JP3383706B2 - 熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents
熱可塑性樹脂組成物Info
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- JP3383706B2 JP3383706B2 JP16155694A JP16155694A JP3383706B2 JP 3383706 B2 JP3383706 B2 JP 3383706B2 JP 16155694 A JP16155694 A JP 16155694A JP 16155694 A JP16155694 A JP 16155694A JP 3383706 B2 JP3383706 B2 JP 3383706B2
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Description
どにより、成形品などに利用できる新規な熱可塑性樹脂
組成物に関する。
水性、寸法安定性および機械的、電気的性質などの優れ
た性質を有する樹脂であるが、一方、その溶融粘度が高
いために成形加工性が非常に悪い、また耐薬品性が悪
い、耐衝撃性が低い等の欠点を有している。
良する試みとしては、ポリフェニレンエーテルにポリス
チレンを配合する方法が知られている。ただし、この方
法ではポリフェニレンエーテルの成形加工性は改良され
るが、ポリフェニレンエーテルの耐熱性が著しく低下す
るという問題が生じる。
フェニレンエーテルに、オレフィンとグリシジルメタク
リレートおよび/またはグリシジルアクリレートとの共
重合体を配合することにより耐衝撃性の優れた組成物が
得られると記載されているが組成物の成形加工性、耐熱
性などに依然問題が残る。
フェニレンエーテルと芳香族ポリカーボネート樹脂との
組成物について開示されているが、その物性は必ずしも
充分なものではなかった。特開平2−654号公報には
グラフト変性したポリフェニレンエーテルおよび芳香族
ポリカーボネートからなる組成物が開示されている。特
開昭63−291949号公報にはポリフェニレンエー
テルと芳香族ポリカーボネートと不飽和カルボン酸誘導
体との組成物が、また特公平5−14740号公報には
2,6−ジアルキルフェノールと2,3,6−トリアル
キルフェノールとの共重合物であるポリフェニレンエー
テルおよび芳香族ポリカーボネートからなる組成物が開
示されている。また、特公昭61−29984号公報に
はポリフェニレンエーテルに、オレフィン類とグリシジ
ルメタアクリレート、グリシジルアクリレートとの共重
合体を配合してなる組成物が開示されている。また、特
開平5−214238号公報には、(I)ポリフェニレ
ンエーテル樹脂単独またはこれとスチレン系重合体との
混合物、(II) ポリカーボネート樹脂、(III)(a)オレフ
ィンモノマー単位30〜99.5重量%、(b) 数平均分
子量が2000〜20000の重合体の片末端に( メ
タ) アクリロイル基を有するマクロモノマー単位0.5
〜70重量%、(c) 他のラジカル重合性モノマー単位0
〜40重量%からなるオレフィン系グラフト共重合体か
らなる熱可塑性樹脂組成物が開示されている。しかしい
ずれの場合も組成物の物性は必ずしも充分なものではな
かった。
フェニレンエーテルの有する優れた曲げ特性、引張特
性、耐熱性などの特性を生かし、優れた耐衝撃性を付与
した安価な熱可塑性樹脂組成物を提供することにある。
問題点を解決するため鋭意検討の結果、本発明に到達し
た。すなわち、本発明は、次に記す発明からなる。
量%、(b)不飽和カルボン酸グリシジルエステル単位
または不飽和グリシジルエーテル単位が0.1〜30重
量%、(c)前記(b)を除くエチレン系不飽和エステ
ル化合物単位が0〜50重量%からなるエポキシ基含有
エチレン共重合体、(B)成分(A)におけるエポキシ
基と反応しうる官能基を含有する単量体をグラフト共重
合してなる変性ポリフェニレンエーテル、および(C)
芳香族ポリカーボネートを主成分としてなり、成分
(A)と成分(B)の配合割合が、成分(B)100重
量部に対して成分(A)が0.1〜70重量部であり、
成分(A)と成分(B)の重量和と成分(C)の比率が
〔成分(A)+成分(B)〕が1〜99重量%に対して
成分(C)が99〜1重量%である熱可塑性樹脂組成
物。
