JP2000355680A - 成形体の製造方法 - Google Patents

成形体の製造方法

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JP2000355680A
JP2000355680A JP11250080A JP25008099A JP2000355680A JP 2000355680 A JP2000355680 A JP 2000355680A JP 11250080 A JP11250080 A JP 11250080A JP 25008099 A JP25008099 A JP 25008099A JP 2000355680 A JP2000355680 A JP 2000355680A
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JP11250080A
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Daisuke Kamiya
大介 神谷
Kotaro Yoneda
耕太郎 米田
Hiroshi Iesako
博 家迫
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Toagosei Co Ltd
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Toagosei Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 成形体と表皮材とを接着する際の作業性が良
く、かつなされた接着が熱や衝撃に対する耐久性に優れ
たものとなる、表皮を有する成形体の製造方法を提供す
る。 【解決手段】 本発明の表皮を有する成形体の製造方法
は、水溶性重合体および自己分散性水性重合体の少なく
とも一方からなる水性重合体と、乳化重合体と、を有効
成分とする感熱粘着剤を用いて表皮材を成形体に接着す
ることを特徴とする。この感熱粘着剤は、上記水性重合
体の存在下でラジカル重合性単量体を乳化重合させて得
られたものであることが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表皮を有する成形
体の製造方法に関し、詳しくは、成形体表面に表皮材を
接着する際の作業性が良好な、表皮を有する成形体の製
造方法に関するものである。本発明の製造方法は、自動
車の内装等に用いられる表皮を有する成形体などの製造
に好適に利用されるものである。
【0002】
【従来の技術】自動車の内装材としては、木質材、プラ
スチック材、金属材等からなる成形体に、発泡体、不織
布、金属箔等からなる表皮材が接着されたものが多用さ
れている。これらの成形体は、従来、成形体と表皮材の
接着が、通常の液状接着剤又はホットメルト型接着剤に
より行われ製造されている。
【0003】通常の液状接着剤を使用する場合の表皮を
有する成形体の製造方法は例えば以下のとおりである。
まず、接着剤を表皮材に塗工し、該接着剤が水又は有機
溶剤を含有する場合はそれを揮発させて接着剤層を形成
する。続いて、この接着剤層が形成された表皮材を成形
体に重ね合わせ、加熱とともに加圧又は減圧雰囲気下で
表皮材と成形体を圧着させる。この圧着により、成形体
表面にその形状に沿って、表皮を形成するように表皮材
を接着する。しかし上記の方法には、接着剤層形成後の
表皮材を積み重ねたり、巻き取ったりすることができ
ず、取り扱いにくいという問題点がある。
【0004】また、ホットメルト型接着剤を使用する場
合の成形体の製造方法は例えば以下のとおりである。ま
ず、成形体と表皮材との間にシート状のホットメルト型
接着剤を挟む。次に、加熱によりこの接着剤を溶融状態
に保ちながら、加圧又は減圧雰囲気下で、成形体表面に
その形状に沿って、表皮を形成するように表皮材を接着
する。しかし上記の方法には、後の成形・加工工程など
において表皮を形成した成形体を室温で強く変形加工す
る場合に接着剤層が成形体の変形に追従できず、表皮材
が剥がれたり接着剤層にクラックが入ったりする恐れが
あり、また得られた表皮を有する成形体は使用環境下に
おける振動や温度変化などによってもクラックを生じや
すいなどの問題点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等は、接着す
る際の作業性が良く、かつ接着後の温度変化や変形、衝
撃などに対する耐久性に優れた、表皮を有する成形体の
製造方法を求めるべく検討を行ったのである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、加熱前に
は非粘着性であって、加熱により粘着性が発現するとい
う性質をもつ特定の感熱粘着剤を使用することにより上
記課題が解決されることを見出して本発明を完成した。
【0007】すなわち本発明は、水溶性重合体または自
己分散性水性重合体(以下、水性重合体または成分Aと
いう。)と、乳化重合体(以下、成分Bという。)から
なる感熱粘着剤を用いて表皮材を成形体に接着すること
を特徴とする表皮を有する成形体の製造方法および当該
感熱粘着剤が水性重合体の存在下にラジカル重合性単量
体を乳化重合させて得られたものである乳化重合体から
なる表皮を有する成形体の製造方法に関するものであ
る。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
なお、本明細書において、アクリルとメタクリルを併せ
て「(メタ)アクリル」と、アクリレートとメタクリレ
ートを併せて「(メタ)アクリレート」という。また、
本明細書中における重合体の「ガラス転移温度」(以
下、「Tg」ともいう。)とは、以下の計算式から求
められる値をいう。この計算式中に用いられるTgの
みは絶対温度(K)で表現されるが、明細書中の他の部
分において用いられるTgは摂氏温度(℃)で示され
る。計算式により求めることができないものについて
は、DSCの測定など公知の方法によってTgを求める
ことができる。
【0009】
【数1】 1/Tg={W(a)/Tg(a)}+{W(b)/Tg(b)}+ … ・・・ 上記の式中の記号の意味は下記のとおりである。 Tg =重合体のTg(K) W(a) =重合体における単量体(a)由来の構造単位の
重量分率 W(b) =重合体における単量体(b)由来の構造単位の
重量分率 Tg(a) =単量体(a)の単独重合体のガラス転移温度
(K) Tg(b) =単量体(b)の単独重合体のガラス転移温度
(K)
【0010】本発明は感熱粘着剤を用いることを特徴と
するものであり、感熱粘着剤とは、上記した様に、加熱
前には非粘着性であって加熱により粘着性が発現すると
いう性質を有するものである。以下、この感熱粘着剤に
ついて詳説する。
【0011】(1)成分Aについて 本発明の製造方法に使用される感熱粘着剤の一有効成分
である水性重合体は、水溶性重合体および自己分散性水
性重合体の少なくとも一方からなる。ただし、本明細書
において「自己分散性水性重合体」とは、乳化剤等が存
在しない水中においてもそのもの自身が安定な分散状態
を保てるものをいう。本発明における水性重合体として
は、水溶性重合体のみからなるか、或いは水溶性重合体
及び自己分散性水性重合体からなるものが好ましい。
【0012】水性重合体の種類は特に限定されないが、
本発明にとり好ましい水性重合体は、カルボキシル基を
有するラジカル重合性単量体単位及び/又はスルホン酸
