JP3933257B2 - 顔料分散物及びそれを用いたオフセット印刷用インキ組成物 - Google Patents

顔料分散物及びそれを用いたオフセット印刷用インキ組成物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インキ、塗料或いは顔料分散レジスト等の技術分野において、非水系媒体中で顔料が高濃度に微分散され、且つ各色に使用でき、特に、オフセット印刷用インキの分野において、顔料分散に有用な顔料分散物及びそれを用いたオフセット印刷用インキ組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、顔料は、インキ、塗料或いは顔料分散レジスト等の被覆剤において、着色、遮光、防錆等を目的として幅広く使用されている。これら被覆剤には、鮮明な色調、高い光沢と着色力、高い透明性、取扱い時や塗布時、印刷時等に必要な高い流動性、また長期間保存しても顔料が再凝集を起こすことのない安定性が要求される。このためには、顔料濃度を高くしても微分散性を良好に維持する必要がある。
【0003】
しかし、顔料は練肉機で一旦は微分散化されても、微分散された顔料粒子同士が再凝集により高次構造を形成し易く、安定な微分散体を得ることは困難なことが多く、色の鮮明さの低下、着色力の低下、透明性の低下、粘度上昇や静置された分散物の降伏値の上昇、温度上昇に伴う流動性の低下等の現象が現れる。
【0004】
これらの現象は印刷物や塗布物の品質を低下させるだけでなく、印刷や塗布の工程、更にはインキ、塗料、顔料分散レジスト等の製造工程におけるトラブルを引き起こす原因にもなる。
【0005】
これらの問題を改良するために顔料分散剤を用いた種々の方法が行われてきた。
【0006】
例えば、アメリカ特許第3,996,059号明細書、特開昭61−163977号公報等には、ヒドロキシカルボン酸を脱水縮合したポリエステルと特定のアミン類との反応により合成される末端に遊離のアミノ基を持つ化合物が提案されている。
【0007】
また、アメリカ特許第4,224,212号明細書、アメリカ特許第4,415,705号明細書、アメリカ特許第3,882,088号明細書等には、分子量500〜数万のポリアルキレンイミンを上記のようなポリエステルと直接、あるいは間接的に反応させた生成物が記載されている。
【0008】
さらに、特開昭64−79279号公報、特開平2−99132号公報等にはポリアミンと脂肪酸や酸無水物との反応生成物が提案されている。
【0009】
しかしながら、これら顔料分散剤は、非水分散系における顔料の高濃度化、分散の安定化という点においてはある程度の効果は認められるものの、顔料の微分散安定化に関して依然として満足しうる効果が得られないという問題を有するものであった。
【0010】
また、米国特許第2,761,865号明細書、特公昭41−2466号公報に代表されるように、有機顔料を母体骨格とし側鎖にスルホン基、スルホンアミド基、アミノメチル基、フタルイミドメチル基等の置換基を導入して得られる化合物(顔料分散助剤)を使用する方法がある。
【0011】
この方法によれば、上記顔料分散剤の場合に比べて、顔料の微分散安定化に対する効果が大きく、かなり有効であることが知られている。しかしながら、このような化合物(顔料分散助剤)は、上述したように有機顔料を母体骨格として使用しているため、同系色にしか使用できず、各色毎に顔料分散助剤を変更しなければならないという問題、及び白インキ、淡色インキには使用できないという問題を有するものであった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、これらの問題を解決するためになされたものであり、高い顔料濃度においても顔料が良好に微分散安定化され、且つ、白インキ、淡色インキにも使用することができる汎用性のある顔料分散助剤を含有する顔料分散物を提供すること、及びそれを用いたオフセット印刷用インキ組成物を提供することを課題とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記課題を解決すべく研究を重ねた結果、以下に示す芳香環と塩基性基又は酸基を有する顔料分散助剤と該顔料分散助剤の塩基性基又は酸基と塩形可能な酸基又は塩基性基を有する顔料分散用樹脂を併用することにより、これらの課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至ったものである。
【0014】
すなわち、本発明は、1.顔料、芳香環と塩基性基又は酸基を有する顔料分散助剤、顔料分散助剤の該塩基性基又は酸基と塩形成可能な酸基又は塩基性基を有する顔料分散用樹脂、溶剤、必要に応じてバインダー樹脂を含む顔料分散物であって、前記顔料分散助剤が、共重合体を構成する単量体中、芳香環を有する単量体が10〜90モル%である酸価10〜200又はアミン価10〜200の共重合体であり、かつ顔料100重量部に対し、顔料分散助剤を0.5重量部以上及び顔料分散用樹脂を0.5重量部以上で、顔料分散助剤と顔料分散用樹脂の合計量が1〜51重量部になる範囲で含有することを特徴とする顔料分散物に関する。
【0015】
さらに、本発明は、2.前記1項記載の顔料分散助剤が、下記(1)〜(7)より成る群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする顔料分散物に関する。
【0016】
(1)芳香環を有する単量体、酸基を有する単量体、必要に応じてその他の共重合可能な単量体から得られる共重合体。
【0017】
(2)芳香環を有する単量体、酸基を有する単量体、必要に応じてその他の共重合可能な単量体から得られる共重合体の酸基と1価のアルコール又はヒドロキシカルボン酸或いはその重縮合物を反応させて得られる化合物。
【0018】
(3)芳香環を有する単量体、水酸基を有する単量体、必要に応じて塩基性基を有していないその他の共重合可能な単量体を共重合させ、次いで、共重合体を構成する水酸基を有する単量体の水酸基を酸無水物環を有する化合物と反応させて得られるカルボキシル基を有する化合物。
