JP4209891B2 - 走査型プローブ顕微鏡 - Google Patents

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Description

本発明は、プローブの距離制御手段として圧電体を利用する走査型プローブ顕微鏡に関する。
従来、圧電体をプローブの距離制御手段として用いる走査型プローブ顕微鏡としては、例えばフォーク型水晶振動子を用いる走査型プローブ顕微鏡が知られていた。例えば、カレド・カライ等により、Appl. Phys. Lett. 66(14),1995,1842〜1844ページや特開平9−89911号公報に、このようなフォーク型の水晶振動子を用いる走査型プローブ顕微鏡が開示されている。図10は、フォーク型水晶振動子を用いる走査型プローブ顕微鏡の主要部の概略図である。400は光ファイバープローブ、410はフォーク型水晶振動子である。光ファイバープローブを水晶振動子に接着し、水晶振動子を励振用圧電体(図10では省略)で励振する。水晶振動子は、励振されると圧電効果による電流を発生する。この電流を検出することで、水晶振動子の振動状態を測定することができる。プローブがサンプルに接近すると、プローブにはサンプルからの水平方向の力すなわちシアフォースが働き、プローブに接合された水晶振動子の振動状態が変化する。シアフォースを一定に保持するように、すなわち、水晶振動子出力の振幅または位相の変化量を一定に保持するようにZ軸微動素子(図10では省略)を用いて、サンプルとプローブの距離を調節する。
しかし、このような従来のフォーク型水晶振動子を用いる走査型プローブ顕微鏡においては、下記の問題点があった。
(1)プローブがフォーク型水晶振動子に接着固定されているため、温度などの環境変化により固定状態が大きく変化する。また、接着剤の量や接着方法により固定部の状態を一定に保つことが困難である。その結果、プローブの振幅やQ値などの振動パラメータが変化したり、力検出における検出特性が変化し、制御が不安定となる。
(2)接着固定のためフォーク形水晶振動子の再利用が困難である。
(3)フォーク型水晶振動子の一方の側面の長手方向とプローブの軸方向が平行に固定されるため、プローブと振動子の接触面積が大きくなる。接触面積が大きくなると、取付状態の再現性が困難となり、プローブの振幅やQ値などの振動パラメータや力検出における検出特性のばらつきが大きくなる。
(4)フォーク型水晶振動子において、プローブと接合されていない振動片が検出信号に影響を及ぼし、誤動作することがある。すなわち、フォーク型水晶振動子の場合、プローブと接合している振動片は、プローブを介してサンプルからの力を受け振動振幅が減少するが、他方の振動片は元の振動状態を維持する。このように2本の振動片の振動状態は全く異なり、一方は力を検出して変化するが
他方は変化しないため、合成した出力は、直接に力を反映したものにはならない。この出力をZサーボのフィードバック信号として使用した場合、プローブとサンプルの距離を正確に制御できないという欠点があった。
そこで、本発明は下記を課題とする。
(1)温度などの環境変化や接着剤の量や接着方法によらず固定部の状態を一定に保ち、安定した振動特性や検出特性が得られるような走査型プローブ顕微鏡を提供する。
(2)検出用圧電素子の再利用が可能なような走査型プローブ顕微鏡を提供する。
(3)プローブの振幅やQ値などの振動パラメータのばらつきや、力検出における検出特性のばらつきが小さくなるような検出用圧電素子とプローブの固定方法を提供する。
(4)サンプルから受ける力を直接反映した出力信号を出す検出用圧電素子を得ることで、プローブとサンプルの距離を正確に制御する走査型プローブ顕微鏡を提供する。