基を有するラジカル重合性単量体単位と、他のラジカル
重合性単量体単位とからなる水性共重合体(以下、酸性
基含有共重合体という)である。特に、α,β−エチレ
ン性不飽和カルボン酸単位及び/又はスルホン酸基を有
するラジカル重合性単量体単位と、疎水性のラジカル重
合性単量体単位と、を主構成単位とする水溶性の酸性基
含有共重合体が好ましい。以下、酸性基含有共重合体に
ついて説明する。
【0013】カルボキシル基を有するラジカル重合性単
量体、特にα,β−エチレン性不飽和カルボン酸として
は、例えばアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マ
レイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、無水
マレイン酸等を挙げることができ、これら単量体の1種
又は2種以上を用いるのが好ましい。α,β−エチレン
性不飽和カルボン酸の使用量は、用いる不飽和カルボン
酸の種類によって異なるが、酸性基含有共重合体の合成
に用いられる全単量体の合計重量の3〜40重量%程度
である場合、後述する酸価が好適なものとなりやすいた
めに好ましい。
【0014】また、スルホン酸基を有するラジカル重合
性単量体(以下、スルホン酸基含有単量体ともいう。)
としては、2−アクリルアミド2−メチルプロパンスル
ホン酸(以下、ATBSともいう。)、スチレンスルホ
ン酸、(メタ)アリルスルホン酸、ビニルスルホン酸、
3−スルホプロピル(メタ)アクリル酸エステル、ビス
(3−スルホプロピル)イタコン酸エステル等及びこれ
らの塩が挙げられる。スルホン酸基含有単量体の使用量
は、用いるスルホン酸基含有単量体の種類によって異な
るが、酸性基含有共重合体の合成に用いられる全単量体
の合計重量の2〜20重量%程度が、後述する酸価が好
適なものとなりやすいために好ましく、8〜16重量%
がより好ましい。本発明の酸性基含有共重合体がスルホ
ン酸基含有単量体単位を含む場合には、得られる粘着剤
の耐熱性が高くなるという特長があるため好ましい。
【0015】上記α,β−エチレン性不飽和カルボン酸
及び/又はスルホン酸基含有単量体と共に用いるラジカ
ル重合性単量体としては、水100gに対する溶解度が
2g以下である疎水性ラジカル重合性単量体が好まし
く、例えば、メタクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸
エチル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)ア
クリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチ
ル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル
酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メ
タ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル
酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、
(メタ)アクリル酸n−ノニル及び(メタ)アクリル酸
イソノニル等の(メタ)アクリル酸アルキル、スチレ
ン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等の芳香族系
単量体等が挙げられる。これらの単量体の使用量は、酸
性基含有共重合体の合成に用いられる全単量体の合計量
の30〜80重量%が好ましい。
【0016】また、酸性基含有共重合体は、必要に応じ
て、上記α,β−エチレン性不飽和カルボン酸やスルホ
ン酸基含有単量体以外の親水性ラジカル重合性単量体
を、構成単量体単位とすることができる。このような親
水性ラジカル重合性単量体としては、例えば、アクリル
酸メチル、酢酸ビニル、アクリロニトリル、(メタ)ア
クリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2
−ヒドロキシプロピル、ポリエチレングリコールモノ
(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ
(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸アミド、N
−メチロールアクリルアミド、メタクリル酸グリシジル
等が挙げられる。
【0017】酸性基含有共重合体は一般的な共重合体で
もよいが、グラフト共重合体である場合には、粘着剤の
液安定性が良好なものとなるために好ましい。
【0018】酸性基含有共重合体を含めて本発明におけ
る成分Aの水性重合体は、架橋密度が低いかあるいは実
質的に非架橋の重合体であることが好ましい。成分Aが
過度に架橋されていると、この成分Aの水に対する溶解
性又は分散安定性が不十分となる恐れがあり、それを用
いて調整された感熱粘着剤層が加熱(以下、「使用時加
熱」という。)しても接着力が十分に大きいものになら
ない恐れがある。
【0019】酸性基含有共重合体のTgは、それがグラ
フト共重合体でない場合は、そのTgが後述する成分B
のTgよりも高く且つ20℃以上(より好ましくは30
〜180℃、さらに好ましくは40〜150℃)である
ものが好ましい。酸性基含有共重合体がグラフト共重合
体である場合には、グラフト共重合体全体のTgが−3
0〜100℃(より好ましくは−20〜60℃、さらに
好ましくは0℃〜20℃)であるものが好ましい。ま
た、グラフト共重合体の親水性単位のTgが成分BのT
gよりも高く且つ20℃以上(より好ましくは30〜1
80℃、さらに好ましくは40〜150℃)であり、疎
水性単位のTgが−20℃以下(より好ましくは−30
℃以下、さらに好ましくは−40℃以下)であるものが
好ましい。
【0020】上記の理由は、グラフト共重合体でない酸
性基含有共重合体のTg又はグラフト共重合体の親水性
単位のTgが上記の好ましいTgの下限未満であると、
使用時加熱前には感熱粘着剤が非粘着性であるという特
長が損なわれる恐れがあり、グラフト共重合体でない酸
性基含有共重合体のTg又はグラフト共重合体の疎水性
単位のTgが上記の好ましいTgの上限を超えると、感
熱粘着剤の使用時加熱により発現する接着力が充分大き
いものとならない恐れがあるためである。
【0021】酸性基含有共重合体はその数平均分子量が
1,000〜50,000であることが好ましい。数平
均分子量が1,000未満であると感熱粘着剤の耐水性
が不足しやすくなる。一方、数平均分子量が50,00
0を超えると高粘度となって成分Aが製造しにくいもの
となるとともに、水に対する溶解性が不十分なものとな
って感熱粘着剤組成物の液安定性を低下させる恐れがあ
り、使用時加熱により発現する接着力が充分大きいもの
とならない恐れがある。酸性基含有共重合体の数平均分
子量を調節するためには、その重合時の温度や重合開始
剤の濃度を調節するほか、重合系に連鎖移動剤を適宜添
加するのが有効な手段である。
【0022】酸性基含有共重合体は、その重量平均分子
量Mwと数平均分子量Mnとの比(以下、「Mw/Mn
比」という。)が3.0以下であることが好ましく、
2.0以下であることがより好ましく、1.5以下であ
ることがさらに好ましい。なお、Mw/Mn比はもちろ
ん1より小さくなることはないが下限は特にない。酸性
基含有共重合体のMw/Mn比が小さいほど、この酸性
