JP2005227139A - 原子間力顕微鏡用カンチレバー - Google Patents

原子間力顕微鏡用カンチレバー Download PDF

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圭 小林
Kenjiro Kimura
建次郎 木村
Takafumi Yamada
啓文 山田
Kazumi Matsushige
和美 松重
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Abstract


【課題】 原子間力顕微鏡AFMの容量などの物性値の検出感度を向上すること。
【解決手段】 たとえばダイナミックモードAFMにおいて、シリコン単結晶を切削加工して製造された扁平な短冊状の直方体のカンチレバー2の長さ方向の途中に、幅方向に延びる溝64を形成する。これによってカンチレバー2の1次共振角周波数ω1に対する2次共振角周波数ω2の比(ω2/ω1)を、6.3未満の値、たとえば2.8に小さくすることができる。したがって光てこ法によってカンチレバー2の変位または角度を検出する構成におけるフォトダイオード5の検出可能な周波数帯域400kHz以下で、ω1,ω2をできるだけ大きくし、感度を向上させることができる。しかも構成上の制約が緩やかにすることができ、物性計測を利用する2次共振における等価ばね定数を小さくし、またダイナミックモードAFMにおいて、探針1・試料3間の距離制御に利用する1次共振のばね定数を適切な値に保つことにより、探針1と試料3との間の分子間力による凝着を防ぎ、安定した測定が可能となる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、原子間力顕微鏡(Atomic Force Microscopy、略称AFM)に用いられるカンチレバーに関する。
典型的な先行技術は、特許文献1である。この先行技術に開示されたダイナミックモードにおける走査型容量原子間力顕微鏡(Scanning Capacitance Force Microscopy、略称SCFM)が開示される。このダイナミックモードAFMでは、1次の共振角周波数ω1でカンチレバーを機械的に励振し、その振動振幅を一定に保つように探針・試料間距離制御を行い、試料から一定の距離で走査する。探針とカンチレバーとを含む機械的共振部には、共振現象によって振幅が大きく増幅される共振角周波数が存在する。このSCFMでは、探針と試料との間に印加する交番電圧の角周波数ωは、3ωが2次の共振角周波数ω2に一致するように、すなわちω2=3ωとなるように、設定され、これによって静電引力によるカンチレバーの振動が、共振現象によって大きく増幅され、高感度な容量測定が可能になる。
図78は、先行技術のカンチレバー75の斜視図である。カンチレバー75の振動するビーム部の先端部76には探針77が設けられ、基端部78は、固定位置に固定される。カンチレバー75の撓みの変位量を検出するには、光てこ法が用いられる。カンチレバー75の背面の光反射領域79にはレーザ光源から光80が照射され、その反射光81の変位が、フォトダイオードなどによって実現される受光素子82によって検出される。商業的に入手可能な原子間力顕微鏡装置においては、受光素子82を用いて良好なS/Nで変位量を検出可能な周波数帯域は、400kHz以下であり、カンチレバー75が振動するそれ以上の周波数帯域の成分を、受光素子82によって検出することは、困難である。
原子間力顕微鏡における検出可能な力の最小値はカンチレバーにおける熱揺動ノイズによって決定され、次式で表される(T.Albrecht,P.Grutter,and D.Rugar,J.Appl.Phys.69,668(1991))。
Figure 2005227139
ここで、kはカンチレバーのばね定数、kはボルツマン定数、Tは絶対温度、Bは測定帯域幅、ωはカンチレバーの共振角周波数、Qは共振の機械的Q値をそれぞれ表す。この式から判るとおり、検出可能な力の最小値を減らすためには、カンチレバーの共振角周波数やQ値を高く、またはばね定数を小さくすればよい。
図78に示されるカンチレバー75の2次共振角周波数ω2は、後述のように1次共振角周波数の6.3倍であり、すなわちω2=6.3・ω1であり、したがって受光素子82の検出可能な周波数帯域内に2次共振角周波数ω2が存在するには、1次共振角周波数ω1を63kHz(=400/6.3)未満に選ぶ必要がある。このように1次共振角周波数ω1を低く設定すると、式1より力検出感度が低下し、探針・試料間距離制御の精度が低くなり、上述したSCFMにおける物性値測定が困難となる。また、このカンチレバー75がシリコン単結晶から成る場合、変位検出帯域内に2次共振角周波数ω2を有するカンチレバーを設計するためには、たとえばビーム部の長さL1を長くし、または厚みT1をできるだけ薄く形成し、そのばね定数kを1〜2N/mに小さく設定し、いわゆる軟らかいばねに構成しなければならない。このようにばね定数kが小さい構成では、式1によれば力検出感度が高くなり、1次共振角周波数ω1および2次共振角周波数ω2(=6.3・ω1)を低く設定することができるが、その反面、測定時に探針の試料への凝着によ
り探針・試料間距離制御が不安定になりやすいという新たな問題が生じる。この凝着を避けるため、試料と探針の平均距離を近づけることができず、探針と試料のそれぞれの広い範囲で積分した相互作用で距離制御を行うことになり、結果として高分解能観察が困難となる。
一般に、試料表面は水などの凝着物で覆われていることが多く、そのモデル図を図7に示す。図7で液体の架橋による探針先端と試料表面との間で作用する引力は、
ad = (4πRγcosθ)・(1+D/d) …(2)
と表される(A.W.Adamson,“Physical Chemistry of Surface”,3rd Ed.,Wiely(1976))。Rは探針先端の曲率半径、Dは探針先端と試料表面の距離、γは液体における自由エネルギー変化を表す。ダイナミックモードAFMで試料表面との吸着を回避するためには、
ad < kAOSC …(3)
を満たせばよい。ここでAOSCはカンチレバーの振動振幅を表す。つまり、AOSCを小さくして試料と探針の平均距離を近づけて高分解能観察を行うためには、kを大きくする必要があることが判る。
図78に示される先行技術において、カンチレバー75の長さL1=183μm、幅W1=40μm、厚みT1=4μmとしたとき、1次共振角周波数ω1=143kHzであり、2次共振角周波数ω2=905kHzであり、この2次共振角周波数ω2は、受光素子82の検出可能な周波数帯域400kHzの範囲を超える。したがって図78に示される先行技術は、前述の多くの問題を有している。
図79は、先行技術のダイナミックモードSCFMで用いられる図78のカンチレバー75の共振スペクトルである。前述のダイナミックモードSCFMでは、1次共振角周波数ω1を利用して探針・試料間のファンデル・ワールス力を検出し、2次共振角周波数ω2を利用して探針・試料間に加わる静電引力を検出する。これらの1次および2次の共振角周波数ω1,ω2の値が大きいほど、それらの力の検出感度は高くなる。
したがってカンチレバー75の1次および2次共振角周波数ω1,ω2を、受光素子82の検出可能な周波数帯域内で、できるだけ高く設定することができるようにし、しかも構造上の制限をできるだけ緩やかにして、ばね定数kを大きくし、安定したダイナミックモードAFMにおける探針・試料間距離制御が行えるようにした原子間力顕微鏡用カンチレバーが、要求されている。
図80は、図78のカンチレバー75の1次および2次共振角周波数ω1,ω2の関係を説明するための側面図である。カンチレバー75の基端部78よりも探針77寄りの振動するビーム部は、細長い扁平な直方体状である。カンチレバー75が自然状態で細長く延びる水平な長さ方向をy軸とし、このy軸を含む鉛直面内における上下方向をz軸とする座標系を設定し、カンチレバー75の曲げモーメントをMとし、断面2次モーメントをIとし、ヤング率をEとするとき、次式4が成り立つ。
Figure 2005227139
剪断力V1はカンチレバー75の曲げモーメントMのy微分で表される。
Figure 2005227139
カンチレバー75のビーム部の長さ方向に垂直な断面積をAとし、カンチレバー75の密度をρとし、tを時間とするとき、カンチレバー75の運動方程式
dV1 = −ρAdydZ/d
が成り立ち、したがって
Figure 2005227139
カンチレバー75の共振角周波数ω1,ω2を求めるために、この微分方程式6の解を、固有関数
Z(y,t)=Z(y)〔cos(ωt+φ)〕 …(7)
とする。mは自然数である。
式6をyとtの微分方程式に分け、
χ =ω ρA/EI …(8)
と置くと、yの方程式は、
Figure 2005227139
カンチレバー75において、その基端部78では、y=0、z=0、傾きdZ/dy=0であり、
先端部76では、y=L1であり、
Figure 2005227139
であるので、式9を解くと、
χ・L1 = 1.875、4.694、および7.855、… …(11)
が導かれる。
したがって
Figure 2005227139
したがって先行技術の図78に示されるカンチレバー75の1次および2次共振角周波数の比(=ω2/ω1)は、前述のように6.3であることが理解される。
