JP3384780B2 - 耐剥離性に優れたラミネート金属部材 - Google Patents

耐剥離性に優れたラミネート金属部材

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属板に紙やフィ
ルム等のシート状材料が積層されたラミネート金属板に
関し、詳細には曲げ加工後の耐剥離性を向上させたラミ
ネート金属板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より金属板に美麗な表面外観性を付
与する技術が種々提案されている。例えば、めっき金属
板あるいは非めっき金属板表面に樹脂塗装を施して、ま
たは樹脂塗装後に美しい色彩や柄模様を印刷して塗装板
(プレコート金属板)としたり、ポリ塩化ビニル、ポリ
オレフィン、アクリル樹脂等からなるフィルムを金属板
に積層し、フィルムの持つ特徴と機能を活用してフィル
ム積層金属板(フィルムラミネート金属板)とする技術
が知られている。特に近年では、こうした外観意匠性に
優れたフィルム積層金属板に耐疵付き性が求められ、フ
ィルム自体の硬度を上昇させたり、フィルムの膜厚を上
昇させて耐疵付き性を向上させている。しかしながら上
記の様な方法で耐疵付き性を向上させたフィルムや、元
々伸び量が少ないポリプロピレン、ポリエチレンテレフ
タレート、紙、不織布等のシート状材料は延性が不足し
ているため、これらを積層したラミネート金属板のシー
ト状材料積層面を外側にして曲げ加工を施すと、シート
状材料が金属板の伸びに追随できず、曲げ加工部でシー
ト状材料の白化、または破断が発生するという問題があ
った。このためラミネート金属板の適用範囲が限られて
いた。
【0003】こうした問題を解決する手段として本発明
者らは、伸びの不足するプラスティックフィルムや紙、
布等のシート状材料であっても、曲げ加工により形成さ
れたアール端縁部近傍のシート状材料を金属板に対して
ずれを生じさせることによって、シート状材料の破断を
防止し、曲げ加工性を向上させたラミネート金属板とそ
の製造方法を提案している(特開平11−5268)。
これによりラミネート金属板の曲げ加工性は一段と向上
しているものの、ずれが生じた後に、シート状材料の端
縁が金属板から剥離し易いという新たな問題が生じてい
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記問題を鑑
みてなされたものであり、その目的はラミネート金属板
の曲げ加工性を損なうことなく、曲げ加工後のシート状
材料の剥離を防ぐことである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、金属板の片面
に粘着剤層または接着剤層(以下「粘・接着剤」と略記
する。」)を介してシート状材料が積層されたラミネー
ト金属板に曲げ加工が施されたラミネート金属部材であ
って、該シート状材料積層面を外側にして曲げ加工を施
した際に、該粘・接着剤層が凝集破壊を起こすことによ
って、シート状材料が金属板に対してずれを生じ、且
つ、該ずれ後のシート状材料が該粘・接着剤層を介して
金属板に付着していることを特徴とする耐剥離性に優れ
たラミネート金属部材である。
【0006】この際に該粘・接着剤のガラス転移温度
(Tg)が−100〜0℃であることが推奨され、また上
記ラミネート金属板に曲げ加工を施した際に、シート状
材料と金属板の間に介在する上記粘・接着剤層の付着量
が4g/m2以上であることが望ましい。
【0007】尚、シート状材料端縁から曲げ中心までの
長さ(Lf(mm))が3mm以上であって、且つこの
Lf(mm)と金属板の端縁から曲げ中心までの長さ
(Ls(mm))とが、下記(1)式の関係を満たすこ
とが推奨される。 Lf/Ls≧0.3…(1)
【0008】
【発明の実施の形態】本発明者らは、シート状材料が金
属板の伸びに追随できず、曲げ加工部でシート状材料の
白化、または破断が発生するという問題の解決策とし
て、曲げ加工により形成されたアール端縁部近傍のシー
ト状材料を金属板に対してずれを生じさせることによっ