基含有共重合体からなる感熱粘着剤が加熱前の非粘着
性、すなわち耐ブロッキング性能に優れたものとなる。
【0023】酸性基含有共重合体を得るための重合法と
しては公知の方法を使用することができる。このうち、
重合操作の容易性、分子量調節の容易性などの点から、
ラジカル重合開始剤を用いた溶液重合法、塊状重合法又
は乳化重合法を用いることが好ましい。
【0024】溶液重合法は、上記ラジカル重合性単量体
を有機溶媒に溶解し、適当なラジカル重合性開始剤を用
いて重合を行う方法で酸性基含有共重合体を円滑に得る
ことができる方法である。この有機溶媒としては、ケト
ン系、酢酸エステル系、芳香族炭化水素系、脂肪族炭化
水素系、アルコール系等から選択される1種又は2種以
上の有機溶媒の使用が可能であり、このうち、原料コス
ト及び溶剤除去の容易性の点から、メチルエチルケトン
を用いることが好ましい。また、上記溶液重合に用いる
ラジカル重合開始剤としては、一般のラジカル重合に用
いられているもののいずれもが使用可能である。重合開
始剤の好ましい使用量は、単量体の合計量を基準にし
て、0.1〜5重量%である。
【0025】また、上記酸性基含有共重合体を乳化重合
法により製造する場合には、例えば特開平6−2717
79号公報に開示されているように、上記ラジカル重合
性単量体を乳化剤とともに水に混合分散して単量体エマ
ルジョンを作成し、適当なラジカル重合性開始剤を用い
て反応器に連続添加して重合を行うことによって上記酸
性基含有共重合体を円滑に得ることができる。
【0026】本発明における酸性基含有共重合体は、酸
性基、例えばカルボキシル基、スルホン酸基等が、必要
に応じて水溶性又は自己分散性(乳化剤等が存在しない
水中においてもそのもの自身が安定な分散状態を保て
る)となる程度には中和されている。具体的には、酸性
基含有共重合体の酸性基の30モル%以上が中和されて
いることが好ましく、50モル%以上が中和されている
ことがより好ましい。また酸性基含有共重合体のうち水
溶性重合体に関しては、共重合体の酸性基、例えばカル
ボキシル基、スルホン酸基等の一部又は全部を塩基で中
和されたものが水溶性が良好なものとなりやすいために
好ましい。中和に用いる塩基としては、アンモニア、ア
ミン類、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属塩等
が挙げられる。このうち、アンモニア、メチルアミン、
エチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン等
の、沸点110℃以下の塩基を用いて中和されたものが
好ましく、アンモニアを用いて中和されたものが特に好
ましい。その理由は感熱粘着剤を塗布した後に、それら
が比較的容易に除去できるためである。
【0027】酸性基含有共重合体が、カルボキシル基を
有するラジカル重合性単量体単位及び他のラジカル重合
性単量体単位からなるカルボキシル基含有共重合体であ
る場合には、酸価1meq/g以上(より好ましくは1
〜5meq/g)のカルボキシル基含有共重合体で、塩
基により中和されたものが好ましい。また、酸性基含有
共重合体が、スルホン酸基を有するラジカル重合性単量
体単位及び他のラジカル重合性単量体単位からなるスル
ホン酸基含有共重合体である場合には、酸価0.1me
q/g以上(より好ましくは0.1〜1.0meq/
g)のスルホン酸基含有共重合体で、塩基により中和さ
れたものが好ましい。酸価が上記値未満であると本発明
の成分Aとしての酸性基含有共重合体の水に対する溶解
性又は分散安定性が不足するものになりやすく、そのた
め後述のように酸性基含有共重合体の存在下に乳化重合
を行い成分Bを合成する際にゲル化又は多量のグリット
発生が起きたり、得られる感熱粘着剤の液安定性が低い
ものになったりする場合がある。液安定性とはゲル化な
ど固形物が析出したり、成分が複数の液相に分離したり
することがない性質のことをいう。酸価が大きすぎると
感熱粘着剤が耐水性の悪いものになる恐れがある。な
お、本明細書中において「酸価」とは、常法により算出
された理論酸価をいうが、重合体の構造が不明である場
合は中和滴定などにより求めることもできる。また、重
合体が塩基により中和されている場合には中和前の酸価
を意味する。酸価の単位「meq/g」は、重合体1g
中の酸のミリグラム当量数を表す。
【0028】均質で安定な酸性基含有共重合体を得るた
めには、反応系中に存在する単量体の比率が一定に保た
れるように、重合の各段階における各単量体の仕込み量
をコントロールして重合を行うことが望ましい。具体的
には、重合に使用する単量体のうち、共重合性が乏し
く共重合において反応速度の遅い単量体を、重合の初期
にその一部又は全量を反応器中に仕込んで重合反応を開
始させ、共重合を進行させながら反応速度の速い単量体
を反応器中に滴下するか、又は、反応速度の遅い単量
体の実質的に全量と、反応速度の速い単量体の一部とを
反応器中に仕込んで重合反応を開始させ、反応速度の速
い単量体の消費速度にあわせて、反応速度の速い単量体
を反応器中に滴下すること等により、組成及び分子量が
ほぼ均一な酸性基含有共重合体を製造することができ
る。ここで、反応速度が速い又は遅いとは、酸性基含有
共重合体の重合に使用する各単量体を比較した場合の相
対的な速度をいう。
【0029】(2)成分Bについて 本発明の製造方法に使用される感熱粘着剤の一有効成分
である乳化重合体は、ラジカル重合性単量体の乳化重合
により得ることができる。乳化重合体の例としては(メ
タ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とするラジカ
ル重合性単量体(以下、「アクリル系単量体」とい
う。)の乳化重合体、エチレン及びビニルエステル単量
体を主成分とするラジカル重合性単量体(以下、「エチ
レン−ビニルエステル系単量体」という。)の乳化重合
体、共役ジエン単量体及びこの共役ジエン単量体と共重
合可能な単量体を主成分とするラジカル重合性単量体
(以下、「共役ジエン系単量体」という。)の乳化重合
体等が挙げられる。
【0030】アクリル系単量体は、(メタ)アクリル酸
アルキルエステルを主体とするものであり、これと共重
合し得る他のラジカル重合性単量体(以下、これを「共
重合性単量体」ともいう。)を併用する場合には、40
重量%以下の範囲で併用することが好ましい。共重合性
単量体の使用割合が40重量%を超えると、加熱後の粘
着剤の粘着性能が不足しやすくなるためである。上記
(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、アルキ
ル基の炭素数が1〜12である(メタ)アクリル酸アル
キルエステルが好ましく用いられる。具体的には、(メ
タ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、
(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸
n−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メ
タ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシ
ル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アク
リル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸n−オ
クチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)ア
クリル酸n−ノニル及び(メタ)アクリル酸イソノニ
ル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ラ
ウリル等を挙げることができ、これらの(メタ)アクリ
ル酸アルキルエステルの1種又は2種以上を用いること
ができる。特に本発明では、ラジカル重合性単量体とし
て、アルキル基の炭素数が4〜9である(メタ)アクリ
ル酸アルキルエステルの1種又は2種以上を主成分とし
て用いて得られる乳化重合体が好ましい。
【0031】「共重合性単量体」としては、例えば、ス
チレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等のビニ
ル芳香族系単量体;(メタ)アクリル酸、クロトン酸、
ケイ皮酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸等の不飽
和カルボン酸;イタコン酸モノエチルエステル、フマル
酸モノブチルエステル、マレイン酸モノブチルエステル
等の不飽和ジカルボン酸のモノアルキルエステル;(メ
タ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリ
ル酸2−ヒドロキシプロピル、ポリエチレングリコール
モノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール
モノ(メタ)アクリレート等の水酸基含有ビニル単量
体;(メタ)アクリロニトリル、酢酸ビニル、(メタ)
アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、メタ
クリル酸グリシジル、酢酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビ
ニリデン等を挙げることができ、これらの共重合性単量
体の1種又は2種以上を用いることができる。
【0032】ビニルエステル単量体としては、酢酸ビニ
ル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ピバリン酸ビニ
ル、ラウリン酸ビニル、バーサチック酸ビニル等が挙げ
られる。また、共役ジエン単量体としては、ブタジエ
ン、イソプレン、クロロプレン、イソブチレン等が挙げ
られる。
【0033】乳化重合体を得る方法としては、従来公知
の界面活性剤を乳化剤とする通常の乳化重合法をまず挙
げることができる。この界面活性剤としては、陰イオン
界面活性剤、非イオン性界面活性剤を使用することがで
きる。また、反応性陰イオン界面活性剤を使用してもよ
い。
【0034】また、成分Bの乳化重合体を得る方法とし
て、本発明の成分Aの水性重合体、特に酸性基含有共重
合体存在下においてラジカル重合性単量体を乳化重合さ
せる方法が挙げられ、また好ましい方法である。この乳
化重合法においては、水性重合体が界面活性剤(乳化
剤)として機能するので、乳化重合時に保護コロイドや
他の界面活性剤などの乳化剤の使用量を通常の乳化重合
の場合よりも少量にできる。さらに、所望により他の乳
化剤は一切使用しないことも可能である。その結果、通
常の乳化重合法によって製造した乳化重合体に比べて、
得られる感熱粘着剤が加熱前の耐ブロッキング性の優れ
たものとなり、また耐水性等に優れたものとなる。
【0035】成分Bの乳化重合体を得るための乳化重合
に使用し得る重合開始剤としては、一般に乳化重合に用
いられている重合開始剤のいずれもが使用可能であり、
例えば有機過酸化物、無機過酸化物又はアゾ系化合物等
を使用することができる。重合開始剤の好ましい使用量
は、単量体の合計量を基準にして、0.1〜5重量%で
ある。
【0036】成分Bの乳化重合体のpHは、成分Aを加
えた際に系内が不安定となることを防止するために、成
分Aの中和に用いられる塩基等により成分AのpHに近
づけておくことが好ましい。
【0037】成分BのTgは、成分AのTgよりも低い
温度であって、且つ表皮材を成形体に接着する温度(以
下、貼付温度ともいう。)よりも低い温度であることが
好ましい。具体的には、本発明により製造された表皮を
有する成形体の用途、成分AのTg、表皮材の貼付温度
等によっても異なるが、通常は−75℃〜80℃の範囲
であり、好ましくは−70℃〜60℃の範囲であり、よ
り好ましくは−65〜40℃の範囲である。
【0038】成分BのTgが−20℃未満(より好まし
くは−40℃未満、さらに好ましくは−50℃未満)で
ある場合には、本発明で使用する感熱粘着剤が、使用時
加熱後の接着力(特に、成形体への貼付時における初期
接着力)が大きいほか、変形や衝撃に対する耐久性が高
いものとなるために好ましい。また、使用時加熱後は室
温においても高い粘着性を示すので、成形体への貼付温
度を後述のように比較的低くすることができ、このため
エネルギー効率がよいという利点がある。以下、本発明
に用いる感熱粘着剤のうち、成分BのTgが上記範囲で
あるものを「高接着性感熱粘着剤」ということがある。
【0039】一方、成分BのTgが−20℃以上(より
好ましくは−10℃以上)である場合には、本発明で使
用する感熱粘着剤が塗布された表皮材の保存時等(すな
わち使用時加熱前)における耐ブロッキング性が良く、
また本発明により製造された表皮を有する成形体が耐熱
性の高いものとなるため好ましい。成分BのTgの上限
は、通常80℃以下であり、60℃以下であることが好
ましく、40℃以下であることがより好ましく、25℃
以下であることがさらに好ましい。以下、本発明に用い
る感熱粘着剤のうち、成分BのTgが上記範囲であるも
のを「高耐熱性感熱粘着剤」ということがある。
【0040】成分Bの乳化重合体の酸価が実質的に0で
あるか又は該酸性基含有共重合体の酸価の値より0.5
meq/g以上(より好ましくは1meq/g以上)低
い酸価を有するものである場合には、得られる感熱粘着
剤は加熱前には非粘着性であり、加熱により発現する接
着力が充分大きいものになるという本発明の特長を特に
良好に発揮するため好ましいものである。
【0041】(3)感熱粘着剤について 本発明に用いられる感熱粘着剤は、単に成分Aと成分B
を混合することにより得られるが、前記のラジカル重合
性単量体を成分Aの存在下において乳化重合させて得た
乳化重合体には成分Aをすでに含んでいるので、成分A
と成分Bを混合する工程を経ることなく本発明に用いる
感熱粘着剤を容易に得ることができ、耐水性等の面から
好ましい方法である。なお、こうして得られた乳化重合
体に、成分Aをさらに加えることも出来る。成分A及び
成分Bを有効成分とする感熱粘着剤における、成分Aと
成分Bとの重量比(固形分比)は、成分A/成分B=1
0/90〜60/40であることが好ましく、成分A/
成分B=25/75〜50/50であることがさらに好
ましい。上記範囲とすることにより、感熱粘着剤が加熱
前の耐ブロッキング性及び加熱後の粘着力の両者が優れ
たものとなる。
【0042】本発明に用いる感熱粘着剤は、その固形分
濃度が30〜70重量%であることが好ましい。固形分
濃度が30重量%未満であるとこの粘着剤の乾燥性が不
足し、一方70重量%を超える場合には製造が困難とな
るとともに感熱粘着剤の粘度が過剰に高くなりやすい。
本明細書で固形分とは、熱風乾燥器を使用し、155℃
30分間揮発成分を除去した後に残る成分のことをい
う。
【0043】(4)粘着付与剤およびその他の添加剤に