原子間力顕微鏡AFMに関する先行技術は、特許文献2,3にも開示されているが、前述の問題点を解決するものではない。
特開2003−172685 アメリカ特許6,079,255 アメリカ特許6,469,293B1
本発明の目的は、カンチレバーの1次および2次共振角周波数ω1,ω2を、予め設定された検出可能な周波数帯域内でできるだけ大きく設定して、容量などの物性値の測定感度を向上するとともに、構造上の制約を緩やかにして、ばね定数kを大きくし、たとえばダイナミックモードAFMなどにおける探針と試料間の凝着を防ぐことができるようにした原子間力顕微鏡用カンチレバーおよびそれを用いた原子間力顕微鏡を提供することである。
本発明は、長さ方向の途中に薄肉部、透孔、切欠きなどの質量軽減部が形成されることを特徴とする原子間力顕微鏡用カンチレバーである。
また本発明は、長さ方向の途中に、薄肉部、透孔または切欠きの少なくともいずれかが形成されることを特徴とする原子間力顕微鏡用カンチレバーである。
また本発明は、1次共振角周波数ω1に対する2次共振角周波数ω2の比(ω2/ω1)が、6.3未満であることを特徴とする原子間力顕微鏡用カンチレバーである。
また本発明は、長さ方向に交差する方向に延びる溝が形成されることを特徴とする原子間力顕微鏡用カンチレバーである。
また本発明は、探針に向って開放して長さ方向に延びるU字状透孔102,108が形成され、
前記透孔の長さ方向に延びる一対の透孔部分103,111間のビーム部105,113に、探針寄りに、長さ方向に交差する方向に延びる溝116,119が形成されることを特徴とする原子間力顕微鏡用カンチレバーである。この溝116,119に代えて、厚み方向に貫通した透孔または切欠きなどの質量軽減部が形成されてもよい。
また本発明は、長さ方向に沿って、ビーム部の探針とは反対側の基端部寄りに、探針直上のビーム部の変位または角度を検出するための光反射領域67が設けられることを特徴とする。
また本発明は、探針に向って開放して長さ方向に延びるU字状透孔102,108が形成され、
前記透孔の長さ方向に延びる一対の透孔部分間のビーム部105,113の探針とは反対側の基端部寄りに、探針直上のビーム部の変位または角度を検出するための光反射領域67が設けられることを特徴とする原子間力顕微鏡用カンチレバーである。
また本発明は、全体の外形が、偏平な直方体、または探針に向って先細に形成されることを特徴とする。
本発明に従えば、原子間力顕微鏡用カンチレバーの全体の外形は、たとえば短冊状であって断面が矩形である長方形状であってもよく、または探針に向って先細状である、たとえば扁平な三角形の板状などであってもよく、その長さ方向の途中に、図1〜図6および図22に示されるように薄肉部である溝が形成されてもよく、また図23〜図36に示されるように探針に向って開放したたとえばU字状などの透孔が形成されてもよく、さらに図37〜図58に示されるように薄肉部と透孔とが組合わされて形成されてもよく、図77のように切欠き172が形成されてもよく、このようにしてカンチレバーに質量軽減部が形成される。カンチレバーに、たとえばこのような質量軽減部が形成されることによって、1次および2次共振角周波数ω1,ω2の比(=ω2/ω1)を、前述の式12に関連して述べた値6.3未満にすることができる。したがってカンチレバーの1次および2次共振角周波数ω1,ω2を、検出可能な周波数帯域、たとえば0〜400kHzの範囲内で、できるだけ大きくし、これによって容量などの測定感度を高くすることができ、しかもカンチレバーのばね定数kをたとえば2N/m以下の小さい値にすることなく、たとえばダイナミックモードAFMなどにおける探針と試料間の凝着を防ぐことができ、探針・試料間距離制御における安定性を高めることができる。
また本発明は、前述の原子間力顕微鏡用カンチレバーを備える原子間力顕微鏡である。
また本発明は、前述の原子間力顕微鏡用カンチレバーと、
このカンチレバーの先端部に設けられる探針と試料との間に、交番電圧を印加して角周波数ωで振動する発振ループと、
前記カンチレバーの変位または角度を検出する検出手段と、
検出手段の出力に含まれる複数n(nは2以上の自然数)次の角周波数n・ωの高調波成分によって、物性値を測定する測定手段とを含むことを特徴とする原子間力顕微鏡である。
また本発明は、前記検出手段は、
カンチレバーに光を照射する光源と、
前記光源からの光がカンチレバーによって反射された反射光を受光し、カンチレバーの振動による反射光の変位量を検出する受光素子とを含む光てこ法による検出手段であることを特徴とする。
本発明に従えば、カンチレバーの変位または角度を検出する検出手段として、(1)図〜67のように光てこ法によってカンチレバーの変位または角度を検出することができるが、本発明は、このような光てこ法に限られず、(2)図68および図69のようにPZT薄膜をカンチレバーに堆積し、その圧電性を利用してカンチレバーの撓みを検出するPZTカンチレバーに関連しても実施することができ、(3)図70および図71のようにカンチレバーの基端部に設けたピエゾ抵抗センサーの電気抵抗が変化することを利用して、カンチレバーの変位を検出するピエゾ抵抗カンチレバーに関連して実施することができ、(4)図72〜図74の容量検出方式、または(5)図75および図76の光干渉方式などにも、本発明を実施することができる。
さらに本発明は、タッピングモード、ノンコンタクトモードおよびコンタクトモードのSCFMに関連して実施することができ、さらにタッピングモード、ノンコンタクトモードおよびコンタクトモードのケルビン表面力顕微鏡(Kelvin Probe-Force Microscopy、略称KFM)に関連しても実施することができ、さらに走査型トンネル顕微鏡に関連しても実施することができ、さらにほかの種類の走査型プローブ顕微鏡に関連して本発明を実施することができる。すなわち、このカンチレバーはタッピングモードSCFM、ノンコンタクトモードSCFM、コンタクトモードSCFM、タッピングモードKFM、ノンコンタクトモードKFMおよびコンタクトモードKFMなどの顕微鏡に関連して実施することができ、また走査型トンネル顕微鏡などに関連して実施することができ、このように本発明のカンチレバー2は、走査型プローブ顕微鏡に関連して広範囲に実施することができる。
本発明によれば、原子間力顕微鏡用カンチレバーの1次および2次共振角周波数ω1,ω2を、そのカンチレバーの変位または角度の検出可能な周波数帯域内で、できるだけ大きく設定し、その比(=ω2/ω1)を、1を超え、6.3未満に小さくすることができるようになる。このように1次および2次共振角周波数ω1,ω2をできるだけ大きく設定することができることによって、測定感度の向上を図ることができる。またこれによってカンチレバーの構造上の制約を緩やかにし、物性値測定に用いる2次共振角周波数ω2におけるばね定数kをできるだけ小さくすることが容易となり、その結果、測定されるべき物性値の精度を向上し、さらに1次共振角周波数ω1におけるばね定数kをたとえば2N/m以下の小さい値にすることなく、たとえばダイナミックモードAFMなどにおける探針と試料間の凝着を防ぐことができ、探針・試料間距離制御における安定性を高めることができる。
こうして原子間力顕微鏡AFMにおける短冊状などのカンチレバーの振動における規準モード関数、固有振動数だけでなくカンチレバーに設けられた探針に作用する力によって発生する変位を表す等価ばね定数をも制御することができるようになる。本発明によれば、たとえば従来の図78に示される短冊状である直方体状のカンチレバー75の一部分を、たとえば集束イオンビームを照射することによって削り取り、たとえば前述のように溝64を形成することによって、原子間力顕微鏡AFMにおける利用可能な周波数帯域内に固有振動数を有する振動モードを発生させ、この固有振動数において振動する力を検出することによって、原子間力顕微鏡AFMにおける、たとえば静電気力などの検出感度を飛躍的に高めることができるようになる。
走査型容量原子間力顕微鏡SCFMなどによるカンチレバーに、たとえば集束イオンビーム加工装置を用いて厚みの異なる溝、透孔、切欠きなどの重量軽減部を形成し、1次および2次共振角周波数の比(=ω2/ω1)を、1を超え6.3未満に選ぶことによって、たとえば半導体における不純物分布計測の高感度化および高分解能化が可能となり、静電気力などの検出による局所電子物性計測技術において、カンチレバーの構造パラメータによってその検出感度を向上することができることが、本件発明者によって確認された。
本発明のカンチレバーによれば、前述の計測技術における感度、分解能を飛躍的に向上することができ、原子・分子レベルでの電子物性解明に大いに貢献することができるようになる。また次世代半導体デバイスだけでなく、単一分子デバイスなどの次世代エレクトロニクスデバイスの開発を促進させることも期待される。
本発明のカンチレバーは、たとえば集束イオンビーム加工装置における集束イオンビーム照射による微細加工によって所望の部分を削ることでその部分の厚みを薄くして溝を作製することができる。加工個所、厚みは、たとえば有限要素法を用いた解析によって、最適化することが可能であり、このことは本件発明者によって確認されている。
こうして本発明の原子間力顕微鏡AFMを応用した様々な力学的局所電子物性計測技術の高感度化を実現するカンチレバーが実現される。