【0019】
(4)芳香環を有する単量体、エポキシ基を有する単量体、必要に応じてエポキシ基に対して反応性のないその他の共重合可能な単量体を共重合させ、次いで、共重合体を構成するエポキシ基を有する単量体のエポキシ基にモノカルボン酸又はヒドロキシカルボン酸或いはその重縮合物を反応させ、更に、該単量体の水酸基と酸無水物環を有する化合物を反応させて得られるカルボキシル基を有する化合物。
【0020】
(5)芳香環を有する単量体、不飽和二重結合を有し酸無水物環を有する化合物、必要に応じてその他の共重合可能な単量体から得られる共重合体の酸無水物環を開環させて得られるカルボキシル基を有する化合物。
【0021】
(6)芳香環を有する単量体、塩基性基を有する単量体、必要に応じてその他の共重合可能な単量体から得られる共重合体。
【0022】
(7)芳香環を有する単量体、エポキシ基を有する単量体、必要に応じてエポキシ基に対して反応性のないその他の共重合可能な単量体を共重合させ、次いで、共重合体を構成するエポキシ基を有する単量体のエポキシ基と、1級アミノ基、2級アミノ基の少なくとも1種を有するアミンを反応させ得られるアミノ基を有する化合物。
【0023】
また、本発明は、3.前記1又は2項記載の顔料分散物を含有することを特徴とするオフセット印刷用インキ組成物に関する。
【0024】
【発明の実施の形態】
本発明の顔料分散物においては、顔料に、顔料分散助剤(芳香環と塩基性基又は酸基を有する共重合体)が吸着あるいは相互作用し、且つ、該顔料分散助剤の塩基性基又は酸基と塩形成可能な酸基又は塩基性基を有する顔料分散用樹脂とが相互作用することにより、顔料の高濃度微分散体に特有の構造粘性が抑えられ、インキ、塗料、顔料分散レジスト等の取扱い時や塗布、印刷及び製造時に必要な高い流動性と、長期間に渡り顔料が再凝集を起こすことのない高い安定性が得られる。また、顔料分散助剤が、着色していないため、白インキ、淡色インキにも使用できる。
【0025】
以下、本発明の顔料、顔料分散助剤(芳香環と塩基性基又は酸基を有する共重合体)、該顔料分散助剤の塩基性基又は酸基と塩成形可能な酸基又は塩基性基を有する顔料分散用樹脂(顔料分散助剤が酸基を有する共重合体の場合は、塩基性基を有する顔料分散用樹脂を併用し、顔料分散助剤が塩基性基を有する共重合体の場合は、酸基を有する顔料分散用樹脂を併用する、以下同様)、溶剤、必要に応じてバインダー樹脂を含む顔料分散物であって、前記顔料分散助剤として、共重合体を構成する単量体中、芳香環を有する単量体が10〜90モル%である酸価10〜200又はアミン価10〜200の共重合体を含有せしめた顔料分散物、及びそれを用いたオフセット印刷用インキ組成物について詳しく説明する。
【0026】
本発明の顔料分散助剤としては、例えば、下記(1)〜(7)のものが例示できる。
【0027】
<塩基性基を有する顔料分散用樹脂と併用する顔料分散用助剤>
(1)芳香環を有する単量体、酸基を有する単量体、必要に応じてその他の共重合可能な単量体から得られる共重合体(以下、顔料分散助剤(1)という)。
【0028】
(2)芳香環を有する単量体、酸基を有する単量体、必要に応じてその他の共重合可能な単量体から得られる共重合体の酸基と1価のアルコール又はヒドロキシカルボン酸或いはその重縮合物を反応させて得られる化合物(以下、顔料分散助剤(2)という)。
【0029】
(3)芳香環を有する単量体、水酸基を有する単量体、必要に応じて塩基性基を有していないその他の共重合可能な単量体を共重合させ、次いで、共重合体を構成する水酸基を有する単量体の水酸基を酸無水物環を有する化合物と反応させて得られるカルボキシル基を有する化合物(以下、顔料分散助剤(3)という)。
【0030】
(4)芳香環を有する単量体、エポキシ基を有する単量体、必要に応じてエポキシ基に対して反応性のないその他の共重合可能な単量体を共重合させ、次いで、共重合体を構成するエポキシ基を有する単量体のエポキシ基にモノカルボン酸又はヒドロキシカルボン酸或いはその重縮合物を反応させ、更に、該単量体の水酸基と酸無水物環を有する化合物を反応させて得られるカルボキシル基を有する化合物(以下、顔料分散助剤(4)という)。
【0031】
(5)芳香環を有する単量体、不飽和二重結合を有し酸無水物環を有する化合物、必要に応じてその他の共重合可能な単量体から得られる共重合体の酸無水物環を開環させて得られるカルボキシル基を有する化合物(以下、顔料分散助剤(5)という)。
【0032】
<酸基を有する顔料分散用樹脂と併用する顔料分散助剤>
(6)芳香環を有する単量体、塩基性基を有する単量体、必要に応じてその他の共重合可能な単量体から得られる共重合体(以下、顔料分散助剤(6)という)。
【0033】
(7)芳香環を有する単量体、エポキシ基を有する単量体、必要に応じてエポキシ基に対して反応性のないその他の共重合可能な単量体を共重合させ、次いで、共重合体を構成するエポキシ基を有する単量体のエポキシ基と、1級アミノ基、2級アミノ基の少なくとも1種を有するアミンを反応させ得られるアミノ基を有する化合物(以下、顔料分散助剤(7)という)。
【0034】
まず、本発明の顔料分散助剤(芳香環と塩基性基又は酸基を有する共重合体)について説明する。
【0035】
本発明の顔料分散助剤はつぎのようにして得ることができる。
【0036】
顔料分散用助剤(1)は、芳香環を有する単量体、酸基を有する単量体、必要に応じてその他の共重合可能な単量体とを、過酸化物やアゾ化合物等のラジカル重合開始剤を用い、常法により反応させることにより得ることができる。
【0037】
顔料分散用助剤(2)は、芳香環を有する単量体、酸基を有する単量体、必要に応じてその他の共重合可能な単量体とを、過酸化物やアゾ化合物等のラジカル重合開始剤を用い、常法により反応させて酸基を含有する共重合体を得た後、該共重合体を構成する酸基に、後述する1価のアルコール又はヒドロキシカルボン酸或いはその重縮合物を縮合反応させることにより得ることができる。
