JPH1054835A - カンチレバ加振装置 - Google Patents

カンチレバ加振装置

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JPH1054835A
JPH1054835A JP8212715A JP21271596A JPH1054835A JP H1054835 A JPH1054835 A JP H1054835A JP 8212715 A JP8212715 A JP 8212715A JP 21271596 A JP21271596 A JP 21271596A JP H1054835 A JPH1054835 A JP H1054835A
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JP
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cantilever
piezoelectric body
voltage
composite piezoelectric
composite
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JP8212715A
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Shinichi Kitamura
真一 北村
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Jeol Ltd
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Publication date
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    • G01Q60/24AFM [Atomic Force Microscopy] or apparatus therefor, e.g. AFM probes
    • G01Q60/32AC mode
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B82NANOTECHNOLOGY
    • B82YSPECIFIC USES OR APPLICATIONS OF NANOSTRUCTURES; MEASUREMENT OR ANALYSIS OF NANOSTRUCTURES; MANUFACTURE OR TREATMENT OF NANOSTRUCTURES
    • B82Y35/00Methods or apparatus for measurement or analysis of nanostructures
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    • Y10S977/86Scanning probe structure
    • Y10S977/872Positioner

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Abstract

(57)【要約】 【課 題】 制御し易い大きさの印加電圧により加振用
の圧電体を適切な振幅で安定して発振できるようにする
こと。 【解決手段】 圧電体(28,29)の接合面(28
a,29a)を互いに接合して構成しこれを挟んで互いに
反対側にある被支持部27aおよびカンチレバ支持部2
7bを有する複合圧電体27と、前記複合圧電体27の
前記被支持部27aを支持する複合圧電体支持部材26
と、前記複合圧電体27のカンチレバ支持部27bによ
り基端部が支持され且つ先端部がプローブ12を支持す
るカンチレバ8と、前記複合圧電体27を構成する一対
の圧電体(28,29)の中の一方を前記接合面(28
a,29a)に垂直な方向に伸長させ且つ他方を縮小させ
るように電圧を印加する電圧印加手段(16+17+1
8+19)とから構成されるカンチレバ加振装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、Non−cont
actAFM(Atomic Force Microscope、原子間力顕
微鏡)等の走査型プローブ顕微鏡で使用されるカンチレ
バ加振装置に関し、特に圧電体を用いたカンチレバ加振
