JP3396585B2 - 顔料分散物及びそれを用いたオフセット印刷用インキ組成物 - Google Patents

顔料分散物及びそれを用いたオフセット印刷用インキ組成物

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JP3396585B2 JP24384396A JP24384396A JP3396585B2 JP 3396585 B2 JP3396585 B2 JP 3396585B2 JP 24384396 A JP24384396 A JP 24384396A JP 24384396 A JP24384396 A JP 24384396A JP 3396585 B2 JP3396585 B2 JP 3396585B2
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    • C09K23/52Natural or synthetic resins or their salts

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インキ、塗料或い
は顔料分散レジスト等の産業分野において、非水溶媒中
で顔料を高濃度に微分散しかつ安定化するのに好適であ
り、特にオフセット印刷用インキの分野において優れた
顔料分散性と印刷適性を両立するのに有用な顔料分散物
及びそれを用いたオフセット印刷用インキ組成物に関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、顔料は、インキ、塗料或いは顔
料分散レジスト等の被覆剤において、着色、遮光、防錆
等を目的として幅広く使用されている。これら被覆剤に
は、鮮明な色調、高い光沢と着色力、高い透明性、取扱
い時や塗布時、印刷時等に必要な高い流動性、また長期
間保存しても顔料が再凝集を起こすことのない安定性が
要求される。このためには顔料濃度を高くしても微分散
性を良好に維持する必要がある。しかし、顔料は練肉機
で一旦は微分散化されても、微分散化された顔料粒子同
士が再凝集により高次構造を形成し易く、安定な微分散
体を得ることは困難なことが多く、鮮明さの低下、着色
力の低下、透明性の低下、粘度上昇や静置された分散物
の降伏値の上昇、温度上昇に伴う流動性の低下等の現象
が現れる。これらの現象は印刷物や塗布物の品質を低下
させるだけでなく、印刷や塗布の工程、更にはインキ、
塗料、顔料分散レジスト等の製造工程におけるトラブル
を引き起こす原因にもなる。
【0003】これらの問題を改良するために顔料分散剤
を用いた種々の方法が行われてきた。たとえば特開昭6
3−363号公報には、長鎖ヒドロキシカルボン酸から
誘導されるポリエステルの末端に銅フタロシアニン残基
を導入した顔料分散剤、特開昭61−234919号公
報には、長鎖ヒドロキシカルボン酸から誘導されるポリ
エステルとポリエチレングリコールジアミンとを反応さ
せた顔料分散剤、特開昭61−163977号公報に
は、長鎖ヒドロキシカルボン酸から誘導されるポリエス
テルにピペラジン類を反応させた顔料分散剤、特公昭6
3−30057号公報には、長鎖ヒドロキシカルボン酸
のポリエステルにポリ(低級アルキレン)イミンを反応
させた分散剤、特公昭56−38909号公報には、長
鎖ヒドロキシカルボン酸の金属塩からなる顔料分散剤が
開示されている。
【0004】しかしながら、これら顔料分散剤は、非水
分散系における顔料の高濃度化、分散の安定化という点
においては一応の効果は認められるが、顔料の微分散安
定化に関して依然満足な効果が得られないという問題を
有するものであった。
【0005】その上、従来の顔料分散剤をオフセット印
刷用インキに用いた場合はインキの乳化を必要以上に促
進する性質を持つため、インキの乳化特性に少なからず
悪影響をもたらし満足な印刷物が得られないという問題
を有するものであった。即ち、湿し水と呼ばれる水成分
を用い界面化学的な反発を利用して画像形成をするオフ
セット印刷方式においては、湿し水に対するインキの乳
化特性に悪影響をもたらすような顔料分散剤の使用は非
画像部にインキが転移する“汚れ”現象が発生する等、
印刷適性に関わる種々の問題を生じる結果となる。この
ため乳化特性を適性な状態に戻すために、新たな添加剤
を使わざるを得なかったり、顔料分散剤の用途範囲や使
用量を制限せざるを得ないのが現状である。更に、含水
顔料ケーキ中の水を油性ビヒクルと置換する、いわゆる
フラッシングによりインキベースを調製する際に従来の
顔料分散剤を使用すると、油性ビヒクルと水との分離が
悪い等の製造効率の悪化も招くという問題があった。
【0006】このように、顔料分散剤には単に顔料を微
分散安定化するだけでなく、インキ、塗料、顔料分散レ
ジスト等の製造や印刷における諸適性を良好に維持する
ことが要求される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこれらの問題
を解決するためになされたものであり、高い顔料濃度に
おいても顔料が良好に微分散安定化され、且つ、オフセ
ット印刷用インキ組成物に用いても乳化適性や印刷適性
を損なうことのない新規な顔料分散物を提供すること、
及びそれを用いたオフセット印刷用インキ組成物を提供
することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべく研究を重ねた結果、以下に示す特定の化合
物群がこれらの課題を解決できることを見出し、本発明
を完成するに至ったものである。
【0009】即ち、本発明は、(1)顔料、顔料分散剤
及び必要に応じてバインダー樹脂を含む顔料分散物にお
いて、顔料分散剤として、芳香環及びヒドロキシカルボ
ン酸由来のカルボキシル基によるエポキシ基の開環構造
を有する、下記変性ノボラック樹脂(A)及び/又は下
記グラフト共重合体(B)を、顔料100重量部に対し
少なくとも0.2重量部含有することを特徴とする顔料
分散物に関する。
【0010】(A)分子内に一般式(1)で表わされる
基を少なくとも1つ有する変性ノボラック樹脂。
【0011】
【化12】
【0012】(式中、左端の酸素原子はノボラック樹脂
の芳香族性水酸基に含まれる酸素原子に由来するもので
あり、W1とX1はそれぞれ独立に炭素数1〜19の2価
の炭化水素基を、iとjはそれぞれ独立にi=1〜3
0、j=0〜30の整数を、R1は水素原子或いはメチ
ル基を示す)
【0013】(B)重量平均分子量3000〜1000
00のグラフト共重合体であって、当該グラフト共重合
体中、一般式(2)で表される構成単位を少なくとも1
0モル%相当する量、及び一般式(3)及び一般式
(4)で表される構成単位から選ばれる1種以上を少な
くとも10モル%相当する量含有するグラフト共重合
体。
【0014】
【化13】
【0015】(式中、W2とX2はそれぞれ独立に炭素数
1〜19の2価の炭化水素基を、pとqはそれぞれ独立
にp=1〜30、q=0〜30の整数を、R2、R3およ
びR4はそれぞれ独立に水素原子或いはメチル基を、R5
は水素原子或いはハロゲン原子を、R6とR7はそれぞれ
独立に水素原子、炭素数1〜5の炭化水素基、炭素数1
〜5のアルコキシ基、炭素数6〜10のアリールオキシ
基、或いはハロゲン原子を、R8は水素原子又はメチル
基を、R9は直接結合(フェニル基がカルボニル基に隣
接する酸素原子に直接結合していることを意味する)又
はメチレン基を示す)
【0016】また、本発明は、(2)前記(1)項記載
の変性ノボラック樹脂が、分子内に更に一般式(5)で
表わされる基を少なくとも1つ有する変性ノボラック樹
脂であることを特徴とする顔料分散物に関する。
【0017】
【化14】
【0018】(式中、左端の酸素原子はノボラック樹脂
の芳香族性水酸基に含まれる酸素原子に由来するもので
あり、Yは接続端に酸素原子或いは窒素原子を有し炭素
数が1〜20の範囲にある1価の有機基〔ただし、一般
式(6):
【0019】
【化15】
【0020】(式中、W1およびiは前記と同じ)で表
される基を除く〕を、R10は水素原子或いはメチル基を
示す)
【0021】また、本発明は、(3)前記(1)項又は
(2)項記載の変性ノボラック樹脂が、更に、同一分子
内又は異なる分子間で、一般式(7)で表わされる架橋
基で架橋されている変性ノボラック樹脂であることを特
徴とする顔料分散物に関する。
【0022】
【化16】
【0023】(式中、右端の酸素原子はノボラック樹脂
の同一分子内又は異なる分子の芳香族性水酸基に含まれ
る酸素原子に由来するものであり、Zは接続端に酸素原
子或いは窒素原子を有し炭素数が1〜40の範囲にある
2〜6価の有機基を、kは2〜6の範囲にある整数を、
11は水素原子或いはメチル基を示す)
【0024】また、本発明は、(4)前記(1)項〜
(3)項のいずれかに記載の変性ノボラック樹脂の芳香
族性水酸基の残存率が5.0%以下であることを特徴と
する顔料分散物に関する。
【0025】また、本発明は、(5)前記(1)項〜
(4)項のいずれかに記載の変性ノボラック樹脂が、分
子内に更に一般式(8)で表される基を少なくとも1つ
有し、芳香族性水酸基を保有しない変性ノボラック樹脂