【0038】
顔料分散用助剤(3)は、芳香環を有する単量体、水酸基を有する単量体、必要に応じて塩基性基を有していないその他の共重合可能な単量体とを、過酸化物やアゾ化合物等のラジカル重合開始剤を用い、常法により反応させて水酸基を含有する共重合体を得た後、該共重合体の水酸基に、後述する酸無水物環を有する化合物を反応させることにより得ることができる。
【0039】
顔料分散用助剤(4)は、芳香環を有する単量体、エポキシ基を有する単量体、必要に応じてエポキシ基に対して反応性のないその他の共重合可能な単量体とを、過酸化物やアゾ化合物等のラジカル重合開始剤を用い、常法により反応させてエポキシ基を含有する共重合体を得た後、該共重合体のエポキシ基に、まず、後述するモノカルボン酸又はヒドロキシカルボン酸或いはその重縮合物を反応させ、次いで、単量体の水酸基と後述する酸無水物環を有する化合物を反応させることにより得ることができる。
【0040】
顔料分散用助剤(5)は、芳香環を有する単量体、不飽和二重結合を有し酸無水物環を有する化合物、必要に応じてその他の共重合可能な単量体とを、過酸化物やアゾ化合物等のラジカル重合開始剤を用い、常法により反応させて酸無水物環を有する共重合体を得た後、共重合体の酸無水物環を開環させることにより得ることができる。
【0041】
顔料分散用助剤(6)は、芳香環を有する単量体、塩基性基を有する単量体、必要に応じてその他の共重合可能な単量体とを、過酸化物やアゾ化合物等のラジカル重合開始剤を用い、常法により反応させることにより得ることができる。
【0042】
顔料分散用助剤(7)は、芳香環を有する単量体、エポキシ基を有する単量体、必要に応じてエポキシ基に対して反応性のないその他の共重合可能な単量体とを、過酸化物やアゾ化合物等のラジカル重合開始剤を用い、常法により反応させてエポキシ基を含有する共重合体を得た後、該共重合体のエポキシ基と、1級アミノ基、2級アミノ基の少なくとも1種を有するアミンとを反応させることにより得ることができる。
【0043】
なお、前記塩基性基を有する顔料分散用樹脂と併用する顔料分散助剤(4)又は前記酸基を有する顔料分散用樹脂と併用する顔料分散助剤(7)の場合、共重合体に後述するモノカルボン酸又はヒドロキシカルボン酸或いはその重縮合物、もしくは1級アミノ基、2級アミノ基の少なくとも1種を有するアミンを反応させる反応、エポキシ基含有単量体のエポキシ基に後述するモノカルボン酸又はヒドロキシカルボン酸或いはその重縮合物を反応させ生じた水酸基に不飽和二重結合を有していない酸無水物環を有する化合物を反応させカルボキシル基を有する単量体を得る反応、又はエポキシ基含有単量体のエポキシ基に後述する1級アミノ基、2級アミノ基の少なくとも1種を有するアミンを反応させ、アミノ基を有する単量体を得る反応は、必要に応じて溶媒を用い、又、必要に応じて脂肪族アミン、芳香族アミン、或いはアンモニウム塩等の触媒を用い、60〜160℃に加熱して行うことができる。
【0044】
次に、本発明の顔料分散助剤(1)〜(5)(塩基性基を有する顔料分散用樹脂と併用するもの)、顔料分散用助剤(6)〜(7)(酸基を有する顔料分散用樹脂と併用する場合)を得るための材料について具体的に説明する。
【0045】
<1>顔料分散助剤(1)又は(6)を得るための材料
芳香環を有する単量体としては、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、ジメチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、tert−ブチルスチレン等のアルキル置換スチレン、クロロスチレン、ジクロロスチレン、ブロモスチレン、フルオロスチレン等のハロゲン置換スチレン、メトキシスチレン、ブトキシスチレン等のアルコキシ置換スチレン、フェノキシスチレン等のアリールオキシ置換スチレン、β−クロロスチレン、ベンジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸フェニル等が例示できる。
【0046】
塩基性基又は酸基を有する単量体としては、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、シトラコン酸等の重合性不飽和カルボン酸又はそれらの酸無水物、ポリカプロラクトンアクリレート、アクリロイルオキシエチルフタレート、アクリロイルオキシサクシネート等のカルボキシル基を有する単量体、該カルボキシル基を有する単量体にグリコール酸、乳酸、オキシ酸、ヒドロキシ吉草酸、ヒドロキシカプロン酸、ヒドロキシカプリル酸、ヒドロキシカプリン酸、ヒドロキシラウリン酸、ヒドロキシミリスチン酸、ヒドロキシパルミチン酸、12−ヒドロキシステアリン酸等の炭素数2〜20のヒドロキシカルボン酸或いはその重縮合物を反応させた単量体、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、エチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチルビニルエーテル等の水酸基を有する単量体に無水フタル酸、無水コハク酸、無水グルタル酸、無水トリメリット酸等の酸無水物環を有する化合物を反応させた単量体、2−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2−エチルアミノエチル(メタ)アクリレート等の2級又は3級アミノ基を有する単量体、グリシジル(メタ)アクリレート、2,3−エポキシ−2−メチルプロピル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル等のエポキシ基を有する単量体に酢酸、プロピオン酸、酪酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸等の