JP2570171B2 - 熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物

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JP2570171B2
JP2570171B2 JP10818194A JP10818194A JP2570171B2 JP 2570171 B2 JP2570171 B2 JP 2570171B2 JP 10818194 A JP10818194 A JP 10818194A JP 10818194 A JP10818194 A JP 10818194A JP 2570171 B2 JP2570171 B2 JP 2570171B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、射出成形や押出成形な
どにより、成形品などに利用できる新規な熱可塑性樹脂
組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリフェニレンエーテルは耐熱性、耐熱
水性、寸法安定性および機械的、電気的性質などの優れ
た性質を有する樹脂であるが、一方、その溶融粘度が高
いために成形加工性が非常に悪い、また耐薬品性が悪
い、耐衝撃性が低い等の欠点を有している。
【0003】ポリフェニレンエーテルの成形加工性を改
良する試みとしては、ポリフェニレンエーテルにポリス
チレンを配合する方法が知られている。ただし、この方
法ではポリフェニレンエーテルの成形加工性は改良され
るが、ポリフェニレンエーテルの耐熱性が著しく低下す
るという問題が生じる。
【0004】特開昭57−108153号公報にはポリ
フェニレンエーテルに、オレフィンとグリシジルメタク
リレートおよび/またはグリシジルアクリレートとの共
重合体を配合することにより耐衝撃性の優れた組成物が
得られると記載されているが組成物の成形加工性、耐熱
性などに依然問題が残る。
【0005】米国特許3221080号明細書にはポリ
フェニレンエーテルと芳香族ポリカーボネート樹脂との
組成物について開示されているが、その物性は必ずしも
充分なものではなかった。特開平2−654号公報には
グラフト変性したポリフェニレンエーテルおよび芳香族
ポリカーボネートからなる組成物が開示されている。特
開昭63−291949号公報にはポリフェニレンエー
テルと芳香族ポリカーボネートと不飽和カルボン酸誘導
体との組成物が、また特公平5−14740号公報には
2,6−ジアルキルフェノールと2,3,6−トリアル
キルフェノールとの共重合物であるポリフェニレンエー
テルおよび芳香族ポリカーボネートからなる組成物が開
示されている。また、特公昭61−29984号公報に
はポリフェニレンエーテルに、オレフィン類とグリシジ
ルメタアクリレート、グリシジルアクリレートとの共重
合体を配合してなる組成物が開示されている。しかしい
ずれの場合も組成物の物性は必ずしも充分なものではな
かった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ポリ
フェニレンエーテルの有する優れた機械的性質、耐熱性
などの特性を生かし、しかも成形加工性、耐衝撃性など
を改良した安価な熱可塑性樹脂組成物およびその製造方
法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、これらの
問題点を解決するため鋭意検討の結果、本発明に到達し
た。すなわち、本発明は、次に記す発明からなる。
【0008】(1)(A)下記構造単位(1)で表され
るポリフェニレンエーテル
【化2】 (式中、R1 およびR2 は、それぞれ独立に水素および
炭素数1〜20の炭化水素基から選ばれる。)からな
り、数平均重合度が20〜1200であるポリフェニレ
ンエーテルにおいて、数平均重合度をXとしたとき、フ
ェニレン基の2位および/または6位のメチル基の0.
02/X〜1/Xの割合がアミノメチル基に変性された
変性ポリフェニレンエーテル、 (B)(a)エチレン単位が50〜99重量%、(b)
不飽和カルボン酸グリシジルエステル単位または不飽和
グリシジルエーテル単位が0.1〜30重量%、(c)
エチレン系不飽和エステル化合物単位が0〜50重量%
からなるエポキシ基含有エチレン共重合体、および、 (C)芳香族ポリカーボネートからなり、成分(A)と
成分(B)の配合割合が、成分(A)100重量部に対
して成分(B)が0.1〜70重量部であり、成分
(A)と成分(B)の重量和と成分(C)の比率が(成
分(A)+成分(B))が1〜99重量%に対して成分
(C)が99〜1重量%である熱可塑性樹脂組成物。
【0009】次に本発明を詳細に説明する。本発明の熱
可塑性樹脂組成物の成分(A)は、一般式(2)
【化3】 (式中、R1 ,R2 ,R3 ,R4 およびR5 はそれぞれ
独立に水素,ハロゲン原子,炭素数1〜6の炭化水素基
および炭素数1〜8の置換炭化水素基からなる群から選
ばれたものであり、そのうち、少なくとも1個は水素原
子であり、少なくとも1個は水素原子ではない。)で示
されるフェノール化合物の少なくとも1種を酸化カップ
リング触媒を用い、酸素または酸素含有ガスで酸化重合
させて得られる重合体であるポリフェニレンエーテルの
変性物である。
【0010】上記一般式(2)で表されるフェノール化
合物において、R1 ,R2 ,R3 ,R4 およびR5 の具
体例としては、それぞれ独立に水素、塩素、臭素、フッ