て、シート状材料の破断を防止し、曲げ加工性を向上さ
せたラミネート金属板とその製造方法を提案している
(特開平11−5268)。しかしながらこのラミネー
ト金属板は曲げ加工を施した際に、シート状材料と粘・
接着剤層との界面剥離、あるいは金属板と接着剤との界
面剥離を伴うずれが発生すると、曲げ加工後の金属板と
シート状材料の再接着が難しくなり、シート状材料の端
縁が金属板から剥離し易くなるという問題があった。こ
うした問題を解決するために更に研究を重ねた結果、シ
ート状材料が金属板に対しずれを起こす際に、粘・接着
剤層が凝集破壊していれば、シート状材料の耐剥離性を
向上させることができることを知見し、本発明に至っ
た。
【0009】本発明においてシート状材料が「ずれを起
こす」とは、シート状材料が粘・接着剤層を介在して金
属板に積層しているラミネート金属板において、シート
状材料積層面を上側にして水平に載置したラミネート金
属板の該シート状材料上にある点Xを決め、この点Xか
ら鉛直方向に直線を引いたときの金属板との交点をYと
したとき、シート状材料積層面を上側にして曲げ加工を
施した後に同様にして点Xから垂線を引くと、金属板と
の交点がY以外の別の位置である点Zになっているとい
うことである。
【0010】尚、本発明において「曲げ加工」とは、シ
ート状材料が粘・接着剤層を介在して金属板に積層して
いるラミネート金属板において、シート状材料積層面を
上側にして曲げを施すことの意味である。
【0011】また、本発明において「耐剥離性」とは、
曲げ加工後のシート状材料と金属板の剥離しにくさ、つ
まり、ずれが生じた後のシート状材料と金属板の再接着
性のことである。
【0012】以下、本発明を詳述する。
【0013】本発明で使用するシート状材料の種類、厚
みは特に制限されないが、比較的伸びの小さいシート状
材料に適用すると、曲げ加工を施しても破断することが
なくなるので有用である。この様なシート状材料として
は、比較的剛性の高いポリ塩化ビニール、ポリエチレン
テレフタレート等のポリエステル、ポリプロピレンフィ
ルム等のプラスティック、アルミ箔、銅箔等の金属箔、
紙、不織布、織布等が挙げられる。これらの中でも特に
紙、織布、ポリプロピレンフィルムやポリエステル系フ
ィルム等は表面外観性や耐久性に優れているので本発明
で使用するシート状材料として推奨される。
【0014】尚、本発明において「積層」とは、単一素
材のシート状材料による積層だけでなく、2種類以上の
素材が複数層積層されたものも含む意味である。
【0015】また本発明で用いるシート状材料には、印
刷、エンボス加工、カレンダー加工等の物理的、化学的
加工を施してもよく、また樹脂等の保護層を設けてもよ
い。
【0016】本発明で用いる金属板としては、鋼板、銅
板、アルミ板、チタン板等の各種合金板が挙げられ、こ
れらの金属板表面にめっき皮膜、クロメート皮膜等の公
知の表面被覆処理を施したものであってもよく、用途に
応じて任意に選択することができる。
【0017】本発明で用いる粘・接着剤の種類は、曲げ
加工時に凝集破壊するものであれば特に限定されず、夫
々を単独で、或いは接着剤と粘着剤を混合したものを用
いても良く、用途、使用環境等によって適宜選択するこ
とが出来る。具体的にはポリ酢酸ビニルや酢酸ビニル‐
エチレン共重合体(EVA)等のポリ酢酸ビニル系、ポ
リ(メタ)アクリル酸および/またはそのエステルや、
これらとポリスチレン、ポリエステル、ポリ酢酸ビニル
等との共重合体等のアクリル樹脂系、ポリウレタン樹脂
系、ポリエステル樹脂系、ゴム系、ポリオレフィン系、
SBSやSIBS等のポリスチレン系、エポキシ樹脂
系、フェノール樹脂系の粘・接着剤、その他公知の粘・
接着剤を用いることができ、またこれらの粘・接着剤に
は老化防止剤や架橋剤等の公知の添加剤を加えてもよ
い。
【0018】耐剥離性を向上させるためには、これらの
粘・接着剤の中でも、ガラス転移温度(Tg)が−10
0℃以上、好ましくは−90℃以上であって、0℃以
下、好ましくは−15℃以下の範囲のものを使用するこ
とが推奨される。Tgが0℃を超えた粘・接着剤では、