本発明によれば、原子間力顕微鏡用カンチレバーの固有の共振モードを利用して、試料の表面物性に関係した探針・試料間の相互作用力を、高感度に測定することが可能になる。本発明は、原子間力顕微鏡を応用したKFMに関連して実施することができる。本発明のカンチレバーは、たとえばSi単結晶から成ってもよいが、そのほかの材料から成ってもよく、導電性であってもよいが、電気絶縁性であってもよく、またレーザ光を用いて切削加工してもよいが、そのほかの手法で製造されてもよい。
図1は、本発明の実施の一形態の原子間力顕微鏡用カンチレバー2の斜視図である。カンチレバー2は、後述の図8〜図21のタッピングモードSCFMに関連して実施される。
図2は図1に示されるカンチレバー2の平面図であり、図3はカンチレバー2の側面図であり、図4は図2の切断面線A4−A4から見た断面図であり、図5は図2の切断面線B5−B5から見た断面図であり、図6は図2の切断面線C6−C6から見た断面図である。カンチレバー2は、たとえばシリコン単結晶などの導電性材料から成り、探針1とともに一体的に、たとえば集束イオンビーム加工装置によって切削加工されて製造される。探針1もまた、カンチレバー2と同様に導電性である。このカンチレバー2は、先端部62の試料3(後述の図18および図19参照)に臨む表面に探針1が突設され、基端部63は固定位置に固定される。カンチレバー2の長さ方向(図1〜図3の左右方向)には、試料3に臨む表面に、質量軽減部である溝64が、長さ方向に垂直方向に、すなわち幅方向に延びて形成される。この溝64もまた、集束イオンビーム加工装置によって形成される。
本件発明者の実験によれば、カンチレバー2の基端部63よりも先端部62側の振動するビーム部の長さL2は、たとえば183μmであり、幅W2は40μmであり、溝64以外のビーム部の厚みT1は4μmであり、溝64では厚みT2=1μmである。溝64の長さ方向に沿う長さL3は、たとえば30μmであってもよく、この溝64は、カンチレバー2のビーム部の先端部62の端部から長さ方向に距離L4が隔てられる。先端部62の端面から溝64までの長さ方向の距離L4は、たとえば25μmである。
この距離L4の範囲内で先端部62の探針1と反対側の表面には、後述の図9に示されるように光源であるレーザーダイオード4からの光65が照射され、その反射光66を反射する光反射領域67が設けられる。光反射領域67は、先端部62から溝64の直上の領域に存在してもよく、さらに溝64よりも基端部63寄りに延在してもよい。
カンチレバー2のSi単結晶材料は、密度2.328×10kg/m、ヤング率130GPa、ポアソン比0.28である。このカンチレバー2の1次共振角周波数ω1は、136kHzであり、2次共振角周波数ω2は、393kHzであり、1次共振角周波数ω1に対する2次共振角周波数ω2の比(ω2/ω1)は2.8であり、前述の先行技術に関連して述べた比6.3よりも小さい値になることが確認された。これによって2次共振角周波数ω2は、受光素子であるフォトダイオード5の良好なS/Nで検出可能な周波数帯域0〜400kHzの範囲内に存在する。こうしてカンチレバー2の先端部62付近に、溝64を形成して質量を軽減し、比ω2/ω1をできるだけ小さい値に設定することが可能となる。探針1に加わる試料3との間の微小な相互作用力による先端部62の振動が、カンチレバー2のビーム部では大きな振幅を有する振動に増幅され、これによって高感度な物性値の計測が可能になる。
図8は、走査型プローブ顕微鏡であるダイナミックモードAFMの概略の電気的構成を示すブロック図である。この図8に示されるダイナミックモードAFMは、タッピングモードSCFMであり、本発明の図1〜図6に示されるカンチレバー2が用いられる。探針1を備えたカンチレバー2の変位は、光源であるレーザーダイオード4、フォトダイオード5、差動増幅器6からなる変位検出装置によって検出することができる。駆動手段である圧電素子7に固定発振器8からの信号を印加することで、探針1を備えたばね力を有するカンチレバー2の振動を励起することができる。
固定発振器8の角周波数ω1に同期した振動成分の振幅は、探針1と試料3との相互作用による力に対応しており、この振幅を、ロックインアンプ9を用いて電圧に変換して検出することができる。探針1がカンチレバー2に充分近づくと、この振幅が減少するが、フィードバック回路10を用いて、高域遮断フィルタ11および高圧増幅器12を通じて駆動される圧電素子を用いるXYZ方向駆動機構13によって、ロックインアンプ9の出力が予め定める設定値となるように、Z方向の試料位置を調節することで、この振幅を一定に保つことができる。
この図8に示される走査型プローブ顕微鏡は、原子間力顕微鏡AFMであり、前述のカンチレバー2は、先端部62に探針1を備え、圧電素子7によって実現される駆動手段によって、試料3に近接/離反する方向に固定発振器8の角周波数ω1で振動させられる。
ダイナミックモードSCFMの原理を以下に説明する。ダイナミックモードSCFMでは、AFMの探針1とたとえば半導体の試料3間に、周波数ωの交流バイアスVを加える。そのとき探針試料系を平行平板金属系を仮定し、静電容量をCとし、その平行平板に垂直な方向をZとすると、探針・試料間に誘起される静電気力は次式13で表される。
Figure 2005227139
このとき探針1・試料3間に印加される電圧Vを直流成分Vdcと交流成分Vacとに分けると、式14のとおりである。
V = Vdc+Vaccosωt …(14)
この電圧Vを印加すると、
Figure 2005227139
となる。ここで、Vdc=0とした場合、
Figure 2005227139
となる。
ここで試料3が半導体の場合、金属探針1、半導体試料3表面における酸化膜、半導体試料からMOS(Metal-Oxide-Semiconductor)構造が構成される。このMOS構造に加える電圧Vと容量(C)の関係は、後述の図20および図21に示される。図20および図21では、半導体試料をp型およびn型とそれぞれ仮定し、電圧Vは試料に加えられたものとする。図20の太い線41および図21の太い線43は、試料の不純物濃度が高い場合を示し、細い線42および44は不純物濃度が低い場合を示す。試料3が半導体の場合、式16の∂C/∂zは定数ではなく、印加電圧Vによって変調されているので、
Figure 2005227139
で表されるように、角周波数ωで変調されていると考える。このため、静電引力Fは、
Figure 2005227139
となり、
Figure 2005227139
となる。したがって3倍高調波成分(3ω)の静電引力
Figure 2005227139
が存在するため、3倍高調波成分(3ω)を検出することで、微分容量(∂C/∂V)像に相当する情報を得ることができる。
半導体試料3の不純物濃度が大きい場合、∂C/∂Vは小さくなり、不純物濃度が小さい場合、∂C/∂Vは大きくなるため、上記の3倍高調波成分(3ω)を検出することで半導体試料の不純物濃度分布を画像化することが可能となる。以上が、SCFMの基本原理である。SCFMおよびKFMは、探針1および試料3間に働く静電気力によって誘起されたカンチレバー2の撓みを検出することによって、試料3の表面における2次元キャリア密度分布または2次元電位分布を画像化することができる。
本発明のカンチレバー2はまた、ケルビンプローブ表面力顕微鏡などの2次共振角周波数ω2を利用して高感度の物性値の測定を行う全ての場合に、実施することができる。
図9は、カンチレバー2とフォトダイオード5付近の構成を簡略化して示す図である。カンチレバー2は、静止した自然状態では破線70で示される中立位置に存在し、振動によって参照符2a,2bで示されるように中立線70の図9における上下に変位し、その変位する角度は、参照符θ1で示される。カンチレバー2の探針1a,1b、したがってビーム部が、参照符2a,2bで示されるように小さな振幅d1で振動することによって、レーザーダイオード4からの光65は、光反射領域67で反射し、反射光66a,66bの振動範囲で受光素子5の一対の受光領域68,69にわたって大きな変位量である振幅d2で変位する。レーザーダイオード4からの光がカンチレバー2の背面の光反射領域67に照射され、その反射光66a,66bは受光素子であるフォトダイオード5によって受光される。フォトダイオード5は、一対の前述の受光領域68,69を有する。受光領域68,69は、反射光66a,66bのカンチレバー2の振動による変位方向に隣接して形成される。
カンチレバー2の先端部62の振幅d1に比べて、反射光66a,66bの振幅d2は大きく(d1<d2)、この振幅d2が、受光領域68,69によって検出される。カンチレバー2の中立位置70の先端部62とフォトダイオード5の受光領域68,69との間の距離は、参照符L5で示される。角度変化θが大きいほど、d2/d1は大きくなり、常にd2>d1である。つまり、カンチレバー2の微小な振動が、振幅d1から大きな振幅d2に増幅されて、フォトダイオード5で検出される。そのため、試料3の物性値を測定する際、微小な相互作用力によるカンチレバー2の振動を増幅して検出することができる。
フォトダイオード5の受光領域68,69上の振幅d2は、d2=L5・tan 2・θ1であり、カンチレバー2の角度変化θ1が大きい共振モードが好ましい。