上記の課題を解決するために、本発明の走査型プローブ顕微鏡は以下に述べるような構成とした。(1)先端が探針状に加工されたプローブと、励振用圧電体と交流電圧発生手段からなる励振部と、検出用圧電体と電流電圧増幅回路からなる振動検出部と、プローブおよび励振用圧電体および検出用圧電体を保持するためのプローブホルダと、プローブをサンプルに接近させる粗動機構と、Z軸微動素子とZサーボ回路からなるサンプルとプローブ間の距離制御手段と、XY微動素子とXY走査回路からなる2次元走査手段と、測定信号の3次元画像化を行うデータ処理装置とからなる走査型プローブ顕微鏡において、プローブと検出用圧電体の接合を弾性体のバネ圧により行うようにした。
この方法により、プローブと検出用圧電体の接合に接着剤が不要となり、接着剤の影響を受けずに、安定した振動特性や検出特性が得られるようになるとともに、検出用圧電素子の再利用が可能となる。
(2)プローブ自体の弾性を利用して、プローブと検出用圧電体との接合を行うようにした。この場合、プローブの先端がサンプル面に対して垂直になるようにプローブと検出用圧電体との取付角度を規定した取付部をプローブホルダに設けた。
この方法により、プローブと検出用圧電体の接合に接着剤が不要となるとともに、プローブの先端がサンプル面に対して垂直になるようにプローブと検出用圧電体との取付角度を調整されるため分解能の低下も防止される。
(3)プローブの軸方向と検出用圧電体の梁の長手方向を概平行に接合する場合に比べて、プローブとフォーク型水晶振動子の接合部の接触面積が小さくなるようにプローブに対してフォーク型水晶振動子を接合面内で傾けて配置した。
この方法により、長手方向に一様に接合する場合に比べて、プローブと検出用圧電体との接触面積が小さくなり、プローブを交換した場合においても取付状態の再現性が向上し、プローブの振幅やQ値などの振動パラメータのばらつきや、力検出における検出特性のばらつきが小さくなる。
(4)1本の振動体を有する圧電体の梁により検出用圧電体を構成した。
この方法により、サンプルから受ける力を直接反映した出力信号を出す検出用圧電素子が得られ、プローブとサンプルの距離を正確に制御できる。
以上説明したように、本発明の走査型プローブ顕微鏡では、
(1)先端が探針状に加工されたプローブと、励振用圧電体と交流電圧発生手段からなる励振部と、検出用圧電体と電流電圧増幅回路からなる振動検出部と、プローブおよび励振用圧電体および検出用圧電体を保持するためのプローブホルダと、プローブをサンプルに接近させる粗動機構と、Z軸微動素子とZサーボ回路からなるサンプルとプローブ間の距離制御手段と、XY微動素子とXY走査回路
からなる2次元走査手段と、測定信号の3次元画像化を行うデータ処理手段とからなる走査型プローブ顕微鏡において、プローブと検出用圧電体の接合を板バネなどの弾性体のバネ圧やプローブ自体の弾性を利用して行うようにした。
このようなプローブと検出用圧電体の接合方法を用いることにより、固定に接着を用いないため、温度などの環境変化による固定部の状態変化を防ぐことができ、また接着剤の量や接着方法による固定状態のばらつきを押さえることが可能となる。その結果、プローブの振幅やQ値などの振動パラメータの変化や、力検出における検出特性の変化を防止できる。
また、検出用圧電体の再利用が可能となり、プローブの組立工程が短縮され、検出用圧電体にかかるコストも削減できる。
さらに、プローブ自体の弾性を利用して、プローブと検出用圧電体との接合を行う場合、プローブの先端がサンプル面に対して垂直になるようにプローブと検出用圧電体との取付角度を規定した取付部をプローブホルダに設けた。
この方法により、プローブの先端がサンプル面に対して垂直になり、分解能の低下なしに測定を行うことが可能となる。
さらに、本発明では、プローブの軸方向と検出用圧電体の梁の長手方向を概平行に接合する場合に比べて、プローブと検出用圧電体の接合部の接触面積が小さくなるようにプローブに対して検出用圧電体を接合面内で傾けて配置した。