ついて 本発明の製造方法に用いる感熱粘着剤は、必須の有効成
分としての成分A及び成分Bに加えて、粘着付与剤(以
下、成分Cともいう)の添加されているものでもよく、
この成分Cとしては、Tg70℃以上又は軟化点120
℃以上の粘着性付与剤が好ましい。成分CがTgを有す
る場合にはTgが80℃〜150℃であるものがより好
ましく、90℃〜130℃であるものがさらに好まし
い。また、成分Cが軟化点を有する場合には軟化点が1
30℃〜200℃であるものがより好ましく、140℃
〜170℃であるものがさらに好ましい。成分CのTg
又は軟化点が低すぎると、使用時加熱前の感熱粘着剤の
耐ブロッキング性が悪いものになったり、粘着剤の耐熱
性が不足したりする場合があり、Tg又は軟化点が高す
ぎると、成分A及び成分Bと成分Cとの相溶性が不足
し、均一な組成物を得られない場合がある。
【0044】成分Cの粘着性付与剤としては、上記条件
を満たすロジン系樹脂、テルペンフェノール系樹脂、石
油系樹脂などが好ましく使用される。ロジン系樹脂又は
その乳化分散液の例としては、荒川化学工業株式会社製
の商品名「スーパーエステルE−650」、「同E−8
65」、「同E−873」、「同E−625」、「同E
−730−55」、「ペンセルD−125」、「同D−
135」、「同D−160」、ハリマ化成株式会社製の
商品名「ハリエスターSK−130D」、「同MSR−
4」、「同K」、「同DS−130」、「同AD−13
0」、「同KT−2J」、「ハリマック130A」、理
化ハーキュレス株式会社製の商品名「ペンタリンFK1
25」、「同4741」、「同K」、「同2920」、
「ルイゾール28−JA」などが挙げられる。テルペン
フェノール系樹脂又はその乳化分散液の例としては荒川
化学工業株式会社製の商品名「タマノルE−100」、
ヤスハラケミカル株式会社製の商品名「YSポリスター
T145」、「同T130」、「同TH130」、「同
S145」、「マイティーエースG150」、「ナノレ
ットG150」、「同G145」などが挙げられる。石
油系樹脂の例としては、日本石油化学株式会社製の商品
名「日石ネオポリマー130」、「同140」、「同1
50」、「同160」、「同170S」、「同GS」、
「日石ネオレジンEP−140」、「日石ユニレジン#
730」、三井石化株式会社製の商品名「FTR−61
25」、理化ハーキュレス株式会社製の商品名「リガラ
イトMBG273」などが挙げられる。
【0045】成分Cを含む感熱粘着剤を調製する方法と
しては、成分A及び成分Bの混合物に、成分Cの分散液
を添加混合する方法が好ましく、さらに上記成分Bを得
るための乳化重合を行う際に、重合に供される単量体混
合物中に成分Cを溶解させておく方法も好ましいもので
ある。
【0046】また、粘着剤に成分Cを配合する場合、成
分A100重量部に対する成分Cの配合量(固形分)
は、0.5〜50重量部であることが好ましく、1〜3
0重量部であることがより好ましい。成分Cの配合量が
0.5重量部未満では、感熱粘着剤が粘着強度が不足し
たものとなる場合があり、50重量部を超えると、感熱
粘着剤の加熱前の耐ブロッキング性が悪いものとなる場
合がある。成形体に表皮材を接着する本発明の製造方法
において成分Cは、上記粘着強度と耐ブロッキング性の
両者を優れたものとするために重要な成分である。
【0047】本発明に用いる感熱粘着剤は、その用途に
応じて、一般的な粘着剤に通常使用される消泡剤、界面
活性剤、防カビ剤、香料、中和剤、増粘剤、レベリング
調整剤、凍結防止剤、発泡剤、酸化防止剤、紫外線吸収
剤、補強剤、充てん剤、顔料、蛍光増白剤、帯電防止
剤、抗ブロッキング剤、難燃剤、架橋剤、可塑剤、滑
剤、有機溶剤又は着色剤等の1種又は2種以上が添加さ
れたものであってもよい。
【0048】(5)成形体及び表皮材並びにその接着に
ついて 本発明の製造方法において使用される成形体は、木質
材、プラスチック材、金属材、無機質材などのいずれの
材質のものでもよい。木質材の例としては、パーティク
ルボード(削片板)、合板、集成材、ファイバーボード
(繊維板)などが挙げられる。プラスチックス材の例と
しては、ポリプロピレン、ポリエチレン、塩化ビニル、
ABS、ポリスチレン、ポリエステル、ポリウレタン、
アクリル樹脂、ポリカーボネートなどが挙げられる。無
機質材の例としては、石こう、コンクリート、セラミッ
クスなどが挙げられる。なお、成形体は、表皮材と接着
される以前に最終形状に成形されたものであってもよ
く、表皮材との接着時の加熱及び加圧又は減圧を利用し
て最終形状に成形されるものであってもよい。
【0049】本発明の製造方法において使用される表皮
材としては、上記成形体の説明の記載で例示したプラス
チック材及びその発泡体、不織布、金属箔などの材質の
ものが挙げられる。このうち、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン、ポリウレタンなどの発泡体は、外観、触感、耐
久性などが特に良好な表皮となるために好ましい表皮材
である。これらの発泡体は多孔質であり通常難接着性で
あるが、本発明で使用する感熱粘着剤により効果的に接
着される。表皮材は異なる材質又は同一の材質の2以上
の層からなるものであってもよい。表皮材の厚さは限定
されないが、通常は10μm〜50mmの範囲であり、
本発明の製造方法は50μm〜20mmの範囲の厚さの
表皮材に特に適したものである。
【0050】本発明の方法を適用して製造される具体的
な物品としては、自動車内装用の表皮を有する成形体
(表皮材材質;ポリプロピレン発泡体等、成形体材質;
パーティクルボード又はポリオレフィン等、成形方法;
真空成形等)、ラッピング用の表皮を有する成形体(表
皮材材質;ポリ塩化ビニルシート等、成形体材質;中比
重ファイバーボード等、成形方法;真空成形等)、ホッ
トスタンプ用の表皮を有する成形体(表皮材材質;有機
または無機の転写箔、成形体材質;中比重ファイバーボ
ード等、成形方法;加熱・加圧等)等が挙げられる。な
お、ホットスタンプについては公知文献に詳述されてい
る(プラスチックエージ,P114,May,(1994))。
【0051】以下、表皮材及び/又は成形体の表面に感
熱粘着剤層を形成する工程を説明するが、表皮材及び/
又は成形体の表面に形成された、加熱前に非粘着性であ
る感熱粘着剤層のことを、本明細書ではプレコート粘着
剤層と称する。プレコート粘着剤層を形成するには、上
記粘着剤を成形体及び表皮材の一方又は両方に塗布し、
それを適当な方法で乾燥する等の方法によればよい。そ
の際、感熱粘着剤の成形体又は表皮材への塗布方法は特
に制限されず、例えば、ロールコーター塗布、スプレー
塗布、流延塗布、ドクターブレード塗布、ハケ塗りなど
の任意の方法であってよい。次いで、塗布された感熱粘
着剤を、粘着剤層が粘着性を発現しない(非粘着性を維
持する)ように調節された温度で乾燥する。乾燥方法は
特に制限されないが、熱風を利用して乾燥するのが好ま
しい方法である。乾燥温度は、通常室温〜100℃、好
ましくは30℃〜80℃、より好ましくは40℃〜70
℃であるが、感熱粘着剤の特性により異なり、具体的に
は成分AのTgに大きく依存する。乾燥温度は、成分A
がグラフト共重合体でない場合は成分AのTg以下であ
ることが好ましく、成分Aがグラフト共重合体である場
合には成分Aの親水性単位のTg以下であることが好ま
しい。プレコート粘着剤層の厚さは、用途などに応じて
適宜調節することができるが、通常は約10μm〜1m
