JP3387846B2 - 走査型プローブ顕微鏡 - Google Patents

走査型プローブ顕微鏡

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JP3387846B2
JP3387846B2 JP5760399A JP5760399A JP3387846B2 JP 3387846 B2 JP3387846 B2 JP 3387846B2 JP 5760399 A JP5760399 A JP 5760399A JP 5760399 A JP5760399 A JP 5760399A JP 3387846 B2 JP3387846 B2 JP 3387846B2
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克則 本間
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プローブを試料表
面に沿って走査することによって、試料表面の形状や表
面物性を観察する走査型プローブ顕微鏡であって、プロ
ーブを振動体によって共振させ、その振動状態の変化を
検出することによって、試料表面とプローブの先端との
距離を制御する、いわいるダイナミック制御方式の走査
型プローブ顕微鏡に関し、特に光ファイバーをプローブ
として利用する走査型プローブ顕微鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のダイナミック制御方式の走査型プ
ローブ顕微鏡において試料表面を観察する場合を考え
る。ダイナミック制御方式の走査型プローブ顕微鏡は、
プローブで検出する力の種類によって2つに分けられ
る。一つは、カンチレバー形状のプローブを利用して原
子間力(Atomic Force)を検出し、プローブと試料の距
離制御を行うアトミックフォースフィードバック方式。
もう一つは、ストレート形状のプローブを利用してせん
断力(Shear Force)を検出し、プローブと試料の距離
制御を行うシアフォースフィードバック方式。いずれの
方式も、プローブを振動体によって機械的共振周波数近
傍で共振振動させ、試料表面に接近させる。プローブ先
端と試料表面の距離が10nm程度以下となると、原子
間力またはせん断力が作用する。この力により、共振特
性は変化する。この変化とは、振幅の変化であり、ある
いは位相の変化である。この、振幅の変化量や位相の変
化量が一定になるようにプローブと試料間の距離をスキ
ャナによって制御し、その制御信号を画像化すれば、試
料表面形状を観察することができる。2つの方式で異な
るところは、アトミックフォースフィードバック方式で
は、プローブを試料表面に対して垂直に振動させるのに
対し、シアフォースフィードバック方式では、プローブ
を試料表面に対して平行に振動させるところである。
【0003】これまで説明してきたアトミックフォース
フィードバック方式、シアフォースフィードバック方式
のいずれの場合においても、プローブの振動特性の変化
を検出するために、光テコ法や、光干渉法などの光学的
な手法が主に用いられてきた。特に、光テコ法は、高い
検出感度と比較的容易な調整により、ほとんどの走査型
プローブ顕微鏡で利用されている。
【0004】しかしながら、このような光学的検出方法
は、光学的機構が必要なため、機構的に複雑で大型であ
り、装置構成において制約を受けるものであった。この
ような問題点を解決するために、原子間力顕微鏡用プロ
ーブの振動特性変化の検出に水晶振動子を利用しようと
いう提案が、特開昭63−309803、特開平4−1
02008に記載されている。
【0005】また、走査型近視野顕微鏡を構成するため
に、音叉型水晶振動子と光ファイバーを一体にし、非光
学的な検出を行う方法が、特開平9−089911に開
示されている。図9は、特開平9−089911に開示
されているような、音叉型水晶振動子を利用してプロー
ブの振動特性変化を検出する型式の走査型プローブ顕微
鏡の一例を示す模式図である。この走査型プローブ顕微
鏡は、ストレート形状のプローブを試料表面に対して平
行に振動させるシアフォースフィードバック方式のもの
である。プローブ901が試料902の表面近傍に接近
して配置され、試料902は試料台903の上に載って
いる。試料台903は、スキャナ904の上に固定され
ている。このスキャナ904は一本のピエゾチューブよ
りなる型式であり、走査型プローブ顕微鏡で広く利用さ
れているものである。スキャナ904の外周側面には、
X電極908、Y電極909、Z電極910が形成され
ており、それぞれに電圧を印加することで、ピエゾスキ
ャナをXYZの各方向に独立して変形させることができ
る。
【0006】プローブ901は、プローブ901を含む
変位検出手段905に取り付けられている。変位検出手
段905の詳細は、後述する図10の説明により明確に
示すが、プローブ901の励振手段と、プローブ901
の振動検出手段である音叉型水晶振動子1001を含む
ものである。変位検出手段905よりの信号は、すなわ
ちプローブ901の振動状態を示す信号であり、プロー
ブ901と試料902との距離によって変化する。この
信号は、フィードバックコントローラ906に導入され
る。フィードバックコントローラ906は、この信号を
増幅、変調し、スキャナ904のZ電極910に電圧を
印加し、プローブ901と試料902の距離を一定に保
つ役割を持つ。一方、スキャナコントローラ907は、
X電極908とY電極909に独立して電圧を印加する
ことができる。この2つの印加電圧を連動させれば、任
意の面積をなぞるようにスキャナ904を変形させるこ
とができる。この時のX電極908、Y電極909それ
ぞれに印加される電圧と、フィードバックコントローラ
906からZ電極910に印加される電圧をオシロスコ
ープ909に入力し、時系列的にマッピングすれば、試
料902の表面形状を画像として再現することができ
る。
【0007】この動作状態をより詳細に述べる。今、プ
ローブ901は、試料902の表面と平行に励振され
る。つまり、紙面において左右に振動する。プローブ9
01の振動状態は、プローブ901と試料902の間に
働くせん断力(シアフォース)によって変化する。この
せん断力(シアフォース)は、試料902の表面の水分
やコンタミネーションにより発生するもので、プローブ
901と試料902の距離により指数関数的に変化する
ものである。したがって、プローブ901の振動状態変
化を検出することによって、プローブ901と試料90
2の距離変化を知ることができる。この時に、検出感度
を高くするため、プローブ901をその固有振動数近傍
で共振振動させる。ただし、図10で説明するように、
プローブ901と音叉型水晶振動子は一体固定されてい
るので、ここでいう固有振動数とは、正確には音叉型水
晶振動子1001にプローブ901を付加した状態での
音叉型水晶振動子1001の固有振動数ということにな
る。
【0008】ここで、プローブ901を試料902の表
面に接近させ、その後、スキャナ904のX電極908
とY電極909に電圧を周期的に印加し、試料902を
プローブ901に対して走査した場合を考える。まず、
プローブ901と音叉型水晶振動子1001を無負荷状
態で励振手段によって振動させ、その共振特性を測定す
る。これは、プローブ901の振動変化を音叉型水晶振