図10は、フォトダイオード5に関連する電気回路を示す。各受光領域68,69の出力は、電流/電圧変換増幅回路70に与えられてそれぞれ増幅され、その各出力は差動増幅器6に与えられる。これによってカンチレバー2の周期的変位を表す信号がライン71から得られ、この信号は、ロックインアンプ9に前述のように与えられる。
図11は、フォトダイオード5の受光領域68,69に反射光66が照射された状態を示す正面図である。2つの光反射領域67に照射して受光される反射光66の断面は、たとえば円形であって、図11では、斜線を施して示す。各受光領域68,69は、それぞれ受光される反射光66の面積、したがって受光される光強度に対応したレベルを有する出力A,Bを導出する。差動増幅器6の出力(=A−B)は、図11(1)に示されるように2つの受光領域68,69に受光される光強度A,Bが等しいとき、零である。図11(2)に示されるように一方の受光領域68の受光量が他方の受光領域69に比べて大きいとき、差動増幅器6の出力(=A−B)は正であり、その逆である図11(3)では負である。このような2つの受光領域68,69の受光量の差(=A−B)に対応するレベルを有する電気信号がライン71から導出されることになる。
したがって反射光66が図9の参照符66a,66bで示される振幅d2が大きいほど、差動増幅器6の出力は大きくなり、検出感度が向上されることになる。本発明のカンチレバー2は、このような反射光66a,66bの振幅d2をできるだけ大きくし、検出感度を向上する働きを果たす。
XYZ方向駆動機構13によって、水平な図1の紙面に垂直である仮想平面内のXY方向へ試料3の表面上を走査しながら、試料3の上面の凹凸に応じて探針1と試料3とを結ぶ仮想直線の延びる図1の上下方向であるZ方向の試料位置を調節する。ロックインアンプ9の出力は、探針1と試料3との相互作用による力に対応し、この力に対応した電圧が、予め定める設定値となるように、フィードバックコントローラ72におけるフィードバック回路10の出力が得られる。駆動機構13は、Z方向の移動を行う。フィードバック回路10からのZ方向駆動用の制御電圧を、表示手段に表面形状像14として表示することができる。
固定発振器15から角周波数ωの交流電圧を探針1・試料3間に印加し、すなわち試料3と接地間に印加し、角周波数ωを逓倍器16を用いて逓倍して得られた参照信号Vrefに同期した静電引力の3倍高調波(3ω)成分を、ロックインアンプ17を用いて検出することで、微分容量(∂C/∂V)像18が得られる。ロックインアンプ17は、逓倍器16からの出力である参照信号Vrefに同期した差動増幅器6の出力成分を取り出して抽出し、表示手段に与え、微分容量像18を得る。本発明の実施の他の形態では、逓倍器16とロックインアンプ17との組合せは、角周波数3ωの成分を通過するバンドパスフィルタによって実現されてもよい。
図12は、本件発明者の実験によるカンチレバー2の探針1側から見た顕微鏡写真である。溝64が形成されたビーム部の厚みT2は、前述のようにたとえば1μmである(図1参照)。
図13は、図1〜図12に示される実施の形態における角周波数を説明するためのスペクトル図である。図13に示すように、探針1とカンチレバー2とを含む機械的共振部には、共振現象によって振幅が大きく増幅される周波数(共振角周波数)があり、ダイナミックモードAFMでは、固定発振器8の周波数は、カンチレバー2の1次自由共振角周波数ω1に設定している。3ωが2次自由共振角周波数ω2に一致するように(ω2=3ω)、ωを設定することで、静電引力によるカンチレバーの振動が共振現象によって大きく増幅されるので、高感度で物性値の測定が可能となる。ω1は、たとえば29.81kHzであり、ω2は、83.4kHz(=29.8×2.8)である。
たとえばカンチレバー2が前述のように短冊形であり、1次自由共振角周波数ω1が136kHzであり、2次自由共振角周波数ω2が393kHzであるとする。この場合、ωを131kHzとし、これと位相同期した393kHzの振幅位相特性をロックインアンプ17等を用いて位相検波することで、表示手段によって微分容量(∂C/∂V)像18が得られる。
図14は、本件発明者の実験結果を示す図である。図1に示すカンチレバー2の溝64の長さL3を変化したとき、カンチレバー2の共振角周波数ω1,ω2が、参照符85,86でそれぞれ示されるように変化し、その比ω2/ω1はライン87で示されるように変化し、その比ω2/ω1=2.8で、最小値となり好ましい。
図15は、カンチレバー2の振動の周波数と振動の振幅d1とを示す図である。カンチレバー2に溝64が形成されないとき、2次共振角周波数ω2は、破線88で示されるように、比ω2/ω1=6.3である。溝64が形成されることによって、参照符89で示されるようにω2=2.8・ω1に設定される。この2次共振角周波数ω2は、フォトダイオード5および差動増幅器6などを含む電気回路の検出可能な周波数帯域90の範囲内にあり、この範囲90は、たとえば0〜400kHzである。先行技術では、2次共振角周波数は参照符88で示されるように検出可能な周波数帯域の範囲90よりも高く、したがって2次共振角周波数ω2を検出することは不可能である。本発明は、この問題を解決する。
図16は、図1の本発明の実施の一形態のカンチレバー2と前述の図78に示される従来からのカンチレバー75との1次共振角周波数ω1による変位を示すグラフである。図1の本発明の実施の一形態のカンチレバー2は、特性91を示し、図78の先行技術のカンチレバー75の特性は参照符92で示される。本発明のカンチレバー2によれば、先端部62における変位量である振幅d1が大きいことが判る。
図17は、図1に示される本発明の実施の一形態のカンチレバー2と図78に示される先行技術のカンチレバー75の2次共振角周波数ω2の変位を示す図である。本発明の実施の一形態のカンチレバー2の特性は参照符93で示され、先行技術のカンチレバー75の特性は参照符94で示される。本発明によれば特性93で示されるように、カンチレバー2の先端部62付近では、参照符95で示される溝64よりも先端部62側で、角度が大きく変化し、これによって反射光66の振幅d2が、先行技術に比べて大きく向上されることが理解される。すなわちカンチレバー2の溝64が形成された位置におけるばね定数は小さく、したがって探針1が設けられた先端部62は、溝64よりも基端部63寄りの残のビーム部に対して比較的大きな角度で屈曲し、これによって反射光66a,66b間の振幅d2を大きくすることができる。
図18は試料3の平面図であり、図19は本件発明者の実験による図18の試料3のノンコンタクトモードSCFM像である。この試料3は、Si基板上にp形、n形、n形の各領域のパターニングが施されたものである。試料3を用い、前述のダイナミックモードSCFMの実験を行い、カンチレバー2の持つ固有の共振モードが、高感度の力検出測定に適していることが確認された。こうしてカンチレバー2を用いてダイナミックモードSCFM測定を行った結果、図78に示される先行技術のカンチレバー75を用いた構成に比べて、SCFM測定において同じS/Nを得るために必要となる測定電圧Vacを、先行技術に比べて1/4程度に抑えることが可能になった。測定電圧を過大に加えると、試料3の表面状態を変化させてしまう場合がある。例として、観察試料3が半導体の場合では、測定電圧Vacが大きいと、試料3の表面の酸化膜に電流が流れ、酸化膜内部にトラップ準位を生成してしまい、その結果、SCFMおよびKFM測定を行う場合、測定結果の定量的な評価が困難になる。本発明は、前述のように測定電圧Vacを低下することができるようにし、この問題を解決する。
図20は、図1〜図17に示される実施の形態において、図18および図19の試料3を用い、探針1を接地電位とし、Siである試料3のp型半導体領域に固定発振器15から電圧Vを印加した場合の容量変化のグラフである。太い線41は試料3にドープされた不純物濃度が高い場合を示し、細い線42は低い場合に相当する。容量(C)は試料3に印加した電圧Vが正電圧側に振れたときに大きくなり、負電圧側に振れたときに小さくなる。つまり、微分容量(∂C/∂V)の符号は正となり、その絶対値│∂C/∂V│の大きさから不純物濃度を知ることができる。
また図21は、図1〜図17に示される実施の形態において、図18および図19の試料3を用い、探針1を接地電位とし、Siのn型半導体である試料3に固定発振器15から電圧Vを印加した場合の容量変化のグラフである。太い線43は、試料3にドープされた不純物濃度が高い場合を示し、細い線44は、低い場合に相当する。容量(C)は試料に印加した電圧Vが正電圧側に振れたときに小さくなり負電圧側に振れたときに大きくなる。つまり、微分容量(∂C/∂V)の符号は負となり、その絶対値│∂C/∂V│の大きさから不純物濃度を知ることができる。
図20および図21において、固定発振器15から前述のように角周波数ωの信号45が探針1と試料3との間に印加されて入力されるとき、ロックインアンプ17の3倍高調波3ωの成分である波形46,47;48,49の振幅位相特性が検出され、その振幅に依存した試料3のドープされた不純物濃度を検出することができる。
試料3は前述のようにたとえばSi単結晶半導体であり、導電性を有し、その表面には、SiO2が形成されてもよい。本発明の実施の他の形態では、カンチレバー2はばね定数を前述のように等価的小さく選ぶことによって、感度の向上を図ることができる。像14,18は、液晶パネルまたは陰極線管などによって実現される表示手段によって表示され、これらの参照符号14,18を用いて表示手段を表すことがあり、このことは後述の参照符36に関しても同様である。