素、ヨウ素、メチル、エチル、n−またはiso−プロ
ピル、pri−、sec−またはt−ブチル、クロロエ
チル、ヒドロキシエチル、フェニルエチル、ベンジル、
ヒドロキシメチル、カルボキシエチル、メトキシカルボ
ニルエチル、シアノエチル、フェニル、クロロフェニ
ル、メチルフェニル、ジメチルフェニル、エチルフェニ
ル、アリル基などからなる群から選ばれたものが挙げら
れる。
【0011】上記一般式(2)で表されるフェノール化
合物の具体例としては、o−またはm−クレゾール、
2,6−、2,5−、または3,5−ジメチルフェノー
ル、2−メチル−6−フェニルフェノール、2,6−ジ
フェニルフェノール、2,6−ジエチルフェノール、2
−メチル−6−エチルフェノール、2,3,5−または
2,3,6−トリメチルフェノール、3−メチル−6−
t−ブチルフェノール、チモール、2−メチル−6−ア
リルフェノールなどが挙げられる。
【0012】これらのフェノルール化合物の中で好まし
いものとしては、2,6−ジメチルフェノール、2,6
−ジフェニルフェノール、3−メチル−6−t−ブチル
フェノールおよび2−メチル−6−アリルフェノールが
挙げられる。特に2,6−ジメチルフェノールが好まし
い。
【0013】本発明の熱可塑性樹脂組成物の成分(A)
の原料重合体であるポリフェニレンエーテルとして、
2,6−ジメチルフェノールまたは2,6−ジフェニル
フェノールの重合体並びに大量部の2,6−ジメチルフ
ェノールと小量部の3−メチル−6−t−ブチルフェノ
ールまたは2,3,6−トリメチルフェノールとの共重
合体が好ましい。特に2,6−ジメチルフェノールの重
合体が好ましい。
【0014】さらに、該成分(A)の原料重合体である
ポリフェニレンエーテルとして、上記一般式(2)以外
の小量部のフェノール化合物、たとえばビスフェノール
−A、テトラブロモビスフェノール−A、レゾルシン、
ハイドロキノン、ノボラック樹脂のような多価ヒドロキ
シ芳香族化合物と上記一般式(2)で示される大量部の
フェノール化合物との共重合体も使用できる。
【0015】フェノール化合物を酸化重合させる際に用
いられる酸化カップリング触媒は、特に限定されるもの
ではなく、重合能を有するいかなる触媒でも使用し得
る。例えば、その代表的なものとしては、塩化第1銅を
含む触媒や二価のマンガン塩類を含む触媒が挙げられ
る。
【0016】ポリフェニレンエーテルを得る酸化重合
を、40℃より高い温度で行う場合(高温重合) と40
℃以下で行う場合(低温重合)とでは、得られる重合体
の物性等に違いがあることが知られている。本発明の熱
可塑性樹脂組成物の原料としてのポリフェニレンエーテ
ルの製法としては、高温重合または低温重合のどちらで
も採用することができる。
【0017】本発明の熱可塑性樹脂組成物において用い
られる成分(A)は、上記の製法で得られる一般式
(1)に示される構造単位を有するポリフェニレンエー
テルにおけるフェニレン基の2位および/または6位の
メチル基の一部がアミノメチル基(−CH2 NH2 )に
変性された構造単位を有する変性ポリフェニレンエーテ
ルである。メチル基の一部がアミノメチル基に置き換え
られた構造単位は、ポリフェニレンエーテルの末端の構
造単位であってもよく、末端でなく主鎖の中間であって
もよい。特に、メチル基の一部がアミノメチル基に置き
換えられた構造単位がポリフェニレンエーテルの末端の
構造単位であるものは、それを得ることが容易であるの
で好ましい。
【0018】本発明の熱可塑性樹脂組成物の成分(A)
の変性ポリフェニレンエーテルは、数平均重合度をXと
したとき、フェニレン基の2位および/または6位のメ
チル基の0.02/X〜1/X、好ましくは0.05/
X〜1/Xがアミノメチル基に変性されたことを特徴と
するものである。アミノメチル基がフェニレン基の2位
および6位のメチル基の0.02/X未満では、樹脂組
成物の成分として用いたときに、耐熱性や機械的物性の
向上が充分ではないので好ましくない。
【0019】該成分(A)の変性ポリフェニレンエーテ
ルの原料としては、一般式(1)で示される構造単位が
数平均で20〜1200、さらに好ましくは30〜10
00であるポリフェニレンエーテルが用いられる。一般
式(1)で示される構造単位の数がこの範囲外である
と、樹脂の加工性が悪くなったり、あるいは機械的物性
が不充分となったりして好ましくない。該成分(A)と
して用いられるポリフェニレンエーテルにおけるフェニ
レン基の2位および/または6位のメチル基がアミノメ
チル基に変性された構造単位を有する変性ポリフェニレ
ンエーテルは、成分(B)のエポキシ基含有エチレン共
重合体との反応性に富み、良好な特性を有する熱可塑性
樹脂組成物を与える。
【0020】次に、該成分(A)の変性ポリフェニレン
エーテルの製造方法について説明する。該成分(A)の
変性ポリフェニレンエーテルの製造方法としては、下記
の一般式(2)
【0021】
【化4】 (式中、R3 、R4 、R5 は、それぞれ独立に水素およ
び炭素数1〜20の炭化水素基から選ばれる。)で示さ
れる核置換フェノール類を、酸化カップリング触媒を用
いて重合する方法において、一般式(3)
【0022】
【化5】 (式中、Q1 およびQ2 は、それぞれ独立に水素、炭素
数1〜24のアルキル基および炭素数7〜24のアラル
キル基から選ばれる。ただし、Q1 とQ2 が共に水素で
あるものは含まず、またQ1 とQ2 がアルキレン基であ
って環を形成して結ばれているものも含む。)で示され
るアミン類を、核置換フェノール類1モルに対して0.
