JP4268107B2 - 複合部材 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車部品、電気製品および建材などで使用される、金属基材にバッキング材が付与された複合部材に関するものであり、詳しくは、金属基材およびバッキング材との接着性が良好であり、かつ必要に応じて、加熱によりバッキング材との接着強度を弱め、容易に剥離させることができるバッキング材と金属基材の間に樹脂層が積層された複合部材に関するものである。
自動車部品、電気製品および建材などの製品では、アルミニウム板、鋼板、チタン板などからなる外装部分と、プラスチックなどからなる内装部分との間に、製品の保温性や断熱性を高めるために、ウレタン樹脂層(以下、単にウレタン層と称することがある)を設けることがある。その際、保温効果を高めるため、内装部分および/または外装部分の表面の凹凸を低減させ、それらとウレタン層との密着性を高める必要がある。そこで、内装部分および/または外装部分と、ウレタン層との間に接着剤などからなる樹脂層を形成することがある。しかし、従来の方法では、使用後の製品から、それらの内装部分、外装部分およびウレタン層の部分を分別回収する際、ウレタンの一部が、内装部分や外装部分に付着状態で残留してしまうことがあった。そのため、分別回収する際には、分別した内装部分や外装部分から、この残留ウレタンを更に除去する工程が必要であった。しかし、前記分別回収を例えば加熱によって行う場合は、この残留ウレタンが凝集状態で残留してしまうため、この付加工程が相当に難渋するものとなっていた。その工程を省くため、特許文献1では、金属板とウレタン層との間にポリオレフィン樹脂からなる膜を積層させた樹脂膜積層金属板を開示している。この樹脂膜積層金属板では、金属板とウレタン層の接着強度をある程度保った状態で、必要に応じて、アルカリ処理を行うことで、樹脂膜積層金属板からウレタン層を剥離することができる。しかし、上記樹脂膜積層金属板では、剥離の際に、ウレタン層と金属板の界面にアルカリ液が十分に浸透しなければならない。そのため、アルカリ液が十分に浸透していない部分では、金属板上にウレタン層が残存し、剥離むらが起こることがあった。
特許第3056446号公報
そこで本発明は、金属基板およびバッキング材との接着強度が高く、かつ剥離工程で、アルカリ液を用いた剥離作業の際に生じる浸透むらなどが原因で起こる剥離むらが従来よりも少ない剥離方法を適用することができる複合部材およびその剥離方法を提供することを課題とした。
本発明は、金属基材の少なくとも1つの面に、樹脂層を介してバッキング材が付与されてなる複合部材であって、
樹脂層の主成分がカルボキシル基を有する変性ポリオレフィン樹脂であり、該変性ポリオレフィン樹脂は、JIS K 7210に準じて測定されるメルトフローレート(MFR)が950〜1500g/10分間、熱機械分析(TMA)の針入モードで測定される軟化温度が35〜55℃であり、NaまたはKで中和された遊離の酸価が20〜65であり、バッキング材が115℃以上での加熱により樹脂層から界面剥離されるものであることを特徴とする複合部材を提供することで上記課題を解決した。
上記バッキング材は、発泡性ウレタン樹脂である場合において、最も顕著な効果を発揮する。
その他のバッキング材としては、少なくとも樹脂層と接する面に接着剤が付与された石膏ボード、アルミニウム板、銅板、紙製パネル、FRPパネル、ダンボールパネルまたはウレタンゴム板のいずれか1つであることが好ましい。
また、本発明では上記構成を備えた複合部材を115℃以上で加熱することにより、バッキング材を界面剥離させることを特徴とする複合部材の剥離方法を提供することでも、上記課題を解決した。
また、上記の特性を備えた少なくとも1つの面に樹脂層が積層された鋼板を提供することでも、上記課題を解決した。
本発明の複合部材は、金属基材とバッキング材との間に、上記特性を備えた樹脂層を形成することで、通常時には、樹脂層を介して金属基材とバッキング材との間で一定の接着強度を有しており、不要時には、その複合部材を加熱することで、バッキング材と樹脂層との間で剥離させることができるという効果を奏している。さらに、その際形成される剥離面は、一種の界面剥離の状態にさせることができるため、従来よりも剥離むらが少ないという効果も奏していた。
