JP2005166640A - 固体電解質型燃料電池用発電セル - Google Patents

固体電解質型燃料電池用発電セル Download PDF

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雅治 山田
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孝二 星野
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Abstract

【課題】固体電解質としてランタンガレート系電解質を用いた高燃料利用率下で高出力密度を得ることができる固体電解質型燃料電池用発電セルにおける燃料極を提供する。
【解決手段】ランタンガレード系酸化物イオン伝導体を電解質として用い、前記固体電解質の一方の面に多孔質の空気極が形成され、他方の面に多孔質の燃料極が成形される発電セルを有する固体電解質型燃料電池において、
前記燃料極は、ドープされたセリアとニッケルを含む焼結体からなり、この焼結体におけるニッケルはネットワークを組んでいる多孔質な骨格構造を有し、この多孔質な骨格構造を有するニッケルの表面にドープされたセリアからなる平均粒径:0.2〜0.6μmの大径セリア粒が独立して焼着しており、さらに大径セリア粒と大径セリア粒の間に平均粒径:0.01〜0.09μmの小径セリア粒が独立して焼着している。
【選択図】 図1

Description

この発明は、固体電解質としてランタンガレート系電解質を用いた固体電解質型燃料電池用発電セルに関するものであり、特に固体電解質型燃料電池用発電セルにおける燃料極に関するものである。
一般に、固体電解質型燃料電池は、水素ガス、天然ガス、メタノール、石炭ガスなどを燃料とすることができるので、発電における石油代替エネルギー化を促進することができ、さらに廃熱を利用することができるので省資源および環境問題の観点からも注目されている。この固体電解質型燃料電池の構造は、一般に、酸化物からなる固体電解質の片面に空気極を積層し、固体電解質のもう一方の片面に燃料極を積層してなる構造を有している発電セルと、この発電セルの空気極の外側に空気極集電体を積層させ、一方、発電セルの燃料極の外側に燃料極集電体を積層させ、前記空気極および燃料極の外側にそれぞれセパレータを積層させた構造を有している。この固体電解質型燃料電池は、一般に800〜1000℃で作動するが、近年、作動温度が600〜800℃の低温タイプのものが提案されている。
前記低温タイプの固体電解質型燃料電池の発電セルを構成する固体電解質の一つとして、ランタンガレート系酸化物イオン伝導体を用いることが知られており、このランタンガレート系酸化物イオン伝導体は、一般式:La1-X Sr X Ga1-Y-Z MgY AZ O3(式中、A=Co、Fe、Ni、Cuの1種または2種以上; X=0.05〜0.3; Y=0〜0.29; Z=0.01〜0.3; Y+Z=0.025〜0.3)で表される酸化物イオン伝導体であることが知られている(特許文献1参照)。
また、前記燃料極は、一般式:Ce1-mBmO2、(式中、BはSm、Gd、Y、Caの1種または2種以上、mは0<m≦0.4)で表されるB(ただし、BはSm、Gd、Y、Caの1種または2種以上を示す。以下、同じ)ドープされたセリアとニッケルとで構成された多孔質焼結体からなることが知られており、このBドープされたセリアとニッケルからなる多孔質焼結体におけるニッケルはネットワークを組んでいる多孔質な骨格構造を形成し、前記Bドープされたセリアは0.1〜2μmの粒径を有し、図3に示されるように、前記多孔質な骨格構造のニッケル表面を取り囲むネットワーク構造を有することが知られている(特許文献2参照)。
特開平11−335164号公報 特開平11−297333号公報