001〜0.2モル存在させて重合を行い、得られたポ
リフェニレンエーテルを溶融混練することを特徴とする
変性ポリフェニレンエーテルの製造方法が好ましい。
【0023】さらに詳しく説明すると、一般式(2)で
示される核置換フェノール類を、酸化カップリング触媒
を用いて重合する方法において、一般式(3)で示され
るアミン類を、存在させて重合する。該アミン類は、使
用する核置換フェノール類1モルに対して0.001〜
0.2モル、好ましくは0.005〜0.05モル存在
させる。使用割合が核置換フェノール類1モルに対して
0.001モルより少ない場合は品質の優れたポリフェ
ニレンエーテルが得られないので好ましくなく、また
0.2モルより多い場合は実用的な分子量のポリフェニ
レンエーテルが得られないので好ましくない。このよう
にして該アミン類を側鎖に有するポリフェニレンエーテ
ルを得ることができる。次に、ここでいう核置換フェノ
ール類とは一般式(2)で示されるものであり、核置換
フェノール類は単独で、もしくは2種以上を併用して用
いることができる。
【0024】好ましい核置換フェノール類としては2,
6−ジメチルフェノール、2,3,6−トリメチルフェ
ノール等を挙げることができる。特に2,6−ジメチル
フェノールが好ましい。
【0025】次に、一般式(3)で示されるアミン類と
しては、具体的にはn−プロピルアミン、iso−プロ
ピルアミン、n−ブチルアミン、iso−ブチルアミ
ン、sec−ブチルアミン、n−ヘキシルアミン、n−
オクチルアミン、2−エチルヘキシルアミン、シクロヘ
キシルアミン、ラウリルアミン、ベンジルアミン等の1
級アミン、およびジエチルアミン、ジ−n−プロピルア
ミン、ジ−n−ブチルアミン、ジ−iso−ブチルアミ
ン、ジ−n−オクチルアミン、ピペリジン、2−ピペコ
リン等の2級アミンが挙げられる。なお、一般式(3)
を繰り返し単位として含むと見なされるような多価アミ
ンも一般式(3)で表されるアミンと等価であり、この
ような多価アミンの例としてはエチレンジアミン、ピペ
ラジン、1,3−ジピペリジルプロパン等が挙げられ
る。
【0026】具体的には、一般式(3)で示されるアミ
ン類と、公知の銅化合物、マンガン化合物あるいはコバ
ルト化合物と塩基類から選ばれた配位子を組合わせた触
媒系を用いることが好ましい。例えば、特開昭53−7
9993号公報に記載のように、マンガン塩、塩基性反
応媒体および2級アミンからなる触媒の存在下、フェノ
ール系単量体と酸素を酸化カップリングする方法、ある
いは特開昭63−54424号公報に記載のように、核
置換フェノール類を触媒の存在下有機溶媒中で酸素含有
ガスにより酸化重合させる方法で、触媒として、二価の
マンガン塩類の1種または2種以上を含むマンガン化合
物、周期律表IA族金属の水酸化物、アルコキシド類ま
たはフェノキシド類、IIA族金属の水酸化物、酸化物
から選ばれた少なくとも一種の塩基性化合物、アルカノ
ールアミン類、およびアミン類を含む触媒系を使用する
方法が挙げられる。
【0027】このようにして、下記の一般式(4)
【化6】 (式中、Q1 およびQ2 は、それぞれ独立に水素、炭素
数1〜24のアルキル基および炭素数7〜24のアラル
キル基から選ばれる。ただし、Q1 とQ2 が共に水素で
あるものは含まず、またQ1 とQ2 がアルキレン基であ
って環を形成して結ばれているものも含む。)で示され
る基によって、フェニレン基の2位および/または6位
のメチル基が変性された構造単位を有するポリフェニレ
ンエーテルを得ることができる。
【0028】上記第2級または第3級アミンが結合した
構造単位は、ポリフェニレンエーテルの末端の構造単位
であってもよく、末端でなく主鎖の中間であってもよ
い。特に、該構造単位が、ポリフェニレンエーテルの末
端の構造単位であるものは、それを得ることが容易であ
るので好ましい。
【0029】次に、このようにして得られたフェニレン
基の2位および/または6位のメチル基に第2級または
第3級アミンが結合したポリフェニレンエーテルを脱揮
しながら溶融混練することにより、本発明の熱可塑性樹
脂組成物で用いられる成分(A)の変性ポリフェニレン
エーテルを得ることができる。該溶融混練は、シリンダ
ー設定温度200〜300℃、好ましくは230〜28
0℃で行うことがよい。シリンダー設定温度が200℃
未満では原料ポリフェニレンエーテルの成形加工性が悪
く、またシリンダー設定温度が300℃を越えるとポリ
フェニレンエーテルの分解が生じるので好ましくない。
溶融混練には一般に使用されている一軸または二軸の押
出機、各種のニーダー等の混練装置を用いることが好ま
しい。
【0030】溶融混練を行うときにラジカル開始剤を配
合して溶融混練することもできる。また、予め該ポリフ
ェニレンエーテルに、ラジカル開始剤を配合して溶融混
練することもできる。好ましく用いられるラジカル開始
剤としては、クメンハイドロパーオキサイド、t−ブチ
ルハイドロパーオキサイド、ジメチル−2,5−ビス
(ハイドロパーオキシ)ヘキサン、1,3−ビス(t−
ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、ジ−t−ブ
チルパーオキサイド、2,6−ジ−t−ブチル−4−メ
チルフェノール等が挙げられる。