また、バッキング材に発泡ウレタン樹脂を用いることで、バッキング材の樹脂層と接する面に、特別な処理を施すことなしに、上記効果を奏することができた。また、一般に発泡ウレタン樹脂が発泡する温度は30〜80℃であるため、本発明の複合部材を製造する際に、樹脂層の上にウレタン樹脂の塗布層または注入層を形成したのち、それらを加熱することで、ウレタン樹脂の発泡と、樹脂層とウレタン樹脂の接着を同時に行うことができるという効果も奏していた。
また、バッキング材として、上記発泡ウレタン樹脂以外に、少なくとも樹脂層と接する面に接着剤を付与することで、石膏ボード、アルミニウム板、銅板、紙製パネル、FRPパネル、ダンボールパネルまたはウレタンゴム板などの多種の材質からなるものも適用することができるという効果を奏していた。
本発明の複合部材は、金属基材の少なくとも1つの面に、樹脂層を介してバッキング材が付与されている。
本発明の「金属基材」としては、鉄板、鋼板、アルミニウム板、チタン板および銅板などの金属製であり、かつ、後述する樹脂に対して接着性を有するものが挙げられる。また「金属基材」には、樹脂層との接着性を付与または高めるために表面加工処理を施した金属製のものも含まれる。
上記、表面加工処理には、金属基材の種類によっても異なるが、具体的には、めっき処理、クロメート処理およびプラズマ処理などの公知の方法が挙げられる。
また、金属基材の形状は、平坦であっても波型など特には限定されず、さらに、基材の厚みも必ずしも一様である必要はない。
そして、上記「金属基材」の少なくとも1つの面には「樹脂層」が積層されている。
本発明の「樹脂層」とは、上記「金属基材」に対して接着性を有し、かつ、下記する加熱することによって樹脂層と後述するバッキング材との間の接着強度を低減させることができるものである。
上記「樹脂層」は、金属基材の少なくとも後述するバッキング材を付与することとなる部分に積層されていればよい。そのため、樹脂層は、金属部材全面に積層されていても、また1つの面のみに積層されていてもよく、さらには、金属基材の一つの面で、必ずしも全面に渡って積層される必要もない。
また、本発明の「接着」とは、永続的なものだけではなく、接着させる対象物との間で、ある一定期間、一定の接着強度を有するものが含まれる。
なお、本発明の「接着強度」は、本発明の複合部材を用いる対象に応じて異なる。
上記、本発明の「樹脂層」は、「カルボキシル基を有する変性ポリオレフィン樹脂」を主成分としている。
「カルボキシル基を有する変性ポリオレフィン樹脂」としては、エチレンやプロピレンなどのオレフィン類と、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸などのエチレン性不飽和カルボン酸などが共重合したものが挙げられる。中でも、エチレンとアクリル酸の共重合したものが好ましい。
さらに上記変性ポリオレフィン樹脂は、JIS K 7210に準じて測定されるメルトフローレート(MFR)が950〜1500g/10分間、好ましくは1000〜1200g/10分間の値を示すものであり、MFRの値がそれ以外であると、本発明の効果を得られないことがある。
なお、MFRとは、JIS K 7210に準じて測定される190℃および荷重21.60kgでの流れ値を意味するものである。
さらに上記変性ポリオレフィン樹脂は、熱機械分析(TMA)の針入モードで測定される軟化温度が、35〜55℃、好ましくは40〜50℃であり、上記値以外では、本発明の効果を得られないことがある。さらに、樹脂層の上に付与する、後述するバッキング材に発泡ウレタン樹脂を用いた場合、前述のように、本発明の複合部材を容易に製造することができる。
また、上記で示したTMAを用いて測定される軟化温度とは、本発明の樹脂層を膜厚500μmのフィルム状にしたものを用いて、下記する測定条件で得られる変位量と温度の関係を示したグラフの変曲点から算出した場合の値である。
(測定条件)
測定装置:セイコーインスツルメント社製 TMA/SS120
測定条件:測定温度:室温〜100℃
昇温速度:5℃/分
雰囲気 :アルゴン(100ml/分)
分銅加重:50gf(針入モード)
