JP3380681B2 - 固体電解質型燃料電池セルの製造方法 - Google Patents

固体電解質型燃料電池セルの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、固体電解質型燃料
電池セルの製造方法に関するもので、特に燃料極の改良
に関するものである。 【0002】 【従来技術】従来より、固体電解質型燃料電池はその作
動温度が1000〜1050℃と高温であるため発電効
率が高く、第3世代の発電システムとして期待されてい
る。 【0003】一般に、固体電解質型燃料電池セルには円
筒型と平板型が知られている。平板型燃料電池セルは、
発電の単位体積当り出力密度が高いという特長を有する
が、実用化に関してはガスシール不完全性やセル内の温
度分布の不均一性などの問題がある。それに対して、円
筒型燃料電池セルでは、出力密度は低いものの、セルの
機械的強度が高く、またセル内の温度の均一性が保てる
という特長がある。両形状の固体電解質型燃料電池セル
とも、それぞれの特長を生かして積極的に研究開発が進
められている。 【0004】円筒型燃料電池の単セルは、図1に示した
ように開気孔率40%程度のCaO安定化ZrO2を支
持管1とし、その上にLaMnO3系材料からなる多孔
性の空気極2を形成し、その表面にY23安定化ZrO
2からなる固体電解質3を被覆し、さらにこの表面に多
孔性のNi−ジルコニアの燃料極4が設けられている。
燃料電池のモジュールにおいては、各単セルはCa、S
r、Mgを固溶させたLaCrO3系材料からなるイン
ターコネクタ5を介してNiフェルトで接続される。こ
のような燃料電池の発電は、各単セルを1000℃程度
の温度で保持するとともに、支持管1内部に空気(酸
素)6を、外部に燃料ガス7、例えば、水素、都市ガス
等を供給することにより行われる。 【0005】そして、近年、セル作製工程においてプロ
セス単純化のため、空気極材料であるLaMnO3系材
料を直接多孔性の支持管として使用する試みがなされて
いる。空気極としての機能を併せ持つ支持管材料として
は、LaをCaあるいはSrで10〜20原子%置換し
たLaMnO3固溶体材料が用いられている。 【0006】また、平板型燃料電池の単セルは、円筒型
セルと同じ材料系を用いて図2に示したように固体電解
質8の一方に多孔性の空気極9が、他方に多孔性の燃料
極10が設けられている。単セル間の接続は、セパレー
タ11と呼ばれるMgやCaを添加した緻密質のLaC
rO3材料が用いられる。 【0007】そして、上記した円筒型および平板型の固
体電解質型燃料電池セルの燃料極は、一般的にNi粉末
とZrO2(Y23含有)粉末あるいはNiO粉末とZ
rO2(Y23含有)粉末の混合粉末をスクリーン印刷
法により固体電解質表面に塗布するか、あるいは混合粉
末を含有する溶液中に浸漬した後、乾燥し燃料極として
形成されていた。また、後者のNiO/ZrO2(Y2
3含有)混合粉末の場合は、1000〜1400℃の還
元雰囲気で熱処理して燃料極として形成されていた。 【0008】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の方法で作製された燃料極は長時間の発電においてNi
(NiOは発電中に還元されNiとなる)の凝集や粒成
長により発電性能が低下するという大きな問題が発生し
ていた。 【0009】また、近年、この問題を解決するため、特
開平7−22032号に開示されるように、Zrおよび
Y元素を含むオクチル酸塩、ナフテン酸塩等の有機金属
化合物を熱分解させ、Ni等の金属粒子表面に微粒のZ
rO2(Y23含有)セラミック粒子を析出させてNi
の凝集や焼結による性能低下を抑制する方法が提案され
ているが、この方法においてもNiの凝集や焼結を防止
するには充分ではなかった。 【0010】 【課題を解決するための手段】本発明は、上記問題に検
討を加えた結果、燃料極を構成している金属粒子の表面
と同時に金属粒子内部に微粒子のセラミック粒子を析出
せしめることにより、金属の凝集や焼結の抑制効果が著