【0031】本発明の熱可塑性樹脂組成物の成分(A)
には必要に応じて未変性のポリフェニレンエーテルを混
合して用いることができる。また、一般式(1)からの
みなるポリフェニレンエーテル、一般式(4)で表され
る基によってのみフェニレン基の2位および/または6
位のメチル基が変性された構造単位を有する変性ポリフ
ェニレンエーテルを、それぞれ単独または混合して用い
ても、成分(B)のエポキシ基含有エチレン共重合体と
の反応が不十分であり、好ましくない。
【0032】本発明の熱可塑性樹脂組成物の成分(A)
の変性ポリフェニレンエーテル、および未変性のポリフ
ェニレンエーテルの還元粘度ηSP/c(0.5g/dl
のクロロホルム溶液について25℃で測定した値)は、
0.30〜0.65dl/gの範囲が好ましい。ηSP
cが0.30dl/g未満では組成物の耐熱性が著しく
低下し、またηSP/cが0.65dl/gを越えると組
成物の成形性が悪くなり好ましくない。
【0033】本発明の熱可塑性樹脂組成物の成分(B)
であるエポキシ基含有エチレン共重合体とは、(a)エ
チレン単位が50〜99重量%、(b)不飽和カルボン
酸グリシジルエステル単位または不飽和グリシジルエー
テル単位が0.1〜30重量%好ましくは0.5〜20
重量%、(c)エチレン系不飽和エステル化合物単位が
0〜50重量%からなるエポキシ基含有エチレン共重合
体である。エポキシ基含有エチレン共重合体(B)にお
いて(b)不飽和カルボン酸グリシジルエステル単位お
よび不飽和グリシジルエーテル単位を与える化合物は、
それぞれ下記一般式(5)、(6)で表される。
【0034】
【化7】 (Rはエチレン系不飽和結合を有する炭素数2〜13の
炭化水素基である。)
【0035】
【化8】 (Rはエチレン系不飽和結合を有する炭素数2〜18の
炭化水素基であり、Xは−CH2 −O−または
【化9】 である。) 具体的には、グリシジルアクリレート、グリシジルメタ
クリレート、イタコン酸グリシジルエステル、アリルグ
リシジルエーテル、2−メチルアリルグリシジルエーテ
ル、スチレン−p−グリシジルエーテル等が例示され
る。
【0036】また、本発明で用いられるエポキシ基含有
エチレン共重合体には、不飽和カルボン酸グリシジルエ
ステルまたは不飽和グリシジルエーテルとエチレンおよ
び(c)エチレン系不飽和エステル化合物の3元以上の
多元共重合体を使用することもできる。 このエチレン
系不飽和エステル化合物(c)としては、酢酸ビニル、
プロピオン酸ビニル、アクリル酸メチル、アクリル酸エ
チル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸メチル、メタク
リル酸エチル、メタクリル酸ブチル等のカルボン酸ビニ
ルエステル、α、β−不飽和カルボン酸アルキルエステ
ル等が挙げられる。特に酢酸ビニル、アクリル酸メチ
ル、アクリル酸エチルが好ましい。
【0037】本発明に使用するエポキシ基含有エチレン
共重合体(B)としては、例えば、エチレン単位とグリ
シジルメタクリレート単位からなる共重合体、エチレン
単位とグリシジルメタクリレート単位およびメチルアク
リレート単位からなる共重合体、エチレン単位とグリシ
ジルメタクリレート単位およびエチルアクリレート単位
からなる共重合体、エチレン単位とグリシジルメタクリ
レート単位および酢酸ビニル単位からなる共重合体等が
挙げられる。また、該エポキシ基含有エチレン共重合体
のメルトインデックス(JIS K6760)は好まし
くは0.5〜100g/10分、更に好ましくは2〜5
0g/10分である。メルトインデックスはこの範囲外
であってもよいが、メルトインデックスが100g/1
0分を越えると組成物にした時の機械的物性の点で好ま
しくなく、0.5g/10分未満では成分(A)の変性
ポリフェニレンエーテルとの相溶性が劣る。
【0038】エポキシ基含有エチレン共重合体は、通常
不飽和エポキシ化合物とエチレンをラジカル発生剤の存
在下、500〜4000気圧、100〜300℃で適当
な溶媒や連鎖移動剤の存在下または不存在下に共重合さ
せる方法により製造される。またポリエチレンに不飽和
エポキシ化合物およびラジカル発生剤を混合し、押出機
の中で溶融グラフト共重合させる方法によっても製造す
ることができる。
【0039】本発明の熱可塑性樹脂組成物の成分(C)
の芳香族ポリカーボネートは、二価フェノールとフォス
ゲン、ハロホルメート、炭酸エステルのようなカーボネ
ート前駆体とを反応させて得られる一般式(7)で示さ
れる繰り返し構造単位を有する芳香族ポリカーボネート
である。
【化10】 (式中、Aは二価フェノールに由来する二価の芳香族基
である。)
【0040】ここで用いられる二価フェノールとは、単
環式、あるいは多環式芳香族化合物であり、芳香環中の
炭素に直接結合する2個の水酸基を有する。これら二価
フェノールの具体例としては、2,2−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)、ヒド
ロキノン、レゾルシン、2,2−ビス(ヒドロキシフェ
ニル)ペンタン、2,4’−ジヒドロキシ−ジフェニル
メタン、ビス(2−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス
(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロ
キシ−5−ニトロフェニル)メタン、1,1−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)エタン、3,3−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)ペンタン、2,2−ジヒドロキシジ
フェニル、2,6−ジヒドロキシ−ナフタレン、ビス
(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、2,4’−ジヒ
ドロキシジフェニルスルホン、5−クロロ−2,4’−
ジヒドロキシジフェニルスルホン、ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)ジフェニルジスルホン、4,4−ジヒドロ
キシジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシ−
3,3’−ジクロロジフェニルエーテル、4,4’−ジ
ヒドロキシ−2,5−ジエトキシジフェニルエーテル等
である。好ましくは、ビスフェノールAおよびその核置
換誘導体が挙げられる。これらの二価フェノールは単独
あるいは混合して用いられる。
【0041】本発明の熱可塑性樹脂組成物に用いられる
芳香族ポリカーボネートは上記の二価フェノールを原料
として公知の方法、すなわち、エステル交換法、溶液
法、界面重縮合法等により製造され、好ましくは粘度平
均分子量15000以上、さらに好ましくは25000
以上のものである。これらの具体的な重合方法は、例え
ば“ENCYCLOPEDIA OF POLYMER
SCIENCE AND TECHNOLOGY”第
10巻(John Wiley & Sons,In
c.,1969年)710〜764ページに示される
「ポリカーボネート」の項に記載されている。また、こ
れらのポリカーボネートには特公昭48−25076号
公報に示されるポリカーボネート−スチレンブロック共
重合体に例示されるような共重合体も用いることができ
る。
【0042】本発明の熱可塑性樹脂組成物においては、
所望により無機充填剤を用いることができる。このよう
な無機充填剤としては、炭酸カルシウム、タルク、クレ
ー、シリカ、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、酸化チ
タン、アルミナ、石膏、ガラス繊維、炭素繊維、アルミ
ナ繊維、ホウ酸アルミニウムウィスカ、チタン酸カリウ
ム繊維等が例示される。
【0043】本発明の熱可塑性樹脂組成物に、必要に応
じて、さらに酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、難燃
剤、滑剤、帯電防止剤、無機または有機系着色剤、防錆
剤、架橋剤、発泡剤、蛍光剤、表面平滑剤、表面光沢改
良剤、フッ素樹脂などの離型改良剤などの各種の添加剤
を製造工程中あるいはその後の加工工程において添加す
ることができる。
【0044】本発明の熱可塑性樹脂組成物においては、
成分(A)、成分(B)および成分(C)の組成比が特
定の範囲内の値をとることによって目的とする熱可塑性
樹脂組成物を得ることができる。
【0045】本発明の熱可塑性樹脂組成物における成分
(A)の変性ポリフェニレンエーテルと成分(B)のエ
ポキシ基含有エチレン共重合体との組成比は、成分
(A)100重量部に対して成分(B)が0.1〜70
重量部、好ましくは1〜40重量部、さらに好ましくは
3〜30重量部である。成分(B)が0.1重量部未満
であると該組成物の耐衝撃性向上効果が認められず、ま
た成分(B)が70重量部を超えると該組成物の耐熱性
および剛性が低下するので好ましくない。
【0046】本発明の熱可塑性樹脂組成物における成分
(A)と成分(B)の重量和と成分(C)との比率は、
成分(A)と成分(B)の重量和が1〜99重量%に対
して成分(C)が99〜1重量%である。(成分(A)
+成分(B))が1重量%未満だと組成物の耐熱性が不
十分であり、また99重量%を超すと組成分の成形加工
性が低下し好ましくない。
【0047】本発明の熱可塑性樹脂組成物を製造する方
法としては、例えば、混練機を用いて未変性のポリフェ
ニレンエーテルを脱揮しながら溶融混練することにより
成分(A)の変性ポリフェニレンエーテルを得た後に、
それに成分(B)のエポキシ基含有エチレン共重合体お
よび成分(C)の芳香族ポリカーボネートを配合して一
括混練して該組成物を製造する方法、あるいは成分
(A)の変性ポリフェニレンエーテル、成分(B)のエ
ポキシ基含有エチレン共重合体および成分(C)の芳香
族ポリカーボネートをそれぞれ溶剤で溶解して溶液状態
で各成分を混合し、溶剤を蒸発させる、もしくは樹脂成
分が溶解しない溶剤中に投入して樹脂組成物を沈澱させ
る方法等が挙げられる。
【0048】さらには、混練押出機の第一フィード口か
ら未変性のポリフェニレンエーテルを投入し、第一フィ
ード口から第二フィード口の間の混練押出機内で該ポリ
フェニレンエーテルを溶融混練して、変性ポリフェニレ
ンエーテルを製造した後に、該押出混練機の第二フィー
ド口から成分(B)のエポキシ基含有エチレン共重合