さらに、上記変性ポリオレフィン樹脂は、遊離の酸価が20〜65となるようにNaまたはKで中和されており、上記値以外では、本発明の効果、特に有効な剥離性を得ることができない場合がある。
なお、上記「遊離の酸価」とは、変性ポリオレフィン樹脂1gを中和するのに必要な水酸化カリウムのmg数を示したものである。
また、中和に用いるイオンは、得られる複合部材に影響を与えない程度であれば特には限定されないが、一価のアルカリ金属イオン、特にNaまたはKであることが好ましい。
また、樹脂層の膜厚は、薄すぎると樹脂層と基材の間での接着強度や剥離性にむらができることがある。反対に厚すぎると、複合部材の製造工程および剥離工程での加熱などに多くの時間をかけなければならない。そのため、本発明の樹脂層の膜厚は、0.2〜10μm、さらには0.5〜5μm、特に1〜3μmとすることが好ましい。また、上記値の範囲内であれば、樹脂層の膜厚は必ずしも均一である必要はなく、前述の金属基板や後述するバッキング材の表面の状態などに応じて多少の厚みむらがあってもよい。
また、樹脂層には、必要に応じて、加工性・潤滑性を高めるために、基材と樹脂層との接着強度や加熱によるバッキング材と樹脂層との間での剥離性に影響を与えない程度に、ワックスやフッ素樹脂などを配合してもよい。ワックスとしては、ポリエチレンワックス、酸化ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、カルナバワックス、パラフィンワックス、モンタンワックスおよびライスワックスなど公知のワックス類などが挙げられる。また、フッ素樹脂としては、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデンおよびその他の公知のフッ素系樹脂などが挙げられる。
なお、配合する形態は、特には限定されないが、ワックスやフッ素樹脂が水分散体の形態であることが好ましい。
なお、上記金属基材の少なくとも1つの面に、樹脂層が積層された、換言すれば、鋼板も本発明の権利の範囲内にある。
そして、本発明の複合部材では、樹脂層上に「バッキング材」が付与されている。
上記「バッキング材」としては、前記の樹脂層との間で一定の接着強度有し、かつ複合部材を加熱することで、バッキング材と樹脂層との間で美麗に剥離させることができるものを意味し、例えば金属板の裏打ち材として適用できるもの、具体的には発泡性ウレタン樹脂などが挙げられる。それ以外に、少なくとも樹脂層と接する面に接着剤などを付与した石膏ボード、アルミニウム板、銅板、紙製パネル、FRPパネル、ダンボールパネルおよびウレタンゴム板、中でも、石膏ボードおよびアルミニウム板などもバッキング材として適用することができる。
その場合、接着剤としては、酢酸ビニル樹脂系の木工用ボンドやニトリルゴム系のボンド、またはSBR系、塩化ビニル系やクロロプレンゴム系などのいI液系の接着剤や、
エポキシ樹脂とポリアミドアミン(硬化剤)からなるII液系の接着剤などが挙げられ
る。
本発明の複合部材の製造方法は、公知の方法を用いて製造することができる。例えば、まず、α、β−エチレン不飽和カルボン酸共重合体樹脂とナトリウム、アンモニアを用いて水系樹脂分散体からなる樹脂液を製造する。具体的には、攪拌装置、温度計および温度コントローラーを備えた内容量0.8Lの乳化設備に酸価120のエチレン−アクリル酸共重合体198.2g、48%水酸化ナトリウム16.9g、25%アンモニア水2.8g、軟水592.4gを加えて密閉し、140℃、4気圧で3時間高速攪拌することで、25%水系樹脂分散体を得ることができる。
得られた樹脂液を、ロールコーター法、スプレー法およびカーテンフローコーター法など公知の方法を用いて金属基材上に塗布し、重合に用いた溶剤の種類に応じて加熱などを行い、金属基材上に樹脂層を形成させる。その際の加熱条件は、溶剤の種類や形成した樹脂層の厚みなどに応じて適宜選択すればよく、水性溶媒を使用した場合には、一般には80℃以上、好ましくは100℃以上で十分である。
そして、公知の方法を用いて樹脂層上にバッキング材を付与することで製造することができる。
また、バッキング材として発泡性ウレタン樹脂を用いる場合には、上記製造方法以外に、金属基材上に上記方法で樹脂液を塗布した後、その上にウレタン樹脂の層を形成し、30〜80℃程度のウレタンが発泡する温度を付与することでも製造することができる。