現在の固体電解質型燃料電池は大型でしかも十分な出力が得られていないところから、さらに一層の小型化が求められると同時に一層の高出力化が求められており、前記従来のBドープされたセリアとニッケルを含む焼結体を燃料極とした発電セルを組込んだ固体電解質型燃料電池についても一層の小型化および高出力化が求められていた。
そこで、本発明者等は、上述のような観点から、一層優れた固体電解質型燃料電池を開発すべく研究を行った。その結果、
(イ)多孔質な骨格構造のニッケル表面にBドープされたセリアが粒状に焼着している組織構造を有する燃料極において、前記粒状に焼着しているBドープされたセリアは隣の粒状に焼着しているBドープされたセリアと接することなく独立して焼着しているBドープされたセリアが多く存在するほど、固体電解質型燃料電池の特性を高めることができる、
(ロ)図1に示されるように、前記多孔質な骨格構造のニッケル表面に独立して粒状に焼着しているBドープされたセリアは、従来から知られている平均粒径:0.2〜0.6μmのBドープされたセリア粒(以下、大径セリア粒という)の他に平均粒径:0.01〜0.09μmのBドープされたセリア粒(以下、小径セリア粒という)が前記大径セリア粒と大径セリア粒の隙間に独立して焼着していることにより固体電解質型燃料電池の特性を一層高めることができる、という研究結果が得られたのである。
この発明は、かかる研究結果に基づいてなされたものであって、
(1)ネットワークを組んでいる骨格構造を有する多孔質ニッケルの骨格表面に、Bドープされたセリア粒が独立して焼着している固体酸化物形燃料電池用発電セルの燃料極、
(2)ネットワークを組んでいる骨格構造を有する多孔質ニッケルの骨格表面に、大径セリア粒が独立して焼着し、さらに前記大径セリア粒と大径セリア粒の隙間に小径セリア粒が独立して焼着している固体酸化物形燃料電池用発電セルの燃料極、
(3)前記(1)記載のBドープされたセリア粒、または前記(2)記載の大径セリア粒および小径セリア粒を構成するBドープされたセリア粒は、一般式:Ce1−m(式中、BはSm、Gd、Y、Ca内の1種または2種以上、mは0<m≦0.4)で表されるBドープされたセリアからなる固体酸化物型燃料電池用発電セルの燃料極、
(4)ランタンガレード系酸化物イオン伝導体からなる電解質と、前記電解質の一方の面に多孔質の空気極が形成され、他方の面に多孔質の燃料極が成形されている固体酸化物型燃料電池用発電セルにおいて、前記燃料極は前記(1)、(2)または(3)記載の燃料極である固体酸化物型燃料電池用発電セル、
(5)前記ランタンガレート系酸化物イオン伝導体は、一般式:La1-X Sr X Ga1-Y-Z MgY AZ O3(式中、A=Co、Fe、Ni、Cuの1種または2種以上; X=0.05〜0.3; Y=0〜0.29; Z=0.01〜0.3; Y+Z=0.025〜0.3)で表される酸化物イオン伝導体である前記(4)記載の固体酸化物型燃料電池用発電セル、
(6)前記(4)または(5)記載の固体酸化物型燃料電池用発電セルを組込んだ固体酸化物型燃料電池、に特徴を有するものである。
この発明の固体電解質型燃料電池用発電セルにおける燃料極は、Bドープされたセリア粒が前記多孔質な骨格構造のニッケル表面に独立して焼着しており、この燃料極を採用することにより固体電解質型燃料電池の特性を高めることができる。その理由として、以下に示される理由が考えられる。すなわち、Bドープされたセリア粒が前記多孔質な骨格構造のニッケル表面に独立して焼着している燃料極を採用すると、固体電解質型燃料電池の作動時においてニッケルは局所的に発熱量が大きいので熱膨張し、一方、セリアの価数が+3価から+4価になって体積が収縮するものの、Bドープされたセリア粒が独立しているので、膨張率差の影響がほとんど現れず、Bドープされたセリアとニッケルの剥離が生じない。