粘・接着剤がやや硬すぎて曲げ加工後の再接着性が劣化
し、十分な耐剥離性が得られない。一方、Tgが−10
0℃未満の粘・接着剤では、粘・接着剤が軟かすぎて接
着力が劣化するので、曲げ加工前・後の接着力が弱く、
十分な耐剥離性が得られない。
【0019】金属板とシート状材料にずれが生じた際
に、該金属板と該シート状材料を再接着させるのに十分
な接着性を付与するには、粘・接着剤層が凝集破壊を起
こす必要がある。曲げ加工を施した際に、シート状材料
と粘・接着剤との界面剥離、あるいは金属板と粘・接着
剤との界面剥離を伴うずれが生じると、曲げ加工後の金
属板とシート状材料の再接着が難しくなり、剥離し易く
なるからである。
【0020】粘・接着剤が凝集破壊を起こしているか
は、曲げ加工後にシート状材料を金属板から剥離させる
試験を行って評価することができる。剥離試験後に金属
板とシート状材料のそれぞれに、粘・接着剤層として用
いた粘・接着剤が付着していれば凝集破壊である。剥離
試験方法として例えばラミネート金属板に積層している
シート状材料を200mm/分で上記金属板に対し10
mm水平にずらした後、90°剥離を行う方法等で粘・
接着剤が凝集破壊を起こしているかどうか調べることが
できる。
【0021】尚この時、接着剤が必ずしも部材全面に残
存していなくてもよく、再接着性に影響を与えない範囲
であれば部材の一部に、粘・接着剤が界面剥離等によっ
て残存していない欠落部分が存在していてもかまわな
い。
【0022】曲げ加工後のシート状材料と金属板に介在
する粘・接着剤層全体の付着としては好ましくは4g/
2以上、より好ましくは10g/m2以上とすることが
推奨される。上限は特に限定されないが、多すぎると耐
疵付き性、不燃性が劣化するため、上限は100g/m
2が望ましい。
【0023】尚、凝集破壊によって夫々の部材に付着す
るする粘・接着剤の付着量が同量である必要はないが、
耐剥離性向上の観点からそれぞれの部材には、好ましく
は2g/m2以上、より好ましくは4g/m2以上付着し
た状態で凝集破壊していることが推奨される。2g/m
2未満では、界面剥離に近くなり、シート状材料の再接
着性に劣ることがある。
【0024】尚、本発明のラミネート金属板を水周り
等、水と接触する環境に用いる場合、粘・接着剤中の水
可溶成分がラミネート金属板端縁から溶出し、該端縁部
での金属板とシート状材料の耐剥離性が劣化することが
あるので、この様な環境下で使用する場合の粘・接着剤
層全体の付着量下限は、好ましくは20g/m2、より
好ましくは30g/m2とすることが推奨される。
【0025】本発明のラミネート金属板に曲げ加工を施
した際、図1に示す曲げ中心点からシート状材料端縁ま
での長さ(Lf)が短いと、シート状材料の接着面積が
少なくなって曲げ加工によるせん断応力に対応できなく
なり、また曲げ加工によってシート状材料の弾性応力が
増大するため、金属板との耐剥離性が劣化する。従って
Lfは3mm以上となる様に曲げ加工を施すことが望ま
しい。
【0026】またシート状材料端縁から曲げ中心点まで
の長さ(Lf)は、曲げ加工によって生じるシート状材
料のずれが大きくなるにつれて減少することとなる。L
fが減少しすぎると、金属板とシート状材料の接着面積
が減少するため、曲げ加工によるせん断応力に対応でき
なくなり、耐剥離性が低下する。
【0027】従って金属板の端縁から曲げ中心点までの
長さと、フィルム端縁から曲げ中心点までの長さの関係
を表す下記式(1)の値を満足する様に曲げ加工を施す
ことが推奨される。 金属板の端縁から曲げ中心点までの長さ:Ls(mm) フィルム端縁から曲げ中心点までの長さ:Lf(mm) Lf/Ls≧0.3…(1)
【0028】本発明の粘・接着剤を金属板に施す方法と
しては、金属板に直接塗布するか、粘・接着剤のフィル
ムを金属板にラミネートすることにより金属板上に供給
できる。塗布する場合の塗布方法は特に限定されず、ロ
ールコーティング、スプレーコーティング、ノズルコー
ティング、ディップコーティング法等が採用できる。
【0029】粘・接着剤塗布後のシート状材料の積層方