この方法により、長手方向に一様に接合する場合に比べて、プローブと検出用圧電体との接触面積が小さくなり、プローブを交換した場合においても取付状態の再現性が向上し、プローブの振幅やQ値などの振動パラメータのばらつきや、力検出における検出特性のばらつきが小さくなった。その結果、安定した制御を行うことが可能となった。
さらに、1本の振動体を有する圧電体により検出用圧電体を構成した。
この結果、サンプルから受ける力を直接反映した出力信号を出す検出用圧電体が得られ、プローブとサンプルの距離を正確に制御することが可能となった。
図1は、本発明の走査型プローブ顕微鏡の概略図である。
本発明の走査型プローブ顕微鏡は、先端が探針状に加工されたプローブ1と、励振用圧電体2と交流電圧発生手段からなる励振部と、検出用圧電体3と電流電圧増幅回路からなる振動検出部と、プローブおよび励振用圧電体および検出用圧電体を保持するためのプローブホルダ4と、プローブをサンプルに接近させる粗動機構8と、Z軸微動素子7aとZサーボ回路からなるサンプルとプローブ間の距離制御手段と、XY微動素子7bとXY走査回路からなる2次元走査手段と、測定信号の3次元画像化を行うデータ処理装置とから構成される。
検出用圧電体3は、励振用圧電体2とともにプローブホルダ4に取り付けられる。一方、プローブ1は検出用圧電体とは独立にプローブホルダ4に固定され、先端付近が検出用圧電体3に押し当て固定される。このとき、プローブ自体を撓ませることにより、検出用圧電体との接触部3aに押圧が掛かり検出用圧電体上に安定に接合される。
検出用圧電体3は、プローブとの接触面積を小さくして、プローブを交換した場合においても取付状態の再現性が保たれ、プローブの振幅やQ値などの振動パラメータのばらつきや、力検出における検出特性のばらつきを小さくするために、プローブ1の軸方向と検出用圧電体3の梁の長手方向を概平行に接合する場合に比べて、プローブと検出用圧電体の接合部の接触面積が小さくなるようにプローブ1に対して検出用圧電体3を接合面内で傾けて配置される。
また、プローブホルダ上のプローブの固定部4aに傾斜を設け、プローブを撓ませた場合、検出用圧電体との接合部より先端部が、サンプル5に対して垂直となるように角度と取付位置を規定している。
このようにセットされた、プローブ1を励振用圧電体2により、検出用圧電体3とともに、サンプル表面と平行に振動させながらサンプル5に接近させると、シアフォースがプローブに作用し、プローブの振動振幅が減少する。プローブ1と検出用圧電体3は接合され一体として動作するため、プローブ1の振動振幅の減少は検出用圧電体3の振幅の減少となる。この振幅の減少は検出用圧電体3の出力電流を減少させる。出力電流は電流電圧増幅回路で検出され、検出用圧電体3の出力電流の変化量が一定になるように、Z軸微動素子7aとZサーボ回路によりサンプル5とプローブ1間の距離を制御する。このような状態でプローブ1をサンプル面上で2次元走査し、サンプルの形状を測定する。この測定信号をもとに、ータ処理装置で3次元画像を得るようにした。
このとき使用される検出用圧電体3の出力電流は、プローブ1と接合された1本の振動体のみから発生する。このように1本の振動体からなる検出用圧電体を用いることで、フォーク型水晶振動子を用いる走査型プローブ顕微鏡のようにプローブと接合されていない振動片の影響による誤動作がなく、サンプルから受ける力を直接反映した出力信号が得られ、プローブとサンプルの距離を正確に制御する走査型プローブ顕微鏡が実現可能である。
図1に本発明の走査型プローブ顕微鏡の第1の実施例の概略図を示す。また、図
1のプローブホルダ部の正面図を図2に、図2の右側面図を図3に示す。
本実施例では、走査型プローブ顕微鏡の一種である走査型近接場顕微鏡に使用される光ファイバーの先端を探針状に加工したストレート型のプローブを使用した。