装置に関する。この種の圧電体を用いたカンチレバ加振
装置は、先端にプローブ(探針)を支持するカンチレバ
を固有振動数で振動させるために使用される。
【0002】
【従来の技術】Non−contactAFM(Atomic
Force Microscope、原子間力顕微鏡)等の走査型プロ
ーブ顕微鏡は、試料表面の凹凸を調べる際、その試料表
面とプローブとが一定間隔を保つようにしなければなら
ない。したがって、絶えず両者の間隔を検出する必要が
あり、その方法として試料表面とプローブとの間に働く
力(原子間力:引力)の大きさが両者の距離が近づくと
大きくなることを利用し、前記原子間力の変化(すなわ
ち、力勾配)により前記間隔を検出する方法がある。図
6はNon−contact原子間力顕微鏡(AFM)
の説明図である。図6において、原子間力顕微鏡のスキ
ャナ支持部01はXY平面に移動するXYスキャナ02
および上下方向に微動するZスキャナ03を支持してい
る。前記Zスキャナ03の上端面には、試料04が載置
される。前記XYスキャナ02およびZスキャナ03に
はXY走査信号発生器06およびZスキャナ駆動回路0
7から走査信号および駆動信号が供給される。
【0003】前記試料04の上方にカンチレバ08が配
置されている。前記カンチレバ08は弾性体から構成さ
れ、その一端は加振用圧電体09に固定されている。前
記カンチレバ08の先端にはプローブ012が先端を試
料04方向へ向けて取り付けられている。前記加振用圧
電体09はバイモルフにより構成され、カンチレバ08
を加振している。前記Non−contact AFM
(原子間力顕微鏡)における力勾配の検出方法には、従
来次の方法がある。
【0004】(a)Slope検出法 図7は、Slope検出法を用いた場合の説明図であ
り、カンチレバ08を周波数ωdで強制振動させている
場合に、そのカンチレバ08のプローブ012と試料0
4間の間隔S(図6)が変化して、カンチレバ08の固
有振動数がω0からω0′に変化したときのカンチレバ0
8の振幅の変化を示すグラフである。なお、前記プロー
ブ012と試料04間に原子間力が作用する範囲で前記
間隔Sが小さくなるように変化する場合にはカンチレバ
08の固有振動数は低下する。
【0005】図7から分かるように、カンチレバ08の
固有振動数ω0がカンチレバ08の強制振動数ωdから離
れる方向に変化してω0′になった場合には、ωdで強制
振動しているカンチレバ08の振幅はA0からA0′に小
さくなる。したがって、前記振幅ΔAの増減により前記
間隔Sの増減を検出することができる。前記振幅ΔAの
増減により前記プローブ012と試料04間の間隔Sの
変化を検出する方法がSlope検出法である。 (b)FM検出法 前記図6において、カンチレバ08のプローブ012と
試料04間の間隔Sが変化した場合にはカンチレバ08
の固有振動数が変化する。すなわち、前記プローブ01
2と試料04間に原子間力が作用する範囲で前記間隔S
が小さくなるように変化する場合にはカンチレバ08の
固有振動数は低下する。したがって、前記カンチレバ0
8を常に固有振動数で振動させて、そのカンチレバ08
の振動数の変化を検出することにより、前記間隔Sの変
化を検出することができる。
【0006】前記の検出方法のうち、真空下ではカンチ
レバ08の機械的振動のQ値が非常に大きくなるため、
大気圧タイプでー般的に使用されているSlope検出
法よりFM検出法が適当であるとされている。前記FM
検出法は、カンチレバ08を常に固有振動数で振動させ
て、そのカンチレバ08の振動数の変化を検出すること
により、前記間隔Sの変化を検出するので、カンチレバ
08を含む発振系にいかに安定な発振を起こさせるかか
が装置の性能を左右する。すなわち、カンチレバ加振装
置にいかに安定な発振(加振)信号を供給できるかが装
置の性能を左右する。この種のカンチレバ加振装置とし
て下記の技術が知られている。
【0007】(J01)(図8に示す技術) 図8は従来のFM検出法を採用したカンチレバ加振装置
を備えたNon−contact原子間力顕微鏡(AF
M)の説明図である。図8において前記図6で符号01
〜012で示す構成要素は図6と同じ構成要素なので詳
細な説明を省略する。前記カンチレバ08の上面にレー
ザ光Lがレーザ光源013から照射される。前記カンチ
レバ08で反射されたレーザ光Lは光検出器014に達
して検出される。前記光検出器014は、2分割フォト