図22は、本発明の実施のさらに他の形態のカンチレバーの斜視図である。この実施の形態は、前述の実施の形態に類似し対応する部分には同一の参照符を付す。注目すべきは、この実施の形態では、溝98は、探針1と反対側の図22における上面に臨んで形成される。そのほかの構成は前述の実施の形態と同様である。
図23は本発明の実施の他の形態のカンチレバー101の平面図であり、図24は図23に示されるカンチレバー101の側面図である。さらに図25は、図23の切断面線A25−A25から見た断面図であり、図26は図23の切断面線B26−B26から見た断面図であり、図27は図23の切断面線C27−C27から見た断面図であり、図28は図23の切断面線D28−D28から見た断面図である。注目すべきはこの実施の形態では、その全体の形状が扁平な矩形板の直方体状であるカンチレバー101の先端部62に、探針1が固定されており、このカンチレバー101には、厚み方向に貫通したU字状の透孔102が形成される。この透孔102は、カンチレバー101の長手方向に沿って延びる一対の直方体状空間を形成する長孔部103と、これらの長孔部103を基端部63で連結する連結孔部104とを含む。こうして透孔102によって囲まれた大きく振動するビーム部105が形成される。透孔102は、前述のようにU字状であって、探針1に向って開放している。長孔部103よりも幅方向外方側には、一対のアーム部110が形成される。
図29は、図23〜図28に示されるカンチレバー101の振動時の状態を示す図である。ビーム部105は、透孔102の長孔部103の探針1側の端部付近の領域106を中心にしてヒンジの作用が果たされ、ビーム部105の基端部63寄りの光反射領域67が、探針1の変位に対応して大きな振幅d2となるように、振動する。したがってこの光反射領域67に光65が照射されることによって、反射光66は大きな振幅d2で変位することになり、検出感度を向上することができる。このように透孔102は、質量軽減部としての働きを果たし、探針1の振動の振幅を大きくする働きをも果たす。
図30は本発明の実施のさらに他の形態のカンチレバー107の平面図であり、図31は図30に示されるカンチレバー107の側面図である。図32は図30の切断面線A32−A32から見た断面図であり、図33は図30の切断面線B33−B33から見た断面図であり、図34は図30の切断面線C34−C34から見た断面図であり、図35は図30の切断面線D35−D35から見た断面図である。このカンチレバー107は、先端部62に向うにつれて基端部63から先細に形成され、図30に示される平面視で三角形である板状に形成される。透孔108は、探針1に向って開放し、対称面109に関して左右面対称に形成され、先端部62に向って先軸の一対の細長い直角三角形状空間を形成する長孔部111と、これらの長孔部111の基端部63で連なる連結孔部112とを含む。一対の長孔部111間に形成された細長いビーム部113には、基端部63寄りで、光反射領域67が形成される。長孔部111よりも幅方向外方側には、一対のアーム部120が形成される。この光反射領域67には、光66が照射され、反射光65が、探針1の変位d1によって大きく拡大された振幅d2を有して反射される。
図36は、図30〜図35に示されるカンチレバー107の振動状態を示す簡略化した斜視図である。探針1の先端部62が振動することによって、ビーム部113の基端部63寄りの端部では、光反射領域67が、前述のように大きな振幅d2で変位し、検出感度が向上されることになる。
図37は本発明の実施の他の形態のカンチレバー115の平面図であり、図38は図37に示されるカンチレバー115の側面図であり、図39は図37の切断面線A39−A39から見た断面図であり、図40は図37の切断面線B40−B40から見た断面図であり、図41は図37の切断面線C41−C41から見た断面図であり、図42は図37の切断面線D42−D42から見た断面図である。この図37〜図42に示されるカンチレバー115は、前述の図23〜図28に示されるカンチレバー101に類似するが、注目すべきは透孔102の長孔部103間のビーム部113には、探針1寄りに、長さ方向に交差する方向、たとえば垂直に延びる溝116が形成される。
図43は、図37〜図42に示されるカンチレバー115の振動状態を示す斜視図である。溝116が形成されたビーム部113は、大きな振幅d1で変位し、これによって光反射領域67では、光65が大きな変位量で反射光66で導かれる。こうして測定の検出感度を向上することができる。
図44は本発明の実施のさらに他の形態のカンチレバー118の平面図であり、図45は図44に示すカンチレバー118の側面図であり、図46は図44の切断面線A46−A46から見た断面図であり、図47は図44の切断面線B47−B47から見た断面図であり、図48は図44の切断面線C48−C48から見た断面図であり、図49は図44の切断面線D49−D49から見た断面図であり、図50は図44の切断面線E50−E50から見た断面図である。カンチレバー118は、前述の図30〜図36に関連して述べたカンチレバー107に類似し、対応する部分には同一の参照符を付す。注目すべきはこの実施の形態では、ビーム部113には、この長さ方向に先端部62寄りに、薄肉部である溝119が形成される。
図51は、図44〜図50に示されるカンチレバー118の振動状態を示す斜視図である。ビーム部113に溝119が形成されることによって、その光反射領域67が形成されるビーム部113の遊端部の振幅d1が、大きく拡大され、これによって測定の感度が向上される。
図52は本発明の実施のさらに他の形態のカンチレバー121の平面図であり、図53は図52に示されるカンチレバー121の側面図であり、図54は図52の切断面線A54−A54から見た断面図であり、図55は図52の切断面線B55−B55から見た断面図であり、図56は図52の切断面線C56−C56から見た断面図であり、図57は図52の切断面線D57−D57から見た断面図である。この実施の形態は、前述の図23〜図29および図37〜図43の実施の形態に類似し、対応する部分には同一の参照符を付す。注目すべきは、この実施の形態では、透孔102は、カンチレバー121の長さ方向に先端部62から約1/2のみの長さに形成される。図58は図52〜図57に示されるカンチレバー121の振動状態を示す図である。ビーム部105は、溝116の働きによって大きな振幅d2を達成し、測定感度の向上を図ることができる。
図59は、本発明の実施の一形態のダイナミックモードAFMであるノンコンタクトモードSCFMの概略の構成を示すブロック図である。図59の実施の形態の図1〜図58の実施の各形態に対応する部分には、同一の参照符を付す。探針1を備えたカンチレバー2の変位はレーザーダイオード4、フォトダイオード5、差動増幅器6からなる変位検出装置によって検出することができる。差動増幅器6の出力であるカンチレバー2の変位信号を振幅制御回路19によって振幅を増幅または減衰し、さらに位相シフト回路20によって再び圧電素子7を駆動することで、いわば自励発振ループを形成することができ、カンチレバー2の1次自由共振角周波数ω1で発振させ続けることができる。
1次自由共振角周波数ω1は、探針1と試料3との相互作用による力に対応して変化し、この周波数の変化を、周波数検出回路57を用いて電圧に変換して検出することができる。探針1が試料3に充分近づくと、引力によって角周波数ω1が減少し、また斥力によって増加するが、フィードバックコントローラ72のフィードバック回路10を用いて、高域遮断フィルタ11および高圧増幅器12を通じて駆動される圧電素子を用いるXYZ方向駆動機構13によって、周波数検出回路57の出力が予め定める設定値となるように、Z方向の試料位置を調節することで、この周波数を一定に保つことができる。振幅制御回路19および周波数検出回路57は、図59に示されるようにフェイズ・ロック・ループ回路123によって実現される。位相シフト回路20の出力は、図59に示されるように、自動利得制御回路124に与えられ、この自動利得制御回路124の出力が圧電素子7に与えられるように構成されてもよい。
差動増幅器6の出力は位相同期ループ回路によって実現される周波数検出回路57に与えられる。XYZ方向駆動機構13によって、水平な図1の紙面に垂直である仮想平面内のXY方向へ試料3の表面上を走査しながら、試料3の上面の凹凸に応じて探針1と試料3とを結ぶ仮想直線の延びる図59の上下方向であるZ方向の試料位置を調節する。周波数検出回路57の出力は、探針1と試料3との相互作用による力に対応し、この力に対応した電圧が、予め定める設定値となるように、フィードバック回路10の出力が得られる。駆動機構13は、Z方向の移動を行う。フィードバック回路10からのZ方向駆動用の制御電圧を、表示手段に表面形状像14として表示することができる。