さらに、前記Bドープされたセリア粒がニッケル表面に独立して焼着しているとニッケルの粒成長が抑制され、そのためにニッケルの粒成長に伴って発生するニッケル金属の露出面積の増加が阻止されて多孔質な骨格構造のニッケル表面に焼着しているBドープされたセリア粒の分布密度の低下が阻止され、燃料である水素との反応面積が減って固体電解質型燃料電池の特性が低下するのを防止することができる。
これに対して、図3に示される従来の固体電解質型燃料電池における燃料極は、セリアがネットワークを組んで連結しているので多孔質な骨格構造のニッケル表面がセリアで被覆され、ニッケル表面の露出面積が少なくなって導電性が阻害され、さらに膨張率差の影響を受けやすく、ネットワークを組んでいるセリアの引っ張り応力を受けて内部歪を内蔵し、またセリアとニッケルが剥離してしまう結果、所望の固体電解質型燃料電池の特性が得られなくなる。
図1は、この発明の固体電解質型燃料電池用発電セルにおける前記(2)記載の燃料極の一層好ましい基本的組織構造を模型的に描いたものである。図1に示されるように、この発明の固体電解質型燃料電池用発電セルにおける燃料極はBドープしたセリアからなる大径セリア粒が前記多孔質な骨格構造のニッケル表面に独立して焼着しており、この独立して焼着している大径セリアと大径セリアの隙間にBドープした小径セリア粒が独立して焼着しており、かかる組織構造を有する燃料極を組込んだ発電セルを採用することにより固体電解質型燃料電池の特性を高めることができる。
その理由として、以下に示される理由が考えられる。すなわち、図1に示されるようなBドープした大径セリア粒が前記多孔質な骨格構造のニッケル表面に独立して焼着し、さらにBドープした大径セリア粒と大径セリア粒の間にBドープした小径セリア粒が独立して焼着していると、多孔質な骨格構造のニッケル表面にセリアが一層緻密に焼着し、それによって燃料である水素との反応面積が一層増加し、さらに、固体電解質型燃料電池の作動時は燃料極のニッケルは局所的に発熱量が大きいので熱膨張し、一方、セリアの価数が+3価から+4価になって体積が収縮するものの、図1のようなミクロ組織では、Bドープしたセリアがほとんどネットワークを形成していないので、膨張率差の影響がほとんど現れず、Bドープしたセリアとニッケルの剥離が生じることがない。
さらに図1のようなミクロ組織では、大径セリアと大径セリアの隙間のニッケル表面に微細なBドープした小径セリア粒が独立して焼着しているために多孔質な骨格構造のニッケル表面の露出性が確保されており、そのために導電性を減少させることがないので、発電セルの特性を一層向上させる。
さらに、一般式:La1-X Sr X Ga1-Y-Z MgY AZ O3(式中、A=Co、Fe、Ni、Cuの1種または2種以上; X=0.05〜0.3; Y=0〜0.29; Z=0.01〜0.3; Y+Z=0.025〜0.3)で表されるランタンガレート系酸化物イオン伝導体を固体電解質とし、また一般式:Ce1-mBmO2、(式中、BはSm、Gd、Y、Caの1種または2種以上、mは0<m≦0.4)で表されるBドープされたセリアとニッケルを含み、ネットワークを組んでいる多孔質なニッケル骨格構造の表面に前記Bドープされたセリア粒が多孔質な骨格構造のニッケル表面に独立して焼着している燃料極としてこれらを組み合わせたこともこの発明の特徴の一つである。Bドープしたセリアはランタンガレート系電解質と相性が良く、1350℃以下の条件でランタンガレート系電解質に焼きつけると、燃料極として有効に作用し、高特性を有する固体電解質型燃料電池用発電セルを製造することができる。