検出用圧電素子として、幅0.25mm×厚さ0.1mmで、長さが5mmの水晶を材料とする梁を使用し、励振用圧電体には、縦10mm×横5mm×厚さ0.5mmの平板状に加工したPZTを使用した。励振用圧電体2はホルダ本体4に接着固定され、更に検出用圧 電体3は励振用圧電体2に接着固定される。なお、励振用圧電体2と検出用圧電体3は電気的に絶縁されている。
プローブ1はプローブ保持用治具6に固定され、治具ごとホルダ本体にネジ止め固定される。
検出用圧電体3はプローブ1の軸方向と、検出用圧電体3の梁の長手方向を一致させて接合する場合に比べて接合部の面積が小さくなるように、プローブ1の軸に対して、45度程度傾けられ、プローブ1を保持用治具6により固定部に固定した場合にプローブ1の先端部と検出用圧電体3が交差するよう配置した。なお、プローブ1と検出用圧電体3の接触面内での角度はプローブ1の軸方向と、検出用圧電体3の長手方向を概平行状態で接合する場合に比べて接合部の面積が小さくなるような状態であれば任意に設定できる。
ホルダの固定部4aはプローブ1と検出用圧電体3が接合したときにプローブに撓みが生じ接合部に押し圧がかかるように、傾斜が設けられている。このとき、接合部より先端の部分がサンプル5に対して垂直となるように、取付部の高さと傾斜角があらかじめ規定されている。
ここで、図11の模式図を用いて、プローブの取付方法と押圧の関係を説明する。
図11に示すように、プローブと検出用圧電体の接触点をBとし、Bを通り、サンプルに対して垂直となる方向にZ軸をとる。プローブをZ軸から高さaだけ離れた位置に角度αで固定する。ここで、A点はプローブの固定端である。
ここで、固定端Aから長さlの部分をΔωだけ撓ませて、B点において接触させた場合、B点に掛かる押圧Pは式(1)となる。
P=2EIα/l2 (1)
ここで、Eはプローブの材質のヤング率、Iはプローブの中立軸に関する断面二次モーメントである。
また、aとαの関係はαが微小な場合、式(2)となる。
a=lα/3 (2)
本実施例では、プローブの材料を石英ガラス製の光ファイバーとした。光ファイバーのヤング率Eと直径dをそれぞれ、E=6.9×1010Pa、直径d=125×10-6mとする。ここで、 長さlをl=14.5×10-3mに設定し、式(1)、式(2)より、a、α、Pをそれぞれ、a=8 ×10-4m、α=0.17 rad(9.5deg)、P=1.30mNに設定した。
ここで、押圧Pが小さすぎた場合には、励振したときに、プローブと検出用圧電体が離れてしまい動作が不安定になる。またPが大きすぎる場合には、励振力が抑制されてしまい、やはり動作が不安定になるため前記の式に従って、実験により最適化した。また、接合部からプローブ先端までの長さdは任意に設定可能であるが、dが著しく長くなると応答性が悪くなりやはり動作が不安定になるため、本実施例ではd=1mmとした。
以上のように構成することにより、固定に接着を用いないため、温度などの環境変化による固定部の状態変化を防ぐことができ、また接着剤の量や接着方法による固定状態のばらつきを押さえることが可能となった。その結果、プローブの振幅やQ値などの振動パラメータの変化や、力検出における検出特性の変化を防止できた。特に、温度変化の影響を受けないため、極低温下や高温下での測定に有効である。
また、検出用圧電体は繰り返し使用が可能である。
さらに、サンプルに対してプローブ先端が垂直でない場合には走査型近接場顕微鏡の光学像やシアフォースを利用した表面形状の分解能が低下するが、サンプルに対してプローブが垂直に設置されるため、分解能の低下が防止される。
本実施例では弾性体のバネ圧のみで接合を行ったが、外乱によるずれを防止するため、バネ圧に加えて補助的に接着剤で接合することも考えられる。接着力の弱いものを用いれば、接合状態はバネ圧に依存するため、接着剤に影響は少ない。さらに、接着力を弱くすれば、検出用圧電体から取り外しも可能となり繰り返し使用も可能である。