しく向上することを見出し本発明に至った。 【0011】即ち、本発明の固体電解質型燃料電池セル
の製造方法は、固体電解質の片面に多孔性の空気極、他
面に多孔性の燃料極が形成された固体電解質型燃料電池
セルの製造方法であって、前記燃料極を、Ni、Co、
FeおよびRuのうち少なくとも1種の金属元素と、Z
rおよび/またはCeと、を含む有機金属化合物溶液を
前記固体電解質表面に塗布して熱分解させ、表面および
内部に微粒のセラミック粒子が析出した金属粒子により
形成する方法である。 【0012】 【作用】本発明の固体電解質型燃料電池セルの製造方法
では、燃料極中において、有機金属化合物溶液、例えば
ナフテン酸塩、オクチル酸塩等を固体電解質表面に塗布
し、熱分解させ、微粒のセラミック粒子、例えば、Zr
2微粒子をNi金属表面に析出させると同時に内部に
もZrO2微粒子を析出させることにより、金属の凝集
や粒成長が飛躍的に抑制される。 【0013】 【発明の実施の形態】本発明の固体電解質型燃料電池セ
ルにおける燃料極の基本構造は、図3に示すように、例
えば固体電解質3表面の燃料極4がNi等の金属粒子3
1の表面に微粒のセラミック粒子33が膜状および/あ
るいは微粒子の状態で析出し、さらに内部に微粒のセラ
ミック粒子33が析出した構造となっている。この微粒
なセラミック粒子33の一次粒子径は熱処理条件等の作
成条件により変化するが、平均粒子径としては0.01
〜0.5μmの程度の大きさからなる。金属粒子の平均
粒径は、1〜20μm、電気伝導性およびガス透過性の
観点から5〜10μmであることが望ましい。 【0014】本発明の燃料極4は、金属粒子31として
は、Niの他Co、Fe、Ruの単体およびそれらの合
金が使用される。また、微粒のセラミック粒子33とし
てはZrO2、CeO2の単体、およびそれらの固溶体の
他、Y、Yb、Sc、Sm、Nd、Dy、Pr等の希土
類元素を1〜30モル%含有するZrO2固溶体または
CeO2固溶体、およびYや希土類元素を含有したZr
2とCeO2の固溶体を用いることができる。これらの
中で経済性の観点から燃料極材料としてはNiとZrO
3(Y23含有)あるいはNiとCeO2の組み合わせが
好ましい。 【0015】このような燃料極構造は、Ni、Co、F
e、Ruの金属元素と、Zrおよび/またはCeと、
同時に含む有機金属化合物溶液、例えば、オクチル酸
塩、ナフテン酸塩、ネオデカン酸塩、エチルヘキサン酸
塩、プロピオン酸塩等をトルエン等の溶剤に溶解させた
溶液を固体電解質表面にスクリーン印刷あるいはスラリ
ーディップ等の周知の技術により塗布した後、酸化性雰
囲気中で400〜1600℃の温度で1〜10時間熱分
解させて作製される。有機金属化合物溶液には、Yおよ
び希土類元素から選ばれる元素を含んでも良い。酸化雰
囲気中での熱処理においては、Ni、Co、Fe金属は
酸化されるため、還元雰囲気中での再処理が必要であ
る。金属酸化物を還元するためには、酸素濃度が1%以
下のN2、Ar中で熱処理することが望ましい。 【0016】Ni等の金属粒子31の表面および内部に
微粒のセラミック粒子33を析出させるには、Ni等の
金属粒子と、Zrおよび/またはCeと、を同時に含む
有機金属化合物溶液を用いる必要がある。尚、Ni等の
金属粒子31の表面に微粒のセラミック粒子33を析出
させるには、Zrおよび/またはCeを含む有機金属化
合物溶液にNi等の金属粉末を分散させた溶液を作製
し、これを塗布することにより得られる。 【0017】図3に示す燃料極においては、Ni、C
o、Fe、Ru金属とYおよび希土類元素から構成され
る酸化物との重量比率は、Ni、Co、Fe、Ruが金
属換算で99〜50重量%、Zrおよび/またはCeの
酸化物(Yおよび希土類元素を含有する場合も含む)が
1〜50重量%の範囲が好ましい。Ni等の金属が99
重量%より多いと、金属の発電時の凝集あるいは粒成長
を充分抑制できない。それに対して、Ni等の金属が5
0重量%より少なくなると、電気伝導性が低下して発電
性能が悪くなる傾向にあるからである。これら金属と酸
