜０２ＤＦ０Ｈのデー
タのエラーを検証、エラーなしか、エラー訂正が終了す
ると以降のデータが有効となってゆく。

【００４５】この間、説明したように、データの復号、
エラー訂正は必要なデータがそろったものから順におこ
なわれ、ディスクが１回転して１トラック分のデータを
読み取り終わったときには、ほぼデータの復号、エラー
訂正を完了することができるため、読み取りエラーが発
生した場合も読み取りトラックを進めた後再び読み取り
トラックを戻して再読み取りを試みなければならない確
率が低くなり、復号回路の使用効率も常にほぼ一定とす
ることができるので、効率よくデータの読み取り、復
号、エラー訂正を進めることができる。

【００４６】次に、読み取りトラックを進めるためにト
ラックジャンプを行うが、トラックジャンプには一定の
時間がかかる。この間もディスクは回転しているため、
Ｒ１をＲ３の読み取った最後尾のＴ４の途中の位置にト
ラックジャンプさせ、読み取りを開始させることは困難
である。また、先頭データ記憶手段９を設けていない場
合には、トラックジャンプ開始時にはすでに、Ｒ１が読
み取りを開始したい位置から１０７ＣＤフレーム分進ん
でいることになる。そこで、Ｒ１はすでに読み取り済み
のトラックに重複するように、Ｒ１、Ｒ２、Ｒ３をＴ
４、Ｔ５、Ｔ６にトラックジャンプさせる。トラックジ
ャンプ後は同様にＲ２、Ｒ３は即座に読み取りを再開す
る。Ｒ１は即座に読み取りを再開し、トラックジャンプ
前に読み取られたデータに上書きしても良いし、読み取
り済みのデータと比較を行っても良い。また、この重複
する部分で読み取りエラーが発生している場合には、Ｒ
２、Ｒ３は未読み取り部分の読み取りを継続しながらＲ
１で再読み取りを試みることもできる。あるいは、未読
み取り領域が来るまではＲ１は読み取り動作を行わなく
ても良い。以降同様に、トラックジャンプを行いながら
読み取り動作を進めてゆく。

【００４７】この方法では、今回用いた最大２４倍速の
ＣＡＶ制御でディスクを回転させる方法では、サーチ直
後は同時読み取りトラック数３で、従来の約２倍から３
倍、読み取りトラックを進める際には約２倍の速度で読
み取りが可能になるので、最外周で約４８倍速での読み
取りが可能となる。同時読み取り可能なトラック数が３
以上ある場合や、ＣＬＶ制御とした場合でも同様に同時
読み取り可能なトラック数が１である場合の約Ｎ−１倍
の速度でデータの読み取りが可能である。

【００４８】また、フレームデータ用バッファメモリ４
は、１トラックあたり、１ＣＤフレームあたりデータ量
が３２バイト、インターリーブ長１０８ＣＤフレーム
で、マージンとして＋／−１１ＣＤフレームを取り、３
２Ｘ（１０８＋１１＋１１）＝４１６０バイトを確保す
る。また先頭データ記憶手段９は、１０７ＣＤフレーム
分３４２４バイトとなる。３トラックのデータを同時に
再生する場合には必要な容量は、フレームデータ用バッ
ファメモリ４、先頭データ記憶手段９の容量の合計で、
４１６０Ｘ３＋３４２４Ｘ２＝１９３２８バイト（先頭
データ記憶手段９は最も先頭のトラック分は不要であ
る。)、先頭データ記憶手段９を確保せずメモリ容量を
最低限度とした場合は、４１６０Ｘ３＝１２４８０バイ
トとなる。

【００４９】一方、データ整列手段６のバッファメモリ
１１の容量は、線速度１．２５ｍ／ｓｅｃのディスクで
ディスクの最外周付近で通常速で再生している場合、１
回転に要する時間は約２９０ｍｓであるから、のデータ
容量は、１７１Ｋバイト／ｓｅｃＸ０．２９ｓｅｃ＝約
５０Ｋバイトである。同時読み取りトラック数３で考え
ると、１回転分の容量、５０ＫＸ３＝１５０Ｋバイト、
更に読み取りトラックを進める際にバッファメモリ１１
上には最大で２トラック分のデータが残ると考えると、
最大で１５０Ｋ＋５０ＫＸ２＝２５０Ｋバイトの容量が
必要になる。そこで、今回は２５６Ｋバイトのバッファ
メモリ容量とした。

【００５０】これを、従来のＣＩＲＣエラー訂正前に整
列させる方法で考えると、ＣＩＲＣエラー訂正は２４バ
イトのデータに対してＣ１、Ｃ２各４バイトのパリティ
が付加されているから、約１．３３倍の３３３Ｋバイト
のデータ整列用バッファメモリが必要になる。また、通
常は、更にＥＣＣ及びデータ転送用のバッファメモリも
別途必要となるので、これをＡＴＡＰＩインターフェイ
スの場合で一般的な１２８Ｋバイト確保すると、合計
で、４６０Ｋバイトが必要となる。