固定発振器15から角周波数ωの交流電圧を探針1・試料3間に印加し、角周波数ωを逓倍器16を用いて逓倍して得られた参照信号Vrefに同期した静電引力の3倍高調波(3ω)成分を、ロックインアンプ17を用いて検出することで、微分容量(∂C/∂V)像18が得られる。ロックインアンプ17は、逓倍器16からの出力である参照信号Vrefに同期した差動増幅器6または周波数検出回路57の出力成分を取り出して抽出し、表示手段に与え、微分容量像18を得る。本発明の実施の他の形態では、逓倍器16とロックインアンプ17との組合せは、角周波数3ωの成分を通過するバンドパスフィルタによって実現されてもよい。
図60は、図59に示されるノンコンタクトモードSCFMのスペクトル図である。角周波数3ωの成分を抽出する信号は、差動増幅器6の出力または周波数検出回路57の出力であるが、これはスイッチ58によって切り替えることができる。スイッチ58を差動増幅器6の出力側に切り替えると、図1の実施例と同様に、3ωが2次自由共振角周波数ω2に一致するように(ω2=3ω)、ωを設定することで、静電引力によるカンチレバーの振動が共振現象によって大きく増幅されるため、高感度で物性値の測定が可能となる。
また、周波数検出回路57の出力は探針1と試料3との相互作用による力に対応しているため、スイッチ58を周波数検出回路57の出力側に切り替えると、周波数検出回路57の出力における3倍高調波(3ω)成分を、ロックインアンプ17を用いて検出することでも、微分容量(∂C/∂V)像18が得ることができる。このとき、フィードバック回路10を用いて、高域遮断フィルタ11および高圧増幅器12を通じて圧電素子を用いるXYZ方向駆動機構13を駆動することによって周波数検出回路57の出力が予め定める設定値となるように、Z方向の試料位置を調節しているが、この距離制御の応答帯域は約1kHz程度であるため、クロストークを防ぎ、正しい表面形状像14を得るためには、角周波数ωを約1kHz以上に設定する必要がある。また、周波数検出回路57の周波数検出応答帯域は通常約10kHz程度であり、3ωが約10kHz以下となるように角周波数ωを設定する必要がある。
この走査型プローブ顕微鏡である原子間力顕微鏡AFMにおいて、カンチレバー2からの発振信号である差動増幅器6の出力信号は、圧電素子7を駆動制御する信号に対して90度の位相遅れを生じる。この差動増幅器6の出力は、振幅制御回路19によって増幅または減衰されて前述のように位相シフト回路20に与えられ、ここで位相が90度遅延されるとともに、反転され、このようにして圧電素子7に位相シフト回路20からの信号が正帰還される。したがってカンチレバー2の機械的発振動作が継続される。周波数検出回路57は、差動増幅器6の出力の周波数に対応した電圧を導出する。
図61は、本発明の実施の他の形態のコンタクトモードAFMの電気的構成を示すブロック図である。図61の実施の形態の図1〜図60の実施の形態に対応する部分には、同一の参照符を付す。探針1は試料3の表面に接触している。探針1を備えたカンチレバー2の変位はレーザーダイオード4、フォトダイオード5、差動増幅器6からなる変位検出装置によって検出することができる。探針1がカンチレバー2に接触すると、ばね力を有するカンチレバー2のたわみが、この変位検出装置によって検出され、フィードバック回路10を用いて、高域遮断フィルタ11および高圧増幅器12を通じて駆動されるXYZ方向駆動機構13によって、差動増幅器6の出力が予め定める設定値となるように、Z方向の試料位置を調節することで、この振幅を一定に保つことができる。XYZ方向駆動圧電素子13によってXY方向へ走査しながら、試料の凹凸に応じてZ方向の試料3の位置を調節し、フィードバック回路10からのZ方向駆動用の制御電圧を、表面形状像14として表示することができる。この図61の実施の形態では、前述の圧電素子7は省略され、カンチレバー2の基端部は固定位置に固定される。
固定発振器15から角周波数ωの交流電圧を探針1・試料3間に印加し、角周波数ωを逓倍器16を用いて逓倍して得られた参照信号Vrefに同期した静電引力の3倍高調波(3ω)成分を、ロックインアンプ17を用いて検出することで、微分容量(∂C/∂V)像18が得られる。ロックインアンプ17は、逓倍器16からの出力である参照信号Vr efに同期した差動増幅器6の出力成分を取り出して抽出し、表示手段に与え、微分容量像18を得る。本発明の実施の他の形態では、逓倍器16とロックインアンプ17との組合せは、角周波数3ωの成分を通過するバンドパスフィルタによって実現されてもよい。
図62は、図61に示される実施の形態における各周波数を説明するためのスペクトル図である。この図62に示すように、探針1が試料3の表面と接触した状態において、探針1とカンチレバー2とを含む機械的共振部には、その探針1・試料3間相互作用によって決まる接触共振角周波数ωcがあるため、3ωがωcに一致するように固定発振器15の角周波数ωを設定することで、静電引力によるカンチレバー2の振動が共振現象によって大きく増幅される。そのため、高感度で物性値の測定が可能となる。
図63は、本発明の実施の他の形態のタッピングモードKFMの電気的構成を示すブロック図である。この図63の実施の形態は、前述の図1〜図61の各実施の形態に類似し、対応する部分には同一の参照符を付す。特にこの実施の形態では、探針1と試料3との間に作用する静電引力を打ち消すことにより、探針1と試料3との仕事関数に関する情報を得るよう構成される。固定発振器31によって出力された角周波数ωpの交流電圧Vpは、加算器32において反転増幅器35からの出力である電圧(Vdc)と加算されて試料1へ印加される。探針1と試料3の材料が異なる場合など、仕事関数の差である電圧(Vcpd)が存在し、静電引力は、
Figure 2005227139
となる。ロックインアンプ33によって角周波数ωpの成分を検出し、フィードバック回路34および反転増幅器35によって、
cpd+Vdc = 0 …(22)
となるような電圧Vdcを調節することが可能である。このとき、
dc = −Vcpd …(23)
となり、探針1と試料3の仕事関数の差を打ち消しながら、それに必要となる電圧を画像化することで、表面電位像36を得ることができる。こうしてタッピングモードKFMが実現される。
図64は、図63に示されるタッピングモードKFMの周波数スペクトル図である。たとえば、図1〜図21の実施例と同様に、ωpが2次共振角周波数ω2に一致するように(ω2=ωp)、ωpを設定することで、静電引力によるカンチレバーの振動が共振現象によって大きく増幅されるので、高感度で表面電位の測定が可能となる。
図65は、本発明の実施の他の形態のノンコンタクトモードKFMの電気的構成を示すブロック図である。この実施の形態は、前述の実施の形態に類似し、対応する部分には同一の参照符を付す。この実施の形態では、表面電位像36を得るKFMの構成は、前述の図63および図64に示される実施の形態と同様であり、固定発振器31、加算器32、ロックインアンプ33、フィードバック回路34、反転増幅器35を含む。この構成は、前述の図59および図60の実施の形態に類似し、振幅制御回路19、位相シフト回路20、周波数検出回路57、フィードバックコントローラ72などを含み、表面形状像14を得ることができる。図65に示されるノンコンタクトモードKFMの周波数スペクトルは、前述の図64と同様である。
図66は、本発明の実施の他の形態のコンタクトモードKFMの電気的構成を示すブロック図である。この実施の形態は、前述の実施の形態に類似し、対応する部分には同一参照符を付す。この実施の形態では、表面電位像36を得るKFMの構成は、前述の図63および図65に示される実施の形態と同様であり、固定発振器31、加算機32、ロックインアンプ33、フィードバック回路34および反転増幅器35を含む。表面電位像36と同時に表面形状像14を得ることが可能であり、その構成は図65に示される実施の形状に類似し、フィードバック回路10、高域遮断フィルタ11および高圧増幅器12を含む。
コンタクトモードKFMの周波数スペクトルは図62と同様で、ωpが接触共振角周波数ωcに一致するように(ωc=ωp)、ωpを設定することで、静電引力によるカンチレバーの振動が共振現象によって大きく増幅されるため、高感度で表面電位の測定が可能となる。
図67は、本発明の実施の他の形態の走査型トンネル顕微鏡STMの電気的構成を示すブロック図である。この実施の形態は、前述の図1〜図66の実施の形態に類似し、対応する部分には同一の参照符を付す。この図67に示される実施の形態は、探針1と試料3間に流れるトンネル電流の大きさを一定に保つことにより、探針1・試料3間相互作用を一定に保つようにした構成を有する。試料3から探針1を備えたカンチレバー2へと流れる電流は電流−電圧変換回路30によって検出され、フィードバック回路10を用いて、高域遮断フィルタ11および高圧増幅器12を通じて駆動されるXYZ方向駆動機構13によってZ方向の試料位置を調節し、このトンネル電流値を予め定める設定値に一定に保つことができる。XYZ方向駆動機構13によってXY方向へ走査しながら、試料3の凹凸に応じてZ方向の試料3位置を調節し、フィードバック回路10からのZ方向駆動用の制御電圧を、表面形状像14として表示することができる。この図8の実施の形態では、前述の圧電素子7は省略され、カンチレバー2の基端部は固定位置に固定される。
固定発振器15から角周波数ωの交流電圧を探針1・試料3間に印加し、角周波数ωを逓倍器16を用いて逓倍して得られた参照信号に同期した静電引力の3倍高調波(3ω)成分を、ロックインアンプ17を用いて検出して振幅を求めることで、微分容量(∂C/∂V)像18が得られる。本発明の実施の他の形態では、逓倍器16とロックインアンプ17との組合せは、角周波数3ωの成分を通過するバンドパスフィルタによって実現されてもよい。