化物との重量比率としては、金属が80〜90重量%、
Zrおよび/またはCeの酸化物(Yおよび希土類元素
を含有する場合も含む)が10〜20重量%が特に好ま
しい。 【0018】また、燃料極の厚みとしては電気伝導性と
ガスの透過率の観点から、平板型セルの場合20〜20
0μmが、円筒型セルの場合は30〜300μmの範囲
が優れる。 【0019】燃料極として、図4に示すように、固体電
解質3表面に粗粒のセラミック粒子35で構成した多孔
質体(骨格)36の空孔中に、表面または表面と内部に
膜状および/または粒子状に微粒のセラミック粒子37
が析出した金属39を分散させた構造を有するものもあ
。この様な燃料極4においては、粗粒のセラミック粒
子35が骨格を形成しているため、燃料極4の固体電解
質3への付着強度が高く、温度サイクルによる燃料極4
の剥離が極めて少なくなり高い出力密度を有する。骨格
を形成するセラミック粒子35および微粒のセラミック
粒子37とも、ZrO2、CeO2単体、またはこれらの
固溶体、あるいはY、Yb、Sc、Sm、Nd、Dy、
Pr等の希土類元素酸化物を含有するZrO2、CeO2
から構成されることが好ましい。 【0020】この場合、金属が50〜95重量%(金属
換算)、微粒のセラミック粒子が1〜20重量%、粗粒
のセラミック粒子が4〜30重量%の範囲が優れる。金
属が95重量%より多い場合、または微粒のセラミック
粒子が1重量%より少ない場合、または粗粒のセラミッ
ク粒子が4重量%より少ない場合には、発電時の金属の
凝集、粒成長の抑制効果が小さい。また、金属が50重
量%より少ない場合、または微粒のセラミック粒子が2
0重量%より多い場合、あるいは粗粒のセラミック粒子
が30重量%より多い場合には、電気伝導性が低下して
発電性能が悪くなる傾向にある。特に、金属が60〜8
0重量%(金属換算)、微粒のセラミック粒子が10〜
20重量%、粗粒のセラミック粒子が10〜20重量%
の範囲が優れる。 【0021】骨格を形成する粗粒のセラミック粒子の大
きさとしては、平均粒子径で0.5〜30μm、特に2
〜10μmの範囲が優れる。また、微粒のセラミック粒
子の一次粒子の大きさとしては、平均粒子径で0.01
〜0.5μm、特に0.1〜0.5μmの範囲が優れ
る。 【0022】このような燃料極中のセラミックの骨格
は、まず粗粒のセラミック粒子を固体電解質表面にスク
リーン印刷あるいはスラリーディップ等の周知の技術に
より塗布した後、酸化性雰囲気中で1000〜1700
℃、好ましくは1200〜1400℃の温度で1〜10
時間熱処理して形成する。その後、Ni、Co、Fe、
Ruの金属元素とZrおよび/またはCeと、を同時
に含む有機金属化合物溶液、例えば、オクチル酸塩、ナ
フテン酸塩、ネオデカン酸塩、エチルヘキサン酸塩、プ
ロピオン酸塩をトルエン等の溶剤に溶解させた溶液を骨
格中に含浸した後、酸化性雰囲気中で400〜1600
℃の温度で熱分解させ、金属表面および内部に微粒のセ
ラミックを析出させて燃料極が形成される。 【0023】あるいは、粗粒のセラミック粒子とNi
O、CoO等のNi、Co金属を含有する酸化物を混合
し、固体電解質表面にスクリーン印刷あるいはスラリ−
ディップ等の周知の技術により塗布した後、酸化性雰囲
気中で1000〜1700℃、好ましくは1200〜1
400℃の温度で1〜10時間熱処理して骨格を形成
し、骨格中にNiO、CoO等の金属酸化物を含有させ
る。この後、Zrおよび/またはCeを含む有機金属化
合物溶液、例えば、オクチル酸塩、ナフテン酸塩、ネオ
デカン酸塩、エチルヘキサン酸塩、プロピオン酸塩をト
ルエン等の溶剤に溶解させた溶液を骨格中に含浸した
後、酸化性雰囲気中で400〜1600℃の温度で熱分
解させて、微粒のセラミック粒子を金属酸化物表面に析
出させた後、NiO、CoO等の金属酸化物の還元処理
を行なうことにより、粗粒のセラミック粒子からなる骨
格中に、表面に微粒子のセラミック粒子を析出させた金
属粒子からなる燃料極が形成される。 【0024】あるいは、NiO、CoO等の金属酸化物