体、成分(C)の芳香族ポリカーボネートなどを投入
し、該変性ポリフェニレンエーテルと該エポキシ基含有
エチレン共重合体および該芳香族ポリカーボネートなど
を該混練押出機内で溶融混練して本発明の熱可塑性樹脂
組成物を製造する方法も挙げられる。また、予め成分
(A)と成分(B)を混練した後、次いで成分(C)を
混練してもよいし、その他の混練順序もとり得る。
【0049】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明するが、こ
れらは単なる例示であり、本発明はこれらに限定される
ことはない。
【0050】〔原料ポリフェニレンエーテル、変性ポリ
フェニレンエーテル中のアミンの定量〕 ・全アミン中の窒素含量:試料約1gを秤量して、クロ
ロホルム50cc中に溶解し、酢酸5ccを加えた後、
京都電子(株)製電位差滴定装置AT−310(ガラス
−カロメル電極、滴定液0.1モル過塩素酸、(酢酸溶
液))を用いて電位差滴定を行い、次式にしたがって全
アミン中の窒素含量を求めた。 NT =0.0014×A×C1 ×100/S NT :全アミンの窒素含量(%) A:滴定量(cc) S:試料量(g) C1 :過塩素酸溶液の濃度(モル/リットル)
【0051】・第3級アミン中の窒素含量:試料約1g
を秤量して、クロロホルム50cc中に溶解し無水酢酸
5ccを加え、放置したのち酢酸5ccを加えたのち全
アミン中の窒素含量滴定の場合と同様に電位差滴定を行
い、次式にしたがって3級アミン中の窒素含量を求め
た。 N3 =0.0014×B×C2 ×100/S N3 :第3級アミン中の窒素含量(%) B:滴定量(cc) S:試料量(g) C2 :過塩素酸溶液の濃度(モル/リットル)
【0052】・第2級アミン中の窒素含量:試料約1g
を秤量して、クロロホルム50cc中に溶解し、サリチ
ルアルデヒド0.5ccを加え、放置したのち滴定試薬
を0.1モル/リットル塩酸の2−プロパノール溶液と
した以外は全アミン量滴定の場合と同様にして電位差滴
定を行い、次式にしたがってまず試料中の(第2級アミ
ン+第3級アミン)の窒素含量N2 3 (%)を求め
た。 N2 3 =0.014×C×D×100/S C:滴定塩酸の濃度(モル/リットル) D:滴定量(cc) S:試料量(g) 次に次式にしたがって試料中第2級アミンの窒素含有量
2 (%)を求めた。 N2 =N2 3 −N3
【0053】・第1級アミン中の窒素含量:次式にした
がって試料中の第1級アミンの窒素含量N1 (%)を求
めた。 N1 =NT −N2 −N3
【0054】〔NMR測定〕ブルカー社製AMX600
型スペクトロメータを用い、 1Hの共鳴周波数が60
0.14MHz、13Cの共鳴周波数が150.92MH
zで測定を行なった。試料はCDCl3 に溶解し、測定
温度は40℃であった。化学シフトは、 1H−NMRの
場合CHCl3 のピークを7.24ppmとし、13C−
NMRの場合13CDCl3 のピークを77.1ppmと
して算出した。なお、R−1のピークの帰属は主にマク
ロモレキュルズ(Macromolecules)、2
3巻1318〜1329頁(1990年)の論文に基づ
いて行った。
【0055】〔成形品の物性測定方法〕物性測定は得ら
れた組成物について日精樹脂工業(株)製PS40E5
ASE型射出成形機を用いて、成形温度270℃〜34
0℃、金型温度80〜110℃で射出成形した成形品に
ついて行った。
【0056】・メルトインデックス(MI) JIS K6760に準じて、荷重10kg、温度28
0℃で測定した。単位はg/10minである。 ・引張試験 ASTM4号引張ダンベルを成形し、ASTM D63
8に準じて引張強度、伸び率を測定した。
【0057】・曲げ弾性率 試験片(6.4mm厚)についてASTM D790に
準じて、測定した。 ・加熱変形試験(TDUL) 試験片(6.4mm厚)について荷重18.6kgでA
STM D648に準じて測定した。
【0058】・アイゾット衝撃強度 試験片(3.2mm厚)についてノッチ付きでJISK
7110に従い、室温で測定した。 ・成形収縮率 射出成形品の流れ方向(MD)と流れに垂直な方向(T
D)の寸法を測定し、金型原寸に対する比として求め
た。
【0059】〔成分(A)のポリフェニレンエーテル、
変性ポリフェニレンエーテル〕 参考例1 撹拌機、温度計、コンデンサーおよびオートクレーブの
底部まで届いた空気導入管を備えた容量10リットルの
ジャケット付きオートクレーブにキシレン3420g、
メタノール1366g、2,6−ジメチルフェノール1
222g(10.02モル)および水酸化ナトリウム2
4gを仕込み均一な溶液とした後、該溶液をジエタノー
ルアミン33.8g、ジ−n−ブチルアミン27.7g
(0.233モル、2,6−ジメチルフェノール1モル
に対して0.0233モル)および塩化マンガン四水和
物0.99gをメタノール100gに溶解した溶液に加
えた。
【0060】ついで、内容物を激しく攪拌しながら、こ
れに空気を5リットル/分の流量で吹き込んだ。反応温
度および圧力をそれぞれ35℃および9kg/cm2
維持した。空気の吹き込み開始から7時間経過した時点
で空気の供給を停止し、反応混合物を酢酸66gとメタ