また、前述のように樹脂層にワックスやフッ素樹脂を配合する場合、両者の合計で、樹脂層中1〜20重量%、好ましくは5〜10重量%の範囲で配合して樹脂液を調製すればよい。その際、これらの量が少なすぎると配合による効果が少なく、逆に多過ぎると、得られる樹脂膜の耐食性が悪化し、脱膜性や塗装性が低下してしまうことがあり、さらには樹脂層が水系成分からなる場合には、安定性が悪くなることもある。
上記の本発明の複合部材は、加熱することで樹脂層とバッキング材との間で剥離、一種の界面剥離をさせることができる。
本発明で、「界面剥離」とは、樹脂層とバッキング材からなる層との間で、樹脂層の表面に、バッキング材の一部が目視にてほぼ確認できない程度に残留していない状態を意味する。逆に樹脂層の表面に、バッキング材の一部が、少なくとも目視にて残留していることが確認できる場合には、「凝集剥離」と称する。
加熱温度は、115℃以上、120℃以上、140℃以上、160℃以下、175℃以下、200℃以下などの条件が例示され、バッキング材や金属基材の種類や厚み、さらには加熱方法に応じて適宜選択すればよい。
加熱方法としては、複合部材全体を上記の温度でオーブン内に入れることで行ってもよいし、複合部材を上記の温度のホットプレート上に置いて熱をかけることで行ってもよい。また、バッキング材に用いる材料によっては、バッキング材側から複合部材に熱を加えてもよい。
本明細書に記載の評価方法は、特に記載がない限り、以下の方法によって求めた。
剥離性の評価方法
ホットプレートを用い、供試材の金属基材面を下にしてホットプレートの熱板の上に置き、125℃の温度をかけ、目視にて以下の評価基準から評価した。
評価基準
◎:剥離までの時間が30秒以下
○:剥離までの時間が30秒以上60秒未満
△:剥離までの時間が60秒以上300秒未満
×:剥離までの時間が300秒以上
また、剥離界面の状態の評価は、目視にて、金属基材上にバッキング材が残留している場合を「凝集剥離」、金属基材上にバッキング材の残留が認められないものを「界面剥離」と認定して評価した。
接着強度の評価方法
オートグラフによる引張り試験装置を用い、該装置の下冶具上に、バッキング材が下になるようにして供試材(25×100mm)を固定し、そして供試材の金属基材の一端をオートグラフの上冶具に固定し、バッキング材に対して垂直方向に、100mm/分の速度で引張り、バッキング材と金属基材が剥離したときの剥離荷重を測定し、バッキング材と金属基材との接着強度を求め、以下の評価基準に基づいて評価した。
評価基準
◎:40N/25mm以上
○:30〜39N/25mm
△:20〜29N/25mm
×:20N/25mm未満
軟化温度の測定方法
ペットフィルムに、樹脂層を形成する際に用いる樹脂液を用いて膜厚500μmの樹脂層を形成し、得られたものからペットフィルムを剥がして測定試料を作製した。そして、以下の測定条件にて変位量と温度の関係を曲線で示したグラフを作成し、得られる曲線の変曲点から算出した。
測定装置:セイコーインスツルメント社製 TMA/SS120
測定条件:測定温度:室温〜100℃
昇温速度:5℃/分
雰囲気 :アルゴン(100ml/分)
分銅加重:50gf(針入モード)
MFRの算出方法
JIS K 7210に準じ、190℃で荷重21.60kgの条件で、10分間に流れ出たポリマーの重量を測定して行った。
なお、表1に記載の「遊離の酸価」は、下記の式から算出した。
遊離の価数=120(用いた変性ポリオレフィン樹脂の全酸価)×(100−中和率)/100
実施例1〜13および比較例1〜15
金属基材としてクロメート処理を施していない電気亜鉛めっき鋼板(Zn付着量20g/m2、板厚0.8mm)を用いた。そして上記金属基材上に、酸価120のエチレンーアクリル酸共重合体(アクリル酸単位20重量%)の水分散体を、前述の方法によって表1に記載した値になるように調製した重合液を、バッキング材の片面に塗布し、95℃で約1分乾燥させた。
次に、上記で得られたものを50×50mmと25×100mmにカットし、発泡ウレタン注入装置にそれらをセットし、注入装置の温度を45℃に設定しながら、20℃のイソシアネート(東邦化学工業社製、ハイセル131P)とポリオール(東邦化学社製、ハイセルMR−250C)の溶液を注入して発泡させ、供試材を作製した。