m程度(好ましくは20μm〜200μm程度、より好
ましくは40μm〜100μm程度)である。プレコー
ト粘着剤層をこのような厚さにするにより、成形体と表
皮材との接着力がより大きいものとなる。
【0052】本発明の製造方法においては、表皮材又は
成形体のいずれか一方にプレコート粘着剤層を形成する
か、あるいは表皮材及び成形体の双方にプレコート粘着
剤層を形成する。表皮材又は成形体のいずれか一方にプ
レコート粘着剤層を形成する方法は、製造工程が簡略化
できるために好ましい方法である。なかでも表皮材のみ
にプレコート粘着剤層を形成する方法は、感熱粘着剤の
塗工が容易なために特に好ましい方法である。また、表
皮材又は成形体に感熱粘着剤を塗工してプレコート粘着
剤層を形成するのは、表皮材と成形体との接着直前であ
ってもよいし、何時間か又は何日か、場合によっては何
ヶ月か前であってもよい。あらかじめ表皮材及び/又は
成形体の表面にプレコート粘着剤層を形成し巻き取った
状態で、又は積み重ねた状態で保管し、表皮を有する成
形体の製造工程に合わせて、このプレコート粘着剤層を
加熱により高粘着性の状態にして成形体と表皮材とを接
着するという方法は、プレコート粘着剤層が耐ブロッキ
ング性に優れるという、本発明の製造方法に用いられる
感熱粘着剤の特長を有効に利用した好ましい方法であ
る。
【0053】本発明の製造方法において、非粘着性のプ
レコート粘着剤層が表皮材の片面に形成されたものであ
って、この表皮材を同方向に(すなわち、一枚の表皮材
に形成されたプレコート粘着剤層が隣接する表皮材のプ
レコート粘着剤層を有しない面と当接するように)積み
重ねて、温度50℃の雰囲気下で10g/cm2の圧力
をかけて2週間保管し、次いで温度23℃、湿度65%
の雰囲気下に24時間放置した後、隣接した2枚の表皮
材を取り出して接着強度測定用の試験片を作成し、AS
TM D1876−61Tに規定するT剥離法に準じて
剥離強度を測定した場合、剥離強度が10g/25mm
未満である感熱粘着剤を使用するのが好ましく、3g/
25mm未満であるものを使用するのがさらに好まし
い。また、本発明の製造方法において、非粘着性のプレ
コート粘着剤層が成形体に設けられた場合についても同
様である。
【0054】本発明の成形体の製造方法においては、非
粘着性のプレコート粘着剤層を予め加熱により高粘着性
に変化させた後に表皮材と成形体を接着することもでき
るし、プレコート粘着剤層の加熱による高粘着化と表皮
材と成形体の接着を同時に行うこともできる。粘着剤層
を高粘着性に変化させるための加熱温度は、通常上記の
乾燥温度より10℃〜160℃程度、好ましくは20℃
〜140℃、より好ましくは30℃〜120℃高い温度
であり、具体的には40〜200℃であり、50℃〜1
80℃が好ましく、60〜160℃がさらに好ましい。
採用すべき加熱温度は粘着剤の特性により異なり、具体
的には成分AのTgに大きく依存する。加熱温度は、成
分Aがグラフト共重合体でない場合は成分AのTgより
10℃以上高いことが好ましく、30℃以上高いことが
より好ましい。成分Aがグラフト共重合体である場合に
は成分Aの親水性単位のTgより10℃以上高いことが
好ましく、30℃以上高いことがより好ましい。上記加
熱温度が低すぎるとプレコート粘着剤層が、加熱後も充
分に接着力の大きいものとならない。ただし、上記加熱
温度が高すぎると、表皮材が変質したり変形したりする
恐れがあるので注意が必要である。
【0055】表皮材と成形体との接着操作は、従来公知
の加圧成形法、真空成形法などにより行うことができ
る。公知文献としては「接着の技術,vol.13,No.2,52
-57(1993)」などが挙げられる。プレコート粘着剤層の
高粘着化の後に接着操作を別工程として行う場合の温度
(貼付温度)は、上記のプレコート粘着剤層を高粘着化
するのに適用する温度を採用することができるが、適宜
変更してもよい。例えば高粘着化されたプレコート粘着
剤層が室温においても十分な粘着性を有している場合に
は、表皮材と成形体との接着を室温で行ってもよい。
【0056】また、加熱により高粘着性となった粘着剤
層により接着された表皮材と成形体は、その剥離強度
が、JIS Z 0237に規定する180度ひきはが
し法に準じて測定した場合、すなわち、温度23℃、湿
度65%の雰囲気下において、200mm/minの引
張速度で180度ひきはがし強度を測定した場合、1,
000g/25mm以上であるものが好ましく、2,0
00g/25mm以上であるものがより好ましい。
【0057】(作用)本発明の製造方法において、感熱
粘着剤層が使用時加熱前には非粘着性であり、使用時に
おいて加熱により高粘着性に変化する機構は以下のよう
なものであると推測している。本発明に用いられる感熱
粘着剤は、通常、水性重合体(成分A)と乳化重合体
(成分B)とを含む微粒子からなっており、その粒子は
表面に近い部分では成分Aが、中心に近い部分では成分
Bがそれぞれ高濃度のものとなっているために、この感
熱粘着剤を上記乾燥温度で乾燥させた場合、形成される
粘着剤層の内部構造は上記成分Aが高濃度である海にた
とえられる相と、上記成分Bが高濃度である島にたとえ
られる相からなる海島構造を形成していると思われる。
成分Aは比較的Tgが高いものであるため、この状態の
粘着剤層は非粘着性を示し、耐ブロッキング性に優れる
と考えられる。
【0058】この非粘着性の感熱粘着剤層を上記加熱温
度で加熱すると、上記構造が崩れて成分Bが粘着剤層の
表面に移行するため粘着性が発現するものと思われる。
このとき粘着剤層は上記成分Aが高濃度である相が島で
あり上記成分Bが高濃度である相が海である構造(すな
わち、非粘着性のときとは海島が逆転した構造)に変化
し、特に優れた粘着性が発揮されるものと考えられる。
感熱粘着剤の成分A及び成分Bが上記のように両者の酸
価が制御されているもの又は両者の重量比が制御されて
いるものである場合は、このような海島構造の逆転がお
きやすいために、特に良好な性能を発揮するものと推測
している。
【0059】なお、本明細書に記載の「海島構造」はよ
く知られた概念であり、例えば「新版高分子辞典(高分
子学会・高分子辞典編集委員会編集、朝倉書店発行)」
第31頁の「海島構造」の項に詳しく記載されている構
造である。なお、本発明の奏する優れた特長は、海(連
続層)が完全に連続しており島(不連続層)の全てが海
中に独立して分散している構造に限らず、海が部分的に
途切れている状態及び島の一部が互いに融合している状
態でもそれなりに奏されると推測されるものである。
【0060】
【実施例】以下、実施例及び比較例により、本発明をさ
らに具体的に説明する。なお、以下の各例において、特
に断らない限り、「部」及び「%」は、それぞれ「重量
部」及び「重量%」を示す。また、以下において使用す
る略号及びその内容を下記表1に示す。さらに、本明細
書において重合体のTgを算出するために用いた、各単
量体の単独重合体のTg値を併せて示す。
【0061】
【表1】
【0062】(1)成分Aの合成 (水性重合体A1)撹拌機、コンデンサ、温度計及び窒
素導入管を備えたフラスコに、溶媒としてのメチルエチ
ルケトンを40部仕込んで75℃に加熱した。続いて、
BA18部、MMA5.5部、スチレン1部、MAA
1.5部、連鎖移動剤としてのMPA2部を初期原料と
してフラスコに仕込み、重合開始剤としてのAIBN
0.5部を添加して重合を開始させた。次いで、BA2
部、MMA49.5部、スチレン9部及びMAA13.