この発明の固体電解質型燃料電池用発電セルにおける燃料極は、前述の如くBドープされたセリア粒が多孔質な骨格構造のニッケル表面に独立して焼着していることを特徴とするものであるが、前記多孔質な骨格構造のニッケル表面に独立して焼着しているBドープされたセリア粒は、大径セリア粒と小径セリア粒からなり、前記大径セリア粒と大径セリア粒の隙間のニッケル表面に微細な小径セリア粒が焼着していることが一層好ましく、前記大径セリア粒の平均粒径は0.2〜0.6μmとし、従来から知られているBドープしたセリアの平均粒径(0.1〜2μm)の範囲内にあってもよいが、小径セリア粒の平均粒径は格段に微細な0.01〜0.09μmとすることが一層好ましい。
小径セリア粒の平均粒径を0.01〜0.09μmに定めたのは、小径セリア粒の平均粒径が0.01μm未満となるような独立した小径セリア粒を形成することは困難である理由によるものであり、一方、0.09μmを越えると、前記大径セリア粒と大径セリア粒の隙間に独立して焼着することが困難となるからである。なお、これら大径セリア粒および小径セリア粒の平均粒径は画像解析により求めることができる。
この発明の燃料極を設けてなる発電セルを組込んだ固体酸化物型燃料電池は、固体酸化物形燃料電池の低温作動化に適用でき、さらに燃料電池発電モジュールのコンパクト化、高効率化が可能となる。
実施例
まず、発電セルを作製するための原料の製造方法を説明する。
(a)ランタンガレート系電解質原料粉末を製造:
酸化ランタン、炭酸ストロンチウム、酸化ガリウム、酸化マグネシウム、酸化コバルトのそれぞれ試薬級の粉体を用意し、(La0.8Sr0.2)(Ga0.8Mg0.15Co0.05)O3で示される組成となるよう秤量し、ボールミル混合の後、空気中、1350℃に3時間加熱保持し、得られた塊状焼結体をハンマーミルで粗粉砕の後、ボールミルで微粉砕して、平均粒径1.3μmのランタンガレート系電解質原料粉末を製造した。
(b)サマリウムをドープしたセリア(以下、SDCという)の超微粉を含むエタノール溶液の製造:
0.5mol/L の硝酸セリウム水溶液8部と0.5mol/L の硝酸サマリウム水溶液2部の混合水溶液に1mol/L の水酸化ナトリウム水溶液を攪拌しながら滴下し、酸化セリウムと酸化サマリウムを共沈させた。次いで、生成した粉末を遠心分離機を用いて沈降させ、上澄みを捨て、蒸留水を加えて攪拌・洗浄し、遠心分離機を用いて再度沈降させ、この操作を6回繰り返して洗浄した。次いで、遠心分離機で沈降させ、エタノールを加えて攪拌し、遠心分離機を用いて再度沈降させ、この操作を3回繰り返して溶液を水からエタノールに置換し、SDCの超微粉を含むエタノール溶液を作製した。得られたSDCの超微粉を含むエタノール溶液の一部を取りだし、セリアの超微粉の粒径をレーザー回折法で測定したところ、平均粒径0.04μmであった。
(b−1)ドープした大径セリア粉の製造:
0.5 mol/L の硝酸セリウム水溶液8部と0.5 mol/L の硝酸サマリウム水溶液2部の混合水溶液に1 mol/L の水酸化ナトリウム水溶液を攪拌しながら滴下し、酸化セリウムと酸化サマリウムを共沈させ、ろ過した後、純水での攪拌洗浄とろ過を6回繰返して水洗し、酸化セリウムと酸化サマリウムの共沈粉を製造し、これを空気中、1000℃に3時間加熱保持して、(Ce0.8Sm0.2)O2の組成を有する平均粒径約0.8μmのドープしたセリア粉1を製造した。
(c)酸化ニッケル粉の製造:
1mol/L の硝酸ニッケル水溶液に1 mol/L の水酸化ナトリウム水溶液を攪拌しながら滴下し、水酸化ニッケルを沈殿させ、ろ過した後、純水での攪拌洗浄とろ過を6回繰返して水洗し、これを空気中、900℃に3時間加熱保持して、平均粒径1.1μmの酸化ニッケル粉を製造した。
(d)サマリウムストロンチウムコバルタイト系空気極原料粉末の製造:
酸化サマリウム、炭酸ストロンチウム、酸化コバルトのそれぞれ試薬級の粉体を用意し、(Sm0.5Sr0.5)CoO3で示される組成となるよう秤量し、ボールミル混合の後、空気中、1000℃に3時間加熱保持し、得られた粉体をボールミルで微粉砕して、平均粒径1.1μmのサマリウムストロンチウムコバルタイト系空気極原料粉末を製造した。