1価のカルボン酸を反応させることにより生じる水酸基に前述の不飽和二重結合を有していない酸無水物環を有する化合物を反応させた単量体、前述のエポキシ基を有する単量体に前述のヒドロキシカルボン酸或いはその重縮合物を反応させた単量体の水酸基に前述の不飽和二重結合を有していない酸無水物環を有する化合物を反応させた単量体、前述のエポキシ基を有する単量体に、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、アミルアミン、オクチルアミン、ドデシルアミン、ステアリルアミン、ベンジルアミン等の脂肪族1級モノアミン類、アニリン、ナフチルアミン等の芳香族1級モノアミン類、及びこれらのN−モノアルキル置換による2級モノアミン類、エタノールアミン、N−モノアルキルエタノールアミン、ジエタノールアミン等の1級或いは2級アミノ基を持つアルカノールモノアミン類等の1級及び/又は2級アミノ基を持つアミンを反応させて得られるアミノ基を有する単量体等が例示出来る。尚、前記酸無水物環を有する化合物としては、ゲル化しない範囲内であれば酸無水物環を2つ以上有する化合物も使用できる。
【0047】
必要に応じて使用するその他の共重合可能な単量体としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート、ノルボニル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸のアルキルエステル類、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート等の環状エーテル基を有する(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等の水酸基を有する(メタ)アクリレート類、メチルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテル、プロペニルエーテルプロピレンカーボネート等のビニルエーテル類、ヒドロキシブチルビニルエーテル等の水酸基を有するビニルエーテル類、アリルアセテート等の各種酸のアリルエステル等を例示出来る。
【0048】
<2>顔料分散助剤(2)を得るための材料
芳香環を有する単量体、酸基を有する単量体、必要に応じてその他の共重合可能な単量体としては、前述の顔料分散助剤(1)又は(6)を得るための材料と同じものが例示できる。また共重合体の酸基と反応させる1価のアルコールとしては、メチルアルコール、ブチルアルコール、ペンチルアルコール、シクロヘキサノール、オクチルアルコール、デシルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール等が例示でき、共重合体の酸基と反応させるヒドロキシカルボン酸或いはそれらの重縮合物としては前述の顔料分散助剤(1)を得るための材料と同じものが例示できる。
【0049】
<3>顔料分散助剤(3)を得るための材料
芳香環を有する単量体、酸無水物環を有する化合物としては、前述の顔料分散助剤(1)又は(6)を得るための材料と同じものが例示できる。
【0050】
水酸基を有する単量体としては、前述の顔料分散助剤(1)又は(6)を得るための材料と同じ、水酸基を有する(メタ)アクリレート類、水酸基を有するビニルエーテル類が例示出来る。
【0051】
塩基性基を有していないその他の共重合可能な単量体としては、前述の顔料分散助剤(1)又は(6)を得るための材料と同じ、(メタ)アクリル酸のアルキルエステル類、環状エーテル基を有する(メタ)アクリレート、ビニルエーテル類、各種酸のアリルエステル等が例示出来る。
【0052】
<4>顔料分散助剤(4)を得るための材料
芳香環を有する単量体、エポキシ基を有する単量体、モノカルボン酸、ヒドロキシカルボン酸或いはその重縮合物、酸無水物環を有する化合物としては、前述の顔料分散助剤(1)又は(6)を得るための材料と同じものが例示できる。
【0053】
エポキシ基に対して反応性のないその他の共重合可能な単量体としては、前述の顔料分散助剤(1)又は(6)を得るための材料と同じ(メタ)アクリル酸のアルキルエステル類、環状エーテル基を有する(メタ)アクリレート、脂肪族性水酸基を有する(メタ)アクリレート類、ビニルエーテル類、脂肪族性水酸基を有するビニルエーテル類、各種酸のアリルエステル等を例示できる。
【0054】
<5>顔料分散助剤(5)を得るための材料
芳香環を有する単量体、その他の共重合可能な単量体としては、前述の顔料分散助剤(1)又は(6)を得るための材料と同じものが例示できる。
【0055】
不飽和二重結合を有し酸無水物環を有する化合物としては、無水マレイン酸、無水シトラコン酸、無水イタコン酸、無水テトラヒドロフタル酸、無水グルタコン酸等が例示できる。
【0056】
共重合体の酸無水物を開環させる化合物としては、水、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール、ペンチルアルコール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール等の1価のアルコール、前述の顔料分散助剤(1)又は(6)を得るための材料と同じヒドロキシカルボン酸或いはそれらの重縮合物等が例示できる。
【0057】
<6>顔料分散助剤(7)を得るための材料
芳香環を有する単量体、エポキシ基を有する単量体、1級アミノ基、2級アミノ基の少なくとも1種を有するアミンとしては、前述の顔料分散助剤(1)又は(6)を得るための材料と同じものが例示できる。
【0058】
エポキシ基に対して反応性のないその他の共重合可能な単量体としては、前述の顔料分散助剤(4)を得るための材料と同じものが例示できる。
【0059】
本発明の顔料分散助剤は、芳香環と塩基性基又は酸基、好ましくは、芳香環とアミノ基又はカルボキシル基を持っていなければならない。そのためには、顔料分散助剤(1)〜(7)の化合物は、共重合体中に、芳香環を有する単量体を10〜90モル含有することが好ましい。