を含有した骨格について、NiO、CoO等の金属酸化
物を還元する処理を行なった後、Zrおよび/またはC
eを含む有機金属化合物溶液、例えば、オクチル酸塩、
ナフテン酸塩等をトルエル等の溶剤に溶解させた溶液を
骨格中に注入した後、酸素濃度が1%以下のAr、N2
中で熱分解させて微粒のセラミック粒子を析出させても
良い。 【0025】尚、燃料極中の金属成分としては、上述の
Ni、Co等の酸化物の他に、熱処理により酸化物を形
成する炭酸塩、酢酸塩、臭酸塩等も使用することができ
る。 【0026】また、上記方法において、有機金属化合物
溶液には、Zrおよび/またはCeの他に、Yおよび希
土類元素から選ばれる元素を含有しても良い。 【0027】本発明により構成される円筒型燃料電池セ
ルの構造は、例えば、図1に示したように開気孔率40
%程度のY23あるいはCaO安定化ZrO2を支持管
1とし、その上にスラリーディップ法により多孔性の空
気極2としてLaをCa、Srで10〜20原子%置換
したLaMnO2系材料を塗布し、その表面に気相合成
法(EVD)や、あるいは溶射法により固体電解質3で
あるY23安定化ZrO2膜あるいはY23,Yb23
あるいはCaO含有するCeO2膜を被覆し、さらにこ
の表面に多孔性の本発明の図3の燃料極4が形成されて
いる。また、燃料電池セルは、支持管を用いることな
く、LaをCa、Srで10〜20原子%置換したLa
MnO3からなる空気極を支持管として用いても良い。 【0028】また、インターコネクタ5と呼ばれる集電
体としては、5〜20モル%のCaO、MgOを添加し
たLaCrO3が気相合成法や溶射法を用いて空気極と
接するように形成される。 【0029】また、平板型セルにおいても、円筒型セル
と同一の材料を用いて、図2のように作製することがで
きる。 【0030】尚、燃料電池セルは、固体電解質の一面に
空気極、多面に燃料極が形成されたものであれば良く、
上記構造に限定されるものではない。 【0031】 【実施例】実施例1 純度が99.9%で平均粒子径が0.5μmのZrO2
(Y2310モル%含有)粉末、純度が99.8%で平
均粒子径が2μmのLa0.9Sr0.1MnO3の空気極粉
末をそれぞれ準備した。また、Ni、Co、Fe、Ru
の一種と、Zr、Ce、Y、Yb、Sc、Sm、Ndお
よびDyの一種以上を含有するオクチル酸塩をトルエン
に溶解させた溶液も合わせて準備した。上記の0.5μ
mのZrO2粉末をプレス成形した後、大気中1500
℃で3時間焼成して、理論密度比99.5%以上の厚み
0.3mm、直径30mmの固体電解質円板を作製し
た。その後、この固体電解質円板の一方の面に平均粒子
径が2μmのLa0.9Sr0.1MnO3ペーストを塗布し
て、大気中1200℃で2時間熱処理して固体電解質へ
の焼き付けを行い空気極を形成した。また、上記オクチ
ル酸塩をトルエンに溶解した溶液を、表1および表2に
示す組成になるように調整した後、固体電解質の一面に
塗布し、大気中1200℃で2時間熱処理して熱分解を
行なわせて燃料極を形成した。例えば、試料No.6で
は、Ni、Zr、Yをそれぞれ含有するオクチル酸塩
を、Niが80重量%、ZrO2を20重量%からな
り、ZrO2中にY23が10モル%含有するようにト
ルエンに溶解した溶液を用いて燃料極を作製した。この
際、空気極および燃料極の厚みをそれぞれ約50μmと
した。 【0032】発電は上述の固体電解質の空気極側に酸素
を、燃料極側に水素を流し、1000℃で発電を行い、
100時間後の出力密度と、100時間後の出力密度に
対する3000時間後の出力密度の低下率を求めた。 【0033】この実験においては、比較のため従来のボ
ールミルにより混合した平均粒子径が5μmのNiOと
ZrO2(10モル%含有Y23)で重量比率がNi:
ZrO2=80:20の混合粉末を燃料極として用いた
(試料No.1)。また、平均粒子径が5μmのNiO
粉末と、Y、Zrを含有するオクチル酸塩からなる溶液
を用い、該溶液に前記NiO粉末を分散させ、これを固