次に、作製した原料を用いて、下記のごとき方法により発電セルを製造した。
まず、前記(a)で製造したランタンガレート系電解質原料粉末をトルエン-エタノール混合溶媒にポリビニルブチラルとフタル酸Nジオクチルを溶解した有機バインダー溶液と混合してスラリーとし、ドクターブレード法で薄板状に成形し、円形に切りだした後、空気中、1450℃に4時間加熱保持して焼結し、厚さ200μm、直径120mmの円板状のランタンガレート系電解質を製造した。
前記(c)で作製した酸化ニッケル粉と前記(b)で作製したSDCの超微粉を含むエタノール溶液を体積比率で酸化ニッケル:SDC=60:40になるように混合し、さらにトルエン-エタノール混合溶媒にポリビニルブチラルとフタル酸Nジオクチルを溶解した有機バインダー溶液と混合してスラリーとし、このスラリーをスクリーン印刷法により前記円板状のランタンガレート系電解質の上に、厚さ:30μmのスラリー膜を成形し乾燥させ、次いで、空気中、1250℃に3時間加熱保持して、燃料極を前記円板状のランタンガレート系電解質の上に成形・焼き付けた。
なお、湿式(共沈)による粉末は分散した超微粉(ナノ粒子)であるが、乾燥すると直ちに凝集してしまうところから、凝集を避けて微細粉のまま酸化ニッケルと混合してスラリーとするために、SDCの超微粉を含むエタノール溶液を用いる。成形後、乾燥時にSDCは酸化ニッケル粉表面で凝集し、独立したセリアの状態を形成する。それを焼成すると、本発明燃料極が得られる。このようにして得られた本発明燃料極のミクロ組織の一部を走査形電子顕微鏡により観察し、その走査形電子顕微鏡による組織写真を図2に示した。この組織写真に示される骨格構造の多孔質ニッケル表面に独立して焼着している大径セリア粒および小径セリア粒の粒径を画像解析法により測定したところ、サマリウムをドープした平均粒径:0.4μmの大径セリア粒と大径セリア粒の隙間にサマリウムをドープした平均粒径:0.05μmの小径セリア粒が独立して焼着した構造を有していることが分かった。
さらに、前記(d)で作製したサマリウムストロンチウムコバルタイト系空気極原料粉をトルエン-エタノール混合溶媒にポリビニルブチラルとフタル酸Nジオクチルを溶解した有機バインダー溶液と混合してスラリーを作製し、このスラリーを燃料極を焼付けたランタンガレート系電解質の他方の面に、スクリーン印刷法により厚さ:30μmになるように成形し乾燥させたのち、空気中、1100℃に5時間加熱保持して、空気極を成形・焼き付けた。
このようにして、固体電解質、燃料極および空気極からなる本発明固体電解質型燃料電池用発電セル(以下、本発明発電セルという)を製造し、得られた本発明発電セルの燃料極の上に厚さ1mmの多孔質Niからなる燃料極集電体を積層し、一方、本発明発電セルの空気極の上に厚さ1.2mmの多孔質Agからなる空気極集電体を積層し、さらに前記燃料極集電体および空気極集電体の上にそれぞれセパレータを積層することにより図4に示される構成の本発明固体電解質型燃料電池を作製した。
従来例
さらに比較のために、下記に示される方法で従来固体電解質型燃料電池を作製した。まず、1N-硝酸ニッケル水溶液、1N-硝酸セリウム水溶液を1N-硝酸サマリウム水溶液をそれぞれ用意し、NiOと(Ce0.8Sm0.2)O2が体積比率で60:40のになるように秤量し、混合して、霧化器で溶液を霧化し、空気をキャリヤーガスとして縦型管状炉に導入、1,000℃に加熱して、NiOと(Ce0.8Sm0.2)O2が体積比率で60:40となる酸化物複合粉末を得た。この酸化物複合粉末を用いてスラリーを作製し、このスラリーを用いて実施例で作製したランタンガレート系固体電解質の一方の面に塗布し燒結して燃料極を形成し、さらに空気極を実施例と同様にして形成して発電セルを製造した。この発電セルに形成された燃料極は、図3に示されるように、サマリウムをドープしたセリア(SDC)が多孔質な骨格構造のニッケル表面を取り囲むネットワーク構造を有していた。この発電セルの片面に燃料極集電体を積層しさらにその上にセパレータを積層し、一方、従来の発電セルの他方の片面に空気極集電体を積層しさらにセパレータを積層することにより図4に示される従来固体電解質型燃料電池を作製した。