【0060】
また、本発明の塩基性基又は酸基を有する顔料分散助剤が塩基性基の場合はアミン価が10〜200、酸基の場合は酸価が10〜200であることが好ましい。
【0061】
芳香環と塩基性基又は酸基(好ましくはアミノ基又はカルボキシル基)の双方が、所定量含まれていない場合には、十分な顔料分散性が得られない。ただし、適切な値は、顔料の種類、顔料粒子の比表面積や粒子径、顔料表面処理剤の性質、分散媒の極性等に応じて変化するものであり、用途に応じて最適値を選択する必要がある。
【0062】
尚、湿し水を使用するオフセット印刷用インキ組成物に使用する場合は、印刷適性の点から、顔料分散助剤が塩基性基の場合はアミン価が10〜50、酸基の場合は酸価が10〜50であることが好ましい。
【0063】
本発明の顔料分散助剤の分子量は、重量平均で3000〜100000の範囲にあることが好ましい。重量平均分子量が3000未満でも顔料分散効果はあるが重合反応が難しくなり、それとともに多量に使用される重合開始剤や連鎖移動剤による末端基の影響等で乳化適性が低下する傾向がある。一方、重量平均分子量が100000を超えると十分な顔料分散効果が得られなくなる傾向がある。
【0064】
つぎに本発明で使用する顔料分散用樹脂について説明する。
【0065】
本発明で使用する顔料分散用樹脂は、前述の顔料分散助剤の塩基性基又は酸基と塩形成可能な酸基又は塩基性を有する顔料分散樹脂である。
【0066】
塩基性基又は酸基を有する顔料分散用樹脂としては、好ましくは、塩基性基がアミノ基の場合はアミン価が10〜200(湿し水を使用するオフセット印刷用インキ組成物に使用する場合、10〜50が好ましい)、酸基がカルボキシル基の場合は酸価が10〜200(湿し水を使用するオフセット印刷用インキ組成物に使用する場合、10〜50が好ましい)の顔料分散用樹脂が使用でき、具体的には、アミノ基を有するものとして、特開平5−271593号公報に記載されている長鎖ヒドロキシカルボン酸から誘導されるポリエステルと窒素原子を3〜6個含有するポリアルキレンイミンとを反応させた化合物、特開昭61−234919号公報に記載されている長鎖ヒドロキシカルボン酸から誘導されるポリエステルとポリエチレングリコールジアミンとを反応させた化合物、特開昭61−163977号公報に記載されている長鎖ヒドロキシカルボン酸から誘導されるポリエステルにビペラジン類を反応させた化合物などがあげられ、カルボキシル基を有するものとして、特開平9−25443号公報、特開平9−25444号公報に記載されている長鎖ヒドロキシカルボン酸から誘導されるポリエステル化合物等が挙げられる。
【0067】
またこれ以外にも、各種アルキッド樹脂、フェノール樹脂、ロジンエステル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂等、あるいはそれらの変性物で、且つ塩基性基又は酸基を有している樹脂を顔料分散用樹脂として使用することができる。
【0068】
本発明の対象となる顔料としては、一般的な無彩色又は有彩色の、無機又は有機顔料が使用でき、具体的には、二酸化チタン、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、磁性酸化鉄等の無機顔料や、アゾ顔料、レーキ顔料、フタロシアニン顔料、イソインドリン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料等の有色顔料、及びカーボンブラック等が挙げられる。
【0069】
また、必要に応じて用いることができる本発明のバインダー樹脂としては、塗料、顔料分散レジスト、インキ組成物の分野に使用されている公知の各種バインダーが使用できる。
【0070】
本発明の顔料、顔料分散助剤、顔料分散用樹脂、溶剤、必要に応じてバインダー樹脂を含む顔料分散物を得るには、顔料100重量部に対して、顔料分散助剤を0.5重量部以上、好ましくは1重量部以上、及び顔料分散用樹脂を0.5重量部以上、好ましくは1重量部以上で、かつ顔料分散助剤と顔料分散用樹脂の合計量が1〜51重量部、好ましくは、2〜35重量部となる範囲で含有させることが好ましい。顔料分散助剤、又は、顔料分散用樹脂が、0.5重量部より少ないと十分な顔料分散効果が得られない。また、顔料分散助剤と顔料分散用樹脂の合計量を51重量部より多くしても顔料分散効果はそれ以上向上しない。
【0071】
また、本発明の顔料分散物を、オフセット印刷インキ組成物に使用する場合は、顔料100重量部に対して、顔料分散助剤を0.5重量部以上、好ましくは1重量部以上及び顔料分散用樹脂を0.5重量部以上、好ましくは1重量部以上で、かつ顔料分散助剤と顔料分散用樹脂の合計量が1〜51重量部、好ましくは2〜35重量部となる範囲で含有させることが望ましい。顔料分散助剤、又は、顔料分散用樹脂が、0.5重量部より少ないと十分な顔料分散効果が得られない。また、顔料分散助剤と顔料分散用樹脂の合計量を51重量部より多くしても顔料分散効果はそれ以上向上しない。
【0072】
但し、顔料分散効果は、顔料の種類、顔料粒子の比表面積や粒子径、顔料表面処理剤の性質、分散媒の極性等に応じて変化するものであり、それぞれの場合で最適使用量を定める必要がある。
【0073】
本発明の顔料分散物を用いたオフセット印刷インキ組成物の製造に際しては、公知のバインダー樹脂、具体的には、各種アルキッド樹脂、フェノール樹脂、石油樹脂、ロジンエステル樹脂、ポリエステル樹脂等、或いはそれらの変性物が使用でき、溶剤としては、アマニ油、桐油、大豆油等の植物油、n−パラフィン、イソパラフィン、芳香族系溶剤、ナフテン系溶剤等の鉱物油等が使用でき、さらにドライヤー、ゲル化剤、乾燥遅延剤、酸化防止剤等の添加剤を適宜用いることができる。
【0074】
本発明のオフセット印刷インキ組成物における各成分の好ましい範囲を示す。
Figure 0003933257
【0075】