可塑性樹脂組成物の成分(A)とは、(a)エチレン単
位が50〜99重量%、(b)不飽和カルボン酸グリシ
ジルエステル単位または不飽和グリシジルエーテル単位
が0.1〜30重量%好ましくは0.5〜20重量%、
(c)エチレン系不飽和エステル化合物単位が0〜50
重量%からなるエポキシ基含有エチレン共重合体であ
る。エポキシ基含有エチレン共重合体(A)において
(b)不飽和カルボン酸グリシジルエステル単位および
不飽和グリシジルエーテル単位を与える化合物は、それ
ぞれ下記一般式(1)、(2)で表される。
の炭化水素基である。)
の炭化水素基であり、Xは−CH2 −O−または
クリレート、イタコン酸グリシジルエステル、アリルグ
リシジルエーテル、2−メチルアリルグリシジルエーテ
ル、スチレン−p−グリシジルエーテル等が例示され
る。
重合体には、エチレンと不飽和カルボン酸グリシジルエ
ステルまたは不飽和グリシジルエーテルおよび(c)前
記(b)を除くエチレン系不飽和エステル化合物の3元
以上の多元共重合体を使用することもできる。このエチ
レン系不飽和エステル化合物単位(c)を与える化合物
としては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、アクリル
酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタ
クリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブ
チル等のカルボン酸ビニルエステル、α、β−不飽和カ
ルボン酸アルキルエステル等が挙げられる。特に酢酸ビ
ニル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチルが好まし
い。
共重合体(A)としては、たとえばエチレン単位とグリ
シジルメタクリレート単位からなる共重合体、エチレン
単位とグリシジルメタクリレート単位およびメチルアク
リレート単位からなる共重合体、エチレン単位とグリシ
ジルメタクリレート単位およびエチルアクリレート単位
からなる共重合体、エチレン単位とグリシジルメタクリ
レート単位および酢酸ビニル単位からなる共重合体等が
挙げられる。
のメルトインデックス(JIS K6760)は好まし
くは0.5〜100g/10分、更に好ましくは2〜5
0g/10分である。メルトインデックスはこの範囲外
であってもよいが、メルトインデックスが100g/1
0分を越えると組成物にした時の機械的物性の点で好ま
しくなく、0.5g/10分未満では成分(B)の変性
ポリフェニレンエーテルとの相溶性が劣る。
不飽和エポキシ化合物とエチレンをラジカル発生剤の存
在下、500〜4000気圧、100〜300℃で適当
な溶媒や連鎖移動剤の存在下または不存在下に共重合さ
せる方法により製造される。また、ポリエチレンに不飽
和エポキシ化合物およびラジカル発生剤を混合し、押出
機の中で溶融グラフト共重合させる方法によっても作ら
れる。
ニレンエーテルの原料となるポリフェニレンエーテルと
は一般式(3)
独立に水素,ハロゲン原子,炭素数1〜6の炭化水素基
および炭素数1〜8の置換炭化水素基からなる群から選
ばれたものであり、そのうち、少なくとも1個は水素原
子であり、少なくとも1個は水素原子ではない。)で示
されるフェノール化合物の少なくとも1種を酸化カップ
リング触媒を用い、酸素または酸素含有ガスで酸化重合
させて得られる重合体である。
4 およびR5 の具体例としては、それぞれ独立に水素、
塩素、臭素、フッ素、ヨウ素、メチル、エチル、n−ま
たはiso−プロピル、pri−、sec−またはt−
ブチル、クロロエチル、ヒドロキシエチル、フェニルエ
チル、ベンジル、ヒドロキシメチル、カルボキシエチ
ル、メトキシカルボニルエチル、シアノエチル、フェニ
ル、クロロフェニル、メチルフェニル、ジメチルフェニ
ル、エチルフェニル、アリル基などからなる群から選ば
れたものが挙げられる。
m−クレゾール、2,6−、2,5−、または3,5−
ジメチルフェノール、2−メチル−6−フェニルフェノ
ール、2,6−ジフェニルフェノール、2,6−ジエチ
ルフェノール、2−メチル−6−エチルフェノール、
2,3,5−または2,3,6−トリメチルフェノー
ル、3−メチル−6−t−ブチルフェノール、チモー
ル、2−メチル−6−アリルフェノールなどが挙げられ