であることを特徴とする顔料分散物。
【0026】
【化17】
【0027】(式中、左端の酸素原子はノボラック樹脂
の芳香族性水酸基に含まれる酸素原子に由来するもので
あり、R12は、水素原子或いはメチル基を示す)
【0028】また、本発明は、(6)前記(1)項記載
のグラフト共重合体が、分子内に更に一般式(9)で表
される構成単位を少なくとも1つ有するグラフト共重合
体であることを特徴とする顔料分散物に関する。
【0029】
【化18】
【0030】(式中、Vは接続端に酸素原子或いは窒素
原子を有し炭素数が1〜20の範囲にある1価の有機基
〔ただし、一般式(10):
【0031】
【化19】
【0032】(式中、W2およびpは前記と同じ)で表
される基を除く〕を、R13とR14はそれぞれ独立に水素
原子或いはメチル基を示す)
【0033】また、本発明は、(7)前記(1)項又は
前記(6)項記載のグラフト共重合体が、分子内に更に
一般式(11)で表される構成単位を少なくとも1つ有
するグラフト共重合体であることを特徴とする顔料分散
物に関する。
【0034】
【化20】
【0035】(式中、R15とR16はそれぞれ独立に水素
原子又はメチル基を示す)
【0036】また、本発明は、(8)前記(1)項〜
(5)項のいずれかに記載の一般式(1)で表わされる
基が、一般式(12)で表わされる基であることを特徴
とする顔料分散物に関する。
【0037】
【化21】
【0038】(式中、左端の酸素原子はノボラック樹脂
の芳香族性水酸基に含まれる酸素原子に由来するもので
あり、W3とX3はそれぞれ独立に炭素数11〜19の2
価の炭化水素基を、iとjはそれぞれ独立にi=1〜3
0、j=0〜30の整数を、R1は水素原子或いはメチ
ル基を示す)
【0039】また、本発明は、(9)前記(1)項又は
(6)〜(7)項のいずれかに記載の一般式(2)で表
される構成単位が、一般式(13)で表される構成単位
であることを特徴とする顔料分散物に関する。
【0040】
【化22】
【0041】(式中、W4とX4はそれぞれ独立に炭素数
11〜19の2価の炭化水素基を、pとqはそれぞれ独
立にp=1〜30、q=0〜30の整数を、R2とR3
それぞれ独立に水素原子或いはメチル基を示す)
【0042】また、本発明は、(10)前記(8)項又
は(9)項記載の顔料分散物を含有することを特徴とす
るオフセット印刷用インキ組成物に関する。
【0043】
【発明の実施の形態】本発明においては、顔料分散剤と
して、分子内に、芳香環及びヒドロキシカルボン酸由来
のカルボキシル基によるエポキシ基の開環構造を有す
る、変性ノボラック樹脂及び/又はグラフト共重合体を
使用することにより、高濃度顔料の微分散体に特有の構
造粘性が抑えられ、インキ、塗料、顔料分散レジスト等
の取扱い時や塗布、印刷及び製造時に必要な高い流動性
と、長期間に渡り顔料が再凝集を起すことのない高い安
定性が得られる。特に乳化を促進しないという特性も併
せもつため、オフセット印刷用インキ組成物の乳化適性
や印刷適性の改善にも優れた効果を発揮する。これによ
り、鮮明な色調、高い光沢と着色力、高い透明性を有す
る印刷物が得られる。
【0044】以下、本発明の、顔料、顔料分散剤及び必
要に応じてバインダー樹脂を含む顔料分散物において、
顔料分散剤として変性ノボラック樹脂及び/又はグラフ
ト共重合体を含有せしめた顔料分散物及びそれを用いた
オフセット印刷用インキ組成物について詳しく説明す
る。なお、本発明におけるオフセット印刷用インキ組成
物は、印刷機に使用する最終製品たるオフセット印刷用
インキのみならず、その前段階のオフセット印刷用イン
キベース等をも含む概念である。
【0045】まず、本発明の変性ノボラック樹脂につい
て説明する。
【0046】本発明の変性ノボラック樹脂を得るために
用いるノボラック樹脂としては、一価フェノール類やジ
或いはトリヒドロキシベンゼン等の多価フェノール類と
アルデヒド類とから誘導されるノボラック樹脂を使用す
ることができる。このうち一価フェノールとしては、フ
ェノール、クレゾール、キシレノール、トリメチルフェ
ノール、プロピルフェノール、ブチルフェノール、アミ
ルフェノール、ヘキシルフェノール、オクチルフェノー
ル、ノニルフェノール、ドデシルフェノール等の無置換
フェノール類もしくはアルキル置換フェノール類、モノ
ヒドロキシジフェニルメタン類、或いはフェニルフェノ
ール等の芳香族置換基を有するフェノール類が使用でき
る。多価フェノール類としては、カテコール、レゾルシ
ノール、ハイドロキノンもしくはトリヒドロキシベンゼ
ン等のジ或いはトリヒドロキシベンゼン類、もしくはこ
れらのアルキル置換体或いは芳香族置換体が使用でき
る。また、ビスフェノールA、ビスフェノールF等のジ
ヒドロキシジフェニルメタン類、ジヒドロキシビフェニ
ル類等も使用することができる。また、前記フェノール
類のハロゲン置換体も使用でき、例えば塩素化或いは臭
素化フェノール類等を挙げることができる。これらフェ
ノール類は単独で、又は2種類以上を混合して使用する
ことができる。
【0047】フェノール類としては、反応性の点から、
一価フェノール類ではフェノール、メタ位がアルキル基
1個で置換されたフェノール類等が好ましく、多価フェ
ノール類ではレゾシノール等が好ましい。
【0048】アルデヒド類としてはノボラック樹脂の製
造に一般に使用されているものがとくに制限なく使用す
ることができる。具体的にはホルムアルデヒド、パラホ
ルムアルデヒド、トリオキサンや環状ホルマール類、ア
セトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、n−ブチルア
ルデヒド、イソブチルアルデヒド、グリオキサール等の
低級脂肪族アルデヒド類、フルフラール、フェニルアル
デヒド等の芳香族アルデヒド類等が挙げられる。これら
アルデヒド類は単独で、又は2種類以上を混合して使用
できる。
【0049】ノボラック樹脂を合成するには、常法によ
りパラトルエンスルホン酸、過塩素酸、塩酸、硝酸、硫
酸、クロロ酢酸、シュウ酸、リン酸等の酸触媒の存在下
に、これらフェノール類とアルデヒド類とを80〜13
0℃で反応させればよい。反応はゲル浸透クロマトグラ
フィー(GPC)で分子量を測定するなどして追跡する
ことができる。
【0050】この他、サリゲニンのようにヒドロキシメ
チル基を持つフェノール誘導体や、o−クロロメチルフ
ェノールのようにハロゲン化メチル基を持つフェノール
誘導体を用いる方法でノボラック樹脂を合成しても良
い。
【0051】次に、ノボラック樹脂を、常法によりエピ
クロルヒドリン或いはβ−メチルエピクロルヒドリンと
反応させ、エポキシ基を有するノボラック樹脂を得る。
勿論、市販のエポキシ基を有するノボラック樹脂も使用
できる。
【0052】最後に、エポキシ基を有するノボラック樹
脂を後述するカルボン酸類やアミン類と反応させて目的
とする変性ノボラック樹脂を得る。この反応には必要に
応じて溶媒を用い、また必要に応じて脂肪族アミン、芳
香族アミン、アンモニウム塩等の触媒を用い、60〜1
60℃に加熱して行うことができる。反応の進行はGP
Cによる分子量測定、エポキシ当量の測定等で追跡する
ことができる。
【0053】このようにノボラック樹脂を合成してから
変性を行う他に、先ず上述した一価フェノール類や多価
フェノール類の芳香族性水酸基をエピクロルヒドリン或
いはβ−メチルエピクロルヒドリンと反応させ、グリシ
ジルオキシ基或いは2,3−エポキシ−2−メチルプロ
ピルオキシ基を形成し、これを後述するカルボン酸類や
アミン類と反応させた後、必要に応じて新たなフェノー
ル類を加え、アルデヒド類を用いてノボラック樹脂化の
反応を行うことによっても本発明の変性ノボラック樹脂
を得ることができる。
【0054】本発明の変性ノボラック樹脂における一般
式(1)又は一般式(12)で表わされる基は、芳香族
性水酸基に、エピクロルヒドリン或いはβ−メチルエピ
クロルヒドリンを反応させ、その後、不飽和結合や分岐
構造を有してもよい炭素数2〜20のヒドロキシカルボ
ン酸、これらの混合物、或いはその重縮合物又は不飽和
結合や分岐構造を有してもよい炭素数12〜20のヒド
ロキシカルボン酸、これらの混合物、或いはその重縮合
物を反応させて得ることができる。
【0055】一般式(1)において、左端の酸素原子は
ノボラック樹脂の芳香族性水酸基に含まれる酸素原子に
由来するものであり、W1とX1は不飽和結合および/ま
たは分岐構造を有してもよい炭素数が1〜19の範囲に
ある2価の炭化水素基を、R1は水素原子或いはメチル
基を示し、一般式(12)において、左端の酸素原子は
ノボラック樹脂の芳香族性水酸基に含まれる酸素原子に
由来するものであり、W3とX3は不飽和結合および/ま
たは分岐構造を有してもよい炭素数が11〜19の範囲
にある2価の炭化水素基を、R1は水素原子或いはメチ
ル基を示す。
【0056】一般式(1)において、一般式(6):
【0057】
【化23】
【0058】(式中、W1およびiは前記と同じ)で表
わされる基および一般式(14):
【0059】
【化24】
【0060】(式中、X1およびjは前記と同じ)で表