体電解質の一面に塗布した後、大気中1200℃で2時
間熱処理して熱分解を行なわせて燃料極を形成した(試
料No.2)。また、金属表面および内部の微粒のセラ
ミック粒子の析出の有無を走査型電子顕微鏡で観察し
た。これらの結果を表1および表2に示す。 【0034】 【表1】【0035】 【表2】【0036】表1および表2より、金属比率が99重量
%を越える試料No.3は長時間発電による出力密度の
低下がやや大きいことが分かる。また、金属比率が50
重量%より小さな試料No.10、12、46では出力
密度の低下は小さいものの、電気伝導性がやや低いため
出力密度の絶対値が小さいことが分かる。それに対し
て、金属比率が50〜99重量%の範囲のものは全て出
力密度も高く低下率も小さかった。また、走査型電子顕
微鏡による観察から本発明の試料については全て金属粒
子の表面および内部に微粒のセラミック粒子の析出が観
察された。 【0037】参考例1 純度が99.9%で平均粒子径が3μmのZrO2(1
0モル%含有Y23、Yb23)粉末に約5〜30体積
%のフロービーズ(商品名)のポア形成剤を添加して混
合した後、実施例1の片面に空気極が形成された固体電
解質円板の一面に塗布し、大気中1400℃で2時間熱
処理して固体電解質表面に厚み約50μmの粗粒セラミ
ックからなる多孔質体(骨格)を形成した。この多孔質
体の空孔中に表3の組成になるように実施例1のNi、
Co、Fe、Ruの一種と、Zr、Ce、Y、Yb、S
c、Smの一種以上を含有するオクチル酸塩をトルエン
に溶解させた溶液を注入した後、大気中1000℃で2
時間熱処理して熱分解を行なわせ燃料極を形成した。こ
の際、表中の骨格を形成している粗粒セラミックの重量
比率は1400℃の熱処理前後の重量変化から求めた。
この後実施例1に従い発電試験と微粒のセラミック粒子
の観察を行い、結果を表3に示した。 【0038】 【表3】【0039】この表3より、金属比率が50重量%より
小さな試料No.53では出力密度の低下は小さいもの
の、電気伝導性が低いため出力密度の絶対値がやや小さ
いことが分かる。また、微粒のセラミック粒子が20重
量%を越える試料No.55および67では出力密度の
絶対値がやや小さいことが分かる。また、走査型電子顕
微鏡による観察から、全ての試料について金属粒子の表
面および内部に微粒のセラミック粒子の析出が観察され
た。 【0040】参考例2純度が99.9%で平均粒子径が
それぞれ5μmのZrO2(10モル%含有Y23、Y
23)粉末と、CeO2粉末と、NiO、CoO、F
eO、Ru粉末と、約5〜30体積%のフロービーズ
(商品名)のポア形成剤とを、表4の組成となるように
混合した後、実施例1の片面に空気極が形成された固体
電解質円板の一面に塗布し、1400℃で2時間熱処理
して固体電解質表面に厚み約50μmのNiO、Co
O、FeO、Ruを含有した粗粒セラミックからなる骨
格を形成した。 【0041】この骨格中に表4の組成になるようにZ
r、Ce、Y、Yb、Sc、Smを含有するオクチル酸
塩をトルエンに溶解した溶液を注入した後、大気中10
00℃で2時間熱処理して熱分解を行なわせNiO、C
oO、FeO、Ru表面に微粒のセラミックを析出させ
て燃料極を形成した。この際、表中の骨格を形成してい
る粗粒セラミック、金属の重量比率は1400℃の熱処
理前後の重量変化から求めた。この後、実施例1に従い
発電試験と微粒のセラミック粒子の観察を行い、結果を
表4に示した。 【0042】 【表4】【0043】この表4より、金属比率が95重量%を越
え、また粗粒のセラミック粒子の比率が4重量%を下回
る試料No.68では出力密度の低下率がやや大きいこ
とが分かる。また、金属比率が50重量%より小さな試
料No.74では出力密度の低下は小さいものの、電気
伝導性が低いため出力密度の絶対値がやや小さいことが
分かる。また、微粒のセラミック粒子が20重量%を越
える試料No.76では出力密度の絶対値がやや小さい
ことが分かる。また、走査型電子顕微鏡による観察か
、全ての試料について金属粒子の表面に微粒のセラミ