得られた50×50mmの供試材は、加熱による剥離性を評価するために用い、25×100mmの供試材は、接着強度を評価するために用いた。
上記と同様にして、表1に記載の組成に基づいて実施例2〜13および比較例1〜15に記載の組成の複合部材を製造した。
Figure 0004268107
表1は、本発明の複合部材を加熱することで、本発明の特性である複合部材から、発泡ウレタン樹脂層を容易に剥離できることを示している。
表2は、表2に示す成分を用いて作製した樹脂層と発泡ウレタン樹脂からなる層との接着強度と、表2に記載の温度で加熱した際の剥離性および剥離の状態を示したものである。
比較例16は、樹脂層を作製する際の成分として、塗装鋼板(PCM)を用いた以外は、実施例1と同様な構成を有している。比較例17は、金属基材として電気亜鉛めっき鋼板を用い、樹脂増にウレタン系樹脂(第一工業製薬社製、スーパーフレックス110)とコロイダルシリカを9:1の割合で配合した組成物を1g/m2塗布したものであり、比較例18は比較例17のウレタン系樹脂の代わりにポリエチレン系樹脂(三菱化学社製、ケミパールS−650)を用いた以外は実施例17と同様な構成を有している。また、比較例19は実比較例17の樹脂層をコロイダルシリカとウレタン系樹脂との組成比を8:2にしたものを用いた以外は、比較例17と同様な構成である。なお、比較例20は本発明の複合部材から樹脂層を除いた以外は実施例1と同様な構成を有している。
Figure 0004268107
上記の結果、本発明の複合部材に用いる樹脂層が、接着性および加熱による剥離性に優れていることを示している。
さらに、加熱温度は、少なくとも120〜200℃の温度を適用することができることが判明した。
表3は、樹脂層と接する面に、一液系のウレタン接着剤(旭電化工業社製、アデカレジンUP−476B)を滴下した表3に記載の材料からなるバッキング材を用いて、バッキング材と樹脂層との接着強度および加熱による剥離性について調査した以外は、実施例1と同様の構成を有している。
Figure 0004268107
その結果、樹脂層と接する面に1液系のウレタン接着剤を付与したものを用いることで、バッキング材として石膏ボード、アルミニウム板、紙製パネルおよびウレタンゴム板なども適用できることを示している。また、接着強度において多少劣るものの、加熱による剥離性の観点から、FRPパネルおよびウレタンゴム板も用途によっては使用できることを示唆している。
なお、実施例17および19で、接着強度が「計測不能」となっているのは、樹脂層を介して基材とバッキング材が密接に接着しているため、接着強度の評価時にバッキング材が破損したためであり、接着強度については評価上「◎」に相当するものである。

Claims (5)

  1. 金属基材の少なくとも1つの面に、樹脂層を介してバッキング材が付与されてなる複合部材であって、
    樹脂層の主成分がカルボキシル基を有する変性ポリオレフィン樹脂であり、該変性ポリオレフィン樹脂は、JIS K 7210に準じて測定されるメルトフローレート(MFR)が950〜1500g/10分間、熱機械分析(TMA)の針入モードで測定される軟化温度が35〜55℃であり、NaまたはKで中和された遊離の酸価が20〜65であり、バッキング材が115℃以上での加熱により樹脂層から界面剥離されるものであることを特徴とする複合部材。
  2. バッキング材が、発泡性ウレタン樹脂である請求項1に記載の複合部材。
  3. バッキング材が、少なくとも樹脂層と接する面に接着剤が付与された石膏ボード、アルミニウム板、銅板、紙製パネル、FRPパネル、ダンボールパネルまたはウレタンゴム板のいずれか1つから選択されるものである請求項1に記載の複合部材。
  4. 請求項1〜3のいずれか1つの構成を備えた複合部材を115℃以上で加熱することにより、バッキング材を界面剥離させることを特徴とする複合部材の剥離方法。
  5. 請求項1〜3のいずれか1つに記載の少なくとも1つの面に樹脂層が積層された鋼板。
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