わされる基は、不飽和結合及び/又は分岐構造を有して
もよい炭素数が2〜20の範囲にあるヒドロキシカルボ
ン酸、これらの混合物、或いはこれらの重縮合物から誘
導することができる。また、一般式(12)において、
一般式(15):
【0061】
【化25】
【0062】(式中、W3およびiは前記と同じ)で表
わされる基および一般式(16):
【0063】
【化26】
【0064】(式中、X3およびjは前記と同じ)で表
わされる基は、不飽和結合及び/又は分岐構造を有して
もよい炭素数が12〜20の範囲にあるヒドロキシカル
ボン酸、これらの混合物、或いはこれらの重縮合物から
誘導することができる。
【0065】該ヒドロキシカルボン酸としては、グリコ
ール酸、乳酸、オキシ酪酸、ヒドロキシ吉草酸、ヒドロ
キシカプロン酸、ヒドロキシカプリル酸、ヒドロキシカ
プリン酸、ヒドロキシラウリン酸、ヒドロキシミリスチ
ン酸、ヒドロキシパルミチン酸、リシノール酸やひまし
油脂肪酸、及びそれらの水添物、12−ヒドロキシステ
アリン酸等が挙げられる。極性の高い溶剤を使用する塗
料、顔料分散レジスト等に用いる場合は、炭素数の少な
い、たとえば炭素数2〜11の範囲にあるヒドロキシカ
ルボン酸が好ましく、低極性のオフセット印刷用インキ
組成物に用いる場合は、炭素数が12〜20の範囲にあ
るヒドロキシカルボン酸、好ましくは、炭素数が16〜
20の範囲にあるリシノール酸やひまし油脂肪酸、及び
それらの水添物、12−ヒドロキシステアリン酸等のヒ
ドロキシカルボン酸が好適に使用できる。
【0066】繰り返し数iは1〜30の範囲にある整
数、jは0〜30の範囲にある整数を示す。ただし、適
切な値は使用する顔料の種類、顔料粒子の比表面積や粒
子径、顔料表面処理剤の性質、分散媒の極性等に応じて
変化するものであり、用途に応じて最適値を選ぶ必要が
ある。iまたはjの値が前記範囲を超えても顔料分散性
をそれ以上改善することはできない。
【0067】一般式(1)における一般式(6)又は一
般式(14)で表わされる基、又は一般式(12)にお
ける一般式(15)又は一般式(16)で表される基の
形成は、たとえば、予めヒドロキシカルボン酸の重縮合
によりポリエステルを合成しておき、その末端カルボキ
シル基を上述のエポキシ基と反応させる方法、もしくは
ヒドロキシカルボン酸のカルボキシル基を上述のエポキ
シ基と反応させた後、更にヒドロキシカルボン酸を重縮
合する方法などによってできる。
【0068】該ヒドロキシカルボン酸の重縮合反応は、
パラトルエンスルホン酸、オクチル酸第一錫、ジブチル
錫ジアセテート、テトラ−n−ブチルチタネート等の触
媒の存在下または非存在下に反応系を180〜220℃
に加熱撹拌し、生成する水をトルエンやキシレン等の共
沸溶媒により除去しつつ行うことができる。反応はGP
Cによる分子量測定や酸価の測定等で追跡することがで
きる。
【0069】本発明の変性ノボラック樹脂は、分子中に
一般式(1)又は一般式(12)で表わされる基を必ず
持っていなければならない。一般式(1)又は一般式
(12)で表わされる基の数は1〜20の範囲にあるの
が好ましい。この基がない場合は十分な顔料分散性が得
られない。該基の数が前記範囲を超えても効果はあるも
のの、そのために必要な核体数の多いノボラック樹脂の
分子量制御が非常に難しくなるため、現実的には20が
上限となる。ただし、適切な値は顔料の種類、顔料粒子
の比表面積や粒子径、顔料表面処理剤の有無或いはその
性質、分散媒の極性等に応じて変化するものであり、用
途に応じて最適値を選択する必要がある。
【0070】また、本発明の変性ノボラック樹脂は、分
子内に更に一般式(5)で表わされる基を持っていても
よい。一般式(5)において、左端の酸素原子はノボラ
ック樹脂の芳香族性水酸基に含まれる酸素原子に由来す
るものであり、Yは接続端に酸素原子或いは窒素原子を
持ち炭素数が1〜20の範囲にある1価の有機基(ただ
し、一般式(6)で表わされる基を除く)を、R10は水
素原子或いはメチル基を示す。
【0071】一般式(5)で表わされる基は、芳香族性
水酸基に、エピクロルヒドリン或いはβ−メチルエピク
ロルヒドリンを反応させ、その後、1価のカルボン酸類
又は1価のアミン類とを反応させることにより得られ
る。
【0072】1価のカルボン酸類の具体例としては、酢
酸、プロピオン酸、酪酸、カプロン酸、カプリル酸、カ
プリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、
ステアリン酸等の飽和脂肪酸類、オレイン酸、エライジ
ン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、エレオ
ステアリン酸、オレイン酸等の不飽和脂肪酸類やそれら
の水添物等が使用できる。
【0073】1価のアミン類としては、メチルアミン、
エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、アミル
アミン、オクチルアミン、ドデシルアミン、ステアリル
アミン、ベンジルアミン等の脂肪族1級モノアミン類、
アニリン、ナフチルアミン等の芳香族1級モノアミン
類、及びこれらのN−モノアルキル置換による2級モノ
アミン類、エタノールアミン、N−モノアルキルエタノ
ールアミン、ジエタノールアミン等の1級或いは2級ア
ミノ基を持つアルカノールモノアミン類が使用できる。
【0074】また、本発明の変性ノボラック樹脂は、分
子中に更に一般式(8)で表わされる基や芳香族性水酸
基を有してもよい。このことは、グリシジルオキシ基又
は2,3−エポキシ−2−メチルプロピルオキシ基や芳
香族性水酸基が残存してもよいことを示す。ただし、本
発明の変性ノボラック樹脂が、一般式(8)で表わされ
る基と芳香族性水酸基とを両方有することは好ましくな
い。これらの基を両方有する場合はゲル化を生じる傾向
がある。
【0075】一般式(5)で表わされる基、一般式
(8)で表わされる基、及び芳香族性水酸基の基数はそ
れぞれ0〜19の範囲にあればよい。この範囲を超えて
も効果はあるものの、核体数の多いノボラック樹脂の分
子量制御が非常に難しくなる点、また、一般式(1)ま
たは一般式(12)で表わされる基が必ず1つは存在し
なければならない点から、現実的には19がそれぞれの
上限となる。ただし、適切な値は顔料の種類、顔料粒子
の比表面積や粒子径、顔料表面処理剤の有無或いはその
性質、分散媒の極性等に応じて変化するものであり、用
途に応じて最適値を選択する必要がある。
【0076】さらに、本発明の変性ノボラック樹脂は、
更に、一般式(7)で表される、分子間或いは分子内の
架橋基で置換されていてもよい。一般式(7)におい
て、右端の酸素原子はノボラック樹脂の同一分子内また
は異なる分子の芳香族性水酸基に含まれる酸素原子に由
来するものであり、Zは接続端に酸素原子或いは窒素原
子を持ち炭素数が1〜40の範囲にある2〜6官能の有
機基を、kは2〜6の範囲にある整数を、R11は水素原
子又はメチル基を示す。
【0077】芳香族性水酸基の活性水素を、一般式
(7)で表される、分子間或いは分子内の架橋基で置換
するには、芳香族性水酸基に、エピクロルヒドリン或い
はβ−メチルエピクロルヒドリンを反応させ、その後、
2〜6官能のカルボン酸類、アミン類(1級のモノアミ
ン類を含む)、又はアミノ酸類を反応させればよい。
【0078】多官能のカルボン酸の具体例としては、こ
はく酸、マレイン酸、イタコン酸、シクロヘキサンジカ
ルボン酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、
1,10−デカンジカルボン酸、ドデセニルコハク酸、
ダイマー酸、3,6−エンドメチレンテトラヒドロフタ
ル酸、3,6−メチルエンドメチレンテトラヒドロフタ
ル酸等の脂肪族ポリカルボン酸類、フタル酸、イソフタ
ル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット
酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸、エチレングチコ
ールビストリメリテート、グリセロールトリストリメリ
テート等の芳香族ポリカルボン酸類が使用できる。
【0079】多官能のアミンの具体例としては、エチレ
ンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテト
ラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘ
キサミン、プロピレンジアミン、(ジメチルアミノ)プ
ロピルアミン、(ジエチルアミノ)プロピルアミン、ヘ
キサメチレンジアミン、ヘキサメチレントリアミン、
N,N−ビス(アミノプロピル)メチルアミン、イソホ
ロンジアミン、ノルボルナンジアミン、ジアミノジシク
ロヘキシルメタン、N−(アミノエチル)ピペラジン、
N,N′−ビス(アミノエチル)ピペラジン、キシリレ
ンジアミン、ダイマージアミン等の脂肪族ポリアミン類
や、メラミン、ベンゾグアナミン、メタフェニレンジア
ミン、ジアミノジフェニルメタン等の芳香族ポリアミン
類が挙げられる。
【0080】また、ポリエーテルジアミン、N−アミノ