動子1001によって電圧信号変化に変換することで行
う。プローブ901を音叉型水晶振動子1001の固有
振動数近傍(近傍であって固有振動数に一致させるもの
ではない)で振動させながら、試料902に接近させて
いくと、せん断力(シアフォース)によってプローブ9
01の振動状態が変化する。その変化は、例えば振幅量
変化であり、あるいは位相の変化である。これらの変化
量をある一定の値に設定すれば、プローブ901と試料
902の距離は一義的に決められる。
【0009】この状態で、スキャナ904により試料9
02をXY方向に走査する。試料902の表面には微小
な凸凹があり、試料902を走査することによって、プ
ローブ901と試料902の距離は変化し、プローブ9
01の振動状態は変化する。この変化量をフィードバッ
クコントローラ906により検出し、プローブ901と
試料902の距離が元の状態に戻るように、スキャナ9
04のZ電極910にフィードバック電圧を印加する。
これを繰り返すことで、プローブ901は試料902と
の距離を一定に保ったまま、試料902の表面をなぞる
ことになる。
【0010】このときに、Z電極910に印加されるフ
ィードバック電圧と、X電極908、Y電極909に印
加される電圧をオシロスコープ909に入力し、時系列
的にマッピングすれば、試料902の表面形状を画像と
して再現できる。以上説明したように、この走査型プロ
ーブ顕微鏡は、せん断力(シアフォース)を利用してプ
ローブと試料の距離を制御することから、シアフォース
フィードバック方式の走査型プローブ顕微鏡と呼ばれ
る。
【0011】図10は、図9に示したシアフォースフィ
ードバック方式の走査プローブ顕微鏡の構成のうち、変
位検出手段905の構成を詳細に示したものである。図
10において、プローブ901は音叉型水晶振動子10
01の一つの腕に固定される。固定は、一般的に接着に
より行われる。音叉型水晶振動子1001は、振動体1
002の上に固定される。音叉型水晶振動子1001と
振動体1002の固定は、接着剤が利用されることが多
い。音叉型水晶振動子1001には電極および端子が形
成されるが、図10では省略する。電極の端子部分から
は信号線が引き出され、図9に示したフィードバックコ
ントローラ906に接続される。この音叉型水晶振動子
1001は、腕に垂直方向の変形に対し、電圧を発生す
る。
【0012】さらに、振動体1002は、プローブホル
ダー1003に固定され、プローブホルダー1003に
はプローブ901を保持するプローブ固定体1004が
固定される。振動体1002には、振動体1002を振
動させるための電圧波形を発生する駆動回路912が接
続される。
【0013】次に動作状態を説明する。今、音叉型水晶
振動子1001とプローブ901が、振動体1002に
よって紙面の左右(矢印方向)に励振されるものとす
る。すでに述べたように、検出感度を上げるため、音叉
型水晶振動子1001とプローブ901は、音叉型水晶
振動子1001の機械的固有振動数近傍で共振させる。
時計などに利用され、入手しやすい水晶振動子の固有振
動数は、約32kHzである。プローブ901の先端が
試料902に接近すると、プローブ901はせん断力
(シアフォース)を受け、振動状態が変わる。例えば振
幅量変化であり、あるいは位相の変化である。この変化
は、水晶振動子1001から発信される電圧信号の変化
より読みとれる。この電圧信号はフィードバックコント
ローラ906に送られ、図9で説明したような動作を経
て試料9702の表面形状を再現することができる。
【0014】図11は、図9に示したシアフォースフィ
ードバック方式の走査プローブ顕微鏡の構成のうち、別
の実施の形態の変位検出手段905の構成を詳細に示し
たものである。図11において、励振用圧電体1101
と振動検出用圧電体1102が、一体となってプローブ
ホルダー1103上に配置される。この2つの圧電体の
両方にプローブ901が固定される。固定は、一般的に
接着により行われる。励振用圧電体1101と振動検出
用圧電体1102には、電極および端子が形成される
が、図11では省略する。励振用圧電体1101の電極
の端子部分からは信号線が引き出され、図9に示した駆
動回路912に接続される。励振用圧電体1101は、
駆動回路912より印加される電圧波形に対し、プロー
ブ901に垂直方向に振動する。一方、振動検出用圧電
体1102の電極の端子部分からは信号線が引き出さ
れ、図9に示したフィードバックコントローラ906に
接続される。この振動検出用圧電体1102は、プロー
ブ901に垂直方向の変形に対し、電圧を発生する。
【0015】さらに、プローブホルダー1103にはプ
ローブ901を保持するプローブ固定体1104が固定
される。次に動作状態を説明する。今、プローブ901
が、励振用圧電体1102によって紙面の左右(矢印方
向)に励振されるものとする。プローブ901は、振動
検出用圧電体1101の機械的固有振動数で共振させら
れる。プローブ901の先端が試料902に接近する
と、プローブ901はせん断力(シアフォース)を受
け、振動状態が変わる。例えば振幅量変化であり、ある
いは位相の変化である。この変化は、振動検出用圧電体
1101から発信される電圧信号の変化より読みとれ
る。この電圧信号はフィードバックコントローラ906
に送られ、図9で説明したような動作を経て試料902
の表面形状を再現することができる。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】上記の提案により、走
査型プローブ顕微鏡の構成は、よりシンプルなものとな
りつつある。しかしながら、検出手段の構成上、新たな
問題も発生している。従来技術のいずれの例も、プロー
ブを付加した水晶振動子などの圧電振動子をその固有振
動数近傍で共振振動させ、プローブ先端に作用する力に
よる共振特性の変化を圧電振動子の電荷変化によって検
出しようとするものである。いわゆる狭帯域の共振型の
センサーとして構成するものであり、センサーに高いQ
値を必要とするものであった。このような検出手段を構
成する場合、プローブと圧電振動子の一体固定が必要に
なり、それに伴う問題が発生するとともに、圧電振動子
の特性により変位検出手段の特性が決定してしまうとい
う問題が起きる。それを以下に具体的に述べる。
【0017】例えば、従来技術の例とした特開平9−0
89911では、音叉型水晶振動子を振動特性の変化の
検出に用いている。構成としては、図8で説明したよう
に、音叉型水晶振動子の一辺の腕に光ファイバーよりな
るプローブを接着するものである。光ファイバープロー
ブを音叉型水晶振動子の腕に接着する場合、接着部が極
めて微小な領域であり、例えば、直径125μmの光フ
ァイバーを使用する場合、約100μm平方である。し
たがって、接着作業が困難であるとともに、接着位置、
接着強度の再現性も低い。また、接着状態によって、音
叉型水晶振動子+プローブの機械的特性値がばらつき易
いという問題がある。それはすなわち、ばね定数であ
り、Q値である。特に、Q値は、共振周波数特性の変化
の検出感度を決める要素であり、一定した値が望まし
い。
【0018】一方、この音叉型水晶振動子のQ値が、フ
ィードバック制御をするのには高すぎるという問題があ
る。先に挙げた音叉型水晶振動子の場合、無負荷におい
てQ値は10000近い。特開平9−089911の例