さらに、3ωが1次または2次共振角周波数ω1・ω2に一致するように(すなわちω1=3ω、またはω2=3ω)、ωを設定することで、静電引力によるカンチレバーの振動が共振現象によって大きく増幅されるため、高感度で物性値の測定が可能となる。
図68は、本発明の実施の他の形態のノンコンタクトモードSCFMの電気的構成を示すブロック図である。注目すべきはこの実施の形態では、前述の実施の各形態における光てこ法を実施するのではなく、カンチレバー2の変位または角度を検出するために、歪みセンサ127が用いられる。
図69は、図68に示されるカンチレバー2の拡大断面図である。カンチレバー2は、前述の図1〜図58に関連して前述した構成と同様であり、重量軽減部である溝64が形成されてもよく、または透孔が形成されていてもよい。カンチレバー2の探針1とは反対側の図68および図69の上方の表面には、歪みセンサ127が固定される。この歪みセンサ127は、PZTフィルム128と、その上下に設けられる各電極129,130を有し、PZTフィルム128がこれらの電極129,130によってサンドイッチされる。電極130は、カンチレバー2の探針1と反対側の表面に固定される。歪みセンサ127は、可撓性を有し、その変位量に対応した電流値を導出する構成を有する。カンチレバー2の変位するビーム部の長さL2は、たとえば500μmであってもよく、そのほかの構成は、前述の実施の形態と同様である。このようにPZTカンチレバーを用いた図68および図69に示されるノンコンタクトモードSCFMでは、カンチレバー2に堆積されたPZTフィルム128が弾性変形すると、電荷が発生し、それを定常的に検出することによって、試料3の表面形状だけでなく、電位、静電容量などの諸物性を計測することができる。
カンチレバー2はSi単結晶から成り、探針1は、SiNから成ってもよい。光てこ法に代わる図68および図69に示されるカンチレバー2に歪みセンサ127を備えた構成は、そのほかのタッピングモードおよびコンタクトモードの各SCFMに関連して実施され、またタッピングモード、ノンコンタクトモードおよびコンタクトモードの各KFMに関連しても実施することができる。このようにPZTカンチレバーを用いた図68および図69に示されるノンコンタクトモードSCFMでは、カンチレバー2に堆積されたPZTフィルム128が弾性変形すると、電荷が発生し、それを定常的に検出することによって、試料3の表面形状だけでなく、電位、静電容量などの諸物性を計測することができる。
図70は本発明の実施の他の形態のピエゾ抵抗カンチレバー131の底面図であり、図71は図70に示されるピエゾ抵抗カンチレバー131の側面図である。この実施の形態は、前述の実施の形態に類似し、対応する部分には同一の参照符を付す。図70および図71の実施の形態では、歪みセンサを構成するピエゾ抵抗カンチレバー131が用いられる原子間力顕微鏡AFMが実現される。ピエゾ抵抗カンチレバー131のカンチレバー本体132には、前述の実施の形態と同様に重量軽減部である溝64などが形成されてもよい。基端部63は、切欠部133によって一対の基端部分134,135に分離され、固定部材136に電気的に絶縁されて固定される。基端部63から探針1とともに撓んで変形するビーム部の切欠部133における端部には、ピエゾ抵抗素子137,138が設けられ、金属パッドから成る電極139,140が接続される。
カンチレバー本体132は、たとえば前述のようにSi単結晶から成ってもよい。各電極139,140は、ホイートストンブリッジ回路141のライン142,143に接続されて、1辺を構成する。ホイートストンブリッジ回路141の他の3辺には、固定抵抗144〜146が接続される。ホイートストンブリッジ回路141の出力は、ライン147,148から差動増幅器149に与えられ、ピエゾ抵抗カンチレバー131のカンチレバー本体132の変形した変位量に対応する電位差(=V1−V2)が、ライン71に導出され、前述の原子間力顕微鏡AFMのために用いられる。ピエゾ抵抗素子137,138間では、図70に示されるように電流150が流れる。
ホイートストンブリッジ回路141における抵抗146の抵抗値R1は、ピエゾ抵抗素子137,138の抵抗と同程度の参照抵抗であり、そのほかの抵抗144,145の抵抗値Rは、同一値である。ピエゾ抵抗カンチレバー131のビーム部が自然状態であって変形していないとき、ホイートストンブリッジ141の差動増幅器149に与えられる電位V1,V2は等しく、ライン71の出力電圧は零である。ピエゾ抵抗カンチレバー131が変形したとき、ライン142,143間の抵抗値R1が、抵抗値(R1+ΔR)に変化し、ホイートストンブリッジ回路141のバランスが崩れ、電位差(V1−V2)が発生する。こうして探針1と試料3との間に働く相互作用力をさらに対応したライン71からの電気信号を導出することが可能になる。
図70および図71に示されるピエゾ抵抗カンチレバー131は前述の実施の形態と同様に、タッピングモードSCFM、ノンコンタクトモードSCFM、タッピングモードKFM、ノンコンタクトモードKFMなどの原子間力顕微鏡AFMに関連して広範囲に実施することができる。
図72は、本発明の実施の他の形態の容量検出方式の原子間力顕微鏡AFMの一部を示す図である。この実施の形態は、前述の実施の形態に類似し、対応する部分には同一の参照符を付す。この実施の形態では、弾性カンチレバー2の先端部62付近で、固定位置には探針1と反対側の表面に臨んで間隔をあけて電極152が配置される。この電極152は、たとえば矩形であってもよい。電極152は、金属製平行板であってもよい。
図73は図72のカンチレバー2の先端部62付近の拡大断面図であり、図74はカンチレバー2の先端部62付近の拡大正面図である。電極152とカンチレバー2の基端部63との間には、コンデンサ153とコイル154との並列回路が接続され、コイル154に誘導結合されたコイル155は、固定発振器156によって励振される。こうしてコンデンサ153とコイル154、およびカンチレバー2と電極152とによる容量で構成される発振回路157を、コイル155と固定発振器156とから成る外部同調回路158に結合させる。
探針1が試料3との間の相互作用力を受けて変位すると、発振回路157の周波数特性がシフトする。このとき発振回路157からの検出信号が変化し、その周波数を電圧に変換する変換回路159からライン71には、周波数の偏位に対応した電圧を表わす信号が導出され、探針1の変位を検出することができる。こうして探針1と試料3との間に働く相互作用力を測定することができる。このような図72〜図74に示される容量検出方式によるカンチレバー2の変位または角度を検出することによって、タッピングモードSCFM、ノンコンタクトモードSCFM、タッピングモードKFMおよびノンコンタクトモードKFMなどに関連して、本発明が実施される。
図75は本発明の実施の他の形態におけるカンチレバー2の変位または角度を検出するための光干渉方式の構成を示す系統図であり、図76は図75の実施の形態におけるカンチレバー2の先端部62付近の拡大断面図である。光源であるHe−Neレーザ源161からのレーザ光162は、偏光分離素子163によって偏光分離され、この変更分離されたレーザ光164は、光ファイバ165を経由し、その光ファイバ165の端面166では、図76の参照符LA2で示されるように反射され、こうして端面166で反射されたレーザ光LA2が戻る。またレーザ光164は、端面166を出て、カンチレバー2の探針1と反対側の光反射領域67で反射され、参照符167で示されるように反射光は再び端面166から光ファイバ165に入る。光反射領域67で反射するレーザ光は、参照符LB2で示される。こうして光ファイバ165を戻るレーザ光168は、レーザ光LA2,LB2の干渉光であり、この干渉光168は、光ファイバ165を伝搬し、偏光分離素子163から光検出器169に与えられる。
干渉光168は、カンチレバー2の変位によって、レーザ光LA2,LB2の位相差が変化し、その位相差が干渉光168の光強度の変化となって現れ、光強度が光検出器169によって検出される。光検出器169の出力は、前述のライン71に導出される。こうして光ファイバ165の端面166は、カンチレバー2の先端部62の図75および図76の上方に間隔をあけて固定位置に設けられる。こうして探針1と試料3との間に働く相互作用力を測定することができる。図75および図76に示される光干渉方式の構成は、たとえば前述のようにタッピングモードSCFMおよびノンコンタクトモードSCFM、タッピングモードKFMおよびノンコンタクトモードKFMなどの原子間力顕微鏡AFMに関連して実施することができる。
図77は、本発明の実施の他の形態の斜視図である。カンチレバー171の探針1が設けられた先端部62寄りには、幅が狭くなるように両側部に切欠き172が形成される。このような切欠き172によるカンチレバー171の重量軽減が行われて、カンチレバー171の1次および2次共振角周波数ω1,ω2の比(=ω2/ω1)が、6.3未満となるように構成されてもよい。カンチレバー2のほかに、他の各種のカンチレバー97,101,115,118,121,171なども図68〜図76の実施の各形態に関連して実施することができる。