エチルエタノールアミン、また、いわゆるポリアミノア
ミド等も使用できる。
【0081】また、エポキシ基に対して二官能性である
1級のアミノ基を反応させることによっても架橋構造を
形成することができる。この場合は上述した1級のモノ
アミンを使用することもできる。
【0082】また、ロイシン、トレオニン等のアミノ酸
も使用できる。
【0083】前記反応は必要に応じて適宜有機溶媒を用
い、必要に応じて脂肪族3級アミン、芳香族3級アミ
ン、或いは3級アミンのアンモニウム塩等の触媒を用
い、60〜160℃に加熱して行うことができる。反応
の進行はGPCによる分子量測定、エポキシ当量の測定
等で追跡することができる。
【0084】核体数の多いノボラック樹脂の分子量制御
が非常に難しいことから、変性ノボラック樹脂の持つ芳
香族性水酸基の合計(無置換および置換された芳香族性
水酸基の合計、以下同様)は20以下であるのが好まし
い。
【0085】これらの変性ノボラック樹脂は顔料分散に
効果を発揮するが、中でも芳香族性水酸基の残存率(未
置換および置換された芳香族性水酸基の合計に対する残
存する未置換の芳香族性水酸基の数の割合をいう、以下
同様)が5.0%以下の場合はオフセット印刷用インキ
組成物の乳化適性、印刷適性の改善に関して優れた効果
を持つ。従来の顔料分散剤がインキの乳化を促進し過
ぎ、往々にして印刷適性の悪化を招いたのに対して、こ
の変性ノボラック樹脂を用いれば良好な顔料分散と適性
乳化の双方を達成することができる。
【0086】次に、本発明のグラフト共重合体について
説明する。
【0087】本発明のグラフト共重合体は、(1)一般
式(17):
【0088】
【化27】
【0089】(式中、R2およびR3は前記と同じ)で表
わされるエポキシ基含有エチレン性不飽和単量体10〜
90モル%、及び一般式(18):
【0090】
【化28】
【0091】(式中、R4、R5、R6およびR7は前記と
同じ)で表わされる単量体及び/又は一般式(19):
【0092】
【化29】
【0093】(式中、R8およびR9は前記と同じ)で表
わされる単量体の10〜90モル%、必要に応じてエポ
キシ基に対して反応性の高い官能基を有していないその
他のエチレン性不飽和単量体0〜80モル%とを、過酸
化物やアゾ化合物等のラジカル重合開始剤を用い、常法
によりエポキシ基を含有する共重合体を得た後、該共重
合体のエポキシ基に、後述するカルボン酸類やアミン類
を反応させることにより、又は(2)一般式(20):
【0094】
【化30】
【0095】(式中、R2、R3、W2、X2は前記と同
じ。mおよびnはそれぞれ独立にm=1〜30、n=0
〜30の整数を示す。)で表わされる単量体および要す
れば一般式(21):
【0096】
【化31】
【0097】(式中、R13、R14及びVは前記と同じ)
で表わされる単量体の10〜90モル%、及び一般式
(18)で表わされる単量体及び/又は一般式(19)
で表わされる単量体の10〜90モル%、必要に応じて
エポキシ基に対して反応性の高い官能基を有していない
その他のエチレン性不飽和単量体0〜80モル%とを、
過酸化物やアゾ化合物等のラジカル重合開始剤を用い、
常法により反応させることにより得ることができる。
【0098】なお、前記方法(1)において得られる共
重合体のエポキシ基に後述するカルボン酸類やアミン類
を反応させて一般式(2)や一般式(9)で示される構
造単位をうる反応、又は前記方法(2)において一般式
(17)で表わされるエポキシ基含有エチレン性不飽和
単量体のエポキシ基に後述するカルボン酸類やアミン類
を反応させて一般式(20)や一般式(21)で表わさ
れる単量体をうる反応は、必要に応じて溶媒を用い、ま
た、必要に応じて脂肪族アミン、芳香族アミン、或いは
アンモニウム塩等の触媒を用い、60〜160℃に加熱
して行うことができる。
【0099】前記一般式(3)で表される構成単位にお
いて、R5で表されるハロゲン原子としては塩素原子等
が挙げられる。R6又はR7で表される炭素数1〜5の炭
化水素基としては、例えばメチル、エチル、n―プロピ
ル、イソプロピル、n―ブチル、sec―ブチル、t―
ブチル、ペンチル等のアルキル基が、炭素数1〜5のア
ルコキシ基としては、例えばメトキシ、ブトキシ等が、
炭素数6〜10のアリールオキシ基としては、例えばフ
ェノキシ等が、ハロゲン原子としては、例えばフッ素原
子、塩素原子、臭素原子等が挙げられる。
【0100】本発明のグラフト共重合体の製造に用いる
単量体のうち、一般式(18)で表わされる単量体のう
ちスチレン誘導体としては、ビニルトルエン、α―メチ
ルスチレン、ジメチルスチレン、エチルスチレン、イソ
プロピルスチレン、t−ブチルスチレン等のアルキル置
換スチレン、クロロスチレン、ジクロロスチレン、ブロ
モスチレン、フルオロスチレン等のハロゲン置換スチレ
ン、メトキシスチレン、ブトキシスチレン等のアルコキ
シ置換スチレン、フェノキシスチレン等のアリールオキ
シ置換スチレン、β−クロロスチレン等が使用できる。
【0101】一般式(19)で表わされる単量体として
は、ベンジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル
酸フェニルがあげられる。
【0102】一般式(17)で表わされるエポキシ基含
有エチレン性不飽和単量体としては、グリシジル(メ
タ)アクリレート、2,3−エポキシ−2−メチルプロ
ピル(メタ)アクリレート等が使用できる。
【0103】必要に応じて用いるエポキシ基に対して反
応性の高い官能基を有していないその他のエチレン性不
飽和単量体としては、カルボキシル基、フェノール性水
酸基、1級アミノ基、2級アミノ基等のエポキシ基に対
して反応性の高い官能基を有していないエチレン性不飽
和単量体が使用できる。例えば、メチル(メタ)アクリ
レート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メ
タ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、シク
ロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル
(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレー
ト、ラウリル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)
アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、ステアリ
ル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレー
ト、ノルボニル(メタ)アクリレート等の(メタ)アク
リル酸のアルキルエステル類、テトラヒドロフルフリル
(メタ)アクリレート等の環状エーテル基を有する(メ
タ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アク
リレート等の脂肪族性水酸基を有する(メタ)アクリレ
ート類、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、
ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等の3級ア
ミノ基を有する(メタ)アクリレート類、メチルビニル
エーテル、ドデシルビニルエーテル、プロペニルエーテ
ルプロピレンカーボエート等のビニエーテル類、ヒドロ
キシブチルビニルエーテル等の脂肪族性水酸基を有する
ビニエーテル類、アリルアセテート等の各種酸のアリル
エステル等を挙げることができる。
【0104】なお、エポキシ基含有エチレン性不飽和単
量体のエポキシ基に後述するカルボン酸類やアミン類を
反応させてえられる一般式(20)や一般式(21)で
表わされる単量体を用いてグラフト共重合体を得る場合
は、カルボキシル基、フェノール性水酸基、1級アミノ
基、2級アミノ基等のエポキシ基に対して反応性の高い
官能基を有するエチレン性不飽和単量体も使用できる。
【0105】本発明のグラフト共重合体における一般式
(2)又は一般式(13)で表される構成単位は、前記
一般式(17)で表わされるエポキシ基含有エチレン性
不飽和単量体から誘導される構成単位と不飽和結合や分
岐構造を有してもよい炭素数2〜20のヒドロキシカル
ボン酸、これらの混合物、或いはその重縮合物又は不飽
和結合や分岐構造を有してもよい炭素数12〜20のヒ
ドロキシカルボン酸、これらの混合物、或いはその重縮
合物より得ることができる。或いは、前記一般式(1
7)で表わされるエポキシ基含有エチレン性不飽和単量
体と不飽和結合や分岐構造を有してもよい炭素数2〜2
0のヒドロキシカルボン酸、これらの混合物、或いはそ
の重縮合物又は不飽和結合や分岐構造を有してもよい炭
素数12〜20のヒドロキシカルボン酸、これらの混合
物、或いはその重縮合物より得られる一般式(20)で
表わされる単量体より誘導される。
【0106】一般式(2)において、W2とX2は不飽和
結合および/または分岐構造を有してもよい炭素数1〜