前記組成においては、植物油と鉱物油を合計したものの割合が20〜60重量%であるものが好ましい。
【0076】
また、前記組成においては、顔料分散助剤と顔料分散用樹脂の合計量が、顔料100重量部に対して、1〜51重量部の範囲、より好ましくは、2〜35重量部の範囲にあるのが好ましい。
【0077】
本発明のオフセット印刷用インキベース(顔料分散物)の製造は、顔料、顔料分散助剤、顔料分散用樹脂、バインダー樹脂、溶剤を充分に攪拌した後、ビーズミル、3本ロールミル等にて練肉することにより調製することができる。
【0078】
本発明のオフセット印刷用インキ組成物の製造は、上記オフセット印刷用インキベースに、さらに、バインダー樹脂、溶剤、ワックス等の助剤を加えて、3本ロールミル等で混合することにより調製することができる。
【0079】
また、塗料や顔料分散レジスト等、本発明のオフセット印刷用インキ組成物以外の用途に本発明の顔料組成物を使用する場合は、従来よりそれらの分野で使用されている各種のバインダー樹脂、溶剤及び添加剤を用いて調製することができる。
【0080】
【実施例】
以下、実施例により本発明を説明する。本発明は、その主旨と適用範囲を逸脱しない限り、これら実施例に限定されるものではない。なお以下の記述中において、「部」は重量部を示す。
【0081】
顔料分散助剤1
冷却管、水分分離管、温度計、窒素導入管を備えたセパラブルフラスコにスチレン166.6部とメタクリル酸34.4部(両者の合計量に対する各成分の比率はそれぞれ80モル%、20モル%)を入れ、アゾビスイソブチロニトリルを開始剤として共重合した。次にこの共重合体にステアリルアルコール64.8部、キシレン30部及びテトラ−n−ブチルチタネート0.1部を加え、窒素気流下に生成する水を共沸留去しながら、150〜160℃で縮合反応を行った。重量平均分子量4400、酸価32のカルボキシル基を有する共重合体(顔料分散助剤1)を得た。
【0082】
顔料分散助剤2
顔料分散助剤1におけるスチレンとメタクリル酸の代わりに、スチレン166.6部とヒドロキシエチルメタクリレート52.1部(両者の合計量に対する各成分の比率はそれぞれ80モル%、20モル%)を共重合した。次にこの共重合体に無水コハク酸13部を反応させて重量平均分子量4500、酸価33のカルボキシル基を有する共重合体(顔料分散助剤2)を得た。
【0083】
顔料分散助剤3
顔料分散助剤1におけるスチレンとメタクリル酸の代わりに、スチレン166.6部とグリシジルメタクリレート56.9部(両者の合計量に対する各成分の比率はそれぞれ80モル%、20モル%)を共重合した。次にこの共重合体にステアリン酸108.0部を加えて、酸価測定によるカルボキシル基残存量が測定限界以下になるまで反応を行った。このエポキシ基の開環により生じた水酸基を有する共重合体に、さらに無水コハク酸20部を反応させて重量平均分子量4700、酸価31のカルボキシル基を有する共重合体(顔料分散助剤3)を得た。
【0084】
顔料分散助剤4
冷却管、水分分離管、温度計、窒素導入管を備えたセパラブルフラスコに12−ヒドロキシステアリン酸3000部にキシレン300部とテトラ−n−ブチルチタネート3部を加え、窒素気流下に生成する水を共沸留去しながら、160〜170℃で縮合反応を行った。所定酸価となったところでキシレンを留去し、淡褐色の酸価85のポリエステルAを得た。
【0085】
次にこのポリエステルA264部を顔料分散助剤3におけるステアリン酸の代わりに用い、引続き、無水コハク酸30部を反応させることにより重量平均分子量6000、酸価32のカルボキシル基を有する共重合体(顔料分散助剤4)を得た。
【0086】
顔料分散助剤5
顔料分散助剤4における無水コハク酸30部を50部に変更することにより、重量平均分子量6000、酸価52のカルボキシル基を有する共重合体(顔料分散助剤5)を得た。
【0087】
顔料分散助剤6
顔料分散助剤4における無水コハク酸30部を80部に変更することにより、重量平均分子量6000、酸価84のカルボキシル基を有する共重合体(顔料分散助剤6)を得た。
【0088】
顔料分散助剤7
顔料分散助剤4におけるスチレン166.6部とグリシジルメタクリレート56.9部(両者の合計量に対する各成分の比率はそれぞれ80モル%、20モル%)の共重合体の代わりに、共重合比が同じで分子量の異なる共重合体を使用することにより、最終的に重量平均分子量8000、酸価30のカルボキシル基を有する共重合体(顔料分散助剤7)を得た。
【0089】
顔料分散助剤8
顔料分散助剤4におけるスチレン166.6部とグリシジルメタクリレート56.9部(両者の合計量に対する各成分の比率はそれぞれ80モル%、20モル%)の代わりに、スチレン166.4部とグリシジルメタクリレート113.7部(両者の合計量に対する各成分の比率はそれぞれ67モル%、33モル%)を共重合した後、ポリエステルA264部及び酢酸24部を反応させた。次に無水コハク酸53部を反応させることにより重量平均分子量6000、酸価35のカルボキシル基を有する共重合体(顔料分散助剤8)を得た。
【0090】
顔料分散助剤9
顔料分散助剤4におけるスチレン166.6部とグリシジルメタクリレート56.9部(両者の合計量に対する各成分の比率はそれぞれ80モル%、20モル%)の代わりに、スチレン41.6部とグリシジルメタクリレート227.2部(両者の合計量に対する各成分の比率はそれぞれ20モル%、80モル%)を共重合した後、ポリエステルA264部及び酢酸72部を反応させた。次に無水コハク酸80部を反応させることにより重量平均分子量6000、酸価30のカルボキシル基を有する共重合体(顔料分散助剤9)を得た。
【0091】
顔料分散助剤10
顔料分散助剤4におけるスチレン166.6部とグリシジルメタクリレート56.9部(両者の合計量に対する各成分の比率はそれぞれ80モル%、20モル%)の代わりに、ビニルトルエン188.8部とグリシジルメタクリレート56.8部(両者の合計量に対する各成分の比率はそれぞれ80モル%、20モル%)を共重合した後、ポリエステルA264部を反応させた。次に無水コハク酸30部を反応させることにより、重量平均分子量6200、酸価34のカルボキシル基を有する共重合体(顔料分散助剤10)を得た。