ダイオードにより構成されている。振動している前記カ
ンチレバ08の上面から反射したレーザ光Lが前記2分
割フォトダイオードの境界部を横切って振動する。この
とき前記2分割フォトダイオードから検出される2つの
信号の差信号は、前記カンチレバ08の振動に対応した
Sin波形となり、この信号からカンチレバ08の発振
周波数を検出する。
【0008】得られた検出信号は、AGC回路(オート
ゲインコントロール回路)016によりゲイン調整され
る増幅器017へ送られる。前記AGC回路016は、
光検出器014の出力信号の振幅が常にー定になるよう
に増幅器017のゲインを制御する。前記増幅器017
から送られた前記検出信号は、バンドパスフィルタ01
8によりカンチレバ08の固有振動数付近の周波数のみ
が取り出され、位相調整回路019により位相調整され
た後、駆動信号として前記加振用圧電体09へ送られ
る。これにより正帰還の自励発振ループが形成され、そ
の結果カンチレバ08はその固有振動数で振動する。
【0009】前記光検出器014の検出信号は周波数電
圧変換回路021により電圧信号に変換される。変換さ
れた電圧信号Vfvは基準電圧比較器022へ送られる。
前記基準電圧比較器022は電圧信号Vfvと基準電圧信
号Vfvoとの差信号(Vfv−Vfvo)を求め、この差がゼ
ロになるような信号をローパスフィルタ023を介して
Zスキャナ駆動回路07へ送る。前記基準電圧信号Vfv
oは、前記プローブ012と試料04との間隔の設定値
に対応する電圧である。前記ローパスフィルタ023を
介して取り出された差信号および前記XY走査信号発生
器06の走査信号は像作成回路024に入力され、試料
04表面の凹凸像が作成される。
【0010】前記カンチレバ08がー定振幅で振動を続
けている状態で、試料04を前記試料04とプローブ0
12間に原子間力が働く距離までプローブ012側に近
づけ一定の間隔を保持する。そして、前記XYスキャナ
02によりXY方向に試料04表面を2次元走査する
と、前記カンチレバ08の固有振動数は、前記試料04
との距離が近づくとプローブ012に作用する原子間力
の影響を受けて低下し、カンチレバ08はその低下した
振動数で振動するようになる。この振動数は、前記試料
04とプローブ012との距離が大きくなると高くな
り、原子間力が無視できる距離ではカンチレバ08本来
の固有振動数に一致する。
【0011】たとえば、試料04の表面に凸部があり、
XYスキャナ02による2次元走査に伴ってプローブ0
12と試料04との距離が小さくなってカンチレバ08
の振動数が低い方向へ変化すると、電圧信号Vfvが低下
して差信号が増加する。差信号が増加すると直ちにZス
キャナ03が試料04を下げてプローブ012との距離
が大きくなるというように帰還制御されるため、プロー
ブ012と試料04との距離は、基準電圧Vfvoで決ま
る所定の値に保持される。このような制御が常に行われ
るので、Zスキャナ駆動回路07へ供給される帰還信号
(差信号)は、試料表面の凹凸に対応したものとなり、
この帰還信号を像作成回路024にXYスキャナ02に
よる2次元走査に関連して画像信号として取り込み、取
り込んだ画像信号に基づいて画像表示を行えば、原子間
力に基づく試料04表面の凹凸像を表示することができ
る。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
(前記(J01)の問題点)しかしながら、前記従来技術
(J01)では次の問題点があった。ー般に前記加振用圧
電体09として用いているバイモルフは圧電体の感度
(単位印加電圧当たりの変位量)が大きい。超高真空下
では、たとえばバネ定数約40N/m,固有振動数約3
00KHzのカンチレバ08を固有振動数で加振した場
合、カンチレバ08の先端の振動振幅は加振振幅の数万
倍になる。したがって、1nm/V程度と比較的感度の
小さい圧電体を用いて加振し、カンチレバ08の先端の
振動振幅の振幅を数nmに設定しようとした場合、加振
用圧電体に印加する電圧は約0.1mVとなり、この微
小電圧を発振回路内で制御しなければならない。その結
果として発振が不安定となり、原子間力によるカンチレ
バ本体の固有振動数の変化の検出感度が劣化する。
【0013】本発明は、前述の事情に鑑み、下記の記載
内容を課題とする。 (O01)制御し易い大きさの印加電圧により加振用の圧
電体を適切な振幅で安定して発振できるようにするこ
と。
【0014】