19の範囲にある2価の炭化水素基を、R2とR3はそれ
ぞれ独立に水素原子或いはメチル基を示し、一般式(1
3)において、W4とX4は不飽和結合および/または分
岐構造を有してもよい炭素数11〜19の範囲にある2
価の炭化水素基を、R2とR3はそれぞれ独立に水素原子
またはメチル基を示す。
【0107】一般式(2)において、一般式(10):
【0108】
【化32】
【0109】(式中、W2およびpは前記と同じ)で表
わされる基および一般式(22):
【0110】
【化33】
【0111】(式中、X2およびqは前記と同じ)で表
わされる基は、不飽和結合及び/又は分岐構造を有して
もよい炭素数が2〜20の範囲にあるヒドロキシカルボ
ン酸、これらの混合物、或いはこれらの重縮合物から誘
導することができる。また、一般式(13)において、
一般式(23):
【0112】
【化34】
【0113】(式中、W4およびpは前記と同じ)で表
わされる基および一般式(24):
【0114】
【化35】
【0115】(式中、X4およびqは前記と同じ)で表
わされる基は、不飽和結合及び/又は分岐構造を有して
もよい炭素数が12〜20の範囲にあるヒドロキシカル
ボン酸、これらの混合物、或いはこれらの重縮合物から
誘導することができる。
【0116】該ヒドロキシカルボン酸としては、グリコ
ール酸、乳酸、オキシ酪酸、ヒドロキシ吉草酸、ヒドロ
キシカプロン酸、ヒドロキシカプリル酸、ヒドロキシカ
プリン酸、ヒドロキシラウリン酸、ヒドロキシミリスチ
ン酸、ヒドロキシパルミチン酸、リシノール酸やひまし
油脂肪酸、及びそれらの水添物、12−ヒドロキシステ
アリン酸等が挙げられる。極性の高い溶剤を使用する塗
料、顔料分散レジスト等に用いる場合は、炭素数の少な
い、たとえば炭素数が2〜11の範囲のヒドロキシカル
ボン酸が好ましく、低極性のオフセット印刷用インキ組
成物に用いる場合は、炭素数が12〜20の範囲にある
ヒドロキシカルボン酸、好ましくは、炭素数が16〜2
0の範囲にあるリシノール酸やひまし油脂肪酸、及びそ
れらの水添物、12−ヒドロキシステアリン酸等のヒド
ロキシカルボン酸が好適に使用できる。
【0117】繰り返し数pは1〜30の範囲にある整
数、qは0〜30の範囲にある整数を示す。ただし、適
切な値は使用する顔料の種類、顔料粒子の比表面積や粒
子径、顔料表面処理剤の性質、分散媒の極性等に応じて
変化するものであり、用途に応じて最適値を選ぶ必要が
ある。pまたはqの値が前記範囲を超えても顔料分散性
をそれ以上改善することはできない。
【0118】一般式(2)における一般式(10)又は
一般式(22)で表わされる基、又は一般式(13)に
おける一般式(23)又は一般式(24)で表される基
の形成は、たとえば、予めヒドロキシカルボン酸の重縮
合によりポリエステルを合成しておき、その末端カルボ
キシル基を上述のエポキシ基と反応させる方法、もしく
はヒドロキシカルボン酸単量体のカルボキシル基を上述
のエポキシ基と反応させた後、更にヒドロキシカルボン
酸を重縮合する方法などによってできる。
【0119】該ヒドロキシカルボン酸の重縮合反応は、
パラトルエンスルホン酸、オクチル酸第一錫、ジブチル
錫ジアセテート、テトラ−n−ブチルチタネート等の触
媒の存在下または非存在下に反応系を180〜220℃
に加熱撹拌し、生成する水をトルエンやキシレン等の共
沸溶媒により除去しつつ行うことができる。反応はGP
Cによる分子量測定や酸価の測定等で追跡することがで
きる。
【0120】本発明のグラフト共重合体は、一般式
(2)で表わされる構造単位及び一般式(3)及び/又
は一般式(4)で表わされる構造単位、又は一般式(1
3)で表わされる構造単位及び一般式(3)及び/又は
一般式(4)で表わされる構成単位を必ず持っていなけ
ればならない。グラフト共重合体に対するこれらの含有
量は、グラフト共重合体中、一般式(2)で表される構
成単位を少なくとも10モル%相当する量、なかんづく
10〜90モル%相当する量、及び一般式(3)及び一
般式(4)で表される構成単位から選ばれる1種以上を
少なくとも10モル%相当する量、なかんづく10〜9
0モル%相当する量であることが好ましい。又はグラフ
ト共重合体中、一般式(13)で表される構成単位を少
なくとも10モル%相当する量、なかんづく10〜90
モル%相当する量、及び一般式(3)及び一般式(4)
で表される構成単位から選ばれる1種以上を少なくとも
10モル%相当する量、なかんづく10〜90モル%相
当する量であることが好ましい。尚、一般式(2)又は
一般式(13)で表される構成単位を少なくとも10モ
ル%相当する量含有するとは、グラフト重合体をエチレ
ン性不飽和単量体に由来する構成単位に分割し、全構成
単位中、一般式(2)又は一般式(13)で表される構
成単位が少なくとも10モル%含有することである。ま
た、一般式(3)及び一般式(4)表される構成単位か
ら選ばれる1種以上を少なくとも10モル%相当する量
含有するとは、グラフト重合体をエチレン性不飽和単量
体に由来する構成単位に分割し、全構成単位中、一般式
(3)及び一般式(4)で表される構成単位から選ばれ
る1種以上を少なくとも10モル%含有することであ
る。これらのいずれか、或いは双方が、所定モル相当す
る量%含まれていない場合には、十分な顔料分散性が得
られない。ただし、適切な値は顔料の種類、顔料粒子の
比表面積や粒子径、顔料表面処理剤の有無或いはその性
質、分散媒の極性等に応じて変化するものであり、用途
に応じて最適値を選択する必要がある。
【0121】また、本発明のグラフト共重合体は、更
に、一般式(9)で表わされる構成単位を持っていても
よい。この中でVは接続端に酸素原子又は窒素原子を持
ち炭素数が1〜20の範囲にある1価の有機基(ただ
し、一般式(10)で表わされる基を除く)を、R13
14はそれぞれ独立に水素原子又はメチル基を示す。
【0122】一般式(9)で表わされる構成単位は、エ
ポキシ基含有エチレン性不飽和単量体又は共重合体のエ
ポキシ基と1価のカルボン酸類又は1価のアミン類より
得ることができる。
【0123】1価のカルボン酸類の具体例としては、酢
酸、プロピオン酸、酪酸、カプロン酸、カプリル酸、カ
プリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、
ステアリン酸等の飽和脂肪酸類、オレイン酸、エライジ
ン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、エレオ
ステアリン酸等の不飽和脂肪酸類やそれらの水添物等が
使用できる。
【0124】1価のアミン類としては、メチルアミン、
エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、アミル
アミン、オクチルアミン、ドデシルアミン、ステアリル
アミン、ベンジルアミン等の脂肪族1級モノアミン類、
アニリン、ナフチルアミン等の芳香族1級モノアミン
類、及びこれらのN−モノアルキル置換による2級モノ
アミン類、エタノールアミン、N−モノアルキルエタノ
ールアミン、ジエタノールアミン等の1級又は2級アミ
ノ基を持つアルカノールモノアミン類が使用できる。
【0125】また、本発明のグラフト共重合体は、一般
式(11)で表わされる構成単位を持っていてもよい。
このことは、エポキシ基含有エチレン性不飽和単量体に
よるグリシジルオキシ基又は2,3−エポキシ−2−メ
チルプロピルオキシ基が残存してもよいことを示す。
【0126】本発明のグラフト共重合体は、顔料分散に
効果を発揮するが、中でもオフセット印刷用インキ組成
物中に用いた場合、インキの乳化適性に起因する印刷適
性の改善に関して優れた効果を持つ。従来の顔料分散剤
がインキの乳化を促進し過ぎ、往々にして印刷適性の悪
化を招いたのに対して、このグラフト共重合体を用いれ
ば良好な顔料分散と乳化適性の双方を同時に達成するこ
とができる。
【0127】本発明のグラフト共重合体の分子量は、重
量平均で3000〜100000の範囲にあることが好
ましい。重量平均分子量が3000未満でも顔料分散効
果はあるが、重合反応が難しくなり、それとともに多用
される重合開始剤や連鎖移動剤による末端基の影響等で
乳化適性の改善効果が低下する。一方、重量平均分子量
が100000を超えると十分な顔料分散効果が得られ
なくなる。
【0128】本発明の対象となる顔料としては一般的な
無色又は有色の、無機又は有機顔料が使用でき、具体的
には二酸化チタン、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、磁
性酸化鉄等の無機顔料や、アゾ顔料、レーキ顔料、フタ
ロシアニン顔料、イソインドリン顔料、アントラキノン
顔料、キナクリドン顔料等の有色顔料、およびカーボン
ブラック等が挙げられる。
【0129】また、本発明のバインダー樹脂としては、
塗料、顔料分散レジスト、インキ組成物の分野に使用さ
れている公知の各種バインダー樹脂が使用できる。
【0130】本発明の顔料、顔料分散剤及びバインダー
樹脂を含む顔料分散物を得るには、顔料分散剤として、
分子内に、芳香環及びヒドロキシカルボン酸由来のカル
ボキシル基によるエポキシ基の開環構造を有する、変性