このように構成したプローブホルダを使用して、励振用圧電体2に交流電圧を印加すると、励振用圧電体2が振動し、検出用圧電体3が励振される。励振の周波数を検出用圧電体3の共振周波数にすると、検出用圧電体3が共振する。検出用圧電体3が振動すると、圧電効果により検出用圧電体3の電極に電荷が誘起され、電流として電流電圧増幅回路により検出される。検出用圧電体の振動振幅に比例した電流が発生するため、検出された電流により検出用圧電体の振動状態が測定できる。
プローブホルダの下側には、XYZ微動素子7が配置され、微動素子上にサンプル5が載置される。微動素子としては、XYZの3軸スキャナーが一体となった円筒形ピエゾ圧電素子を用いた。微動素子としては、この他、Z軸とXY軸が分離したピエゾスキャナーや電歪素子を用いたものが考えられ、本発明に含まれる。この他、ピエゾステージや平行バネを用いたステージ、1軸ピエゾ素子をXYZの3軸に配置し一体化したトライポッド形圧電素子、積層形のピエゾスキャナーなどが考えられ、いずれも本発明に含まれる。
XYZ微動素子上のサンプル5は粗動機構8を用いてプローブ1に接近させる。粗動機構としては、ステッピングモーターと減速ギヤ、粗動ネジからなる粗動機構を用いた。粗動機構としては、この他にZステージにステッピングモーターを付加したものや、圧電素子を用いたステージ、例えばインチワーム機構などやZステージと圧電素子を組み合わせたステージなどが考えられ、いずれも本発明に含まれる。
XY走査回路とZサーボ回路のデータはデータ処理装置へ入力され、3次元画像化される。データ処理手段としては、電子計算機とCRT表示体を用いた。データ処理手段としてはこの他、ストレージオシロスコープや電子計算機と液晶表示体の組み合わせなど種々の方法が考えられるが、いずれも本発明に含まれる。
図4は、本発明の走査型プローブ顕微鏡の第2の実施例のプローブホルダ部の正面図、図5は図4のA−A線断面図である。
本実施例では、図2の実施例と同様に、光ファイバーの先端を探針状に加工したストレート型のプローブを使用し、また、検出用圧電体として、幅0.25mm×厚さ0.1mmで、長さが5mmの水晶を材料とする梁を使用し、励振用圧電体には、縦10mm×横5mm×厚さ0.5mmの平板状に加工したPZTを使用した。励振用圧電体2はホルダ本体に接着固定され、更に検出用圧電体3は励振用圧電体2に接着固定される。なお、励振用圧電体2と検出用圧電体3は電気的に絶縁されている。
プローブ1はプローブ保持用治具6に固定され、治具ごとホルダ本体の取付部9aにネジ止め固定される。
検出用圧電体3はプローブ1の軸方向と、検出用圧電体3の梁の長手方向を一致 させて接合する場合に比べて接合部の面積が小さくなるように、プローブ1の軸に対して、45度程度傾けられ、プローブ1を保持用治具6により固定部9aに固定した場合にプローブ1の先端部と検出用圧電体3が交差するように配置される。
プローブの接合は、検出用圧電体3とプローブ1を交差させ、プローブの上から板バネ10の弾性を利用して押し付けるような方法を用いた。
本実施例の場合にも、固定に接着を用いないため、温度などの環境変化による固定部の状態変化を防ぐことができ、また接着剤の量や接着方法による固定状態のばらつきを押さえることが可能となった。その結果、プローブの振幅やQ値などの振動パラメータの変化や、力検出における検出特性の変化を防止できた。また、検出用圧電体は繰り返し使用が可能である。
接合に用いる弾性体としては板バネの他、コイル状のバネやゴムなどが考えられ、いずれも本発明に含まれる。
図6に本発明の走査型プローブ顕微鏡の第3の実施例のプローブホルダ部の正面図を、図7に図6の右側面図を示す。
本実施例でも、先の実施例と同様に、光ファイバーの先端を探針状に加工したストレート型のプローブを使用し、また、検出用圧電体として、棒状に加工した水晶を使用し、励振用圧電体には、平板状に加工したPZTを使用した。励振用圧電体2はホルダ本体に接着固定され、更に検出用圧電体3は励振用圧電体2に接着固定される。なお、励振用圧電体2と検出用圧電体3は電気的に絶縁されている。