【課題を解決するための手段】次に、前記課題を解決す
るために案出した本発明を説明するが、本発明の要素に
は、後述の実施例の要素との対応を容易にするため、実
施例の要素の符号をカッコで囲んだものを付記する。ま
た、本発明を後述の実施例の符号と対応させて説明する
理由は、本発明の理解を容易にするためであり、本発明
の範囲を実施例に限定するためではない。
【0015】(本発明)前記課題を解決するために、本
発明のカンチレバ加振装置は、下記の要件を備えたこと
を特徴とする、(A01)圧電体(28,29)の接合面
(28a,29a)を互いに接合して構成された複合圧電
体(27)、(A02)前記接合面(28a,29a)を挟
んで互いに反対側に有る被支持部(27a)およびカン
チレバ支持部(27b)を有する前記複合圧電体(2
7)、(A03)前記複合圧電体(27)の前記被支持部
(27a)を支持する複合圧電体支持部材(26)、
(A04)前記複合圧電体(27)のカンチレバ支持部
(27b)により基端部が支持され且つ先端部がプロー
ブ(12)を支持するカンチレバ(8)、(A05)前記
複合圧電体(27)を構成する一対の圧電体(28,2
9)の中の一方を前記接合面(28a,29a)に垂直な
方向に伸長させ且つ他方を収縮させるように電圧を印加
する電圧印加手段(16+17+18+19)。
【0016】(作用)次に、前述の特徴を備えた本発明
の作用を説明する。 (本発明の作用)前述の特徴を備えた本発明のカンチレ
バ加振装置では、複合圧電体支持部材(26)は、圧電
体(28,29)の接合面(28a,29a)が互いに接
合している複合圧電体(27)の被支持部(27a)を
支持する。前記被支持部(27a)に対し接合面(28
a,29a)を挟んで反対側に有る前記複合圧電体(2
7)のカンチレバ支持部(27b)は、カンチレバ
(8)の基端部を支持する。基端部を支持されたカンチ
レバ(8)の先端部はプローブ(12)を支持する。こ
のような状態で、電圧印加手段(16+17+18+1
9)が前記複合圧電体(27)を構成する一対の圧電体
(28,29)の中の一方を前記接合面(28a,29
a)に垂直な方向に伸長させ且つ他方を収縮させるよう
に電圧を印加する。これにより前記複合圧電体(27)
の各圧電体(28,29)が、互いにそれぞれの変位量
を打ち消しあい、複合圧電体(27)の感度が個々の圧
電体(28,29)の感度より小さくなる。感度が小さ
くなると前記複合圧電体(27)に印加する電圧を大き
くできるので、電圧振幅が制御しやすくなり安定した前
記複合圧電体(27)の発振が得られる。
【0017】
【実施例】次に図面を参照しながら、本発明のカンチレ
バ加振装置の実施例を説明するが、本発明は以下の実施
例に限定されるものではない。
【0018】(実施例1)図1は本発明の実施例1のカ
ンチレバ加振装置により構成されたNon−conta
ct原子間力顕微鏡の説明図である。図2は同実施例1
のカンチレバ加振装置の加振用複合圧電体の詳細説明図
である。図1に示す本発明の実施例1の説明において、
前記図8に示す従来のNon−contact原子間力
顕微鏡のカンチレバ加振装置の構成要素と同一の構成要
素には、前記図8で使用した符号の最初の0を除いた符
号を付して、その詳細な説明は省略する。図1、図2に
おいて、Non−contact原子間力顕微鏡の本体
と一体的に固定されている複合圧電体支持部材26は、
加振用複合圧電体27を支持する。前記加振用複合圧電
体27は、感度の異なる2つの圧電体から形成されてい
て、前記複合圧電体支持部材26に接する側に被支持部
27aを有しその反対側の面にはカンチレバ支持部27b
を有している。前記カンチレバ支持部27bには、カン
チレバ8が支持されている。
【0019】前記加振用複合圧電体27の2つの圧電体
28,29は、それぞれ分極方向に平行な接合面28a
と29aで接合され、分極方向は互いに逆向きである。
前記接合面28a,29aと垂直な面およびこれと対向す
る面には電極面28b,28cおよび29b,29cが形成
されている。前記電極面28b,29bは前記位相調整
回路21とつながっていて、前記電極面28c,29cは
アースされている。また、前記接合面28a,29aは互
いに接着剤等の固着手段で接合している。
【0020】図2に示すように2つの感度の異なる圧電
体28,29をそれぞれの変位が打ち消し合うように用
いた場合(分極方向を逆向きに合わせる場合)具体的に