5部の混合液74部にメチルエチルケトン20部及びA
IBN1.0部を混合溶解し、これを連続原料として4
時間かけてフラスコに滴下して重合させた。滴下終了
後、さらに0.5部のAIBNとメチルエチルケトン4
0部とを投入し、同温度に5時間維持した後に反応系を
冷却して重合を終了させ、固形分含量50%の共重合体
(酸価1.7meq/g)のメチルエチルケトン溶液を
得た。得られた共重合体のメチルエチルケトン溶液20
0部に、撹拌下でアンモニア水を徐々に加えることによ
り、この共重合体におけるカルボキシル基を中和して反
応液のpHを7〜8程度とした。その後、温度50℃の
減圧下でメチルエチルケトンを除去して、成分Aに相当
する固形分50%の水性重合体(水性重合体A1とい
う)水溶液を得た。
【0063】(水性重合体A2〜A4)初期原料及び連
続原料に用いた単量体組成を表2に示すとおりとした点
以外は水性重合体A1の合成と同様にして、水性重合体
(それぞれ水性重合体A2、A3及びA4という)の水
溶液を得た。なお、表2に示す「AB−6」は、片末端
メタクリロイル化ポリアクリル酸ブチルマクロモノマー
(東亞合成株式会社製の商品名「マクロモノマーAB−
6」、数平均分子量6,000)である。また、得られ
た水性重合体A2は、MMA−AA共重合体からなる親
水性の主鎖(主鎖のみのTg=105℃)と、ポリアク
リル酸ブチルからなる疎水性の側鎖(側鎖のみのTg=
−54℃)とを有するグラフト共重合体である。
【0064】水性重合体A1〜A4につき、重合体全体
の単量体組成、製造の各段階における各単量体の仕込量
比、得られた重合体の数平均分子量Mn、酸価及びTg
を表2に示す。なお、この水性重合体A1〜A4はいず
れも水溶性重合体である。
【0065】
【表2】
【0066】(2)粘着剤の合成 (粘着剤1)上記により得られた水性重合体A1の存在
下において、成分Bの原料であるラジカル重合性単量体
を以下のように乳化重合させ、次いで成分Cを添加して
粘着剤を調製した。すなわち、まずBA99部及びHE
MA1部を混合して単量体混合物とした。撹拌機、コン
デンサ、温度計及び窒素導入管を備えたフラスコに、脱
イオン水80部及び水性重合体A1水溶液60部(固形
分30部)を仕込み、窒素雰囲気下で60℃に昇温し
た。その後、t−ブチルハイドロパーオキサイドの10
%水溶液10部、ホルムアルデヒドナトリウムスルホキ
シラート二水塩(製鉄化学株式会社製、商品名「ロンガ
リットC」;以下、単に「ロンガリット」という。)の
10%水溶液10部、及び上記単量体混合物80部を3
時間かけて滴下した。滴下終了からさらに2時間同温度
を維持し、その後、反応系を冷却して重合を終了させ、
アンモニア水により中和してpHを7〜8として水性重
合体を含む乳化重合体を得た。この乳化重合体の固形分
含量は約50%であった。
【0067】この乳化重合体の製造に用いた単量体10
0重量に対して、粘着性付与剤であるロジン系樹脂(軟
化点160℃、DSCにより測定したTg113℃)の
乳化分散液(荒川化学工業製、商品名「スーパーエステ
ルE−865」、固形分含量50%)20部を配合し、
さらにブロッキング防止剤(三井化学株式会社製、オレ
フィン微粒子の分散液、商品名「ケミパールM−20
0」、固形分含量40.0%)5部を加え、増粘剤及び
アンモニア水によりブルックフィールド粘度7,000
mPa(25℃、12rpm)、pH7.5に調製して
粘着剤1を得た。
【0068】(粘着剤2)粘着剤1の合成で乳化重合体
に添加した「スーパーエステルE−865」に代えて、
テルペンフェノール系樹脂(軟化点145℃)の乳化分
散液(ヤスハラケミカル株式会社製、商品名「ナノレッ
トG145」、固形分含量50%)15部を用い、ブロ
ッキング防止剤「ケミパールM−200」を使用しなか
った以外は同様にして粘着剤2を得た。
【0069】(粘着剤3)成分Bの原料であるラジカル
重合性単量体に成分Cを溶解させ、これを水性重合体A
1の存在下で乳化重合させて粘着剤を合成した。すなわ
ち、粘着剤1の合成における乳化重合時に、BA99部
及びHEMA1部からなる単量体混合物中に石油系樹脂
(理化ハーキュレス株式会社製、商品名「リガライトM
BG273」、軟化点140℃)5部を溶解させた。こ
の混合物を用いて粘着剤1の場合と同様に乳化重合及び
中和を行って、固形分含量50%、pH7〜8の水性重
合体と成分Cを含む乳化重合体を得た。この乳化重合体
にブロッキング防止剤(三井化学株式会社製、オレフィ
ン微粒子の分散液、商品名「ケミパールM−200」、
固形分含量40.0%)5部を加え、増粘剤及びアンモ
ニア水によりブルックフィールド粘度7,000mPa
(25℃、12rpm)、pH7.5に調製して粘着剤
3を得た。
【0070】(粘着剤4)水性重合体A1水溶液に代え
て同量の水性重合体A2水溶液100部(固形分50
部)を用いた点以外は、粘着剤1の合成と同様にして粘
着剤4を得た。
【0071】粘着剤1〜4に含まれる成分A、成分B及
び成分Cの種類及びその重量比(固形分比)を、各粘着
剤の液性とともに表3に示す。これらの粘着剤は、いず
れも本発明の製造方法において使用される感熱粘着剤で
あって、上述の高接着性感熱粘着剤に相当する。
【0072】
【表3】
【0073】(粘着剤5〜7、9)成分Aとして用いた
水性重合体、および成分Bに用いた単量体組成を表4に
示すとおりとした点以外は粘着剤1の合成と同様にして
粘着剤5〜7及び9を得た。
【0074】(粘着剤8)成分Aとして用いた水性重合
体、および成分Bに用いた単量体組成を表4に示すとお
りとした点以外は粘着剤1に用いた乳化重合体の合成と
同様にして乳化重合体を得た。この乳化重合体に表4に
示す成分Cを添加し、粘着剤1と同様に調製して粘着剤
8を得た。
【0075】粘着剤5〜9に含まれる成分A、成分B及
び成分Cの種類及びその重量比(固形分比)を、各粘着
剤の液性とともに表4に示す。これらの粘着剤は、いず
れも本発明の製造方法において使用される感熱粘着剤で
あって、上述の高耐熱性感熱粘着剤に相当する。
【0076】
【表4】
【0077】(3)プレコート粘着剤層の形成 表皮材として、表皮フィルムが溶着された熱可塑性のオ
レフィン発泡体シート(厚さ5mm)を使用した。表皮
フィルムを有する面が表皮材の表であり、表皮フィルム