る。これらの化合物の中で好ましいものとしては、2,
6−ジメチルフェノール、2,6−ジフェニルフェノー
ル、3−メチル−6−t−ブチルフェノールおよび2−
メチル−6−アリルフェノールが挙げられる。特に2,
6−ジメチルフェノールが好ましい。本発明の樹脂組成
物の成分(B)の変性ポリフェニレンエーテルの原料の
ポリフェニレンエーテルとして、2,6−ジメチルフェ
ノールまたは2,6−ジフェニルフェノールの重合体並
びに大量部の2,6−ジメチルフェノールと小量部の3
−メチル−6−t−ブチルフェノールまたは2,3,6
−トリメチルフェノールとの共重合体が好ましい。特に
2,6−ジメチルフェノールの重合体が好ましい。
の変性ポリフェニレンエーテルの原料のポリフェニレン
エーテルとして、上記一般式(3)以外のフェノール化
合物、たとえばビスフェノール−A、テトラブロモビス
フェノール−A、レゾルシン、ハイドロキノン、ノボラ
ック樹脂のような多価ヒドロキシ芳香族化合物と上記一
般式(3)で示されるフェノール化合物との共重合体も
使用できる。
いられる酸化カップリング触媒は、特に限定されるもの
ではなく、重合能を有するいかなる触媒でも使用し得
る。たとえば、その代表的なものとしては、塩化第1銅
を含む触媒や二価のマンガン塩類を含む触媒が挙げられ
る。
を、40℃より高い温度で行う場合(高温重合) と40
℃以下で行う場合(低温重合)とでは、得られる重合体
の物性等に違いがあることが知られている。本発明の樹
脂組成物の成分(B)の原料ポリフェニレンエーテルの
製法においては、高温重合または低温重合のどちらでも
採用することができる。
ニレンエーテルは、成分(A)におけるエポキシ基と反
応しうる官能基を含有する単量体を、上記の原料ポリフ
ェニレンエーテルにグラフト共重合して得られるもので
ある。成分(A)におけるエポキシ基と反応しうる官能
基を含有する単量体としては特に制限するものではない
が、例えばカルボキシル基、エステル基、カルボン酸無
水物基、ヒドロキシル基などを含有する単量体、第一級
アミン、第二級アミンなどが挙げられる。具体的にはカ
ルボキシル基含有単量体としてはシュウ酸、コハク酸、
アジピン酸、アゼライン酸などが挙げられ、エステル基
含有単量体としてはアクリル酸メチル、メタクリル酸メ
チルなどが挙げられ、カルボン酸無水物基含有単量体と
しては無水マレイン酸、無水トリメリット酸などが挙げ
られ、ヒドロキシル基含有単量体としてはシアヌル酸な
どが挙げられる。
ミンは、アミノ基または第2級アミンの窒素を含む基の
ほかに、ポリフェニレンエーテルと反応可能な基を有す
ることが好ましい。ポリフェニレンエーテルと反応可能
な基としては、重合性の基がさらに好ましい。重合性の
基として、炭素−炭素二重結合または三重結合が挙げら
れる。 これらの単量体は、1分子の形でポリフェニレ
ンエーテルと結合していてもよく、また2分子以上の重
合体の形でポリフェニレンエーテルとグラフト共重合し
ていてもよい。ここで、第1級アミンには、アミノ基を
有するスチレン系単量体が、また、第2級アミンには、
第2級アミンが結合したスチレン系単量体も含まれる。
ミン、アリルアニリン、ステアリルアミン、N−アクリ
ロイルアミン、N−メタクリロイルアミン、N−フェニ
ル−N−メタクリロイルアミン、アミノスチレン、アミ
ノメチルスチレン、ヘキサメチレンジアミン、ジアミノ
ドデカン、ジアミノプロパン、エチレンジアミンなどが
挙げられる。いずれも各種異性体が含まれる。第2級ア
ミンとして、ジアリルアミン、ビニルイミダゾールなど
が挙げられる。以上挙げたエポキシ基と反応しうる単量
体は単独もしくは2種以上混合して用いることができ
る。
ニレンエーテルには、上記のエポキシ基と反応しうる官
能基を含有しうる単量体とともにスチレン系単量体をグ
ラフト共重合して得られる変性ポリフェニレンエーテル
を必要に応じて用いることができる。ここでいうスチレ
ン系単量体とは、一般式(4)で示されるものである。
れ独立に水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6の炭化
水素基および炭素数1〜8の置換炭化水素基、炭素数1
〜6の炭化水素オキシ基および炭素数1〜8の置換炭化
水素オキシ基からなる群から選ばれたものである。R11
は水素原子または炭素数1〜4の低級アルキル基であ
る。)
