JP3391806B2 - 陰イオンジスアゾ染料の濃厚水溶液 - Google Patents

陰イオンジスアゾ染料の濃厚水溶液

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は、式(1)
【化5】 の陰イオン染料と式(2)
【化6】 のポリグリコールアミンとの塩と、〔上記各式中、Xと
Yとは互に独立的に水素、アルキル、またはアルコキシ
であり、Rは水素またはアリールであり、Zはアルキ
ル、アルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシル、またはカル
ボキシルであり、nは1または2であり、mは0、1ま
たは2であり、R1 とR2とは互に独立的にアルキル、
または次式(3)の基であり、
【化7】 (式中、R3 とR4 とは互に独立的に水素、メチル、ま
たはエチルであり、qは1乃至20である)pは2乃至
20である〕、所望の場合には、水溶性有機可溶化剤と
を含有する陰イオンジスアゾ染料の濃厚水溶液に関す
る。
【0002】本発明においては、アルキルは一般に直鎖
または枝分れアルキル基を意味すると理解されたい。ア
ルキル基は、好ましくは1〜4の炭素原子を有する。ア
ルキル基は、たとえばメチル、エチル、n−プロピル、
イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチ
ル、またはtert−ブチルである。
【0003】適当なアルコキシ基は好ましくは1〜4の
炭素原子を有するもので、たとえばメトキシ、エトキ
シ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、
イソブトキシ、sec−ブトキシ、またはtert−ブ
トキシである。ハロゲンはフッ素、臭素、ヨウ素、また
は特に塩素を意味すると理解されたい。アリール基は芳
香族炭素環基または芳香族性複素環基である。アリール
基は、たとえばピリジル、ナフチル、または特にフェニ
ルである。これらの基は、たとえばハロゲン、アルキ
ル、アルコキシ、またはスルホ基によって置換されるこ
とができる。
【0004】適当な陰イオンジスアゾ染料は、好ましく
は一般式(4)
【化8】 (式中、Zはメチルであり、XとYとは互に独立的に水
素、メチル、またはメトキシであり、mは0、1、また
は2である)の染料である。これらのうち、Zがメチル
であり、mが0、1、または2、特に0であり、Xがメ
チルであり、Yがメトキシである染料が特に好ましい。
【0005】式(2)の適当なポリグリコールアミンの
例は、アンモニア;メチルアミン、エチルアミン、ジメ
チルアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、
トリエタノールアミン、モノ−、ジ−、トリ−イソプロ
パノールアミンのようなアルキルアミン及びヒドロキシ
アルキルアミンと、エチレンオキシド、1,2−プロピ
レンオキシド、1,2−ブチレンオキシド、または2,
3−ブチレンオキシドのようなアルキレンオキシドとの
適当な重量比の反応生成物である。反応は、約50〜1
50℃において行われる。純粋なアルキレンオキシドば
かりではなく、異なるアルキレンオキシドの混合物もこ
の反応に使用できる。
【0006】このタイプの化合物の例は、ジイソプロパ
ノールアミンとエチレンオキシドの4mol との反応生成
物、トリエタノールアミンとエチレンオキシドの3mol
との反応生成物、トリイソプロパノールアミンとエチレ
ンオキシドの6mol との反応生成物、アンモニアとブチ
レンオキシドの2mol とエチレンオキシドの4mol との
反応生成物である。
【0007】特に好ましいポリグルコールアミンは、R
1 とR2 とが各々式(3)の基である式(2)のポリグ
リコールアミン、特にトリエタノールアミンの1mol と
プロピレンオキシドの2乃至4mol 、特に3mol との反
応生成物である。これらのポリグリコールアミンは、た
とえばDE−A2061760により既知であり、また
はそこに記載の方式によって製造できる。
【0008】適当な水溶性有機可溶化剤の例は、尿素、
ホルムアミド、ジメチルホルムアミド;エチレングリコ
ール、プロピレングリコール、グリセリンのような水混
和性多価アルコール;エタノールアミン、トリエタノー
ルアミン、または式(2)の他のポリグリコールアミン
のようなアルカノールアミンである。
【0009】一般に、本発明の濃厚溶液は、遊離染料酸
を、均一溶液が形成されるまで水と式(2)のポリグリ
コールアミンとの混合物とをかきまぜる方式で製造され
る。ポリグリコールアミン量は広く変化できるから、化
学量論量(完全な塩形成に要求される量)より少なくま
たは多くを存在させることができる。しかし、少なくと
も完全な塩形成に必要な量を使うのが好ましい。
【0010】この溶液は一般には、陰イオン染料(遊離
酸として計算して)5〜40重量%、水20〜90重量
%、ポリグリコールアミン5〜40重量%を含有する。
好ましい濃厚溶液は、上記染料10〜30重量%、ポリ
グリコールアミン10〜30重量%、水40〜80重量
%を含有する。これらのうち、mが0であり、Xがメチ
ルであり、Yがメトキシであり、フェニル基上のスルホ
基がアゾ結合に対してp−位にある式(4)の染料を含
む溶液が特に好ましい。
【0011】本発明の濃厚溶液は、長い貯蔵寿命および
室温以下の温度、たとえば5℃においても低い粘度にお
いて特に優れている。DE−A2061760(実施例
4)から既知の類似染料の溶液と比べて、特に低粘度の
利点を有し、低温においてさえも容易に計量できる。本
発明の染料濃厚溶液は、所望の場合には水で希釈した後
に、薄いボード、ボール紙を含む紙の染色およびプリン
トに特に使用され、これらの材料をたとえばブラッシン
グまたは浸漬によるコーティングによって、まとめて着
色できる。このタイプの液状配合物は、同様に繊維材
料、特にセルロースの連続式または回分式染色法にも使
用できる。
【0012】以下の実施例によって本発明を説明する。 実施例1 次の構造式
【化9】 の染料の遊離酸64.7gを、トリエタノールアミンの
1当量とプロピレンオキシドの3当量との反応によって
製造されたポリグリコールアミンの71.1gと、水2
23g中において完全に溶けるまでかきまぜた。これは
5℃でもなおさらさらな高濃度の安定溶液を与えた。
【0013】実施例2 次の構造式
【化10】 の遊離酸67.5gと、実施例1において使用したポリ
グリコールアミンの87gとを水809g中において完
全に溶けるまでかきまぜた。これは安定な染料濃厚溶液
を与えた。
【0014】実施例3−15 実施例1および2に記載の方法と同様にして、次の染料
の安定濃厚溶液を製造することもできた。
【0015】 実施例 第1ジアゾ成分 中央成分 端成分 3 2,4−ジメチルア 2,5−ジメチル 6−アニリノ−1− ニリン−6−スルホ アニリン ナフトール−3−ス ン酸 ルホン酸 4 4−メチルアニリン 2,5−ジメチル 〃 〃 −2−スルホン酸 アニリン 5 2−アミノナフタレ 2,5−ジメチル 〃 〃 ン−4,8−ジスル アニリン ホン酸 6 アニリン−3−スル 2−アミノ−4− 〃 〃 ホン酸 メチルアニソール 7 4−メチルアニリン 2−アミノ−4− 〃 〃 −2−スルホン酸 メチルアニソール 8 4−クロロアニリン 2−アミノ−4− 〃 〃 −3−スルホン酸 メチルアニソール 9 1−ナフチルアミン 2−アミノ−4− 〃 〃 −2−スルホン酸 メチルアニソール 10 2−ナフチルアミン 2−アミノ−4− 〃 〃 4,8−ジスルホン メチルアニソール 酸 11 アニリン−3−スル 2−アミノアニソ 〃 〃 ホン酸 ール 12 アニリン−4−スル 2,5−ジメトキ 〃 〃 ホン酸 シアニリン 13 4−メトキシアニリ 3−メトキシアニ 〃 〃 ン−2−スルホン酸 リン 14 アニリン−4−スル アニリン 6−アミノ−1−ナ ホン酸 フトール−3−スル ホン酸 15 4−クロロアニリン 2−アミノ−4− 6−アミノ−1−ナ −3−スルホン酸 メチルアニソール フトール−3−スル ホン酸
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 アドルフ ケーゼル スイス国,ボットミンゲン 4103,スピ ッツアッカーストラーセ 118 (56)参考文献 米国特許4336026(US,A) 米国特許4002424(US,A) 米国特許4227879(US,A) 英国特許1311836(GB,B) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09B 67/44 D06P 3/60 D21H 19/00