ノボラック樹脂及び/又はグラフト共重合体を顔料10
0重量部に対し少なくとも0.2重量部含有させること
が望ましい。これより少ないと十分な顔料分散効果が得
られない。なお、本発明の顔料分散物を、オフセット印
刷インキ組成物に使用する場合は、分子内に、芳香環及
びヒドロキシカルボン酸由来のカルボキシル基によるエ
ポキシ基の開環構造を有する、変性ノボラック樹脂及び
/又はグラフト共重合体を、顔料100重量部に対し、
0.2〜50重量部、好ましくは1〜30重量部含有さ
せることが望ましい。分子内に、芳香環及びヒドロキシ
カルボン酸由来のカルボキシル基によるエポキシ基の開
環構造を有する、変性ノボラック樹脂及び/又はグラフ
ト共重合体を、50重量部より多くしても顔料分散効果
はそれ以上向上しない。
【0131】但し、顔料分散効果は、顔料の種類、顔料
粒子の比表面積や粒子径、顔料表面処理剤の性質、分散
媒の極性等に応じて変化するものであり、それぞれの場
合で最適使用量を定める必要がある。
【0132】本発明の顔料分散物を用いたオフセット印
刷インキ組成物の製造に際しては、公知のバインダー樹
脂、具体的には、各種アルキッド樹脂、フェノール樹
脂、石油樹脂、ロジンエステル樹脂、ポリエステル樹脂
等、或いはそれらの変性物が使用でき、アマニ油、桐
油、大豆油等の植物油、n−パラフィン、イソパラフィ
ン、芳香族系溶剤等の鉱物油、ドライヤー、ゲル化剤、
乾燥遅延剤、酸化防止剤等の添加剤を適宜用いることが
できる。
【0133】本発明のオフセット印刷インキ組成物にお
ける各成分の好ましい範囲を示す。 成 分 重量% バインダー樹脂 20〜50 植物油 0〜60 鉱物油 0〜60 顔料 2〜60 顔料分散剤 0.004〜30 (好ましくは、0.02〜18)
【0134】前記組成においては、植物油と鉱物油を合
計したものの割合が20〜60重量%であるものが好ま
しい。
【0135】また、塗料や顔料分散レジスト等、印刷用
インキ組成物以外の用途に本発明の顔料組成物を使用す
る場合は、従来よりそれらの分野で使用されている各種
のバインダー樹脂、溶剤及び添加剤を用いて調製するこ
とができる。
【0136】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明する。その
主旨と適用範囲を逸脱しない限り、本発明はこれら実施
例に限定されるものではない。なお、以下の記述中にお
いて「部」は重量部を示す。
【0137】[顔料分散剤の製造] 顔料分散剤1 反応容器にグリシジルフェニルエーテル35部、12−
ヒドロキシステアリン酸70部、及び触媒のテトラエチ
ルアンモニウムブロマイド0.1部の混合物を入れ、窒
素気流下に130〜150℃で3時間加熱撹拌した。反
応後、減圧濾過により触媒を除去して酸価1(mgKO
H/g、以下同様)以下の粘調液体を得た。この粘調液
体60部、フェノール50部、ホルマリン40部、及び
シュウ酸二水和物5部の混合物を95〜100℃で15
時間加熱撹拌した。次いで水、未反応物などを減圧蒸留
して室温で淡褐色固体である変性ノボラック樹脂(顔料
分散剤1)を得た。GPC測定による重量平均分子量は
3,500であった。また芳香族性水酸基の残存率(理
論値、以下同様)は80%である。
【0138】顔料分散剤2 反応容器に、顔料分散剤1の製造でえられた変性ノボラ
ック樹脂(顔料分散剤1)40部、12−ヒドロキシス
テアリン酸60部、キシレン10部、及びテトラ−n−
ブチルチタネート0.1部の混合物を入れ、窒素気流下
に生成する水を水分分離管に採取しながら180〜20
0℃で12時間加熱撹拌した。次いでキシレンを減圧留
去して淡褐色の粘調液体である変性ノボラック樹脂(顔
料分散剤2)を得た。GPC測定による重量平均分子量
は7,000であった。また芳香族性水酸基の残存率は
80%である。
【0139】顔料分散剤3 顔料分散剤2の製造において12−ヒドロキシステアリ
ン酸の量を100部として、重量平均分子量10,00
0の変性ノボラック樹脂(顔料分散剤3)を得た。芳香
族性水酸基の残存率は80%である。
【0140】顔料分散剤4 反応容器に12−ヒドロキシステアリン酸100部、キ
シレン10部、テトラ−n−ブチルチタネート0.1部
の混合物を入れ、窒素気流下に生成する水を水分分離管
に分離しながら180〜200℃で7時間加熱撹拌し
た。次いでキシレンを減圧留去して酸価30、重量平均
分子量4,500の淡褐色重合物であるポリエステルA
を得た。このポリエステルA100部、グリシジルフェ
ニルエーテル8部、及びテトラエチルアンモニウムブロ
マイド0.1部を混合し、窒素気流下に130〜150
℃で3時間加熱撹拌し、減圧濾過により触媒を除去して
酸価が1以下の淡褐色粘調液体を得た。次に、この淡褐
色粘調液体100部、フェノール10部、ホルマリン1
0部、及びシュウ酸二水和物0.5部を混合し、95〜
100℃で15時間加熱撹拌して減圧蒸留を行い変性ノ
ボラック樹脂(顔料分散剤4)を得た。重量平均分子量
は13,000であった。また芳香族性水酸基の残存率
は67%である。
【0141】顔料分散剤5 顔料分散剤4の製造において酸価30のポリエステルA
の代わりに、反応時間を変えて合成した酸価37、重量
平均分子量4,100のポリエステル80部を用い、重
量平均分子量10,000の変性ノボラック樹脂(顔料
分散剤5)を得た。芳香族性水酸基の残存率は62%で
ある。
【0142】顔料分散剤6 顔料分散剤4の製造において酸価30のポリエステルA
の代わりに、反応時間を変えて合成した酸価60、重量
平均分子量3,000のポリエステル50部を用い、重
量平均分子量7,000の変性ノボラック樹脂(顔料分
散剤6)を得た。芳香族性水酸基の残存率は52%であ
る。
【0143】顔料分散剤7 顔料分散剤1の製造においてグリシジルフェニルエーテ
ルの代わりに、レゾルシンジグリシジルエーテルの27
部を用い、重量平均分子量が6,000の変性ノボラッ
ク樹脂(顔料分散剤7)を得た。芳香族性水酸基の残存
率は78%である。
【0144】顔料分散剤8 顔料分散剤1の製造においてグリシジルフェニルエーテ
ルの代わりに、1,2−エポキシ−2−メチル−3−フ
ェノキシプロパンの40部を用い、重量平均分子量が
3,700の変性ノボラック樹脂(顔料分散剤8)を得
た。芳香族性水酸基の残存率は80%である。
【0145】顔料分散剤9、10 顔料分散剤3の製造においてグリシジルフェニルエーテ
ルの代わりに、それぞれ1,3,5−トリヒドロキシベ
ンゼントリグリシジルエーテル50部、及び2,2’−
ジヒドロキシビフェニルジグリシジルエーテル70部を
用い、重量平均分子量がそれぞれ24,000及び1
9,000の変性ノボラック樹脂(顔料分散剤9及び顔
料分散剤10)を得た。芳香族性水酸基の残存率はそれ
ぞれ78%および80%である。
【0146】顔料分散剤11 反応容器に、エポキシ変性ノボラック樹脂(油化シェル
エポキシ(株)製、エピコート154)30部、12−
ヒドロキシステアリン酸の縮重合によりえられた酸価3
0、重量平均分子量4,500のポリエステル75部、
ステアリン酸35部、及びテトラエチルアンモニウムブ
ロマイド0.2部の混合物を入れ、窒素気流下に130
〜150℃で3時間加熱撹拌した後に減圧濾過により触
媒を除去し、重量平均分子量が8,000の変性ノボラ
ック樹脂(顔料分散剤11)を得た。芳香族性水酸基の
残存率は0%である。
【0147】顔料分散剤12 顔料分散剤11の製造においてステアリン酸の代わりに
酢酸8部を用い、重量平均分子量が7,000の変性ノ
ボラック樹脂(顔料分散剤12)を得た。芳香族性水酸
基の残存率は0%である。
【0148】顔料分散剤13 顔料分散剤11の製造においてステアリン酸の代わりに
ステアリルアミン30部を用い、重量平均分子量7,0
00の変性ノボラック樹脂(顔料分散剤13)を得た。
芳香族性水酸基の残存率は0%である。
【0149】顔料分散剤14 顔料分散剤11の製造においてステアリン酸35部のう
ちの15部をこはく酸3部で置き換え、重量平均分子量
が16,000の変性ノボラック樹脂(顔料分散剤1
4)を得た。芳香族性水酸基の残存率は0%である。
【0150】顔料分散剤15 顔料分散剤14の製造においてステアリン酸20部の内
の10部を更にステアリルアミン10部で置き換え、重
量平均分子量が17,000の変性ノボラック樹脂(顔
料分散剤15)を得た。芳香族性水酸基の残存率は0%
である。
【0151】顔料分散剤16 反応容器に12−ヒドロキシステアリン酸100部、キ
シレン10部、テトラ−n−ブチルチタネート0.1部
を加え、窒素気流下に生成する水を共沸留去しながら、
180〜200℃で縮合反応を行った。所定酸価となっ
たところでキシレンを留去し、単褐色重合物の酸価3
3、重量平均分子量4,400のポリエステルBを得
た。次いで、このポリエステルB74.3部、及びエポ
キシ基を有する共重合体としてスチレンとグリシジルメ
タアクリレートの共重合体(含有率はそれぞれ80モル
%、20モル%)25.7部を、ジメチルホルムアミド
40部を溶媒として130〜150℃で反応した。酸価
及びエポキシ当量の測定から、カルボキシル基とエポキ