を有しない面が表皮材の裏である。上記表皮材の裏側
に、上記粘着剤1〜9を、乾燥後の塗布量が約50g/
2になるようにアプリケーターで塗布し、熱風乾燥器
を用いて40℃で5分間乾燥して、プレコート粘着剤層
が形成された表皮材(以下、「粘着剤層付表皮材」とい
う。)1〜9を得た。
【0078】(4)成形適性の評価 粘着剤層付表皮材1〜9につき、表皮材を有する成形体
製造に対する適性を下記の方法で評価した。その結果を
表5および表6に示す。
【0079】耐ブロッキング性 粘着剤層付表皮材の耐ブロッキング性を評価した。粘着
剤層付表皮材を幅25mm長さ約250mmに裁断した
ものの粘着剤層面と、表皮材の表面とを合わせ(粘着剤
層付表皮材を積み重ねた状態、又は巻き取った状態に相
当する。)、粘着剤層付表皮材1〜4については温度5
0℃の雰囲気下、粘着剤層付表皮材5〜12については
温度60℃の雰囲気下で、それぞれ10g/cm2に2
週間加圧した。次いで、温度23℃、湿度65%の雰囲
気下に24時間放置した後、ASTM D1876−6
1Tに規定するT剥離法に準じて試験片の剥離強度を測
定した。測定結果は下記の3段階により示す。 ◎:剥離強度3g/25mm未満。特に耐ブロッキング性
に優れる。 ○:剥離強度3g/25mm以上10g/25mm未満。や
やブロッキング性を有するが実用上は問題なし。 ×:剥離強度10g/25mm以上。ブロッキングが見ら
れ実用上問題あり。
【0080】表皮を有する成形体製造時における接着
性 上記粘着剤層付表皮材の成形体への接着性を、下記の方
法により評価した。粘着剤層付表皮材を幅25mm長さ
約250mmに裁断したものと、パーティクルボード
(成形体)とを合わせ、卓上テストプレス機(株式会社
神藤金属工業所製)により、温度140℃にて1Kg/
cm2の圧力を一分間加え、プレコート粘着剤層の接着
性を発現させるとともに表皮材を成形基材に圧着した。
すなわち、粘着剤層を高粘着性に変化させるための加熱
温度及び表皮材の成形体への貼付温度はいずれも140
℃である。次いで、成形体と表皮材の剥離強度を、温度
23℃、湿度65%の雰囲気下に24時間放置した後、
JIS Z 0237に規定する180度ひきはがし法
に準じて測定した。すなわち、温度23℃、湿度65%
の雰囲気下において、200mm/minの引張速度
で、被着体に対する180度ひきはがし強度を測定し
た。測定結果は以下の3段階により示す。 ◎:剥離強度1,000g/25mm以上。特に接着性
に優れる。 ○:剥離強度500g/25mm以上1,000g/2
5mm未満。実用上十分な接着性を有する。 ×:剥離強度500g/25mm未満。接着性不足。
【0081】貼付後の耐熱性 接着剤層付表皮材5〜12につき、以下の方法で耐熱性
を評価した。接着剤層付表皮材を幅25mm長さ約25
0mmに裁断したものを試験片とする。この試験片と、
被着体としての幅25mm長さ約250mmのパーティ
クルボード(成形基材)とを合わせ、上記卓上テストプ
レス機により温度140℃にて1Kg/cm2の圧力を
一分間加え、プレコート接着剤層の接着性を発現させる
とともに、試験片の一端から長さ方向に50mmの部分
を被着体に圧着した。次いで、被着体に貼り付けされた
試験片を温度23℃、湿度65%の雰囲気下に24時間
放置した。その後、熱風乾燥炉中、80℃雰囲気下で、
試験片が接着された側を下面として被着体を水平に保持
し、被着体に圧着されなかった側の試験片の端部に10
0gの錘をかけて放置した。24時間経過後に、初期の
貼付長さから試験片が剥離した距離を測定した。24時
間以内に試験片が落下した場合は、落下するまでの時間
を測定した。測定結果は下記の3段階により示す。 ◎:24時間後の剥離距離が0mm。特に耐熱性に優れ
る。 ○:24時間後の剥離距離が10mm以内。実用上十分
な耐熱性を有する。 ×:24時間以内に錘が落下する。耐熱性不足。
【0082】総合評価 各性能のバランスを、総合評価として下記の3段階によ
り示す。 ○:性能のバランスが特に良好である。 △:性能のバランスが良く実用可能である。 ×:性能のバランスが悪く実用上問題がある。
【0083】
【表5】
【0084】
【表6】
【0085】表5および表6に示すように、本発明の製
造方法において感熱粘着剤1〜9を使用したものは、い
ずれも耐ブロッキング性と接着性とのバランス、あるい
はさらに耐熱性とのバランスが良好であった。
【0086】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば、従来の液状
接着剤とは異なり形成されるプレコート粘着剤層が加熱
前は非粘着性であるために、プレコート粘着剤層の形成
された表皮材又は成形基材を積み重ねたり巻き取ったり
することができ、保管や運搬の面で極めて便利である。
そのような特長を生かして、粘着剤の塗工時期を比較的
自由に選べるために製造現場のラインの設計の自由度が
高いという利点もある。さらに、目的に応じて乳化重合
体のガラス転移温度を調整することにより、使用時加熱
によって高粘着性となった感熱粘着剤層が室温に戻って
も粘着性を失わないという特長を発揮したり、または感
熱粘着剤が特に優れた耐熱性を発揮したりするものにで
きる。
フロントページの続き (72)発明者 家迫 博 愛知県名古屋市港区船見町1番地の1 東 亞合成株式会社名古屋総合研究所内 Fターム(参考) 4F071 AA33 AA81 AA86 AF45 AF58 AH11 CA05 CB02 CB03 CC01 CD01 4J004 AA02 AA10 AB03 CA04 CA06 CA08 CB01 CB04 CC02 FA10

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水溶性重合体または自己分散性水性重合
    体と乳化重合体からなる感熱粘着剤を用いて表皮材を成
    形体表面に接着することを特徴とする表皮を有する成形
    体の製造方法。
  2. 【請求項2】 感熱粘着剤が水溶性重合体または自己分
    散性水性重合体の存在下に重合性単量体を乳化重合させ
    て得られた乳化重合体からなることを特徴とする請求項
    1記載の表皮を有する成形体の製造方法。
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