においては、プローブを固定した状態においてもなお2
000以上のQ値を示す。このようにQ値が高い場合、
振動の減衰時間が長くなることによって応答速度が低下
し、スキャナによる試料走査の速度が遅くなる。
【0019】また一方、現在容易に入手しうる水晶振動
子は、時計用のものであり、その共振周波数は約32k
Hzである。プローブを共振させるノンコンタクトモー
ドの走査型プローブ顕微鏡では、水晶振動子の固有振動
数と、プローブ単体の固有振動数を一致もしくは接近さ
せる必要があるため、利用できるプローブは一義的に決
められてしまう。このため、プローブのばね定数も一義
的に決められてしまい、多種多様の試料に対応するため
に数種類のばね定数のプローブを使い分ける、というこ
とが出来なくなる問題がある。
【0020】さらに別の問題として、水晶振動子や圧電
素子のばね定数が大きい、つまり、硬いという性質が上
げられる。一般的な走査型プローブ顕微鏡用のノンコン
タクト観察用カンチレバープローブのばね定数が3〜4
0N/m、シアフォースフィードバック方式の走査型プ
ローブ顕微鏡用のストレートの光ファイバープローブの
ばね定数が40〜700N/mであるのに対し水晶振動
子のばね定数は3200N/mである。従来の走査型プ
ローブ顕微鏡では、水晶振動子とプローブを一体固定し
て利用するため、プローブのばね定数は実質的に水晶振
動子のそれに等しくなる。プローブと試料表面の距離を
離して観察する場合は、プローブと試料表面が接触する
ことはなく、水晶振動子の固さは問題には成らず、水晶
振動子の高い機械的Q値による高感度という特徴が活か
せる。ところが、空間分解能を向上させるために、プロ
ーブと試料表面の距離を近づける場合、プローブが試料
に接触する場合がある。観察する試料が生物や有機薄膜
の場合は、試料を損傷してしまうという問題があった。
【0021】本発明の目的は、プローブと圧電体を一体
固定せず、可撓性のある弾性体と、コンプライアンスの
大きい(柔らかい)広帯域の圧電体を用い、非共振型の
変位センサーを構成することによって、従来技術の持つ
問題を解決するところにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、先鋭化された先端部を有するプローブと、プロー
ブを振動させるプローブ振動体と、プローブの振動の振
動特性変化を検出する変位検出手段と、サンプルをプロ
ーブに対して3次元的に走査するスキャナと、変位検出
手段の変位信号を増幅もしくは変調しスキャナにフィー
ドバックするフィードバック回路を有する走査型プロー
ブ顕微鏡において、弾性体からなるプローブと、前記プ
ローブを保持する2つの弾性体、すなわち第1の弾性体
と、第2の弾性体を有し、第1の弾性体と、第2の弾性
体によりプローブを可撓自在に挟み、さらに第1の弾性
体またはプローブが圧電体を有することにより変位検出
手段を構成することを特徴とする走査型プローブ顕微鏡
を考案した。
【0023】このような構成とすることにより、 1)水晶振動子などの圧電素子とプローブの接着という
作業が不要となり、接着状態によって、水晶振動子+プ
ローブの機械的特性値がばらつき易いという問題をなく
した。 2)Q値が小さく、特定の固有振動数を持たない圧電ポ
リマー材料が利用できるため、変位検出手段を広帯域の
非共振型変位センサーとして構成できる。これにより、
プローブの持つ固有振動数を調整する必要がなく、その
まま振動状態の変化を検出することが可能となり、固有
振動数の異なる多種多様のプローブを利用することが出
来る。
【0024】3)Q値が小さい圧電ポリマー材料が利用
できるため、高いQ値により起こる応答速度の低下を防
ぎ、速い試料走査が出来る。 4)プローブを変位検出手段により柔軟に弾性保持する
ため、その保持力を調整することによりプローブの振動
を減衰させることができ、プローブの持つQ値を適正に
調整することができる。
【0025】5)変位検出手段が柔らかいため、プロー
ブのばね定数に影響することがなく、柔らかい試料に損
傷を与えることがない。また、ばね定数の異なる多種多
様のプローブを利用することが出来る。という優れた効
果を発揮する。
【0026】
【発明の実施の形態】[実施の形態1]以下に、本発明
の実施の形態1について図面を参照して説明する。図1
は、本発明の走査プローブ顕微鏡の実施の形態1の構成
を示したものである。図1の構成は、図9の従来技術で
説明したストレート形状のプローブを利用するシアフォ
ースフィードバック方式の走査型プローブ顕微鏡ではな
く、カンチレバー形状のプローブを利用するアトミック
フォースフィードバック方式の走査型プローブ顕微鏡の
例である。プローブ101が試料102の表面近傍に接
近して配置され、試料102は試料台103の上に載っ
ている。試料台103は、スキャナ104の上に固定さ
れている。このスキャナ104は一本のピエゾチューブ
よりなる型式であり、走査型プローブ顕微鏡で一般的に
利用されるものである。スキャナ104の外周側面に
は、X電極108、Y電極109、Z電極110が形成
されており、それぞれに電圧を印加することで、ピエゾ
スキャナをXYZの各方向に独立して変形させることが
できる。
【0027】プローブ101は、プローブ101を含む
変位検出手段105に取り付けられている。変位検出手
段105の詳細は、後述する図2の説明により明確に示
すが、プローブ101の励振手段と、プローブ101の
振動検出手段をも含むものである。変位検出手段105
よりの信号は、すなわちプローブ101の振動状態を示
す信号であり、プローブ101と試料102との距離に
よって変化する。この信号は、フィードバックコントロ
ーラ106に導入される。フィードバックコントローラ
106は、この信号を増幅、変調し、スキャナ104の
Z電極110に電圧を印加し、プローブ101とサンプ
ル102の距離を一定に保つ役割を持つ。一方、スキャ
ナコントローラ107は、X電極108とY電極109
に独立して電圧を印加することができる。この2つの印
加電圧を連動させれば、任意の面積をなぞるようにスキ
ャナ104を変形させることができる。この時のX電極
108、Y電極109それぞれに印加される電圧と、フ
ィードバックコントローラ106からZ電極110に印
加される電圧をオシロスコープ109に入力し、時系列
的にマッピングすれば、サンプル102の表面形状を画
像として再現することができる。
【0028】この動作状態をより詳細に述べる。プロー
ブ101の振動状態は、プローブ101と試料102の
間に働く原子間力によって変化し、この原子間力は、プ
ローブ101と試料102との距離により指数関数的に
変化するものである。したがって、プローブ101の振
動状態変化を検出することによって、プローブ101と
試料102の距離変化を知ることができる。
【0029】ここで、プローブ101を試料102の表
面に接近させ、その後、スキャナ104のX電極108
とY電極109に電圧を周期的に印加し、試料102を
プローブ101に対して走査した場合を考える。まず、
プローブ101を無負荷状態で励振手段によって振動さ
せ、その共振特性を測定する。プローブ101をその固
有振動数近傍で振動させながら、サンプル102に接近
させていくと、原子間力によってプローブ101の振動
状態が変化する。その変化は、例えば振幅量変化であ