法としては、粘・接着剤塗布後に、熱風乾燥炉を通過さ
せるなどの方法、溶媒あるいは分散媒の一部又は全部を
揮発させた後、シート状材料を積層する方法が好まし
い。また粘・接着剤が乾燥(溶媒の揮発)あるいは硬化
してしまう前に、シート状材料をラミネートすることも
出来る。例えば、シート状材料が紙(あるいは織布や不
織布)の場合、紙が有する空隙に粘・接着剤が含浸する
ので密着力向上効果が得られるためである。シート状材
料をラミネートする時期は、粘・接着剤の乾燥・硬化速
度を考慮して適宜決定できる。ラミネート後は、熱風乾
燥炉を通過させる等の方法で、粘・接着剤が完全に乾燥
・硬化するように、板温60〜120℃で、25〜30
0秒間、加熱・乾燥させることが好ましい。
【0030】
【実施例】以下実施例によって本発明をさらに詳述する
が、下記実施例は本発明を制限するものではなく、前・
後記の趣旨を逸脱しない範囲で変更実施することは全て
本発明の技術範囲に包含される。
【0031】実施例1 金属板および積層するシート状材料の種類と、粘・接着
剤の種類および付着量、接着条件(JIS K 712
1に基づく示差走査熱量計(DSC)により得られた値
を、ガラス転移温度(Tg:℃)とした。)を表1及び
表2に示した様に変化させて作成したラミネート金属板
(原板:板厚0.8mm)のそれぞれについて、後述す
る方法で、粘・接着剤層の凝集破壊の程度、耐剥離性、
耐疵付き性について評価した。結果を表1及び表2に示
す。尚、各サンプル金属板にはクロメート皮膜(Cr付
着量:30mg/m2)を施してある。
【0032】(1)凝集破壊 20mm幅×50mm長さにカットしたラミネート金属
板を速度200mm/分でシート状材料を金属板に対し
て水平方向に10mmずらした後、90°剥離を行い、
シート状材料、金属板のそれぞれに残存している粘・接
着剤の付着量を測定し、凝集破壊の程度を以下の基準で
評価した(10サンプルについて測定し、その平均値を
使用した。)。 ◎:シート状材料、金属板ともに粘・接着剤がそれぞれ
4g/m2以上残存している。 ○:シート状材料、金属板のどちらかの、粘・接着剤が
それぞれ2g/m2以上、4g/m2未満残存している。 △:シート状材料、金属板のどちらかの、粘・接着剤が
それぞれ1g/m2以上、2g/m2未満残存している。 ×:シート状材料、金属板のどちらかの粘・接着剤の残
存量が、1g/m2未満である。
【0033】(2)耐剥離性 JIS K 5400に基づき、50mm角にしたラミ
ネート金属板の中央部で密着曲げ試験を行い、試験後の
シート状材料の端縁部でのはがれの程度を以下の基準で
評価した。 ◎:剥がれ、浮きがなく、完全に密着している。 ○:剥がれ、浮きはないが、つめでめくると剥がれる。 △:一部に剥がれ、及び/または浮きがある。またつめ
でめくると容易に剥がれる。 ×:全面剥離。
【0034】(3)沸騰試験後の耐剥離性 (2)でおこなった密着曲げ試験後のラミネート金属板
を、沸騰水に1時間浸漬し、乾燥後のシート状材料の端
縁部でのはがれの程度を以下の基準で評価した。 ◎:剥がれ、浮きがなく、完全に密着している。 ○:剥がれ、浮きがないが、つめでめくると剥がれる。 △:端縁が一部剥離、つめでめくると容易に剥がれる。 ×:全面剥離。
【0035】(4)耐疵付き性 20mm幅×50mm長さにカットしたラミネート金属
板の、シート状材料に破損が発生する値をJIS K
5400 に基づく鉛筆硬度試験法により測定した。評
価基準を以下に示す。尚、シート状材料の破損が発生し
た時に用いた鉛筆硬度の1ランク下の鉛筆硬度をシート
状材料の破損限界値とした。 ◎:破損限界値が2H以上 ○:破損限界値がH以上、2H未満 △:破損限界値がF以上、H未満 ×:破損限界値がHB以上、F未満
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】実施例2 溶融亜鉛めっき鋼板(原板:板厚0.8mm)に紙を積
層させラミネート金属板を作成した。尚、この時の接着
剤層としてアクリル系接着剤を用い、付着量は30g/
2とし、ガラス転移温度(JIS K 7121に基