M1材とM5材(富士セラミックス社製:チタン酸鉛系
圧電体の商品名)を使用したとすると、d\s31\sモード
ではそれぞれの感度は4.3nm/V,4.7nm/V
である。前記各圧電体28,29の厚さt、長さl、印
加電圧Vとすると、
【0021】各圧電体28,29の各変位量(感度)Δ
lは次式で表せる。 Δl=d\s31\s・l・V/t ………………………………………(1) 但し、d\s31\sはd\s31\sモードの等価圧電定数であ
る。ここでt=lとした場合の複合圧電体27の変位量
ΔLの絶対値は次式で表せる。 |ΔL|=(4.7−4.3)nm/V=0.4nm/V ……(2) したがって、複合圧電体の振幅を数nm(たとえば1n
m)にするための印加電圧の絶対値は次式で表せる。 1(nm)÷0.4(nm/V)=2.5(V) …………………(3) さらに厚さと長さの比がt/l=10となる形状にすれ
ば、25Vの印加電圧が必要となる。なお、前記増幅器
16とAGC回路17とバンドパスフィルタ18と位相
調整回路19とから電圧印加手段(16+17+18+
19)が構成される。
【0022】(実施例1の作用)次に前述の構成を備え
た実施例1の作用を説明する。図2において、前記カン
チレバ8を支持する加振用複合圧電体27は、前記カン
チレバ8の固有振動数で振動している。前記加振用複合
圧電体27の2つの圧電体28,29は互いに分極方向
が逆向きになるように接合されている。このような状態
の前記加振用複合圧電体27の圧電体28,29の一方
は、前記位相調整回路21からの駆動電圧を分極方向に
印加し、他方には駆動電圧を分極方向と対向する方向に
印加する。このとき、たとえば前記圧電体28が収縮す
るとすると圧電体の体積に見合う分だけ分極方向に垂直
な方向に伸長し、分極方向と対向する方向に印加された
前記圧電体29は伸長すると圧電体の体積に見合う分だ
け分極方向に垂直な方向に収縮し、互いの変位を打ち消
し合うことになる。これにより、前記両圧電体の変位量
が異なっていれば両者の変位量の差の分だけしか加振用
複合圧電体27が変位しないことになる。したがって、
制御し易い駆動電圧を前記加振用複合圧電体27に印加
しても加振振幅が極端に拡大されず、安定した前記カン
チレバ本体38の振動が得られる。
【0023】(実施例2)図3は本発明の実施例2のカ
ンチレバ加振装置の加振用複合圧電体の詳細説明図で、
前記実施例1の図2に対応する図である。なお、この実
施例2の説明において、前記実施例1の構成要素に対応
する構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明
を省略する。この実施例2は、下記の点で前記実施例1
と相違しているが、他の点では前記実施例1と同様に構
成されている。本実施例2では前記各圧電体28,29
は、各分極方向が同一になるように接合されており、電
圧印加方向は、圧電体28,29の一方には分極方向の
電圧を印加するとともに他方には分極方向と逆方向の電
圧を印加する。これにより、本実施例2も前記実施例1
と同様の作用を奏する。
【0024】(実施例3)図4は本発明の実施例3のカ
ンチレバ加振装置の加振用複合圧電体の詳細説明図で、
前記実施例1の図2に対応する図である。なお、この実
施例3の説明において、前記実施例1の構成要素に対応
する構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明
を省略する。この実施例3は、下記の点で前記実施例1
と相違しているが、他の点では前記実施例1と同様に構
成されている。
【0025】本実施例3では前記各圧電体28,29
が、各分極方向に垂直な接合面28a,29aで接合さ
れ、且つ分極方向は同じ方向である。また、前記各圧電
体28,29の接合面28a,29aには前記位相調整回
路21につながった電極を有し、前記被支持面27aお
よびカンチレバ支持面27bにはアースされた電極を有
している。このような状態の前記加振用複合圧電体27
に、前記位相調整回路21から印加される駆動電圧は、
前記圧電体28,29の一方には分極方向に印加され、
他方には分極方向に対向する方向に印加される。この場
合、前記圧電体28,29の一方が収縮し、他方が伸長
すると互いの変位を打ち消し合うことになる。これによ
り、前記両圧電体の変位量が異なっていれば両者の変位
量の差の分だけ加振用複合圧電体27が変位する。した