【0092】
顔料分散助剤11
顔料分散助剤4におけるスチレン166.6部とグリシジルメタクリレート(両者の合計量に対する各成分の比率はそれぞれ80モル%、20モル%)の代わりに、スチレン118.6部、グリシジルメタクリレート96.6部、及びメチルメタクリレート18部(三者の合計量に対する各成分の比率はそれぞれ57モル%、34モル%、9モル%)を共重合した後、ポリエステルA264部及び酢酸16.8部を反応させた。次に無水コハク酸40部を反応させることにより、重量平均分子量5800、酸価30のカルボキシル基を有する共重合体(顔料分散助剤11)を得た。
【0093】
顔料分散助剤12
顔料分散助剤1におけるスチレンとメタクリル酸のかわりに、スチレン166.6部と無水マレイン酸39.2部(両者の合計量に対する各成分の比率はそれぞれ80モル%、20モル%)を共重合した。次にこの共重合体にステアリルアルコール108.0部を加え反応を行った。重量平均分子量5900、酸価35のカルボキシル基を有する共重合体(顔料分散助剤12)を得た。
【0094】
顔料分散助剤13
顔料分散助剤1におけるスチレンとメタクリル酸のかわりに、スチレン166.6部と2−ジメチルアミノエチルメタクリレート53.8部、及びヒドロキシエチルメタクリレート44.5部(三者の合計量に対する各成分の比率はそれぞれ70モル%、15モル%、15モル%)を共重合し、重量平均分子量5900、アミン価35のアミノ基を有する共重合体(顔料分散助剤13)を得た。
【0095】
顔料分散助剤14
顔料分散助剤3と同様にスチレン166.6部とグリシジルメタクリレート25.2部(両者の合計量に対する各成分の比率はそれぞれ90モル%、10モル%)を共重合した後、ステアリルアミン46.2部を反応させて重量平均分子量6000、アミン価38のアミノ基を有する共重合体(顔料分散助剤14)を得た。
【0096】
[比較顔料分散助剤]
顔料分散助剤15
顔料分散助剤1におけるスチレンとメタクリル酸のかわりに、スチレンのみを共重合し、重量平均分子量6000のカルボキシル基或いはアミノ基を持たない共重合体(顔料分散助剤15)を得た。
【0097】
顔料分散助剤16
顔料分散助剤4の合成で使用したポリエステルAを顔料分散助剤16とした。
【0098】
顔料分散助剤17
市販顔料分散助剤(酸性官能基を有するフタロシアニン誘導体)を顔料分散助剤17とした。
【0099】
[顔料分散助剤と併用する塩基性基又は酸基を有する顔料分散用樹脂]
顔料分散用樹脂1(カルボキシル基を有する顔料分散用樹脂)
冷却管、水分分離管、温度計、窒素導入管を備えたセパラブルフラスコに12−ヒドロキシステアリン酸100部、キシレン10部、テトラ−n−ブチルチタネート0.1部の混合物を入れ、窒素気流下に生成する水を水分分離管に分離しながら180〜200℃で7時間加熱撹拌した。次いでキシレンを減圧留去して重量平均分子量4,000、酸価30の淡褐色重合物であるカルボキシル基を有するポリエステル樹脂(顔料分散用樹脂1)を得た。
【0100】
顔料分散用樹脂2(アミノ基を有する顔料分散用樹脂)
アミノ基を有する樹脂(ポリ−12−ヒドロキシステアリン酸の末端にアミノ基を導入したもの、重量平均分子量4,500、アミン価25)を顔料分散用樹脂2とした。
【0101】
[オフセット印刷用インキ組成物]
実施例1〜27、及び比較例1〜13
顔料分散助剤1〜14、比較顔料分散助剤(顔料分散助剤15〜17)、及び顔料分散用樹脂1〜2を用い、表1、2に示した顔料に対する顔料分散助剤および顔料分散用樹脂の使用量で、以下に示す処方のオフセット印刷用インキベ−ス(藍、墨、紅:ベース1、黄:ベース2)を調製した。ここで顔料としては、藍は銅フタロシアニン(大日精化工業(株)製)を、墨はカーボンブラック(三菱化学(株)製)を、黄はジスアゾイエロー(大日本インキ化学工業(株)製)を、紅はカーミン6B(大日本インキ化学工業(株)製)を使用した。溶剤としては、日本石油(株)製の5号ソルベントを用いた。また、樹脂ワニスAとしては、ロジン変性フェノール樹脂(日立化成ポリマー(株)製、テスポール1355)をアマニ油と5号ソルベントの混合溶剤中に加熱溶解したもの(樹脂濃度55重量%)を用いた。なお、インキベース1においては顔料分散助剤および顔料分散用樹脂の使用量に対応させて、樹脂ワニスAの使用量を変え、インキベースの総量が100部となるようにした。
【0102】
Figure 0003933257
【0103】
前記混合物を充分に攪拌した後、3本ロ−ルにて練肉を行ってオフセット印刷用インキベ−スを調製した。これを用いて以下の配合によりオフセット印刷用インキを調製した。ここでワックスとしては、シャムロック社製のポリエチレンワックスコンパウンドを、溶剤としては日本石油(株)製の5号ソルベントを用いた。また、樹脂ワニスBとしては、ロジン変性フェノール樹脂(日立化成ポリマー(株)製、テスポール1304)をアマニ油と5号ソルベントの混合溶剤中に加熱溶解したもの(樹脂濃度55重量%)を用いた。
【0104】
Figure 0003933257
【0105】
[評価試験]
得られたオフセット印刷用インキベ−スおよびオフセット印刷用インキの性状と性能の評価結果を藍インキについては表1に、墨インキ、黄インキ、紅インキについては表2に示した。なお、比較例5、6では、顔料分散助剤を使用せずに顔料分散助剤相当量を顔料分散用樹脂で置き換えたものについて、比較例7、9、11、13では、顔料分散助剤及び顔料分散用樹脂を使用せずにそれぞれの相当量を樹脂ワニスAで置き換えたものについて評価した。
【0106】
(1)粘度