ック粒子の析出が観察された。 【0044】実施例2 実施例1、参考例1、2で作製した試料を室温から10
0℃/hの速度で1000℃まで昇温し、1000℃で
1時間保持した後室温まで100℃/hの速度で冷却し
た。この温度変化を1サイクルとし、20サイクル繰り
返した後実施例1に従い発電試験を行ない、出力密度を
求めた。この結果を表5に示す。 【0045】 【表5】【0046】この表5により燃料極中に粗粒のセラミッ
クの骨格を形成した全ての試料は骨格形成がない試料N
o.88、89に比較して熱処理後の出力密度の低下が
少ないことがわかる。発電試験後、骨格形成がない燃料
極試料No.88、89には剥離が認められたが、骨格
を形成した試料には剥離が認められなかった。 【0047】実施例3 純度が99.9%で平均粒子径が8μmのLa0.9Ca
0.1MnO3粉末を用いて押し出し成形法により一端を封
じた中空の円筒状成形体を作製し、1500℃で3時間
焼成して開気孔率32%で、厚み2mm、外径15m
m、長さ200mmの空気極支持管を作製した。この
後、溶射法にて空気極支持管表面に厚みがそれぞれ約5
0μmのZrO2(10モル%Y23含有)電解質およ
びLa0.9Ca0.1CrO3のインターコネクタを形成し
た後、固体電解質表面に本発明の燃料極を70μmの厚
みに形成し、円筒型セルを作製した。発電は、空気極支
持管の内側に空気を、外側に水素を流し1000℃で約
5000時間発電を行ない出力密度の時間変化を観察し
た。結果を図5に示す。 【0048】この図5から、本発明の試料No.6、
考例の試料No.61、85では、従来のセルNo.1
および2に比較して出力密度の低下が極めて小さいこと
がわかる。この結果から本発明の製法による円筒型燃料
電池セルは出力密度の高い長期安定性の優れたセルであ
ることが判る。 【発明の効果】本発明の固体電解質型燃料電池セルの製
造方法では、燃料極中において、微粒のセラミック粒子
を金属表面に析出させると同時に内部にも析出させるこ
とにより、飛躍的に金属の凝集や粒成長を抑制できる
【図面の簡単な説明】 【図1】円筒型固体電解質型燃料電池セルを示す斜視図
である。 【図2】平板型固体電解質型燃料電池セルを示す斜視図
である。 【図3】燃料極が、表面および内部に微粒のセラミック
粒子が析出した金属粒子により構成されている状態を示
す概念図である。 【図4】燃料極が、セラミック粒子を骨格とする多孔質
体の空孔内に、表面および/または内部に微粒のセラミ
ック粒子が析出した金属粒子を分散して構成した状態を
示す概念図である。 【図5】出力密度の時間変化を示すグラフである。 【符号の説明】 1・・・支持管 2・・・空気極 3・・・固体電解質 4・・・燃料極 5・・・集電部材 31・・・金属粒子 33、37・・・微粒のセラミック粒子 35・・・粗粒のセラミック粒子 36・・・多孔質体(骨格) 39・・・金属
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平9−86934(JP,A) 特開 平9−302438(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01M 4/86 H01M 4/88 H01M 8/12

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】固体電解質の片面に多孔性の空気極、他面
    に多孔性の燃料極が形成された固体電解質型燃料電池セ
    ルの製造方法であって、前記燃料極を、Ni、Co、F
    eおよびRuのうち少なくとも1種の金属元素と、Zr
    および/またはCeと、を含む有機金属化合物溶液を前
    記固体電解質表面に塗布して熱分解させ、表面および内
    部に微粒のセラミック粒子が析出した金属粒子により形
    成することを特徴とする固体電解質型燃料電池セルの製
    造方法。
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