り、あるいは位相の変化である。これらの変化量をある
一定の値に設定すれば、プローブ101と試料102の
距離は一義的に決められる。
【0030】この状態で、スキャナ104により試料1
02をXY方向に走査する。試料102の表面には微小
な凸凹があり、試料102を走査することによって、プ
ローブ101と試料102の距離は変化し、プローブ1
01の振動状態は変化する。この変化量をフィードバッ
クコントローラ106により検出し、プローブ101と
試料102の距離が元の状態に戻るように、スキャナ1
04のZ電極110に電圧を印加する。これを繰り返す
ことで、プローブ101は試料102との距離を一定に
保ったまま、試料102の表面をなぞることになる。こ
のときに、Z電極110に印加される電圧と、X電極1
08、Y電極109に印加される電圧をオシロスコープ
109に入力し、時系列的にマッピングすれば、試料1
02の表面状態を画像として再現できる。
【0031】なお、図1に示した装置構成図は、本発明
に関わる主要な部分を記載したものであり、実際の発明
の実施に当たっては、図1に記載されている以外の一般
的な走査型プローブ顕微鏡で使用されている構成要素も
含まれる。また、説明した動作状態も、一般的な走査型
プローブ顕微鏡のノンコンタクト方式の一例であり、本
発明に制限を加えるものではない。
【0032】図2は、本発明の走査プローブ顕微鏡の実
施の形態1の構成のうち、変位検出手段105の構成を
詳細に示したものである。図2では、その構成を明確に
するため、図1に示される変位検出手段105を逆さま
にして示してある。図2において、プローブ101は第
1の弾性体201と第2の弾性体206によって弾性的
に挟まれ、ここがプローブ101の振動支点となる。
【0033】第2の弾性体206は、圧電材料からなり
振動体を兼ねている。第2の弾性体206としては、広
く用いられているPZTのバイモルフ振動子や、積層圧
電素子を利用する。第2の弾性体206とプローブ10
1の接触する面にはVミゾ208が形成されており、こ
のVミゾ208と第1の弾性体201により、プローブ
101の位置を決めることができる。
【0034】第1の弾性体201の表面には圧電体20
2が形成されている。この圧電体202は軽く柔軟な材
料であって、可撓性を有することが必要で、具体的には
圧電ポリマ材料などによる薄膜が望ましい。圧電ポリマ
材料としては、代表的なものとして、PVDF(ポリフ
ッ化ビニルデン)や、P(VDCN/VAc)(シアン
化ビニルデン−酢酸ビニル共重合体)などがある。第1
の弾性体201の材質に関しては、金属、樹脂、ゴムな
どあらゆる種類のものを利用できる。ただし、形状・質
量・弾性などの諸特性から吟味する必要がある。好適に
は、ポリエチレン、ポリエステルなどのコンプライアン
スの大きいプラスチックを利用することができる。当然
のことながら、金属などの導電体を用いる場合は、絶縁
に留意する必要がある。
【0035】このように、圧電ポリマ材料を可撓性のあ
る弾性体と組み合わせることにより、プローブ101の
振動変位を弾性体の曲げ変形に変換し、その曲げ変形に
より圧電体202に引っ張り変形を与え、電荷を発生さ
せることが可能となる。本実施の形態では示していない
が、圧電ポリマ材料そのものにも弾性があるので、第1
の弾性体201を圧電ポリマ材料そのもので構成するこ
とも可能ではある。圧電体202の一面には第1の電極
203(a)が形成され、反対側にグランド電極203
(e)が形成される。図2では、グランド電極203
(e)の端子部分を第1の電極203(a)側に折り返
して形成した状態を示し、グランド電極203(e)全
体の表示は省略する。端子部分からは信号線が引き出さ
れ、図1に示したフィードバックコントローラ106に
接続される。この圧電体202は、例えば、圧電横効果
を利用する場合、長さ方向の伸縮に対し、厚み方向に電
位を発生する。第1の弾性体201は、その両端を与圧
調整手段207を介してプローブホルダー204に固定
される。プローブホルダー204は実質的な剛体からな
る。本実施の形態では与圧調整手段207は、2本のボ
ルトで構成され、ボルトを短冊部201(a)の長手方
向に調整することで、プローブ101に加える力(与
圧)を変化させることができる。この与圧を調整するこ
とにより、プローブ101の共振特性を最適な状態に調
整することが可能となる。
【0036】図2においては、第1の弾性体201を屈
曲させ、あらかじめ引っ張り変形を加えた状態で示して
あるが、ほとんど屈曲させない状態(与圧なし)で押さ
えることもできる。与圧調整手段207を構成しない場
合は、第1の弾性体201を接着材などによってプロー
ブホルダー204に固定することも可能である。第2の
弾性体206もプローブホルダー204に固定されてい
る。その固定は、振動を抑制しない限りにおいて、接着
材、締結手段いづれの方法でも良い。プローブ101
は、振動する部分以外の任意の部位をプローブ保持体2
05を介してプローブホルダー204に固定される。プ
ローブ101のプローブホルダー204への固定は、プ
ローブ保持体205を用いずに接着材によっても良い
が、プローブ101を交換することを鑑み、望ましくは
ボルトなどの脱着容易な締結手段による固定が良い。プ
ローブ101の励振手段である第2の弾性体206に
は、第2の弾性体206を振動させるための電圧波形を
発生する駆動回路112が接続される。
【0037】次に動作状態を説明する。今、プローブ1
01が第2の弾性体206によって紙面の上下に励振さ
れるものとする。プローブ101の振動は第1の弾性体
201に伝わるが、第1の弾性体201は、その両端を
固定されているため、プローブ101は接触している部
分を支点として曲げ振動を起こす。同時に、第1の弾性
体201はコンプライアンスが大きいため、プローブ1
01が接触している部分を作用点として曲げ変形を起こ
す。第2の弾性体206のコンプライアンスは、第1の
弾性体201のコンプライアンスより小さい(硬い)た
め、プローブ101は第1の弾性体201側に向かって
振動する。このように、プローブ101に対して振動異
方性を与えることにより、プローブ101の振動がより
効率よく第1の弾性体201に伝達される。
【0038】この振動状態のうち、プローブ101が矢
印の方向に動く瞬間について考えると、このときに、第
1の弾性体201は矢印方向に曲げ変形を起こし、これ
により、第1の弾性体201の表面に位置する圧電体2
02は、第1の弾性体201の長手方向に引っ張り力を
受け、伸びる。この瞬間に、圧電体202は電荷を発生
し、第1の電極203(a)と、グランド電極203
(e)の間に電位差が生じる。このときの電位の極性は
圧電体202の分極方向により決まるが、ここでは仮に
(+)極性の電位とする。次の瞬間に、プローブ101
が矢印と反対方向に動くと、圧電体202は縮み(元の
長さに戻る)、逆極性(−)の電圧を発生する。振動体
を兼ねる第2の弾性体206の振動数を掃引していく
と、プローブ101の機械的固有振動数に接近するにつ
れ、プローブ101の振動振幅は大きくなり、共振状態
においてその振幅は最大となる。プローブ101の振動
振幅の増大に伴い、圧電体202の伸縮も大きくなり、
発生電圧も増大する。圧電体202の発生する電圧の変
化状態をモニターすれば、プローブ101の共振特性を