プローブ1はプローブ保持用治具6に固定され、治具ごとホルダ本体の取付部11aにネジ止め固定される。
検出用圧電体3はプローブ1の軸方向と、検出用圧電体3の梁の長手方向を一致させて接合する場合に比べて接合部の面積が小さくなるように、プローブの軸に対して、45度程度傾けられ、プローブ1を保持用治具6により固定部11aに固定した場合にプローブ1の先端部と検出用圧電体3が交差するよう配置される。
プローブの接合は、検出用圧電体3とプローブ1を交差させ、接合部12を接着により行う方式とした。
本実施例の場合、先の実施例とは異なり、検出用圧電体3の再利用が困難になったり、接着接合のため、温度などの環境変化を受けやすく、また、接合部12の接着状態のばらつきが多くなってしまうが、プローブの軸方向と検出用圧電体の梁の長手方向を概平行に接着固定する従来技術に比べ、検出用圧電体を接合面内で斜めに配置した効果により、接合部の面積が小さくなり、そのため、接合状態のばらつきが少なくなる効果がある。
図8に本発明の走査型プローブ顕微鏡の第4の実施例のプローブホルダ部の正面図を、図9に図8右側面図を示す。
本実施例は、基本的に図2と同様の装置構成で、同じ原理によりプローブ1と検出用圧電体3が接合されるが、プローブの取付角度を微調整できる機構を取り付けた。プローブ取付用の治具固定部14がホルダ本体13に枢着され、固定部14とホルダ本体13の間にくさび型の部材15を入れる。くさび型部材15を送りネジ機構(図示せず)で挿入することにより、プローブの取付角度が可変となり、サンプルに対するプローブ先端の角度の微調性が可能となる。
以上、説明した第1から第4の実施例において、励振用圧電体としては、板状PZTの他、円筒形のPZTスキャナーや積層PZT板などが考えられ、いずれも本発明に含まれる。
また、検出用圧電体の材料としては水晶のほか、PZTなどの圧電性を有するほかの材料で形成された圧電体も本発明に含まれる。また、形状も断面が長方形の梁に限らず、断面が三角形や丸形のものなど任意の断面を有する梁や、フォーク型水晶振動子、バイモルフ型圧電素子、弾性部材に圧電薄膜を貼り付けた任意形状の検出装置なども考えられ、いずれも本発明に含まれる。さらに、検出用圧電体と励振用圧電体を一体化することも考えられる。
また、図12に示すように、検出用圧電体にコストの安い時計用のフォーク型水晶振動子16を検出用圧電体に流用し、フォーク型水晶振動子の片側の振動片16bを欠き、1本の振動片16aのみの振動体に加工して用いることも考えられる。
従来のフォーク型水晶振動子を用いた方法では、プローブと接合している振動片16aは、プローブを介してサンプルからの力を受け振動振幅が減少するが、他方の振動片16bは元の振動状態を維持し、2本の振動片の振動状態は全く異なり、一方は力を検出して変化するが他方は変化しないため、合成した出力は、直接に力を反映したものにはならなかった。
図12に示すように時計用水晶振動子を加工して検出用圧電体に用いることにより、プローブと接合されていない振動片16bが検出信号に影響を及ぼし誤動作することが防止される。したがって、フォーク形水晶振動子の出力をZサーボのフィードバック信号として使用した場合、プローブとサンプルの距離を正確に制御できないという欠点が改善され、安定した出力特性を有しサンプルから受ける力を直接反映した出力信号を出す水晶振動子を得ることが可能となる。この結果、プローブとサンプルの距離を正確に制御でき、安定した装置特性により測定データの再現性を高めることが可能となった。