【００５１】従って、この実施例では、合計で先頭デー
タ記憶手段９を確保しない場合で、２６２Ｋバイト、先
頭データ記憶手段９を確保すると２６９Ｋバイト、従来
のＣＩＲＣエラー訂正前に整列させる方法では、４６０
Ｋバイトが必要で約４０％のメモリ容量削減が可能とな
る。このように、データ整列用のバッファメモリ１１が
ＥＣＣエラー訂正、及びデータ転送用のバッファメモリ
を兼ねるため別途ＥＣＣエラー訂正、データ転送用のバ
ッファメモリを設けなくてもよく、データ転送用のバッ
ファメモリが大容量となるので、より効率よく読み取り
装置外部にデータを転送することが可能になる。

【００５２】

【発明の効果】以上の様に、本発明によればデータの再
生、復号、エラー訂正が並行して行われ、またトラック
ジャンプ後即座にデータの読み取りを再開するので効率
よくデータの読み取りが行われ、冗長度のより低いデー
タを用いて並列に読み取ったデータの整列を行うので、
データ整列用バッファメモリ容量をより少なくすること
ができる。また、データ整列用のバッファメモリがデー
タ転送用のバッファメモリも兼ねるため、データ転送用
のバッファメモリを別途設ける必要がなく、さらに、大
容量のデータ出力用バッファメモリが確保されるので、
効率よく読取装置外部へデータを出力することが可能と
なる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の形態１におけるマルチトラック
ディスク再生装置のブロック図

【図２】本発明の実施の形態２におけるマルチトラック
ディスク再生装置のブロック図

【図３】本発明の実施の形態３におけるマルチトラック
ディスク再生装置のブロック図

【図４】記録面上に螺旋状にトラックが形成された情報
ディスクのトラック配置図

【図５】本発明をＣＤ−ＲＯＭ装置に応用した場合のマ
ルチトラックディスク再生装置のブロック図

【符号の説明】

１ 情報ディスク ２ 読み取り装置 ３ Ａ／Ｄ変換装置 ４ フレームデータ用バッファメモリ ５ 復号装置 ６ データ整列手段 ７ データ出力手段 ８ ディスク駆動装置 ９ 先頭データ記憶手段 １０ データ読み出し手段 １１ バッファメモリ １２ メモリ制御手段 １３ エラー訂正手段 １４ アドレス記憶手段 ２０ コントローラ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平９−22533（ＪＰ，Ａ) 特開 平４−195972（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) G11B 20/10

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】記録面上に螺旋状に複数のトラックが形成
   され、エラー訂正情報を付加し、インターリーブ手法を
   用いて符号化され、記録された情報ディスク上の隣接す
   る複数個のトラックの信号を並列に再生するマルチトラ
   ックディスク再生装置において、情報ディスクから隣接
   する複数のトラックの信号を並列に再生する信号再生手
   段と、出力された複数個のトラックの読み取り信号のそ
   れぞれをデジタルデータに変換するデータ変換手段と、
   変換された複数トラックの読み取りデータをインターリ
   ーブ長以上記憶する記憶手段と、前記記憶手段に貯えら
   れたデータから目的のデータを復号し出力する復号手段
   と、並列に出力されたデータを前記情報ディスク上のア
   ドレス順に整列させるデータ整列手段と、整列済みの有
   効なデータを前記ディスク再生装置外部に出力するデー
   タ出力手段を備え、前記複数個のトラックのデータを各
   トラックの最後尾まで読み取った後も、接続するトラッ
   クの先頭のデータをインターリーブ長以上重複して読み
   取り、それぞれのトラックの最後尾のデータと接続する
   トラックの先頭のデータを用いて、各トラックのインタ
   ーリーブされたデータを復号し、前記データ整列手段に
   出力することを特徴とするマルチトラックディスク再生
   装置およびその再生方法。
2. 【請求項２】記録面上に螺旋状に複数のトラックが形成
   され、エラー訂正情報を付加し、インターリーブ手法を
   用いて符号化され、記録された情報ディスク上の隣接す
   る複数個のトラックの信号を並列に再生するマルチトラ
   ックディスク再生装置において、情報ディスクから隣接
   する複数のトラックの信号を並列に再生する信号再生手
   段と、出力された複数個のトラックの読み取り信号のそ
   れぞれをデジタルデータに変換するデータ変換手段と、
   変換された複数トラックの読み取りデータをインターリ
   ーブ長以上記憶する記憶手段と、各トラックの先頭から
   インターリーブ長分以上のデータを保存する先頭領域記
   憶手段と、前記記憶手段に貯えられたデータから目的の
   データを復号し出力する復号手段と、並列に出力された
   データを前記情報ディスク上のアドレス順に整列させる
   データ整列手段と、整列済みの有効なデータを前記ディ
   スク再生装置外部に出力するデータ出力手段を備え、前
   記複数トラックのデータをトラックの最後尾まで読み取
   った後は、それぞれのトラックの最後尾のデータと接続
   するトラックの先頭領域記憶手段に貯えられているデー
   タを用いて、各トラックのインターリーブされたデータ
   を復号し、前記データ整列手段に出力することを特徴と
   するマルチトラックディスク再生装置およびその再生方
   法。