ノール4,900gの混合物中へ投じた。得られたスラ
リーを減圧ろ過し、湿潤状態のポリフェニレンエーテル
を単離した。単離したポリフェニレンエーテルをメタノ
ール7,200gで洗浄した後、150℃で一夜減圧乾
燥し、乾燥状態のポリフェニレンエーテル1160gを
得た。全く同様の操作で4回ポリフェニレンエーテルの
合成を繰り返し行ない、乾燥状態のポリフェニレンエー
テルを計4640g得た。このポリフェニレンエーテル
の数平均分子量は6000、数平均重合度は50であっ
た。以下本ポリフェニレンエーテルをA−1と略記する
ことがある。表1にA−1の各種アミンの窒素含量を示
す。これから、ポリフェニレンエーテルの2位および6
位の置換メチル基の0.43%が第3級ジブチルアミノ
基に置換されていることがわかる。
【0061】ポリフェニレンエーテルA−1を100重
量部、酸化防止剤イルガノックス1330(商品名)
0.3重量部、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフ
ェノール0.2重合部をヘンシェルミキサーで混合後、
池貝鉄工(株)製2軸押出機PCM−30を使用し、ホ
ッパーを窒素雰囲気下としたところへ投入して、シリン
ダー設定温度273℃、スクリュー回転数80rpm
で、脱揮を行ないながら混練を行った。得られた変性ポ
リフェニレンエーテルの数平均分子量は6800、数平
均重合度は56.7であった。以下、この変性ポリフェ
ニレンエーテルをA−2と略記することがある。表1に
A−2の各種アミンの窒素含量を示す。原料ポリフェニ
レンエーテルと比較すると、第3級アミンが大幅に減少
し、第1級アミンが著しく増加した変性ポリフェニレン
エーテルが得られたことがわかる。
【0062】
【表1】
【0063】これから、ポリフェニレンエーテルの2位
および6位の置換メチル基の0.30%がアミノメチレ
ン基に置換されていることがわかる。
【0064】A−1およびA−2の2次元HMQC N
MRスペクトルを、それぞれ図1、図2に示す。図1お
よび図2において、縦の軸が13Cの化学シフト、横の軸
1Hの化学シフトを示す。このスペクトルにおいて
は、観測時に13Cのデカップリングを行なっていないた
め、1つのシグナルは 1H軸方向に分裂した2つのピー
クとして観測される。シグナルの13C−NMR化学シフ
トは、ピーク位置で与えられる。1H−NMR化学シフ
トは、分裂した2つのピーク位置の中点で与えられる。
図中、矢印で示す。
【0065】主なピークの帰属は以下のとおりである。
A−1の2次元HMQC NMRスペクトル中、13C:
58.1ppm、 1H:3.62ppmの化学シフトを
もつシグナルは、文献 Macromolecule
s、23、1318(1990)によりジブチルアミン
の結合したポリフェニレンエーテルのフェニレン基の2
位あるいは6位のメチレン基の炭素および水素にそれぞ
れ帰属される。このシグナルの強度はA−2では大幅に
減少し、新たに13C:36.3ppm、 1H:3.89
ppmの化学シフトをもつシグナルが認められる。文献
Phytochem.、18、1547(1979)
により第一級アミンの結合したベンジル基のメチレン基
の炭素の化学シフトが39.4ppmを示すこと、また
文献 Aldrich Library of NMR
Spectra、II、1066(1983)によ
り、第一級アミンの結合したベンジル基のメチレン基の
水素の化学シフトが3.9ppmを示すことが知られて
いる。従って、A−2で認められた13C:36.3pp
m、 1H:3.89ppmの化学シフトをもつシグナル
は、第一級アミンの結合したポリフェニレンエーテルの
フェニレン基の2位あるいは6位のメチレン基の炭素お
よび水素に帰属される。この結果は、先の滴定によるア
ミノ基の分析結果と一致する。
【0066】本発明の熱可塑性樹脂組成物に使用した、
上記以外の成分(A)のポリフェニレンエーテルの略称
および内容は下記のとおりである。 A−3:日本ポリエーテル(株)製ポリフェニレンエー
テル,ηSP/C=0.3 A−4:日本ポリエーテル(株)製ポリフェニレンエー
テル,ηSP/C=0.6 A−5:日本ポリエーテル(株)製ポリフェニレンエー
テル,ηSP/C=0.4 ここで、還元粘度ηSP/Cは0.5g/dlのポリフェ
ニレンエーテルのクロロホルム溶液について25℃で測
定した値である。
【0067】〔成分(B)のエポキシ基含有エチレン共
重合体〕本発明の熱可塑性樹脂組成物の成分(B)に使
用したエポキシ基含有エチレン共重合体の略称および内
容は下記のとおりである。 B−1:住友化学工業(株)製 ボンドファースト7
M、E/GMA/MA=64/6/30重量比、MFR
=9 B−2:住友化学工業(株)製 ボンドファースト7
L、E/GMA/MA=67/3/30重量比、MFR
=9 B−3:住友化学工業(株)製 ボンドファースト2
C、E/GMA=94/6、MFR=3 B−4:住友化学工業(株)製 ボンドファースト2
A、E/GMA/VA=89/3/8重量比、MFR=
3 ここで、Eはエチレン、GMAはグリシジルメタクリレ
ート、MAはメチルアクリレート、VAはビニルアセテ
ートを示す。また、MFRはJIS K6760に準じ
て荷重2.16kg、温度190℃で測定した。単位は