また、プローブとしては、ストレート型の光ファイバープローブのほかにも、棒状のタングステンの先端を化学エッチングし、テーパー状に加工した金属製プローブや、ガラスピペットをテーパー状に加工したもの、光ファイバーの先端を曲げたベント型のプローブも本発明に含まれる。さらには第2、第3の実施例ではシリコンや窒化シリコンのカンチレバーを弾性体のバネ圧で接合したり、接着接合で使用する方法も考えられる。ストレート型プローブではシアフォースで制御を行ったが、ベント型のプローブやカンチレバーの場合には、原子間力により制御を行う。先端の加工方法については、化学エッチングや機械的研磨、加熱延伸加工も考えられ、いずれも本発明に含まれる。さらに探針先端については、磁性膜を形成し磁気力検知プローブとしたものや、金または白金膜を形成し、導電
性プローブとしたものも考えられ、いずれも本発明に含まれる。
本発明走査型プローブ顕微鏡の第1の実施例の概略図である。 図1の実施例に示したプローブホルダ部の正面図である。 図2の右側面図である 本発明の走査型プローブ顕微鏡の第2の実施例のプローブホルダ部の正面図である。 図4のA−A線断面図である。 本発明の走査型プローブ顕微鏡の第3の実施例のプローブホルダ部の正面図である。 図6の右側面図である。 本発明の走査型プローブ顕微鏡の第4の実施例のプローブホルダ部の正面図である。 図8の右側面図である。 従来のフォーク型水晶振動子を用いる走査型プローブ顕微鏡の概略図である。 プローブの取付方法を説明するための模式図である。 フォーク型水晶振動子の片側の振動片を欠き、1本の振動片のみを検出用圧電体に用いた場合の概略図である。
符号の説明
1 プローブ
2 励振用圧電体
3 検出用圧電体
4 プローブホルダ
5 サンプル
6 プローブ保持用治具
7 XYZ微動素子
8 粗動機構
9 プローブホルダ
10 板バネ
11 プローブホルダ
12 接着部
13 プローブホルダ
14 治具固定部
15 くさび型部材
16 フォーク型水晶振動子

Claims (7)

  1. 先端が探針状に加工されたプローブと、
    励振用圧電体と交流電圧発生手段からなる励振部と、
    検出用圧電体と電流電圧増幅回路からなる振動検出部と、
    前記プローブおよび前記励振用圧電体および前記検出用圧電体を保持するためのプローブホルダと、
    前記プローブをサンプルに接近させる粗動機構と、
    Z軸微動素子とZサーボ回路からなる前記サンプルと前記プローブ間の距離制御手段と、
    XY微動素子とXY走査回路からなる2次元走査手段と、
    測定信号の3次元画像化を行うデータ処理装置と、からなる走査型プローブ顕微鏡において、
    前記プローブの軸方向と前記検出用圧電体の梁の長手方向を概平行に接合する場合に比べて、前記プローブと前記検出用圧電体の接合部の接触面積が小さくなるように前記プローブに対して前記検出用圧電体を接合面内で傾けて配置し、前記プローブと前記検出用圧電体との接合を接着により行うことを特徴とする走査型プローブ顕微鏡。
  2. 前記検出用圧電体がフォーク型水晶振動子である請求項1に記載の走査型プローブ顕微鏡。
  3. 前記検出用圧電体が1本の振動体を有する梁であることを特徴とする請求項1に記載の走査型プローブ顕微鏡。
  4. 前記振動検出部を構成する部材の一部または全部が圧電性を有する部材を使用した請求項1に記載の走査型プローブ顕微鏡。
  5. 前記検出用圧電体が前記励振用圧電体を兼ねることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の走査型プローブ顕微鏡
  6. 前記プローブが先端を探針状に加工したストレート型の光ファイバープローブであることを特徴とする請求項1に記載の走査型プローブ顕微鏡。
  7. 前記プローブが先端を探針状に加工したベント型の光ファイバープローブであることを特徴とする請求項1に記載の走査型プローブ顕微鏡。
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