本発明の実施の一形態の原子間力顕微鏡用カンチレバー2の斜視図である。 図1に示されるカンチレバー2の平面図である。 カンチレバー2の側面図である。 図2の切断面線A4−A4から見た断面図である。 図2の切断面線B5−B5から見た断面図である。 図2の切断面線C6−C6から見た断面図である。 カンチレバーと試料の凝着のモデル図である。 図7に示されるタッピングモードSCFMのさらに具体的な電気的構成を示すブロック図である。 カンチレバー2とフォトダイオード5付近の構成を簡略化して示す図である。 フォトダイオード5に関連する電気回路を示す。 フォトダイオード5の受光領域68,69に反射光66が照射された状態を示す正面図である。 本件発明者の実験によるカンチレバー2の探針1側から見た顕微鏡写真である。 図1〜図12に示される実施の形態における角周波数を説明するためのスペクトル図である。 本件発明者の実験結果を示す図である。 カンチレバー2の振動の周波数と振幅d1とを示す図である。 図1の本発明の実施の一形態のカンチレバー2と前述の図78に示される従来からのカンチレバー75との1次共振角周波数ω1による変位を示すグラフである。 図1に示される本発明の実施の一形態のカンチレバー2と図78に示される先行技術のカンチレバー75の2次共振角周波数ω2の変位を示す図である。 試料3の平面図である。 本件発明者の実験による図18の試料3のノンコンタクトモードSCFM像である。 図1および図2に示される実施の形態において、探針1を接地電位とし、Siのp型半導体である試料3に固定発振器15から電圧Vを印加した場合の容量変化のグラフである。
図1および図2に示される実施の形態において、探針1を接地電位とし、Siのn型半導体である試料3に固定発振器15から電圧Vを印加した場合の容量変化のグラフである。 本発明の実施のさらに他の形態のカンチレバーの斜視図である。 本発明の実施の他の形態のカンチレバー101の平面図である。 図23に示されるカンチレバー101の側面図である。 図23の切断面線A25−A25から見た断面図である。 図23の切断面線B26−B26から見た断面図である。 図23の切断面線C27−C27から見た断面図である。 図23の切断面線D28−D28から見た断面図である。 図23〜図28に示されるカンチレバー101の振動時の状態を示す図である。 本発明の実施のさらに他の形態のカンチレバー107の平面図である。 図30に示されるカンチレバー107の側面図である。 図30の切断面線A32−A32から見た断面図である。 図30の切断面線B33−B33から見た断面図である。 図30の切断面線C34−C34から見た断面図である。 図30の切断面線D35−D35から見た断面図である。 図30〜図35に示されるカンチレバー107の振動状態を示す簡略化した斜視図である。 本発明の実施の他の形態のカンチレバー115の平面図である。 図37に示されるカンチレバー115の側面図である。 図37の切断面線A39−A39から見た断面図である。 図37の切断面線B40−B40から見た断面図である。
図37の切断面線C41−C41から見た断面図である。 図37の切断面線D42−D42から見た断面図である。 図37〜図42に示されるカンチレバー115の振動状態を示す斜視図である。 本発明の実施のさらに他の形態のカンチレバー118の平面図である。 図44に示すカンチレバー118の側面図である。 図44の切断面線A46−A46から見た断面図である。 図44の切断面線B47−B47から見た断面図である。 図44の切断面線C48−C48から見た断面図である。 図44の切断面線D49−D49から見た断面図である。 図44の切断面線E50−E50から見た断面図である。 図44〜図50に示されるカンチレバー118の振動状態を示す斜視図である。 本発明の実施のさらに他の形態のカンチレバー121の平面図である。 図52に示されるカンチレバー121の側面図である。 図52の切断面線A54−A54から見た断面図である。 図52の切断面線B55−B55から見た断面図である。 図52の切断面線C56−C56から見た断面図である。 図52の切断面線D57−D57から見た断面図である。 図52〜図57に示されるカンチレバー121の振動状態を示す図である。 本発明の実施の一形態のダイナミックモードAFMであるノンコンタクトモードSCFMの概略の構成を示すブロック図である。 図59に示されるノンコンタクトモードSCFMのスペクトル図である。
本発明の実施の他の形態のコンタクトモードSCFMの電気的構成を示すブロック図である。 図61に示される実施の形態における各周波数を説明するためのスペクトル図である。 本発明の実施の他の形態のタッピングモードKFMの電気的構成を示すブロック図である。 図63に示されるタッピングモードKFMの周波数スペクトル図である。 本発明の実施の他の形態のノンコンタクトモードKFMの電気的構成を示すブロック図である。 本発明の実施の他の形態のコンタクトモードKFMの電気的構成を示すブロック図である。 本発明の実施の他の形態の走査型トンネル顕微鏡STMの電気的構成を示すブロック図である。 本発明の実施の他の形態のノンコンタクトモードSCFMの電気的構成を示すブロック図である。 図68に示されるカンチレバー2の拡大断面図である。 本発明の実施の他の形態のピエゾ抵抗カンチレバー131の底面図である。 図70に示されるピエゾ抵抗カンチレバー131の側面図である。 本発明の実施の他の形態の容量検出方式の原子間力顕微鏡の一部を示す図である。 図72のカンチレバー2の先端部62付近の拡大断面図である。 カンチレバー2の先端部62付近の拡大正面図である。 本発明の実施の他の形態におけるカンチレバー2の変位または角度を検出するための光干渉方式の構成を示す系統図である。 図75の実施の形態におけるカンチレバー2の先端部62付近の拡大断面図である。 本発明の実施の他の形態のカンチレバー171の斜視図である。 先行技術のカンチレバー75の斜視図である。 先行技術のダイナミックモードSCFMで用いられる図78のカンチレバー75の共振スペクトルである。 カンチレバー75の1次および2次共振角周波数ω1,ω2を説明するための側面図である。
符号の説明
1 探針
2,97,101,115,118,121,171 カンチレバー
3 試料
4 レーザーダイオード
5 フォトダイオード
62 先端部
63 基端部
64,116,119 溝
67 光反射領域
102 透孔
105 ビーム部
108 透孔
113 ビーム部
127 歪みセンサ
131 ピエゾ抵抗カンチレバー
172 切欠き

Claims (11)

  1. 長さ方向の途中に薄肉部、透孔、切欠きなどの質量軽減部が形成されることを特徴とする原子間力顕微鏡用カンチレバー。
  2. 長さ方向の途中に、薄肉部、透孔または切欠きの少なくともいずれかが形成されることを特徴とする原子間力顕微鏡用カンチレバー。
  3. 1次共振角周波数ω1に対する2次共振角周波数ω2の比(ω2/ω1)が、6.3未満であることを特徴とする原子間力顕微鏡用カンチレバー。
  4. 長さ方向に交差する方向に延びる溝が形成されることを特徴とする原子間力顕微鏡用カンチレバー。
  5. 探針に向って開放して長さ方向に延びるU字状透孔102,108が形成され、
    前記透孔の長さ方向に延びる一対の透孔部分103,111間のビーム部105,113に、探針寄りに、長さ方向に交差する方向に延びる溝116,119が形成されることを特徴とする原子間力顕微鏡用カンチレバー。
  6. 長さ方向に沿って、ビーム部の探針とは反対側の基端部寄りに、探針直上のビーム部の変位または角度を検出するための光反射領域67が設けられることを特徴とする請求項5記載の原子間力顕微鏡用カンチレバー。
  7. 探針に向って開放して長さ方向に延びるU字状透孔102,108が形成され、
    前記透孔の長さ方向に延びる一対の透孔部分間のビーム部105,113の探針とは反対側の基端部寄りに、ビーム部の変位または角度を検出するための光反射領域67が設けられることを特徴とする原子間力顕微鏡用カンチレバー。
  8. 全体の外形が、偏平な直方体、または探針に向って先細に形成されることを特徴とする請求項1〜7のうちの1つに記載の原子間力顕微鏡用カンチレバー。
  9. 請求項1〜8のうちの1つに記載の原子間力顕微鏡用カンチレバーを備える原子間力顕微鏡。
  10. 請求項1〜8のうちの1つに記載の原子間力顕微鏡用カンチレバーと、
    このカンチレバーの先端部に設けられる探針と試料との間に、交番電圧を印加して角周波数ωで振動する発振ループと、
    前記カンチレバーの変位または角度を検出する検出手段と、
    検出手段の出力に含まれる複数n(nは2以上の自然数)次の角周波数n・ωの高調波成分によって、物性値を測定する測定手段とを含むことを特徴とする原子間力顕微鏡。
  11. 前記検出手段は、
    カンチレバーに光を照射する光源と、
    前記光源からの光がカンチレバーによって反射された反射光を受光し、カンチレバーの振動による反射光の変位量を検出する受光素子とを含む光てこ法による検出手段であることを特徴とする請求項10記載の原子間力顕微鏡。
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