およびR10の具体例としては、水素原子;塩素、臭素、
ヨウ素などのハロゲン原子;メチル、エチル、プロピ
ル、ビニル、アリル、ベンジル、メチルベンジルなどの
炭化水素基;クロロメチル、ブロモメチルなどの置換炭
化水素基;メトキシ、エトキシ、フェノキシ、モノクロ
ロメトキシなどの炭化水素オキシ基または置換炭化水素
オキシ基などが挙げられる。また、R11の具体例として
は、水素原子、メチル、エチルなどの低級アルキル基な
どが挙げられる。
チレン、2,4−ジクロロスチレン、p−メトキシスチ
レン、p−メチルスチレン、p−フェニルスチレン、p
−ジビニルベンゼン、p−(クロロメトキシ)−スチレ
ン、α−メチルスチレン、o−メチル−α−メチルスチ
レン、m−メチル−α−メチルスチレン、p−メチル−
α−メチルスチレン、p−メトキシ−α−メチルスチレ
ンなどが挙げられる。これらは単独または2種以上混合
して用いることができる。これらの中でもスチレンが好
ましく用いられる。
ニレンエーテルを製造する方法としては、ポリフェニレ
ンエーテル、第1級アミンおよび/または第2級アミン
または無水マレイン酸などを溶融混練または懸濁反応さ
せて、変性ポリフェニレンエーテルを得る方法などが挙
げられる。該溶融混練は、シリンダー設定温度200〜
300℃、好ましくは230〜290℃で行うことがよ
い。シリンダー設定温度が200℃未満では原料ポリフ
ェニレンエーテルの成形加工性が悪く、またシリンダー
設定温度が300℃を越えるとポリフェニレンエーテル
の分解が生じることがあるので好ましくない。溶融混練
には一般に使用されている一軸または二軸の押出機、各
種のニーダー等の混練装置を用いることが好ましい。
合して溶融混練することもできる。該ラジカル開始剤は
特に限定されず、所望のものを適宜選択使用することが
できる。たとえば、2,2’−アゾビスイソブチロニト
ニルなどのアゾ系化合物を始めとして、特開平3−16
0856号公報に記載されているような各種ラジカル開
始剤が挙げられる。
の変性ポリフェニレンエーテル、およびその原料ポリフ
ェニレンエーテルの還元粘度ηSP/c(0.5g/dl
のクロロホルム溶液について25℃で測定した値)は、
0.30〜0.65dl/gの範囲が好ましい。ηSP/
cが0.30dl/g未満では組成物の耐熱性が著しく
低下し、またηSP/cが0.65dl/gを越えると組
成物の成形性が悪くなり好ましくない。本発明の熱可塑
性樹脂組成物の成分(B)のポリフェニレンエーテルに
は必要に応じて未変性のポリフェニレンエーテルを加え
ることができる。
の芳香族ポリカーボネートとしては、二価フェノールと
フォスゲン、ハロホルメート、炭酸エステルのようなカ
ーボネート前駆体とを反応させて得られる一般式(5)
で示される繰り返し構造単位を有する芳香族ポリカーボ
ネートが挙げられる。
である。)
環式、または多環式芳香族化合物であり、芳香環中の炭
素に直接結合する2個の水酸基を有する。これら二価フ
ェノールの具体例としては、2,2−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)、ヒドロ
キノン、レゾルシン、2,2−ビス(ヒドロキシフェニ
ル)ペンタン、2,4’−ジヒドロキシ−ジフェニルメ
タン、ビス(2−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス
(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロ
キシ−5−ニトロフェニル)メタン、1,1−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)エタン、3,3−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)ペンタン、2,2−ジヒドロキシジ
フェニル、2,6−ジヒドロキシ−ナフタレン、ビス
(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、2,4’−ジヒ
ドロキシジフェニルスルホン、5−クロロ−2,4’−
ジヒドロキシジフェニルスルホン、ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)ジフェニルジスルホン、4,4−ジヒドロ
キシジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシ−
3,3’−ジクロロジフェニルエーテル、4,4’−ジ
ヒドロキシ−2,5−ジエトキシジフェニルエーテル等
である。好ましくは、ビスフェノールAおよびその核置
換誘導体が挙げられる。これらの二価フェノールは単独
あるいは混合して用いられる。
芳香族ポリカーボネートは上記の二価フェノールを原料
として公知の方法、すなわち、エステル交換法、溶液
法、界面重縮合法等により製造され、好ましくは粘度平
均分子量15000以上、さらに好ましくは25000
以上のものである。これらの具体的な重合方法は、例え
ば“ENCYCLOPEDIA OF POLYMER
SCIENCE AND TECHNOLOGY”第
10巻(John Wiley & Sons,In
c.,1969年)710〜764ページに示される
「ポリカーボネート」の項に記載されている。また、こ
れらのポリカーボネートには特公昭48−25076号
公報に示されるポリカーボネート−スチレンブロック共
重合体に例示されるような共重合体も用いることができ
る。
成分(A)、成分(B)および成分(C)の組成比が特
定の範囲内の値をとることによって目的とする熱可塑性
樹脂組成物を得ることができる。
(B)の変性ポリフェニレンエーテルと成分(A)のエ
ポキシ基含有エチレン共重合体との組成比は、成分
(B)100重量部に対して成分(A)が0.1〜70
重量部、好ましくは1〜40重量部、さらに好ましくは
3〜30重量部である。成分(A)が0.1重量部未満
であると該組成物の耐衝撃性向上効果が認められず、ま
た成分(A)が70重量部を超えると該組成物の耐熱性
および剛性が低下するので好ましくない。
(A)と成分(B)の重量和と成分(C)との比率は、
成分(A)と成分(B)の重量和が1〜99重量%に対
して成分(C)が99〜1重量%である。〔成分(A)
+成分(B)〕が1重量%未満だと組成物の耐熱性が不
十分であり、また99重量%を超すと組成物の成形加工
性が低下し好ましくない。
する方法に特に制限はなく、周知の方法を用いることが
できる。たとえば、溶液状態で各成分を混合し、溶剤を
蒸発させるか、非溶剤中に沈澱させる方法が挙げられ
る。工業的見地からみると溶融状態で各成分を混練する
方法が好ましい。溶融混練には一般に使用されている一
軸または二軸の押出機、各種のニーダー等の混練装置を
用いることができる。特に二軸の高混練機が好ましい。
混練に際しては、各成分は予めタンブラーもしくはヘン
シェルミキサーのような装置で各成分を均一に混合して
もよいし、必要な場合には混合を省き、混練装置にそれ
ぞれ別個に定量供給する方法も用いることができる。
び無水マレイン酸などを混合後溶融混練して成分(B)
の変性ポリフェニレンエーテルをあらかじめ製造し、こ
れに成分(A)のエポキシ基含有エチレン共重合体また
はさらに成分(C)の芳香族ポリエステルを配合して一
括混練して該組成物を製造する方法、あるいは混練押出
機の第一フィード口から原料ポリフェニレンエーテルお
よび第一級アミンなどを投入し、第一フィード口から第
二フィード口の間の混練押出機内でポリフェニレンエー
テルと第一級アミンとを溶融混練して、本発明における
成分(B)の変性ポリフェニレンエーテルを製造したの
ち、該押出混練機の第二フィード口から成分(A)のエ
ポキシ基含有エチレン共重合体またはさらに成分(C)
の芳香族ポリエステルなどを投入し、該変性ポリフェニ
レンエーテルと該エポキシ基含有エチレン共重合体など
を該混練押出機内で溶融混練して樹脂組成物を製造する
方法も挙げられる。該溶融混練は、シリンダー設定温度
210〜340℃、好ましくは260〜310℃で行う
ことがよい。シリンダー設定温度が210℃未満では原
料ポリフェニレンエーテルの成形加工性が悪く、またシ
リンダー設定温度が340℃を越えるとポリフェニレン
エーテルやエポキシ基含有エチレン共重合体の分解が生
じることがあるので好ましくない。溶融混練には一般に
使用されている一軸または二軸の押出機、各種のニーダ
ー等の混練装置を用いることが好ましい。
いることができる。該ラジカル開始剤は特に限定され
ず、所望のものを適宜選択使用することができる。たと
えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトニルなどのア
ゾ系化合物を始めとして、特開平2−160856号公
報に記載されているような各種ラジカル開始剤が挙げら
れる。
所望により無機充填剤が用いられる。このような無機充
填剤としては、炭酸カルシウム、タルク、クレー、シリ
カ、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、酸化チタン、ア
ルミナ、石膏、ガラス繊維、炭素繊維、アルミナ繊維、
ホウ酸アルミニウムウィスカ、チタン酸カリウム繊維等
が例示される。
じて、さらに酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、難燃
剤、滑剤、帯電防止剤、無機または有機系着色剤、防錆
剤、架橋剤、発泡剤、蛍光剤、表面平滑剤、表面光沢改
良剤、フッ素樹脂などの離型改良剤などの各種の添加剤
を製造工程中あるいはその後の加工工程において添加す
ることができる。
れらは単なる例示であり、本発明はこれらに限定される
ことはない。 (成形品の物性測定方法)物性測定は池貝鉄工(株)製
PCM−30型二軸押出機を用いてシリンダー設定温度
260〜290℃で組成物を混練した後、日精樹脂工業
(株)製PS40E5ASE型射出成形機を用いて、成
形温度280℃〜310℃、金型温度60〜100℃で
射出成形した成形品について行った。
成形し、ASTM D638に準じて引張試験を行な
い、伸び率、破断点強度を求めた。
(6.4mm厚)について荷重18.6kgでASTM
D648に準じて測定した。
m厚)についてノッチ付きでJISK7110に従い、
室温で測定した。
重合体〕本発明の熱可塑性樹脂組成物の成分(A)に使
用したエポキシ基含有エチレン共重合体の略称および内
容は下記のとおりである。 A−1:住友化学工業(株)製 商品名ボンドファース
ト7L、E/GMA/MA=67/3/30重量比、メ
ルトフローレシオ(MFR)=9 A−2:住友化学工業(株)製 商品名ボンドファース
トE、E/GMA=88/12、MFR=3 A−3:住友化学工業(株)製 商品名ボンドファース
ト2A、E/GMA/VA=89/3/8重量比、MF
R=3 ここで、Eはエチレン、GMAはグリシジルメタクリレ
ート、MAはメチルアクリレート、VAはビニルアセテ
ートを示す。また、MFRはJIS K6760に準じ
て荷重2.16kg、温度190℃で測定した。単位は
g/10minである。
ル〕 (i)ηsp/C=0.40の日本ポリエーテル(株)製
ポリフェニレンエーテル100重量部、無水マレイン酸
3.5重量部、スチレン1.2重量部をラジカル開始剤
として商品名パーチブルPV〔ミヨシ油脂(株)製〕
0.2重量部、安定剤と共に配合し、ヘンシェルミキサ
ーで混合後、池貝鉄工(株)製二軸押出機を使用してシ
リンダー設定温度266℃で脱揮しながら造粒し変性ポ
リフェニレンエーテルを得た。以下該変性ポリフェニレ
ンエーテルをB−1と略記する。
ーテル(株)製ポリフェニレンエーテル100重量部、
アジピン酸0.9重量部、スチレン1.3重量部を安定
剤と共に配合し、ヘンシェルミキサーで混合後、池貝鉄
工(株)製二軸押出機を使用してシリンダー設定温度2
84℃で脱揮しながら造粒し変性ポリフェニレンエーテ
ルを得た。以下該変性ポリフェニレンエーテルをB−2
と略記する。
フェニレンエーテル(株)製ポリフェニレンエーテルに
アミノスチレン1.3重量部、イソシアヌル酸0.3重
量部、ラジカル開始剤として商品名サンペロックスTO
〔三建化工(株)製〕0.1重量部、安定剤としてIR
GANOX3114と共に配合し日本製鋼(株)TEX
−30型二軸押出機を使用してシリンダー設定温度26
3℃で脱揮しながら造粒し変性ポリフェニレンエーテル
を得た。以下該変性ポリフェニレンエーテルをB−3と
略記する。
ーテル(株)製ポリフェニレンエーテル100重量部を
日本製鋼(株)製TEX−30型二軸押出機を使用して
窒素雰囲気下で、シリンダー設定温度264℃で脱揮し
ながら造粒した。次にこのペレット100重量部にステ
アリルアミン1.9重量部を配合し、ヘンシェルミキサ
ーで混合後TEX−30型押出機を使用してシリンダー
設定温度274℃で脱揮しながら造粒し変性ポリフェニ
レンエーテルを得た。 以下該変性ポリフェニレンエーテルをB−4と略記す
る。ここで、還元粘度ηsp/Cは0.5g/dlのポリ
フェニレンエーテルのクロロホルム溶液について25℃