シ基の残存量が測定限界以下となったところで溶媒を減
圧留去してグラフト共重合体(顔料分散剤16)を得
た。GPC測定による重量平均分子量は35,000で
あった。
【0152】顔料分散剤17 顔料分散剤16の製造において酸価33のポリエステル
Bの代わりに、反応時間を変えて合成した酸価62、重
量平均分子量2,900のポリエステル39.5部を用
い、重量平均分子量9000グラフト共重合体(顔料分
散剤17)を得た。
【0153】顔料分散剤18 顔料分散剤16の製造においてスチレンとグリシジルメ
タアクリレートの共重合体(含有率はそれぞれ80モル
%、20モル%)の代わりに、スチレンとグリシジルメ
タアクリレートの共重合体(含有率はそれぞれ67モル
%、33モル%)16.1部を用い、重量平均分子量2
4000のグラフト共重合体(顔料分散剤18)を得
た。
【0154】顔料分散剤19 顔料分散剤16の製造においてスチレンとグリシジルメ
タアクリレートの共重合体(含有率はそれぞれ80モル
%、20モル%)の代わりに、スチレンとグリシジルメ
タアクリレートの共重合体(含有率はそれぞれ20モル
%、80モル%)7.7部を用い、重量平均分子量36
000のグラフト共重合体(顔料分散剤19)を得た。
【0155】顔料分散剤20 顔料分散剤16の製造においてスチレンとグリシジルメ
タアクリレートの共重合体(含有率はそれぞれ80モル
%、20モル%)の代わりに、ビニルトルエンとグリシ
ジルメタアクリレートの共重合体(含有率はそれぞれ6
7モル%、33モル%)17.4部を用い、重量平均分
子量24000のグラフト共重合体(顔料分散剤20)
を得た。
【0156】顔料分散剤21 顔料分散剤16の製造においてスチレンとグリシジルメ
タアクリレートの共重合体(含有率はそれぞれ80モル
%、20モル%)の代わりに、p−クロロスチレンとグ
リシジルメタアクリレートの共重合体(含有率はそれぞ
れ67モル%、33モル%)19.3部を用い、重量平
均分子量26000のグラフト共重合体(顔料分散剤2
1)を得た。
【0157】顔料分散剤22 顔料分散剤16の製造においてスチレンとグリシジルメ
タアクリレートの共重合体(含有率はそれぞれ80モル
%、20モル%)の代わりに、β−クロロスチレンとグ
リシジルメタアクリレートの共重合体(含有率はそれぞ
れ67モル%、33モル%)19.3部を用い、重量平
均分子量25000のグラフト共重合体(顔料分散剤2
2)を得た。
【0158】顔料分散剤23 顔料分散剤16の製造においてスチレンとグリシジルメ
タアクリレートの共重合体(含有率はそれぞれ80モル
%、20モル%)の代わりに、ジメチルスチレンとグリ
シジルメタアクリレートの共重合体(含有率はそれぞれ
67モル%、33モル%)18.7部を用い、重量平均
分子量26000のグラフト共重合体(顔料分散剤2
3)を得た。
【0159】顔料分散剤24 顔料分散剤16の製造においてスチレンとグリシジルメ
タアクリレートの共重合体(含有率はそれぞれ80モル
%、20モル%)の代わりに、ベンジルメタアクリレー
トとグリシジルメタアクリレートの共重合体(含有率は
それぞれ67モル%、33モル%)23.0部を用い、
重量平均分子量28000のグラフト共重合体(顔料分
散剤24)を得た。
【0160】顔料分散剤25 顔料分散剤16の製造においてスチレンとグリシジルメ
タアクリレートの共重合体(含有率はそれぞれ80モル
%、20モル%)の代わりに、スチレンと2,3−エポ
キシ−2−メチルプロピルメタアクリレートの共重合体
(含有率はそれぞれ67モル%、33モル%)16.7
部を用い、重量平均分子量25000のグラフト共重合
体(顔料分散剤25)を得た。
【0161】顔料分散剤26 顔料分散剤16の製造においてスチレンとグリシジルメ
タアクリレートの共重合体(含有率はそれぞれ80モル
%、20モル%)の代わりに、スチレン、グリシジルメ
タアクリレート、及びメチルメタアクリレートの共重合
体(含有率はそれぞれ57モル%、34モル%、及び9
モル%)15.8部を用い、重量平均分子量19000
のグラフト共重合体(顔料分散剤26)を得た。
【0162】顔料分散剤27 顔料分散剤17の製造において酸価33のポリエステル
B74.3部のうち9部を12−ヒドロキシステアリン
酸1.6部で置き換え、重量平均分子量34000のグ
ラフト共重合体(顔料分散剤27)を得た。
【0163】顔料分散剤28 顔料分散剤18の製造において酸価33のポリエステル
Bの量74.3部を66.5部と減らして、重量平均分
子量19000のグラフト共重合体(顔料分散剤28)
を得た。単量体に換算して3.1モル%のエポキシ基を
有する構成単位が残存していた。
【0164】顔料分散剤29 反応容器に、12−ヒドロキシステアリン酸の縮重合に
よりえられた酸価62、重量平均分子量2,900のポ
リエステル86.4部、グリシジルメタアクリレート1
3.6部、及びジメチルホルムアミド40部を入れ、窒
素気流下に120℃で3時間反応した後、溶媒を減圧留
去してメタアクリロイル基末端のポリエステルを得た。
このポリエステル52.8部とスチレン47.2部(含
有率は、それぞれ10モル%、90モル%)をアゾビス
イソブチロニトリルを開始剤として重合し、重量平均分
子量12000のグラフト共重合体(顔料分散剤29)
を得た。
【0165】[比較顔料分散剤の製造] 顔料分散剤30 反応容器に、フェノール60部、ホルマリン40部、及
びシュウ酸二水和物5部の混合物を入れ、95〜100
℃で5時間加熱撹拌し、次いで未反応物を減圧蒸留して
重量平均分子量6,000のノボラック樹脂(顔料分散
剤30)を得た。芳香族性水酸基の残存率は100%で
ある。
【0166】顔料分散剤31 顔料分散剤11の製造で使用したエポキシ変性ノボラッ
ク樹脂(エピコート154)を顔料分散剤33とした。
芳香族性水酸基の残存率は0%である。
【0167】顔料分散剤32 顔料分散剤16の製造で使用した酸価33のポリエステ
ルBを顔料分散剤32とした。
【0168】顔料分散剤33 顔料分散剤16の製造で使用したスチレンとグリシジル
メタアクリレートの共重合体(含有率はそれぞれ80モ
ル%、20モル%)を顔料分散剤33とした。
【0169】顔料分散剤34 市販分散剤、ソルスパース17000(インペリアル・
ケミカル・インダストリーズ・リミテッド社製)を顔料
分散剤34とした。
【0170】[オフセット印刷用インキ] 実施例1〜40及び比較例1〜5 顔料分散剤1〜29、及び比較顔料分散剤(顔料分散剤
30〜34)を用い、表1に示した顔料に対する顔料分
散剤使用量で、以下に示す処方のオフセット印刷用イン
キベースを調製した。この中の顔料としては、銅フタロ
シアニンを、溶剤としては、日本石油(株)製の5号ソ
ルベントを用いた。また、樹脂ワニスAとしては、ロジ
ン変性フェノール樹脂(日立化成ポリマー(株)製、テ
スポール1355)をアマニ油と5号ソルベントの混合
溶剤中に加熱溶解したもの(樹脂濃度55重量%)を用
いた。なお、顔料分散剤の使用量に対応させて、樹脂ワ
ニスAの使用量を変え、インキベースの総量が100部
となるようにした。 インキベースの処方 成 分 部 顔 料 40 顔料分散剤 1.2〜8 樹脂ワニスA 52.8〜46 溶 剤 6
【0171】前記混合物を充分に攪拌した後、3本ロー
ルにて練肉を行ってオフセット印刷用インキベースを調
製した。これを用いて以下の配合によりオフセット印刷
用インキを調製した。この中のワックスとしては、シャ
ムロック社製のポリエチレンワックスコンパウンドを、
溶剤としては日本石油(株)製の5号ソルベントを用い
た。また、樹脂ワニスBとしては、ロジン変性フェノー
ル樹脂(日立化成ポリマー(株)製、テスポール130
4)をアマニ油と5号ソルベントの混合溶剤中に加熱溶
解したもの(樹脂濃度55重量%)を用いた。 インキ処方 成 分 部 オフセット印刷用インキベース 40 樹脂ワニスB 50 ワックス 5 溶 剤 5
【0172】[評価試験]得られたオフセット印刷用イ
ンキベースおよびオフセット印刷用インキの性状と性能
の評価結果を表1、2に示した。なお、比較例6では、
顔料分散剤を使用せずに顔料分散剤相当量を樹脂ワニス
で置き換えたものについて評価した。
【0173】(1)粘度 コーン・プレート型回転粘度計(レオメトリックス社
製)を使用し、オフセット印刷用インキベースの25℃
における降伏値(Pa)と、ずり速度10.0(1/
s)での粘度(Pa・s)を測定した。低粘度であるほ
ど優れている。
【0174】(2)着色力 各オフセット印刷用インキベースに白インキベースを加
え、顔料分散剤を使用しないインキベース(比較例6)
の着色力を100%として、同等の着色が得られる白ベ
ースの相対量から求めた。値が高いほど優れている。
【0175】(3)貯蔵安定性 オフセット印刷用インキベース及びオフセット印刷用イ
ンキを25℃の恒温槽に1カ月間保存し、調製時の粘度
に対する保存後の粘度変化から両者の貯蔵安定性を総合
的に判定した。粘度上昇のほとんどないものを3、粘度
上昇が比較的少ないものを2、著しく増粘するものを1
として評価した。
【0176】(4)印刷適性 三菱重工業(株)製のオフセット印刷機により実際の印