づく示差走査熱量計(DSC)により得られた軟化温
度)は−50℃であった。図1に示す様にして該ラミネ
ート金属板の、金属板端縁から曲げ中心部までの長さと
(Ls(mm))、シート状材料(紙A)端縁から曲げ
中心部までの長さ(Lf(mm))について調べた。得
られたLs、Lf値からLf/Ls値を求めると共に、
耐剥離性について調べた。結果を表3に示す。尚、ラミ
ネート金属板の曲げ方法はJIS K 5400に基づ
き180°曲げを付与した。
【0039】
【表3】
【0040】
【発明の効果】以上、説明した通り、本発明のラミネー
ト金属板は、曲げ加工を行っても、シート状材料が剥離
を起こすことがない。従って、美麗な表面外観性に優れ
たラミネート金属板に加工を施して、様々な分野に適用
することが出来るようになった。
【0041】本発明のラミネート金属板は、住宅その他
構造物に用いられる建材、具体的には、屋根材、外装
材、間仕切りユニット、内壁材、天井材、床材、ドア、
サッシの枠材等や、蝶番やヒンジ、錠等の金属製の金物
類に利用することが出来る。また、机、椅子、ロッカ
ー、キャビネット、スタンド、本棚、書庫、パーティシ
ョン、ベッドなど、スチール家具として製品化されてい
る家具に適用可能である。さらに、テレビ、冷蔵庫、洗
濯機、クーラー、照明器具等の家電製品の外装部材等に
も利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】曲げ加工が施された本発明のラミネート金属板
の断面説明図である。
【符号の説明】
1 金属板 2 粘・接着剤層 3 シート状材料 4 曲げ中心点 5 曲げ内半径 6 シート状材料端縁から曲げ中心点までの長さ:Lf
(mm) 7 金属板端縁から曲げ中心点までの長さ:Ls(m
m) 8 ずれ 9 シート状材用の端縁
フロントページの続き (72)発明者 中元 忠繁 兵庫県加古川市金沢町1番地 株式会社 神戸製鋼所 加古川製鉄所内 (72)発明者 小宮 幸久 兵庫県加古川市金沢町1番地 株式会社 神戸製鋼所 加古川製鉄所内 (56)参考文献 特開 平2−212573(JP,A) 特開 昭56−55476(JP,A) 特開 平11−5268(JP,A) 特開 平4−18344(JP,A) 特開 平3−128124(JP,A) 実開 昭57−101029(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 15/08

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属板の片面に粘着剤層または接着剤層
    を介してシート状材料が積層されたラミネート金属板に
    曲げ加工が施されたラミネート金属部材であって、該シ
    ート状材料積層面を外側にして曲げ加工を施した際に、
    該粘着剤層または該接着剤層が凝集破壊を起こすことに
    よって、該シート状材料が該金属板に対してずれを生
    じ、且つ、該ずれ後の該シート状材料が該粘着剤層また
    は該接着剤層を介して該金属板に付着していることを特
    徴とする耐剥離性に優れたラミネート金属部材
  2. 【請求項2】 上記粘着剤または上記接着剤のガラス転
    移温度(Tg)が−100〜0℃である請求項1に記載の
    ラミネート金属部材
  3. 【請求項3】 上記ラミネート金属板に曲げ加工を施し
    た際に、シート状材料と金属板の間に介在する上記粘着
    剤層または上記接着剤層の付着量が4g/m2以上であ
    る請求項1または2に記載のラミネート金属部材
  4. 【請求項4】 上記シート状材料端縁から曲げ中心まで
    の長さ(Lf(mm))が3mm以上であって、且つこ
    のLf(mm)と上記金属板端縁から曲げ中心までの長
    さ(Ls(mm))とが、下記(1)式の関係を満たす
    請求項1〜3のいずれかに記載のラミネート金属部材。 Lf/Ls≧0.3…(1)
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