このようにして得られた本発明固体電解質型燃料電池および従来固体電解質型燃料電池を用いて、次の条件で発電試験を実施し、その結果を表1に示した。
<発電試験>
温度:750℃、
燃料ガス:水素、
燃料ガス流量:1.02L/min(=9cc/nin/cm2)、
酸化剤ガス:空気、
酸化剤ガス流量:5.1L/min(=45cc/nin/cm2)、
の発電条件で発電させ、負荷電流密度、燃料利用率、セル電圧、出力、出力密度、および発電効率を測定し、その結果を表1に示した。
Figure 2005166640
表1に示される結果から、本発明固体電解質型燃料電池と従来固体電解質型燃料電池とは、燃料極の構成が相違するのみで、その他の構成は同じであるが、本発明固体電解質型燃料電池は従来固体電解質型燃料電池と比べて、負荷電流密度、燃料利用率、セル電圧、出力、出力密度、および発電効率がいずれも優れた値を示すことがわかる。
この発明の燃料極の組織を示す説明図である。 この発明の燃料極の走査型電子顕微鏡組織写真である。 従来の燃料極の組織を示す説明図である。 固体電解質型燃料電池の説明図である。

Claims (6)

  1. ネットワークを組んでいる骨格構造を有する多孔質ニッケルの骨格表面に、B(ただし、BはSm、Gd、Y、Caの内の1種または2種以上を示す)ドープされたセリア粒が独立して焼着していることを特徴とする固体酸化物形燃料電池用発電セルの燃料極。
  2. ネットワークを組んでいる骨格構造を有する多孔質ニッケルの骨格表面に、平均粒径:0.2〜0.6μmのB(ただし、BはSm、Gd、Y、Caの内の1種または2種以上を示す。以下、同じ)ドープされたセリア粒(以下、大径セリア粒という)が独立して焼着し、さらに前記大径セリア粒と大径セリア粒の隙間に平均粒径:0.01〜0.09μmのBドープされたセリア粒(以下、小径セリア粒という)が独立して焼着していることを特徴とする固体酸化物形燃料電池用発電セルの燃料極。
  3. 前記請求項1記載のBドープされたセリア粒、または請求項2記載の大径セリア粒および小径セリア粒を構成するBドープされたセリア粒は、一般式:Ce1−m(式中、BはSm、Gd、Y、Ca内の1種または2種以上、mは0<m≦0.4)で表されるBドープされたセリアからなることを特徴とする固体酸化物型燃料電池用発電セルの燃料極。
  4. ランタンガレード系酸化物イオン伝導体からなる電解質と、前記電解質の一方の面に多孔質の空気極が形成され、他方の面に多孔質の燃料極が成形されている固体酸化物型燃料電池用発電セルにおいて、
    前記燃料極は、請求項1、2または3記載の燃料極であることを特徴とする固体酸化物型燃料電池用発電セル。
  5. 前記ランタンガレート系酸化物イオン伝導体は、一般式:La1-X Sr X Ga1-Y-Z MgY AZ O3(式中、A=Co、Fe、Ni、Cuの1種または2種以上; X=0.05〜0.3; Y=0〜0.29; Z=0.01〜0.3; Y+Z=0.025〜0.3)で表される酸化物イオン伝導体であることを特徴とする請求項4記載の固体酸化物型燃料電池用発電セル。
  6. 請求項4または5記載の固体酸化物型燃料電池用発電セルを組込んだ固体酸化物型燃料電池。
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