刷を行い、水幅適性、乳化インキの流動性、インキの転
移性、紙面の汚れ等を調べて総合的に判断した。水幅適
性が広く高精細な印刷物が得られたものを4、水幅適性
が広く良好な印刷物が得られたものを3、水幅適性が狭
くて印刷面に汚れが多かったものを2、印刷適性が全く
なかったものを1として評価した。
【0177】
【表1】
【0178】
【表2】
【0179】本発明の、芳香環及びヒドロキシカルボン
酸由来のカルボキシル基によるエポキシ基の開環構造を
有する、変性ノボラック樹脂及び/又はグラフト共重合
体を用いることによりオフセット印刷用インキベースの
粘度と降伏値が下がり、着色力が向上した。また、貯蔵
安定性についても優れていることが示され、顔料分散性
が向上していることがわかる。これに比べて比較例では
顔料分散性が不十分であった。実施例と比べてわかるよ
うに、未変性のノボラック樹脂、共重合体、或いはポリ
エステル単独では、本発明の、芳香環及びヒドロキシカ
ルボン酸由来のカルボキシル基によるエポキシ基の開環
構造を有する、変性ノボラック樹脂及び/又はグラフト
共重合体で得られる顔料分散効果を得ることはできなか
った。また、本発明の、芳香環及びヒドロキシカルボン
酸由来のカルボキシル基によるエポキシ基の開環構造を
有する、変性ノボラック樹脂及び/又はグラフト共重合
体を用いた場合はインキの乳化適性、印刷適性について
も優れており、顔料分散効果と両立できることがわか
る。これに対して、比較例5の分散剤では顔料分散効果
は得られるものの、インキの印刷適性が不十分であっ
た。
【0180】
【発明の効果】本発明の、芳香環及びヒドロキシカルボ
ン酸由来のカルボキシル基によるエポキシ基の開環構造
を有する、変性ノボラック樹脂及び/又はグラフト共重
合体を含む顔料組成物をオフセット印刷用インキに使用
することにより、顔料を高濃度に分散したオフセット印
刷用インキベースの高い流動性、高い着色力及び良好な
貯蔵安定性が得られる。また、本発明の、芳香環及びヒ
ドロキシカルボン酸由来のカルボキシル基によるエポキ
シ基の開環構造を有する、変性ノボラック樹脂及び/又
はグラフト共重合体を用いたオフセット印刷用インキに
ついては、充分な印刷適性が得られる。これにより、従
来のものに比べて、作業効率を大幅に向上しつつ品質の
良好なオフセット印刷用インキを製造することができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石川 裕之 大阪市西区江戸堀一丁目23番37号 サカ タインクス株式会社内 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09C 3/10 B01F 17/52 C09D 11/00 C09D 11/02 C09D 161/14

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 顔料、顔料分散剤及び必要に応じてバイ
    ンダー樹脂を含む顔料分散物において、顔料分散剤とし
    て、芳香環及びヒドロキシカルボン酸由来のカルボキシ
    ル基によるエポキシ基の開環構造を有する、下記変性ノ
    ボラック樹脂(A)及び/又は下記グラフト共重合体
    (B)を、顔料100重量部に対し少なくとも0.2重
    量部含有することを特徴とする顔料分散物。 (A)分子内に一般式(1)で表わされる基を少なくと
    も1つ有する変性ノボラック樹脂。 【化1】 (式中、左端の酸素原子はノボラック樹脂の芳香族性水
    酸基に含まれる酸素原子に由来するものであり、W1
    1はそれぞれ独立に炭素数1〜19の2価の炭化水素
    基を、iとjはそれぞれ独立にi=1〜30、j=0〜
    30の整数を、R1は水素原子或いはメチル基を示す) (B)重量平均分子量3000〜100000のグラフ
    ト共重合体であって、当該グラフト共重合体中、一般式
    (2)で表される構成単位を少なくとも10モル%相当
    する量、及び一般式(3)及び一般式(4)で表される
    構成単位から選ばれる1種以上を少なくとも10モル%
    相当する量含有するグラフト共重合体。 【化2】 (式中、W2とX2はそれぞれ独立に炭素数1〜19の2
    価の炭化水素基を、pとqはそれぞれ独立にp=1〜3
    0、q=0〜30の整数を、R2、R3およびR4はそれ
    ぞれ独立に水素原子或いはメチル基を、R5は水素原子
    或いはハロゲン原子を、R6とR7はそれぞれ独立に水素
    原子、炭素数1〜5の炭化水素基、炭素数1〜5のアル
    コキシ基、炭素数6〜10のアリールオキシ基、或いは
    ハロゲン原子を、R8は水素原子又はメチル基を、R9
    直接結合又はメチレン基を示す)
  2. 【請求項2】 請求項1記載の変性ノボラック樹脂が、
    分子内に更に一般式(5)で表わされる基を少なくとも
    1つ有する変性ノボラック樹脂であることを特徴とする
    顔料分散物。 【化3】 (式中、左端の酸素原子はノボラック樹脂の芳香族性水
    酸基に含まれる酸素原子に由来するものであり、Yは接
    続端に酸素原子或いは窒素原子を有し炭素数が1〜20
    の範囲にある1価の有機基〔ただし、一般式(6): 【化4】 (式中、W1およびiは前記と同じ)で表される基を除
    く〕を、R10は水素原子或いはメチル基を示す)
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の変性ノボラック樹
    脂が、更に、同一分子内又は異なる分子間で一般式
    (7)で表わされる架橋基で架橋されている変性ノボラ
    ック樹脂であることを特徴とする顔料分散物。 【化5】 (式中、右端の酸素原子はノボラック樹脂の同一分子内
    又は異なる分子の芳香族性水酸基に含まれる酸素原子に
    由来するものであり、Zは接続端に酸素原子或いは窒素
    原子を有し炭素数が1〜40の範囲にある2〜6価の有
    機基を、kは2〜6の範囲にある整数を、R11は水素原
    子或いはメチル基を示す)
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の変性ノ
    ボラック樹脂の芳香族性水酸基の残存率が5.0%以下
    であることを特徴とする顔料分散物。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の変性ノ
    ボラック樹脂が、分子内に更に一般式(8)で表される
    基を少なくとも1つ有し、芳香族性水酸基を保有しない
    変性ノボラック樹脂であることを特徴とする顔料分散
    物。 【化6】 (式中、左端の酸素原子はノボラック樹脂の芳香族性水
    酸基に含まれる酸素原子に由来するものであり、R12
    水素原子或いはメチル基を示す)
  6. 【請求項6】 請求項1記載のグラフト共重合体が、分
    子内に更に一般式(9)で表される構成単位を少なくと
    も1つ有するグラフト共重合体であることを特徴とする
    顔料分散物。 【化7】 (式中、Vは接続端に酸素原子或いは窒素原子を有し炭
    素数が1〜20の範囲にある1価の有機基〔ただし、一
    般式(10): 【化8】 (式中、W2およびpは前記と同じ)で表される基を除
    く〕を、R13とR14はそれぞれ独立に水素原子或いはメ
    チル基を示す)
  7. 【請求項7】 請求項1又は請求項6記載のグラフト共
    重合体が、分子内に更に一般式(11)で表される構成
    単位を少なくとも1つ有するグラフト共重合体であるこ
    とを特徴とする顔料分散物。 【化9】 (式中、R15とR16はそれぞれ独立に水素原子又はメチ
    ル基を示す)
  8. 【請求項8】 請求項1〜5のいずれかに記載の一般式
    (1)で表わされる基が、一般式(12)で表わされる
    基であることを特徴とする顔料分散物。 【化10】 (式中、左端の酸素原子はノボラック樹脂の芳香族性水
    酸基に含まれる酸素原子に由来するものであり、W3
    3はそれぞれ独立に炭素数11〜19の2価の炭化水
    素基を、iとjはそれぞれ独立にi=1〜30、j=0
    〜30の整数を、R1は水素原子或いはメチル基を示
    す)
  9. 【請求項9】 請求項1又は請求項6〜7のいずれかに
    記載の一般式(2)で表される構成単位が、一般式(1
    3)で表される構成単位であることを特徴とする顔料分
    散物。 【化11】 (式中、W4とX4はそれぞれ独立に炭素数11〜19の
    2価の炭化水素基を、pとqはそれぞれ独立にp=1〜
    30、q=0〜30の整数を、R2とR3はそれぞれ独立
    に水素原子或いはメチル基を示す)
  10. 【請求項10】 請求項8又は請求項9記載の顔料分散
    物を含有することを特徴とするオフセット印刷用インキ
    組成物。
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