コーン・プレート型回転粘度計(レオメトリックス社製)を使用し、オフセット印刷用インキベ−スの25℃における降伏値(Pa)と、ずり速度10.0(1/s)での粘度(Pa・s)を測定した。低粘度であるほど優れている。
【0107】
(2)着色力
各オフセット印刷用インキベースに白インキベースを加えて希釈し、顔料分散助剤及び顔料分散用樹脂を使用しないインキベース(比較例7、9、11、13)の着色力を100%として、同等の着色が得られる白インキベ−スの相対量から求めた。値が高いほど優れている。
【0108】
(3)貯蔵安定性
オフセット印刷用インキベース及びオフセット印刷用インキを25℃の恒温槽に1カ月間保存し、調製時の粘度に対する粘度変化から判定した。粘度上昇のほとんどないものを3、粘度上昇が比較的少ないものを2、著しく増粘するものを1として評価した。
【0109】
【表1】
Figure 0003933257
【0110】
【表2】
Figure 0003933257
【0111】
本発明の、芳香環を有し、かつ塩基性基又は酸基を有する共重合体(顔料分散助剤)と、顔料分散助剤の塩基性基又は酸基と塩形成可能な酸基又は塩基性基を有する顔料分散用樹脂をオフセット印刷インキに用いることにより、藍、墨、黄、紅の各色において、オフセット印刷用インキベース(顔料分散物)の粘度と降伏値が下がり、着色力が向上した。また、貯蔵安定性についても優れており、顔料分散性の向上が示された。これに比べて比較例では顔料分散性が不十分であるか、十分な顔料分散性が得られても顔料分散助剤自体が着色しているため、同系色にしか使用できず、各色顔料への汎用性を全く持たないことがわかる。実施例と比べてわかるように、エポキシ基を有するノボラック樹脂、或いはポリエステル単独では、本発明の顔料分散物で得られる顔料分散効果を得ることはできなかった。また、本発明の顔料分散物を用いた場合においても、インキの貯蔵安定性は優れており、顔料分散性の向上が示された。
【0112】
【発明の効果】
本発明の顔料分散物は、芳香環を有し、かつ塩基性基または酸基を有する共重合体(顔料分散助剤)を用いることにより、白インキ、淡色インキにも使用できる。
【0113】
また、本発明の、芳香環を有し、かつ塩基性基又は酸基を有する共重合体(顔料分散助剤)と、顔料分散助剤の塩基性基又は酸基と塩形成可能な酸基又は塩基性基を有する顔料分散用樹脂を含む顔料分散物は、特にこれをオフセット印刷用インキに使用することにより、顔料を高濃度に分散したオフセット印刷用インキベースの高い流動性、高い着色力及び良好な貯蔵安定性が得られる。また、オフセット印刷用インキについても、良好な貯蔵安定性が得られる。これにより、従来のものに比べて、作業効率を大幅に向上できる。

Claims (3)

  1. 顔料、芳香環と塩基性基又は酸基を有する顔料分散助剤、顔料分散助剤の該塩基性基又は酸基と塩形成可能な酸基又は塩基性基を有する顔料分散用樹脂、溶剤、必要に応じてバインダー樹脂を含む顔料分散物であって、前記顔料分散助剤が、共重合体を構成する単量体中、芳香環を有する単量体が10〜90モル%である酸価10〜200又はアミン価10〜200の共重合体であり、かつ顔料100重量部に対し、少なくとも顔料分散助剤を0.5重量部以上及び顔料分散用樹脂を0.5重量部以上で、顔料分散助剤と顔料分散用樹脂の合計量が1〜51重量部になる範囲で含有し、前記芳香環を有する単量体が、スチレン、アルキル置換スチレン、ハロゲン置換スチレン、アルコキシ置換スチレン、アリールオキシ置換スチレン、ベンジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸フェニルよりなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする顔料分散物。
  2. 請求項1記載の顔料分散助剤が、下記(1)〜(7)より成る群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする顔料分散物。
    (1)芳香環を有する単量体、酸基を有する単量体、必要に応じてその他の共重合可能な単量体から得られる共重合体。
    (2)芳香環を有する単量体、酸基を有する単量体、必要に応じてその他の共重合可能な単量体から得られる共重合体の酸基と1価のアルコール又はヒドロキシカルボン酸或いはその重縮合物を反応させて得られる化合物。
    (3)芳香環を有する単量体、水酸基を有する単量体、必要に応じて塩基性基を有していないその他の共重合可能な単量体を共重合させ、次いで、共重合体を構成する水酸基を有する単量体の水酸基を酸無水物環を有する化合物と反応させて得られるカルボキシル基を有する化合物。
    (4)芳香環を有する単量体、エポキシ基を有する単量体、必要に応じてエポキシ基に対して反応性のないその他の共重合可能な単量体を共重合させ、次いで、共重合体を構成するエポキシ基を有する単量体のエポキシ基にモノカルボン酸又はヒドロキシカルボン酸或いはその重縮合物を反応させ、更に、該単量体の水酸基と酸無水物環を有する化合物を反応させて得られるカルボキシル基を有する化合物。
    (5)芳香環を有する単量体、不飽和二重結合を有し酸無水物環を有する化合物、必要に応じてその他の共重合可能な単量体から得られる共重合体の酸無水物環を開環させて得られるカルボキシル基を有する化合物。
    (6)芳香環を有する単量体、塩基性基を有する単量体、必要に応じてその他の共重合可能な単量体から得られる共重合体。
    (7)芳香環を有する単量体、エポキシ基を有する単量体、必要に応じてエポキシ基に対して反応性のないその他の共重合可能な単量体を共重合させ、次いで、共重合体を構成するエポキシ基を有する単量体のエポキシ基と、1級アミノ基、2級アミノ基の少なくとも1種を有するアミンを反応させ得られるアミノ基を有する化合物。
  3. 請求項1又は2記載の顔料分散物を含有することを特徴とするオフセット印刷用インキ組成物。
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