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(1) 【化1】 の陰イオン染料と式(2) 【化2】 のポリグリコールアミンとの塩と、 〔上記各式中、 【化3】 はベンゼン環またはナフタレン環であり、XとYとは互
    に独立的に水素、アルキルまたはアルコキシルであり、
    Rはアリールであり、Zはアルキル、アルコキシ、ハロ
    ゲン、ヒドロキシルまたはカルボキシルであり、nは1
    または2であり、mは0、1または2であり、R1 とR
    2 とは互に独立的にアルキルまたは次式(3)の基であ
    り、 【化4】 (式中、R3 とR4 とは互に独立的に水素、メチル、ま
    たはエチルであり、qは1〜20である)pは2〜20
    である〕、所望の場合には水溶性有機可溶化剤とを含有
    する、陰イオンジスアゾ染料の濃厚水溶液。
  2. 【請求項2】 下記式(4)の染料 【化4】 (式中、Zはメチルであり、XとYとは互に独立的に水
    素、メチルまたはメトキシであり、mは0、1または2
    である)を含む請求項1の濃厚水溶液。
  3. 【請求項3】 Zがメチルであり、mが0、1または
    2、特に0であり、Xがメチルであり、Yがメトキシで
    ある式(4)の染料を含む請求項2記載の濃厚水溶液。
  4. 【請求項4】 R1 とR2 とが各々式(3)の基である
    式(2)のポリグリコールアミンを含む請求項1乃至3
    のいずれかに記載の濃厚水溶液。
  5. 【請求項5】 式(1)の染料5〜40重量%、式
    (2)のポリグリコールアミン5〜40重量%、水20
    〜90重量%を含有する請求項1乃至4のいずれかに記
    載の濃厚水溶液。
  6. 【請求項6】 式(1)の染料10〜30重量%、式
    (2)のポリグリコールアミン10〜30重量%、水4
    0〜80重量%を含有する請求項5記載の濃厚水溶液。
  7. 【請求項7】 mが0であり、Xがメチルであり、Yが
    メトキシであり、フェニル基上のスルホ基がアゾ結合に
    対してp−位にある式(4)の染料を含む請求項6記載
    の濃厚水溶液。
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