知ることができる。
【0039】この共振特性を基準とすれば、プローブ1
01と試料102の距離変化を圧電体202の発生する
電圧変化より観察することができ、図1で説明したよう
な動作を経て試料102の表面形状を再現することがで
きる。以上説明したように、本発明における変位検出手
段は、プローブ101の振動変位を第1の弾性体201
上に形成した圧電体202の引っ張り変形に変換し、電
圧出力を得るものであるが、従来技術との違いについて
より具体的に記述する。本発明で利用する圧電ポリマ材
料は、すでに公知のように、コンプライアンスが大きく
軽いため、機械的Q値が小さく、明確な共振特性を示さ
ない。したがって、広い周波数範囲において、均一な感
度を有する。本発明では、プローブ101を可撓性のあ
る第1の弾性体201により弾性的に押さえる構造とし
たため、走査型プローブ顕微鏡の変位検出手段の構成に
おいて、圧電ポリマ材料の機能を有効に応用できる効果
を見いだした。その効果は、本発明における変位検出手
段が、広帯域の非共振型のセンサーとして働くことであ
る。一方、従来技術における水晶振動子や圧電素子は、
それ自体が共振する狭帯域の共振型センサーである。
【0040】非共振型のセンサーは水晶振動子などの共
振型センサーより振動振幅は小さい。しかしながら、水
晶振動子およびPZTの電圧出力定数(g31:機械→電
気の変換能力)がそれぞれ50×10-3Vm/N、10
×10-3Vm/N、であるのに対し、圧電ポリマ材料の
一つであるPVDFのそれは3〜10倍以上の170×
10-3Vm/Nを示す。従って、振動変位検出感度は水
晶振動子などと比して遜色のないものとなる。したがっ
て、プローブ101の固有振動数に係わらず、高い検出
感度の変位検出手段を構成できる。
【0041】以上のように、本発明における変位検出手
段は、コンプライアンスの大きい圧電体を利用して広帯
域の非共振型のセンサーを構成することにより、従来技
術の課題を解決することができる。 [実施の形態2]図3は、本発明の走査プローブ顕微鏡
の実施の形態2の構成のうち、変位検出手段105の構
成を詳細に示したものである。図3において、プローブ
101は第1の弾性体201と第2の弾性体206によ
って弾性的に挟まれ、ここがプローブ101の振動支点
となる。第2の弾性体206は、圧電材料からなり振動
体を兼ねている。第2の弾性体206としては、広く用
いられているPZTのバイモルフ振動子や、積層圧電素
子を利用する。
【0042】第2の弾性体206とプローブ101の接
触する面にはVミゾ208が形成されており、このVミ
ゾ208と第1の弾性体201により、プローブ101
の位置を決めることができる。第1の弾性体201の表
面には圧電体202が形成されている。この第1の弾性
体201および圧電体202の材質は、実施の形態1と
変わるところはない。
【0043】与圧調整手段207は、実施の形態1とは
異なり、矩形上の弾性体から構成され、その両端をプロ
ーブホルダー204に固定される。第1の弾性体201
は、与圧調整手段207とプローブホルダー204と間
に挟まれ、弾性的に保持される。このような構成とする
ことにより、第1の弾性体201と与圧調整手段207
を分離することができ、第1の弾性体201の取り付け
位置を前後に調整して最適な検出感度を得ることができ
る。その他の構成および動作・効果については、実施の
形態1と変わることはない。
【0044】[実施の形態3]図4は、本発明の走査プ
ローブ顕微鏡の実施の形態3の構成のうち、変位検出手
段105の構成を詳細に示したものである。図4におい
て、プローブ101は第2の弾性体206の上に配置さ
れ、プローブ101の上に第1の弾性体201が配置さ
れる。第1の弾性体201はT字型をしており、短冊部
201(a)からプローブ101の軸に平行にIビーム
201(b)が伸びている構造を有する。プローブ10
1は、第1の弾性体201と第2の弾性体206によっ
て弾性支持され、ここがプローブ101の振動支点とな
る。
【0045】第2の弾性体206は、圧電材料からなり
振動体を兼ねている。第2の弾性体206としては、広
く用いられているPZTのバイモルフ振動子や、積層圧
電素子を利用する。第2の弾性体206とプローブ10
1の接触する面にはVミゾ208が形成されており、こ
のVミゾ208と第1の弾性体201により、プローブ
101の位置を決めることができる。
【0046】第1の弾性体201のIビーム201
(b)の表面には圧電体202が形成されている。第1
の弾性体201および圧電体202の材質は、実施の形
態1の場合と同様である。 圧電体202の一面には
第1の電極203(a)が形成され、反対側にグランド
電極203(e)が形成される。図2では、グランド電
極203(e)の端子部分を第1の電極203(a)側
に折り返して形成した状態を示し、グランド電極203
(e)全体の表示は省略する。第1の電極203
(a)、グランド電極203(e)を短冊部201
(a)の範囲に拡大して形成することも可能である。端
子部分からは信号線が引き出され、図1に示したフィー
ドバックコントローラ106に接続される。この圧電体
202は、例えば、圧電横効果を利用する場合、長さ方
向の伸縮に対し、厚み方向に電位を発生する。第1の弾
性体201は、その両端を与圧調整手段207を介して
プローブホルダー204に固定される。プローブホルダ
ー204は実質的な剛体からなる。本実施の形態では与
圧調整手段207は、2本のボルトで構成され、ボルト
を短冊部201(a)の長手方向に調整することで、プ
ローブ101に加える力(与圧)を変化させることがで
きる。この与圧を調整することにより、プローブ101
の共振特性を最適な状態に調整することが可能となる。
図2においては、第1の弾性体201を屈曲させ、あら
かじめ引っ張り変形を加えた状態で示してあるが、ほと
んど屈曲させない状態(与圧なし)で押さえることもで
きる。第2の弾性体206もプローブホルダー204に
固定されている。その固定は、振動を抑制しない限りに
おいて、接着材、締結手段いづれの方法でも良い。プロ
ーブ101は、振動する部分以外の任意の部位をプロー
ブ保持体205を介してプローブホルダー204に固定
される。プローブ101のプローブホルダー204への
固定は、プローブ保持体205を用いずに接着材によっ
ても良いが、プローブ101を交換することを鑑み、望
ましくはボルトなどの脱着容易な締結手段による固定が
良い。プローブ101の励振手段である第2の弾性体2
06には、第2の弾性体206を振動させるための電圧
波形を発生する駆動回路112が接続される。
【0047】次に動作状態を説明する。今、プローブ1
01が第2の弾性体206によって紙面の上下に励振さ
れるものとする。プローブ101は短冊部201(a)
とIビーム201(b)によって弾性支持されている
が、構造による当然の帰結として、片端支持であるIビ
ーム201(b)のコンプライアンスは両端固定の短冊
部201(a)より大きいため、プローブ101は短冊
部201(a)を支点として振動する。このときに、プ
ローブ101の振動に合わせてIビーム201(b)も
短冊部201(a)を支点として振動する。一方、第2
の弾性体206のコンプライアンスは、第1の弾性体2
01のコンプライアンスより小さい(硬い)ため、プロ
ーブ101は第1の弾性体201側に向かって振動す