で測定した値である。
本発明の熱可塑性樹脂組成物の成分(C)に使用した芳
香族ポリカーボネートの略称および内容は下記のとおり
である。 C−1:住友ダウ(株)製 ポリカーボネート 商品名
CALIBRE 300−6、MFR=6 C−2:住友ダウ(株)製 ポリカーボネート 商品名
CALIBRE 300−15、MFR=15 C−3:住友ダウ(株)製 ポリカーボネート 商品名
CALIBRE 200−3、MFR=3 MFRはJIS K6760に準じて荷重1.2kg、
温度300℃で測定した。単位はg/10minであ
る。
ルミキサーで一括混合し、池貝鉄工(株)製 PCM−
2型(2軸押出機)を使用してシリンダー設定温度26
2〜288℃、回転数80rpmで混練を行なったの
ち、成形し、得られた成形体について物性測定を行なっ
た。結果を表2に示す。表1、2から、本発明の熱可塑
性樹脂組成物は耐熱性、機械的性質、なかでも特に耐衝
撃性が優れた熱可塑性樹脂組成物であることがわかる。
ェニレンエーテルの有する優れた曲げ特性、引張特性、
耐熱性などの特性を保持し、優れた耐衝撃性が付与され
た安価な熱可塑性樹脂組成物である。該樹脂組成物は、
このような特性を生かして射出成形や押出成形により成
形品、シート、チューブ、フィルム、繊維、積層物、コ
ーティング材等に用いられる。
Claims (4)
- 【請求項1】(A)(a)エチレン単位が50〜99重
量%、(b)不飽和カルボン酸グリシジルエステル単位
または不飽和グリシジルエーテル単位が0.1〜30重
量%、(c)前記(b)を除くエチレン系不飽和エステ
ル化合物単位が0〜50重量%からなるエポキシ基含有
エチレン共重合体、(B)成分(A)におけるエポキシ
基と反応しうる官能基を含有する単量体をグラフト共重
合してなる変性ポリフェニレンエーテル、および(C)
芳香族ポリカーボネートを主成分としてなり、成分
(A)と成分(B)の配合割合が、成分(B)100重
量部に対して成分(A)が0.1〜70重量部であり、
成分(A)と成分(B)の重量和と成分(C)の比率が
〔成分(A)+成分(B)〕が1〜99重量%に対して
成分(C)が99〜1重量%である熱可塑性樹脂組成物
(ただし変性ポリフェニレンエーテルが、下記構造単位
(Z)で表されるポリフェニレンエーテル (式中、R 1 およびR 2 は、それぞれ独立に水素および
炭素数1〜20の炭化水素基から選ばれる。)からな
り、数平均重合度が20〜1200であるポリフェニレ
ンエーテルにおいて、数平均重合度をXとしたとき、フ
ェニレン基の2位および/または6位のメチル基の0.
02/X〜1/Xの割合がアミノメチル基に変性された
変性ポリフェニレンエーテルである場合を除く。)。 - 【請求項2】成分(A)(b)の不飽和カルボン酸グリ
シジルエステル単位が一般式(1)で表され、不飽和グ
リシジルエーテル単位が一般式(2)で表されることを
特徴とする請求項1記載の熱可塑性樹脂組成物。 【化1】 (Q1 はエチレン系不飽和結合を有する炭素数2〜13
の炭化水素基である。) 【化2】 (Q2 はエチレン系不飽和結合を有する炭素数2〜18
の炭化水素基であり、Xは−CH2 −O−または 【化3】 である。) - 【請求項3】成分(B)のエポキシ基と反応しうる官能
基を含有する単量体が、カルボキシル基、エステル基、
カルボン酸無水物基もしくはヒドロキシル基を含有する
単量体または第一級アミン、第二級アミンであることを
特徴とする請求項1記載の熱可塑性樹脂組成物。 - 【請求項4】成分(C)の芳香族ポリカーボネートが、
一般式(5)で表される繰り返し構造単位を有すること
を特徴とする請求項1記載の熱可塑性樹脂組成物。 【化4】 (式中、Aは二価フェノールに由来する二価の芳香族基
である。)
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JP16155694A JP3383706B2 (ja) | 1994-07-13 | 1994-07-13 | 熱可塑性樹脂組成物 |
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JPH0827326A JPH0827326A (ja) | 1996-01-30 |
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