g/10minである。
【0068】〔成分(C)の芳香族ポリカーボネート〕
本発明の熱可塑性樹脂組成物の成分(C)に使用した芳
香族ポリカーボネートの略称および内容は下記のとおり
である。 C−1:住友ダウ(株)製 ポリカーボネート CAL
IBRE 300−4、MFR=4 C−2:住友ダウ(株)製 ポリカーボネート CAL
IBRE 300−15、MFR=15 C−3:住友ダウ(株)製 ポリカーボネート CAL
IBRE 300−6、MFR=6 MFRはJIS K6760に準じて荷重1.2kg、
温度300℃で測定した。単位はg/10minであ
る。
【0069】実施例1〜5、比較例1〜7 表2に記す組成で各成分を安定剤とともにヘンシェルミ
キサーで一括混合し、池貝鉄工(株)製 PCM−2型
(2軸押出機)を使用してシリンダー設定温度262
℃、回転数80rpmで混練を行なったのち、成形し、
得られた成形体について物性測定を行なった。結果を表
2に示す。
【0070】比較例2の組成物(A−2:B−1=9
0:10)を上記の方法で得た後、それに成分C(C−
1)を加えて混合し、上記の条件で混練してなる本発明
の組成物のアイゾット衝撃強度と成分C(C−1)の重
量%との関係を図3に示す。
【0071】実施例6、7および比較例8 日本製鋼(株)製 TEX44 SS−30BW−2V
型 2軸押出機を使用してシリンダー設定温度265
℃、スクリュー回転数300rpmで混練を行なった。
その際、第1フィード口から成分(A)を、第2フィー
ド口から成分(B)と成分(C)を表3に示す組成で供
給して混練した。得られたペレットを成形後物性測定し
た。結果を表3に示す。
【0072】表2、3および図3から、本発明の熱可塑
性樹脂組成物は耐熱性、耐衝撃性などの機械的性質、成
形加工性、寸法安定性、なかでも特に耐衝撃性が優れた
熱可塑性樹脂組成物であることがわかる。
【0073】
【表2】
【0074】
【表3】
【0075】
【発明の効果】本発明の熱可塑性樹脂組成物は、機械的
性質特に耐衝撃性、高い耐熱性、寸法安定性、成形加工
性、外観の優れた樹脂組成物であり、このような特性を
生かして射出成形や押出成形により成形品、シート、チ
ューブ、フィルム、繊維、積層物、コーティング材等に
用いられるものである。
【0076】特に自動車部品、例えば、バンパー、グロ
ーブボックス、コンソールボックス、ブレーキオイルタ
ンク、ラジエーターグリル、クーリングファン、ランプ
ハウジング、エアクリーナー、インストルメントパネ
ル、フェンダー、ドアトリム、リアエンドトリム、ドア
ーパネル、ホィールカバー、サイドプロテクター、エア
ーインテーク、ガーニッシュ、トランクリッド、ボンネ
ット、シロッコファン、ルーフ等の内装・外装材料、さ
らには耐熱性の要求される機械部品に用いられる。また
二輪車用部品として、例えば、カバリング材、マフラー
カバー、レッグシールド等に用いられる。
【0077】また、光ファイバーケーブル被覆材、さら
に、電気、電子部品としてハウジング、シャーシー、コ
ネクター、プリント基板、プーリー、その他、優れた機
械的性質および耐熱性の要求される部品に用いられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ポリフェニレンエーテル(A−1)の2次元H
MQC NMRスペクトル図を表す。
【図2】変性ポリフェニレンエーテル(A−2)の2次
元HMQC NMRスペクトル図を表す。
【図3】本発明の熱可塑性樹脂組成物中のC−1成分の
分率とアイゾット衝撃強度との関係を表す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 23:08) (C08L 71/12 69:00 63:00)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)下記構造単位(1)で表されるポリ
    フェニレンエーテル 【化1】 (式中、R1 およびR2 は、それぞれ独立に水素および
    炭素数1〜20の炭化水素基から選ばれる。)からな
    り、数平均重合度が20〜1200であるポリフェニレ
    ンエーテルにおいて、数平均重合度をXとしたとき、フ
    ェニレン基の2位および/または6位のメチル基の0.
    02/X〜1/Xの割合がアミノメチル基に変性された
    変性ポリフェニレンエーテル、 (B)(a)エチレン単位が50〜99重量%、(b)
    不飽和カルボン酸グリシジルエステル単位または不飽和
    グリシジルエーテル単位が0.1〜30重量%、(c)
    エチレン系不飽和エステル化合物単位が0〜50重量%
    からなるエポキシ基含有エチレン共重合体、および、 (C)芳香族ポリカーボネートを主成分としてなり、成
    分(A)と成分(B)の配合割合が、成分(A)100
    重量部に対して成分(B)が0.1〜70重量部であ
    り、成分(A)と成分(B)の重量和と成分(C)の比
    率が(成分(A)+成分(B))が1〜99重量%に対
    して成分(C)が99〜1重量%である熱可塑性樹脂組
    成物。
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