る。このように、プローブ101に対して振動異方性を
与えることにより、プローブ101の振動がより効率よ
くIビーム201(b)に伝達される。
【0048】この振動状態のうち、プローブ101が矢
印の方向に動く瞬間について考えると、このときに、プ
ローブ101は短冊部201(a)を支点に曲がり変形
を起こし、これによりIビーム201(b)も矢印方向
に曲げ変形を生じる。これにより、Iビーム201
(b)の表面に位置する圧電体202は振動方向と垂直
の方向、すなわち、Iビーム201(b)の長手方向に
圧縮力を受け、縮む。この瞬間に、圧電体202は電荷
を発生し、第1の電極203(a)と、グランド電極2
03(e)の間に電位差が生じる。このときの電位の極
性は、圧電体202の分極方向を実施の形態1と同様と
すれば、(−)極性である。次の瞬間に、プローブ10
1が矢印と反対方向に動くと、圧電体202は伸び(元
の長さに戻る)、逆極性(+)の電圧を発生する。振動
体を兼ねる第1の弾性体201の振動数を掃引していく
と、プローブ101の機械的固有振動数に接近するにつ
れ、プローブ101の振動振幅は大きくなり、共振状態
においてその振幅は最大となる。プローブ101の振動
振幅の増大に伴い、圧電体202の伸縮も大きくなり、
発生電圧も増大する。圧電体202の発生する電圧の変
化状態をモニターすれば、プローブ101の共振特性を
知ることができる。
【0049】この共振特性を基準とすれば、プローブ1
01と試料102の距離変化を圧電体202の発生する
電圧変化より観察することができ、図1で説明したよう
な動作を経て試料102の表面形状を再現することがで
きる。 [実施の形態4]図5は、本発明の走査プローブ顕微鏡
の実施の形態4の構成の、変位検出手段105の構成を
詳細に示したものである。変位検出手段105を除く全
体の構成は、図1と変わるところはない。図5におい
て、プローブ101は第1の弾性体201と第2の弾性
体206によって弾性的に挟まれ、ここがプローブ10
1の振動支点となる。プローブ101の外周側面には圧
電ポリマ薄膜からなる圧電体202が形成されている。
この圧電ポリマ薄膜は、プローブ101に蒸着、スパッ
タリングなどの化学的、物理的成膜方法によって形成す
るか、あるいは、あらかじめ成形された圧電ポリマ薄膜
を接着・張り付けする方法をとっても良い。
【0050】実施の形態1と異なり、本実施の形態の場
合、第1の弾性体201はプローブ101を弾性的に押
さえる役割のみを有するが、コンプライアンスの大きい
材料を利用することに関しては実施の形態1と変わると
ころはない。圧電体202の外周側面には、第1の電極
203(a)と、第2の電極203(b)が形成されて
いる。また、圧電体202の内周側面には、グランド電
極203(e)が形成される。このグランド電極203
(e)は、圧電体202を形成する前にプローブ101
上に形成しておく必要がある。第1の電極203(a)
と、第2の電極203(b)は、矢印に示す振動方向に
対して、プローブ101の断面を2分割するように形成
される。より具体的には、紙面の上下に対して、上側半
分と、下側半分に電極を形成する。こうすることによ
り、例えば、矢印方向にプローブ101が動く場合、第
1の電極203(a)が形成される側の圧電体202に
は圧縮変形が、第2の電極203(b)が形成される側
の圧電ポリマ薄膜202には引っ張り変形が生じること
となり、第1の電極203(a)とグランド電極203
(e)の間には(−)電位が、第2の電極203(b)
とグランド電極203(e)の間には(+)電位が生じ
る。このため、プローブ101の変位量が実施の形態1
と同じであっても、より高い電位差を検出することがで
きるため、さらに検出感度が向上し、S/Nが良くな
る。また、この実施の形態2の場合、プローブ101は
光ファイバーより構成されており、弾性を有している。
したがって、プローブ101そのものが実施の形態1に
おける第1の弾性体201と同等の役割・効果を有する
ものである。当然のことながら、プローブ101の材質
が他の物質、例えば、Si(シリコン)やSiNx(シ
リコンナイトライド)であったとしても、その効果は変
わることはない。
【0051】実施の形態4における電圧発生原理以外の
動作は、実施の形態1と変わるところはない。 [実施の形態5]図6は、本発明の走査プローブ顕微鏡
の実施の形態5の構成の、変位検出手段105の構成を
詳細に示したものである。変位検出手段105を除く全
体の構成は、図1と変わるところはない。図6におい
て、プローブ101は第2の弾性体206の上に配置さ
れ、第1の弾性体201によって弾性的に押さえられ
る。プローブ101の外周側面には圧電ポリマ薄膜から
なる圧電体202が形成されている。この圧電ポリマ薄
膜は、実施の形態2と同様、プローブ101に蒸着、ス
パッタリングなどの化学的、物理的成膜方法によって形
成するか、あるいは、あらかじめ成形された圧電ポリマ
薄膜を接着・張り付けする方法をとっても良い。
【0052】圧電体202の外周側面には、第1の電極
203(a)と、第2の電極203(b)、第3の電極
203(c)、第4の電極203(d)が形成されてい
る。また、圧電体202の内周側面には、グランド電極
203(e)が形成される。このグランド電極203
(e)は、圧電体202を形成する前にプローブ101
上に形成しておく必要がある。第1の電極203(a)
と、第2の電極203(b)は、実線矢印に示す振動方
向に対して垂直に、プローブ101の断面を2分割する
ように形成される。より具体的には、紙面の上下に対し
て、上側半分と、下側半分に電極を形成する。こうする
ことにより、例えば、実線矢印方向にプローブ101が
動く場合、第1の電極203(a)が形成される側の圧
電体202には圧縮変形が、第2の電極203(b)が
形成される側の圧電体202には引っ張り変形が生じる
こととなり、第1の電極203(a)とグランド電極2
03(e)の間には(−)電位が、第2の電極203
(b)とグランド電極203(e)の間には(+)電位
が生じる。
【0053】一方、第3の電極203(c)と、第4の
電極203(d)は、実線矢印に示す振動方向に対して
平行に、プローブ101の断面を2分割するように形成
される。より具体的には、紙面の左右に対して、左側半
分と、右側半分に電極を形成する。こうすることによ
り、例えば、波線矢印方向にプローブ101が動く場
合、第3の電極203(c)が形成される側の圧電体2
02には圧縮変形が、第4の電極203(d)が形成さ
れる側の圧電体202には引っ張り変形が生じることと
なり、第3の電極203(c)とグランド電極203
(e)の間には(−)電位が、第4の電極203(d)
とグランド電極203(e)の間には(+)電位が生じ
る。
【0054】この4分割の電極配置を行う場合の効果
は、摩擦力の測定などの場合に顕著である。一般的に、
走査型プローブ顕微鏡で摩擦力を測定する場合は、試料
102(図示せず)を波線矢印方向に動かして、プロー
ブ101のねじれ量を検出する。このときに、プローブ
101は摩擦によりねじりを受けると同時に、波線矢印
方向に微小な曲がり変形を起こす。この曲がり変形量
は、プローブ101の針部分の長さ、直径、材質によ
り、異なるものである。この曲がり変形によって、すで