がって、制御し易い大きさの駆動電圧を前記加振用複合
圧電体27に印加しても加振振幅が極端に拡大されず、
安定した前記カンチレバ8の振動が得られる。
【0026】(実施例4)図5は本発明の実施例4のカ
ンチレバ加振装置の加振用複合圧電体の詳細説明図で、
前記実施例3の図4に対応する図である。なお、この実
施例4の説明において、前記実施例3の構成要素に対応
する構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明
を省略する。本実施例4では前記各圧電体28,29
は、各分極方向が互いに反対向きに接合してある。ま
た、前記各圧電体28,29の接合面28a,29aには
電極が形成されている。前記被支持面27aにはアースさ
れた電極が設けられ、カンチレバ支持面27bには前記
位相調整回路21につながった電極が設けられている。
駆動電圧は前記被支持面27aおよびカンチレバ支持面
27bにそれぞれ設けた電極間に印加される。このと
き、前記圧電体28,29の一方が伸長し他方が収縮す
る。本実施例4も前記実施例3と同様の作用を奏する。
【0027】(変更例)以上、本発明の実施例を詳述し
たが、本発明は、前記実施例に限定されるものではな
く、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内
で、種々の変更を行うことが可能である。本発明の変更
実施例を下記に例示する。
【0028】(H01)本発明はNon−contact
原子間力顕微鏡以外の走査プロープ顕微鏡のカンチレバ
加振装置に適用することが可能である。
【0029】
【発明の効果】前述の本発明のカンチレバ加振装置は、
下記の効果を奏することができる。 (O01)安定した加振用の圧電体の発振が得られるよう
な制御し易い印加電圧を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は本発明の実施例1のカンチレバ加振装
置により構成されたNon−contact原子間力顕
微鏡の説明図である。
【図2】 図2は同実施例1のカンチレバ加振装置の加
振用複合圧電体の詳細説明図である。
【図3】 図3は本発明の実施例2のカンチレバ加振装
置の加振用複合圧電体の詳細説明図で、前記実施例1の
図2に対応する図である。
【図4】 図4は本発明の実施例3のカンチレバ加振装
置の加振用複合圧電体の詳細説明図で、前記実施例1の
図2に対応する図である。
【図5】 図5は本発明の実施例4のカンチレバ加振装
置の加振用複合圧電体の詳細説明図で、前記実施例3の
図4に対応する図である。
【図6】 図6はNon−contact原子間力顕微
鏡(AFM)の説明図である。
【図7】 図7はSlope検出法を用いた場合の説明
図で、カンチレバのプローブと試料間の間隔が変化し
て、カンチレバの固有振動数が変化したときのカンチレ
バの振幅の変化を示すグラフである。
【図8】 図8は従来のFM検出法を採用したカンチレ
バ加振装置を備えたNon−contact原子間力顕
微鏡(AFM)の概略説明図である。
【符号の説明】
8…カンチレバ、12…プローブ、(16+17+18
+19)…電圧印加手段、26…複合圧電体支持部材、
27…複合圧電体、27a…被支持部、27b…カンチレ
バ支持部、(28,29)…圧電体、(28a,29a)
…接合面、

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の要件を備えたことを特徴とするカ
    ンチレバ加振装置、(A01)圧電体の接合面を互いに接
    合して構成された複合圧電体、(A02)前記接合面を挟
    んで互いに反対側に有る被支持部およびカンチレバ支持
    部を有する前記複合圧電体、(A03)前記複合圧電体の
    前記被支持部を支持する複合圧電体支持部材、(A04)
    前記複合圧電体のカンチレバ支持部により基端部が支持
    され且つ先端部がプローブを支持するカンチレバ、(A
    05)前記複合圧電体を構成する一対の圧電体の中の一方
    を前記接合面に垂直な方向に伸長させ且つ他方を収縮さ
    せるように電圧を印加する電圧印加手段。
JP8212715A 1996-08-12 1996-08-12 カンチレバ加振装置 Withdrawn JPH1054835A (ja)

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