に説明したように、第3の電極203(c)が形成され
る側の圧電体202には圧縮変形が、第4の電極203
(d)が形成される側の圧電体202には引っ張り変形
が生じることとなり、第3の電極203(c)とグラン
ド電極203(e)の間には(−)電位が、第4の電極
203(d)とグランド電極203(e)の間には
(+)電位が生じる。この電位差を検出することによ
り、摩擦力の変化を検出し、形状像と同じようにマッピ
ングすることが出来る。
【0055】[実施の形態6]図7は、本発明の走査プ
ローブ顕微鏡の実施の形態6の構成の、変位検出手段1
05の構成を詳細に示したものである。変位検出手段1
05を除く全体の構成は、図1と変わるところはない。
図7において、プローブ101は第2の弾性体206の
上に配置され、第1の弾性体201によって弾性的に押
さえられる。第2の弾性体206は、プローブ101を
励振させる振動体としての機能はないが、実施の形態1
と同等のコンプライアンスを有する材料を利用する。プ
ローブ101の外周側面には圧電ポリマ薄膜からなる圧
電体202が形成されている。この圧電ポリマ薄膜は、
プローブ101に蒸着、スパッタリングなどの化学的、
物理的成膜方法によって形成するか、あるいは、あらか
じめ成形された圧電ポリマ薄膜を接着・張り付けする方
法をとっても良い。
【0056】圧電体202の外周側面には、第1の電極
203(a)と、第2の電極203(b)が形成されて
いる。また、圧電体202の内周側面には、グランド電
極203(e)が形成される。このグランド電極203
(e)は、圧電体202を形成する前にプローブ101
上に形成しておく必要がある。第1の電極203(a)
と、第2の電極203(b)は、矢印に示す振動方向に
対して、プローブ101の断面を2分割するように形成
される。より具体的には、紙面の上下に対して、上側半
分と、下側半分に電極を形成する。第1の電極203
(a)とグランド電極(e)は、フィードバックコント
ローラ106に接続され、第2の電極203(b)とグ
ランド電極(e)は、振動させるための電圧波形を発生
する駆動回路112に接続される。このような構成とす
ることにより、第2の電極203(b)とグランド電極
(e)の間に電圧信号を印加し、圧電体を伸縮振動させ
ることができる。例えば、(+)電位を印加させた場合
に圧電体202が伸びるという特性を与えておけば、矢
印方向にプローブ101を曲げることができる。このと
き、第1の電極203(a)が形成される側の圧電体2
02には、圧縮変形が生じ、第1の電極203(a)と
グランド電極(e)の間には(−)電位が発生する。こ
のような構成とすることにより、プローブ101単体で
励振および振動変化検出ができることとなり、より単純
な変位検出手段を実現することができる。また、この実
施の形態6の場合も、実施の形態4と同様、プローブ1
01は光ファイバーより構成されており、弾性を有して
いる。したがって、プローブ101そのものが実施の形
態1における第1の弾性体201と同等の役割・効果を
有するものである。当然のことながら、プローブ101
の材質が他の物質、例えば、Si(シリコン)やSiN
x(シリコンナイトライド)であったとしても、その効
果は変わることはない。
【0057】本実施の形態における動作は、実施の形態
1と変わるところはない。 [実施の形態7]図8は、本発明の走査プローブ顕微鏡
の実施の形態7の構成の、変位検出手段105の構成を
詳細に示したものである。変位検出手段105を除く全
体の構成は、図1と変わるところはない。変位検出手段
105そのものは、実施の形態1〜4から90°回転さ
せた構成となっている。また、プローブ101は、実施
の形態1〜4とは異なり、先端を尖らせたストレート形
状を有し、その先端はサンプル102に対して鉛直に位
置する。変位検出手段105の配置角度、プローブ10
1の形状以外の構成については実施の形態1と変わると
ころはない。
【0058】次に、動作を説明する。実施の形態7の動
作は、図9の従来の技術において説明したところの、シ
アフォースフィードバック方式の走査型プローブ顕微鏡
に準じる。プローブ101は第2の弾性体206によ
り、試料102の表面と平行に励振される。すなわち、
プローブ101は紙面左右に振動する。図8において、
プローブ101の形状以外は、実施の形態1と変わると
ころはない。
【0059】動作状態を説明する。今、プローブ101
が第2の弾性体206によって紙面の左右に励振される
ものとする。プローブ101の振動は第1の弾性体20
1に伝わるが、第1の弾性体201は、その両端を固定
されているため、プローブ101は接触している部分を
支点として曲げ振動を起こす。同時に、第1の弾性体2
01はコンプライアンスが大きいため、プローブ101
が接触している部分を作用点として曲げ変形を起こす。
第2の弾性体206のコンプライアンスは、第1の弾性
体201のコンプライアンスより小さい(硬い)ため、
プローブ101は第1の弾性体201側に向かって振動
する。このように、プローブ101に対して振動異方性
を与えることにより、プローブ101の振動がより効率
よく第1の弾性体201に伝達される。
【0060】この振動状態のうち、プローブ101が矢
印の方向に動く瞬間について考えると、このときに、第
1の弾性体201は矢印方向に曲げ変形を起こし、これ
により、第1の弾性体201の表面に位置する圧電体2
02は、第1の弾性体201の長手方向に引っ張り力を
受け、伸びる。この瞬間に、圧電体202は電荷を発生
し、第1の電極203(a)と、グランド電極203
(e)の間に電位差が生じる。このときの電位の極性は
圧電体202の分極方向により決まるが、ここでは仮に
(+)極性の電位とする。次の瞬間に、プローブ101
が矢印と反対方向に動くと、圧電体202は縮み(元の
長さに戻る)、逆極性(−)の電圧を発生する。振動体
を兼ねる第2の弾性体206の振動数を掃引していく
と、プローブ101の機械的固有振動数に接近するにつ
れ、プローブ101の振動振幅は大きくなり、共振状態
においてその振幅は最大となる。プローブ101の振動
振幅の増大に伴い、圧電体202の伸縮も大きくなり、
発生電圧も増大する。圧電体202の発生する電圧の変
化状態をモニターすれば、プローブ101の共振特性を
知ることができる。
【0061】この共振特性を基準とすれば、プローブ1
01と試料102の距離変化を圧電体202の発生する
電圧変化より観察することができ、図1で説明したよう
な動作を経て試料102の表面形状を再現することがで
きる。
【0062】
【発明の効果】以上記述したように、本発明によれば、
プローブと圧電体を一体に固定するという困難な工程が
不要となると同時に、より単純、高感度、広帯域、高応
答速度の変位検出手段を実現するという優れた効果を有
する。より具体的には、先鋭化された先端部を有するプ
ローブと、プローブを振動させる振動体と、プローブの
振動の振動特性変化を検出する変位検出手段と、サンプ
ルをプローブに対して3次元的に走査するスキャナと、
変位検出手段の変位信号を増幅もしくは変調しスキャナ
にフィードバックするフィードバック回路を有する走査
型プローブ顕微鏡において、弾性体からなるプローブ
と、前記プローブを保持する2つの弾性体、すなわち第
1の弾性体と、第2の弾性体を有し、第1の弾性体と、
第2の弾性体により前記プローブを可撓自在に挟み、さ
らに前記第1の弾性体または前記プローブが圧電体を有
することにより変位検出手段を構成することを特徴とす
る走査型プローブ顕微鏡を考案した。
【0063】このような構成とすることにより、 1)水晶振動子などの圧電素子とプローブの接着という
作業が不要となり、接着状態によって、水晶振動子+プ
ローブの機械的特性値がばらつき易いという問題をなく
した。 2)Q値が小さく、特定の固有振動数を持たない圧電ポ
リマー材料が利用できるため、変位検出手段を広帯域の
非共振型変位センサーとして構成できる。これにより、
プローブの持つ固有振動数を調整する必要がなく、その
まま振動状態の変化を検出することが可能となり、固有
振動数の異なる多種多様のプローブを利用することが出
来る。
【0064】3)Q値が小さい圧電ポリマー材料が利用
できるため、高いQ値により起こる応答速度の低下を防
ぎ、速い試料走査が出来る。 4)プローブを変位検出手段により柔軟に弾性保持する
ため、その保持力を調整することによりプローブの振動
を減衰させることができ、プローブの持つQ値を適正に
調整することができる。
【0065】5)変位検出手段が柔らかいため、プロー
ブのばね定数に影響することがなく、柔らかい試料に損
傷を与えることがない。また、ばね定数の異なる多種多
様のプローブを利用することが出来る。という優れた効
果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の走査プローブ顕微鏡の実施の形態1の
構成を示す説明図である。
【図2】本発明の走査プローブ顕微鏡の実施の形態1の
構成を示す説明図である。
【図3】本発明の走査プローブ顕微鏡の実施の形態2の
構成を示す説明図である。
【図4】本発明の走査プローブ顕微鏡の実施の形態3の
構成を示す説明図である。
【図5】本発明の走査プローブ顕微鏡の実施の形態4の
構成を示す説明図である。
【図6】本発明の走査プローブ顕微鏡の実施の形態5の
構成を示す説明図である。
【図7】本発明の走査プローブ顕微鏡の実施の形態6の
構成を示す説明図である。
【図8】本発明の走査プローブ顕微鏡の実施の形態7の
構成を示す説明図である。
【図9】従来の走査型プローブ顕微鏡の構成の一例を示
す説明図である。
【図10】従来の走査型プローブ顕微鏡の構成の一例を
示す説明図である。
【図11】従来の走査型プローブ顕微鏡の構成の一例を
示す説明図である。
【符号の説明】
101 プローブ 102 試料 103 試料台 104 スキャナ 105 変位検出手段 106 フィードバックコントローラ 107 スキャナコントローラ 108 X電極 109 Y電極 110 Z電極 111 オシロスコープ 112 駆動回路 201 第1の弾性体 201(a) 短冊部 201(b) Iビーム 202 圧電体 203(a) 第1の電極 203(b) 第2の電極 203(c) 第3の電極 203(d) 第4の電極 203(e) グランド電極 204 プローブホルダー 205 プローブ保持体 206 第2の弾性体 207 与圧調整手段 208 Vミゾ 901 プローブ 902 サンプル 903 試料台 904 スキャナ 905 変位検出手段 906 フィードバックコントローラ 907 スキャナコントローラ 908 X電極 909 Y電極 910 Z電極 911 オシロスコープ 912 駆動回路 1001 音叉型水晶振動子 1002 振動体 1003 プローブホルダー 1004 プローブ保持体 1101 振動検出用圧電体 1102 励振用圧電体 1103 プローブホルダー 1104 プローブ保持体
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平10−282121(JP,A) 特開 平10−283972(JP,A) 特開 平10−253643(JP,A) 特開 平9−133691(JP,A) 特開 平5−196458(JP,A) 特開 平5−346304(JP,A) 特開 平5−60509(JP,A) 特開 平9−257814(JP,A) 特開 平9−297148(JP,A) 特開2000−81443(JP,A) 特開 平9−89911(JP,A) 特開 平5−209712(JP,A) 特開 平4−355304(JP,A) 実開 平3−8859(JP,U) 特公 平6−103176(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 13/10 - 13/24 G12B 21/00 - 21/24 JICSTファイル(JOIS)

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 先鋭化された先端部を有するプローブ
    と、前記プローブを振動させる振動体と、前記プローブ
    の振動の振動特性変化を検出する変位検出手段と、試料
    を前記プローブに対して3次元的に走査するスキャナ
    と、前記変位検出手段の変位信号を増幅もしくは変調し
    前記スキャナにフィードバックするフィードバック回路
    を有する走査型プローブ顕微鏡(SPM)において、 弾性体からなるプローブと、前記プローブを保持する2
    つの弾性体、すなわち第1の弾性体と、第2の弾性体を
    有し、前記第1の弾性体が圧電ポリマ材料からなり可撓性を有
    する圧電体を備えて非共振型の前記変位検出手段を構成
    し、前記第2の弾性体が前記プロ−ブを振動させる振動
    体であり、 前記第1の弾性体と、前記第2の弾性体により前記プロ
    ーブを可撓自在に挟ことを特徴とする走査型プローブ
    顕微鏡。
  2. 【請求項2】 前記第1の弾性体が、前記プローブを挟
    んで、前記第2の弾性体と反対側に配置されることを特
    徴とする請求項1記載の走査型プローブ顕微鏡。
  3. 【請求項3】 前記第2の弾性体のコンプライアンス
    が、前記第1の弾性体のコンプライアンスより小さいこ
    とを特徴とする請求項1または請求項2記載の走査型プ
    ローブ顕微鏡。
  4. 【請求項4】 前記圧電体が、前記第1の弾性体である
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の走
    査型プローブ顕微鏡。
  5. 【請求項5】 前記プローブが、前記プローブを振動さ
    せる振動体であることを特徴とする請求項1から4のい
    ずれかに記載の走査型プローブ顕微鏡。
  6. 【請求項6】 前記第1の弾性体の全部もしくは一部と
    前記第2の弾性体の全部もしくは一部が、前記プローブ
    の振動支点をなすことを特徴とする請求項1から5のい
    ずれかに記載の走査型プローブ顕微鏡。
  7. 【請求項7】 前記第1の弾性体を前記プローブに押し
    つける力を調整する与圧調整手段を有することを特徴と
    する請求項1から6のいずれかに記載の走査型プローブ
    顕微鏡。
  8. 【請求項8】 前記第2の弾性体にVミゾが形成され、
    前記Vミゾと前記第1の弾性体により前記プローブの位
    置決めをすることを特徴とする請求項1から7のいずれ
    かに記載の走査型プローブ顕微鏡。
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